JP6784281B2 - 機器温調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、対象機器の温度を調整する機器温調装置に関するものである。
従来、ループ型のサーモサイフォン方式により、対象機器の温度を調整する機器温調装置が知られている。
特許文献1に記載の機器温調装置は、対象機器としての電池と作動流体とを熱交換させる機器用熱交換器と、その機器用熱交換器より重力方向上側に配置された凝縮器と、機器用熱交換器と凝縮器とを接続する気相通路および液相通路を備えている。また、この機器温調装置は、機器用熱交換器の内側に、作動流体を加熱することの可能な加熱部材を備えている。
特許文献1に記載の機器温調装置は、電池の冷却時に、機器用熱交換器の内側の作動流体が電池から吸熱して蒸発し、気相通路を通って凝縮器に流入する。凝縮器で凝縮した液相の作動流体は、液相通路を通り機器用熱交換器に流入する。このように、機器温調装置は、サーモサイフォン回路を循環する作動流体の相変化により電池を冷却する構成となっている。
特開2015−41418号公報
発明者らは、特許文献1に記載されるようなサーモサイフォン式の機器温調装置に関し、次のような課題を見出した。すなわち、図42に示すように、車両等に機器温調装置100が搭載される場合、車両と共に機器温調装置100も傾斜することがある。図42に示した状態では、機器温調装置100が備える機器用熱交換器110は、気相通路200のうち機器用熱交換器110に接続する接続部201が重力方向下側となるように傾いている。そのため、機器用熱交換器110内の液相の作動流体の液面FLは、気相通路200の接続部201よりも上方に位置している。すなわち、気相通路200の接続部201は、液相の作動流体に液没している。この場合、電池の発熱時に機器用熱交換器110内で蒸発した作動流体は、気相通路200に流れることなく、機器用熱交換器110内の上部空間120に溜まってしまう。したがって、機器用熱交換器110、気相通路200、凝縮器500および液相通路550により構成されるサーモサイフォン回路を作動流体が循環しなくなり、機器温調装置100は電池の冷却ができなくなる。
なお、機器温調装置100が温度調整を行う対象機器は、電気自動車またはハイブリッド車などの電動車両に搭載される電池パックとすることが可能である。その場合、電池パックは多数の電池セルにより構成され、電動車両の床下などに配置されることから、水平方向の体格が大きいものとなる。そのため、電池パックと共に、機器用熱交換器110の水平方向の長さも長くなる。したがって、電動車両の傾斜角度が小さい場合でも、気相通路200の接続部210が液相の作動流体に液没する可能性が高くなる。すなわち、対象機器が電動車両の電池パックである場合、電動車両の傾斜が機器温調装置100の電池冷却能力に与える影響が大きいものとなる。
本発明は上記点に鑑みて、装置が傾斜した場合でも対象機器の温度調整を行うことができる機器温調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の気相通路のうち第1気相通路(21)が機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
機器温度調整部は、車両前後方向に離れた位置に設けられる複数の機器用熱交換器、および、複数の機器用熱交換器のうちいずれかに設けられた第1接続部と第2接続部を連結する連結通路(61、62)を有している。
また、請求項7に係る発明は、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の気相通路のうち第1気相通路(21)が機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
第1気相通路または第2気相通路に設けられ、気相通路の第1接続部側または第2接続部側から凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)と、
機器温度調整部の傾きを検出する傾きセンサ(82)と、をさらに備え、
機器温度調整部の傾きが傾きセンサにより検出されたとき、流路面積調整弁は、気相通路の第1接続部側または第2接続部側から凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する。
また、請求項8に係る発明は、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の気相通路のうち第1気相通路(21)が機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
第1気相通路または第2気相通路に設けられ、気相通路の第1接続部側または第2接続部側から凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)をさらに備え、
流路面積調整弁(83)は、
気相通路の内壁に設けられる弁座(84)と、
気相通路の第1接続部または第2接続部が弁座より重力方向上側にあるときに自重により弁座に着座し、気相通路の第1接続部または第2接続部が弁座より重力方向下側にあるとき弁座から離座する弁体(85)を有する。
また、請求項9に係る発明は、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
複数の気相通路のうち第1気相通路(21)が機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
第1気相通路または第2気相通路に設けられ、気相通路の第1接続部側または第2接続部側から凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)をさらに備え、
流路面積調整弁(86)は、
気相通路の内壁に設けられる弁座(87)と、
気相通路に液相の作動流体が流れるときに浮力により弁座に着座し、気相通路に気相の作動流体が流れるときに弁座から離座する弁体(88)を有する。
これによれば、機器温度調整部が傾斜した場合、第1接続部と第2接続部の一方が重力方向上側に位置し、第1接続部と第2接続部の他方が重力方向下側に位置する。そのため、機器温度調整部が有する機器用熱交換器内で蒸発した作動流体は、重力方向上側に位置する第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路の少なくとも一方を流れ、凝縮器に流入する。凝縮器で凝縮した作動流体は、液相通路を流れ、機器用熱交換器に流入する。このような作動流体の循環により、機器温調装置は、機器温度調整部が傾斜した場合でも、対象機器を冷却することが可能である。
なお、上記各構成に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載する具体的構成との対応関係の一例を示したものである。
第1実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 機器温調装置が備える機器用熱交換器と電池モジュールの斜視図である。 機器温調装置が備える機器用熱交換器と電池モジュールの断面図である。 機器温調装置の電池冷却時における作動流体の流れを示す説明図である。 機器温調装置が傾斜した場合の作動流体の流れを示す説明図である。 機器温調装置が傾斜した場合の作動流体の流れを示す説明図である。 第1実施形態に対する変形例1として、作動流体の封入量を変えた状態を示す概略構成図である。 第1実施形態に対する変形例2として、作動流体の封入量を変えた状態を示す概略構成図である。 第2実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 第2実施形態に対する変形例3として、作動流体の封入量を変えた状態を示す概略構成図である。 第3実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 第4実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 第5実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第6実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第7実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第8実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第9実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第10実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第11実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第12実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第13実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第14実施形態に係る機器温調装置の斜視図である。 第15実施形態に係る機器温調装置が備える機器用熱交換器と電池モジュールの斜視図である。 第16実施形態に係る機器温調装置が備える機器用熱交換器と電池モジュールの斜視図である。 第17実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 図25のXXVI部分の拡大図である。 第18実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 図27のXXVIII部分の拡大図である。 図27のXXIX部分の拡大図である。 第19実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 第19実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 第20実施形態に係る機器温調装置が備える流路面積調整弁の断面図である。 第20実施形態に係る機器温調装置が備える流路面積調整弁の断面図である。 第21実施形態に係る機器温調装置が備える流路面積調整弁の断面図である。 第21実施形態に係る機器温調装置が備える流路面積調整弁の断面図である。 第22実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 図36のXXXVII部分の拡大図である。 図36のXXXVIII部分の拡大図である。 第23実施形態に係る機器温調装置の概略構成図である。 図39のXL部分の拡大図である。 図39のXLI部分の拡大図である。 従来の機器温調装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。また、各実施形態の説明において、第1、第2、第3などの用語は、説明の便宜上のものであり、各構成部材の数、配置、形状などを限定するものではない。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。第1実施形態の機器温調装置1は、電気自動車、プラグインハイブリッド車またはハイブリッド車などの電動車両(以下、単に「車両」という)に搭載される。第1実施形態の機器温調装置1(以下「本装置1」ということがある)は、車両に搭載される二次電池(以下、「電池」という)を冷却または暖機し、電池の温度を調節するものである。
まず、機器温調装置1が温度調整を行う対象機器としての電池2について説明する。車両に設置される大型の電池2は、複数の電池セル3が組み合わされた電池モジュールが複数格納された電池パック(すなわち蓄電装置)として、車両の座席下またはトランクルームの下などに搭載される。電池2に蓄えた電力は、インバータなどを介して車両走行用モータに供給される。電池2は車両走行中などに電力供給等を行うと自己発熱する。電池2は高温になると、十分な機能を発揮できないだけでなく、劣化が促進されることから、自己発熱が少なくなるように出力および入力を制限する必要がある。そのため、電池2の出力および入力を確保するためには、電池2を所定の温度以下に維持するための冷却装置が必要となる。
また、夏季などの外気温が高い季節では、車両走行中だけでなく、駐車放置中などにも電池2の温度は上昇する。また、電池2は車両の床下やトランクルーム下などに配置されることが多く、電池2に与えられる単位時間当たりの熱量は小さいものの、長時間の放置により電池2の温度は徐々に上昇する。電池2を高温状態で放置すると電池2の寿命が短くなるので、車両の駐車中等にも電池2の温度を所定の温度以下に維持することが望まれている。
さらに、電池2は、複数の電池セル3により構成されている。電池2は、各電池セル3の温度にばらつきがあると電池セル3の劣化に偏りが生じ、蓄電性能が低下してしまう。これは、電池2が複数の電池セル3の直列接続体を含んで構成されていることで、最も劣化した電池セル3の特性に合わせて電池2の入出力特性が決まるからである。そのため、長期間にわたって電池2に所望の性能を発揮させるためには、複数の電池セル3の相互間の温度ばらつきを低減させる均温化が重要となる。
また、一般に、電池2を冷却する他の冷却装置として、送風機による空冷式の冷却手段、蒸気圧縮式の冷凍サイクルの冷熱を利用した冷却手段が一般的である。しかし、送風機による空冷式の冷却手段は、車室内の空気を送風するだけなので、冷却能力は低い。また、送風機による送風は、空気の顕熱で電池2を冷却するので、空気流れの上流と下流との間で温度差が大きくなり、複数の電池セル3同士の温度ばらつきを十分に抑制できない。また、冷凍サイクルの冷熱を利用した冷却手段は、冷却能力は高いものの、車両の駐車中に、電力消費量の多いコンプレッサ等を駆動させることが必要となる。このことは、電力消費量の増大、騒音の増大等を招くことになるため好ましくない。
そこで、本実施形態の機器温調装置1は、作動流体をコンプレッサにより強制循環させることなく、作動流体の自然循環によって電池2の温度を調整するサーモサイフォン方式を採用している。
次に、機器温調装置1の構成について説明する。図1に示すように、機器温調装置1は、機器温度調整部10、複数の気相通路21、22、40、凝縮器50、および液相通路55などが互いに接続され、密閉された流体回路として構成されている。機器温調装置1は、気相の作動流体が流れる流路と液相の作動流体が流れる流路とが分離されたループ型のサーモサイフォン回路を構成している。サーモサイフォン回路には、その内部が真空排気された状態で、所定量の作動流体が封入されている。作動流体として、例えば、HFO−1234yfまたはHFC−134aなどのフロン系冷媒が用いられる。作動流体の封入量は、機器用熱交換器の高さ方向の途中に作動流体の液面FLが位置するように調整されている。図面では、作動流体の液面FLの高さの一例を、一点鎖線で示している。なお、図面の両矢印で示す上、下は、車両等に機器温調装置1が搭載された状態における重力方向の上側と下側を示している。
図1〜図3に示すように、第1実施形態の機器温度調整部10は、1つの機器用熱交換器11により構成されている。機器用熱交換器11は、重力方向から視て長手方向と短手方向を有する形状である。機器用熱交換器11は、筒状の上ヘッダタンク111と、筒状の下ヘッダタンク112と、熱交換部113により構成されている。上ヘッダタンク111は、機器用熱交換器11のうち重力方向上側となる位置に設けられる。下ヘッダタンク112は、機器用熱交換器11のうち重力方向下側となる位置に設けられる。複数の熱交換部113は、上ヘッダタンク111内の流路と下ヘッダタンク112内の流路とを連通する複数のチューブを有している。熱交換部113は、板状の部材の内側に複数の流路を形成したものとしてもよい。機器用熱交換器11の各構成部材は、例えばアルミニウム、銅等の熱伝導性の高い金属から形成されている。なお、機器用熱交換器11の各構成部材は、金属以外の熱伝導性の高い材料により構成することも可能である。
熱交換部113の外側には、電気絶縁性の熱伝導シート114を介して、電池2が設置される。熱伝導シート114により、熱交換部113と電池2との間の絶縁が保障されると共に、熱交換部113と電池2との間の熱抵抗が小さいものとなる。本実施形態では、電池2は、端子4が設けられた面5とは反対側の面6が、熱伝導シート114を介して、熱交換部113に設置されている。なお、熱伝導シート114を省略して、電池2と熱交換部113とを直接接続することも可能である。
電池2を構成する複数の電池セル3は、重力方向に交差する方向に並べられている。なお、電池2の設置方法は、図1〜図3に示したものに限らず、後述する第15および第16実施形態で説明するように、任意の設置方法を採用することができる。なお、電池2を構成する各電池セル3の個数、形状なども、図1〜図3に示したものに限らず、任意のものを採用することができる。
電池2は、機器用熱交換器11の内側の作動流体と熱交換可能である。電池2が発熱すると、機器用熱交換器11内の液相の作動流体が蒸発する。これにより、複数の電池セル3は、作動流体の蒸発潜熱により均等に冷却される。
機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111の長手方向左右にはそれぞれ流出口111a、111bが設けられている。下ヘッダタンク112には流入口112aが設けられている。流出口111a、111bは、気相通路21、22、40を構成するガス配管の端部を接続するための配管接続部である。流入口112aは、液相通路55を構成する液配管の端部を接続するための配管接続部である。
複数の気相通路21、22、40は、機器用熱交換器11の内側で蒸発した気相の作動流体を凝縮器50に流すための通路である。本実施形態では、複数の気相通路21、22、40は、第1気相通路21、第2気相通路22および合流通路40を含んで構成されている。第1気相通路21の一方の端部は、機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111の長手方向の一方に設けられた流出口111aに接続されている。第1気相通路21が機器用熱交換器11に接続する端部を、第1接続部211と称する。第2気相通路22の一方の端部は、機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111の長手方向の他方に設けられた流出口111bに接続されている。第2気相通路22が機器用熱交換器11に接続する端部を、第2接続部221と称する。第1気相通路21の第1接続部211と、第2気相通路22の第2接続部221とは、1つの機器用熱交換器11のうち水平方向に離れた位置に設けられている。詳細には、第1気相通路21の第1接続部211と、第2気相通路22の第2接続部221は、機器用熱交換器11のうち熱交換部113より長手方向外側の位置に設けられている。
なお、第1接続部211は、機器用熱交換器11のうち熱交換部113より車両前方側に設けられている。また、第2接続部221は、機器用熱交換器11のうち熱交換部113より車両後方側に設けられている。すなわち、第1接続部211と第2接続部221とは、車両前後方向に離れた場所に設けられている。そして、第1気相通路21は、第1接続部211から車両前方へ延びる部位21aを有している。第2気相通路22は、第2接続部221から車両後方へ延びる部位22aを有している。なお、第1気相通路21は、第1接続部211から上方へ延びていてもよく、または、上方且つ斜め前方へ延びていてもよい。また、第2気相通路22は、第2接続部221から上方へ延びていてもよく、または、上方且つ斜め後方へ延びていてもよい。
第1気相通路21が第1接続部211から車両前方へ延びる部位21aを有していることの効果として、次のことが言える。すなわち、図5に示すように、第1気相通路21のうち第1接続部211から車両前方へ延びる部位21aは、凝縮器50の位置が上がる場合の傾斜に対応するための配管である。ここで、第1気相通路21のうち第1接続部211から車両前方へ延びる部位21aがあることで、図5のように傾斜した場合において、機器用熱交換器11の熱交換部113よりも第1気相通路21が相対的に下がらない。よって、傾斜時において、熱交換部113で蒸発した気相冷媒が、第1気相通路21に導かれやすくなる。
また、第2気相通路22が第2接続部221から車両後方へ延びる部位22aを有していることの効果として、次のことが言える。すなわち、図6に示すように、第2気相通路22のうち第2接続部221から車両後方へ延びる部位22aは、凝縮器50の位置が下がる場合の傾斜に対応するための配管である。ここで、第2気相通路22のうち第1接続部221から車両後方へ延びる部位22aがあることで、図6のように傾斜した場合において、機器用熱交換器11の熱交換部113よりも第2気相通路22が相対的に下がらない。よって、傾斜時において、熱交換部113で蒸発した気相冷媒が、第2気相通路22に導かれやすくなる。
第1気相通路21のうち機器用熱交換器11とは反対側の端部と、第2気相通路22のうち機器用熱交換器11とは反対側の端部とは、合流部30で接続されている。合流部30と凝縮器50との間を、合流通路40が接続している。合流部30は、第1接続部211および第2接続部221よりも重力方向上側に設けられている。第1気相通路21を流れる作動流体と第2気相通路22を流れる作動流体とは、合流部30で合流する。合流部30で合流した作動流体は、合流通路40を通って凝縮器50に流れる。
凝縮器50は、機器用熱交換器11より重力方向上側に配置されている。凝縮器50は、気相通路21、22、40を通って凝縮器50の内側に流入した気相の作動流体と、所定の受熱媒体とを熱交換させるための熱交換器である。凝縮器50を流れる作動流体と熱交換を行う所定の受熱媒体は、例えば冷凍サイクルを循環する冷媒、または、冷却水回路を循環する冷却水、または空気など、種々の熱媒体を採用することが可能である。例えば、凝縮器50を流れる作動流体と熱交換を行う所定の受熱媒体として空気を採用した場合、凝縮器50は、図示していないファンにより送風される空気または走行風と、気相の作動流体とを熱交換させる空冷式の熱交換器として構成される。その場合、凝縮器50を流れる気相の作動流体は、その凝縮器50を通過する空気に放熱することで凝縮する。なお、凝縮器50は、一般に、車両の前方のエンジンルーム内に設けられる。
なお、凝縮器50は、図面に表わされたような作動流体の液面FLより上方の位置に限らず、作動流体の液面FLを高さ方向に跨ぐ位置に設けられていてもよい。
液相通路55は、凝縮器50の内側で凝縮した液相の作動流体を機器用熱交換器11に流すための通路である。液相通路55のうち凝縮器50とは反対側の端部は、機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112に設けられた流入口112aに接続されている。これにより、凝縮器50で凝縮して液相となった作動流体は、自重により液相通路55を流下し、機器用熱交換器11に流入する。
なお、気相通路21、22、40と液相通路55は、便宜上の呼び名であり、気相または液相の作動流体のみが流れる通路という意味ではない。すなわち、気相通路21、22、40と液相通路55のいずれにも、気相と液相の両方の作動流体が流れることがある。また、気相通路21、22、40と液相通路55の形状等は、車両への搭載性を考慮して適宜変更可能である。
続いて、機器温調装置1が電池2の冷却を行うときの作動流体の流れについて説明する。<水平状態>
図4は、機器温度調整部10が水平状態にある場合を示している。本実施形態では、作動流体の封入量は、機器温調装置1が非作動状態で機器温度調整部10が水平状態にある場合に作動流体の液面FLが熱交換部113の高さ方向の途中に位置し、第1接続部211と第2接続部221が作動流体の液面FLより上側にあるように調整されている。
機器温調装置1が作動状態となり、電池2を冷却する時、凝縮器50では、気相の作動流体と所定の受熱媒体との熱交換が行われる。具体的には、車両が停車中の時には、凝縮器50に送風するための図示しないファンが駆動され、ファンによる送風が行われる。なお、車両が走行中の場合は、走行風が凝縮器50に流れるため、ファンの駆動は必要ない。或いは、凝縮器50を流れる作動流体と熱交換を行うための図示しない冷凍サイクルの圧縮機が駆動され、その冷凍サイクルを冷媒が循環する。または、凝縮器50を流れる作動流体と熱交換を行うための図示しない冷却水回路のポンプが駆動され、その冷却水回路を冷却水が循環する。
これにより、凝縮器50で凝縮した液相の作動流体は、自重により液相通路55を流れ、流入口から機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112に流入する。下ヘッダタンク112に流入した作動流体は、熱交換部113が有する複数の流路に分流する。ここで、本実施形態では、作動流体の封入量は、機器温度調整部10が水平状態にある場合に作動流体の液面FLが熱交換部113の途中に位置するように調整されている。したがって、第1接続部211と第2接続部221は、機器温度調整部10のうち作動流体の液面FLより上側に位置している。
熱交換部113が有する複数の流路を流れる液相の作動流体は、電池2と熱交換することにより蒸発する。この過程で電池2は、作動流体の蒸発潜熱により冷却される。その後、気相となった作動流体は上ヘッダタンク111で合流し、その上ヘッダタンク111の長手方向の一方と他方にそれぞれ接続する第1接続部211および第2接続部221から、第1気相通路21、第2気相通路22および合流通路40を通り、凝縮器50に流れる。
上述の通り、電池2の冷却時の作動流体の流れは、凝縮器50→液相通路55→下ヘッダタンク112→熱交換部113→上ヘッダタンク111→第1気相通路21、第2気相通路22→合流通路40→凝縮器50の順となる。すなわち、機器用熱交換器11と凝縮器50を含むループ状の流路が形成される。
<傾斜状態>
次に、機器温調装置1が傾斜状態にある場合について説明する。図5および図6は、機器温調装置1が所定角度に傾斜した状態を示している。作動流体の封入量は、機器温度調整部10が所定角度に傾斜した場合に作動流体の液面FLが第1接続部211または第2接続部221の一方の上側にあり、第1接続部211または第2接続部221の他方の下側にあるように調整されている。また、作動流体の封入量は、機器温度調整部10が所定角度に傾斜した状態にある場合に合流部30より下側に作動流体の液面FLがあるように調整されている。
なお、作動流体の封入量を調整するための基準となる所定角度は、機器温調装置1が搭載される車両の使用環境などに応じて適宜設定される。本実施形態では、所定角度は、例えば25°として設定されている。なお、所定角度は、例えば5°〜25°の間で適宜設定することも可能である。ところで、機器温調装置1は、車両の左右方向よりも、車両の前後方向の傾斜に対応する構成とすることが望ましい。走行中の車両は、登坂中のように車両前後方向の傾きが長い間維持されやすい一方、車両左右方向の傾きは長い間維持されない。そのため、車両前後方向の方が、機器温調装置1が対応する必要性が高い。加えて、機器温調装置1は車両に作用する慣性力に関しても効果がある。この際、加速、減速のようなシーンにおいて車両前後方向に慣性力が作用した状態は長い間維持されやすい。これに対し、カーブ等によって車両左右方向に慣性力が作用した状態は、長い間維持されない。車両前後方向の方が、機器温調装置1が対応する必要性が高い。
図5は、機器用熱交換器11の凝縮器50側が上方となるように傾斜した状態を示している。この状態は、例えば凝縮器50が車両前方に設置されている場合、車両前方が上方となるように傾斜した状態である。このとき、上ヘッダタンク111の長手方向の一方に接続する第1気相通路21の第1接続部211が作動流体の液面FLより上にあり、上ヘッダタンク111の長手方向の他方に接続する第2気相通路22の第2接続部221が作動流体の液面FLより下にある。
機器温調装置1が作動状態となり、電池2を冷却する時、図5の矢印に示すように、凝縮器50で凝縮した液相の作動流体は、液相通路55を流れて機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112に流入する。下ヘッダタンク112に流入した作動流体は、熱交換部113が有する複数の流路に分流し、電池2との熱交換により蒸発する。図5の場合、熱交換部113で蒸発した気相の作動流体は、作動流体の液面FLよりも上にある第1接続部211から第1気相通路21および合流通路40を通り、凝縮器50に流れる。
一方、図6は、機器用熱交換器11の凝縮器50側が下方となるように傾斜した状態を示している。この状態で、上ヘッダタンク111の長手方向の一方に接続する第1気相通路21の第1接続部211が作動流体の液面FLより下にあり、上ヘッダタンク111の長手方向の他方に接続する第2気相通路22の第2接続部221が作動流体の液面FLより上にある。
機器温調装置1が作動状態となり、電池2を冷却する時、図6の矢印に示すように、電池2の冷却時、凝縮器50で凝縮した液相の作動流体は、液相通路55を流れて機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112に流入する。下ヘッダタンク112に流入した作動流体は、熱交換部113が有する複数の流路に分流し、電池2との熱交換により蒸発する。図6の場合、熱交換部113で蒸発した気相の作動流体は、作動流体の液面FLよりも上にある第2接続部221から第2気相通路22および合流通路40を通り、凝縮器50に流れる。このように、第1実施形態では、機器用熱交換器11が長手方向のどちらの側に傾斜した場合でも、電池2の冷却を行うことが可能である。
次に、作動流体の液面FLに関し、詳細に説明する。
本装置1の作動時すなわち機器温度調整部10にて蒸発が発生し、凝縮器50で凝縮が発生している場合、液面は蒸発時の圧力バランスにより多少上下に変化する。上述のように、本実施形態では、第1接続部211と第2接続部221が作動流体の液面より上側に位置するように、作動流体の封入量が調整されている。仮に、作動流体の液面が、そのように調整されていないと、気相の作動流体が安定的に抜けないため性能が確保できない、あるいは液面が多少下へ移動したした場合のみしか気相の作動流体が抜けないため性能が安定的に確保できない。
本装置1の非作動時すなわち機器温度調整部10にて蒸発が発生せず、また凝縮器50で凝縮が発生しない場合、液面は静止している。この状態で、仮に、第1接続部211と第2接続部221が作動流体の液面より上側に位置するという関係を満たさない場合、本装置1を作動させるために凝縮器50に冷熱源を供給しても、機器温度調整部10にて蒸発した気相の作動流体が抜けだす経路がない。すなわち、本装置1の安定的な作動が開始できない。
ここで、本装置1の作動原理を説明する。機器温度調整部10にて作動流体は蒸発することで気相となり、その気相の作動流体が凝縮器50で凝縮することで液相の作動流体となり、その液相の作動流体が液相通路にたまる。この際、機器温度調整部10と液相通路55との液面差が駆動源となり作動している。換言すると、機器温度調整部10の液相冷媒の一部が蒸発後に凝縮器50を介して液相通路55に移動することで、液面差が発生し、作動流体が循環している。
つぎに、作動時の液面と非作動時の液面を比較する。上記のように、機器温度調整部10の液相冷媒の一部が蒸発後に凝縮器50を介して液相通路55に移動することで本装置1は作動するため、機器温度調整部10において非作動時の液面と作動時の液面は、非作動時の液面の方が高い。圧力バランスにより作動時の液面が多少上下することで、一時的に非作動時の液面よりも作動時の液面が高くなる事象が発生するが、一般的には非作動時の液面と作動時の液面は、非作動時の液面の方が高いとみなせる。
以上のことから、第1接続部211と第2接続部221が作動流体の液面より上側に位置するという関係に関して、本装置1の非作動時の液面においてその関係を満たしていれば、本装置1のほぼすべての状況において冷却性能を確保することができる。
以上説明した第1実施形態の機器温調装置1は、次の作用効果を奏する。
(1)第1実施形態では、第1気相通路21が機器用熱交換器11に接続する第1接続部211と、第2気相通路22が機器用熱交換器11に接続する第2接続部221とは、水平方向に離れた場所に位置している。これにより、機器用熱交換器11が傾斜した場合、第1接続部211と第2接続部221の一方が重力方向上側に位置し、第1接続部211と第2接続部221の他方が重力方向下側に位置する。そのため、機器用熱交換器11内で蒸発した作動流体は、重力方向上側に位置する第1接続部211または第2接続部221から第1気相通路21または第2気相通路22の少なくとも一方を流れ、凝縮器50に流入する。凝縮器50で凝縮した作動流体は、液相通路55を流れ、機器用熱交換器11に流入する。このような作動流体の循環により、機器温調装置1は、機器用熱交換器11が長手方向のどちらの側に傾斜した場合でも、電池2を冷却することが可能である。
(2)第1実施形態では、作動流体の封入量は、機器温調装置1が非作動状態で機器用熱交換器11が水平状態にある場合に、作動流体の液面FLが機器用熱交換器11の途中に位置するように調整されている。また、作動流体の封入量は、機器温調装置1が非作動状態で機器用熱交換器11が水平状態にある場合に、第1接続部211と第2接続部221が、作動流体の液面FLより上側に位置するように調整されている。これにより、第1接続部211または第2接続部221のガス抜け性が良くなる。すなわち、機器用熱交換器11から第1接続部211または第2接続部221を経由して第1気相通路21または第2気相通路22に流れる気相の作動流体の圧力損失が低減される。したがって、機器温調装置1は、サーモサイフォン回路の作動流体の循環を良くすることで、電池2の冷却性能を向上することができる。
(3)第1実施形態では、作動流体の封入量は、機器用熱交換器11が所定角度に傾斜した場合に、作動流体の液面FLが、第1接続部211または第2接続部221の一方の上側にあり、作動流体の液面FLが、第1接続部211または第2接続部221の他方の下側にあるように調整されている。これにより、機器用熱交換器11が傾斜した場合、機器用熱交換器11の内側で蒸発した作動流体は、液相の作動流体に液没していない側の第1接続部211または第2接続部221から第1気相通路21または第2気相通路22に流れる。したがって、機器温調装置1は、サーモサイフォン回路の作動流体の循環を良くすることで、電池2の冷却性能を向上することができる。
(4)第1実施形態では、機器温調装置1は、合流部30と合流通路40をさらに備える。合流部30は、第1接続部211および第2接続部221よりも重力方向上側に設けられる。合流通路40は、合流部30と凝縮器50との間に気相の作動流体を流す。これによれば、機器温調装置1は、合流部30と凝縮器50との間を合流通路40で接続する構成とすることで、機器用熱交換器11と凝縮器50との間を全て第1気相通路と第2気相通路で接続する構成に比べて、配管の数を少なくすることができる。
また、第1接続部211および第2接続部221よりも重力方向上側に合流部30を設けることで、機器用熱交換器11が傾斜した場合に合流部30が液没することを抑制することができる。仮に、合流部30が液没すると、機器用熱交換器11が傾斜した場合、第1気相通路21または第2気相通路22を流れる気相の作動流体は、合流部30を通過することが困難になることがある。これに対し、機器用熱交換器11が傾斜した場合に合流部30が液没していなければ、第1気相通路21または第2気相通路22を流れる気相の作動流体は、合流部30を容易に通過し、凝縮器50に流れる。したがって、機器温調装置1は、サーモサイフォン回路の作動流体の循環を良くすることで、電池2の冷却性能を向上することができる。
(5)第1実施形態では、作動流体の封入量は、機器用熱交換器11が所定角度に傾斜した場合に合流部30より下側に作動流体の液面FLがあるように調整されている。これにより、機器用熱交換器11が傾斜した場合に合流部30が液没することを抑制することができる。
(6)第1実施形態では、第1接続部211と第2接続部221は、1つの機器用熱交換器11のうち水平方向に離れた位置に設けられている。これにより、機器用熱交換器11が傾斜した場合、機器用熱交換器11内で蒸発した作動流体は、重力方向上側に位置する第1接続部211または第2接続部221から第1気相通路21または第2気相通路22などを流れ、凝縮器50に流入する。したがって、機器温調装置1は、機器用熱交換器11が傾斜した場合でも、電池2を冷却することが可能である。
(7)第1実施形態では、第1接続部211と第2接続部221は、機器用熱交換器11のうち熱交換部113より長手方向外側に設けられている。これにより、1つの機器用熱交換器11の中で、第1接続部211と第2接続部221が水平方向に大きく離れた位置に設けられる。そのため、機器用熱交換器11が大きく傾斜した場合でも、機器用熱交換器11内で蒸発した気相の作動流体を第1接続部211または第2接続部221から第1気相通路21または第2気相通路22に排出することが可能である。
(変形例1)
第1実施形態に対する変形例1について、図7を参照して説明する。変形例1は、第1実施形態に対して、機器温調装置1のサーモサイフォン回路に封入する作動流体の封入量を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図7は、機器温調装置1が所定角度に傾斜した状態を示している。変形例1では、作動流体の封入量は、機器温度調整部10が水平状態にある場合、および、機器温度調整部10が所定角度に傾斜した場合にも、第1気相通路21および第2気相通路22の途中に作動流体の液面FLが位置するように調整されている。また、作動流体の封入量は、機器温度調整部10が水平状態にある場合、および、機器温度調整部10が所定角度に傾斜した場合にも、合流部30より下側に作動流体の液面FLがあるように調整されている。
電池2の冷却時、凝縮器50で凝縮した液相の作動流体は、液相通路55を流れて機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112に流入する。下ヘッダタンク112に流入した作動流体は、熱交換部113が有する複数の流路に分流し、電池2との熱交換により蒸発する。図7では、第1気相通路21の第1接続部211よりも第2気相通路22の第2接続部221が上方に位置している。そのため、熱交換部113で蒸発した気相の作動流体は、上ヘッダタンク111を第2接続部221側に流れ、第2接続部221から第2気相通路22および合流通路40を通り、凝縮器50に流れる。なお、第2気相通路22を構成する配管の取り回し方によっては、第2気相通路22の途中に作動流体の液溜まりができることが考えられる。そのため、図7の破線P1に示すように、第2気相通路22を構成する配管は、車両搭載スペースの制限の中で上下方向の傾斜が緩やかなレイアウトにすることが好ましい。さらには、その配管は合流部30に向かって高さが増加していくようなレイアウトであると、なお良い。
(変形例2)
第1実施形態に対する変形例2について、図8を参照して説明する。変形例2も、第1実施形態に対して、機器温調装置1のサーモサイフォン回路に封入する作動流体の封入量を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様である。
図8は、機器温調装置1が所定角度に傾斜した状態を示している。変形例2では、作動流体の液面FLは、合流部30より上側で、且つ、合流通路40の途中に位置している。すなわち、合流部30は、液相の作動流体に液没している。この場合、電池2の冷却時、機器用熱交換器11の熱交換部113で、電池2との熱交換により蒸発した作動流体は、第1気相通路21、第2気相通路22および合流部30を通過することが困難になることが考えられる。そのため、図8の破線P2に示すように、第1気相通路21または第2気相通路22を構成する配管は、車両搭載スペースの制限の中で上下方向の傾斜が緩やかなレイアウトにすることが好ましい。さらには、その配管は合流部30に向かって高さが増加していくようなレイアウトであると、なお良い。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図9を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、第2気相通路22の構成の一部と、作動流体の封入量を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様である。
図9は、機器温調装置1が所定角度に傾斜した状態を示している。第2実施形態では、機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111と第2気相通路22との上下方向の距離が、第1実施形態で表した上ヘッダタンク111と第2気相通路22との上下方向の距離よりも大きくなっている。
第2実施形態では、作動流体の封入量は、機器温度調整部10が水平状態にある場合、および、機器温度調整部10が所定角度に傾斜した場合にも、第2気相通路22が水平に延びる部位よりも下に作動流体の液面FLが位置するように調整されている。
また、第2実施形態では、作動流体の封入量は、機器温度調整部10が水平状態にある場合、および、機器温度調整部10が所定角度に傾斜した場合にも、第1気相通路21および第2気相通路22の途中に作動流体の液面FLが位置するように調整されている。また、作動流体の封入量は、機器温度調整部10が水平状態にある場合、および、機器温度調整部10が所定角度に傾斜した場合にも、合流部30より下側に作動流体の液面FLがあるように調整されている。
電池2の冷却時、凝縮器50で凝縮した液相の作動流体は、液相通路55を流れて機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112に流入する。下ヘッダタンク112に流入した作動流体は、熱交換部113が有する複数の流路に分流し、電池2との熱交換により蒸発する。図9では、第1気相通路21の第1接続部211よりも第2気相通路22の第2接続部221が上方に位置している。そのため、熱交換部113で蒸発した気相の作動流体は、上ヘッダタンク111を第2接続部221側に流れ、第2接続部221から第2気相通路22および合流通路40を通り、凝縮器50に流れる。
第2実施形態においても、機器用熱交換器11が傾斜した場合、第1接続部211と第2接続部221の一方が重力方向上側に位置し、第1接続部211と第2接続部221の他方が重力方向下側に位置する。そのため、機器用熱交換器11内で蒸発した作動流体は、重力方向上側に位置する第1接続部211または第2接続部221から第1気相通路21または第2気相通路22の少なくとも一方を流れ、凝縮器50に流入する。したがって、機器温調装置1は、機器用熱交換器11が長手方向のどちらの側に傾斜した場合でも、電池2を冷却することが可能である。
(変形例3)
第2実施形態に対する変形例3について、図10を参照して説明する。変形例3は、第2実施形態に対して、作動流体の封入量を変更したものであり、その他については第2実施形態と同様である。
図10は、機器温調装置1が所定角度に傾斜した状態を示している。変形例3では、作動流体の液面FLは、合流部30より上側で、且つ、合流通路40の途中に位置している。すなわち、合流部30は、液相の作動流体に液没している。この場合、電池2の冷却時、機器用熱交換器11の熱交換部113で、電池2との熱交換により蒸発した作動流体は、第1気相通路21、第2気相通路22および合流部30を通過することが困難になることが考えられる。そのため、図10の破線P3に示すように、第1気相通路21または第2気相通路22を構成する配管は、車両搭載スペースの制限の中で上下方向の傾斜が緩やかなレイアウトにすることが好ましい。さらには、その配管は合流部30に向かって高さが増加していくようなレイアウトであると、なお良い。
(第3実施形態)
第3実施形態について、図11を参照して説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して、第1気相通路21と第2気相通路22の構成の一部を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、第1気相通路21の第1接続部211と、第2気相通路22の第2接続部221は、それぞれ上ヘッダタンク111の途中に接続されている。第3実施形態においても、第1気相通路21の第1接続部211と、第2気相通路22の第2接続部221とは、1つの機器用熱交換器11のうち水平方向に離れた位置に設けられている。したがって、機器温調装置1は、機器用熱交換器11が長手方向のどちらの側に傾斜した場合でも、電池2を冷却することが可能である。
(第4実施形態)
第4実施形態について、図12を参照して説明する。第4実施形態は、第3実施形態に対して、気相通路を追加したものであり、その他については第3実施形態と同様である。
第4実施形態では、複数の気相通路は、第1気相通路21、第2気相通路22、第3気相通路23、および合流通路40を含んで構成されている。第1気相通路21の第1接続部211と、第2気相通路22の第2接続部221と、第3気相通路23の第3接続部231は、いずれも機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111の途中に接続されている。第1気相通路21のうち機器用熱交換器11とは反対側の端部と、第3気相通路23のうち機器用熱交換器11とは反対側の端部とは、第1合流部31で接続されている。第2気相通路22のうち機器用熱交換器11とは反対側の端部と、第1気相通路21のうち機器用熱交換器11とは反対側の端部とは、第2合流部32で接続されている。このように、気相通路の数や合流部の数に制限はなく、車両搭載上のレイアウトに応じて任意に設定することが可能である。
第4実施形態においても、第1気相通路21の第1接続部211と、第2気相通路22の第2接続部221と、第3気相通路23の第3接続部231とは、1つの機器用熱交換器11のうち水平方向に離れた位置に設けられている。したがって、機器温調装置1は、機器用熱交換器11が長手方向のどちらの側に傾斜した場合でも、電池2を冷却することが可能である。
(第5実施形態)
第5実施形態について、図13を参照して説明する。以下に説明する第5〜第14実施形態では、機器温調装置1が備える機器温度調整部10は、複数の機器用熱交換器により構成されている。機器温度調整部10は、電池2と共に電池パックのケース内に格納可能である。なお、第5〜第14実施形態の説明で参照する図13〜図22では、凝縮器の図示を省略している。また、機器温度調整部10の範囲を破線で示している。
第5実施形態では、機器温度調整部10は、第1機器用熱交換器11と第2機器用熱交換器12により構成されている。第1機器用熱交換器11と第2機器用熱交換器12は、水平方向に離れた位置に設けられている。なお、図示していないが、第5実施形態では、作動流体の封入量は、機器温度調整部10が水平状態にある場合に作動流体の液面が熱交換部の途中に位置するように調整されている。そのため、第1接続部211と第2接続部221は、第1機器用熱交換器11のうち作動流体の液面より上側の部位に設けられており、第2機器用熱交換器12のうち作動流体の液面より上側の部位に設けられている。
第5実施形態では、第1気相通路21と第2気相通路22は合流部30で合流している。合流部30と凝縮器との間を合流通路40が接続している。第1気相通路21は、合流部30から分岐部21bを介して一方の第1気相通路21cと他方の第1気相通路21dに分岐している。一方の第1気相通路21cの第1接続部211aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両前方側の部位に接続している。他方の第1気相通路21dの第1接続部211bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両前方側の部位に接続している。
第2気相通路22は、合流部30から分岐部22bを介して一方の第2気相通路22cと他方の第2気相通路22dに分岐している。一方の第2気相通路22cの第2接続部221aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両後方側の部位に接続している。他方の第2気相通路22dの第2接続部221bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両後方側の部位に接続している。
なお、第1気相通路21c、21dと、第2気相通路22c、22dは、第1機器用熱交換器11と第2機器用熱交換器12とを連結する連結通路としても機能している。第1機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112と第2機器用熱交換器12の下ヘッダタンク122とは、液相通路55により連結されている。
第5実施形態においても、機器温度調整部10が車両前後方向に傾斜した場合、第1接続部211と第2接続部221の一方が重力方向上側に位置し、他方が重力方向下側に位置する。そのため、複数の機器用熱交換器11、12内で蒸発した作動流体は、重力方向上側に位置する第1接続部211または第2接続部221のいずれか一方から第1気相通路21または第2気相通路22を流れ、凝縮器に流入する。凝縮器で凝縮した作動流体は、液相通路55を流れ、複数の機器用熱交換器11、12に流入する。このような作動流体の循環により、第5実施形態の機器温調装置1は、複数の機器用熱交換器11、12が傾斜した場合でも、電池2を冷却することが可能である。
(第6実施形態)
第6実施形態について、図14を参照して説明する。第6実施形態は、第5実施形態に対し、気相通路の構成の一部を変更したものである。
第6実施形態でも、第1気相通路21は、合流部30から分岐部21bを介して一方の第1気相通路21cと他方の第1気相通路21dに分岐している。一方の第1気相通路21cの第1接続部211aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両前方側の部位に接続している。他方の第1気相通路21dの第1接続部211bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両前方側の部位に接続している。
一方、第6実施形態では、第2気相通路22は、合流部30から一方の第2気相通路22cと他方の第2気相通路22dに分岐している。一方の第2気相通路22cの第2接続部221aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両後方側の部位に接続している。他方の第2気相通路22dの第2接続部221bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両後方側の部位に接続している。
第6実施形態も、第1〜第5実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態について、図15を参照して説明する。第7実施形態は、第5実施形態に対し、気相通路の構成の一部を変更したものである。
第7実施形態でも、第1気相通路21は、合流部30から分岐部21bを介して一方の第1気相通路21cと他方の第1気相通路21dに分岐している。一方の第1気相通路21cの第1接続部211aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両前方側の部位に接続している。他方の第1気相通路21dの第1接続部211bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両前方側の部位に接続している。
第2気相通路22は、合流部30から分岐部22bを介して一方の第2気相通路22cと他方の第2気相通路22dに分岐している。一方の第2気相通路22cの第2接続部221aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両後方側の部位に接続している。他方の第2気相通路22dの第2接続部221bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両後方側の部位に接続している。
第7実施形態も、第1〜第6実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第8実施形態)
第8実施形態について、図16を参照して説明する。第8実施形態は、第5実施形態に対し、機器温度調整部10を構成する複数の機器用熱交換器11、12の配置が異なっている。複数の機器用熱交換器11、12はいずれも長手方向が車幅方向に沿うように配置されている。そして、複数の機器用熱交換器11、12は、車両前後方向に並ぶように配置されている。複数の機器用熱交換器11、12のうち、車両前方側に配置されたものを第1機器用熱交換器11と呼び、車両後方側に配置されたものを第2機器用熱交換器12と呼ぶこととする。
第8実施形態では、第1気相通路21は、合流部30と第1機器用熱交換器11とを接続している。第1気相通路21の第1接続部211は、車両前方側に配置された第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111に接続している。なお、第1気相通路21は、第1接続部211から車両前方へ延びる部位21aを有している。
第2気相通路22は、合流部30と第2機器用熱交換器12とを接続している。第2気相通路22の第2接続部221は、車両後方側に配置された第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121に接続している。第1気相通路21と第2気相通路22は、合流部30で合流している。合流部30と凝縮器との間を合流通路40が接続している。
また、第8実施形態では、機器温度調整部10は、車両前後方向に離れた位置に設けられる複数の機器用熱交換器11、12、および、連結通路61を有している。連結通路61は、第1機器用熱交換器11に設けられた第1接続部211と、第2機器用熱交換器12に設けられた第2接続部221を連結している。
第8実施形態では、機器温度調整部10が車両前後方向に傾斜した場合、第1接続部211と第2接続部221の一方が重力方向上側に位置し、他方が重力方向下側に位置する。そのため、複数の機器用熱交換器11、12内で蒸発した作動流体は、連結通路61を介して重力方向上側に位置する第1接続部211または第2接続部221から第1気相通路21または第2気相通路22の少なくとも一方を流れ、凝縮器に流入する。凝縮器で凝縮した作動流体は、液相通路55を流れ、複数の機器用熱交換器11、12に流入する。したがって、第8実施形態も、第1〜第7実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第9実施形態)
第9実施形態について、図17を参照して説明する。第9実施形態は、第8実施形態に対し、機器用熱交換器の数などを変更したものである。
第9実施形態では、機器温度調整部10は、3個以上の機器用熱交換器11、12、13と連結通路61により構成されている。第9実施形態でも、複数の機器用熱交換器11、12、13が並ぶ方向の最前部に配置される機器用熱交換器を第1機器用熱交換器11と呼び、最後部に配置される機器用熱交換器を第2機器用熱交換器12と呼ぶ。また、第1機器用熱交換器11と第2機器用熱交換器12の間に配置される複数の機器用熱交換器を全て第3機器用熱交換器13と呼ぶ。
連結通路61は、第1〜第3機器用熱交換器11、12、13の上ヘッダタンク111、121、131の一端同士を連結している。具体的には、連結通路61は、第1機器用熱交換器11に設けられた第1接続部211と、第2機器用熱交換器12に設けられた第2接続部221と、第3機器用熱交換器13に設けられた第3接続部231を連結している。
第9実施形態では、第1気相通路21が機器温度調整部10に接続する第1接続部211は、車両前方側に配置された第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111に接続している。なお、第1気相通路21は、第1接続部211から車両前方へ延びる部位21aを有している。また、第2気相通路22が機器温度調整部10に接続する第2接続部221は、車両後方側に配置された第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121に接続している。すなわち、第1接続部211と第2接続部221は、互いに水平方向に出来るだけ遠い位置に設けられている。なお、第1気相通路21と第2気相通路22は、合流部30で合流している。合流部30と凝縮器との間を合流通路40が接続している。
第9実施形態でも、機器温度調整部10が車両前後方向に傾斜した場合、第1接続部211と第2接続部221の一方が重力方向上側に位置し、他方が重力方向下側に位置する。そのため、複数の機器用熱交換器11、12、13内で蒸発した作動流体は、連結通路61を介して重力方向上側に位置する第1接続部211または第2接続部221から第1気相通路21または第2気相通路22の少なくとも一方を流れ、凝縮器に流入する。凝縮器で凝縮した作動流体は、液相通路55を流れ、複数の機器用熱交換器11、12、13に流入する。したがって、第9実施形態も、第1〜第8実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第10実施形態)
第10実施形態について、図18を参照して説明する。第10実施形態は、第8実施形態に対し、気相通路および連結通路の構成の一部を変更したものである。
第10実施形態では、連結通路は、第1連結通路61と第2連結通路62を含んでいる。第1連結通路61は、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111の車幅方向右側の端部と第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121の車幅方向右側の端部とを連結している。第2連結通路62は、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111の車幅方向左側の端部と第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121の車幅方向左側の端部とを連結している。
第10実施形態では、第1気相通路21は、車幅方向右側の第1気相通路21eと車幅方向左側の第1気相通路21fを含んで構成されている。
車幅方向右側の第1気相通路21eは、第1合流部31と、車両前方側に配置された第1機器用熱交換器11とを接続している。車幅方向右側の第1気相通路21eの第1接続部211aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車幅方向右側の部位に接続している。
車幅方向左側の第1気相通路21fは、第2合流部32と、車両前方側に配置された第1機器用熱交換器11とを接続している。車幅方向左側の第1気相通路21fの第1接続部211bは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車幅方向左側の部位に接続している。
第2気相通路22は、車幅方向右側の第2気相通路22eと車幅方向左側の第2気相通路22fを含んで構成されている。
車幅方向右側の第2気相通路22eは、第2合流部32と、車両後方側に配置された第2機器用熱交換器12とを接続している。車幅方向左側の第2気相通路21fの第2接続部211aは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車幅方向右側の部位に接続している。
車幅方向左側の第2気相通路22fは、第2合流部32と、車両後方側に配置された第1機器用熱交換器12とを接続している。車幅方向左側の第2気相通路22fの第2接続部221bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車幅方向左側の部位に接続している。
車幅方向右側の第1気相通路21eと第2気相通路22eは第1合流部31で合流している。車幅方向左側の第1気相通路21fと第2気相通路22fは第2合流部32で合流している。第1合流部31と第2合流部32とは、第1合流通路41により接続されている。第1合流通路41の途中と凝縮器とは、第2合流通路42により接続されている。
なお、第1機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112の一端と第2機器用熱交換器12の下ヘッダタンク122の一端とは、第1下連結通路71により連結されている。第1機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112の他端と第2機器用熱交換器12の下ヘッダタンク122の他端とは、第2下連結通路72により連結されている。液相通路55は途中で分岐し、第1下連結通路71および第2下連結通路72に接続されている。
第10実施形態では、機器温度調整部10が車両前後方向に傾斜した場合、第1接続部211a、211bまたは第2接続部221a、221bの一方が重力方向上側に位置し、他方が重力方向下側に位置する。
さらに、第10実施形態では、機器温度調整部10が車幅方向に傾斜した場合、車両右側の接続部211a、221aまたは車両左側の接続部211b、221bの一方が重力方向上側に位置し、他方が重力方向下側に位置する。したがって、第10実施形態も、第1〜第9実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第10実施形態は、第1接続部211a、211bと第2接続部221a、221bが、それぞれ、機器温度調整部10の4隅に設けられていることで、車両の前後左右いずれの方向の傾斜にも対応することができる。
(第11実施形態)
第11実施形態について、図19を参照して説明する。第11実施形態は、第10実施形態に対し、機器用熱交換器11の数などを変更したものである。
第11実施形態では、機器温度調整部10は、3個以上の機器用熱交換器と連結通路61、62により構成されている。第11実施形態の説明では、複数の機器用熱交換器11、12、13が並ぶ方向の最前部に配置される機器用熱交換器を第1機器用熱交換器11と呼び、最後部に配置される機器用熱交換器を第2機器用熱交換器12と呼ぶ。また、第1機器用熱交換器11と第2機器用熱交換器12との間に配置される複数の機器用熱交換器を全て第3機器用熱交換器13と呼ぶ。
第1連結通路61は、第1〜第3機器用熱交換器11、12、13の上ヘッダタンク111、121、131の車幅方向右側の端部同士を連結している。第2連結通路62は、第1〜第3機器用熱交換器11、12、13の上ヘッダタンク111、121、131の車幅方向左側の端部同士を連結している。
第11実施形態でも、第1気相通路21は、車幅方向右側の第1気相通路21eと車幅方向左側の第1気相通路21fを含んで構成されている。
車幅方向右側の第1気相通路21eは、第1合流部31と、車両前方側に配置された第1機器用熱交換器11とを接続している。その車幅方向右側の第1気相通路21eの第1接続部211aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車幅方向右側の部位に接続している。
車幅方向左側の第1気相通路21fは、第2合流部32と、車両前方側に配置された第1機器用熱交換器11とを接続している。その車幅方向左側の第1気相通路21fの第1接続部211bは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車幅方向左側の部位に接続している。
第2気相通路22は、車幅方向右側の第2気相通路22eと車幅方向左側の第2気相通路22fを含んで構成されている。
車幅方向右側の第2気相通路22eは、第1合流部31と、車両後方側に配置された第2機器用熱交換器12とを接続している。その車幅方向右側の第2気相通路22eの第2接続部211aは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車幅方向右側の部位に接続している。
車幅方向左側の第2気相通路22fは、第2合流部32と、車両後方側に配置された第1機器用熱交換器12とを接続している。その車幅方向左側の第2気相通路22fの第2接続部221bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車幅方向左側の部位に接続している。したがって、第1接続部211a、211bと第2接続部221a、221bとは、複数の機器用熱交換器11、12、13が並ぶ方向において、車両前後方向に出来るだけ遠い位置に設けられている。
車幅方向右側の第1気相通路21eと第2気相通路22eは第1合流部31で合流している。車幅方向左側の第1気相通路21fと第2気相通路22fは第2合流部32で合流している。第1合流部31と第2合流部32とは、第1合流通路41により接続されている。第1合流通路41の途中と凝縮器とは、第2合流通路42により接続されている。
なお、第1〜第3機器用熱交換器11、12、13の下ヘッダタンク112、122、132の車幅方向右側の端部同士は、第1下連結通路71により連結されている。第1〜第3機器用熱交換器11、12、13の下ヘッダタンク112、122、132の車幅方向左側の端部同士は、第2下連結通路72により連結されている。液相通路55は途中で分岐し、第1下連結通路71および第2下連結通路72に接続されている。
第11実施形態も、第1〜第10実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第11実施形態も、第1、第2気相通路21、22の第1、第2接続部211a、211b、211a、221bが、それぞれ、機器温度調整部10の4隅に設けられていることで、車両の前後左右いずれの方向の傾斜にも対応することができる。
(第12実施形態)
第12実施形態について、図20を参照して説明する。第12実施形態は、第8実施形態などに対し、複数の機器用熱交換器11、12の並ぶ方向などを変更したものである。
第12実施形態では、複数の機器用熱交換器11、12が、その機器用熱交換器11、12の長手方向に並んでいる。また、複数の機器用熱交換器11、12は、車両前後方向に沿って配置されている。連結通路61は、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両後方側の端部と、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両前方側の端部とを連結している。
第12実施形態では、第1気相通路21は、合流部30と、車両前方側に配置された第1機器用熱交換器11とを接続している。その第1気相通路21の第1接続部211は、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両前方側の端部に設けられている。
第2気相通路22は、合流部30と、車両後方側に配置された第2機器用熱交換器12とを接続している。その第2気相通路22の第2接続部221は、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両後方側の端部に設けられている。したがって、第1接続部211と第2接続部221とは、複数の機器用熱交換器11、12が並ぶ方向において、車両前後方向に出来るだけ遠い位置に設けられている。なお、第3気相通路23は、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両後方側の端部と、第2気相通路22とを接続している。この第3気相通路23は、省略してもよい。
第1気相通路21と第2気相通路22は、合流部30で合流している。合流部30と凝縮器との間を合流通路40が接続している。
なお、第1機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112の他端と、第2機器用熱交換器12の下ヘッダタンク122の一端は、下連結通路70により連結されている。液相通路55は、第1機器用熱交換器11の下ヘッダタンク112の一端に接続されている。
第12実施形態も、機器温度調整部10が第1機器用熱交換器11側または第2機器用熱交換器12側に傾斜した場合、第1接続部211と第2接続部221の一方が重力方向上側に位置し、他方が重力方向下側に位置する。したがって、第12実施形態も、第1〜第11実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第13実施形態)
第13実施形態について、図21を参照して説明する。第13実施形態は、第8実施形態などに対し、機器用熱交換器の数および配置などを変更したものである。
第13実施形態では、機器温度調整部10は、4個の機器用熱交換器11〜14と連結通路61により構成されている。第13実施形態の説明では、複数の機器用熱交換器のうち、車両前方側に配置される2個の機器用熱交換器を第1機器用熱交換器11、第2機器用熱交換器12と呼ぶ。車両後方側に配置される2個の機器用熱交換器を第3機器用熱交換器13、第4機器用熱交換器14と呼ぶ。
第13実施形態では、第1気相通路21は、合流部30から延びる部位21aが分岐部21bを介して一方の第1気相通路21cと他方の第1気相通路21dに分岐している。一方の第1気相通路21cの第1接続部211aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111に接続している。他方の第1気相通路21dの第1接続部211bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121に接続している。
また、第2気相通路22は、合流部30から分岐部22bを介して一方の第2気相通路22cと他方の第2気相通路22dに分岐している。一方の第2気相通路22cの第2接続部221aは、第3機器用熱交換器13の上ヘッダタンク131に接続している。他方の第2気相通路22dの第2接続部221bは、第4機器用熱交換器14の上ヘッダタンク141に接続している。
連結通路61は、第1気相通路21の分岐部21bと第2気相通路22の分岐部22bとを接続している。
尚、液相通路55は、第1〜第4機器用熱交換器11〜14の下ヘッダタンク112、122、132、142に接続されている。
第13実施形態も、機器温度調整部10が第1機器用熱交換器11側または第3機器用熱交換器13側に傾斜した場合、第1接続部211a、211bと第2接続部221a、221bの一方が重力方向上側に位置し、他方が重力方向下側に位置する。したがって、第13実施形態も、第1〜第12実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第14実施形態)
第14実施形態について、図22を参照して説明する。第14実施形態は、第13実施形態などに対し、複数の機器用熱交換器11〜14が並ぶ方向などを変更したものである。
第14実施形態でも、機器温度調整部10は、4個の機器用熱交換器11〜14により構成されている。複数の機器用熱交換器11〜14はいずれも長手方向が車両前後方向に沿うように配置されている。第14実施形態の説明でも、複数の機器用熱交換器のうち、車両前方側に配置される2個の機器用熱交換器を第1機器用熱交換器11、第2機器用熱交換器12と呼ぶ。車両後方側に配置される2個の機器用熱交換器を第3機器用熱交換器13、第4機器用熱交換器14と呼ぶ。
第14実施形態では、第1気相通路21は、合流部30と、第1〜第4機器用熱交換器11〜14のうち車両前方側の部位とを接続している。第1気相通路21aは、合流部30から延びる部位21aが分岐部21bを介して3つの第1気相通路21c、21d、21eに分岐している。その1つの第1気相通路21cの第1接続部211aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両前方側の部位に接続している。別の第1気相通路21dの第1接続部211bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両前方側の部位に接続している。
さらに別の第1気相通路21eは、分岐部21fを介して2つの第1気相通路21g、21hに分岐している。その1つの第1気相通路21gの第1接続部211cは、第3機器用熱交換器13の上ヘッダタンク121のうち車両前方側の部位に接続している。別の第1気相通路21hの第1接続部211dは、第4機器用熱交換器14の上ヘッダタンク141のうち車両前方側の部位に接続している。
第2気相通路21は、合流部30と、第1〜第4機器用熱交換器11〜14のうち車両後方側の部位とを接続している。第2気相通路22aは、合流部30から延びる部位22aが分岐部22bを介して3つの第2気相通路22c、22d、22eに分岐している。その1つの第2気相通路22cの第2接続部221aは、第1機器用熱交換器11の上ヘッダタンク111のうち車両後方側の部位に接続している。別の第2気相通路22dの第2接続部221bは、第2機器用熱交換器12の上ヘッダタンク121のうち車両後方側の部位に接続している。
さらに別の第2気相通路22eは、分岐部22fを介して2つの第2気相通路22g、21hに分岐している。その1つの第2気相通路22gの第2接続部221cは、第3機器用熱交換器13の上ヘッダタンク131のうち車両後方側の部位に接続している。別の第2気相通路22hの第2接続部221dは、第4機器用熱交換器14の上ヘッダタンク141のうち車両後方側の部位に接続している。
第1気相通路21と第2気相通路22は、合流部30で接続されている。合流部30と凝縮器とは、合流通路40により接続されている。
尚、液相通路55は、第1〜第4機器用熱交換器11〜14の下ヘッダタンク112、122、132、142に接続されている。
第14実施形態も、機器温度調整部10が前後左右いずれの方向に傾斜した場合、第1接続部211または第2接続部221のいずれかが重力方向上側に位置する。したがって、第14実施形態も、第1〜第13実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第15実施形態)
第15実施形態について、図23を参照して説明する。第15実施形態は、機器用熱交換器11に対する電池2の設置方法の例を説明するものである。第15実施形態では、電池2は、端子4が設けられた面5が重力方向上側に向くように設置されている。電池2は、端子4が設けられた面5に対して垂直の面が、熱伝導シート114を介して、熱交換部113に設置されている。このように、電池2の設置方法は、任意に設定することが可能である。
(第16実施形態)
第16実施形態について、図24を参照して説明する。第16実施形態は、機器用熱交換器11と電池2の設置方法の例を説明するものである。第16実施形態では、複数の機器用熱交換器11が電池2の両側を挟むように設置されている。そのため、電池2は、熱伝導シート114を介して熱交換部113に熱接触する面積が大きくなる。したがって、第16実施形態の機器用熱交換器11と電池2の設置方法によれば、電池2の冷却能力を高めることが可能である。
(第17実施形態)
第17実施形態について、図25および図26を参照して説明する。第17実施形態は、第1気相通路21と第2気相通路22の配置の例について説明するものである。第2気相通路22は、上ヘッダタンク111に沿うようにして、上ヘッダタンク111に当接または隣接した状態で延び、さらに、第1気相通路21に沿うようにして、第1気相通路21に当接または隣接した状態で延びている。第1気相通路21の一部と第2気相通路22の少なくとも一部は、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部25を構成している。上ヘッダタンク111と第2気相通路22の一部も、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部251を構成している。これにより、第1気相通路21と第2気相通路22が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し第1気相通路21と第2気相通路22を一緒に組み付けることも可能である。例えば、第1気相通路21を構成するガス配管と、第2気相通路22を構成するガス配管を共通の取付金具を用いて車体に取り付けることが可能である。或いは、1本の配管部材に2つの流路を形成し、その一方の流路を第1気相通路21とし、他方の流路を第2気相通路22とすることも可能である。したがって、この機器温調装置1は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
(第18実施形態)
第18実施形態について、図27〜図29を参照して説明する。第18実施形態も、第1気相通路21と第2気相通路22の配置の例について説明するものである。第2気相通路22と構成する配管は、上ヘッダタンク111の内側に設けられ、さらに、第1気相通路21を構成する配管の内側に設けられている。第1気相通路21の一部と第2気相通路22の少なくとも一部は、一方の配管の内側に他方の配管が設けられた二重配管構造26となっている。上ヘッダタンク111と第2気相通路22の一部も、上ヘッダタンク111の内側に第2気相通路22が設けられた二重配管構造261となっている。これにより、第1気相通路21と第2気相通路22が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し二重配管構造26となった第1気相通路21と第2気相通路22を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置1は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
(第19実施形態)
第19実施形態について、図30および図31を参照して説明する。第19実施形態では、気相通路に流路面積調整弁80が設けられている。流路面積調整弁80は、気相通路の接続部側から合流部30側への液相の作動流体の流れを規制する部材である。第19実施形態では、流路面積調整弁80は、第1気相通路21に設けられている。この流路面積調整弁80は、第1気相通路21の第1接続部211側から合流部30側への液相の作動流体の流れを規制する。
なお、流路面積調整弁80が第2気相通路22に設けられる場合、その流路面積調整弁80は、第2接続部221側から合流部30側への液相の作動流体の流れを規制する。
第19実施形態の流路面積調整弁80は、制御装置81から伝送される駆動信号により駆動する電磁弁である。制御装置81は、機器温度調整部10の傾きを検出する傾きセンサ82により、機器温度調整部10の傾きが検出されると、流路面積調整弁80に対し駆動信号を伝送する。具体的には、図31に示すように、制御装置81は、第2接続部221より第1接続部211が低くなるように機器温調装置1が傾くと、流路面積調整弁80に対し駆動信号を伝送する。流路面積調整弁80に駆動信号が伝送されると、流路面積調整弁80は、第1気相通路21の第1接続部211側から凝縮器50側への液相の作動流体の流れを規制する。図31では、流路面積調整弁80が作動した場合に機器温調装置1が液相の作動流体で満たされる領域にハッチングを付している。図31に示すように、流路面積調整弁80により液相の作動流体の流れが規制されることで、合流部30が液没することが防がれる。そのため、第2気相通路22から合流部30を経由して合流通路40へ向かう気相の作動流体の流れが確保される。したがって、機器温調装置1は、合流部30の位置を下げることで、車両等への搭載性を向上することができる。
また、機器温調装置1が傾いた場合に流路面積調整弁80により液相の作動流体の流れが規制されることで、機器用熱交換器11から第1気相通路21に流出する液相の作動流体の量が少なくなる。機器温調装置1が傾いた場合に機器用熱交換器11の内側の液相の作動流体の減少が抑制される。したがって、機器温調装置1は、電池2の冷却性能を向上すると共に、電池セル3同士の温度分布が大きくなることを抑制することができる。
さらに、第19実施形態の流路面積調整弁80は、傾きセンサ82により機器温調装置1の傾きが検出されると、制御装置81の制御信号に応じて動作する構成である。そのため、この流路面積調整弁80は、機器温調装置1の傾きに対応して確実に動作する。したがって、流路面積調整弁80は、気相通路の接続部側から合流部30側への液相の作動流体の流れを確実に規制することができる。
(第20実施形態)
第20実施形態について、図32および図33を参照して説明する。第20実施形態は、第19実施形態で説明した流路面積調整弁の変形例である。
第20実施形態の流路面積調整弁83は、弁座84と弁体85を有している。弁座84は、気相通路21の内壁に設けられている。弁体85は、弁座84よりも接続部側の流路に配置されたボール弁である。ボール弁は、気相通路21の接続部211が弁座84より重力方向下側にあるとき、弁座84から離座する。また、図33に示すように、ボール弁は、気相通路21の接続部211が弁座84より重力方向上側にあるとき、自重により弁座84に着座する。この構成によっても、流路面積調整弁83は、気相通路の接続部側より合流部30側が低くなる場合、気相通路の接続部側から合流部30側への液相の作動流体の流れを規制することが可能である。したがって、第20実施形態では、流路面積調整弁83の構成を簡素なものとすることができる。
(第21実施形態)
第21実施形態について、図34および図35を参照して説明する。第21実施形態も、第19実施形態で説明した流路面積調整弁の変形例である。
第21実施形態の流路面積調整弁86も、弁座87と弁体88を有している。弁座87は、気相通路の内壁に設けられている。弁体88は、液相の作動流体よりも質量が小さい材料で形成されたフロート弁である。図34に示すように、フロート弁は、気相通路21に気相の作動流体が流れるときに自重により弁座87から離座する。また、図35に示すように、フロート弁は、気相通路21に液相の作動流体が流れるときに浮力により弁座87に着座する。なお、図35では、液相の作動流体が充満する領域に破線のハッチングを付している。この構成によっても、流路面積調整弁86は、気相通路21の接続部211側から合流部30側への液相の作動流体の流れを規制することが可能である。したがって、第21実施形態では、流路面積調整弁86の構成を簡素なものとすることができる。
(第22実施形態)
第22実施形態について、図36〜図38を参照して説明する。第22実施形態は、第8実施形態と第17実施形態との組み合わせである。
第22実施形態では、第1気相通路21と第2気相通路22とは、当接または隣接した状態で延びている。また、連結通路61と第2気相通路22も、当接または隣接した状態で延びている。
第1気相通路21と第2気相通路22とは、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部25を構成している。また、連結通路61と第2気相通路22も、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部251を構成している。これにより、第1気相通路21と第2気相通路22と連結通路61が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し第1気相通路21と第2気相通路22と連結通路61を一緒に組み付けることも可能である。
なお、1本の配管部材に2つの流路を形成し、その一方の流路を第1気相通路21または連結通路61とし、他方の流路を第2気相通路22とすることも可能である。これにより、機器温調装置1は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
(第23実施形態)
第23実施形態について、図39〜図41を参照して説明する。第23実施形態は、第8実施形態と第18実施形態との組み合わせである。
第23実施形態では、第1気相通路21および連結通路61を構成する配管の内側に、第2気相通路22を構成する配管が設けられている。第1気相通路21および連結通路61と第2気相通路22とは、一方の配管の内側に他方の配管が設けられた二重配管構造26となっている。これにより、第1気相通路21と連結通路61と第2気相通路22が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し二重配管構造26となった第1気相通路21と連結通路61と第2気相通路22を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置1は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(1)上記各実施形態では、機器温調装置1が温度を調整する対象機器として電池2を例にして説明した。これに対し、他の実施形態では、機器温調装置1が温度を調整する対象機器は、例えばモータ、インバータまたは充電器など、冷却または暖機が必要な他の機器でも良い。
(2)上記各実施形態では、機器温調装置1が対象機器を冷却する機能を有する構成について説明した。これに対し、他の実施形態では、機器温調装置1は、対象機器を暖機する機能を備えていてもよい。その場合、機器用熱交換器に設けられた流入部と流出部とを接続する気相通路と液相通路の途中に、作動流体を加熱するための加熱機構を設けることが可能である。加熱機構により加熱されて蒸発した作動流体は、気相通路を通り流出部から機器用熱交換器に流入する。機器用熱交換器内で電池2に放熱して凝縮した作動流体は、ヘッド差により流入部から液相通路を通り加熱機構に流入する。このような作動流体の循環により、機器温調装置1は対象機器を暖機することができる。
(3)上述した実施形態では、作動流体としてフロン系冷媒を採用する例について説明したが、この限りでは無い。作動流体は、例えばプロパン、二酸化炭素等の他の流体を採用してもよい。
(4)上述した実施形態では、複数の気相通路21、22を合流部30で接続し、合流部30と凝縮器50との間を合流通路40で接続する構成とした。これに対し、他の実施形態では、合流部30と合流通路40を設けることなく、機器温度調整部10と凝縮器50との間を複数の気相通路21、22により接続する構成としてもよい。
(5)上述した実施形態では、機器温度調整部10が水平状態にある場合、作動流体の液面FLが機器用熱交換器11の途中に位置するように、作動流体の封入量を調整した。これに対し、他の実施形態では、機器温度調整部10が水平状態にある場合、作動流体の液面FLが気相通路の途中に位置するように、作動流体の封入量を調整してもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器の温度を調整する機器温調装置は、機器温度調整部、凝縮器、液相通路、および複数の気相通路を備える。機器温度調整部は、対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された1つまたは複数の機器用熱交換器を有する。凝縮器は、気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる。液相通路は、凝縮器と機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す。複数の気相通路は、機器温度調整部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す。複数の気相通路のうち第1気相通路が機器温度調整部に接続する第1接続部と、第2気相通路が機器温度調整部に接続する第2接続部とは、水平方向に離れた場所に位置している。
第2の観点によれば、機器温調装置は、車両に搭載されるものであり、第1接続部と第2接続部とは、車両前後方向に離れた場所に位置している。
これによれば、機器温調装置は、車両前後方向の傾きに対応したものとなる。車両の登坂時のように車両の前後方向の傾きは、長い間維持されやすい。また、加速、減速といったシーンのように、車両前後方向の慣性力が作用した状態は長い間維持されやすい。機器温調装置は、そのようなシーンにおいても継続して作動し、電池の冷却を継続して実施することができる。
第3の観点によれば、機器温度調整部が水平状態にある場合、作動流体の液面が機器用熱交換器の高さ方向の途中に位置し、第1接続部と第2接続部が、機器温度調整部のうち作動流体の液面より上側に位置するように作動流体の封入量が調整されている。
これによれば、第1接続部または第2接続部のガス抜け性がよくなる。すなわち、機器温度調整部から第1接続部または第2接続部を経由して第1気相通路または第2気相通路に流れる気相の作動流体の圧力損失が低減される。したがって、機器温調装置は、サーモサイフォン回路の作動流体の循環を良くすることで、対象機器の冷却性能を向上することができる。
第4の観点によれば、機器温度調整部が所定角度に傾斜した場合、作動流体の液面が第1接続部または第2接続部の一方の上側にあり、第1接続部または第2接続部の他方の下側にあるように、作動流体の封入量が調整されている。
これによれば、機器温度調整部が傾斜した場合、機器用熱交換器内で蒸発した作動流体は、液面より上に位置する第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路に流れる。したがって、機器温調装置は、サーモサイフォン回路の作動流体の循環を良くすることで、対象機器の冷却性能を向上することができる。
第5の観点によれば、気相通路は、合流部と合流通路を含んで構成されている。合流部は、第1気相通路を流れる作動流体と第2気相通路を流れる作動流体とを合流させる。合流通路は、合流部と凝縮器との間に気相の作動流体を流す。合流部は、第1接続部および第2接続部よりも重力方向上側に設けられる。
これによれば、機器温調装置は、合流部と凝縮器との間を合流通路で接続する構成とすることで、機器温度調整部と凝縮器との間を全て複数の気相通路で接続する構成に比べて、配管の数を少なくすることができる。
また、第1接続部および第2接続部よりも重力方向上側に合流部を設けることで、機器温度調整部が傾斜した場合に合流部が液没することを抑制することができる。仮に、合流部が液没すると、機器温度調整部が傾斜した場合、第1気相通路または第2気相通路を流れる気相の作動流体は、合流部を通過することが困難になることがある。これに対し、機器温度調整部が傾斜した場合に合流部が液没していなければ、第1気相通路または第2気相通路を流れる気相の作動流体は、合流部を容易に通過し、凝縮器に流れる。したがって、機器温調装置は、サーモサイフォン回路の作動流体の循環を良くすることで、対象機器の冷却性能を向上することができる。
第6の観点によれば、機器温度調整部が所定角度に傾斜した場合、合流部より下側に作動流体の液面があるように、作動流体の封入量が調整されている。
これによれば、機器温度調整部が傾斜した場合に合流部が液没することを抑制することができる。
第7の観点によれば、第1接続部と第2接続部は、1つの機器用熱交換器のうち水平方向に離れた位置に設けられている。
これによれば、機器用熱交換器が傾斜した場合、機器用熱交換器内で蒸発した作動流体は、重力方向上側に位置する第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路を流れ、凝縮器に流入する。したがって、機器温調装置は、機器温度調整部が傾斜した場合でも、対象機器を冷却することが可能である。
第8の観点によれば、機器用熱交換器は、重力方向から視て長手方向と短手方向を有する形状であり、対象機器に直接接触または熱伝導部材を介して間接的に熱接触する熱交換部を有している。第1接続部と第2接続部は、機器用熱交換器のうち熱交換部より長手方向外側の位置に設けられている。
これによれば、1つの機器用熱交換器の中で、第1接続部と第2接続部が水平方向に大きく離れた位置に設けられる。そのため、機器用熱交換器が大きく傾斜した場合でも、機器用熱交換器内で蒸発した気相の作動流体を第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路に排出することが可能である。
第9の観点によれば、第1接続部は、機器用熱交換器のうち熱交換部より車両前方側の位置に設けられている。第2接続部は、機器用熱交換器のうち熱交換部より車両後方側の位置に設けられている。そして、第1気相通路は、第1接続部から上方または車両前方へ延びる部位を有し、第2気相通路は、第2接続部から上方または車両後方へ延びる部位を有している。
これによれば、第1気相通路のうち第1接続部から上方または車両前方へ延びる部位が上方となるように傾斜した場合、機器用熱交換器の熱交換部よりも第1気相通路が相対的に下がらない。よって、そのような傾斜時において、機器用熱交換器の熱交換部で蒸発した気相冷媒が、第1気相通路に導かれやすくなる。
また、第2気相通路のうち第2接続部から上方または車両前方へ延びる部位が上方となるように傾斜した場合、機器用熱交換器の熱交換部よりも第2気相通路が相対的に下がらない。よって、そのような傾斜時において、機器用熱交換器の熱交換部で蒸発した気相冷媒が、第2気相通路に導かれやすくなる。
第10の観点によれば、機器温度調整部は、車両前後方向に離れた位置に設けられる複数の機器用熱交換器、および、複数の機器用熱交換器のうちいずれかに設けられた第1接続部と第2接続部を連結する連結通路を有している。
これによれば、機器温度調整部が有する複数の機器用熱交換器が傾斜した場合、第1接続部と第2接続部の一方が重力方向上側に位置し、第1接続部と第2接続部の他方が重力方向下側に位置する。そのため、複数の機器用熱交換器内で蒸発した作動流体は、連結通路を介して重力方向上側に位置する第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路を流れ、凝縮器に流入する。したがって、機器温調装置は、複数の機器用熱交換器が傾斜した場合でも、対象機器を冷却することが可能である。
第11の観点によれば、第1接続部は、複数の機器用熱交換器のうち車両前方側に配置された所定の機器用熱交換器に設けられている。第2接続部は、複数の機器用熱交換器のうち車両後方側に配置された別の機器用熱交換器に設けられている。第1気相通路は、第1接続部から上方または車両前方へ延びる部位を有している。第2気相通路は、第2接続部から上方または車両後方へ延びる部位を有している。
これによれば、第11の観点も、第9の観点で記載した作用効果と同様の作用効果を奏することが可能である。
第12の観点によれば、第1気相通路または第2気相通路の少なくとも一部と連結通路とは、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部を構成している。
これによれば、第1気相通路または第2気相通路と連結通路が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し第1気相通路または第2気相通路と連結通路を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
第13の観点によれば、第1気相通路の少なくとも一部と第2気相通路の少なくとも一部は、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部を構成している。
これによれば、第1気相通路と第2気相通路が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し第1気相通路と第2気相通路を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
第14の観点によれば、第1気相通路または第2気相通路の少なくとも一部と連結通路とは、一方の配管の内側に他方の配管が設けられた二重配管構造となっている。
これによれば、第1気相通路または第2気相通路と連結通路が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し二重配管構造となった第1気相通路または第2気相通路と連結通路を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
第15の観点によれば、第1気相通路の少なくとも一部と第2気相通路の少なくとも一部は、一方の配管の内側に他方の配管が設けられた二重配管構造となっている。
これによれば、第1気相通路と第2気相通路が占める領域が小さくなる。また、車両等に対し二重配管構造となった第1気相通路と第2気相通路を一緒に組み付けることも可能である。したがって、この機器温調装置は、車両等への搭載性および組み付け性を向上することができる。
第16の観点によれば、機器温調装置は、第1気相通路または第2気相通路に設けられ、気相通路の接続部側から合流部側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁を備える。
これによれば、機器温度調整部が傾斜した場合、第1接続部と第2接続部のうち重力方向下側に位置する接続部側から合流部側への液相の作動流体の流れが規制されることで、合流部が液没することが防がれる。そのため、第1接続部と第2接続部のうち重力方向上側に位置する接続部側から合流部を経由して合流通路へ向かう気相の作動流体の流れが確保される。したがって、機器温調装置は、合流部の位置を下げることで、車両等への搭載性を向上することができる。
また、機器温度調整部が傾斜した場合、第1接続部と第2接続部のうち重力方向下側に位置する接続部から気相通路に流れる液相の作動流体は、流路面積調整弁で流れが規制される。そのため、機器温度調整部が傾斜した場合、機器用熱交換器から気相通路に流れる液相の作動流体の量を少なくすることが可能である。したがって、機器用熱交換器の液相の作動流体の減少が抑制されるので、機器温調装置は、対象機器の冷却性能を向上することができる。
第17の観点によれば、機器温調装置は、機器温度調整部の傾きを検出する傾きセンサをさらに備える。機器温度調整部の傾きが傾きセンサにより検出されたとき、流路面積調整弁は、気相通路の接続部側から凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する。
これによれば、機器温度調整部の傾きに対応して流路面積調整弁が動作するので、流路面積調整弁は、気相通路の接続部側から合流部側への液相の作動流体の流れを確実に規制することができる。
第18の観点によれば、流路面積調整弁は、弁座と弁体を有する。弁座は、気相通路の内壁に設けられる。弁体は、気相通路の接続部が弁座より重力方向上側にあるときに自重により弁座に着座し、その気相通路の接続部が弁座より重力方向下側にあるとき弁座から離座する。これによれば、流路面積調整弁の構成を簡素なものとすることができる。
第19の観点によれば、流路面積調整弁は、弁座と弁体を有する。弁座は、気相通路の内壁に設けられる。弁体は、気相通路に液相の作動流体が流れるときに浮力により弁座に着座し、その気相通路に気相の作動流体が流れるときに弁座から離座する。これによれば、流路面積調整弁の構成を簡素なものとすることができる。
第20の観点によれば、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器の温度を調整する機器温調装置は、機器温度調整部、凝縮器、液相通路、複数の気相通路、および連結通路を備える。機器温度調整部は、複数の機器用熱交換器、および、連結通路を有する。複数の機器用熱交換器は、対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成されている。連結通路は、複数の機器用熱交換器同士を連結する。凝縮器は、気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる。液相通路は、複数の機器用熱交換器と凝縮器との間に液相の作動流体を流す。複数の気相通路は、複数の機器用熱交換器と凝縮器との間に気相の作動流体を流す。複数の気相通路のうち第1気相通路が機器温度調整部に接続する第1接続部と、第2気相通路が機器温度調整部に接続する第2接続部とは、水平方向に離れた場所に位置し、それぞれ別々の機器用熱交換器に設けられるか、または、同一の機器用熱交換器に設けられる。
これによれば、機器温度調整部が傾斜した場合、第1接続部と第2接続部の一方が重力方向上側に位置し、第1接続部と第2接続部の他方が重力方向下側に位置する。そのため、複数の機器用熱交換器内で蒸発した作動流体は、重力方向上側に位置する第1接続部または第2接続部から第1気相通路または第2気相通路の少なくとも一方を流れ、凝縮器に流入する。凝縮器で凝縮した作動流体は、液相通路を流れ、複数の機器用熱交換器に流入する。このような作動流体の循環により、機器温調装置は、機器温度調整部が傾斜した場合でも、対象機器を冷却することが可能である。
1 機器温調装置
10 機器温度調整部
11 機器用熱交換器
50 凝縮器
60 液相通路
21 第1気相通路
22 第2気相通路
211 第1接続部
221 第2接続部

Claims (17)

  1. 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
    前記対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように前記対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
    気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
    前記凝縮器と前記機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
    前記機器温度調整部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
    複数の前記気相通路のうち第1気相通路(21)が前記機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が前記機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
    前記機器温度調整部は、車両前後方向に離れた位置に設けられる複数の前記機器用熱交換器、および、複数の前記機器用熱交換器のうちいずれかに設けられた前記第1接続部と前記第2接続部を連結する連結通路(61、62)を有している、機器温調装置。
  2. 前記第1接続部は、複数の前記機器用熱交換器のうち車両前方側に配置された所定の前記機器用熱交換器に設けられており、
    前記第2接続部は、複数の前記機器用熱交換器のうち車両後方側に配置された別の前記機器用熱交換器に設けられており、
    前記第1気相通路は、前記第1接続部から上方または車両前方へ延びる部位(21a)を有しており、
    前記第2気相通路は、前記第2接続部から上方または車両後方へ延びる部位(22a)を有している、請求項1に記載の機器温調装置。
  3. 前記第1気相通路または前記第2気相通路の少なくとも一部と前記連結通路とは、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部(251)を構成している、請求項またはに記載の機器温調装置。
  4. 前記第1気相通路の少なくとも一部と前記第2気相通路の少なくとも一部とは、互いに当接または隣接した状態で延びる並列部(25)を構成している、請求項1ないしのいずれか1つに記載の機器温調装置。
  5. 前記第1気相通路または前記第2気相通路の少なくとも一部と前記連結通路とは、一方の配管の内側に他方の配管が設けられた二重配管構造(26)となっている、請求項またはに記載の機器温調装置。
  6. 前記第1気相通路の少なくとも一部と前記第2気相通路の少なくとも一部とは、一方の配管の内側に他方の配管が設けられた二重配管構造(26)となっている、請求項1ないしのいずれか1つに記載の機器温調装置。
  7. 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
    前記対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように前記対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
    気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
    前記凝縮器と前記機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
    前記機器温度調整部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
    複数の前記気相通路のうち第1気相通路(21)が前記機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が前記機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
    前記第1気相通路または前記第2気相通路に設けられ、前記気相通路の前記第1接続部側または前記第2接続部側から前記凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)と、
    前記機器温度調整部の傾きを検出する傾きセンサ(82)と、をさらに備え、
    前記機器温度調整部の傾きが前記傾きセンサにより検出されたとき、前記流路面積調整弁は、前記気相通路の前記第1接続部側または前記第2接続部側から前記凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する、機器温調装置。
  8. 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
    前記対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように前記対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
    気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
    前記凝縮器と前記機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
    前記機器温度調整部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
    複数の前記気相通路のうち第1気相通路(21)が前記機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が前記機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
    前記第1気相通路または前記第2気相通路に設けられ、前記気相通路の前記第1接続部側または前記第2接続部側から前記凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)をさらに備え、
    前記流路面積調整弁(83)は、
    前記気相通路の内壁に設けられる弁座(84)と、
    前記気相通路の前記第1接続部または前記第2接続部が前記弁座より重力方向上側にあるときに自重により前記弁座に着座し、前記気相通路の前記第1接続部または前記第2接続部が前記弁座より重力方向下側にあるとき前記弁座から離座する弁体(85)を有する、機器温調装置。
  9. 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
    前記対象機器の冷却時に作動流体が蒸発するように前記対象機器と作動流体とが熱交換可能に構成された複数の機器用熱交換器(11〜14)を有する機器温度調整部(10)と、
    気相の作動流体を放熱させ、凝縮した液相の作動流体を流出させる凝縮器(50)と、
    前記凝縮器と前記機器温度調整部との間に液相の作動流体を流す液相通路(55)と、
    前記機器温度調整部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す複数の気相通路(21〜24、30〜32、40〜42)と、を備え、
    複数の前記気相通路のうち第1気相通路(21)が前記機器温度調整部に接続する第1接続部(211)と、第2気相通路(22)が前記機器温度調整部に接続する第2接続部(221)とは、水平方向に離れた場所に位置しており、
    前記第1気相通路または前記第2気相通路に設けられ、前記気相通路の前記第1接続部側または前記第2接続部側から前記凝縮器側への液相の作動流体の流れを規制する流路面積調整弁(80、83、86)をさらに備え、
    前記流路面積調整弁(86)は、
    前記気相通路の内壁に設けられる弁座(87)と、
    前記気相通路に液相の作動流体が流れるときに浮力により弁座に着座し、前記気相通路に気相の作動流体が流れるときに弁座から離座する弁体(88)を有する、機器温調装置。
  10. 機器温調装置は、車両に搭載されるものであり、
    前記第1接続部と前記第2接続部とは、車両前後方向に離れた場所に位置している、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  11. 前記機器温度調整部が水平状態にある場合、作動流体の液面(FL)が前記機器用熱交換器の高さ方向の途中に位置し、前記第1接続部と前記第2接続部が、前記機器温度調整部のうち作動流体の液面より上側に位置するように作動流体の封入量が調整されている、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  12. 前記機器温度調整部が所定角度に傾斜した場合、作動流体の液面が前記第1接続部または前記第2接続部の一方の上側にあり、前記第1接続部または前記第2接続部の他方の下側にあるように、作動流体の封入量が調整されている、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  13. 前記気相通路は、前記第1気相通路を流れる作動流体と前記第2気相通路を流れる作動流体とを合流させる合流部(30〜32)と、前記合流部と前記凝縮器との間に気相の作動流体を流す合流通路(40〜42)と、を含んで構成されており、
    前記合流部は、前記第1接続部および前記第2接続部よりも重力方向上側に設けられる、請求項1ないし12のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  14. 前記機器温度調整部が所定角度に傾斜した場合、前記合流部より下側に作動流体の液面があるように、作動流体の封入量が調整されている、請求項13に記載の機器温調装置。
  15. 前記第1接続部と前記第2接続部は、1つの前記機器用熱交換器のうち水平方向に離れた位置に設けられている、請求項7、8および9のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  16. 前記機器用熱交換器は、重力方向から視て長手方向と短手方向を有する形状であり、前記対象機器に直接接触または熱伝導部材を介して間接的に熱接触する熱交換部(113)を有しており、
    前記第1接続部と前記第2接続部は、前記機器用熱交換器のうち前記熱交換部より長手方向外側の位置に設けられている、請求項1ないし15のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  17. 前記第1接続部は、前記機器用熱交換器のうち前記熱交換部より車両前方側の位置に設けられており、
    前記第2接続部は、前記機器用熱交換器のうち前記熱交換部より車両後方側の位置に設けられており、
    前記第1気相通路は、前記第1接続部から上方または車両前方へ延びる部位(21a)を有し、
    前記第2気相通路は、前記第2接続部から上方または車両後方へ延びる部位(22a)を有している、請求項16に記載の機器温調装置。
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