JP6790924B2 - 偏向制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両を偏向させる偏向制御装置に関し、特に、左右輪の制動力差を用いて車両を偏向させる偏向制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば自車両が走行車線から逸脱しそうであることが判定された場合に、逸脱を回避する方向のヨーモーメントを左右輪の制動力差により発生させる装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−282168号公報
逸脱を回避する方向のヨーモーメントを車両に付与する場合の左右輪の制動力差が一定であったとしても、タイヤの特性によって車両に発生するヨーレートが変化する。特に、タイヤは車両のユーザによって任意に変更可能であるので、特許文献1に記載の技術のように、左右輪の制動力差により逸脱を回避しようとすると、タイヤの特性によっては想定以上のヨーレートが車両に発生し、車両挙動が不安定になる可能性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、タイヤ特性に応じた適切なヨーモーメントを車両に付与することができる偏向制御装置を提供することを課題とする。
本発明の偏向制御装置は、上記課題を解決するために、左右輪の制動力差により自車両を偏向させる偏向制御を実施する偏向制御装置であって、目標ヨーレートを演算する第1演算手段と、前記自車両の左右前輪及び左右後輪に制動力が付与される4輪制動時の縦すべり率、又は、前記自車輪の左右一方の前輪及び後輪の少なくとも一方に制動力が付与される片輪制動時の縦すべり率、に基づいて、前記自車両のタイヤ特性を推定する推定手段と、前記推定されたタイヤ特性と前記演算された目標ヨーレートとに基づいて、前記車両に付与する目標ヨーモーメントを演算する第2演算手段と、前記目標ヨーモーメントを前記車両に付与することにより、前記偏向制御を実施する制御手段と、を備える。
当該偏向制御装置では、タイヤ特性が推定され、該推定されたタイヤ特性に基づいた偏向制御が実施される。従って、当該偏向制御装置によれば、偏向制御によりタイヤ特性に応じた適切なヨーモーメントを車両に付与することができる。尚、縦すべり率とタイヤ特性との関係については、後述する実施形態を参照されたし。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
実施形態に係る車両1の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る車線逸脱抑制動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る逸脱回避制御を示すフローチャートである。 実施形態に係る4輪制動時のタイヤ状態の取得動作を示すフローチャートである。 (a)は、縦すべり率と制動油圧との関係の一例を示す図である。(b)は、特性値とコーナリングパワーとの関係の一例を示す図である。 実施形態に係る操舵時のタイヤ状態の取得動作を示すフローチャートである。 ヨーモーメントが一定の場合のコーナリングパワーとヨーレートとの関係の一例を示す図である。 実施形態の第3変形例に係る逸脱回避制御を示すフローチャートである。
本発明の偏向制御装置に係る実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明の偏向制御装置が搭載された車両を用いて説明を進める。
(車両の構成)
先ず、実施形態に係る偏向制御装置が搭載された車両1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る車両1の構成を示すブロック図である。
図1において、車両1は、ブレーキペダル111と、マスタシリンダ112と、ブレーキアクチュエータ13と、左前輪121FLに配設されたホイールシリンダ122FLと、左後輪121RLに配設されたホイールシリンダ122FRと、右前輪121FRに配設されたホイールシリンダ122RLと、右後輪121RRに配設されたホイールシリンダ122RRと、ブレーキパイプ113FL、113RL、113FR及び113RRと、を備えている。
車両1は、更に、ステアリングホイール141と、振動アクチュエータ142と、車速センサ151と、車輪速センサ152と、ヨーレートセンサ153と、加速度センサ154と、カメラ155と、ディスプレイ16と、「偏向制御装置」の一具体例であるECU(Electronic Control Unit)17と、を備えている。
マスタシリンダ112は、ブレーキペダル111の踏み込み量に応じて、マスタシリンダ112内のブレーキフルード(或いは、任意の流体)の圧力を調整する。マスタシリンダ112内のブレーキフルードの圧力は、ブレーキパイプ113FL、113RL、113FR及び113RRを夫々介してホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRに伝達される。この結果、ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRに伝達されるブレーキフルードの圧力に応じた制動力が、夫々、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRに付与される。
ブレーキアクチュエータ13は、ECU17の制御下で、ブレーキペダル111の踏み込み量とは無関係に、ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRの夫々に伝達されるブレーキフルードの圧力を調整可能である。従って、ブレーキアクチュエータ13は、ブレーキペダル111の踏み込み量とは無関係に、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRの夫々に付与される制動力を調整可能である。
ステアリングホイール141は、車両1を操舵する(即ち、転蛇輪を転蛇する)ためにドライバによって操作される操作子である。振動アクチュエータ142は、ECU17の制御下で、ステアリングホイール141を振動させることが可能である。
ECU17は、車両1の全体の動作を制御する。本実施形態では特に、ECU17は、現在走行している走行車線からの車両1の逸脱を抑制するための車線逸脱抑制動作を行う。つまり、ECU17は、所謂LDA(Lane Departure Alart)又はLDP(Lane Departure Prevention)を実現するための制御装置として機能する。
車線逸脱抑制動作を行うために、ECU17は、その内部に論理的に実現される処理ブロックとして又は物理的に実現される処理回路として、データ取得部171、LDA制御部172及びブレーキ制御部173を備えている。
(車線逸脱抑制動作)
次に、本実施形態に係る車線逸脱抑制動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
図2において、先ず、データ取得部171は、車速センサ151、車輪速センサ152、ヨーレートセンサ153及び加速度センサ154各々の検出結果を示す検出データ、及びカメラ155が撮像した画像を示す画像データを取得する(ステップS101)。
LDA制御部172は、ステップS101の処理において取得された画像データを解析することで、車両1が現在走行している走行車線の車線端(本実施形態では、車線端の一例として“白線”を挙げる)を、カメラ155が撮像した画像内で特定する(ステップS102)。尚、白線の認識方法については、既存の技術を適用可能であるので、その詳細についての説明は省略する。
LDA制御部172は、ステップS102の処理において特定された白線に基づいて、車両1が現在走行している走行車線が直線路であるかカーブ路であるかを判定し、カーブ路であると判定された場合は、走行車線の曲率半径を算出する(ステップS103)。尚、走行車線の曲率半径は、実質的には、白線の曲率半径と等価である。このため、LDA制御部172は、ステップS102の処理において特定された白線の曲率半径を算出するとともに、当該算出した曲率半径を、走行車線の曲率半径として取り扱ってよい。
LDA制御部172は、更に、ステップS102の処理において特定された白線に基づいて、車両1の現在の横位置、横速度及び逸脱角度を算出する(ステップS104)。ここで、「横位置」は、走行車線が延伸する方向(車線延伸方向)に直交する車線幅方向に沿った、走行車線の中央から車両1までの距離(典型的には、車両1の中央までの距離)を意味する。「横速度」は、車線幅方向に沿った車両1の速度を意味する。「逸脱角度」は、走行車線と車両1の前後方向軸とがなす角度(即ち、白線と車両1の前後方向軸とがなす角度)を意味する。
LDA制御部172は、更に、許容逸脱距離を設定する(ステップS105)。許容逸脱距離は、走行車線から車両1が逸脱する場合において走行車線からの車両1の逸脱距離(即ち、白線からの車両1の逸脱距離)の許容最大値を示す。
許容逸脱距離は、例えば次のように設定されてよい。即ち、LDA制御部172は、法規等の要請(例えば、NCAP:New Car Assessment Programmeの要請)を満たすという観点から許容逸脱距離を設定してよい。尚、許容逸脱距離の設定方法は、これに限定されない。
その後、LDA制御部172は、車両1が、現在走行している走行車線から逸脱する可能性があるか否かを判定する(ステップS106)。具体的には例えば、LDA制御部172は、車両1の現在の速度、横位置及び横速度等に基づいて、車両1の将来の(例えば、数秒〜十数秒後の)位置を算出する。そして、LDA制御部172は、将来の位置において、車両1が白線を跨ぐ又は踏むか否かを判定する。将来の位置において、車両1が白線を跨ぐ又は踏むと判定された場合、LDA制御部172は、車両1が走行車線から逸脱する可能性があると判定する。
ステップS106の判定において、車両1が走行車線から逸脱する可能性がないと判定された場合(ステップS106:No)、図2に示す車線逸脱抑制動作は終了される。その後、LDA制御部172は、所定期間(例えば、数ミリ秒から数十ミリ秒)が経過した後に再度図2に示す車線逸脱抑制動作を開始する。つまり、図2に示す車線逸脱抑制動作は、所定期間に応じた周期で繰り返し行われる。
他方で、ステップS106の判定において、車両1が走行車線から逸脱する可能性があると判定された場合(ステップS106:Yes)、LDA制御部172は、車両1が走行車線から逸脱する可能性がある旨を、車両1の運転者に対して警告する(ステップS107)。具体的には、LDA制御部172は、例えば車両1が走行車線から逸脱する可能性があることを示す画像を表示するように、ディスプレイ16を制御する、及び/又は、車両1が走行車線から逸脱する可能性があることをステアリングホイール141の振動でドライバに伝えるように、振動アクチュエータ142を制御する。
上記ステップS107の処理と並行して、LDA制御部172は、逸脱回避制御を行う(ステップS2)。ここで、逸脱回避制御は、走行車線からの車両1の逸脱距離が許容逸脱距離内に収まるように、逸脱を回避する方向のヨーモーメントを車両1に対して付与する制御である。
本実施形態に係る逸脱回避制御では、左右輪の制動力差が生じるように、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRのうちの少なくとも一つに制動力が付与され、その結果として、逸脱を回避する方向のヨーモーメントが車両1に付与される。以下、逸脱回避制御について、図3のフローチャートを参照して具体的に説明する。
逸脱回避制御
図3において、先ず、LDA制御部172は、走行車線の中央から離れるように走行している車両1が、走行車線の中央に向かう目標軌道(即ち、目標とする走行ライン)に沿って走行するように目標ヨーレート(Yr)を演算する(ステップS201)。
上記ステップS201の後、LDA制御部172は、車両1のタイヤ状態を取得する(ステップS202)。本実施形態では、タイヤ状態の一例として「コーナリングパワー」を挙げる。尚、タイヤ状態の特定方法については後述する。
次に、LDA制御部172は、タイヤ状態としてのコーナリングパワーに基づいて、ヨーレートをヨーモーメント(Mz)に変換するための変換式を修正する(ステップS203)。本実施形態では、変換式の一例として下記式(1)及び式(2)を挙げる。従って、LDA制御部172は、ステップS203の処理において、コーナリングパワーに基づいて、パラメータ“A”及び“A”各々の値を修正する。
尚、式(2)は、式(1)において“A2/v>>mv”という条件が成立する場合の近似式である。式(1)及び式(2)において、“θ”、“Mz”、“m”、“v”、“C”、“C”、“l”及び“l”は、夫々、「ヨー角」、「ヨーモーメント」、「車両質量」、「車両1の速度」、「前輪コーナリングパワー」、「後輪コーナリングパワー」、「重心−前輪車軸間距離」及び「重心−後輪車軸間距離」を示す。
次に、LDA制御部172は、式(1)又は式(2)を用いて目標ヨーレートから目標ヨーモーメントを演算する(ステップS204)。続いて、LDA制御部172は、目標ヨーモーメントを達成可能な制動力を算出する。このとき、LDA制御部172は、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRの夫々に付与される制動力を個別に算出する。
LDA制御部172は、算出された制動力を示す信号をブレーキ制御部173に送信する。
ブレーキ制御部173は、LDA制御部172から制動力を示す信号を受信したことを条件に、該制動力を発生させるために必要なブレーキフルードの圧力を指定する圧力指令値を算出する(ステップS205)。このとき、ブレーキ制御部173は、ホイールシリンダ122FL、122RL、122FR及び122RRの夫々の内部でのブレーキフルードの圧力を指定する圧力指令値を個別に算出する。
次に、ブレーキ制御部173は、圧力指令値に基づいて、ブレーキアクチュエータ13を制御する(ステップS206)。この結果、圧力指令値に応じた制動力が、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRのうちの少なくとも一つに付与される。つまり、左右輪の制動力差によって、逸脱を回避する方向のヨーモーメントが車両1に付与される。
(タイヤ状態の取得動作)
次に、本実施形態に係るタイヤ状態(ここでは、コーナリングパワー)の取得動作について説明する。LDA制御部172は、以下に示す「4輪制動時」、「片輪制動時」及び「操舵時」のいずれかにおいて求められたコーナリングパワーを、上述のステップS202の処理において取得する。
4輪制動時
車両1の4輪制動時(即ち、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RRの全てに制動力が付与されるとき)のコーナリングパワーの取得動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。
図4において、LDA制御部172は、データ取得部171を介して、車輪速センサ152の検出結果から初期車体速(即ち、制動前の車体速)を取得する(ステップS301)。次に、LDA制御部172は、制動時に、前後加速度Gx、及び/又は、マスタシリンダ112内のブレーキフルードの圧力、及び/又は、制御制動力、及び/又は駆動力を取得する(ステップS302)。
次に、LDA制御部172は、制動開始から時間t経過後の車両1の車体速を演算する(ステップS303)。例えば、前後加速度Gxを用いる場合、下記式により車体速が演算される。下記式において、“Vx(t)”及び“Vx(0)”は、夫々、「制動開始から時間t経過後の車体速」及び「初期車体速」を示す。
上記ステップS303の処理と並行して、LDA制御部172は、データ取得部171を介して、車輪速センサ152の検出結果から、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RR各々の車輪速N(i=FL、RL、FR、RR)を取得する(ステップS304)。
次に、LDA制御部172は、車輪速Nに基づいて、下記式により、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RR各々の推定縦すべり率S(i=FL、RL、FR、RR)を演算する(ステップS305)。
次に、LDA制御部172は、推定縦すべり率Sと制駆動力とからタイヤの特性値Kxi(i=FL、RL、FR、RR)を演算する(ステップS306)。ここで、縦すべり率と制動油圧(又は前後加速度又は駆動力)との関係の一例を図5(a)に示す。図5(a)に示すように、サマータイヤを示す直線とスタッドレスタイヤを示す直線とでは、傾き(即ち、直線と横軸とのなす角)が明らかに異なる。このため、本実施形態では、直線の傾きをタイヤの特性値としている。ステップS306の処理において、LDA制御部172は、推定縦すべり率Sと制駆動力とで示される点と座標原点とを結んだ直線の傾きを特性値Kxiとして求める。
次に、LDA制御部172は、例えば図5(b)に示すような、特性値とコーナリングパワーとの関係を規定するマップに基づいて、特性値KxiからコーナリングパワーCpを演算する(ステップS307)。
片輪制動時
車両1の片輪制動時(例えば、上述の逸脱回避制御が実施されているとき)のコーナリングパワーの取得動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6では、図4に示した処理と同一の処理には同一符号を付して示している。
図6において、LDA制御部172は、片輪制動時に、前後加速度Gx、及び/又は、マスタシリンダ112内のブレーキフルードの圧力、及び/又は、制御制動力、及び/又は駆動力を取得する(ステップS302)。次に、LDA制御部172は、データ取得部171を介して、車輪速センサ152の検出結果から、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RR各々の車輪速N(i=FL、RL、FR、RR)を取得する(ステップS304)。
次に、LDA制御部172は、車輪速Nに基づいて、左前輪121FL、左後輪121RL、右前輪121FR及び右後輪121RR各々の推定縦すべり率S(i=FL、RL、FR、RR)を演算する(ステップS305)。次に、LDA制御部172は、推定縦すべり率Sと制駆動力とからタイヤの特性値Kxi(i=FL、RL、FR、RR)を演算する(ステップS306)。次に、LDA制御部172は、特性値とコーナリングパワーとの関係を規定するマップに基づいて、特性値KxiからコーナリングパワーCpを演算する(ステップS307)。
操舵時
車両1が操舵されたときのコーナリングパワーの取得動作について説明する。LDA制御部172は、車両1が操舵されたときの車両状態(例えば車体速、舵角、ヨーレート等)を取得する。LDA制御部172は、取得された車両状態に基づいて、下記連立方程式を解くことにより、コーナリングパワーを求める。下記式において、“Vx”、“δ”、“Yr”、“l”、“m”、“C”、“C”、“l”及び“l”は、夫々、「車体速」、「舵角」、「ヨーレート」、「ホイールベース」、「車両質量」、「前輪コーナリングパワー」、「後輪コーナリングパワー」、「重心−前輪車軸間距離」及び「重心−後輪車軸間距離」を示す。
(技術的特徴)
図7に、車両に付与されるヨーモーメント(即ち、左右輪の制動力差)が一定である場合のコーナリングパワーとヨーレートとの関係を示す。図7から明らかなように、車両に付与されるヨーモーメントが一定であったとしても、コーナリングパワー(即ち、タイヤの特性)が異なれば、車両に発生するヨーレートも異なる。
本実施形態では、コーナリングパワーに基づいて、目標ヨーレートを目標ヨーモーメントに変換する式が修正される。従って、本実施形態によれば、車両1が走行車線から逸脱する可能性がある場合に、タイヤの特性に応じた適切なヨーモーメントを車両1に付与して、車両1の走行車線からの逸脱を抑制することができる。
実施形態に係る「LDA制御部172」は、本発明に係る「推定手段」の一例である。実施形態に係る「LDA制御部172」及び「ブレーキ制御部173」は、本発明に係る「制御手段」の一例である。
<第1変形例>
上述の実施形態では、ステップS203の処理において、式(1)又は式(2)のパラメータ“A1”及び“A2”各々の値が、コーナリングパワーに基づいて修正(即ち、再計算)された上で、式(1)又は式(2)により、目標ヨーレートから目標ヨーモーメントが求められる。
パラメータ“A1”及び“A2”各々の値を修正することに代えて、基準となるコーナリングパワーに基づいて求められたパラメータ“A1”及び“A2”各々の値は変更せずに、コーナリングパワーの基準となるコーナリングパワーからの変化量に応じた係数を式(1)又は式(2)にかけることにより、式(1)又は式(2)が修正されてよい。この場合、コーナリングパワーが基準となるコーナリングパワーより大きくなるほど、目標ヨーモーメントが大きくなるような係数が式(1)又は式(2)にかけられる。他方、コーナリングパワーが基準となるコーナリングパワーより小さくなるほど、目標ヨーモーメントが小さくなるような係数が式(1)又は式(2)にかけられる。
<第2変形例>
上述の実施形態では、ステップS203の処理において式(1)又は式(2)が修正されるが、ステップS203の処理が行われなくてもよい。この場合、ステップS204の処理において求められた目標ヨーモーメントが、コーナリングパワーの基準となるコーナリングパワーからの変化量に応じて修正される。具体的には、コーナリングパワーが基準となるコーナリングパワーより大きくなるほど、目標ヨーモーメントが大きくなるように該目標ヨーモーメントが修正される。他方、コーナリングパワーが基準となるコーナリングパワーより小さくなるほど、目標ヨーモーメントが小さくなるように該目標ヨーモーメントが修正される。
<第3変形例>
第3変形例に係る逸脱回避制御について、図8のフローチャートを参照して説明する。本変形例では、ステップS202の処理においてタイヤ状態としてのコーナリングパワーが取得された後、LDA制御部172は、コーナリングパワーが所定値以上であるか否かを判定する(ステップS401)。この判定において、コーナリングパワーが所定値未満であると判定された場合(ステップS401:No)、LDA制御部172は、ステップS204以降の処理を行う。
他方、ステップS401の判定において、コーナリングパワーが所定値以上であると判定された場合(ステップS401:Yes)、LDA制御部172は、左右輪の制動力差を用いた逸脱回避制御の実施を禁止する(ステップS402)。
このように構成すれば、左右輪の制動力差を用いた逸脱回避制御に起因して車両挙動が不安定になることを防止することができる。尚、この場合、電動パワーステアリングシステム(図示せず)を用いた逸脱回避制御が実施されてよい。
「所定値」は、左右輪の制動力差を用いた逸脱回避制御を禁止するか否かを決定する値であり、予め固定値として又は何らかの物理量若しくはパラメータに応じた可変値として設定される。「所定値」は、例えばコーナリングパワーと車両1に発生するヨーレートとの関係を求め、該求められた関係に基づいて、例えばVSC(Vehicle Stability Control)等の車両安定性制御装置が作動するヨーレートに対応するコーナリングパワーとして設定すればよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う偏向制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…車両、13…ブレーキアクチュエータ、17…ECU、171…データ取得部、172…LDA制御部、173…ブレーキ制御部

Claims (3)

  1. 左右輪の制動力差により自車両を偏向させる偏向制御を実施する偏向制御装置であって、
    目標ヨーレートを演算する第1演算手段と、
    前記自車両の左右前輪及び左右後輪に制動力が付与される4輪制動時の縦すべり率、又は、前記自車輪の左右一方の前輪及び後輪の少なくとも一方に制動力が付与される片輪制動時の縦すべり率、に基づいて、前記自車両のタイヤ特性を推定する推定手段と、
    前記推定されたタイヤ特性と前記演算された目標ヨーレートとに基づいて、前記車両に付与する目標ヨーモーメントを演算する第2演算手段と、
    前記目標ヨーモーメントを前記車両に付与することにより、前記偏向制御を実施する制御手段と、
    を備えることを特徴とする偏向制御装置。
  2. 前記タイヤ特性は、コーナリングパワーを含み、
    前記第2演算手段は、前記コーナリングパワーが第1所定値より大きくなるほど、前記目標ヨーモーメントを大きくし、前記コーナリングパワーが前記第1所定値より小さくなるほど、前記目標ヨーモーメントを小さくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の偏向制御装置。
  3. 前記タイヤ特性は、コーナリングパワーを含み、
    前記制御手段は、前記コーナリングパワーが第2所定値以上である場合には、前記偏向制御の実施を禁止する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の偏向制御装置。
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