以下、本発明の実施形態である車両用灯具10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
図1は、背面側から見た車両用灯具10の斜視図である。
図1に示す車両用灯具10は、テールランプ及びターンランプとして機能する標識用ランプ(又は信号用ランプ)であり、車両(図示せず)の後端部の左側及び右側に搭載される。
図2(a)は車両用灯具10の正面図、図2(b)は車両用灯具10の背面図である。
図3(a)は図2(b)のA−A断面図、図3(b)は図2(b)のB−B断面図である。図4は、図3(a)の一部拡大図である。図5は、背面側から見た車両用灯具10の分解斜視図である。
図1〜図5に示すように、本実施形態の車両用灯具10は、筒状ブラケット20、第1ランプユニット30、第2ランプユニット40等を備える。車両用灯具10は、図3に示すように、アウターレンズ50とハウジング52とによって構成される灯室54内に配置され、ハウジング52に固定される。
筒状ブラケット20は、正面側開口20aとその反対側の背面側開口20bとを含む円筒状ブラケット(円筒状支持体)である。筒状ブラケット20が本発明の筒状支持体に相当する。
筒状ブラケット20は、正面側開口20aから背面側開口20bに向かうに従って錐体状に狭くなるように構成される(図3参照)。
筒状ブラケット20には、背面側開口20bの一部を覆う壁部22(横断取付部)が設けられる。壁部22は、背面側開口20bの略中央付近を横断する形態で設けられる。
壁部22には、ハウジング固定用貫通穴22a、仮組み用貫通穴22bが形成される。ハウジング固定用貫通穴22aには、第1ランプユニット30(ターンリフレクタ32)の一部であるハウジング固定用ネジ受部32dが挿入される。仮組み用貫通穴22bには、第1ランプユニット30(ターンリフレクタ32)の一部である仮組み用ネジ受部32eが挿入される。ハウジング固定用貫通穴22aが本発明の第1貫通穴に相当する。
筒状ブラケット20の内周面には、当該筒状ブラケット20にエクステンション36を固定するために、エクステンション36に設けられた爪部36dが係合する係合部20c(例えば、凹部。図3(b)参照)が設けられる。係合部20cは、筒状ブラケット20の周方向に複数設けられる。
筒状ブラケット20の外周面には、当該筒状ブラケット20の軸線AX方向に延びるリブ24a、24bが設けられる。また、筒状ブラケット20の外周面には、アルミ蒸着が施される。このアルミ蒸着が施された外周面は、スリーブレンズ42を通して視認される。
筒状ブラケット20の背面側には、光源モジュール60(及び光源モジュール保持部46d)を配置するために、切欠部S1が設けられる。
筒状ブラケット20は、遮光性を有する。この遮光性を有する筒状ブラケット20によって第1ランプユニット30(ターンランプ用の光源)と第2ランプユニット40(テールランプ用の光源62)とを光学的に遮断することができる。その結果、各々のランプユニットが、ターンランプ用の光源からの光(橙色光)とテールランプ用の光源62からの光(赤色光)が混じり合った光を照射するのを防止することができる。すなわち、各々のランプユニット本来の機能が損なわれるのを防止することができる。
上記構成の筒状ブラケット20は、例えば、金型を用いて遮光性を有する合成樹脂を射出成形することにより成形される。
第1ランプユニット30は、例えば、ターンランプユニットである。第1ランプユニット30は、筒状ブラケット20の内周面で取り囲まれた空間に配置された状態で筒状ブラケット20に支持(固定)される(図3参照)。第1ランプユニット30は、図2(a)に示すように、正面視で円形の発光領域A1を備える。ターンランプレンズ34が発光領域A1を構成する。
図5に示すように、第1ランプユニット30は、ターンリフレクタ32、ターンランプレンズ34、エクステンション36を含む。
ターンリフレクタ32は、背面側が閉塞し、正面側が開口したカップ状のリフレクタである。
ターンリフレクタ32は、正面側開口32aから背面側32bに向かうに従って錐体状に狭くなるように構成される(図3参照)。
ターンリフレクタ32の内側面には、アルミ蒸着を施すことで、反射面32cが形成される(図3参照)。反射面32cは、ターンランプ用の光源(図示せず)からの光を、正面側開口32aを覆った状態で配置されたターンランプレンズ34に向けて反射する。
ターンリフレクタ32の背面側32bには、ハウジング固定用ネジ受部32d(2個所)、仮組み用ネジ受部32e(1個所)が設けられる。また、ターンリフレクタ32の背面側32bには、ハウジング52に形成された光源装着穴52b(図8参照)に装着されるターンランプ用の光源が挿入される貫通穴32fが形成される。ターンランプ用の光源は、例えば、橙色光を発光する白熱電球等のバルブ光源である。
上記構成のターンリフレクタ32は、筒状ブラケット20の内周面で取り囲まれた空間に配置される(図3参照)。
具体的には、ターンリフレクタ32は、当該ターンリフレクタ32のハウジング固定用ネジ受部32d、仮組み用ネジ受部32eがそれぞれ、筒状ブラケット20のハウジング固定用貫通穴22a、仮組み用貫通穴22bに挿入された状態で、筒状ブラケット20の内周面で取り囲まれた空間に配置される。
その際、ターンリフレクタ32の外周面は筒状ブラケット20の内周面と略相似形状であるため、ターンリフレクタ32と筒状ブラケット20との間に不要な隙間ができるのが防止される。また、ターンリフレクタ32に設けられたリブ32gが筒状ブラケット20に当接する(図3(a)参照)ため、ターンリフレクタ32と筒状ブラケット20との間の隙間がより少なくなる。
上記構成のターンリフレクタ32は、例えば、金型を用いてアクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂を射出成形することにより成形される。
ターンランプレンズ34は、外形が円形のレンズ部34aと、レンズ部34aを取り囲んだ状態で当該レンズ部34aを保持するレンズ枠部34bと、を含む。ターンランプレンズ34が本発明のレンズに相当する。
レンズ枠部34bには、ターンランプレンズ34をエクステンション36に固定するために、エクステンション36に設けられた爪部36cが係合する係合部34c(例えば、開口部)が設けられる。係合部34cは、レンズ枠部34bの周方向に複数設けられる。
上記構成のターンランプレンズ34は、レンズ枠部34bに設けられた複数の係合部34cにエクステンション36に設けられた複数の爪部36cを係合させることで、エクステンション36に固定される。エクステンション36は、ターンランプレンズ34の周縁部等が視認されないように、当該ターンランプレンズ34の周縁部等を覆う(図3参照)。
上記構成のターンランプレンズ34は、例えば、金型を用いてアクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂を射出成形することにより成形される。なお、ターンランプレンズ34は省略してもよい。
エクステンション36は、正面側開口36aとその反対側の背面側開口36bとを含む円筒状に構成される。
エクステンション36には、ターンランプレンズ34に設けられた係合部34cに係合する爪部36cが設けられる。爪部36cは、エクステンション36の周方向に複数設けられる。
また、エクステンション36には、当該エクステンション36を筒状ブラケット20に固定するために、筒状ブラケット20の内周面に設けられた係合部20c(例えば、凹部。図3(b)参照)に係合する爪部36dが設けられる。爪部36dは、エクステンション36の周方向に複数設けられる。
上記構成のエクステンション36(及びこれに固定されたターンランプレンズ34)は、筒状ブラケット20の内周面で取り囲まれた空間に配置される(図3参照)。
具体的には、エクステンション36(及びこれに固定されたターンランプレンズ34)は、当該エクステンション36に設けられた複数の爪部36dを筒状ブラケット20の内周面に設けられた複数の係合部20cに係合させることで、筒状ブラケット20の内周面で取り囲まれた空間に配置される。これにより、ターンランプレンズ34は、ターンリフレクタ32の正面側開口32aを覆った状態で配置される。
上記構成のエクステンション36は、例えば、金型を用いてアクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂を射出成形することにより成形される。
上記構成の第1ランプユニット30においては、ターンランプ用の光源からの光は、ターンリフレクタ32(反射面32c)で反射され、ターンランプレンズ34を透過して正面側に照射される。
第2ランプユニット40は、例えば、テールランプユニットである。第2ランプユニット40は、筒状ブラケット20の外周面に沿って配置された状態で筒状ブラケット20に支持(固定)される(図3参照)。第2ランプユニット40は、図2(a)に示すように、正面視で円弧状の発光領域A2を備える。スリーブレンズ42の正面側開口端面42aが発光領域A2を構成する。
図5に示すように、第2ランプユニット40は、スリーブレンズ42、導光体44、サブブラケット46を含む。
スリーブレンズ42は、正面側開口端面42aとその反対側の背面側開口端面42bとを含み、背面側開口端面42bから入光した導光体44(出光面44d)からの光が正面側開口端面42aから出光する円筒状レンズ体である。背面側開口端面42bが本発明の入光面に相当し、正面側開口端面42aが本発明の出光面に相当し、スリーブレンズ42が本発明の筒状レンズ体に相当する。なお、スリーブレンズ42の正面側開口端面42aの直径R(図2(a)参照)は、例えば、φ130mm程度である。
スリーブレンズ42は、正面側開口端面42aから背面側開口端面42bに向かうに従って錐体状に狭くなるように構成される(図3参照)。
但し、スリーブレンズ42は、完全な円筒ではなく、正面側開口端面42aと背面側開口端面42bとの間、かつ、筒状ブラケット20の切欠部S1に対応する位置に形成された切欠部S2を含む。その結果、正面側開口端面42a及び背面側開口端面42bは、切欠部S2を含む円弧状(中心角約270度)の面となる。
背面側開口端面42bは、導光体44の出光面44dに対応してその周方向の一端部42b1と他端部42b2とが筒状ブラケット20(スリーブレンズ42)の軸線AX方向に関し異なる位置に配置されることで湾曲した湾曲面(導光体44の出光面44dと同様のキンク面)である。具体的には、背面側開口端面42bの一端部42b1は背面側に配置され、他端部42b2は正面側に配置される。
背面側開口端面42bには、当該背面側開口端面42bからスリーブレンズ42に入光する導光体44(出光面44d)からの光をその周方向(円弧方向)に均一化するように配光制御パターンが設けられる。
具体的には、背面側開口端面42bには、入光拡散素子として所定の間隔で断面がV字状の溝が軸線AXに対して放射状に設けられており(図9参照)、当該背面側開口端面42bへ入光する光をスリーブレンズ42内において周方向に拡散する。前記V字状の溝は、断面が台形状や円弧状であってもよい。また、正面側開口端面42aには、光取出素子として四角錐パターンが設けられている。光取出し素子としては、六角錐、三角錐等の錐状パターンや球面又はシボ等の凹凸パターンであってもよい。
図9は、背面側から見たスリーブレンズ42の斜視図である。
図9に示すように、スリーブレンズ42の厚みSWは、筒状ブラケット20(スリーブレンズ42)の軸線AX方向に関し、スリーブレンズ42(背面側開口端面42b)のキンク幅SWKより厚く構成される(SWK<SW)。
図5に示すように、スリーブレンズ42には、背面側開口端面42bの一部を覆う壁部42cが設けられる。
壁部42cには、ハウジング固定用貫通穴42c1、仮組み用貫通穴42c2が形成される。ハウジング固定用貫通穴42c1には、第1ランプユニット30(ターンリフレクタ32)の一部であるハウジング固定用ネジ受部32dが挿入(例えば、嵌合)される。仮組み用貫通穴42c2には、第1ランプユニット30(ターンリフレクタ32)の一部である仮組み用ネジ受部32eが挿入(例えば、嵌合)される。ハウジング固定用貫通穴42c1が本発明の第2貫通穴に相当する。
また、スリーブレンズ42には、導光体44の湾曲部44cに形成された貫通穴44f(2個所)、及び、サブブラケット46に形成された貫通穴46h(2個所)に挿入される位置決めピン42e(2個所)が設けられる。
上記構成のスリーブレンズ42は、筒状ブラケット20の外周面に沿って配置される。
具体的には、スリーブレンズ42は、ターンリフレクタ32のハウジング固定用ネジ受部32d、仮組み用ネジ受部32eがそれぞれ、当該スリーブレンズ42のハウジング固定用貫通穴42c1、仮組み用貫通穴42c2に挿入(例えば、嵌合)され、かつ、スリーブレンズ42の内周面と筒状ブラケット20の外周面とが対向した状態で配置される。
その際、スリーブレンズ42の内周面は、筒状ブラケット20の外周面と略相似形状であるため、スリーブレンズ42と筒状ブラケット20との間に不要な隙間ができるのが防止される。また、スリーブレンズ42に設けられたリブ42fが筒状ブラケット20に当接する(図3(a)参照)ため、スリーブレンズ42と筒状ブラケット20との間の隙間がより少なくなる。
上記構成のスリーブレンズ42においては、導光体44(出光面44d)からの光は、背面側開口端面42bから入光し、正面側開口端面42aの全域(又は略全域)から均一(又は略均一)に出光して正面側に照射される。
上記構成のスリーブレンズ42は、例えば、金型を用いてアクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂を射出成形することにより成形される。
導光体44は、基端部44aと、先端部44bと、基端部44aと先端部44bとの間に設けられた湾曲部44cと、を含む円弧状の導光体(中心角約270度)である。
導光体44(湾曲部44c)は、基端部44aと先端部44bとが筒状ブラケット20(スリーブレンズ42)の軸線AX方向に関し異なる位置に配置されるようにキンクしている(図6参照)。具体的には、基端部44aは背面側に配置され、先端部44bは正面側に配置される。
導光体44の湾曲部44cの正面側には、湾曲部44c内を導光される光源モジュール60からの光が出光する出光面44dが設けられる。出光面44dは、当該出光面44dから出光する光がスリーブレンズ42の背面側開口端面42bへロス無く入射するように当該出光面44dから出光する光を絞り込むために(集光させるために)、導光体44の基端部44aと先端部44bとの間で円弧状(中心角約270度)に延びるシリンドリカルレンズ面として構成される(図3(a)参照)。
導光体44の湾曲部44cの背面側には、湾曲部44c内を導光される光源モジュール60からの光を出光面44dの全域(又は略全域)から均一(又は略均一)に出光させるために、当該湾曲部44c内を導光される光源モジュール60からの光を拡散させる拡散面44eが設けられる。
導光体44は、基端部44aと先端部44bとの間、かつ、筒状ブラケット20の切欠部S1(及びスリーブレンズ42の切欠部S2)に対応する位置に形成された切欠部S3を含む。その結果、出光面44d及び拡散面44eは、切欠部S3を含む円弧状の面となる。
出光面44d及び拡散面44eは、スリーブレンズ42の背面側開口端面42bと同様、導光体44のキンクに対応してその基端部44a側と先端部44b側とが筒状ブラケット20(スリーブレンズ42)の軸線AX方向に関し異なる位置に配置されることで湾曲した湾曲面(キンク面)である。
導光体44の湾曲部44cには、スリーブレンズ42に設けられた位置決めピン42eが挿入される貫通穴44fが形成される。
導光体44は、先端部44bに近いほど幅(導光体44の外周面44gと内周面44hとの間隔)が狭く構成される。
上記構成の導光体44は、筒状ブラケット20の外周面に沿って配置される。
具体的には、導光体44は、当該導光体44に形成された貫通穴44fにスリーブレンズ42の位置決めピン42eが挿入され、かつ、導光体44の出光面44dとスリーブレンズ42の背面側開口端面42bとが対向(又は密着)した状態で、筒状ブラケット20の外周面に沿って配置される。
このように、導光体44は、出光面44dから出光した光が背面側開口端面42bからスリーブレンズ42に入光し、正面側開口端面42aから出光するように、出光面44dと背面側開口端面42bとが対向した状態でスリーブレンズ42の背面側に配置される。
上記構成の導光体44においては、導光体44が円弧状であるため、導光体44の基端部44a(入光面)から入光した光源モジュール60(テールランプ用の光源62)からの光は、導光体44の外周面44g、内周面44h、出光面44d、及び、拡散面44eで内面反射されて導光体44の先端部44bまで導光される。その際、導光体44が円弧状で、かつ、キンクしているため、基端部44a(入光面)から入光した光源モジュール60(テールランプ用の光源62)からの光は、ランダムな反射を繰り返し、導光体44の断面内を均一又は略均一な強度で導光される。
そして、導光体44の基端部44a(入光面)から入光して導光体44(湾曲部44c)内を導光される光源モジュール60(テールランプ用の光源62)からの光の一部が拡散面44e(凹凸等の散乱素子)によって出光面44dに向けて反射されることで、出光面44dから出光する。その際、導光体44が円弧状で、かつ、キンクしているため、さらに、導光体44が先端部44bに近いほど幅(導光体44の外周面44gと内周面44hとの間隔)が狭く構成されているため、基端部44a(入光面)から入光した光源モジュール60(テールランプ用の光源62)からの光は、円弧状の出光面44dの全域又は略全域(すなわち、円弧状の出光面44dの基端部44a側と先端部44b側との間)から均一又は略均一に出光する。この出光面44dから出光する光は、当該出光面44dが対向するスリーブレンズ42の背面側開口端面42bから入光する。
上記構成の導光体44は、例えば、金型を用いてアクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂を射出成形することにより成形される。
サブブラケット46は、基端部46aと、先端部46bと、基端部46aと先端部46bとの間に設けられた湾曲部46cと、光源モジュール保持部46dと、を含む円弧状の部材である。
サブブラケット46(湾曲部46c)は、導光体44と同様、基端部46aと先端部46bとが筒状ブラケット20の軸線AX方向に関し異なる位置に配置されるようにキンクしている。具体的には、基端部46aは背面側に配置され、先端部46bは正面側に配置される。
サブブラケット46の湾曲部46cの正面側には、導光体44の拡散面44eが対向(又は密着)する面46g(図3参照)が設けられる。この導光体44の拡散面44eが対向(又は密着)する面46gには、導光体44の拡散面44eからの漏れ光を反射して再度導光体44に入光させるために、アルミ蒸着が施される。
サブブラケット46の基端部46aは光源モジュール保持部46dの背面側に連結され、先端部46bは光源モジュール保持部46dの正面側に連結される。
光源モジュール保持部46dは、光源モジュール取付面46d1を含む。光源モジュール取付面46d1は、筒状ブラケット20の軸線AXを含む平面に対して略平行の平面である。
サブブラケット46には、湾曲部46cの基端部46a側と湾曲部46cの略中央とを連結する壁部46eが設けられる。
壁部46eには、ハウジング固定用貫通穴46e1、仮組み用貫通穴46e2が形成される。ハウジング固定用貫通穴46e1には、第1ランプユニット30(ターンリフレクタ32)の一部であるハウジング固定用ネジ受部32dが挿入(例えば、嵌合)される。ハウジング固定用貫通穴46e1が本発明の第2貫通穴に相当する。
光源モジュール60は、導光体44の基端部44aから入光し、湾曲部44c内を導光される光を発光する。図7に示すように、光源モジュール60は、テールランプ用の光源62と、テールランプ用の光源62が実装された基板64と、を含む。テールランプ用の光源62は、例えば、赤色光を発光するLED等の半導体発光素子である。テールランプ用の光源62が本発明の第2光源に相当する。基板64には、光源モジュール保持部46d(光源モジュール取付面46d1)に設けられたピン46d2が挿入(例えば、嵌合)される貫通穴64aが形成される。
基板64は、光源62が実装される側の面に絶縁性フィルム(樹脂フィルム)が貼り付けられた金属製の基板である。そのため、光源62や基板64に実装された他の電子部品(図示せず)から生じた熱の放熱が可能である。また、光源モジュール保持部46dを金属製とすることで、放熱性をさらに向上させることが可能である。
図6に示すように、光源モジュール60は、光源モジュール保持部46d(光源モジュール取付面46d1)に設けられたピン46d2が基板64に形成された貫通穴64aに挿入(例えば、嵌合)された状態で、光源モジュール保持部46d(光源モジュール取付面46d1)に固定される。これにより、光源モジュール60は、筒状ブラケット20(スリーブレンズ42)の軸線AX方向に関し導光体44の基端部44aと先端部44bとの間に配置される。
上記構成のサブブラケット46は、当該サブブラケット46に形成された貫通穴46hにスリーブレンズ42の位置決めピン42eが挿入され、ターンリフレクタ32のハウジング固定用ネジ受部32dが、当該サブブラケット46のハウジング固定用貫通穴46e1に挿入(例えば、嵌合)され(図4参照)、さらに、図6に示すように、光源モジュール60(及び光源モジュール保持部46d)が、筒状ブラケット20の切欠部S1、スリーブレンズ42の切欠部S2、及び、導光体44の切欠部S3が重なったスペースに配置され、かつ、テールランプ用の光源62と導光体44の基端部44aとが対向した状態で配置される。
そして、サブブラケット46の仮組み用貫通穴46e2に挿入された固定ネジ(図示せず)を、筒状ブラケット20の仮組み用貫通穴22b及びスリーブレンズ42の仮組み用貫通穴42c2に挿入された第1ランプユニット30(ターンリフレクタ32)の一部である仮組み用ネジ受部32eに螺合させる。
これにより、サブブラケット46は、当該サブブラケット46とターンリフレクタ32との間に、第1ランプユニット30及び第2ランプユニット40(正確には、筒状ブラケット20、スリーブレンズ42及び導光体44)を挟持する(図3参照)。これにより、第1ランプユニット30が、筒状ブラケット20の内周面で取り囲まれた空間に配置された状態で筒状ブラケット20に支持(固定)される。また、第2ランプユニット40が、筒状ブラケット20の外周面に沿って配置された状態で筒状ブラケット20に支持(固定)される。なお、ターンリフレクタ32は、その外周面の少なくとも一部が筒状ブラケット20の内周面に当接(例えば、面接触)した状態で筒状ブラケット20に支持(固定)される。また、スリーブレンズ42は、その内周面の少なくとも一部が筒状ブラケット20の外周面に当接(例えば、面接触)した状態で筒状ブラケット20に支持(固定)される。
その際、サブブラケット46に設けられたリブ46fがスリーブレンズ42に当接する(図3(a)参照)ため、サブブラケット46とスリーブレンズ42との間の隙間がより少なくなる。
上記構成のサブブラケット46は、例えば、金型を用いてアクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂を射出成形することにより成形される。
上記構成の第2ランプユニット40においては、光源モジュール60(テールランプ用の光源62)からの光は、導光体44の基端部44aから入光し、導光体44の湾曲部44c内を導光され、導光体44の拡散面44eで反射されることで、導光体44の出光面44dの全域(又は略全域)から均一(又は略均一)に出光し、導光体44の出光面44dが対向するスリーブレンズ42の背面側開口端面42bから入光し、スリーブレンズ42の正面側開口端面42aの全域(又は略全域)から均一(又は略均一)に出光して正面側に照射される。
上記構成の車両用灯具10は、図4、図8に示すように、ハウジング52に形成された貫通穴52aに挿入された固定ネジNを、筒状ブラケット20のハウジング固定用貫通穴22a、スリーブレンズ42のハウジング固定用貫通穴42c1及びサブブラケット46のハウジング固定用貫通穴46e1に挿入された第1ランプユニット30(ターンリフレクタ32)の一部であるハウジング固定用ネジ受部32dに螺合させることで、ハウジング52に固定される。ハウジング52に形成された貫通穴52aが本発明の第3貫通穴に相当する。
その際、ハウジング52に設けられたリブ52c(2個所。図3(a)参照)がサブブラケット46に当接することで、車両用灯具10は、より安定した姿勢でハウジング52に固定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、スリーブレンズ42を用いた車両用灯具10において、当該スリーブレンズ42の正面側開口端面42a(出光面)を均一(又は略均一)に発光させることができる車両用灯具を提供することができる。
これは、光源モジュール60からの光が導光体44によって導光されて導光体44(湾曲部44c)の円弧状の出光面44dから均一又は略均一に出光し、当該出光面44dから出光した光がスリーブレンズ42の背面側開口端面42bから当該スリーブレンズに入光し、正面側開口端面42aから出光することによるものである。
また、本実施形態によれば、スリーブレンズ42を用いた車両用灯具10において、当該スリーブレンズ42の軸線AX方向の寸法を短くすることができる。
これは、導光体44が、基端部44aと先端部44bとがスリーブレンズ42の軸線AX方向に関し異なる位置に配置されるようにキンクしていること(図6参照)、及び光源モジュール60が、スリーブレンズの軸線AX方向に関し導光体44の基端部44aと先端部44bとの間に配置されること(図6参照)、によるものである。
また、本実施形態によれば、導光体44が、先端部44bに近いほど幅が狭く構成されるため、導光体44によって導光されて円弧状の出光面44dから出光する光源モジュール60からの光をより均一にすることができる。
また、本実施形態によれば、切欠部S2を含む正面側開口端面42aによって構成される円弧状の発光領域A2を含む車両用灯具10(図2(a)参照)を構成することができる。
また、本実施形態によれば、出光面44dが、導光体44の基端部44aと先端部44bとの間で円弧状に延びるシリンドリカルレンズ面として構成されるため、導光体44の出光面44dから出光する光がスリーブレンズ42の背面側開口端面42bへロス無く入射するように当該出光面44dから出光する光を集光させることができる。
また、本実施形態によれば、スリーブレンズ42の背面側開口端面42bには、当該背面側開口端面42bからスリーブレンズ42に入光する導光体44の出光面44dからの光をその周方向(円弧方向)に均一化するように配光制御パターンが設けられるため、スリーブレンズ42の正面側開口端面42a(出光面)をより均一に発光させることができる。
次に、変形例について説明する。
上記実施形態では、スリーブレンズ42の正面側開口端面42aが切欠部S2を含む円弧状の面であり、当該スリーブレンズ42の正面側開口端面42aが、図2(a)に示すように、正面視で円弧状の発光領域A2を構成するように説明したが、これに限らない。例えば、スリーブレンズ42の正面側開口端面42aが切欠部を含まない環状面であり、当該スリーブレンズ42の正面側開口端面42aが、図10(a)に示すように、正面視で環状の発光領域A3を構成するようにしてもよい。
この場合、スリーブレンズ42の背面側開口端面42bとして、図10(b)に示すように、円弧状(中心角約360度)の面を用い、かつ、導光体44の出光面44dとして、円弧状(中心角約360度)に延びるシリンドリカル面を用いることで、正面視で環状の発光領域A3を実現することができる。
本変形例によれば、切欠部を含まない正面側開口端面42aによって構成される環状の発光領域A3を含む車両用灯具10(図10(a)参照)を構成することができる。
また、上記実施形態では、基端部44aと先端部44bとが筒状ブラケット20(スリーブレンズ42)の軸線AX方向に関し異なる位置に配置されるようにキンクした導光体44(湾曲部44c)を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、図11に示すように、キンクしていない導光体44(湾曲部44c)を用いてもよい。
また、上記実施形態では、筒状ブラケット20として、円筒状ブラケットを用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、筒状ブラケット20として、楕円筒状ブラケットを用いてもよいし、多角形筒状ブラケットを用いてもよいし、その他筒状ブラケットを用いてもよい。
また、上記実施形態では、スリーブレンズ42として、円筒状レンズ体を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、スリーブレンズ42として、楕円筒状レンズ体を用いてもよいし、多角形筒状レンズ体を用いてもよいし、その他筒状レンズ体を用いてもよい。
また、上記実施形態では、第1ランプユニット30がターンランプユニットで、第2ランプユニット40がテールランプユニットである例について説明したが、これに限らない。例えば、第1ランプユニット30がテールランプユニットで、第2ランプユニット40がターンランプユニットであってもよい。また、第1ランプユニット30がターンランプユニットで、第2ランプユニット40がテールランプユニット以外のランプユニット(例えば、ストップランプユニット)であってもよい。また、第2ランプユニット40がテールランプユニットで、第1ランプユニット30がターンランプユニット以外のランプユニット(例えば、テールランプユニット)であってもよい。また、第1ランプユニット30がヘッドランプユニットで、第2ランプユニット40がDRLランプユニットであってもよい。
また、上記実施形態では、第1ランプユニット30として、ターンリフレクタ32を備えたリフレクタ型のランプユニットを用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、第1ランプユニット30として、プロジェクタ型のランプユニットを用いてもよいし、ダイレクトプロジェクション型(直射型ともいう)のランプユニットを用いてもよいし、その他のランプユニットを用いてもよい。
また、上記実施形態では、第2ランプユニット40として、スリーブレンズ42及び導光体44を備えたランプユニットを用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、第2ランプユニット40として、発光領域A2と同様の発光領域を備える他のランプユニットを用いてもよい。
また、上記実施形態では、ターンランプ用の光源として、バルブ光源を用いた例について説明したが、これに限らず、LED等の半導体発光素子を用いてもよい。
また、上記実施形態では、テールランプ用の光源62として、LED等の半導体発光素子を用いた例について説明したが、これに限らず、半導体発光素子以外の例えばバルブ光源を用いてもよい。
また、上記実施形態では、ターンランプ用の光源をハウジング52に形成された光源装着穴52bに装着する例について説明したが、これに限らない。例えば、ターンランプ用の光源として、LED等の半導体発光素子を用いる場合、当該ターンランプ用の光源をサブブラケット46等に装着してもよいし、ターンリフレクタ32に直接装着してもよい。
また、上記実施形態では、遮光性を有する合成樹脂を射出成形することで、筒状ブラケット20に遮光性を持たせた例について説明したが、これに限らない。例えば、遮光性を有しない合成樹脂を射出成形することで筒状ブラケット20を成形し、当該成形した筒状ブラケット20に遮光性を有する塗料を塗布したり、遮光性を有するフィルムを張り付けることで、筒状ブラケット20に遮光性を持たせてもよい。また、筒状ブラケット20を金属製とすることで、当該筒状ブラケット20に遮光性を持たせてもよい。
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。