JP6784281B2 - 機器温調装置 - Google Patents
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Description
対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の気相通路のうち第1気相通路(21)が機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
機器温度調整部は、車両前後方向に離れた位置に設けられる複数の機器用熱交換器、および、複数の機器用熱交換器のうちいずれかに設けられた第1接続部と第2接続部を連結する連結通路(61、62)を有している。
また、請求項7に係る発明は、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の気相通路のうち第1気相通路(21)が機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
第1気相通路または第2気相通路に設けられ、気相通路の第1接続部側または第2接続部側から凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)と、
機器温度調整部の傾きを検出する傾きセンサ(82)と、をさらに備え、
機器温度調整部の傾きが傾きセンサにより検出されたとき、流路面積調整弁は、気相通路の第1接続部側または第2接続部側から凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する。
また、請求項8に係る発明は、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の気相通路のうち第1気相通路(21)が機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
第1気相通路または第2気相通路に設けられ、気相通路の第1接続部側または第2接続部側から凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)をさらに備え、
流路面積調整弁(83)は、
気相通路の内壁に設けられる弁座(84)と、
気相通路の第1接続部または第2接続部が弁座より重力方向上側にあるときに自重により弁座に着座し、気相通路の第1接続部または第2接続部が弁座より重力方向下側にあるとき弁座から離座する弁体(85)を有する。
また、請求項9に係る発明は、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の気相通路のうち第1気相通路(21)が機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
第1気相通路または第2気相通路に設けられ、気相通路の第1接続部側または第2接続部側から凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)をさらに備え、
流路面積調整弁(86)は、
気相通路の内壁に設けられる弁座(87)と、
気相通路に液相の作動流体が流れるときに浮力により弁座に着座し、気相通路に気相の作動流体が流れるときに弁座から離座する弁体(88)を有する。
第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。第1実施形態の機器温調装置1は、電気自動車、プラグインハイブリッド車またはハイブリッド車などの電動車両(以下、単に「車両」という)に搭載される。第1実施形態の機器温調装置1(以下「本装置1」ということがある)は、車両に搭載される二次電池(以下、「電池」という)を冷却または暖機し、電池の温度を調節するものである。
図4は、機器温度調整部10が水平状態にある場合を示している。本実施形態では、作動流体の封入量は、機器温調装置1が非作動状態で機器温度調整部10が水平状態にある場合に作動流体の液面FLが熱交換部113の高さ方向の途中に位置し、第1接続部211と第2接続部221が作動流体の液面FLより上側にあるように調整されている。
次に、機器温調装置1が傾斜状態にある場合について説明する。図5および図6は、機器温調装置1が所定角度に傾斜した状態を示している。作動流体の封入量は、機器温度調整部10が所定角度に傾斜した場合に作動流体の液面FLが第1接続部211または第2接続部221の一方の上側にあり、第1接続部211または第2接続部221の他方の下側にあるように調整されている。また、作動流体の封入量は、機器温度調整部10が所定角度に傾斜した状態にある場合に合流部30より下側に作動流体の液面FLがあるように調整されている。
本装置1の作動時すなわち機器温度調整部10にて蒸発が発生し、凝縮器50で凝縮が発生している場合、液面は蒸発時の圧力バランスにより多少上下に変化する。上述のように、本実施形態では、第1接続部211と第2接続部221が作動流体の液面より上側に位置するように、作動流体の封入量が調整されている。仮に、作動流体の液面が、そのように調整されていないと、気相の作動流体が安定的に抜けないため性能が確保できない、あるいは液面が多少下へ移動したした場合のみしか気相の作動流体が抜けないため性能が安定的に確保できない。
(1)第1実施形態では、第1気相通路21が機器用熱交換器11に接続する第1接続部211と、第2気相通路22が機器用熱交換器11に接続する第2接続部221とは、水平方向に離れた場所に位置している。これにより、機器用熱交換器11が傾斜した場合、第1接続部211と第2接続部221の一方が重力方向上側に位置し、第1接続部211と第2接続部221の他方が重力方向下側に位置する。そのため、機器用熱交換器11内で蒸発した作動流体は、重力方向上側に位置する第1接続部211または第2接続部221から第1気相通路21または第2気相通路22の少なくとも一方を流れ、凝縮器50に流入する。凝縮器50で凝縮した作動流体は、液相通路55を流れ、機器用熱交換器11に流入する。このような作動流体の循環により、機器温調装置1は、機器用熱交換器11が長手方向のどちらの側に傾斜した場合でも、電池2を冷却することが可能である。
第1実施形態に対する変形例1について、図7を参照して説明する。変形例1は、第1実施形態に対して、機器温調装置1のサーモサイフォン回路に封入する作動流体の封入量を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第1実施形態に対する変形例2について、図8を参照して説明する。変形例2も、第1実施形態に対して、機器温調装置1のサーモサイフォン回路に封入する作動流体の封入量を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様である。
第2実施形態について、図9を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、第2気相通路22の構成の一部と、作動流体の封入量を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様である。
第2実施形態に対する変形例3について、図10を参照して説明する。変形例3は、第2実施形態に対して、作動流体の封入量を変更したものであり、その他については第2実施形態と同様である。
第3実施形態について、図11を参照して説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して、第1気相通路21と第2気相通路22の構成の一部を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様である。
第4実施形態について、図12を参照して説明する。第4実施形態は、第3実施形態に対して、気相通路を追加したものであり、その他については第3実施形態と同様である。
第5実施形態について、図13を参照して説明する。以下に説明する第5〜第14実施形態では、機器温調装置1が備える機器温度調整部10は、複数の機器用熱交換器により構成されている。機器温度調整部10は、電池2と共に電池パックのケース内に格納可能である。なお、第5〜第14実施形態の説明で参照する図13〜図22では、凝縮器の図示を省略している。また、機器温度調整部10の範囲を破線で示している。
第6実施形態について、図14を参照して説明する。第6実施形態は、第5実施形態に対し、気相通路の構成の一部を変更したものである。
第7実施形態について、図15を参照して説明する。第7実施形態は、第5実施形態に対し、気相通路の構成の一部を変更したものである。
第8実施形態について、図16を参照して説明する。第8実施形態は、第5実施形態に対し、機器温度調整部10を構成する複数の機器用熱交換器11、12の配置が異なっている。複数の機器用熱交換器11、12はいずれも長手方向が車幅方向に沿うように配置されている。そして、複数の機器用熱交換器11、12は、車両前後方向に並ぶように配置されている。複数の機器用熱交換器11、12のうち、車両前方側に配置されたものを第1機器用熱交換器11と呼び、車両後方側に配置されたものを第2機器用熱交換器12と呼ぶこととする。
第9実施形態について、図17を参照して説明する。第9実施形態は、第8実施形態に対し、機器用熱交換器の数などを変更したものである。
第10実施形態について、図18を参照して説明する。第10実施形態は、第8実施形態に対し、気相通路および連結通路の構成の一部を変更したものである。
第11実施形態について、図19を参照して説明する。第11実施形態は、第10実施形態に対し、機器用熱交換器11の数などを変更したものである。
第12実施形態について、図20を参照して説明する。第12実施形態は、第8実施形態などに対し、複数の機器用熱交換器11、12の並ぶ方向などを変更したものである。
第13実施形態について、図21を参照して説明する。第13実施形態は、第8実施形態などに対し、機器用熱交換器の数および配置などを変更したものである。
第14実施形態について、図22を参照して説明する。第14実施形態は、第13実施形態などに対し、複数の機器用熱交換器11〜14が並ぶ方向などを変更したものである。
第15実施形態について、図23を参照して説明する。第15実施形態は、機器用熱交換器11に対する電池2の設置方法の例を説明するものである。第15実施形態では、電池2は、端子4が設けられた面5が重力方向上側に向くように設置されている。電池2は、端子4が設けられた面5に対して垂直の面が、熱伝導シート114を介して、熱交換部113に設置されている。このように、電池2の設置方法は、任意に設定することが可能である。
第16実施形態について、図24を参照して説明する。第16実施形態は、機器用熱交換器11と電池2の設置方法の例を説明するものである。第16実施形態では、複数の機器用熱交換器11が電池2の両側を挟むように設置されている。そのため、電池2は、熱伝導シート114を介して熱交換部113に熱接触する面積が大きくなる。したがって、第16実施形態の機器用熱交換器11と電池2の設置方法によれば、電池2の冷却能力を高めることが可能である。
第17実施形態について、図25および図26を参照して説明する。第17実施形態は、第1気相通路21と第2気相通路22の配置の例について説明するものである。第2気相通路22は、上ヘッダタンク111に沿うようにして、上ヘッダタンク111に当接または隣接した状態で延び、さらに、第1気相通路21に沿うようにして、第1気相通路21に当接または隣接した状態で延びている。第1気相通路21の一部と第2気相通路22の少なくとも一部は、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部25を構成している。上ヘッダタンク111と第2気相通路22の一部も、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部251を構成している。これにより、第1気相通路21と第2気相通路22が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し第1気相通路21と第2気相通路22を一緒に組み付けることも可能である。例えば、第1気相通路21を構成するガス配管と、第2気相通路22を構成するガス配管を共通の取付金具を用いて車体に取り付けることが可能である。或いは、1本の配管部材に2つの流路を形成し、その一方の流路を第1気相通路21とし、他方の流路を第2気相通路22とすることも可能である。したがって、この機器温調装置1は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
第18実施形態について、図27〜図29を参照して説明する。第18実施形態も、第1気相通路21と第2気相通路22の配置の例について説明するものである。第2気相通路22と構成する配管は、上ヘッダタンク111の内側に設けられ、さらに、第1気相通路21を構成する配管の内側に設けられている。第1気相通路21の一部と第2気相通路22の少なくとも一部は、一方の配管の内側に他方の配管が設けられた二重配管構造26となっている。上ヘッダタンク111と第2気相通路22の一部も、上ヘッダタンク111の内側に第2気相通路22が設けられた二重配管構造261となっている。これにより、第1気相通路21と第2気相通路22が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し二重配管構造26となった第1気相通路21と第2気相通路22を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置1は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
第19実施形態について、図30および図31を参照して説明する。第19実施形態では、気相通路に流路面積調整弁80が設けられている。流路面積調整弁80は、気相通路の接続部側から合流部30側への液相の作動流体の流れを規制する部材である。第19実施形態では、流路面積調整弁80は、第1気相通路21に設けられている。この流路面積調整弁80は、第1気相通路21の第1接続部211側から合流部30側への液相の作動流体の流れを規制する。
第20実施形態について、図32および図33を参照して説明する。第20実施形態は、第19実施形態で説明した流路面積調整弁の変形例である。
第20実施形態の流路面積調整弁83は、弁座84と弁体85を有している。弁座84は、気相通路21の内壁に設けられている。弁体85は、弁座84よりも接続部側の流路に配置されたボール弁である。ボール弁は、気相通路21の接続部211が弁座84より重力方向下側にあるとき、弁座84から離座する。また、図33に示すように、ボール弁は、気相通路21の接続部211が弁座84より重力方向上側にあるとき、自重により弁座84に着座する。この構成によっても、流路面積調整弁83は、気相通路の接続部側より合流部30側が低くなる場合、気相通路の接続部側から合流部30側への液相の作動流体の流れを規制することが可能である。したがって、第20実施形態では、流路面積調整弁83の構成を簡素なものとすることができる。
第21実施形態について、図34および図35を参照して説明する。第21実施形態も、第19実施形態で説明した流路面積調整弁の変形例である。
第22実施形態について、図36〜図38を参照して説明する。第22実施形態は、第8実施形態と第17実施形態との組み合わせである。
第23実施形態について、図39〜図41を参照して説明する。第23実施形態は、第8実施形態と第18実施形態との組み合わせである。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器の温度を調整する機器温調装置は、機器温度調整部、凝縮器、液相通路、および複数の気相通路を備える。機器温度調整部は、対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された1つまたは複数の機器用熱交換器を有する。凝縮器は、気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる。液相通路は、凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す。複数の気相通路は、機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す。複数の気相通路のうち第1気相通路が機器温度調整部に接続する第1接続部と、第2気相通路が機器温度調整部に接続する第2接続部とは、水平方向に離れた場所に位置している。
これによれば、機器温調装置は、車両前後方向の傾きに対応したものとなる。車両の登坂時のように車両の前後方向の傾きは、長い間維持されやすい。また、加速、減速といったシーンのように、車両前後方向の慣性力が作用した状態は長い間維持されやすい。機器温調装置は、そのようなシーンにおいても継続して作動し、電池の冷却を継続して実施することができる。
これによれば、第1接続部または第2接続部のガス抜け性がよくなる。すなわち、機器温度調整部から第1接続部または第2接続部を経由して第1気相通路または第2気相通路に流れる気相の作動流体の圧力損失が低減される。したがって、機器温調装置は、サーモサイフォン回路の作動流体の循環を良くすることで、対象機器の冷却性能を向上することができる。
これによれば、機器温度調整部が傾斜した場合、機器用熱交換器内で蒸発した作動流体は、液面より上に位置する第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路に流れる。したがって、機器温調装置は、サーモサイフォン回路の作動流体の循環を良くすることで、対象機器の冷却性能を向上することができる。
これによれば、機器温調装置は、合流部と凝縮器との間を合流通路で接続する構成とすることで、機器温度調整部と凝縮器との間を全て複数の気相通路で接続する構成に比べて、配管の数を少なくすることができる。
また、第1接続部および第2接続部よりも重力方向上側に合流部を設けることで、機器温度調整部が傾斜した場合に合流部が液没することを抑制することができる。仮に、合流部が液没すると、機器温度調整部が傾斜した場合、第1気相通路または第2気相通路を流れる気相の作動流体は、合流部を通過することが困難になることがある。これに対し、機器温度調整部が傾斜した場合に合流部が液没していなければ、第1気相通路または第2気相通路を流れる気相の作動流体は、合流部を容易に通過し、凝縮器に流れる。したがって、機器温調装置は、サーモサイフォン回路の作動流体の循環を良くすることで、対象機器の冷却性能を向上することができる。
これによれば、機器温度調整部が傾斜した場合に合流部が液没することを抑制することができる。
これによれば、機器用熱交換器が傾斜した場合、機器用熱交換器内で蒸発した作動流体は、重力方向上側に位置する第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路を流れ、凝縮器に流入する。したがって、機器温調装置は、機器温度調整部が傾斜した場合でも、対象機器を冷却することが可能である。
これによれば、1つの機器用熱交換器の中で、第1接続部と第2接続部が水平方向に大きく離れた位置に設けられる。そのため、機器用熱交換器が大きく傾斜した場合でも、機器用熱交換器内で蒸発した気相の作動流体を第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路に排出することが可能である。
これによれば、第1気相通路のうち第1接続部から上方または車両前方へ延びる部位が上方となるように傾斜した場合、機器用熱交換器の熱交換部よりも第1気相通路が相対的に下がらない。よって、そのような傾斜時において、機器用熱交換器の熱交換部で蒸発した気相冷媒が、第1気相通路に導かれやすくなる。
また、第2気相通路のうち第2接続部から上方または車両前方へ延びる部位が上方となるように傾斜した場合、機器用熱交換器の熱交換部よりも第2気相通路が相対的に下がらない。よって、そのような傾斜時において、機器用熱交換器の熱交換部で蒸発した気相冷媒が、第2気相通路に導かれやすくなる。
これによれば、機器温度調整部が有する複数の機器用熱交換器が傾斜した場合、第1接続部と第2接続部の一方が重力方向上側に位置し、第1接続部と第2接続部の他方が重力方向下側に位置する。そのため、複数の機器用熱交換器内で蒸発した作動流体は、連結通路を介して重力方向上側に位置する第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路を流れ、凝縮器に流入する。したがって、機器温調装置は、複数の機器用熱交換器が傾斜した場合でも、対象機器を冷却することが可能である。
これによれば、第11の観点も、第9の観点で記載した作用効果と同様の作用効果を奏することが可能である。
これによれば、第1気相通路または第2気相通路と連結通路が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し第1気相通路または第2気相通路と連結通路を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
これによれば、第1気相通路と第2気相通路が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し第1気相通路と第2気相通路を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
これによれば、第1気相通路または第2気相通路と連結通路が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し二重配管構造となった第1気相通路または第2気相通路と連結通路を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
これによれば、第1気相通路と第2気相通路が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し二重配管構造となった第1気相通路と第2気相通路を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
これによれば、機器温度調整部が傾斜した場合、第1接続部と第2接続部のうち重力方向下側に位置する接続部側から合流部側への液相の作動流体の流れが規制されることで、合流部が液没することが防がれる。そのため、第1接続部と第2接続部のうち重力方向上側に位置する接続部側から合流部を経由して合流通路へ向かう気相の作動流体の流れが確保される。したがって、機器温調装置は、合流部の位置を下げることで、車両等への搭載性を向上することができる。
また、機器温度調整部が傾斜した場合、第1接続部と第2接続部のうち重力方向下側に位置する接続部から気相通路に流れる液相の作動流体は、流路面積調整弁で流れが規制される。そのため、機器温度調整部が傾斜した場合、機器用熱交換器から気相通路に流れる液相の作動流体の量を少なくすることが可能である。したがって、機器用熱交換器の液相の作動流体の減少が抑制されるので、機器温調装置は、対象機器の冷却性能を向上することができる。
これによれば、機器温度調整部の傾きに対応して流路面積調整弁が動作するので、流路面積調整弁は、気相通路の接続部側から合流部側への液相の作動流体の流れを確実に規制することができる。
10 機器温度調整部
11 機器用熱交換器
50 凝縮器
60 液相通路
21 第1気相通路
22 第2気相通路
211 第1接続部
221 第2接続部
Claims (17)
- 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
前記対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように前記対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
前記凝縮器と前記機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
前記機器温度調整部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の前記気相通路のうち第1気相通路(21)が前記機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が前記機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
前記機器温度調整部は、車両前後方向に離れた位置に設けられる複数の前記機器用熱交換器、および、複数の前記機器用熱交換器のうちいずれかに設けられた前記第1接続部と前記第2接続部を連結する連結通路(61、62)を有している、機器温調装置。 - 前記第1接続部は、複数の前記機器用熱交換器のうち車両前方側に配置された所定の前記機器用熱交換器に設けられており、
前記第2接続部は、複数の前記機器用熱交換器のうち車両後方側に配置された別の前記機器用熱交換器に設けられており、
前記第1気相通路は、前記第1接続部から上方または車両前方へ延びる部位(21a)を有しており、
前記第2気相通路は、前記第2接続部から上方または車両後方へ延びる部位(22a)を有している、請求項1に記載の機器温調装置。 - 前記第1気相通路または前記第2気相通路の少なくとも一部と前記連結通路とは、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部(251)を構成している、請求項1または2に記載の機器温調装置。
- 前記第1気相通路の少なくとも一部と前記第2気相通路の少なくとも一部とは、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部(25)を構成している、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の機器温調装置。
- 前記第1気相通路または前記第2気相通路の少なくとも一部と前記連結通路とは、一方の配管の内側に他方の配管が設けられた二重配管構造(26)となっている、請求項1または2に記載の機器温調装置。
- 前記第1気相通路の少なくとも一部と前記第2気相通路の少なくとも一部とは、一方の配管の内側に他方の配管が設けられた二重配管構造(26)となっている、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の機器温調装置。
- 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
前記対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように前記対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
前記凝縮器と前記機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
前記機器温度調整部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の前記気相通路のうち第1気相通路(21)が前記機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が前記機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
前記第1気相通路または前記第2気相通路に設けられ、前記気相通路の前記第1接続部側または前記第2接続部側から前記凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)と、
前記機器温度調整部の傾きを検出する傾きセンサ(82)と、をさらに備え、
前記機器温度調整部の傾きが前記傾きセンサにより検出されたとき、前記流路面積調整弁は、前記気相通路の前記第1接続部側または前記第2接続部側から前記凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する、機器温調装置。 - 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
前記対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように前記対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
前記凝縮器と前記機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
前記機器温度調整部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の前記気相通路のうち第1気相通路(21)が前記機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が前記機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
前記第1気相通路または前記第2気相通路に設けられ、前記気相通路の前記第1接続部側または前記第2接続部側から前記凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)をさらに備え、
前記流路面積調整弁(83)は、
前記気相通路の内壁に設けられる弁座(84)と、
前記気相通路の前記第1接続部または前記第2接続部が前記弁座より重力方向上側にあるときに自重により前記弁座に着座し、前記気相通路の前記第1接続部または前記第2接続部が前記弁座より重力方向下側にあるとき前記弁座から離座する弁体(85)を有する、機器温調装置。 - 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
前記対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように前記対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
前記凝縮器と前記機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
前記機器温度調整部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の前記気相通路のうち第1気相通路(21)が前記機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が前記機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
前記第1気相通路または前記第2気相通路に設けられ、前記気相通路の前記第1接続部側または前記第2接続部側から前記凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)をさらに備え、
前記流路面積調整弁(86)は、
前記気相通路の内壁に設けられる弁座(87)と、
前記気相通路に液相の作動流体が流れるときに浮力により弁座に着座し、前記気相通路に気相の作動流体が流れるときに弁座から離座する弁体(88)を有する、機器温調装置。 - 機器温調装置は、車両に搭載されるものであり、
前記第1接続部と前記第2接続部とは、車両前後方向に離れた場所に位置している、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の機器温調装置。 - 前記機器温度調整部が水平状態にある場合、作動流体の液面(FL)が前記機器用熱交換器の高さ方向の途中に位置し、前記第1接続部と前記第2接続部が、前記機器温度調整部のうち作動流体の液面より上側に位置するように作動流体の封入量が調整されている、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の機器温調装置。
- 前記機器温度調整部が所定角度に傾斜した場合、作動流体の液面が前記第1接続部または前記第2接続部の一方の上側にあり、前記第1接続部または前記第2接続部の他方の下側にあるように、作動流体の封入量が調整されている、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の機器温調装置。
- 前記気相通路は、前記第1気相通路を流れる作動流体と前記第2気相通路を流れる作動流体とを合流させる合流部(30〜32)と、前記合流部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す合流通路(40〜42)と、を含んで構成されており、
前記合流部は、前記第1接続部および前記第2接続部よりも重力方向上側に設けられる、請求項1ないし12のいずれか1つに記載の機器温調装置。 - 前記機器温度調整部が所定角度に傾斜した場合、前記合流部より下側に作動流体の液面があるように、作動流体の封入量が調整されている、請求項13に記載の機器温調装置。
- 前記第1接続部と前記第2接続部は、1つの前記機器用熱交換器のうち水平方向に離れた位置に設けられている、請求項7、8および9のいずれか1つに記載の機器温調装置。
- 前記機器用熱交換器は、重力方向から視て長手方向と短手方向を有する形状であり、前記対象機器に直接接触または熱伝導部材を介して間接的に熱接触する熱交換部(113)を有しており、
前記第1接続部と前記第2接続部は、前記機器用熱交換器のうち前記熱交換部より長手方向外側の位置に設けられている、請求項1ないし15のいずれか1つに記載の機器温調装置。 - 前記第1接続部は、前記機器用熱交換器のうち前記熱交換部より車両前方側の位置に設けられており、
前記第2接続部は、前記機器用熱交換器のうち前記熱交換部より車両後方側の位置に設けられており、
前記第1気相通路は、前記第1接続部から上方または車両前方へ延びる部位(21a)を有し、
前記第2気相通路は、前記第2接続部から上方または車両後方へ延びる部位(22a)を有している、請求項16に記載の機器温調装置。
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