JP4491400B2 - 車両タイヤ状態検出方法および車両タイヤ状態検出装置 - Google Patents

車両タイヤ状態検出方法および車両タイヤ状態検出装置 Download PDF

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本発明は、時々刻々変化する車両タイヤのグリップ状態検出方法および装置に関するものである。
車両を一つの剛体と仮定し、平面状の運動を考えると、並進運動と回転運動で記述できる。それぞれを司る力は、空気抵抗などを除けば、車両に取り付けられたタイヤと地面の相対運動によってタイヤが地面から受ける力である。またその力によって車両が運動を行ない、それによって新たな力を受けるというように、原因と結果がつぎつぎとくリ返されるような練成された現象が形成されている。
このような車両の運動を制御するためには、タイヤが地面から受ける力(以下,タイヤ力と呼ぶ)の状況を把握する必要がある。また、それらの情報を用いて車両の運動状態を評価する必要がある。
非特許文献1に開示されているように、このタイヤ力は路面摩擦係数が支配的であり、それに加え接地荷重、スリップ率や、タイヤの進行方向とタイヤの回転面のなす角である車輪の横すべり角により変化する。また、各パラメータが小さいときにはパラメータ変化に対して線形に変化するが各パラメータが大きくなる、具体的には車両に加わる前後加速度、左右加速度が大きな領域では飽和・非線形特性が顕著になる。
また、高加速度領域において車両の安定性は低下しがちであり、これを補正する制御装置を構築するため、非線形領域での各パラメータに対するタイヤ力の発生率の推定方法が各種提案されている。
特許文献1には、舵角、車速、推定される前後輪のコーナリングパワーにより線形領域の車両運動モデルに基づき車体のヨーレイト、横加速度、車体進路の逸脱状態に応じた車体進路角速度をタイヤと路面との間が最大摩擦力に近い領域でタイヤ特性を線形近似できない限界域に拡張して演算する演算手段と、演算されたヨーレイトとセンサにより検出される実ヨーレイトの偏差、及び演算された横加速度とセンサにより検出される実横加速度の偏差を演算する偏差演算手段と、これら両偏差により前後輪のコーナリングパワーを上記限界域に拡張して推定する方法が開示されている。具体的には演算部で演算されたヨーレイトγと横加速度Gy、センサにより検出される実ヨーレイトγ′と実横加速度Gy′を偏差演算手段に入力し、演算されたヨーレイトγから実ヨーレイトγ′を減算してヨーレイト偏差Δγを算出し、同様に演算された横加速度Gyから実横加速度Gy′を減算して横加速度偏差ΔGを算出する。実横加速度Gy′が減じてΔG>0の場合は、限界域での車両のドリフトアウトやスピンを判断して前後輪のコーナリングパワーKf、Krを共に減じるように推定する。ΔG<0の場合は、タックイン等を判断して前後輪のコーナリングパワーKf,Krを共に増えるように推定する。実ヨーレイトγ′が減じてΔγ>0の場合は、ドリフトアウトを判断して前輪コーナリングパワーKfは減じ、後輪コーナリングパワーKrは増えるように推定する。実ヨーレイトγ′が増してΔγ<0の場合は、スピンを判断して前輪コーナリングパワーKfは増し、後輪コーナリングパワーKrは減じるように推定する。
また、特許文献2においては、検出部1は、各車輪に作用する前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzを含む作用力を検出し、特定部2は、車輪と路面との間の摩擦係数を特定し、推定部6は、作用力と、摩擦係数とに基づいて、各車輪のコーナリングパワーkaを推定する方法が開示されている。車輪に作用する前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzと、摩擦係数μとが既知となれば、車輪すべり角βwは、一意に特定される。この車輪すべり角βwが特定されると、車輪のコーナリングパワーkaは、車輪すべり角βwと横力Fyとの関係に基づいて、一義的に算出することができる。
特許文献3においては、以下のようなコーナリングパワーの推定方法が開示されている。横加速度推定部は、車両横加速度の式に、横滑り角微分値演算部から入力された車体横滑り角微分値β’と、定数として扱う車速Vおよびヨーレイトrとを代入することによって、車両の推定横加速度Gyeを算出し、減算器へ入力する。減算器は、横加速度センサから入力される横加速度Gyと、横加速度推定部から入力される車両の推定横加速度Gyeとの偏差を算出し、PID調整器へ出力する。
PID調整器は、比例・積分・微分(PID)動作によって、横加速度Gyと車両の推定横加速度Gyeとの偏差がゼロとなるような調整値、つまりコーナリングパワー初期値入力部から出力されて横滑り角微分値演算部へ入力される前輪コーナリングパワーKfまたは後輪コーナリングパワーKrの何れか一方に対する所定の初期値を調整するための調整値を算出し、加算器へ入力する。つまり、横滑り角微分値演算部へ入力される前輪コーナリングパワーKfまたは後輪コーナリングパワーKrの何れか一方に対する所定の初期値が適切な値であれば、横加速度Gyと車両の推定横加速度Gyeとの偏差がゼロとなる。このため、例えば車両の推定横加速度Gyeが、検出される横加速度Gyよりも大きい場合には、横滑り角微分値演算部へ入力される前輪コーナリングパワーKfまたは後輪コーナリングパワーKrを小さくするような調整値が設定される。一方、例えば車両の推定横加速度Gyeが、検出される横加速度Gyよりも小さい場合には、横滑り角微分値演算部へ入力される前輪コーナリングパワーKfまたは後輪コーナリングパワーKrを大きくするような調整値が設定される。
特許文献4には、検出した車輪速度に基づいて車輪と路面との間の摩擦係数μの勾配、すなわち路面μ勾配値を各車輪毎に推定する方法が開示されている。路面μ勾配推定手段は、例えば検出された各車輪の車輪速度 から路面外乱を受けた車輪共振系の応答出力としての各車輪の車輪速振動を検出する前処理フィルタと、検出された車輪速振動を満足するような各車輪の伝達関数を最小自乗法を用いて同定する伝達関数同定手段と、同定された伝達関数に基づいてタイヤと路面との間の摩擦係数μの勾配を各車輪毎に演算するμ勾配演算手段と、から構成することができる。
安部正人「自動車の運動と制御」1992山海堂 特許第3571370号公報 特開2005-3083号公報 特開2003-146154号公報 特開2003-291790号公報
以上、4つの従来技術で共通しているのが、モデルによりコーナリングパワーあるいは、ブレーキングスティフネス(路面μ勾配)を推定し、それを用いて計算した車両加速度の値と実際に車両に搭載されたセンサにより計測された値との差分(エラー)を用いて、推定値を修正する方法が取られている。このような方法ではモデル誤差を小さくするために複雑なモデルと演算を必要とし、路面摩擦係数が変化した場合に推定値が収束するまでの時間が必要となる。
本発明が解決しようとする課題は、モデルなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムにタイヤの瞬時コーナリングパワーや瞬時ブレーキングスティフネスを計測する手段および装置を提供することである。
また、リアルタイムに計測されたタイヤの瞬時コーナリングパワーや瞬時ブレーキングスティフネスを用いて車両運動を評価し、それをドライバーに示し、不安定状態に近づいた際には警報を出し、不安定状態となったときには安定化のために制御入力を調整する手法及び装置を提供することが本発明の解決しようとする第二の課題である。
上述の課題を解決するためには,車両の加加速度と,車両のヨー角加加速度と,
車両各輪タイヤへの制御入力の時間変化分を検出し,加加速度を制御入力の時間変化分で除した値に第1のゲインをかけた値とヨー角加加速度を制御入力の時間変化分で除した値に第2のゲインをかけた値とを加えた値より瞬時毎の制御入力に対する各輪タイヤの発生する力の変化率を算定すれば良い。
具体的に瞬時の前輪コーナリングパワーを算定するには車両の横加加速度(Jy)と、車両のヨー角加加速度(Jr)と、車両前後輪の各輪タイヤの横滑り角の時間変化分(dβf/dt)を検出し、横加加速度を横滑り角の時間変化分で除した値(Jy/ dβf/dt ) にゲイン(m・lr/2l)をかけた値と、ヨー角加加速度を横滑り角の時間変化分で除した値(Jr/dβf/dt )にゲイン(Iz/2l)をかけた値とを加えた値より瞬時毎の横滑り角に対するタイヤのコーナリングフォースの変化率である瞬時コーナリングパワー(dYf/dβf)を算定する。
ここで、
Yf:前輪が発生するコーナリングフォース
βf:前輪の横滑り角
m:車両の慣性質量
l:前後輪間距離(ホイールベース)
lr:車両重心点から後輪までの距離
Iz:車両の重心点まわりのヨーイング慣性モーメント
である。数式表示を行なえば、前輪の瞬時コーナリングパワーは、
Figure 0004491400
で表すことができる。
同様に、
Yr:後輪が発生するコーナリングフォース
βr:後輪の横滑り角
m:車両の慣性質量
l:前後輪間距離(ホイールベース)
lf:車両重心点から前輪までの距離
とすると、後輪の瞬時コーナリングパワーは、
Figure 0004491400
で表すことができる。
また、これらの前後輪の瞬時コーナリングパワーを用いて例えば車両の運動特性を代表する評価手法として、以下の式で与えられるみかけの瞬時スタティックマージンを時々刻々計算することが可能となる。
Figure 0004491400
本来のスタティックマージンは、荷重、スリップ率、走行速度などを一定の状態(静的)で、単位横滑り角あたりに発生する前後タイヤの合力の着力点であるニュートラルステアポイントをホイールベースlで割って無次元化した量と定義する。これに対して(数3)の量は荷重変動、スリップ率、走行速度などを一定とした静的ものではなく、動的変化も考慮している量であるため、本来の定義とは異なるという意味を混めて、みかけ(pseudo)という言葉を用いている。静的な状態のみならず動的な状態を評価するために、有用な量であることに変わりは無い。
みかけの瞬時スタティックマージンが正であればアンダーステア、0であればニュートラルステア、負であればオーバーステアというように時々刻々車両のステア特性を評価することができる。
従ってこの情報を運転者に対して伝達することにより瞬時毎のステア特性を認識させることが可能となり、運転操作を支援することが可能となる。また、これらの値を用いてコントローラにより車両運動を制御する、例えばオーバーステアとなった車両を安定化させるために左右輪駆動力あるいは制動力を独立制御してヨーモーメント制御を行なうことも可能である。
車両が高加速度運動を行い、タイヤが制御入力に対して非線形特性を示す領域に近づいた場合、あるいは路面摩擦係数が低下した状態では、前後輪のコーナリングパワー、あるいはブレーキングスティフネスは大幅に低下する。したがってこれを表示することにより、運転操作を支援することが可能となる。
以上により、モデルなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムにタイヤの瞬時コーナリングパワーや瞬時ブレーキングスティフネスを計測する手段および装置を提供することができる。
また、リアルタイムに計測された瞬時コーナリングパワーや瞬時ブレーキングスティフネスを用いて車両運動を評価し、それをドライバーに示し、不安定状態に近づいた際には警報を出し、不安定状態となったときには安定化のために制御入力を調整する手法及び装置を提供することができる。
以下,図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を開示していく。
図1に、本発明の第一実施例の全体構成を示す。
本実施例において、車両0はエンジン1により左後輪53,右後輪54を駆動される後輪駆動車(Front Engine Rear Drive: FR車)である。
左前輪51、右前輪52、左後輪53、右後輪54には、それぞれブレーキロータ61、62、63、64、車輪速検出用ロータ81、82、83、84と、車両側に車輪速ピックアップ91、92、93、94が搭載され、各輪の車輪速が検出できる構成となっている。車輪速ピックアップはコイル式、あるいはホール素子を使った極低速まで計測可能なものとしても良い。各輪の車輪速信号は適当なフィルタリング処理が行なわれ、擬似車速(V)を決定する。例えば本発明の実施例では後輪駆動車であるため、前2輪は従動輪として、その平均値から擬似車速を求めても良い。この擬似車速計算は後述するブレーキコントローラ43で実施される。
ドライバーのアクセルペダル11の踏み込み量に応じて、パワートレインコントローラ42はエンジン1の図示しないスロットル、燃料噴射装置等を制御する。また、エンジン1の出力はパワートレインコントローラ42により制御される電子制御トランスミッション2、プロペラシャフト3を経由して、ディファレンシャルギア4に伝達される。ディファレンシャルギア4には左後輪53、右後輪54のそれぞれに伝えるトルクを制御することができるクラッチユニットを内包した左トランスフアーユニット5と右トランスファーユニット6が連結されている。これらの左右トランスファーユニットはトランスファーコントローラ44により制御される。
例えば車両が反時計回りに旋回している場合、車両旋回を補助する時には、右後輪54に加わるトルクを左後輪53に加わるトルクよりも大きくなるように、左トランスファーユニット5,右トランスファーユニット6を制御する。また、車両旋回に対して復元方向のヨーモーメントが必要な場合、前述の方向とは異なり、左後輪53に加わるトルクを右後輪54に加わるトルクよりも大きくなるように、左トランスファーユニット5、右トランスファーユニット6を制御する。また、ドライバーによりアクセルが踏まれていない、いわゆるエンジンブレーキ状態においても、このブレーキトルクを左右輪へと配分制御が可能となっている。
このような機構に対し、中央コントローラ40は車両運動に必要なヨーモーメントを演算し、トランスファーコントローラ44から左右トランスファー5、6を制御することにより、車両に加わるヨーモーメントの直接制御(いわゆるDirect Yaw moment Control)が可能となっている。
車両0の操舵系は前輪操舵装置となっており、内部に可変ギヤ機構と舵角センサ(共に図示せず)を含むパワーステアリング7とステアリング10とドライバー舵角センサ31とステアリングコントローラ41で構成されている。ステアリングコントローラ41は中央コントローラ40のギヤ比指令に応じて、パワーステアリング7の実舵角(δf)とドライバー舵角センサにより計測されたドライバー舵角(δd)との回転角度比が、中央コントローラ40からの指令値に追従するような制御が実施される。ここで、中央コントローラ40から負のギヤ比の指令が出た場合はドライバー舵角に対して逆ハンドル(カウンターステア)方向へ実舵角を制御することになる。
このような機構に対し、中央コントローラ40は車両運動に必要な横力、あるいはヨーモーメントを演算し、ステアリングコントローラ41によりパワーステアリング7を制御することにより、車両に加わる横力の制御と、間接的ではあるがヨーモーメントの制御が可能となっている。
左前輪51、右前輪52、左後輪53、右後輪54には、それぞれブレーキロータ61、62、63、64が配備され、車体側にはこのブレーキロータをパッド(図示せず)で挟み込むことにより車輪を減速させるキャリパー71、72、73、74が搭載されている。
キャリパーは油圧式、あるいは各キャリパー毎に電機モータを有する電機式である。それぞれのキャリパーは、基本的にはドライバーのブレーキペダル12の操作量に応じてブレーキコントローラ43により制御される。また、このブレーキコントローラ43には前出したように各輪の車輪速が入力され擬似車速Vが計算される。また、この擬似車速と、各輪の車輪速から以下に示すようなスリップ率を計算している。
1)制動時
Figure 0004491400
2)駆動時
Figure 0004491400
ただし、Vは擬似車速、R0はタイヤの有効半径、ωはタイヤの角速度である。
ここで上式では、擬似車速Vすなわち車両重心点の速度をそのまま適用しているが、各輪について、トレッドの半分(df/2)に車両ヨーレイトをかけた重心点まわりの回転による速度成分を考慮しても良い。
各輪はドライバーのブレーキ操作、あるいは後述する中央コントローラ40からの指令に応じて、ブレーキコントローラ43により独立して上述のスリップ率の制御が可能な構成となっている。一般にタイヤが発生する縦力はスリップ率で制御可能であるため、左右輪で異なるスリップ率となるように制御すると、左右で異なる縦力となり、この差分にトレッドを掛け合わせた値のヨーモーメントを発生することができる。また、摩擦円の概念によるとタイヤの縦力と横力の合力は、そのときのタイヤに加わる垂直荷重Wに摩擦係数μを掛けた値以上になることはできず、合力のベクトルは半径μWの円内(摩擦円)にとどまる。従ってグリップ限界近辺では、旋回時にスリップ率制御を行なうことにより、縦力を制御することにより、間接的に横力を制御することができる。
このような機構に対し、中央コントローラ40は車両運動に必要な縦力、横力、あるいはヨーモーメントを演算し、ブレーキコントローラ43から各車輪のスリップ率を制御することにより、車両に加わる縦力、ヨーモーメントの制御と、間接的ではあるが横力の制御が可能となっている。
つぎに本発明の主たる構成要素であるセンサ群について述べる。
図2に示すように、車両重心をはさんで、双対した位置に加速度センサが4つ配置されている。前横加速度センサ21は、重心点から前方lsの位置に配置され、後横加速度センサ22は重心点から後方lsの位置に配置されている。また、左前後加速度センサ23は、重心点から左方dsの位置に配置され、右前後加速度センサ24は重心点から右方lsの位置に配置されている。また夫々の加速度センサの出力を微分して加加速度情報を得る、微分回路25、26、27、28が搭載されている。本実施例では微分回路の存在を明確化するために各センサ毎に設置しているように図示したが、実際は中央コトローラ40に直接加速度信号を入力して各種演算処理をしてから微分処理をしても本質的には何も変わらない。
つぎに各加速度センサの配置と検出できる物理量について数式を用いて示す。
まず、右前後加速度センサ24位置(P)で、計測できる車両運動物理量について検討する(その他のセンサは煩雑化を防ぐために記載しない)。
ここで車両は高さ方向が無い平面車両モデルで考える。図3のように絶対空間に固定されたX-Y-Z座標と運動する車両の重心に固定された座標x-y-zを考える。このときxは進行方向、yは左方向とし、鉛直上向きをzととる。
また、以下汎用的に使う記載方法として、
{A- dot}:Aの時間1階微分
{A-2dot}:Aの時間2階微分
として表す。
x-y-z座標に対する右前後加速度センサ24の位置Pの位置ベクトルをρとし、さらに重心点Cおよび右前後加速度センサ24のX-Y座標に対する位置ベクトルをそれぞれ、R、rpとすると、
Figure 0004491400
となる。ここでρを成分表示すると、
Figure 0004491400
となる。またx-y-z座標系はX-Y-Z座標系に対してR-dotの速度で並進運動し、かつωなる角速度で回転運動しているとすると、
Figure 0004491400
ここで、ρpはP点のC点に対する相対速度であり、P点がx-y-z座標に固定されているので{ρp dot}=0となり、
Figure 0004491400
となる。
ここで、車両の速度ベクトル{R-dot}のx方向の大きさをu、 y方向の大きさをvとし、x方向の単位ベクトルをi、 y方向の単位ベクトルをjとすると,
Figure 0004491400
となる。また、角速度ベクトルωは、Z軸回りのヨー運動を考えているため、
Figure 0004491400
と表記できる。ただしrは車両のヨーレイトである。したがって、
Figure 0004491400
よって、
Figure 0004491400
したがってP点での加速度ベクトル{r-2dot}は、
Figure 0004491400
ここで、ヨーレイトrで回転する車両に固定された座標系で考えた単位ベクトルの微分は、それぞれ、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
であるから、
Figure 0004491400
この値が、P点に加速度センサを設置した際に検出できる物理量である。たとえばP点に前後方向に感度をもつ加速度センサを設置すれば、車両の前後加速度({u-dot}-vr)と角加速度と重心点からの距離の積(ds・{r-dot})を検出することができる。また、P点に横方向に感度をもつ加速度センサを設置すれば、車両の横加速度({v-dot}+ur)と角速度の二乗と重心点からの距離の積(ds・r^2)を検出することができる。
また、左前後加速度センサ23の配置点をQ、前横加速度センサ21の設置点をS、後横加速度センサ22の設置点をRとすると、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
Figure 0004491400
Figure 0004491400
となる。ここで下線の部分が右前後加速度センサ24、左前後加速度センサ23、前横加速度センサ21、後横加速度センサ22が検出する物理量である。そのそれぞれを、Gxr、Gxl、Gyf、Gyrとすると、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
Figure 0004491400
Figure 0004491400
車両前後加速度はGx={u-dot-v・r}、車両横加速度は、Gy={v-dot+u・r}、ヨー角加速度は{r-dot}であるから、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
Figure 0004491400
以上のように、図2に示すように、車両重心をはさんで、双対した位置に加速度センサを4つ配置すると、双対したセンサ同士の出力の和の半分より車両重心点の加速度が検出でき、差分をとったものを、センサ間の距離で割ったものから車両重心点の角加速度が検出できる。したがって車両重心点の前後方向の加加速度Jx、横方向の加加速度Jy、角加加速度Jrは以下のように記述できる。
Figure 0004491400
Figure 0004491400
Figure 0004491400
ここで、図2のようにそれぞれのセンサ毎に微分回路をもち、加速度信号を微分した値を線形結合するか、加速度信号の演算処理を行い、その後微分処理をしても加加速度、角加加速度信号が得られることに変わりはない。したがって、以下では加速度信号を取り込んだあとで微分処理を行うと考えて発明の開示を進める。
まず、横方向の車両運動を簡素化したモデルにて表現し、瞬時コーナリングパワーを検出する発明について開示する。
図4は4輪車の等価的な2輪車モデルを示す図である。前後輪ともに左右のタイヤの横滑り角はそれぞれ等しく、これをβf、βとすれば、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
となる。ただし、βは車両重心点の横すべり角で、
Figure 0004491400
であり(u、vは前述の車両重心点のx-y方向の速度成分)、Vは車速、lfは車両重心点から前車軸間の距離、lrは車両重心点から後車軸間の距離、rは車両のヨー角速度(ヨーレイト)である。
以上のように左右タイヤの横すべり角が等しく、かつその値が小さく、実舵角も小さいとみなしてよい範囲を考えるということは、車体のロールを無視して一定速度で走行している車両の水平面の運動を考える場合には、図4に示すように車両のトレッドdf、drを無視し、前後の左右輪が等価的に車両の前後軸と車軸との交点にそれぞれ集中している車両の運動を考えるということに相当している。
左右のタイヤ自体の特性に差が無いとすれば左右のタイヤに働くコーナリングフォースも差がないから、これを前後輪の横滑り角βf、βrの関数として前後それぞれYff)、Yrr)として、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
と書ける。そして、この力は、y方向に働くとみなして良いから、車両の横運動を記述する式は、
Figure 0004491400
ここで、mは車両重量である。
また、コーナリングフォースは、重心点回りのヨーイングモーメントとして働くから、車両の重心点を通る鉛直軸回りのヨーイング運動は次式で記述できる。
Figure 0004491400
となる。ここで、Izは車両のヨーイング慣性モーメントである。この2式を行列にて表現すると、
Figure 0004491400
したがって、前後のコーナリングフォースはlf+lr=l(:ホイールベース)とすると、
Figure 0004491400
で表せ、Gy、{r-dot}は前述したように図2に示したように配置した4つの加速度センサから検出可能であり、前後のコーナリングフォースは検出可能であることを示している。
つぎに,車両の横加加速度Jyと角加加速度Jrはそれぞれ、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
これを行列表現すると、
Figure 0004491400
よって、
Figure 0004491400
したがって
Figure 0004491400
Figure 0004491400
となる。
ここでKiyf=dYff)/dβf、 Kiyr= dYrr)/dβrは瞬時毎の前輪、後輪の横すべり角の変化に対するコーナリングフォースの変化分であり、広義の瞬時コーナリングパワーと考えることができる。一方右辺のうち、横加加速度Jyと、ヨー角加加速度Jrは前述のとおり4つの加速度計を用いて出力信号を微分処理することにより計測可能である。また{βf-dot}、{βr-dot}は以下のように表せる。
Figure 0004491400
Figure 0004491400
前述したように、重心の横加速度Gyは図3に示した前横加速度センサ21と後横加速度センサ22の計測値の和から計測可能で、ヨー角加速度{r-dot}は差分から計測可能である。また、パワーステアリング7の実舵角(δf)は前述したようにパワーステアリング7内の舵角センサにより検出可能であり、これを時間微分することにより検出可能である。さらに車両速度Vは,前述したように各輪の車輪側センサからブレーキコントローラ43内で、擬似車速という形で計測可能である。
図5は上述の前後輪の瞬時コーナリングパワーの計測プロシージャを示したブロック線図であり、このロジックが中央コントローラ40内で実行される。
入力は、前横加速度センサ21の計測値Gyfと後横加速度センサ22の計測値Gyr、各輪車輪速センサの計測値を用いてブレーキコントローラ43で計算される擬似車速V、パワーステアリング7内の舵角センサにより検出されたδである。この線図では前横加速度センサ21と後横加速度センサ22の計測値から横加速度とヨー角速度を求めてから微分処理を行っている。
図5からわかるようにロジックの内部に、タイヤモデル、車両運動モデルは存在しない。またフィードバックループが存在しないため、モデルなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムにタイヤの瞬時コーナリングパワーを計測することができる。
図6にタイヤの横すべり角と横力の関係を示す。単位横すべり角変化に対する横力の増加分(dY/dβ)がコーナリングパワーと考えることができる。横すべり角が小さいうち(β<β4)は、横すべり角に横力が比例する(dY/dβはほぼ一定値)。しかしながら横すべり角が大きくなると横力が横すべり角に比例しなくなる。以上はタイヤの単体特性であるが、車両装着時を考えると、(数37)に示すように前後輪の横力の和が車両の横加速度となる。したがって旋回中の車両は横加速度が大きくなると横すべり角が大きくなり横力が大きくなる。ところが、横加速度が大きくなり横すべり角がβ4を超えるとコーナリングパワーは急激に減少していく。そしてついに横すべり角β6において、車両の横加速度が路面とタイヤ間の摩擦係数となり、物理的なグリップ限界に近づくことになる。
グリップ限界への接近は図6下図に示すように、瞬時毎のコーナリングパワーを計測することにより評価可能である。タイヤ横すべり角β6で瞬時コーナリングパワーはゼロとなりそれ以降負に反転するので、あるスレッシュホールド値Kythを予め定めておき、計測される瞬時毎のコーナリングパワーがKyth以上のときは、まだタイヤは線形領域であるので、たとえばドライバーに対してインスツルメンタルパネルにインジケータ表示をすると仮定すると、青色で安全であることを示し、Kythより小さくなると注意を促す黄色、負に反転したら赤色の表示などを示すことによりドライバーに対してグリップレベル情報を提示することができて安全性の向上につなげることが可能となる。また、この情報提示を音声信号で行ってもよい。たとえば、瞬時コーナリングパワーがKyth以下になると警告音(発信音)が鳴り始め、瞬時コーナリングパワーが低下するに従い音の発信間隔を短くするなどして注意を促してもよい。また、音と同様に、たとえばステアリングに振動などのタクタイル(触覚)情報を入れ、強度、周波数を変化させてドライバーに注意を与えてもよい。これらによりドライバーの運転操作が安全方向に改善されることが期待でき、車両が安全方向に運動する可能性が増す。
つぎに、本発明のブレーキングスティフネスの計測方法について述べる。
図7は4輪車の前後方向の運動およびヨー運動に注目し前後2輪ずつを1つの輪とみなした等価的な2輪車モデルを示す図である。
実舵角が小さく(直行に近く)前後タイヤのスリップ率も小さい範囲を考え、車体のピッチを無視して一定横速度で走行している車両の水平面の運動を考える場合には図7に示すように左右の前後輪が等価的に車両の左右軸と前後輪を結んだ交点にそれぞれ集中している車両の運動を考えるということに相当している。
このようにして、前後のタイヤ自体の特性に差が無いとすれば前後のタイヤに働く制駆動力も差がないから、これを左右輪のスリップ率sl、srの関数として前後それぞれXl(sl)、Xr(sr)として、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
と書ける。そして、この力は、X方向に働くとみなして良いから、車両の前後運動を記述する式は、
Figure 0004491400
ここで、mは車両重量である。
また、左右の制駆動力の差は、重心点回りのヨーイングモーメントとして働くから、車両の重心点を通る鉛直軸回りのヨーイング運動は次式で記述できる。
Figure 0004491400
となる。ここで、Izは車両のヨーイング慣性モーメントである。この2式を行列にて表現すると、
Figure 0004491400
したがって、
Figure 0004491400
で表せ、Gx、{r-dot}は前述したように図2に示したように配置した4つの加速度センサから検出可能であり、前後の制駆動力は検出可能であることを示している。
つぎに、車両の前後加加速度Jxと角加加速度Jrはそれぞれ、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
これを行列表現すると、
Figure 0004491400
よって、
Figure 0004491400
したがって、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
ここでKixl=dXl(sl)/dsl、 Kixr= dXr(sr)/dsrは瞬時毎の左輪、右輪のスリップ率の変化に対する制駆動力の変化分であり、広義の瞬時ブレーキング(ドライビング)スティフネスと考えることができる。ちなみにブレーキング(ドライビング)スティフネスはスリップ率ゼロのときの変化分なので、瞬時毎の任意のスリップ率での変化率を考える場合は、瞬時ブレーキング(ドライビング)パワーと呼んだほうが適当だと思われる。
右辺のうち、前後加加速度Jxと、ヨー角加加速度Jrは前述のとおり4つの加速度計を用いて出力信号を微分処理することにより計測可能である。またブレーキコントローラ43により各輪のスリップ率は算定可能であり、この信号を微分処理することにより{sl-dot}、{sr-dot}は計測可能である。
図8は上述の左右輪の瞬時のブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)の計測プロシージャを示したブロック線図である。スリップ率算出部分はブレーキコントローラ43で実行されるが、その他のロジックは中央コントローラ40内で実行される。
入力は、左前後加速度センサ23の計測値Gxlと右前後加速度センサ24の計測値Gxr、各輪車輪速センサの計測値を用いてブレーキコントローラ43で計算される擬似車速V、左前後輪と右前後輪の平均車輪速である。この線図では左前後加速度センサ23と右前後加速度センサ22の計測値から前後加速度とヨー角速度を求めてから微分処理を行っている。
図8からわかるようにロジックの内部に、タイヤモデル、車両運動モデルは存在しない。またフィードバックループが存在しないため、モデルなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムにタイヤのブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)を計測することができる。
図9にタイヤのスリップ率と制駆動力の関係を示す。単位スリップ率変化に対する制駆動力の増加分(dX/ds)がブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)と考えることができる。スリップ率が小さいうち(s<s4)は、スリップ率に制駆動力が比例する(dX/dsはほぼ一定値)。しかしながらスリップ率が大きくなると制駆動力がスリップ率に比例しなくなる。以上はタイヤの単体特性であるが、車両装着時を考えると、(数51)に示すように左右輪の制駆動力の和が車両の前後加速度となる。したがって加速中、あるいは減速中の車両は前後加速度が大きくなるとスリップ率が大きくなり制駆動力が大きくなる。ところが、前後加速度が大きくなりスリップ率がs4を超えるとブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)は急激に減少していく。そしてついにスリップ率s6において、車両の前後加速度が路面とタイヤ間の摩擦係数となり、物理的なグリップ限界に近づくことになる。
グリップ限界への接近は図9下図に示すように、瞬時毎のブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)を計測することにより評価可能である。タイヤスリップ率s6でブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)はゼロとなりそれ以降負に反転するので、あるスレッシュホールド値Kxthを予め定めておき、計測される瞬時毎のブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)がKxth以上のときは、まだタイヤは線形領域であるので、たとえばドライバーに対してインスツルメンタルパネルにインジケータ表示をすると仮定すると、青色で安全であることを示し、Kxthより小さくなると注意を促す黄色、負に反転したら赤色の表示などを示すことによりドライバーに対してグリップレベル情報を提示することができて安全性の向上につなげることが可能となる。また、この情報提示を音声信号で行ってもよい。たとえば、瞬時ブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)がKxth以下になると警告音(発信音)が鳴り始め、瞬時ブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)が低下するに従い音の発信間隔を短くするなどして注意を促してもよい。また、音と同様に、たとえばブレーキペダルに振動などのタクタイル(触覚)情報を入れ、強度、周波数を変化させてドライバーに注意を与えてもよい。これによりドライバーの運転操作が安全方向に改善されることが期待でき、車両が安全方向に運動する可能性が増す。
以上のように、車両がある運動をしている際の前後あるいは横加加速度情報と、角加加速度情報を用いて前後方向、あるいは横方向タイヤ力の時間変化を検出し、それを例えば、車輪のスリップ角、あるいは車輪のスリップ率を微分処理した、いわゆる制御入力の微分値で除することによりその運動状態での瞬時のコーナリングパワー、瞬時のブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)を求める方法の発明について開示してきた。この方法の主たる発明部分を一般化・簡素化して図10に示す。
本発明によれば、モデル・オブザーバなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムにタイヤの瞬時コーナリングパワーや瞬時ブレーキングスティフネスを計測する手段および装置を提供することができる。
また、リアルタイムに計測されたタイヤの瞬時コーナリングパワーや瞬時ブレーキングスティフネスを用いて車両運動を評価し、それをドライバーに示し、不安定状態に近づいた際には警報を出す手法及び装置を提供することができる。
図11および図12は実際に走行している車両に本発明の手法を用いて前輪瞬時コーナリングパワー(dYf/dβf)と後輪瞬時コーナリングパワー(dYr/dβr)を計測した結果を示している。車両速度は約80[km/h]でドライバー操舵角50[deg]でレーンチェンジ走行を行っている。{β-dot}が小さい範囲(直進状態および{β-dot}反転ポイント)では、ノイズが観測されるが、{β-dot}が任意のスレッシュホールド値(たとえば0.02(rad/s))以上の絶対値であるときには、十分実用的に計測可能であり、本発明の方法が工学的に価値をもつことが明らかである。もちろん、モデル出力との誤差を最小化するような収束計算は不要であり、リアルタイムで前後輪の瞬時コーナリングパワーを独立して計測可能である。
本方法を用いるとタイヤモデルが必要ない(路面摩擦係数の推定が不要)ほか、ロールステア、コンプライアンスステアなどを含んだ、任意の車両運動状態での正味の瞬時コーナリングパワーを計測できるということに注意されたい。
さて、本発明により計測されたコーナリングパワーを用いた車両運動評価、制御について、以下、簡単に述べておく。
いま、Gyの横加速度、Grのヨー角加速度の旋回状態から微小な操舵δに対する車両の微小な運動を考えてみる。このときの運動方程式は、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
のように記述できる。ここで、δ、β、rが微小だから、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
ここで、Gyの横加速度、Grのヨー角加速度の旋回状態のつりあいから、
Figure 0004491400
Figure 0004491400
が成り立つ。これらを(数61)、(数62)に代入し整理すれば、結局次式を得る。
Figure 0004491400
Figure 0004491400
これが、いわゆる微小擾乱理論に基づいて線形化された瞬時の運動方程式である。つまり、前後輪の任意の横すべり角における瞬時の運動は、本発明で計測可能である前輪瞬時コーナリングパワー(dYf/dβf)と後輪瞬時コーナリングパワー(dYr/dβr)を用いることにより記述できるということである。このとき形式的にみかけの(pseudo)瞬時スタビリティファクタ(Ai)を求めると、
Figure 0004491400
同様に、形式的に前後輪のコーナリングフォースの瞬時の着力点であるみかけの瞬時ニュートラルステアポイント(lNi)を求めると、
Figure 0004491400
であり、この値をホイールベースlで割って無次元化したみかけの瞬時スタティックマージン(SMi)を求めると、
Figure 0004491400
となる。
これらの値に登場する-{lf(dYf/dβf)-lr(dYr/dβr)}なる量はステア特性を左右する重要な量である。具体的には、この値をみかけのスタティックマージンで代表すると、
SM>0………… アンダーステア(US)
SM=0………… ニュートラルステア(NS)
SM>0………… オーバーステア(OS)
本発明では、上述のようにみかけの瞬時のSMが計測可能であるため、瞬時のステア特性が計測・評価可能である。したがって、つぎに述べるようなドライバーへの情報提供あるいは車両制御が可能となる。以下、その概略を示す。
図12は、車両の重心点が、横すべり角βを生じたときに発生する横力の合力の着力点(ニュートラルステアポイント:lN)を示す図である。この着力点が重心位置に対してどの位置にあるのかにより、瞬時のステア特性が時々刻々変化すると考えられる。通常の車両では静的な状態ではこのlNは重心点より後方、すなわちアンダーステア傾向に調整されていることが多い。なお、本説明でみかけのスタティックマージンではなくみかけのニュートラルステアポイントを用いて議論しているのは、無次元化されたステア特性の判定基準としてではなく、絶対値をもつモーメントアームとしての物理的意味を持たせるためである。
つぎに、このみかけのニュートラルステアポイントがドライバーの運転操作、車両の運動状態に応じて変化するメカニズムについて簡単に述べる。
瞬時コーナリングパワーdYf/dβfとdYr/dβrは荷重依存性がある。このため、ドライバーはブレーキング、あるいは加速により前後輪への荷重を制御してこれらの量を制御していると考えられる。
具体的には、コーナリング開始直前にはドライバーはブレーキングにより前輪への荷重を増加させ、かつ後輪への荷重を低下することにより相対的にdYf/dβfをdYr/dβrに比べて大きくすることにより-{lf(dYf/dβf)-lr(dYr/dβr)}を低下させて(lNを重心に近づけて)アンダーステア傾向を低減させ旋回を容易にしている。またコーナ脱出時にはアクセルオンをして駆動力を伝えることにより後輪への荷重を増加させ、かつ前輪への荷重を低下することにより相対的にdYf/dβfをdYr/dβrに比べて小さくすることにより-{lf(dYf/dβf)-lr(dYr/dβr)}を増加させて(lNiを重心から遠ざけて)アンダーステア傾向を増加し、車両の安定性を確保していると考えられる。
もちろん、ドライバーは瞬時毎の-{lf(dYf/dβf)-lr(dYr/dβr)}を計算しているわけではない。しかしながら、人間は加加速度、角加加速度を体感することが可能であり、また、視覚情報から外界の目標物と自車との相対的位置変化が認識可能であり車体の横すべり角、あるいはその微分値も感受可能であると考えることができる。さらに自分が入力する舵角の変化分は認識できるため、これらの情報を用いて-{lf(dYf/dβf)-lr(dYr/dβr)}と同等な情報を瞬時毎に運転操作の参考としていると考えられる。したがって、本発明により-{lf(dYf/dβf)-lr(dYr/dβr)}を随時計測可能として、実際に人間があるタスク達成のために運転している車両の運動を評価することにより、そのタスクに対するドライバーの運転操作決定のためのストラテジーが抽出できることが期待できる。
また、逆に路面の摩擦係数の急変、あるいは想定していた経路の曲率半径が想定の範囲より大幅に小さい場合などの外乱により、車両のヨーレイトrあるいは横すべり角βが大きくなりすぎて、タイヤ横力特性の非線形領域(たとえば図6のβ6)のようになってしまった場合にもニュートラルステアポイントが重心点に近づく、あるいは負に反転し、車両がオーバーステア特性に陥ることがある。この状況について右コーナ旋回時をとりあげて示したのが図13である。着力点が重心より前方に来てしまうと、この図の場合、半時計回りのヨーレイトを助長するようなモーメントが発生する。車両を安定側に引き戻す復元モーメントという概念を用いれば、この状態では復元モーメントが負になっている、すなわち不安定に発散してスピンすることを示している。スピンの発生状況ではおおむねこのように復元モーメントが小さすぎるか、あるいは負になっている状態であるといえる。
本発明によれば、lNiを瞬時毎に計測可能であるからこのようなスピン状況に陥るプロシージャが計測可能である。したがってドライバーにスピン発生の危険警報を発生するほか、復元モーメントを適正に保つような制御を行うことにより、車両の安定性を確保することも可能となる。図14は、この考え方を最も簡潔にステップ毎のフローチャートに示した例である。以下簡単に各ステップについて述べる。
0)スタート
1)前後輪の瞬時コーナリングパワーを計測する。
2)瞬時ニュートラルステアポイントlNi(i)を算出
3)lNi(i)とスレッシュホールドレベルlNhと比較し、
lNi(i)>lNhの場合、十分な復元モーメントあり→Return
lNi(i)<lNhの場合、オーバーステアの危険性あり→4)
4)警告発生(視覚情報,聴覚情報,触覚情報)
5)現在のlNi(i)と前回のlNi(i-1)と比較し
lNi(i)> lNi(i-1)の場合、安定性回復中→Return
lNi(i)< lNi(i-1)の場合、復元ヨーモーメント補正必要→6)
6)必要復元ヨーモーメント計算→7)
7)ヨーモーメント振り分け計算(ブレーキ,アクセル,ステア)→8)
8)総合ヨーモーメント計算→9)
9)ヨーモーメント誤差計算
|ΔM-ΣM|<εMの場合,適正モーメント入力中→安定性回復中→Return
|ΔM-ΣM|>εMの場合,モーメント入力に過不足あり→再計算
以上のステップのなかで、スレッシュホールドレベルlNhは、車両の運度状況に応じて変化させることが必要となるが、本発明の構成であると操作入力、各輪の横力の絶対値が計測済みであるので、マップデータなどを中央コントローラ40に記憶していることにより、実現可能である。
また、ヨーモーメントを構成するためには、図15に簡単に記載してあるが
ステア :舵角をδfcだけ戻す。
中央コントローラ40→ステアリングコントローラ41
ブレーキ:右側(外側)の前輪にFbfr,後輪にFbrrの制動力を加える。
中央コントローラ40→ブレーキコントローラ43
アクセル :左側(内側)の後輪にFtrlの駆動力を加える。
中央コントローラ40→パワートレインコントローラ42
→左右トランスファーコントローラ44
これにより、それぞれ図15中記載の復元ヨーモーメントを得ることができる。それぞれの配分方法は種々考えられるが、ここではその詳細に踏み込むことは避ける。また、別のステア特性の制御方法として、直接モーメントを与えるのではなく、前後輪のサスペンションのロール剛性配分を変化させることにより左右の荷重移動を制御することも考えられる。具体的には、前輪のロール剛性配分を増加させることにより、相対的に荷重移動が少ない後輪側の瞬時コーナリングパワーが増加してアンダーステア方向にステア特性を変化させることができることに留意されたい。
以上により、図15に示すように、車両は安定性を取り戻し、スピンすることなく安定を取り戻し、経路上を連続して走行することが可能となる。ここで、不安定時に復元ヨーモーメントを与えることにより、車両のもともとの安定性が発揮されるようになるため、制御なしと制御ありの復元ヨーモーメント差をすべて入力する必要がないということに留意されたい。このように本発明によると車両が安定状態から不安定状態に遷移するプロシージャを瞬時毎に計測可能であるため、制御介入タイミングを早期に設定することが可能となり、違和感の低減を図れるほか、車両本来の安定性を早期に回復できるため、各アクチュエータの制御振幅を小さくすることも可能となる。
また、本発明を発展させた概念として、車両の設計上の静的安定性を強く設定(ニュートラルステアポイントが重心から後方に大きく離れた設定)しておいて、旋回初期時には、前述と同等な方法で、復元ヨーモーメントではなく旋回促進ヨーモーメントを与え、旋回脱出時には制御を停止することにより、車両本来の安定性を引き出すという方法も考えられる。このように構成することにより、通常時の旋回性能は小制御振幅のアクチュエータで実現し、路面摩擦係数が低下するところでは、各アクチュエータにエネルギーを投入することなく車両本来の性能により安定化が可能である。これにより、アクチュエータの小型化、低コスト化が可能であるとともにアクチュエータ失陥時のフェールセーフ性能が向上するというメリットが得られる。
いずれにしても、車両にドライバーが乗って運転している状態(マン・マシンシステム)での瞬時の操縦安定性を、瞬時コーナリングパワーの計測により瞬時ニュートラルステアポイントを算出して評価可能であるため、アクチュエータを適切に制御することにより操縦性と安定性の最適化が可能となる。また、制御を投入する以前に、検出した瞬時ニュートラルステアポイントに基づいてドライバーへの警告として視覚、聴覚、触覚情報を提供することによりドライバーの運転操作が安全方向に改善されることが期待でき、車両が安全方向に運動する可能性が増す。
以上、本発明について横方向の運動に焦点をあてて述べてきた。前後方向の運動についても瞬時ブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)が計測可能であることは、既に述べた。これらを用いてドライバーへの警告として視覚、聴覚、触覚情報を提供することによりドライバーの運転操作が安全方向に改善されることが期待でき、車両が安全方向に運動する可能性が増す。またこれと同時に、制駆動力の各輪読率制御を行うことによりドライバーが運転している状態での操縦性、安定性を大幅に向上することが可能である。
(横加速度センサ・前後加速度センサ・ヨーレートセンサ搭載)
図16は前後、および横加速度センサに加え、ヨーレートセンサを搭載した本発明の第2の実施例を示す図である。図に示すように、横加速度センサ212、前後加速度センサ234、そしてヨーレートセンサ200は,重心点近傍に設置されている(重心点から離れた位置に設置していても座標変化を行うことにより同等な信号を得ることはできるが、ここでは煩雑さを避けるために重心点近傍配置とした)。
このようにセンサを配置し、かつ4つの微分回路を用いて、車両重心点の
横加速度 :Gy
横加加速度 :Jy
前後加速度 :Gx
前後加加速度 :Jx
ヨー角速度 :r
ヨー角加速度 :{r-dot}
ヨー角加加速度:Jr
を検出することができる構成となっている。第一の実施例と比較するとヨーレイトが直接計測できるため積分回路は必要ない。これらの信号は中央コントローラ400に入力される。
図17は前後、および横加速度センサに加え、ヨーレートセンサを搭載した本発明の第2の実施例における前後輪の瞬時コーナリングパワーの計測プロシージャを示したブロック線図であり、このロジックが中央コントローラ400内で実行される。
入力は、横加速度センサ212の計測値Gyとヨーレートセンサ200の計測値r、各輪車輪速センサの計測値を用いてブレーキコントローラ43で計算される擬似車速V、パワーステアリング7内の舵角センサにより検出されたδである。図17からわかるようにロジックの内部に、タイヤモデル、車両運動モデルは存在しない。またフィードバックループが存在しないため、モデルなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムにタイヤのコーナリングパワーを計測することができる。
図18は前後、および横加速度センサに加え、ヨーレートセンサを搭載した本発明の第2の実施例における左右輪の瞬時のブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)の計測プロシージャを示したブロック線図である。スリップ率算出部分はブレーキコントローラ43で実行されるが、その他のロジックは中央コントローラ400内で実行される。
入力は、前後加速度センサ234の計測値Gxとヨーレートセンサ200の計測値r、各輪車輪速センサの計測値を用いてブレーキコントローラ43で計算される擬似車速V、左前後輪と右前後輪の平均車輪速である。図18からわかるようにロジックの内部に、タイヤモデル、車両運動モデルは存在しない。またフィードバックループが存在しないため、モデルなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムにタイヤの瞬時ブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)を計測することができる。
上述のように、前後、および横加速度センサに加え、ヨーレートセンサを搭載した本発明の第2の実施例においても情報の不足なく、前後輪の瞬時コーナリングパワーと、左右輪の瞬時ブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)を計測することができ、本発明の第一の実施例と同様な工学的意義を有することがわかる。また、本発明の第2の実施例と同等なセンサおよび、その配置(図16)は、現在市販されている乗用車において常識的に搭載されているセンサ数および配置である。これに加えて微分手段と図17、図18と同等なロジック計算を行うだけという、少ない付加コストで本発明は実現可能である。
(横加加速度センサ,前後加加速度センサ,角加加速度センサ搭載)
図19は前後、および横方向の加速度および加加速度情報の抽出のために加速度と加加速度が両方直接検出可能な加加速度センサと角加速度および角加加速度が検出可能な角加加速度センサを搭載した本発明の第3の実施例を示す図である。
図に示すように、横加加速度センサ2120、前後加加速度センサ2340、そして角か加速度センサ2000は、重心点近傍に設置されている。
加加速度センサおよび角加加速度センサは日本国特許3417410に詳細に記載されているため、ここでは検出原理などは省略し、構成の概略を示すに止める。
加加速度センサは、図20に示すようにケ−シング2010aに継手2013によって1自由度の運動が可能なように取付けられた振子201と、振子201に固定されたコイル203と、振子201の他端側の運動方向に取付けられた可動電極2041と、マグネット202が取付けられたケ−シング2010と、ケ−シング2010に可動電極2041と対面するように形成された固定電極2042と、振子201の釣り合い位置からの変位を検出する振子変位検出器2040と、振子変位検出器2040の出力側に直列に接続されさらにその出力側が前記コイル203の一方の側に接続するように配線されたサ−ボアンプ205と、一方が接地され他方がコイル203の他方に接続されるように配線された読み取り抵抗206などから構成されている。そして、検出された加速度情報は、読み取り抵抗206における電圧降下(電流値)にて取り出し、加加速度情報は、コイル203の端子電圧として取り出すように構成されている。
また、図21は、角加加速度センサの全体構成を示す図である。角加加速度センサは、回転振子1201と、回転振子1201に固定されたコイル1202と、可動電極1204と、ケーシング1200と、ケーシング1200に固定されたマグネット1203と、固定電極1205と、振子の釣合位置からの変位を検出する振子変位検出器1206とサーボアンプ1207と、読みとり抵抗1208で構成されている。加速度情報は、読み取り抵抗1208における電圧降下(電流値)にて取り出し、角加加速度情報は、図21に示すように、コイル1202の端子電圧として取り出すように構成されている。
以上の構成とすることにより、本発明の第3の実施例では微分回路を必要とせず前後、横加加速度および角加加速度を検出することが可能となる。しかしながら、第1の実施例と同様にヨーレート(角速度)は直接検出不可能なのでヨー角加速度を積分する積分回路がひとつ必要となる。
このようにセンサを配置し、車両重心点の
横加速度 :Gy
横加加速度 :Jy
前後加速度 :Gx
前後加加速度 :Jx
ヨー角速度 :r
ヨー角加速度 :{r-dot}
ヨー角加加速度:Jr
を検出することができる構成となっている。これらの信号は中央コントローラ4000に入力される。
図22は前後、および横方向の加速度および加加速度情報の抽出のために加速度と加加速度が両方直接検出可能な加加速度センサと角加速度および角加加速度が検出可能な角加加速度センサを搭載した本発明の第3の実施例における前後輪の瞬時コーナリングパワーの計測プロシージャを示したブロック線図であり、このロジックが中央コントローラ4000内で実行される。
入力は、横加加速度センサ2120の計測値である横加速度Gyと横加加速度Jy、角加加速度センサ2000の計測値である、ヨー角加速度{r-dotあるいはGr}と角加加速度Jr、各輪車輪速センサの計測値を用いてブレーキコントローラ43で計算される擬似車速V、パワーステアリング7内の舵角センサにより検出されたδである。図22からわかるようにロジックの内部に、タイヤモデル、車両運動モデルは存在しない。またフィードバックループが存在しないため、モデルなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムにタイヤのコーナリングパワーを計測することができる。
図23は前後、および横方向の加速度および加加速度情報の抽出のために加速度と加加速度が両方直接検出可能な加加速度センサと角加速度および角加加速度が検出可能な角加加速度センサを搭載した本発明の第3の実施例における左右輪の瞬時のブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)の計測プロシージャを示したブロック線図である。スリップ率算出部分はブレーキコントローラ43で実行されるが、その他のロジックは中央コントローラ4000内で実行される。
入力は、前後加加速度センサ2340の計測値である前後加速度Gxと前後加加速度Jx、角加加速度センサ2000の計測値である、ヨー角加速度{r-dotあるいはGr}と角加加速度Jr、各輪車輪速センサの計測値を用いてブレーキコントローラ43で計算される擬似車速V、左前後輪と右前後輪の平均車輪速である。図23からわかるようにロジックの内部に、タイヤモデル、車両運動モデルは存在しない。またフィードバックループが存在しないため、モデルなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムにタイヤの瞬時ブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)を計測することができる。
上述のように、前後、および横方向の加速度および加加速度情報の抽出のために加速度と加加速度が両方直接検出可能な加加速度センサと角加速度および角加加速度が検出可能な角加加速度センサを搭載した本発明の第3の実施例においても情報の不足なく、前後輪の瞬時コーナリングパワーと、左右輪の瞬時ブレーキング(ドライビング)パワー(スティフネス)を計測することができ、本発明の第1あるいは2の実施例と同様な工学的意義を有することがわかる。また、本発明の第3の実施例では他の実施例に比べ中央コントローラ4000内の演算ロジックが微分回路の分だけ簡略化されていることに留意されたい。本発明の第3の実施例においては電磁サーボ型の加加速度センサおよび角加加速度センサを採用した例について述べたが、これに限定されるものではなく、静電サーボ型あるいは他の方法の加加速度センサを用いてもよい。
最後に本発明の3つの実施例を通じてその発明の効果を簡略に述べる。
モデルなどを用いた収束演算を不要とし、極めて少ない演算処理で、リアルタイムに瞬時のタイヤのコーナリングパワーやブレーキングスティフネスを計測する手段および装置を提供することができる。
また、リアルタイムに計測された瞬時コーナリングパワーや瞬時ブレーキングスティフネスを用いて車両運動を評価し、それをドライバーに示し、不安定状態に近づいた際には警報を出し、不安定状態となったときには安定化のために制御入力を調整する手法及び装置を提供することができる。
本発明の第1実施例の全体構成を示す図 第1実施例のセンサ配置を示す図 車両の運動の一般的記述を示す図 4輪車の等価的な(前後)2輪車モデルを示す図 第1実施例の瞬時コーナリングパワー検出ロジックを示す図 車輪横すべり角と横力の関係を示す図 4輪車の等価的な(左右)2輪車モデルを示す図 第1実施例の瞬時ブレーキングパワー検出ロジックを示す図 車輪スリップ率と前後(制駆動)力の関係を示す図 本発明の一般的な表現を示す概念図 本発明を適用した実車両の測定結果を示す図 ニュートラルステアポイント(NSP)を示す説明図 車両特性変化とNSP,復元モーメントを示す図 本発明の検出,警報,制御の各ステップを示す図 本発明の制御効果を示す図 本発明の第2実施例のセンサ配置を示す図 第2実施例の瞬時コーナリングパワー検出ロジックを示す図 第2実施例の瞬時ブレーキングパワー検出ロジックを示す図 本発明の第3実施例のセンサ配置を示す図 加加速度センサを示す図 角加加速度センサを示す図 第3実施例の瞬時コーナリングパワー検出ロジックを示す図 第3実施例の瞬時ブレーキングパワー検出ロジックを示す図
符号の説明
0…車両、1…エンジン、2…電子制御ミッション、3…プロペラシャフト、4…ディファレンシャルギア、5…左トランスファーユニット、6…右トランスファーユニット、7…パワーステアリング、10…ステアリング、11…アクセルペダル、12…ブレーキペダル、21…前横加速度センサ、22…後横加速度センサ、23…左前後加速度センサ、24…右前後加速度センサ、25,26,27,28…微分回路、31…舵角センサ、40…中央コントローラ、41…ステアリングコントローラ、42…パワートレインコントローラ、43…ブレーキコントローラ、44…左右トランスファーコントローラ、51…左前輪、52…右前輪、53…左後輪、54…右後輪、61,62,63,64…ブレーキロータ、71,72,73,74…ブレーキキャリパ、81,82,83,84…車輪速検出用ロータ、91,92,93,94…車輪速ピックアップ、200…ヨーレートセンサ、212…横加速度センサ、234…前後加速度センサ、512…4輪車の等価的な(前後)2輪車モデルの前輪、534…4輪車の等価的な(前後)2輪車モデルの後輪、513…4輪車の等価的な(左右)2輪車モデルの左輪、524…4輪車の等価的な(左右)2輪車モデルの右輪、2000…角加加速度センサ、2120…横加加速度センサ、2340…前後加加速度センサ。

Claims (13)

  1. 車両の加加速度と車両のヨー角加加速度と車両各輪タイヤへの制御入力の時間変化分とを検出し、加加速度を制御入力の時間変化分で除した値に第1のゲインをかけた値とヨー角加加速度を制御入力の時間変化分で除した値に第2のゲインをかけた値とを加えた値より、瞬時毎の制御入力に対する各輪タイヤの発生する力の変化率を算定することを特徴とする車両タイヤ状態検出方法。
  2. 請求項1に記載の車両タイヤ状態検出方法において、加加速度として車両の横加加速度を検出し、車両各輪タイヤへの制御入力の時間変化分として車両各輪タイヤの横滑り角の時間変化分を検出し、瞬時毎の制御入力に対する各輪タイヤの発生する力の変化率として瞬時毎の横滑り角に対する各輪タイヤのコーナリングフォースの変化率である瞬時コーナリングパワーを算定することを特徴とする車両タイヤ状態検出方法。
  3. 請求項2に記載の車両タイヤ状態検出方法において、
    検出した車両の横加加速度に車両慣性質量と車両重心点から後輪車軸までの距離とを掛け合わせた値を前後輪の車軸間距離と前輪横滑り角の時間変化分とで割った値と、検出した車両の角加加速度に車両のヨーイング慣性モーメントを掛け合わせた値を、前後輪の車軸間距離と前輪横滑り角の時間変化分とで割った値とを足し合わせて半分にすることにより、前輪1本あたりの瞬時コーナリングパワーを算定するとともに、
    検出した車両の横加加速度に車両慣性質量と車両重心点から前輪車軸までの距離とを掛け合わせた値を前後輪の車軸間距離と後輪横滑り角の時間変化分とで割った値から、検出した車両の角加加速度に車両のヨーイング慣性モーメントを掛け合わせた値を前後輪の車軸間距離と後輪横滑り角の時間変化分とで割った値を差し引いた値を半分にすることにより、後輪1本あたりの瞬時コーナリングパワーを算定することを特徴とする車両タイヤ状態検出方法。
  4. 請求項1に記載の車両タイヤ状態検出方法において、加加速度として車両の前後加加速度を検出し、車両各輪タイヤへの制御入力の時間変化分として車両各輪の周速度と車両の絶対車速の差を車両各輪の周速度あるいは車両の絶対車速で除したスリップ率の時間変化分を検出し、瞬時毎の制御入力に対する各輪タイヤの発生する力の変化率として瞬時毎のスリップ率に対する各輪の縦方向の力の変化率である瞬時ブレーキングスティフネスを算定することを特徴とする車両タイヤ状態検出方法。
  5. 車両の加加速度を検出する加加速度検出手段と、車両のヨー角加加速度を検出するヨー角加加速度手段と、車両各輪タイヤへの制御入力の時間変化分を検出する制御入力時間変化分検出手段と、演算手段とを有し、
    演算手段にて、加加速度検出手段で検出した加加速度を制御入力時間変化分検出手段で検出した制御入力の時間変化分で除した値にゲインをかけた値と、ヨー角加加速度手段で検出したヨー角加加速度を制御入力時間変化分検出手段で検出した制御入力の時間変化分で除した値にゲインをかけた値とを加えた値を計算し、瞬時毎の制御入力に対する各輪タイヤの発生する力の変化率を算定することを特徴とする車両タイヤ状態検出装置。
  6. 請求項5に記載の車両タイヤ状態検出装置において、加加速度検出手段として車両の横加加速度を検出する横加加速度検出手段と、制御入力時間変化分検出手段として車両各輪タイヤの横滑り角の時間変化分を検出する横滑り角時間変化分検出手段とを有し、瞬時毎の制御入力に対する各輪タイヤの発生する力の変化率として瞬時毎の横滑り角に対する各輪タイヤのコーナリングフォースの変化率である瞬時コーナリングパワーを算定することを特徴とする車両タイヤ状態検出装置。
  7. 請求項6に記載の車両タイヤ状態検出装置において、
    横加加速度検出手段とヨー角加加速度検出手段とが、車両重心点から前方へ任意の距離に接地され横方向の加速度を検出する第一の加速度センサと、車両重心点から後方へ任意の距離に接地され横方向の加速度を検出する第二の加速度センサと、演算手段とで構成され、
    演算手段は、第一と第二の加速度センサの出力和から車両の横加速度を演算し、演算した横加速度を微分処理することにより横加加速度を演算し、第一と第二の加速度センサの出力差から車両のヨー角加速度を演算し、演算したヨー角加速度を微分処理することによりヨー角加加速度を演算することを特徴とする車両タイヤ状態検出装置。
  8. 請求項5に記載の車両タイヤ状態検出装置において、加加速度検出手段として車両の前後加加速度を検出する前後加加速度検出手段と、制御入力時間変化分検出手段として車両各輪の周速度と車両の絶対車速の差を車両各輪の周速度あるいは車両の絶対車速で除したスリップ率の時間変化分を検出するスリップ率時間変化分検出手段とを有し、瞬時毎の制御入力に対する各輪タイヤの発生する力の変化率として瞬時毎のスリップ率に対する各輪の縦方向の力の変化率である瞬時ブレーキングスティフネスを算定することを特徴とする車両タイヤ状態検出装置。
  9. 請求項8に記載の車両タイヤ状態検出装置において
    前後加加速度検出手段とヨー角加加速度手段とが、車両重心点から右方へ任意の距離に接地され前後方向の加速度を検出する第一の加速度センサと、車両重心点から左方へ任意の距離に接地され前後方向の加速度を検出する第二の加速度センサと、演算手段とで構成され、
    演算手段は、第一と第二の加速度センサの出力和から車両の前後加速度を演算し、演算した前後加速度を微分処理することにより前後加加速度を演算し、第一と第二の加速度センサの出力差から車両のヨー角加速度を演算し、演算したヨー角加速度を微分処理することによりヨー角加加速度を演算することを特徴とする車両タイヤ状態検出装置。
  10. 請求項5に記載の車両タイヤ状態検出装置において、算定された瞬時毎の制御入力に対する各輪タイヤの発生する力の変化率を運転者に対して表示する装置、あるいは前記変化率が任意の値より低下した場合に運転者へ視覚情報、音声情報又は触覚情報のうち少なくともいずれか一つとして伝達する装置を備えたことを特徴とする車両タイヤ状態検出装置。
  11. 請求項5乃至10のいずれか1項に記載の車両タイヤ状態検出装置において、検出されたタイヤの状態と車両速度、車両加速度、車両加加速度、車両ヨー角速度、ヨー角加速度、ヨー角加加速度のうち少なくともいずれか一つとを用いてタイヤ制御入力を決定するステップを有することを特徴とする車両タイヤ状態検出装置。
  12. 請求項6に記載の車両タイヤ状態検出装置において,
    算定された瞬時コーナリングパワーを運転者に対して表示する装置、あるいは前記瞬時コーナリングパワーが任意の値より低下した場合に運転者へ視覚情報、音声情報又は触覚情報のうち少なくともいずれか一つとして伝達する装置を備え、
    前輪の瞬時コーナリングパワーと車両重心点から前輪車軸までの距離を掛け合わせた値と、後輪の瞬時コーナリングパワーと車両重心点から後輪車軸までの距離を掛け合わせた値との差分を用いて、運転者へ視覚情報、音声情報、又は触覚情報として伝達するステップ又はタイヤ制御入力を決定するステップのうち少なくともいずれか一つのステップを実行する制御手段を備えたことを特徴とする車両タイヤ状態検出装置。
  13. 請求項5から11のいずれか1項に記載の車両タイヤ状態検出装置において,車両の加加速度を加加速度センサで直接検出し、車両の角加加速度を角加加速度センサで検出することを特徴とする車両タイヤ状態検出装置。
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