JP6786817B2 - Co2センサの基準値補正装置、co2センサの基準値補正方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、CO2センサの基準値を、大気中のCO2濃度に精度よく一致させることができるCO2センサの基準値補正装置、CO2センサの基準値補正方法を提供することにある。
上記したように、人がいる環境では必ずCO2が発生することから、そのような状況で補正された基準値は、大気中のCO2濃度に対してオフセットが乗った状態で設定されてしまう。この場合、対象空間に人が検出されなくなった後にCO2センサの基準値を補正すれば、オフセットが乗った状態になることを防止できると考えられる。
したがって、CO2センサの基準値を大気中のCO2濃度に精度よく一致させることができる。
これにより、CO2濃度の低下が納まった状態で、つまりは、対象空間内が外気と同じ状態になった状態でCO2センサの基準値を補正することができる。
CO2センサで検出するCO2濃度は、一般家庭やオフィス等を想定しているため、空気が揺らいでCO2濃度の分布が変化する可能性がある。また、CO2センサの検出値そのものに誤差が混入している可能性がある。つまり、対象空間内がごく自然な状態であれば、CO2濃度が下がり続けて、外気とほぼ同じCO2濃度になったらといって、必ず一定値で安定するというわけではなく、自然な状態であるが故に、変動がし得ることがあると予想される。そこで、取得したCO2濃度を誤差補正値で補正した値を暫定基準値として設定することにより、空気の揺らぎやCO2センサ自体の誤差を吸収した状態で、基準値を補正することができる。
このような方法で、CO2センサの基準値を補正することにより、上記した請求項1記載の発明と同様に、CO2センサの基準値を大気中のCO2濃度に精度よく一致させることができる。
図1に示すように、本実施形態の空調システム1は、空調部2とコントローラ3とを備えている。空調部2は、周知の構成を採用することができるため詳細な説明は省略するが、空気を送るための送風ファン5、空気の導入量を開度によって調整可能とする導入側ダンパ6、および、導入した空気の温度や湿度を調整する機能部7等により構成されている。
表示部15は、例えば液晶パネル等により構成されている。この表示部15には、対象空間4内の温度や、現在の運転状態等が表示される。スイッチ16は、機械的スイッチや表示部15に対応して設けられているタッチパネル等により構成されている。ユーザは、このスイッチ16を操作することにより、設定温度や運転/停止を指示する。
上記したように、CO2センサ14は、予め設定されている基準値に対する相対値としてCO2濃度を取得する。このため、基準値がずれた場合には、取得したCO2濃度も実際の濃度からずれてしまう。そのため、基準値を正しく設定しなおすこと、すなわち、CO2センサを補正することが必要となる。このとき、経年変化による基準値のずれを考慮した場合には、例えば数ヶ月から1年に1回程度の頻度で基準値を補正することが望ましい。そして、CO2センサ14の基準値の補正は、基準値とすべきCO2濃度になっている試験環境で行うことが最も望ましいと考えられる。
そこで、本実施形態では、以下のようにして、CO2センサ14の基準値を補正している。なお、以下の処理は補正部11等により行われるものもあるが、ここでは、説明の簡略化のためにコントローラ3を主体として説明する。
この場合、対象空間4内のCO2濃度は、外気が導入されることによって、基本的には時間とともに低下していくと予想される。そして、対象空間4内のCO2濃度は、対象空間4内の換気が完了した時点において、つまりは、対象空間4内が十分に換気されて外気と同じ状態になった時点において、外気のCO2濃度とほぼ同じ一定値で推移すると考えられる。
ところで、例えば一般家庭やビルのオフィスでは複数人、複数回数の出入りがあると予想される。この場合、人数によってCO2の排出量が変化することから、対象空間4内が十分に換気されたと判断できるまで単純に待機する場合には、人数の変化に対応するために、換気を継続する換気時間にある程度の余裕を持たせる必要がある。
コントローラ3は、第2待機時間が経過していないと判定した場合には(S7:NO)、ステップS7に移行して、第2待機時間が経過するまで待機する。なお、第2待機時間(T2)の待機中に人を検知した場合には、コントローラ3は、基準値補正処理を中止する。
CO2濃度の変化率=暫定基準値−取得したCO2濃度 ・・・(1)
としてCO2濃度の変化率を算出する。
このように、コントローラ3は、対象空間4内の空気が外気の状態とほぼ一致したと判断できた時点のCO2濃度を新たな基準値に設定することにより、CO2センサ14の基準値を補正している。
コントローラ3は、対象空間4に人が検出されなくなった後に外気の導入を開始し、外気の導入を開始してから予め設定されている第1待機時間が経過した時点でCO2濃度を取得して暫定基準値として設定する。これにより、ある程度換気された状態でCO2濃度の取得が開始されることから、換言すると、明らかにCO2濃度が低下していることが想定される期間にはCO2濃度の取得を行わないことから、余分な電力消費を削減することができる。
コントローラ3は、第1待機時間を、居住空間に許容されているCO2濃度の最大値と居住空間に対して予め規定されている換気風量とに基づいて設定している。これにより、第1待機時間は、対象空間4の広さが異なる場合であっても、同一の設定値を用いることができ、汎用性を高めることができる。
また、上記した図2に示した基準値補正方法にてCO2センサ14の基準値を補正することにより、上記した請求項1記載の発明と同様に、CO2センサ14の基準値を大気中のCO2濃度に精度よく一致させることができる。
本発明は上記した各実施形態で例示した構成に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形または拡張することができる。
実施形態ではCO2濃度の変化率が正であると判定した場合に基準値を補正する例を示したが、CO2濃度の変化率が負である場合であっても、予め設定されている許容範囲内であれば、基準値を補正してもよい。例えば図4に示すように、時間(t10)で外気の導入を開始し、第1待機時間が経過した時間(t11)において最初の暫定基準値を設定し、第2待機時間が経過した時間(t12)においてCO2濃度を取得したとする。また、各点におけるCO2濃度を基準として、CO2濃度の変化量が±δの範囲を許容範囲として設定する。つまり、CO2濃度の変化率がδ/T2の範囲を、許容範囲として設定する。なお、δは、CO2センサ14の精度、対象空間4の広さや大きさ等に基づいて設定すればよい。
また、実施形態では居住空間の面積に着目して第1待機時間を設定したが、例えば吹き抜けのような、標準的な居住空間よりも広い空間では、第1待機時間は長くなると考えられる。そのため、算出した第1待機時間が例えば80分である場合には、さらにマージンを見込んで例えば160分等に設定してもよい。
実施形態で例示した数値は一例であり、これに限定されるものではない。
本発明は、実施形態で例示した空調システム1に限らず、対象空間4に外気を導入できるものであれば、つまりは、対象空間4内を外気と同じ状態にできるものであれば、どのような構成のものにも適用することができる。例えば、対象空間4から空気を排出するための排出側ダンパ等が設けられていてもよい。すなわち、実施形態の図1に示した構成は一例であり、これに限定されるものではない。
Claims (9)
- 対象空間内の人を検知する人検知部と、
前記対象空間の二酸化炭素濃度を、予め設定されている基準値に対する相対値として取得するCO2センサと、
時間を計測する計時部と、
前記対象空間に人が検出されなくなった後に外気の導入を開始し、外気の導入を開始してから予め設定されている第1待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を暫定基準値として設定し、前記暫定基準値を設定してから前記第1待機時間よりも短く設定されている第2待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を前記暫定基準値と比較し、二酸化炭素濃度の変化率が予め定められている許容範囲外である場合には、取得した二酸化炭素濃度を新たな前記暫定基準値として設定した後、再び第2待機時間が経過するまで待機してから二酸化炭素濃度を取得する一方、二酸化炭素濃度の変化率が許容範囲内である場合には、現時点で設定されている前記暫定基準値を前記基準値に設定することにより、前記CO2センサの基準値を補正する補正部と、
を備えるCO2センサの基準値補正装置。 - 対象空間内の人を検知する人検知部と、
前記対象空間の二酸化炭素濃度を、予め設定されている基準値に対する相対値として取得するCO2センサと、
時間を計測する計時部と、
前記対象空間に人が検出されなくなった後に外気の導入を開始し、外気の導入を開始してから予め設定されている第1待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を暫定基準値として設定し、前記暫定基準値を設定してから前記第1待機時間よりも短く設定されている第2待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を前記暫定基準値と比較し、二酸化炭素濃度の変化率が予め定められている許容範囲外である場合には、取得した二酸化炭素濃度を新たな前記暫定基準値として設定した後、再び第2待機時間が経過するまで待機してから二酸化炭素濃度を取得する一方、二酸化炭素濃度の変化率が許容範囲内である場合には、現時点で設定されている前記暫定基準値を前記基準値に設定することにより、前記CO2センサの基準値を補正する補正部と、を備え
前記補正部は、前記暫定基準値を設定してから前記第2待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を前記暫定基準値と比較し、取得した二酸化炭素濃度が前記暫定基準値よりも低く二酸化炭素濃度の変化率が負である場合には、取得した二酸化炭素濃度を新たな前記暫定基準値として設定した後、再び第2待機時間が経過するまで待機してから二酸化炭素濃度を取得する一方、取得した二酸化炭素濃度が前記暫定基準値以上であり二酸化炭素濃度の変化率が正である場合には、現時点で設定されている前記暫定基準値を前記基準値に設定するCO2センサの基準値補正装置。 -
対象空間内の人を検知する人検知部と、
前記対象空間の二酸化炭素濃度を、予め設定されている基準値に対する相対値として取得するCO2センサと、
時間を計測する計時部と、
前記対象空間に人が検出されなくなった後に外気の導入を開始し、外気の導入を開始してから予め設定されている第1待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を暫定基準値として設定し、前記暫定基準値を設定してから前記第1待機時間よりも短く設定されている第2待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を前記暫定基準値と比較し、二酸化炭素濃度の変化率が予め定められている許容範囲外である場合には、取得した二酸化炭素濃度を新たな前記暫定基準値として設定した後、再び第2待機時間が経過するまで待機してから二酸化炭素濃度を取得する一方、二酸化炭素濃度の変化率が許容範囲内である場合には、現時点で設定されている前記暫定基準値を前記基準値に設定することにより、前記CO2センサの基準値を補正する補正部と、を備え
前記補正部は、前記第2待機時間を、取得した二酸化炭素濃度の変化量が大きいほど長くするCO2センサの基準値補正装置。 - 対象空間内の人を検知する人検知部と、
前記対象空間の二酸化炭素濃度を、予め設定されている基準値に対する相対値として取得するCO2センサと、
時間を計測する計時部と、
前記対象空間に人が検出されなくなった後に外気の導入を開始し、外気の導入を開始してから予め設定されている第1待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を暫定基準値として設定し、前記暫定基準値を設定してから前記第1待機時間よりも短く設定されている第2待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を前記暫定基準値と比較し、二酸化炭素濃度の変化率が予め定められている許容範囲外である場合には、取得した二酸化炭素濃度を新たな前記暫定基準値として設定した後、再び第2待機時間が経過するまで待機してから二酸化炭素濃度を取得する一方、二酸化炭素濃度の変化率が許容範囲内である場合には、現時点で設定されている前記暫定基準値を前記基準値に設定することにより、前記CO2センサの基準値を補正する補正部と、を備え
前記補正部は、前記許容範囲を、取得した二酸化炭素濃度の変化量に基づいてその都度設定するCO2センサの基準値補正装置。 - 前記補正部は、前記暫定基準値を設定する際、取得した二酸化炭素濃度を予め定められている誤差補正値で補正した値を前記暫定基準値として設定する請求項1から4のいずれか一項記載のCO2センサの基準値補正装置。
- 前記第1待機時間は、居住空間に許容されている二酸化炭素濃度の最大値と居住空間に対して予め規定されている換気風量とに基づいて、予め設定されている請求項1から5のいずれか一項記載のCO2センサの基準値補正装置。
- 前記第1待機時間は、外気の導入を開始する時点における二酸化炭素濃度と居住空間に対して予め規定されている換気風量とに基づいて、予め設定されている請求項1から6のいずれか一項記載のCO2センサの基準値補正装置。
- 前記補正部は、前記CO2センサの基準値の補正が完了する前の時点において人が検知された場合、基準値の補正を省略、中止または延期する請求項1から7のいずれか一項記載のCO2センサの基準値補正装置。
- 対象空間の二酸化炭素濃度を予め設定されている基準値に対する相対値として取得するCO2センサの基準値を補正するCO2センサの基準値補正方法であって、
対象空間内の人を検知する処理と、
前記対象空間に人が検出されなくなった後に外気の導入を開始する処理と、
外気の導入を開始してから予め設定されている第1待機時間が経過した時点で取得した二酸化炭素濃度を暫定基準値として設定する処理と、
前記暫定基準値を設定してから予め定められている前記第1待機時間よりも短い第2待機時間が経過するまで待機した後に取得した二酸化炭素濃度を前記暫定基準値と比較し、二酸化炭素濃度の変化率が予め定められている許容範囲外である場合には、取得した二酸化炭素濃度を新たな前記暫定基準値として設定した後、再び第2待機時間が経過するまで待機してから二酸化炭素濃度を取得する一方、二酸化炭素濃度の変化率が許容範囲内である場合には、現時点で設定されている前記暫定基準値を前記基準値に設定することにより、前記CO2センサの基準値を補正する処理と、
を含むことを特徴とするCO2センサの基準値補正方法。
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