JP6788764B2 - 高生産性ロールインマーガリン製法 - Google Patents

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Description

本発明は、ロールインマーガリンの製造方法に関する。
ロールインマーガリンの製造方法としては、特許文献1に記載されているように、乳化物を急冷捏和した後、レスティングチューブで結晶の安定化を行い、その後、押出成型機において成型ノズルを使用し、流量に見合ったスピードのベルトコンベアー上にシート状に押し出した後、該シートを目的の長さで切断する方法が知られている。
しかし、この製造方法ではレスティングチューブ及び成型ノズルを使用してシート状に成型するため、流動状態で容器に入れるだけで製造可能なマーガリンと比べて、流量が少なくて生産性が悪く、設備や運用コストが高くなる。また、製品を別の種類のものに切り替える際に、直前に生産してレスティングチューブ内に残留している生産品が後の製品に混入しないようにするために、生産する前後の製品は物性の近いものを選択する必要があるなどの制約があった。そのような選択を行なっても、次の製品が安定して生産されるようになるまでに時間がかかり、レスティングチューブ内に残る分も含めて廃棄量が多くなるという問題があった。
例えば、特許文献2では、油脂組成物を急冷・捏和機に通して油脂を結晶化させた後、休止管(レスティングチューブ)で結晶が成長し結晶の網目構造を作る前にロールで圧延して成型することで、層の良く出るシート状の油脂組成物を安定的に製造でき、しかもノズル交換を必要とすることなく、シートの厚みを調整できる成型方法が開示されている。しかし、この方法は成型ノズルの代わりにロールで目的とする厚みのシート状に成型しているだけで、生産性の面では、通常のロールインマーガリンの製造方法よりもさらに劣る。
特開2001−45970号公報 特開平8−173034号公報
我々は、ロールインマーガリン生産時の設備や運用コストを下げる為に、レスティングチューブと成型ノズルを用いずに、ロールインマーガリンを製造することを検討した。また、ロールインマーガリンには、これを用いて層状食品を作製する際に、生地上で均一に伸びて生地に折り込む作業が短時間で済み、作業性が良好であることや、得られた層状食品がジューシーな食感を有し、また、層状食品の各層の間に隙間があって浮きが良好であることが求められる。
本発明の目的は、上記現状に鑑み、製品の切り替え時間が短く廃棄量も少なくて生産性が高く、生産設備やその運用コストも安価で、しかも、層状食品の作製時に作業性が良好で、作製された層状食品でジューシーな食感、及び良好な浮きを達成できるロールインマーガリンを製造可能な、ロールインマーガリンの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、レスティングチューブと成型ノズルを用いずに、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、特定温度まで冷却した後、特定時間保持して晶析せしめ、その後、混和により軟化させながら特定温度に昇温させて、粘度を特定値に調整して流動状の油中水型乳化油脂組成物を容器に充填した後、特定温度で特定時間以上静置することで上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、レスティングチューブと成型ノズルを用いず、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、0〜25℃まで冷却して該温度に10〜300秒間保持し晶析せしめた後、混和により軟化させながら10〜35℃に昇温させて粘度を10〜250Pa・sに調整し、調整後の流動状の前記油中水型乳化油脂組成物を容器に充填した後、−30℃〜30℃で24時間以上静置することを特徴とする、ロールインマーガリンの製造方法に関する。好ましくは、ロールインマーガリンの油脂全体中、パーム油及び/又はパーム分別油の含有量が50〜95重量%であり、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、0〜25℃であって、かつ油相部の融点から20〜40℃低い温度まで冷却して該温度に10〜300秒間保持し晶析せしめた後、混和により軟化させながら10〜35℃に昇温させて粘度を10〜250Pa・sに調整し、調整後の流動状の前記油中水型乳化油脂組成物を容器に充填した後、15〜30℃の温度で10〜100時間テンパリング処理してから、−30〜25℃で24時間以上静置する。
本発明に従えば、製品の切り替え時間が短く廃棄量も少なくて生産性が高く、生産設備やその運用コストも安価で、しかも、層状食品の作製時に作業性が良好で、作製された層状食品でジューシーな食感、及び良好な浮きを達成できるロールインマーガリンを製造可能な、ロールインマーガリンの製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の製造方法により製造されるロールインマーガリンは、通常のレスティングチューブと成型ノズルを用いた製造方法で製造したロールインマーガリンと同様に、層状食品の作製に用い得る物性を有する。
本発明は、ロールインマーガリンの製造方法に関し、該製造方法は、レスティングチューブと成型ノズルを用いることなく、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、特定温度まで冷却した後、特定時間保持して晶析せしめ、その後、混和により軟化させながら特定温度に昇温させて、粘度を特定値に調整して流動状の油中水型乳化油脂組成物を容器に充填した後、特定温度で特定時間以上静置することを特徴とする。
本発明における油中水型乳化油脂組成物とは、水相が油相に分散するタイプの乳化物を指し、通常、油脂組成物全体中の油相の量は30〜99.5重量%、水相の量は0.5〜70重量%である。本発明のロールインマーガリンは、前記油中水型乳化油脂組成物を固体状に晶析せしめたものであり、前記油中水型乳化油脂組成物と同様、ロールインマーガリン中の油相の量は30〜99.5重量%、水相の量は0.5〜70重量%である。よって、本発明でいうロールインマーガリンには、油分が80%を超えるマーガリンの他、油分が80%未満のファットスプレッドも包含される。
前記油中水型乳化油脂組成物に含まれる油脂としては、一般的にロールインマーガリンに使用される油脂であれば特に限定されない。例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ナタネ油、大豆油、コーン油、サフラワー油、綿実油、落花生油、米ぬか油、コーン油、オリーブ油、ヒマワリ油、ゴマ油、シア脂、サル脂、カカオ脂等の植物性油脂;乳脂、牛脂、ラード等の動物性油脂;それらの分別油、硬化油、エステル交換油などが挙げられる。1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。原料コストの観点から、パーム油及び/又はパーム油分別油を前記油脂全体中50〜95重量%含むことが好ましく、パーム油を前記油脂全体中50〜95重量%含むことがより好ましい。なお、パーム分別油とは、パーム油を原料に分別されてできる油脂であり、例えば、パームステアリン、パームハードステアリン、パームオレイン、パームダブルオレイン、パームスーパーオレイン、パームトップオレイン、パーム中融点部等が挙げられる。
前記油中水型乳化油脂組成物は、前記油脂と水以外に、通常ロールインマーガリンに配合できる成分を適宜含有することができる。そのような成分としては、例えば、乳化剤、香料、酸化防止剤、着色料、糖類、食塩、増粘安定剤、甘味料、酸味料、呈味素材等を挙げることができる。
前記乳化剤としては、大豆レシチン、卵黄レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。
前記香料としては、バターフレーバー、ミルクフレーバー等を挙げることができる。
前記酸化防止剤としては、トコフェロール、β−カロテン、茶抽出物(カテキン等)等を挙げることができる。
前記着色料としては、β−カロテン、カラメル、紅麹色素等を挙げることができる。
前記糖類としては、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖、トレハロース、糖アルコール等を挙げることができる。
前記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉等を挙げることができる。
前記甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア粉末等を挙げることができる。
前記酸味料としては、酢酸、乳酸、グルコン酸等を挙げることができる。
前記呈味素材としては、前記糖類、前記甘味料、前記酸味料は除かれ、乳製品、風味エキス類、その他呈味を有する原料等を挙げることができる。前記乳製品としては、全粉乳、脱脂粉乳、練乳粉、乳脂の加熱処理物や酵素処理物、牛乳、加糖練乳、発酵乳、生クリーム、チーズ等を挙げることができる。前記風味エキス類としては、昆布エキス、発酵調味料等を挙げることができる。前記その他呈味を有する原料としては、卵黄、全卵、コーヒー、カカオ原料、抹茶、緑茶、餡類、果汁、果肉、野菜ペースト、粉末野菜等を挙げることができる。
以下に、本発明のロールインマーガリンの製造方法を具体的に説明する。まず、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を特定温度まで冷却する。ここで前記油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物とは、油脂を加熱融解し、必要に応じて乳化剤などの油溶性成分を添加して油相を調製し、該油相に、水や、必要に応じて食塩、香料や呈味素材などの水溶性成分を加えて攪拌した水相を加え、油脂の融解状態を維持しつつ乳化させることで調製され、その油脂の融解状態が維持されている油中水型乳化油脂組成物のことをいう。また、油相と水相を混合してから、乳化する前後何れかで殺菌処理を行なうことが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でもよい。
前記冷却に用いる装置としては、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機である密閉型連続式チューブ冷却機、プレート型熱交換機、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組合せ等の冷却機器または冷却捏和装置が挙げられる。
前記冷却時の油中水型乳化油脂組成物の最低温度は、0〜25℃が好ましく、1〜20℃がより好ましく、5〜15℃が更に好ましい。0℃未満まで冷却すると、油中水型乳化油脂組成物中の水分が凍結して設備を傷める場合があり、冷却時の最低温度が25℃を超えると油脂が十分に結晶化せず、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合がある。冷却する際の冷却速度は特に限定されないが、−10〜−100℃/分の冷却速度が好ましい。
以上のように冷却された油中水型乳化油脂組成物を、前記冷却に用いる装置内で所定の温度帯に保持して晶析させる。保持する温度帯は0〜25℃が好ましく、1〜20℃がより好ましく、5〜15℃が更に好ましい。晶析のために前記温度帯で保持する時間(以下、冷却保持時間ともいう)は、前記冷却に用いる装置内で油中水型乳化油脂組成物の温度が25℃になった時点から、前記冷却に用いる装置から油中水型乳化油脂組成物を搬出する(後述する混和昇温装置に移送する)までの時間を意味し、10〜300秒間が好ましく、20〜200秒間がより好ましく、30〜150秒間が更に好ましい。冷却保持時間が10秒間未満であると油脂が十分に結晶化せず、層状食品作製時にロールインマーガリンが均一に伸展せず作業性が悪く、また、作製した層状食品において各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合があり、300秒間を超えると、前記冷却に用いる装置による油中水型乳化油脂組成物の練りが過剰になり、得られるロールインマーガリンの硬さやコシが劣る場合がある。
なお、油中水型乳化油脂組成物に含まれる油脂がエステル交換油及び/又は硬化油を40重量%以上含む場合は、前記冷却時の最低温度は10〜20℃で、前記冷却保持時間は10〜100秒間が好ましい。また、油中水型乳化油脂組成物に含まれる油脂がパーム油及び/又はパーム分別油を40重量%以上含む場合は、前記冷却時の最低温度は5〜15℃で、前記冷却保持時間は30〜150秒間が好ましい。
次いで、前記冷却によって晶析された油中水型乳化油脂組成物を、混和昇温装置を用いて混和により軟化させながら特定温度に昇温させる。前記混和昇温装置としては、オンレーターなどの掻き取り式熱交換機、多管円筒式熱交換機、スタティックミキサー内蔵式熱交換器、ピンマシン等が挙げられる。また、前記混和昇温装置を通した後に、密閉型連続式チューブ冷却機や、冷却機器または冷却捏和装置を用いて再度冷却を行なっても良いが、その場合も、後述する油中水型乳化油脂組成物の粘度を満足する範囲で該再冷却を行なう。
混和昇温装置による昇温後の油中水型乳化油脂組成物の温度は、前述した晶析のために保持する温度よりも高い温度であって、10〜35℃が好ましく、15〜30℃がより好ましく、20〜25℃が更に好ましい。また、前記混和昇温装置を通した後に、密閉型連続式チューブ冷却機や、冷却機器または冷却捏和装置を用いて再度冷却を行なう場合も、再冷却後の油中水型乳化油脂組成物の温度は、前述した晶析のために保持する温度よりも高い温度であって、10〜35℃が好ましく、15〜30℃がより好ましく、20〜25℃が更に好ましい。昇温後または再冷却後の油中水型乳化油脂組成物の温度が10℃未満であると、充填時の粘度が高すぎたり充填中に硬化して粘度が上がることで、充填後にシート状に成形加工する際に割れたり空気穴が空いたりする場合がある。一方、35℃を超えると、大部分の結晶が溶けて充填後に水相部が分離したり、ロールインマーガリンに不適な物性となる場合がある。
混和昇温装置による昇温後の油中水型乳化油脂組成物の粘度は、10〜250Pa・sが好ましく、20〜200Pa・sがより好ましく、50〜150Pa・sが更に好ましい。10Pa・s未満であると、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合があり、250Pa・sを超えると、圧延時に油中水型乳化油脂組成物が均一に広がりにくく、作製されたロールインマーガリンを生地に折り込む際にひび割れが入る場合がある。前記粘度は、混和昇温装置による剪断を変更することでコントロールすることができる。なお、粘度は、振動式粘度計、回転式粘度計、落球式粘度計、細管式粘度計等を用いて定法に従い測定することができる。
また、混和昇温装置による昇温後の油中水型乳化油脂組成物の粘度が上記範囲内にあれば、後述するピロー包装への充填時の油中水型乳化油脂組成物のペネ値が140〜460になることから、相関的に、折り込み時のロールインマーガリンのペネ値を50〜130にコントロールしやすく好ましい。
次に、粘度が上記範囲内にある流動状の油中水型乳化油脂組成物を容器に充填する。前記容器として、例えばピロー包装が挙げられる。この場合、粘度が上記範囲内にある流動状の油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填した後、ピロー包装の口を閉じてから、シート状に圧延成形することで、ロールインマーガリンを製造することができる。ここで、ピロー包装とは、包装フィルムを、開口部を有する袋状に加工した後、内容物を充填し、前記開口部を閉じて該内容物を包装するものをいう。ピロー包装の開口部を閉じる方法としては、ヒートシール、チャック、クリップで挟む等の方法が挙げられる。前記ピロー包装は、密封性と開封作業性を両立するため、イージーピール性を有する方が好ましい。
当該圧延成形方法によると、流動状の油中水型乳化油脂組成物をピロー包装に充填してから、ピロー包装ごと圧延するので、作製されるロールインマーガリンでは、ピロー包装を構成する包装フィルムの内面と、ピロー包装内のロールインマーガリンの表面が密接することになる。
ピロー包装に充填された流動状の油中水型乳化油脂組成物をシート状に圧延成形するには、当該乳化油脂組成物を、(1)適切なクリアランスを保持した2枚の平板で挟む、(2)適切なクリアランスを保持した2つのローラー間に通す、(3)袋容量に対する内容量を調整した上で、振動させ自然に厚みを揃える、などの方法が挙げられる。
本発明では、ピロー包装以外の容器として、例えば、金型や、プラスチックケース、ダンボール箱等も使用することができる。所望のロールインマーガリンのサイズを与える前記金型や前記プラスチックケースに流動状の油中水型乳化油脂組成物を充填した後、静置して固化させて形成されたロールインマーガリンを前記金型や前記プラスチックケースから剥離することでロールインマーガリンを得ても良いし、また、前記金型、前記プラスチックケース、又は、前記ダンボール箱に流動状の油中水型乳化油脂組成物を充填した後、静置して固化させて形成されたブロック状のマーガリンを所望の厚さにスライスすることでロールインマーガリンを得ても良い。
次いで、容器に充填されている流動状の油中水型乳化油脂組成物を、特定温度で特定時間以上静置することで、マーガリンが製造される。このように特定条件で静置することで、油中水型乳化油脂組成物中の油脂の結晶化を進行させ、結晶を安定化させることで、マーガリンの製造を実現できる。
静置する際の温度は、−30〜30℃が好ましく、−20〜25℃がより好ましく、0〜10℃が更に好ましい。−30℃より低いと保管コストの点で不利であり、30℃を超えると、層状食品作製時にロールインマーガリンが伸展しにくく、作業性が悪かったり、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合があり、また、ロールインマーガリンに油浸や変形が発生する場合がある。
静置する時間は、24時間以上であることが好ましい。24時間未満であると、油脂の結晶が十分に析出せず、または安定しておらず、製造されたロールインマーガリンの物性が不十分となり、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合がある。静置時間の上限としては、保管コストの観点から2年が好ましいが、特にこれに限定されない。
本発明の好適な実施態様では、ロールインマーガリンに含まれる油脂全体中、パーム油及び/又はパーム油分別油の含有量が50〜95重量%であり、上記のように流動状の油中水型乳化油脂組成物を容器に充填した後、特定温度で特定時間テンパリング処理した後、テンパリング処理温度より低い特定温度で特定時間以上静置する。乳化油脂組成物を容器に充填した後であって、テンパリング処理を行なう前、又は、テンパリング処理を行なった後で静置する前に、乳化油脂組成物を圧延してもよい。
前記好適な実施態様において、冷却時の最低温度は、0〜25℃の範囲内であって、かつ油相部の融点から20〜40℃低い温度が好ましく、油相部の融点から25〜40℃低い温度がより好ましく、油相部の融点から25〜35℃低い温度が更に好ましい。0℃未満まで冷却すると、油中水型乳化油脂組成物中の水分が凍結して設備を傷める場合があり、25℃を超えると油脂が十分に結晶化せず、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合がある。また、油相部の融点から20℃以下とならない温度まで冷却すると、油脂が十分に結晶化しない場合があり、該油脂の融点から40℃を超えて低い温度まで冷却すると、冷却のためのコストがかかりすぎる場合がある。また冷却の際の冷却速度は、−20〜−110℃/分が好ましい。
前記テンパリング処理は、15〜30℃で10〜100時間行うことが好ましい。テンパリング処理温度は18〜27℃がより好ましく、更に好ましくは20〜25℃である。テンパリング時の温度が15℃未満であるとテンパリング効果が十分に得られないため、テンパリング処理によるロールインマーガリンの物性改善が不十分となる場合があり、30℃を超えると、ロールインマーガリンが必要以上に軟化したり、油浸を起こすため、ロールインマーガリンの品質が悪くなる場合がある。テンパリング処理時間は18〜72時間がより好ましく、24〜48時間が更に好ましい。10時間未満であるとテンパリング効果が十分に得られない場合があり、一方、100時間を超えてテンパリングしても効果が頭打ちとなり、生産性が落ちる場合がある。
前記テンパリング処理後には、テンパリング処理温度より低い特定温度で特定時間以上静置する必要がある。具体的には、静置時の温度は−30〜25℃が好ましく、−20〜25℃がより好ましく、0〜10℃が更に好ましい。−30℃より低いと保管コストの点で不利であり、25℃を超えると、層状食品作製時にロールインマーガリンが伸展しにくく、作業性が悪かったり、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合がある。静置する時間は24時間以上であることが好ましい。24時間未満であると、油脂の結晶が十分に析出せず、または安定しておらず、製造されたロールインマーガリンの物性が不十分となり、作製した層状食品においてジューシーな食感が得られず、また、各層の間に十分な隙間が形成されず、浮きが悪い場合がある。静置時間の上限としては、保管コストの観点から2年が好ましいが、特にこれに限定されない。
本発明により製造されたロールインマーガリンは、従来の製造方法で製造したロールインマーガリンと同様に、生地に包み込んで伸展し、その後、焼成することにより、層状食品の作製に用いることができる。
該層状食品としては、例えばデニッシュ、クロワッサン、パイ等が挙げられるが、特に限定されない。
また、該層状食品におけるロールインマーガリンの配合量は、製造する層状食品の種類によって異なり、本発明の効果を奏する限り、特に限定されないが、層状食品全体中15〜40重量%が好ましい。
層状食品の製造方法は、特に限定されず、本発明により製造されたロールインマーガリンを用いること以外は、公知の原料を使用し、公知の配合および公知の方法を採用することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
実施例及び比較例で使用した原料は以下のとおりである。
1)(株)カネカ製「パーム油」
2)(株)カネカ製「パームステアリン」
3)(株)カネカ製「パーム極度硬化油」
4)(株)カネカ製「パーム核油」
5)(株)カネカ製「菜種油」
6)理研ビタミン(株)製「エマルジーMS」
7)J−オイルミルズ(株)製「大豆レシチン」
8)高砂香料(株)製「バターフレーバー」
9)雪印メグミルク(株)製「脱脂粉乳」
10)財団法人塩事業センター製「精製塩」
11)(株)カネカ製「ラード」
12)日清製粉(株)製「ミリオン」
13)日清製粉(株)製「バイオレット」
14)(株)カネカ製「GK」
15)日新製糖(株)製「上白糖P」
16)(株)赤城鶏卵GPセンター製「卵」
17)(株)カネカ製「エバーライトG」
18)(株)カネカ製「ニューフードC」
<製品切り替え時間>
ロールインマーガリンの生産における製品切り替え時間は、実施例1〜13または比較例1〜9と同じ配合を有し油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物に、色付けのための「β−Carotene30%FS」(DSMニュートリショナルプロダクツ社製)を添加して油中水型乳化油脂組成物を製造し、該油中水型乳化油脂組成物をそれぞれ実施例1〜13または比較例1〜9の製造装置に導入した後、続けて実施例1〜13または比較例1〜9の油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物をそれぞれ当該製造装置に導入し、ロールインマーガリンの黄色が完全になくなるまでに要する時間を測定することによって、以下の基準で評価した。
3点:色素を添加されたロールインマーガリンの黄色が完全になくなるまでに要する時間が5分未満である。
2点:色素を添加されたロールインマーガリンの黄色が完全になくなるまでに要する時間が5〜30分である。
1点:色素を添加されたロールインマーガリンの黄色が完全になくなるまでに要する時間が30分を超える。
<廃棄量>
ロールインマーガリンの生産における廃棄量は、実施例1〜13または比較例1〜9において、密閉型連続式チューブ冷却機に投入した油中水型乳化油脂組成物100kgと、最終的に得られたロールインマーガリンの量との差分を廃棄量とし、以下の基準で評価した。
3点:廃棄量が15kg未満である。
2点:廃棄量が15〜25kgである。
1点:廃棄量が25kgを超える。
<生産性>
ロールインマーガリンの生産性は、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物200kgが密閉型連続式チューブ冷却機に投入されてから、その内の100kgが混和昇温装置または成型ノズルより外に排出されるまでの時間(以下、生産性に関する時間という)によって、以下の基準で評価した。
3点:生産性に関する時間が90分未満である。
2点:生産性に関する時間が90〜120分である。
1点:生産性に関する時間が120分を超える。
<設備や運用コスト>
ロールインマーガリンの生産における設備や運用コストは、レスティングチューブ及び成型ノズルの有無によって、以下の基準で評価した。
〇:レスティングチューブ及び成型ノズルをいずれも使用していない。
×:レスティングチューブ及び/又は成型ノズルを使用している。
<デニッシュ作製時の作業性>
デニッシュの作製において、15℃で3時間温調した実施例1〜13、比較例1及び比較例3〜9のロールインマーガリンを、それぞれ生地に折り込んだ際の作業性を以下の基準で総合的に評価した。
5点:生地の中でロールインマーガリンが均一に伸び、作業時間が非常に短い。
4点:ロールインマーガリンの伸び方に偏りは殆ど見られず、作業時間は短い。
3点:ロールインマーガリンの伸び方に少し偏りが見られるが、作業時間は短い。
2点:ロールインマーガリンが均一に伸びていない部分が多く、作業時間が長い。
1点:ロールインマーガリンが伸びず、生地にロールインマーガリンの塊が見られ、作業時間が非常に長い。
<デニッシュのジューシーな食感>
実施例1〜13及び比較例1及び比較例3〜9で作製したデニッシュを、熟練した10名のパネラーが食して、以下の基準で評価した。各人の評価値の平均値を示した。
5点:ジューシーな食感を非常に強く感じる。
4点:ジューシーな食感を強く感じる。
3点:ジューシーな食感を感じる。
2点:ジューシーな食感をあまり感じない。
1点:ジューシーな食感を感じない。
<デニッシュの浮き>
実施例1〜13及び比較例1及び比較例3〜9で作製したデニッシュを切断し、熟練した10名のパネラーがその断面を観察して、以下の基準で評価した。各人の評価値の平均値を示した。
5点:非常に浮きが良く、各層の間に十分な隙間がある。
4点:浮きが良く、ほとんどの層の間に十分な隙間がある。
3点:浮きが良く、各層の間に十分な隙間のない部分がある。
2点:浮きが悪く、各層の間に十分な隙間のない部分が多い。
1点:非常に浮きが悪く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間がない。
<総合評価>
ロールインマーガリンの生産における製品切り替え時間、及び廃棄量、ロールインマーガリンの生産性、設備や運用コスト、デニッシュ作製時の作業性、デニッシュのジューシーな食感、及び浮きの各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:ロールインマーガリンの生産における製品切り替え時間、及び廃棄量、ロールインマーガリンの生産性が全て3点で、設備や運用コストが○で、且つデニッシュ作製時の作業性、デニッシュのジューシーな食感、及び浮きが全て4.0点以上5.0点以下を満たすもの。
B:ロールインマーガリンの生産における製品切り替え時間、及び廃棄量、ロールインマーガリンの生産性が3点又は2点で、設備や運用コストが○で、更にデニッシュ作製時の作業性、デニッシュのジューシーな食感、及び浮きが全て3.5点以上5.0点以下であって、且つ3.5以上4.0未満が少なくとも一つあるもの。
C:ロールインマーガリンの生産における製品切り替え時間、及び廃棄量、ロールインマーガリンの生産性が3点又は2点で、設備や運用コストが○で、更にデニッシュ作製時の作業性、デニッシュのジューシーな食感、及び浮きが全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0以上3.5未満が少なくとも一つあるもの。
D:ロールインマーガリンの生産における製品切り替え時間、及び廃棄量、ロールインマーガリンの生産性が3点又は2点で、設備や運用コストが○で、更にデニッシュ作製時の作業性、デニッシュのジューシーな食感、及び浮きが全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0以上3.0未満が少なくとも一つあるもの。
E:ロールインマーガリンの生産における製品切り替え時間、及び廃棄量、ロールインマーガリンの生産性の何れかが1点、又は設備や運用コストが×、又はデニッシュ作製時の作業性、デニッシュのジューシーな食感、及び浮きの評価において、2.0未満が少なくとも一つある、又はデニッシュの評価ができなかったもの。
(製造例1) エステル交換油脂の製造
パーム油55重量部、パーム極度硬化油18重量部、パーム核分別軟質油(ヨウ素価24.5):27重量部を混合し、500Paの減圧下で90℃に加熱し、0.2重量部のナトリウムメチラートを加えて30分間攪拌してエステル交換油脂を得た。
(実施例1)
表1に示す配合に従って、パーム油55.0重量部、パームステアリン8.1重量部、パーム極度硬化油1.6重量部、パーム核油8.1重量部、菜種油8.1重量部を混合した。この油脂混合物にモノグリセライド0.5重量部、大豆レシチン0.5重量部、バターフレーバー0.1重量部を加え、70℃で融解後、65〜70℃に保持して油相とした。油相の融点は38℃であった。また、水16.5重量部に食塩1.0重量部、脱脂粉乳0.5重量部を加えて攪拌し、80〜85℃で20分殺菌後、65〜70℃に保持して水相とした。水相を油相に加えて20分以上乳化させて乳化物を得た。
得られた油脂が融解状態の乳化物を密閉型連続式チューブ冷却機(コンビネーター:1.3L容量)に投入し、−30〜−50℃/分の冷却速度で捏和しながら最終到達温度10℃まで急冷した。この冷却過程で、ロールインマーガリンの製造装置のライン中における密閉型連続式チューブ冷却機内で25℃の品温に達してから、10℃に達温して混和昇温装置(ピンマシン:2.0L容量)に移送するまで94秒間、前記乳化物を該冷却機内に保持した後、混和昇温装置に移送し、該混和昇温装置で軟化させて23℃に昇温させ、その後ピロー包装に充填した。ここで密閉型連続式チューブ冷却機から混和昇温装置に至る全配管容量は0.7Lであった。
充填10秒後に乳化物の粘度とペネ値を測定してから、厚さ10mmのシート状の容量となるようにピロー包装を速やかにヒートシーリングしてから2枚の平板で挟んで圧延し、厚さ10mmのブロックマーガリンを得た。このブロックマーガリンを20℃で24時間テンパリング処理した後、4℃で240時間静置して、シート厚10mmのロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は81分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。なお、乳化物の粘度は充填10秒後に測定したが、当該粘度の値は、充填直前の乳化物が示す粘度の値と実質的に同じものである。表1には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
Figure 0006788764
次に、得られたロールインマーガリンを用いてデニッシュを作製した。即ち、表2に示す配合に従って、ロールインマーガリンとショートニングを除いた原料をミキサーにて低速3分間、中高速3分間ミキシングした後、ショートニングを混合し、更に低速3分間、中高速3分間ミキシングし、捏ね上げ温度を25℃とした。室温で30分間生地を発酵させた後、生地を1℃で5時間冷却した。
Figure 0006788764
冷却後の生地1916gを成形してから、15℃に温調したロールインマーガリン500gを静置し、包み込んだ。このとき、ロールインマーガリンを包んだ伸展前の生地のサイズは、36cm(縦)×14.4cm(横)×5cm(厚)であった。この生地を、リバースシーターを用いて10mm厚になるまでは5mmごとに段階的に伸展し、その後は2mmごとに段階的に伸展し、最後は4mm厚に調整したリバースシーターを用いて、生地を4mm厚に伸展した。続けて生地を3つ折りした後、3mm厚に調整したリバースシーターを用い、生地を3mm厚に伸展した。得られた生地を1℃で10時間冷却後、更に3つ折りした後、2.5mm厚に調整したリバースシーターを用いて生地を2.5mm厚に伸展した。生地を成形後、35℃、湿度70%のホイロで1時間最終発酵した後、200℃のオーブンで15分間焼成し、デニッシュを得た。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表1に示した。
(実施例2)
表1の製造条件に従って、冷却保持時間を29秒間にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は25分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は1.5分であった。表1には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表1に示した。
(実施例3)
表1の製造条件に従って、冷却保持時間を131秒間にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は113分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は3.2分であった。表1には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表1に示した。
(比較例1)
表1の製造条件に従って、得られた油脂が融解状態の乳化物を密閉型連続式チューブ冷却機内(コンビネーター:1.3L容量)で最終到達温度10℃まで急冷した。この冷却過程で、ロールインマーガリンの製造装置のライン中における密閉型連続式チューブ冷却機内で25℃の品温に達してから、10℃に達温してレスティングチューブ(17.0L容量、20℃)に移送するまで94秒間、該乳化物を該冷却機内で保持した後、レスティングチューブに移送し、成型ノズルを通して厚さ10mmのブロックマーガリンを得た。ここで密閉型連続式チューブ冷却機からレスティングチューブに至る全配管容量は0.7Lであった。
成型ノズルから排出10秒後に粘度とペネ値を測定した。このブロックマーガリンを4℃で240時間静置して、シート厚10mmのロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は95分で、廃棄量は28kgであった。また、製品切り替え時間は25.6分であった。表1には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表1に示した。
(比較例2)
表1の製造条件に従って、冷却保持時間を29秒間にした以外は、比較例1と同様にしてロールインマーガリンを得ようとしたが、成型ノズルから排出されるブロックマーガリンが柔らかすぎて成形できなかった。この成形できなかった油中水型乳化油脂組成物を4℃で240時間静置した。上記過程で、生産性に関する時間は29分で、成形できなかった油中水型乳化油脂組成物が得られる過程での廃棄量は28kgであった。また、製品切り替え時間は14.8分であった。表1には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。なお、ロールインマーガリンが成型できなかったので、デニッシュも作製できなかった。
(比較例3)
表1の製造条件に従って、冷却保持時間を131秒間にした以外は、比較例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は133分で、廃棄量は28kgであった。また、製品切り替え時間は31.8分であった。表1には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表1に示した。
表1より、実施例1〜3のロールインマーガリンは、レスティングチューブと成型ノズルを用いず、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、0〜25℃の範囲に冷却して該温度での保持時間が10〜300秒間の範囲にあり、容器に充填した後、−30℃〜30℃で24時間以上の範囲で静置されたものであって、何れのロールインマーガリンも、製品切り替え時間が短く、廃棄量も少なく、生産性も良好で、コストもかからないものであった。そして、これらのロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、いずれもデニッシュ作製時の作業時間が短く、作業性が良好で、ジューシーな食感を強く感じ、浮きも良く、ほとんどの層の間に十分な隙間があるものであり、総合評価は良好であった。
一方、比較例1のロールインマーガリンは、混和昇温装置に移送するまでの時間が94秒間で、レスティングチューブに移送した後、成型ノズルを通して成型し、テンパリング処理をしなかったものであり、これを使用して作製されたデニッシュの評価は良好であったものの、ロールインマーガリンの製造時に廃棄量が多く、コストもかかるものであり、総合評価は悪かった。また、比較例2のロールインマーガリンは、混和昇温装置に移送するまでの時間が29秒間で、レスティングチューブに移送した後、成型ノズルを通して成型し、テンパリング処理をしなかったものであり、廃棄量が多く、コストもかかるものであることに加え、ロールインマーガリンが成型できず、総合評価は悪かった。さらに、比較例3のロールインマーガリンは、混和昇温装置に移送するまでの時間が131秒間で、レスティングチューブに移送した後、成型ノズルを通して成型し、テンパリング処理をしなかったものであり、これを使用して作製されたデニッシュの評価は良好であったものの、ロールインマーガリンの製品切り替え時間が長く、廃棄量も多く、生産性も悪く、コストもかかるものであり、総合評価は悪かった。
(実施例4)
表3の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度3℃まで冷却し、冷却保持時間を59秒間にし、混和昇温装置で軟化させて21℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は69分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.2分であった。表3には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表3に示した。
Figure 0006788764
(実施例5)
表3の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度22℃まで冷却し、冷却保持時間を134秒間にし、混和昇温装置で軟化させて28℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は94分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は3.2分であった。表3には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表3に示した。
(実施例6)
表3の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度6℃まで冷却し、冷却保持時間を19秒間にし、混和昇温装置で軟化させて21℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は20分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は1.4分であった。表3には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表3に示した。
(比較例4)
表3の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度28℃まで冷却し、混和昇温装置で軟化させて31℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は77分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。表3には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表3に示した。
(比較例5)
表3の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度15℃まで冷却し、冷却保持時間を7秒間にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は12分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は1.2分であった。表3には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表3に示した。
(比較例6)
表3の製造条件に従って、冷却保持時間を361秒間にし、混和昇温装置で軟化させて25℃に昇温させた以外は、実施例1と同様にロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は171分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は7.1分であった。表3には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表3に示した。
表3より、実施例1,4〜6のロールインマーガリンは、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、0〜25℃の範囲に冷却して該温度での保持時間が10〜300秒間の範囲のものであり、何れのロールインマーガリンも、製品切り替え時間も非常に短く、廃棄量も非常に少なく、生産性も良好で、コストもかからないものであった。そして、これらのロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、いずれもデニッシュ作製時の作業時間が短く、作業性が良好で、ジューシーな食感を強く感じ、浮きも良く、ほとんどの層の間に十分な隙間があるものであり、総合評価は良好であった。
一方、比較例4のロールインマーガリンは、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、28℃と高い温度で冷却したものであり、ロールインマーガリンの製造時の評価は良好であったものの、このロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、ジューシーな食感をあまり感じず、浮きも非常に悪く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間がないものであり、総合評価は悪かった。また、比較例5のロールインマーガリンは、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、15℃に冷却して該温度での保持時間が7秒間と短いものであり、ロールインマーガリンの製造時の評価は良好であったものの、このロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、作製時にロールインマーガリンが均一に伸びていない部分が多くて作業性が劣り、浮きも悪く、各層の間に十分な隙間のない部分が多いものであり、総合評価は悪かった。さらに、比較例6のロールインマーガリンは、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、10℃に冷却して該温度での保持時間が361秒間と長いものであり、このロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、作製時の作業性、ジューシーな食感と浮きは良かったものの、ロールインマーガリンの生産性が非常に悪く、総合評価は悪かった。
(実施例7)
表4の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度11℃まで冷却し、冷却保持時間を134秒間にし、混和昇温装置で軟化させて13℃に昇温させ、またテンパリング処理を25℃で行なった以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は94分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は3.2分であった。表4には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表4に示した。
Figure 0006788764
(実施例8)
表4の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度5℃まで冷却し、冷却保持時間を59秒間にし、混和昇温装置で軟化させて32℃に昇温させ、またテンパリング処理を18℃で行なった以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は69分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.2分であった。表4には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表4に示した。
(実施例9)
表4の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置温度を−20℃にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は77分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。表4には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表4に示した。
(実施例10)
表4の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置温度を27℃にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は77分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。表4には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表4に示した。
(比較例7)
表4の製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度15℃まで冷却し、混和昇温装置で軟化させて37℃に昇温させ、またテンパリング処理を15℃で行なった以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は77分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。表4には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表4に示した。
(比較例8)
表4の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置温度を33℃にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は77分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。表4には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表4に示した。
表4より、実施例1,7〜10のロールインマーガリンは、混和による軟化での昇温温度が10〜35℃の範囲で、容器に充填した後の静置温度が−30℃〜30℃の範囲にあるものであり、何れのロールインマーガリンも、製品切り替え時間も非常に短く、廃棄量も非常に少なく、生産性も良好で、コストもかからないものであった。そして、これらのロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、いずれもデニッシュ作製時の作業時間が短く、作業性が良好で、ジューシーな食感を強く感じ、浮きも良く、ほとんどの層の間に十分な隙間があるものであり、総合評価は良好であった。
一方、比較例7のロールインマーガリンは、混和による軟化での昇温温度が37℃と高いものであり、ロールインマーガリン製造時の評価は良かったものの、このロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、ジューシーな食感をあまり感じず、浮きも悪く、各層の間に十分な隙間のない部分が多いものであり、総合評価は悪かった。また、比較例8のロールインマーガリンは、容器に充填した後の静置温度が33℃と高いものであり、ロールインマーガリン製造時の評価は良かったものの、このロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、作製時にロールインマーガリンが伸びず、生地にロールインマーガリンの塊が見られ、作業性が非常に悪く、ジューシーな食感を感じず、浮きも非常に悪くてほとんどの生地と生地の間に十分な隙間がないものであり、総合評価は悪かった。
(実施例11)
表5の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置時間を36時間にした以外は、実施例1と同様にロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は77分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。表5には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表5に示した。
Figure 0006788764
(比較例9)
表5の製造条件に従って、ブロックマーガリンをテンパリング処理した後の静置時間を12時間にした以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は77分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。表5には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表5に示した。
表5より、実施例11のテンパリング処理した後の静置時間が36時間のロールインマーガリンは、静置時間が240時間の実施例1のロールインマーガリンに比べ、ロールインマーガリン製造時の評価は同等で良好であり、また実施例11のロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、実施例1のデニッシュに比べて浮きが若干劣ったものの、総合評価は良好であった。一方、比較例9のテンパリング処理した後の静置時間が12時間のロールインマーガリンは、デニッシュのジューシーな食感と浮きが悪く、総合評価は悪かった。
(実施例12)
表5に示す配合に従って、油脂の配合を、パームステアリン8.1重量部、菜種油14.6重量部、製造例1のエステル交換油脂21.8重量部、ラード36.4重量部とし、パーム油、パーム極度硬化油及びパーム核油を使用せず、更に、表5に示す製造条件に従って、得られた乳化物を最終到達温度16℃まで冷却し、混和昇温装置で軟化させて昇温させた温度を24℃とし、テンパリング処理を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。上記過程で、生産性に関する時間は77分で、廃棄量は13kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。表5には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表5に示した。
表5より、実施例1から油脂配合を変更し、テンパリング処理を行なわなかった実施例12のロールインマーガリンは、実施例1のロールインマーガリンに比べて、ロールインマーガリン製造時の評価は同等で良好であり、また実施例12のロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、実施例1のデニッシュに比べて、作製時の作業性が若干劣ったものの、ジューシーな食感と浮きは勝っており、総合評価は良好であった。
(実施例13)
表5の製造条件に従って、混和昇温装置で軟化させて昇温した後、ピロー包装ではなくダンボールに充填して、テンパリング処理及び静置後、得られたマーガリンを、スライサーを用いて10mmのシート状に成形した以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。なお、実施例1と同様に、ダンボールへの充填10秒後に粘度とペネ値を測定した。上記過程で、生産性に関する時間は77分で、廃棄量は17kgであった。また、製品切り替え時間は2.6分であった。表5には、充填10秒後に測定した粘度とペネ値の値を記載した。
次いで、得られたロールインマーガリンを用いて実施例1と同様にして、デニッシュを作製した。デニッシュを作製する際の作業性及び得られたデニッシュのジューシーな食感及び浮きについて評価し、その結果を表5に示した。
表5より、実施例1のピロー包装から、ダンボールに充填したマーガリンをシート状に成型した実施例13のロールインマーガリンは、実施例1のロールインマーガリンに比べて、廃棄量が若干多かったものの、ロールインマーガリン製造時のその他の評価は同等であり、また実施例13のロールインマーガリンを使用して作製されたデニッシュは、実施例1のデニッシュに比べて、作製時の作業性が若干劣ったものの、ジューシーな食感と浮きは同等であり、総合評価は良好であった。

Claims (2)

  1. レスティングチューブと成型ノズルを用いず、油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、0〜25℃まで冷却して該温度に10〜300秒間保持し晶析せしめた後、混和により軟化させながら10〜35℃に昇温させて粘度を10〜250Pa・sに調整し、調整後の流動状の前記油中水型乳化油脂組成物を容器に充填した後、−30℃〜30℃で24時間以上静置することを特徴とする、ロールインマーガリンの製造方法。
  2. ロールインマーガリンの油脂全体中、パーム油及び/又はパーム分別油の含有量が50〜95重量%であり、
    油脂が融解状態である油中水型乳化油脂組成物を、0〜25℃であって、かつ油相部の融点から20〜40℃低い温度まで冷却して該温度に10〜300秒間保持し晶析せしめた後、混和により軟化させながら10〜35℃に昇温させて粘度を10〜250Pa・sに調整し、調整後の流動状の前記油中水型乳化油脂組成物を容器に充填した後、15〜30℃の温度で10〜100時間テンパリング処理してから、−30〜25℃で24時間以上静置する、請求項1に記載のロールインマーガリンの製造方法。
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