JP6794437B2 - 機械式係止装置を備えたパネル及びこれらのパネルを含む組立品 - Google Patents

Description

本発明の実施例は、互いに垂直に配置され、機械式係止装置で互いに係止されたパネルに関する。これらのパネルを互いに組み立てて係止し、本棚、食器棚、箱、引き出し、又は家具構成要素等の家具製品を形成する。係止装置は、可撓性タングを含んでいてもよい。

機械式係止装置を備えた家具製品は、ＷＯ２０１５／０３８０５９に記載されているように、当該技術分野で周知である。家具製品は、可撓性タングが挿入溝に設置された機械式係止装置によって第２パネルに垂直に連結された第１パネルを含む。

ＷＯ２０１５／０３８０５９

本発明の特定の実施例の一つの目的は、上文中に説明した技術及び従来技術に対する改良を提供することである。特定の目的は、家具、家具構成要素、引き出し、食器棚、本棚、衣装ダンス、台所備品、又は収納または持ち運び用の箱等の組立品の機械的係止の解除を改良することである。

本発明の実施例の別の目的は、フレーム及び後ピースを含む家具製品を分解するための改良された方法を提供することである。

以上の説明から明らかなこれらの及び他の目的及び利点の少なくとも幾つかは、第１主平面を持つパネルと、第２主平面を持つ隣接パネルとを含み、パネル及び隣接パネルは、パネルの第１縁部を隣接パネルの第２縁部に係止するための傾け可能係止装置を含み、第１主平面は第２主平面に対して本質的に垂直である、好ましくは家具製品用のパネルのセットを含む本発明の第１の態様により達成される。傾け可能係止装置は、第１縁部の縁部溝及び第２縁部のタング溝を含み、縁部溝は、縁部溝の第１側の挿入溝に配置された可撓性タングを含み、可撓性タングは、第１縁部及び第２縁部を第１主平面に対して垂直な第１方向で互いに係止するため、タング溝と協働する。傾け可能係止装置は、更に、縁部溝及び第２縁部を第１主平面と平行な第２方向で互いに係止するため、縁部溝と第２縁部との間に縁部溝のの第１側及び第２側の夫々との間に接触面を含む。

傾け可能係止装置は、第１主平面と第２主平面との間の角度が増大するように、パネルを隣接パネルに対して傾け動作することによって係止解除される。これにより、パネル及び隣接パネルの分解が容易になる。これは、傾け可能係止装置が工具なしで係止解除されるためである。

可撓性タングは、パネルを隣接パネルに対して第１主平面に対して本質的に垂直な方向に直線的に変位することによって、組み立てを容易にする。

パネルは、好ましくはフレームパネルであり、隣接パネルは、好ましくは後ピースパネルである。

傾け可能係止装置は、好ましくは、傾け動作によって可撓性タングがタング溝の外に移動するように形成されている。

傾け可能係止装置は、パネル及び隣接パネルが係止位置にある場合、縁部溝の開口部の第２側の第１縁部と第２縁部との間の第１空間を含んでいてもよい。第１空間は、好ましくは、係止位置のパネル及び隣接パネルの外隅部の外縁面にある。

傾け可能係止装置は、パネル及び隣接パネルが係止位置にある場合、縁部溝の開口部の第１側に、好ましくはパネル及び隣接パネルの内隅部に協働表面を含んでいてもよい。

傾け可能係止装置は、第１空間を形成するため、第１縁部に面取り部等の凹所を備えていてもよい。

傾け可能係止装置は、前記第１空間を形成するため、第２縁部に凹所を備えていてもよい。

傾け可能係止装置は、傾け動作を可能にするため、第１外縁部及び／又は第２外縁部に面取り部等の凹所を備えていてもよい。

傾け可能係止装置は、傾け動作を可能にするため、第２縁部の外縁部と縁部溝との間であって、縁部溝の第１側に形成された第２空間を含んでいてもよい。第２空間は、好ましくは、縁部溝の深さ方向で、縁部溝と第２縁部との間の縁部溝の第２側の接触面の長さとほぼ同じであるかそれよりも大きい所定距離に亘って延びている。この距離は、縁部溝と第２縁部との間の接触面の長さの２倍又は３倍よりも短くてもよい。

縁部溝は、第２縁部の本質的に全長に沿って延びていてもよい。

可撓性タングは、挿入溝内で変位可能であってもよい。

傾け可能係止装置は、第２縁部の最外面と縁部溝との間に形成された第３空間を含んでいてもよい。

傾け可能係止装置は、縁部溝の開口部の第２側に、好ましくは、係止位置にあるパネル及び隣接パネルの外隅部の外縁面に形成された協働表面を含んでいてもよい。これにより、密な接合部又は目に見える隙間がない接合部が提供される。

傾け可能係止装置は、縁部溝の底部のパネルの底部分及び側部分を含み、底部分は、傾け動作を可能にするため、側部分を変位できるように曲げることができる。

傾け可能係止装置は、タング溝の開口部に面取り部又は丸みを備えていてもよい。可撓性タングは、丸み又は面取り部が設けられているため、タング溝の外に容易に摺動できる。

第２縁部及び縁部溝は、第２縁部を縁部溝に対して縁部溝の深さ方向で位置決めするため、縁部溝の第１側に、好ましくは挿入溝と縁部溝の底面との間に協働表面を含んでいてもよい。

協働表面は、第２縁部の凹所の第１面及び縁部溝の凹所の第２面であってもよい。

挿入溝は、縁部溝の本質的に全長に沿って延びていてもよい。

可撓性タングは、好ましくは挿入溝内で変位可能である。

傾け動作による係止解除を容易にする幾つかの又は全ての特徴を一つの実施例で組み合わせて係止解除を改良してもよい。

可撓性タングは、ＷＯ２０１５／１０５４４９の図２Ａ−図２Ｆに説明されており且つ図示された可撓性タングによるものであってもよい。ＷＯ２０１５／１０５４４９の図２Ａ−図２Ｆ及び第６頁第１５行目乃至第７頁第２行目の関連した開示は、出典を明示することにより、全ての内容が本明細書の開示の一部とされる。

パネル及び／又は隣接パネルのコア材料は、好ましくは、ＨＤＦ、ＭＤＦ、合板、無垢板、又はパーティクルボード等の木材繊維をベースとしたボード、又は強化プラスチックボード、又は木材繊維複合材料ボードでできていてもよい。

コアには、装飾層が設けられていてもよい。

本発明の第２態様は、パネルを含むフレーム及び後ピースを含み、フレームの第１及び第２の隅縁部は、二つの隣接したパネルを互いに係止するための隅部係止装置を各々含み、隅部係止装置は可撓性タングを含み、隅部係止装置は、可撓性タングを工具によって変位及び／又は圧縮によって係止解除可能である、組立家具製品である。後ピースは、第１の態様による傾け可能係止装置によってフレームに連結される。後ピースは、四つの縁部を備えていてもよい。フレームの第３及び第４の隅部の各々には、二つの隣接したパネルを互いに係止するための隅部係止装置が設けられていてもよく、隅部係止装置は可撓性タングを含み、隅部係止装置は、可撓性タングを工具で変位及び／又は圧縮することによって係止解除できる。後ピースは、組立家具製品の好ましい実施例では、四つの縁部がフレームに連結されている。各縁部は、好ましくは、第１態様による傾け可能係止装置によって連結されている。

本発明の第３態様は、フレーム及び後ピースを含む家具製品を分解するための方法において、
上パネルの第１縁部及び第２縁部の夫々の第１及び第２の隅部係止装置を、第１及び第２の隅部係止装置夫々の可撓性タングの変位及び／又は圧縮によって係止解除する工程と、
上パネルを傾け動作によって上方に傾ける工程と、
傾け可能係止装置によって上パネルに連結された後ピースを傾け動作によって係止解除し、上パネルを取り外す工程とを含む、方法である。

この方法は、家具を、好ましくは、家具製品の下パネルが上にくるように回転する工程と、
第３及び第４の隅部係止装置の夫々の可撓性タングの変位及び／又は圧縮によって、下パネルの第３縁部及び第４縁部の夫々の第３及び第４の隅部係止装置を夫々を係止解除する工程と、
下パネルを傾け動作によって上方に傾ける工程と、
傾け可能係止装置によって下パネルに連結された後ピースを傾け動作によって係止解除し、下パネルを取り外す工程とを含んでいてもよい。

方法は、フレームの第１側パネル及び第２側パネルを係止解除する工程を含んでいてもよい。第１側パネルは、後ピースに対する第１側パネルの傾け動作又は摺動移動によって係止解除されてもよい。第２側パネルは、後ピースに対する第２側パネルの傾け動作又は摺動移動によって係止解除されてもよい。別の態様では、第１側パネルは、第１側パネルと後ピースとの間の接合部にある係止装置の可撓性タングを変位及び／又は圧縮することによって係止解除されてもよい。別の態様では、第２側パネルは、第２側パネルと後ピースとの間の接合部にある係止装置の可撓性タングを変位及び／又は圧縮することによって係止解除されてもよい。

本発明の実施例を、添付の概略図を参照して例として更に詳細に説明する。

図１Ａ及び図１Ｂは、本発明の一実施例による傾け可能係止装置を備えたパネルを示す図である。 図２Ａ−図２Ｃは、本発明の一実施例を分解する方法の一実施例を示す図であり、図２Ｄ及び図２Ｆは、図２Ａ−図２Ｃに示す実施例を組み立てる方法の一実施例を示す図である。 図３は、本発明による傾け可能係止装置の一実施例を示す図である。 図４Ａ−図４Ｃは、本発明の一実施例を分解する方法の一実施例を示す図であり、図４Ｄ及び図４Ｆは、図４Ａ−図４Ｃに示す実施例を組み立てる方法の一実施例を示す図である。 図５Ａ及び図５Ｂは、夫々、本発明の組立品の一実施例の側面図及び底面図であり、図５Ｃは、本発明の一実施例による係止解除中のフレームの接合部の一実施例を示す図である。 図６Ａ−図６Ｄは、本発明の実施例を分解する方法の一実施例を示す図である。 図７Ａは、図６Ａ−図６Ｄに示す実施例の分解方法の一実施例を示す図であり、図７Ｂ及び図７Ｃは、係止解除中の後ピース接合部の実施例を本発明の一実施例の一部として示す図である。 図８Ａ及び図８Ｂは、係止解除中のフレーム接合部の実施例を本発明の実施例の一部として示す図であり、図８Ｃは、係止解除中の後ピース接合部の実施例を本発明の一実施例の一部として示す図である。 図９Ａは、図４Ａ−図４Ｆに示す実施例の拡大図であり、図９Ｂは、傾け可能係止装置の一実施例の拡大図である。 図１０は、傾け可能係止装置の一実施例の拡大図である。 図１１Ａ及び図１１Ｂは、傾け可能係止装置の実施例の拡大図である。

図１Ａは、隣接パネル４からのパネル６の分解を示す。パネル６及び隣接パネル４には、傾け可能係止装置６０の一実施例が設けられている。パネル６は、家具製品用のフレーム等のフレームの上パネルであってもよく、隣接パネル４は、上パネルに連結されるように形成された後ピースであってもよい。

図１Ｂは、パネル６及び隣接パネル４の係止位置の傾け可能係止装置６０の拡大図を示す。パネル６は第１主平面を有し、隣接パネル４は第２主平面を有する。第１主平面は、係止位置において、第２主平面に対して本質的に垂直である。傾け可能係止装置６０は、パネル６の第１縁部を隣接パネル４の第２縁部２２に係止するように形成されている。傾け可能係止装置６０は、第１縁部の縁部溝２１及び第２縁部のタング溝１０を含む。縁部溝２１は、縁部溝２１の第１側部の挿入溝２０に配置された可撓性タング３０を含み、前記可撓性タングは、第１及び第２の縁部を第１主平面に垂直な第１方向で互いに係止するため、タング溝１０と協働するように形成されている。

傾け可能係止装置６０は、第１及び第２の縁部を第１主平面と平行な第２方向で互いに係止するため、縁部溝２１の第１及び第２の側部の夫々のところで、縁部溝２１と第２縁部２２との間に接触面９６、９５を更に含む。傾け可能係止装置６０は、第１及び第２の主平面間の角度２３が増大するようにパネル６を隣接パネル４に対して傾け動作することにより、係止解除されるように形成されている。

パネル６及び隣接パネル４は、好ましくは、各々、四つの縁部、外面１６、１５、及び内面１８、１７を含む。第１主平面はパネル６の外面１６と平行であり、第２主平面は隣接パネル４の外面１５と平行である。

外面及び／又は内面には、装飾層（図示せず）が設けられていてもよい。

傾け可能係止装置６０は、好ましくは、傾け動作６１によって、可撓性タング３０がタング溝１０の外に移動するように形成されている。パネル、隣接パネル、及び／又は傾け可能係止装置の部品は、傾け動作中に圧縮されてもよい。傾け可能係止装置は、パネル及び隣接パネルの係止位置において、縁部溝２１の開口部の第２側部に、第１縁部と第２縁部２２との間に第１空間６９を含んでいてもよい。傾け可能係止装置は、前記第１空間を形成するため、第１縁部に面取り部等の凹所６５を、及び／又は第２縁部に凹所６４を備えていてもよい。隣接パネル４の第１及び／又は第２の外縁部には、前記傾け動作を可能にするため、面取り部等の凹所６３、６２が設けられていてもよい。好ましくは、前記凹所の各々によって空間が形成される。

傾け可能係止装置は、パネル６及び隣接パネル４の係止位置において、縁部溝２１の開口部の第１側部に、好ましくはパネル６及び隣接パネル４の内隅部に、協働面９７を備えていてもよい。

縁部溝２１は、好ましくは、本質的に第２縁部の全長に沿って延びている。

可撓性タング３０は、好ましくは、挿入溝２０内で変位可能である。タング及び挿入溝は、ＷＯ２０１５／１０５４４９の図２Ａ−図２Ｆに説明し且つ示した可撓性タングによるものであってもよい。出典を明示することにより、ＷＯ２０１５／１０５４４９の図２Ａ−図２Ｆ及び第６頁第１５行目乃至第７頁第２行目の関連した開示の全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。

本開示では、図２Ａ−図２Ｃは、上文中に説明したパネル６及び隣接パネル４の実施例の分解方法の一実施例を示し、図２Ｄ−図２Ｆは組立方法を示す。図２Ａは、係止位置のパネル６及び隣接パネル４を示す。図２Ｂは、傾け動作６１によってパネル６を上方に傾け、パネルと隣接パネルとの間の角度を増大し、可撓性タングをタング溝１０の外に移動したことを示す。図２Ｃは、斜め方向上方であってもよい所定方向でのパネルの変位７４を示す。変位角度は、傾け可能係止装置の形態で決まる。変位及び角度動作を同時に行ってもよい。図２Ｄは、パネル６を、隣接パネルに対し、第２主平面と本質的に平行な方向に変位３１したところを示す。図２Ｅは、可撓性タングを変位し、挿入溝に押し込んだところを示す。可撓性タングは、パネル６及び隣接パネル４が図２Ｆに示す最終係止位置に達したとき、バネ作用で少なくとも部分的に戻る。パネル６及び隣接パネル４は、図２Ａ−図２Ｃに示す移動を逆に行うことによって組み立てることもできる。

図３は、縁部溝２１と隣接して外縁面６７を備えた、傾け可能係止装置の一実施例を示す。この実施例の外縁面は、縁部溝２１の底部７５に近く、縁部溝の第２壁は、図１Ａ−図１Ｂに示す実施例と比べて短い。外縁面は、隣接パネルに面している。一つの利点は、前記傾け動作による隣接パネルの分解が容易であるということである。

図４Ａ−図４Ｃは、図９Ａに示し且つ以下に説明する傾け可能係止装置を含むパネル６及び隣接パネル４の一実施例の分解方法の一実施例を示し、図４Ｄ−図４Ｆは、組立方法を示す。図２Ａ−図２Ｆに示す方法との相違点は、縁部溝の底部を曲げることができ、傾け動作６１中に縁部溝の側部を変位９９できるということである。縁部溝の側部を、最大２５°、好ましくは最大１５°、好ましくは最大１−１０°曲げてもよい。パネル６及び隣接パネル４は、図２Ａ−図２Ｃに示す移動を逆に行うことによって組み立てることもできる。

図５Ａ及び図５Ｂは、フレーム及び後ピース４を含む組立家具製品を示す。フレームは、四つのフレームパネル１、２、５、６、例えば上パネル６、下パネル１、第１及び第２の側パネル２、５を含む。図５Ａは、組立製品を示す側面図であり、図５Ｂは、組立製品を示す背面図である。フレームの第１及び第２の隅縁部５１、５２の各々には、二つの隣接したフレームパネルを互いに係止するための隅部係止装置５０が設けられている。これらの隅部係止装置は可撓性タング３０を含み、隅部係止装置は、図５Ｃに示すように工具９０によって可撓性タングを変位及び／又は圧縮することによって係止解除される。前記隅部係止装置の変形例を図８Ａ及び図８Ｂに示す。これらの隅部係止装置は、ＷＯ２０１５／０３８０５９（Ａ１）の図７Ｄ及び図７Ｅに図示されており且つ説明されている。出典を明示することにより、ＷＯ２０１５／０３８０５９の図７Ｄ及び図７Ｅ及び第１２頁第１０行目乃至第２６行目に開示された全ての内容は、本明細書の開示の一部とされる。

フレームの第３及び第４の隅縁部５３、５４は、好ましくは、二つの隣接したフレームパネルを互いに係止するための隅部係止装置５０を各々備えている。後ピース４は、上文中に説明したように、傾け可能係止装置６０の一実施例によってフレームに連結されている。後ピース４は、縁部を四つ備えていてもよい。後ピースは、組立家具製品の好ましい実施例では、四つの縁部８１、８２、８３、８４でフレームに連結されている。各縁部は、好ましくは、前記傾け可能係止装置６０の一実施例によって上文中に説明したように連結されている。

図６Ａ−図６Ｄ及び図７Ａは、フレーム及び後ピースを含む図５Ａ−図５Ｃに示す家具製品等の家具製品を分解するための方法の一実施例を示す。家具製品は、図６Ａ−図６Ｄには側面図で示してあり、図７Ａには平面図で示してある。上パネル６の第１隅縁部５１及び第２隅縁部５２の第１及び第２の隅部係止装置５０の夫々の可撓性タングの変位及び／又は圧縮（例えば図５Ｃ参照）による、及び傾け動作６１によって上パネル６を上方に傾けることによる、係止解除を図６Ａに示す。傾け可能係止装置８１によって上パネル６に連結された後ピースを、前記傾け動作によって係止解除する。その後、上パネル６を取り外す。図６Ｂは、家具製品の下パネル１が上にくるように家具製品を回転したところを示す。下パネル１の第３隅縁部５３及び第４隅縁部５４の夫々の第３及び第４の隅部係止装置５０の係止解除は、第３及び第４の隅部係止装置の夫々の可撓性タング５０を変位及び／又は圧縮することによって、及び傾け動作７１によって下パネル１を上方に傾けることによって図６Ｃに示すように行われる。傾け可能係止装置８２によって下パネルに連結された後ピース４を、前記傾け動作７１によって係止解除する。その後、下パネル１を取り外す（図６Ｄ参照）。

本方法は、フレームの第１側パネル２及び第２側パネル５を係止解除する工程を含んでいてもよい。第１側パネルは、後ピースに対する第１パネルの傾け動作７２又は摺動移動によって係止解除されてもよい。第２側パネルは、後ピースに対する第２パネルの傾け動作７３又は摺動移動によって係止解除されてもよい。

第１側パネルは、別の態様では、第１側パネルと後ピースとの間の接合部のところで、係止装置８０の工具によって、可撓性タング３０を変位及び／又は圧縮することによって係止解除されてもよい。第２側パネルは、別の態様では、第２側パネル５と後ピース４との間の接合部のところで、係止装置８０の工具９０によって、可撓性タング３０を変位及び／又は圧縮することによって係止解除されてもよい。第１側パネル及び第２側パネルは、これらの変形例について、例えば、係止解除中に工具９０によって図７Ｂ、図７Ｃ、又は図８Ｃに示すように形成された係止装置によって連結されてもよい。これらの係止装置は、ＷＯ２０１５／０３８０５９（Ａ１）の図２Ｃ及び図７Ｂ−図７Ｃに記載されており且つ図示されている。出典を明示することにより、ＷＯ２０１５／０３８０５９の図２Ｃ及び図７Ｂ−図７Ｃ、及び第８頁第３３行目乃至第９頁第３行目及び第１２頁第７行目乃至第８行目の関連した全ての開示内容は本明細書の開示の一部とされる。

図９Ａは、図４Ａ−図４Ｆに示す傾け可能係止装置６０の実施例の、パネル及び隣接パネルが係止位置にある拡大図を示す。傾け可能係止装置は、前記傾け動作６１を可能にするため、第２縁部２２の最外面と縁部溝２１との間の第３空間９１、及び第２縁部２２の外縁部と縁部溝２１との間の第３空間９２を含む。傾け可能係止装置は、縁部溝２１の開口部の第２側に、好ましくは、係止位置にあるパネル及び隣接パネルの外隅部の外縁面に協働表面９８を含んでいてもよい。これらの協働表面９８は、係止システムを隠し、外観を改善する。縁部溝の底部のパネルの底部分９３及び側部分９４は、前記傾け動作６１を可能にするため、側部を変位可能であるように曲げることができてもよい。縁部溝の側部分は、最大２５°、好ましくは最大１５°、好ましくは１°−１０°曲げることができてもよい。前記側部を変位することによって縁部溝を広くしてもよい。例えば、縁部溝の開口部のところで幅が５％乃至３０％、好ましくは、５％乃至１０％広くなってもよい。

図９Ｂは、パネル及び隣接パネルが係止位置にある傾け可能係止装置６０の一実施例の拡大図を示す。傾け可能係止装置は、前記傾け動作６１を可能にするため、第２縁部２２の最外面と縁部溝２１との間の第３空間９１及び第２縁部２２の外縁部と縁部溝２１の第１側の縁部溝２１との間の第２空間９２を含む。第２空間９２は、好ましくは、第１主平面に対して垂直な縁部溝の深さ方向１４で、好ましくは、縁部溝２１と第２縁部２２との間の縁部溝の第２側の接触面９５の長さ１２とほぼ同じであるか或いはこれよりも大きい距離１３に亘って延びている。距離１３は、第２縁部２２の最外面の平面から接触面９６の開始位置まで計測される。距離１３は、縁部溝と第２縁部との間の接触面の長さ１２から、長さ１２の３倍、随意であるが長さ１２の１．１倍乃至２倍の大きさ程度までの大きさを備えていてもよい。傾け可能係止装置は、縁部溝２１の開口部の第２側に、好ましくは係止位置のパネル及び隣接パネルの外隅部の外縁面に協働表面９８を備えていてもよい。これらの協働表面９８は、係止システムを隠し、外観を改善する。

図１０は、パネル及び隣接パネルが係止位置にある傾け可能係止装置６０の一実施例の拡大図を示す。傾け可能係止装置は、前記傾け動作６１を可能にするため、第２縁部２２の最外面と縁部溝２１との間の第３空間９１、及び第２縁部２２の外縁部と縁部溝２１の第１側の縁部溝２１との間の第２空間９２を含む。第２空間９２は、好ましくは、縁部溝の第２側の縁部溝２１と第２縁部２２との間の接触面９５の長さ１２とほぼ同じであるか或いはこれよりも大きい距離１３に亘って、好ましくは、第１主平面に対して垂直な縁部溝の深さ方向１４に延びている。距離１３は、縁部溝と第２縁部との間の接触面の長さ１２から、長さ１２の３倍、随意であるが長さ１２の１．１倍乃至２倍の大きさの程度の大きさを備えていてもよい。この実施例の第２縁部２２及び縁部溝２１は、第２縁部２２を縁部溝２１に対して深さ方向１４に位置決めするため、縁部溝の第１側に、好ましくは挿入溝２０と縁部溝の底面との間に協働表面７７を含む。これらの協働表面は、第２縁部２２の凹所７５の第１面と縁部溝２１の凹所７６の第２面との間にあってもよい。

図１１Ａ及び図１１Ｂは、パネル及び隣接パネルが係止位置にある傾け可能係止装置６０の実施例の拡大図を示す。第１主平面は第２主平面に対して本質的に垂直であり、パネル及び隣接パネルは、第１主平面と第２主平面との間を延びる接合平面のところで接合されている。接合平面と第１主平面との間の角度は、約４５°であってもよく、随意であるが１５°乃至７５°であってもよく、又は３０°乃至６０°であってもよい。傾け可能係止装置は、前記傾け動作６１を可能にするため、第２縁部２２の最外面と縁部溝２１との間の第３空間９１及び第２縁部２２の外縁部と縁部溝２１の第１側の縁部溝２１との間の第２空間９２を含む。この実施例は、パネル６及び隣接パネル４が係止位置にある縁部溝２１の開口部の第１側に、好ましくは、パネル６及び隣接パネル４の内隅部に、協働表面９７を備えていてもよい。更に、この実施例は、縁部溝２１の開口部の第２側に、好ましくは、係止位置でのパネル及び隣接パネルの外隅部の外縁面に協働表面９８を備えていてもよい。

図１１Ａに示す第２空間９２は、縁部溝の第２側の縁部溝２１と第２縁部２２との間の接触面９５の長さ１２とほぼ同じである距離１３に亘って、好ましくは、第１主平面に対して垂直な縁部溝の深さ方向１４に延びている。

図１１Ｂに示す第２空間９２は、縁部溝２１の第２側の縁部溝２１と第２縁部２２との間の接触面９５の長さ１２のほぼ３倍の距離１３に亘って、好ましくは、第１主平面に対して垂直な縁部溝の深さ方向１４に延びている。

図１１Ａに示す比較的短い距離に亘って延びる第２空間９２は、より強固な係止を提供し、図１１Ｂに示す比較的長い距離に亘って延びる第２空間９２は、前記傾け動作による係止解除を容易にする。

距離１３は、縁部溝２１と第２縁部２２との間の接触面９５の長さ１２の約１倍乃至約３倍の範囲内にあってもよい。

傾け可能係止装置の実施例は、タング溝１０の開口部に面取り部又は丸み１１を備えていてもよい。面取り部又は丸み１１の利点は、前記傾け動作による係止解除中に可撓性タング３０がタング溝１０の外に摺動するのが容易であるということである。面取り部又は丸みは非常に小さくてもよく、切削や研削によって形成される。

上述の実施例のパネルのコア材料は、好ましくは、ＨＤＦ、ＭＤＦ、合板、無垢板、又はパーティクルボード等の木材繊維をベースとしたボード、強化プラスチックボード、又は木材繊維複合材料ボードでできている。

４ 隣接パネル
６ パネル
１０ タング溝
１６、１５ 外面
１８、１７ 内面
２１ 縁部溝
２２ 第２縁部
３０ 可撓性タング
６０ 傾け可能係止装置
６１ 傾け動作
６２、６３ 凹所
６５ 面取り部
６９ 第１空間
９５、９６ 接触面
９７ 協働面

Claims (14)

1. 第１主平面を持つパネル（６）と、第２主平面を持つ隣接パネル（４）とを含み、前記パネル及び前記隣接パネルは、前記パネル（６）の第１縁部を前記隣接パネル（４）の第２縁部（２２）に係止するための傾け可能係止装置（６０）を含み、前記第１主平面は前記第２主平面に対して垂直である、家具製品用のパネルのセットにおいて、
   前記傾け可能係止装置は、前記第１縁部の縁部溝（２１）及び前記第２縁部（２２）のタング溝を含み、前記縁部溝（２１）は、前記縁部溝（２１）の第１側面の挿入溝（２０）に配置された可撓性タング（３０）を含み、前記可撓性タングは、前記第１縁部及び前記第２縁部を前記第１主平面に対して垂直な第１方向で互いに係止するため、前記タング溝（１０）と協働し、
   前記傾け可能係止装置は、更に、前記第１縁部及び前記第２縁部を前記第１主平面と平行な第２方向で互いに係止するため、前記縁部溝（２１）と前記第２縁部（２２）との間に前記縁部溝（２１）の前記第１側面及び前記第１側面に対向する第２側面の夫々に対応して形成された接触面（９６、９５）を含み、 前記傾け可能係止装置は、前記第１主平面と前記第２主平面との間の角度が増大するように、前記隣接パネル（４）に対する前記パネル（６）の傾け動作（６１）によって係止解除され、
   前記傾け可能係止装置は、前記傾け動作（６１）によって前記可撓性タング（３０）が前記タング溝（１０）の外に移動するように形成され、
   前記傾け可能係止装置は、前記パネル（６）の第１縁部と、前記隣接パネル（４）の第２縁部（２２）との間に設けられた第１空間（６９）を含み、前記第１空間（６９）は前記縁部溝（２１）の前記第２側面と前記第２縁部（２２）との間に前記接触面（９５）に隣接して配置され、前記第１空間（６９）は前記パネル（６）及び前記隣接パネル（４）が係止位置にある場合、前記縁部溝（２１）の開口内に位置し、
   前記第１空間（６９）は前記縁部溝（２１）の凹所（６５）と、前記凹所（６５）に対向するとともに、前記第２縁部（２２）に設けられた凹所（６４）との間に形成される、パネルのセット。
2. 請求項１に記載のパネルのセットにおいて、
   前記傾け可能係止装置は、前記パネル（６）及び前記隣接パネル（４）が係止位置にある場合、前記縁部溝（２１）の開口部の前記第１側面に、前記パネル及び前記隣接パネルが接触する協働表面（９７）が前記接触面（９６）との間で挿入溝（２０）を挟んで形成される、パネルのセット。
3. 請求項１又は２に記載のパネルのセットにおいて、
   前記傾け可能係止装置は、前記第１空間を形成するため、前記第１縁部に面取り部の凹所（６５）を備えている、パネルのセット。
4. 請求項１乃至３のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
   前記傾け可能係止装置は、前記傾け動作（６１）を可能にするため、前記第２縁部（２２）の前記パネル（６）側の先端部の前記第１側面側および第２側面側に面取り部の凹所（６３、６２）を備えている、パネルのセット。
5. 請求項１乃至３のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
   前記傾け可能係止装置は、前記傾け動作（６１）を可能にするため、前記第２縁部（２２）の前記パネル（６）側の先端部と前記縁部溝（２１）との間であって前記縁部溝（２１）の前記第１側面側に形成された第２空間（９２）を含む、パネルのセット。
6. 請求項１乃至５のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
   前記縁部溝（２１）は、前記第２縁部（２２）の本質的に全長に沿って延びている、パネルのセット。
7. 請求項１乃至６のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
   前記可撓性タング（３０）は、前記挿入溝（２０）内で変位可能である、パネルのセット。
8. 請求項１乃至３のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
   前記傾け可能係止装置は、前記第２縁部（２２）の前記パネル（６）側の先端部と前記縁部溝（２１）との間に形成された第３空間（９１）を含む、パネルのセット。
9. 請求項１乃至８のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
   前記傾け可能係止装置は、前記縁部溝（２１）の開口部の前記第２側面の開口端に、係止位置にある前記パネル及び前記隣接パネルが互いに当接して前記第１主面に平行な協働表面（９８）が形成される、パネルのセット。
10. 請求項１乃至９のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
    前記傾け可能係止装置は、前記パネルに形成された前記縁部溝の底部分（９３）及び縁部溝の側方部分（９４）を含み、前記底部分は、前記傾け動作（６１）を可能にするため、前記側方部分を変位できるように曲げることができる、パネルのセット。
11. 請求項１乃至１０のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
    前記傾け可能係止装置は、前記タング溝（１０）の開口部に面取り部又は丸み（１１）を備えている、パネルのセット。
12. 請求項１乃至１１のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
    前記第２縁部（２２）及び前記縁部溝（２１）は、前記第２縁部（２２）を前記縁部溝に対して前記縁部溝（２１）の深さ方向（１４）で位置決めするため、前記縁部溝（２１）の前記第１側面に、前記挿入溝（２０）と前記縁部溝（２１）の底面との間に前記縁部溝（２１）と前記第２縁部（２２）とが接触するとともに前記深さ方向（１４）に直交する協働表面（７７）を含む、パネルのセット。
13. 請求項１２に記載のパネルのセットにおいて、
    前記協働表面（７７）は、前記第２縁部（２２）の前記深さ方向（１４）に直交する第１面と、前記縁部溝（２１）の前記深さ方向（１４）に直交する第２面をとからなる、パネルのセット。
14. 複数のパネル（１、２、５、６）を含み、パネルを直角に組み合わせたフレーム及び前記フレーム上に配置された背板（４）を含み、前記フレームの第１及び第２の隅縁部（５１、５２）は、二つの隣接したパネルを互いに係止するための隅部係止装置（５０）を各々含み、前記隅部係止装置は可撓性タング（３０）を含み、前記隅部係止装置は、前記可撓性タングを工具（９０）によって変位及び／又は圧縮することによって係止解除可能である、組立家具製品において、
    前記背板（４）は、請求項１乃至１３のうちのいずれか一項に記載の傾け可能係止装置（６０）によって前記フレームに連結される、組立家具製品。

Images