JP6788491B2 - 多段式パイプの支圧治具及び多段式パイプの貫入方法 - Google Patents
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Description
初めに、図1〜図3、図5及び図6を参照して本実施形態の多段式排水パイプ10の支圧治具20(以下、単に支圧治具20と称する)の構成について説明する。
次に、図4〜図8を参照して、本発明の実施形態に係る多段式排水パイプ10について説明する。
次に、図9を参照して、本発明の実施形態に係る多段式排水パイプの押出治具について説明する。
ロッド2の外表面には、ねじ山が形成されており、図9に示すように、機械的継手であるカプラー8で簡単に継ぎ足すことができる。このため、1m程度の短尺なロッド2を現場で継ぎ足して長尺なロッドとすることができる。よって、長尺なロッドを地盤に突き立てるスペースがない狭隘な施工現場においても多段式排水パイプ10を設置することが可能となる。
押出ナット3及び緩み止めナット4は、ロッド2の外周面に形成されたねじ山と螺合する略同形のナットであり、押出プレート5(5’)を両側から挟み込んで挟持し、ロッド2上に押出プレート5(5’)を固定する機能を有している。また、押出ナット3は、前述の第3管体13を押し出す押出部材の機能も兼用している。なお、円筒状のナットではなく、断面外形が多角形(六角形)のナットでもよく、適宜、変更可能である。
押出プレート5(5’)は、機械構造用炭素鋼(S45C)からなる円板状の部材であり、前述の多段式排水パイプ10の管端に当接して地盤内に押し出す機能を有いている。押出プレート5(5’)は、多段式排水パイプ10の管体11〜13の管径ごとに大きさが異なる複数種類あり、押出プレート5が、第1管体11の押し出し用であり、押出プレート5’が、第2管体12の押し出し用である。なお、第3管体13の押し出し用の押出部材は、押出ナット3で兼用されている。
ロッドキャップ6は、オーステンパダクタイル鋳鉄(ADI処理:FCAD1200−2)からなり、D32のロッド2に丁度外嵌される内周面を有したキャップ状の部材である。このロッドキャップ6は、図9に示すように、後端側がキノコ状の丸く滑らかな形状となっている。このため、ブレーカーや油圧杭打機の押圧力を効果的にロッド2に伝達することがきる。
チゼルキャップ7は、機械構造用炭素鋼(S45C)からなる円筒状の部材であり、円筒状のチゼルキャップ本体7Aと、このチゼルキャップ本体7Aの先端側がラッパ状に拡径した拡径部7Bを備えている。また、チゼルキャップ本体7Aには、チゼルキャップ本体7Aの軸芯方向と直交する2本のボルトが進退自在に取り付けられたねじ止め部7Cが形成されている。
次に、図10及び図11を参照して、多段式排水パイプ10内への土砂の流入とその問題について説明する。本実施形態に係る多段式排水パイプ10には、上述したように直径数mmの排水孔H1が複数穿設されている。このため、図10に示すように、これら排水孔H1から土砂Xが多段式排水パイプ10内へと流入する。また、第1管体11の内周面と第2管体12の外周面、及び第2管体12の内周面と第3管体13の外周面との間にはそれぞれ隙間があるため、多段式排水パイプ10の先端部の隙間からも土砂Xが流入したり、コンクリートブレーカ等を用いた場合に振動により土砂Xが流動化するためにより土砂Xが管体内へ流入する。
次に、図12〜図19を参照して、本発明の実施形態に係る多段式排水パイプの貫入方法について説明する。なお、以下の説明では、多段式排水パイプ10の引き込みQが生じやすい、コンクリートブレーカを用いて多段式排水パイプ10の貫入を行う場合について説明する。なお、図15〜図19においては、多段式排水パイプ10の各管体11〜13に穿設された排水孔H1及びロッド2のねじ山の図示を省略している。
初めに、多段式排水パイプ10の貫入位置を位置決めする(図示せず)。具体的には、地盤調査や測量等により多段式排水パイプ10を地盤内に貫入させる位置、貫入角度等を特定し、マーキング等により目印を付ける。
次に、多段式排水パイプ10を地盤内へ貫入させる作業の事前準備として、架台の組み立て及び設置を行う。具体的には、図13に示すように、クランプ等を用いて単管パイプを鳥居状に組むとともに、倒れないように地盤に対して控えの単管パイプを組み、その控えのパイプがずれないように支保工で支える。この架台の鳥居状の横パイプにより多段式排水パイプ10の貫入方向の規定が容易となる。
次に、図14に示すように、前述の押出治具1を組み立てて、多段式排水パイプ10内に挿置する。具体的には、第1管体11押し出し用の押出プレート5を押出ナット3及び緩み止めナット4で挟み込んで1本のロッド2の中央付近に装着する。そして、ロッド2の後端に、ロッドキャップ6を嵌着する。このとき、図15にも示すように、チゼルキャップ7もブレーカーのチゼルTに装着する。
次に、図15に示すように、前工程で組み立てた押出治具1を用いて、多段式排水パイプ10を地盤内に貫入させる。具体的には、押出治具1の押出プレート5で第1管体11ごと多段式排水パイプ10全体を押し出して地盤内に貫入させる。なお、押出治具1を用いずに、チゼルキャップ7で直接多段式排水パイプ10を押し出して地盤内に貫入させてもよい。この場合、前工程である押出治具組立工程を省略することができる。
次に、図16に示すように、図6を参照して説明したブロック15,16を組み立てて、多段式排水パイプ10の第1管体11の後端部11b外周面に係止部11cを設ける。次に、第1管体11の後端部11bに設けた係止部11cに支圧治具20を係止する。具体的には、係止部11cと地盤との間の第1管体11に支圧治具20の切欠部21を差し入れ、支圧治具20の平面が地盤と平行となるように支圧治具20を設置する。
次に、図17に示すように、押出部材である押出プレートを取り替える。具体的には、ブレーカーでの押圧を中断して、図17に示す押出プレートの位置まで押出治具1を多段式排水パイプ10から引き抜いて、第1管体11押し出し用の押出プレート5から第2管体12押し出し用の押出プレート5’に交換する。
次に、図18に示すように、前工程で押出プレート5’に交換した押出治具1を用いて、多段式排水パイプ10の第2管体12を地盤内に貫入させる。具体的には、カプラー8を用いてロッド2を延長して行き、前工程で取り替えた押出治具1の押出プレート5’で第2管体12を押し出して、第2管体12を、該第2管体12内に挿入された第3管体13ごと地盤奥深くに貫入させる。
次に、押出部材である押出プレートを撤去する押出プレート撤去工程を行う。具体的には、押出プレート5’の位置まで押出治具1を多段式排水パイプ10から引き抜いて、緩み止めナット4を緩め、ロッド2の軸と略直交する方向に押出プレート5’を引き抜いて撤去する。
次に、図19に示すように、前工程で押出プレート5’を撤去した押出治具1を用いて、多段式排水パイプ10を地盤内に貫入させる第3管体押出工程を行う。具体的には、カプラー8を用いてロッド2を延長して行き、前工程で押出プレート5’を撤去するとともに、押出ナット3に当接するまで、緩み止めナット4を締め込んで固定する。その後、押出治具1の押出ナット3で第3管体13を押し出して、第3管体13を所定の深さまで地盤内に貫入させる。
以上のように、本実施形態に係る多段式排水パイプの支圧治具20は、多段式排水パイプが備える管径の異なる複数の管体11〜23のうち、地盤から露出した管体である管径の大きな第1管体11の後端部11bに設けられる係止部11cに係止され、地盤に当接し、多段式排水パイプ10が地盤内に貫入される方向に発生するパイプの引き込み力に対して、地盤との間に生じる反力により多段式排水パイプ10の土砂内への引き込みQが抑制される。このため、多段式排水パイプ10を地盤内に貫入する際に、この支圧治具20を、地盤から露出した管体である第1管体11の後端部に設けられる係止部11cに係止することで、多段式排水パイプ10を地盤内に貫入する際の地盤内への引き込みQに対する抵抗力Rが増大し、多段式排水パイプ10の地盤内への引き込みQを防止することができる。このため、いわゆる「ゆるい」状態の地盤であっても多段式パイプの地盤内への引き込みQを防止することができる。
以上、本発明を、具体例を挙げながら詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
2 :ロッド
3 :押出ナット(ナット)
4 :緩み止めナット(ナット)
5、5’ :押出プレート(押出部材)
50、50’ :プレート本体
51,51’ :脱着溝(溝)
52,52’,53,53’ :座繰り部
6 :ロッドキャップ
7 :チゼルキャップ
7A :チゼルキャップ本体
7B :拡径部
7C :ねじ止め部
8 :カプラー
10 :多段式排水パイプ
11 :第1管体
12 :第2管体
13 :第3管体
11a,12a,13a :先端部
11b,12b,13b :後端部
11c :係止部
14 :先端キャップ
15,16 :ブロック
151,161,152,162 :延出部
151h、161h、152h,162h :貫通孔
20 :支圧冶具
20A,20B,20C,20D :支圧治具の辺
21 :切欠部
22 :第1孔
23 :第2孔
31 :アイボルト
32 :ワイヤ
40 :支圧冶具
41 :パイプジョイント
42 :挿通孔
43 :固定用ボルト
B :ボルト
H1 :排水孔
N :ナット
Q :多段式パイプの引き込み方向を示す矢印
R :抵抗力の方向を示す矢印
T :チゼル
W1 :切欠部の幅
W2 :第2孔の幅
W3 :係止部の幅
X :土砂
Claims (11)
- 管径の異なる複数の管体を備え、地盤内に貫入される多段式パイプの支圧治具であって、
前記支圧治具は、前記複数の管体のうち前記地盤から露出した管体の後端部に設けられる係止部に係止され、前記地盤に当接し、
前記多段式パイプが地盤内に貫入される方向に発生するパイプの引き込み力に対して、前記地盤との間に生じる反力により、前記引き込み力に反発する抵抗力を作用させ、
前記支圧治具は、前記係止部の幅より幅の狭い切欠部を備え、
前記切欠部は、前記多段式パイプに連通することを特徴とする多段式パイプの支圧治具。 - 管径の異なる複数の管体を備え、地盤内に貫入される多段式パイプの支圧治具であって、
前記支圧治具は、前記複数の管体のうち前記地盤から露出した管体の後端部に設けられる係止部に係止され、前記地盤に当接し、
前記多段式パイプが地盤内に貫入される方向に発生するパイプの引き込み力に対して、前記地盤との間に生じる反力により、前記引き込み力に反発する抵抗力を作用させ、
前記支圧治具は、前記抵抗力を得るための把持機構を有することを特徴とする多段式パイプの支圧治具。 - 前記支圧治具は、前記係止部の外径よりも径の小さな貫通孔を備え、
前記貫通孔は、前記多段式パイプに連通することを特徴とする請求項1又は2に記載の多段式パイプの支圧治具。 - 前記貫通孔は、平面視において長孔形状であることを特徴とする請求項3に記載の多段式パイプの支圧治具。
- 前記支圧治具は、前記係止部の幅より幅の狭い切欠部を備え、
前記切欠部は、前記多段式パイプに連通することを特徴とする請求項2に記載の多段式パイプの支圧治具。 - 前記係止部は、前記地盤から露出した管体の後端部に前記管体とは別部材を設けてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多段式パイプの支圧治具。
- 前記支圧治具は、前記係止部により、前記多段式パイプの軸方向または軸直角方向に着脱自在に係止されることを特徴とする請求項6に記載の多段式パイプの支圧治具。
- 前記係止部は、前記地盤から露出した管体の後端部に一体成形されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多段式パイプの支圧治具。
- 前記複数の管体には、各々複数の排水孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の多段式パイプの支圧治具。
- 前記支圧治具は、前記抵抗力を得るための把持機構を有することを特徴とする請求項1に記載の多段式パイプの支圧治具。
- 前記把持機構は、内周面に貫通孔を有することを特徴とする請求項2又は10に記載の多段式パイプの支圧治具。
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