JP6784182B2 - 鋼板の温度制御方法、及び、鋼板の温度制御装置 - Google Patents

鋼板の温度制御方法、及び、鋼板の温度制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板の温度制御方法、及び、鋼板の温度制御装置に関する。
一般に、鋼板の連続焼鈍設備は、加熱炉、均熱炉、及び冷却炉等によって構成され、設備の入側では、板厚や板幅といったサイズや規格、焼鈍条件が異なる先行材の尾端部と後行材の先端部とを溶接して一つの鋼板として連続的に処理が行われる。ここで、加熱炉では溶接部の前後で各加熱ゾーンの炉温設定値を切り替えることにより、それぞれの焼鈍条件に適するように加熱処理することが目標である。そして最終的に、設備の出側では、鋼板はコイル単位で切断されて出荷されるか、次工程に搬送される。
加熱炉では、ラジアントチューブを用いた輻射加熱によって鋼板を昇温させることが一般的であるが、溶接部を境にして鋼板のサイズ等が異なる状況では、その前後で加熱条件が同じになるため鋼板の温度に変動が生じる。
特許文献1には、加熱炉の入側に誘導加熱装置を配置し、加熱条件を変更したときに予測した加熱炉出側板温と、ライン速度(通板速度)と、操業条件により導出する入口投入熱量残存率とによって、誘導加熱装置で加熱に必要となる鋼板温度変更量を算出し、その算出結果に基づいて、誘導加熱装置の出力を変更することにより、加熱炉出側板温の変動を低減させる鋼板の温度制御方法が開示されている。
特開2005−298941号公報
加熱条件の変更による板厚変化やガス流量変化やライン速度変化に対する、板温変化を特徴づけるパラメータである無駄時間は、ライン速度(通板速度)に依存する。この無駄時間は、板厚変化やガス流量変化やライン速度変化などの影響が板温に現れるまでの時間であるから、この間に誘導加熱装置によって加熱炉の入側における鋼板の温度を変化させても、加熱炉の出側における鋼板の温度には影響がない。
しかしながら、特許文献1に開示された鋼板の温度制御方法においては、鋼板温度変更量の算出の際に用いるライン速度として、ライン速度変更完了後の定常速度を用いているため、無駄時間が経過した後のライン速度変更中における加熱炉出側板温に大きな変動が生じてしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ライン速度変更中における加熱炉出側板温の変動を低減させることができる鋼板の温度制御方法、及び、鋼板の温度制御装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼板の温度制御方法は、入側に誘導加熱装置が配置され、鋼板の通板方向に沿って配置された複数の加熱ゾーンを有する加熱炉の出側における鋼板の温度を測定する板温測定工程と、各加熱ゾーンの炉温を測定する炉温測定工程と、ライン速度変更指令に基づいてライン速度を変更するライン速度変更工程と、前記ライン速度の変更開始から変更終了にかけて、前記加熱炉装入される鋼板に前記通板方向で所定間隔をあけて設定された複数の位置に対して、各加熱ゾーンの通過時間を予測する通過時間予測工程と、前記通過時間予測工程によって予測された前記複数の位置に対する通過時間予測結果と、前記炉温測定工程によって測定された現時刻の炉温測定値とを用いて、前記加熱炉の出側における鋼板の変化が生じないような前記誘導加熱装置の出側における鋼板の温度を、前記加熱炉内における鋼板の温度を計算可能な板温計算モデル式を用いて算出する誘導加熱出側板温計算工程と、前記誘導加熱出側板温計算工程によって算出された前記誘導加熱装置の出側における鋼板の温度となるように、前記誘導加熱装置の出力を変更する誘導加熱出力変更工程と、を有し、前記通過時間予測工程では、各加熱ゾーンの通過時間を予測する際に用いる各加熱ゾーンの入側速度と最終加熱ゾーンの出側速度とを求め各加熱ゾーンの入側速度は加減速中における場合と加減速完了後における場合とに分けて求めることを特徴とするものである。
また、本発明に係る鋼板の温度制御装置は、入側に誘導加熱装置が配置され、鋼板の通板方向に沿って配置された複数の加熱ゾーンを有する加熱炉の出側における鋼板の温度を測定する板温測定部と、各加熱ゾーンの炉温を測定する炉温測定部と、ライン速度変更指令に基づいてライン速度を変更するライン速度変更部と、前記ライン速度の変更開始から変更終了にかけて、前記加熱炉装入される鋼板に前記通板方向で所定間隔をあけて設定された複数の位置に対して、各加熱ゾーンの通過時間を予測する通過時間予測部と、前記通過時間予測部によって求められた前記複数の位置に対する通過時間予測結果と、前記炉温測定部によって測定された現時刻の炉温測定値とを用いて、前記加熱炉の出側における鋼板の変化が生じないような前記誘導加熱装置の出側における鋼板の温度を、前記加熱炉内における鋼板の温度を計算可能な板温計算モデル式を用いて算出する誘導加熱出側板温計算部と、前記誘導加熱出側板温計算部によって算出された前記誘導加熱装置の出側における鋼板の温度となるように、前記誘導加熱装置の出力を変更する誘導加熱出力変更部と、を有し、前記通過時間予測部は、各加熱ゾーンの通過時間を予測する際に用いる各加熱ゾーンの入側速度と最終加熱ゾーンの出側速度とを求め各加熱ゾーンの入側速度は加減速中における場合と加減速完了後における場合とに分けて求めることを特徴とするものである。
本発明に係る鋼板の温度制御方法、及び、鋼板の温度制御装置は、ライン速度変更中における加熱炉出側板温の変動を低減させることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る鋼板の温度制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、第i加熱ゾーンにおける速度パターンの一例を示すグラフである。 図3は、ニュートン法による誘導加熱出側板温の収束計算フローを示す図である。 図4は、従来法における鋼板の温度制御装置の構成を示すブロック図である。 図5(a)は、本発明法と従来法とにおけるライン速度を示すグラフである。図5(b)は、本発明法と従来法とにおける誘導加熱出側板温を示すグラフである。図5(c)は、本発明法と従来法とにおける加熱炉出側温度を示すグラフである。
以下に、本発明に係る鋼板の温度制御方法、及び、鋼板の温度制御装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る鋼板の温度制御装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施形態に係る鋼板の温度制御装置1は、鋼板の通板方向に沿って配置されたN(≧1)個(本実施形態では第1加熱ゾーン〜第5加熱ゾーンの5個)の加熱ゾーンを有する加熱炉と、加熱炉入側に設けられた誘導加熱装置2と、を具備した連続焼鈍設備における鋼板の温度を制御する装置である。なお、図1においては、5個の加熱ゾーンを有する加熱炉を例示しているが、1個以上の加熱ゾーンを有する加熱炉であれば、本発明は適用可能である。
鋼板の温度制御装置1は、板温測定部11、ライン速度変更部12、炉温測定部13、通過時間予測部14、誘導加熱出側板温計算部15、及び、誘導加熱出力変更部16などを主な構成要素として備えている。
ここで、加熱炉における昇温モデル式について説明する。加熱炉における鋼板温度の昇温計算は、数式(1)の方程式に従って計算できる。なお、数値計算上、下記(1)式は、適当な時間ステップΔtで離散化して差分計算することになる。下記(1)式中、ρは鋼板の比熱[kcal/kg/K]、Cは鋼板の比重[kg/m3]、hは鋼板の板厚[m]、Tsは鋼板の温度[℃]、Twは炉温[℃]、φcgは総括熱伝達係数[−]、σはステファンボルツマン定数(=1.3565e-11[kcal/s/m2/K4]、tは時間[s]を示している。
Figure 0006784182
そして、複数の加熱ゾーンを有する加熱炉では、加熱ゾーン毎の炉温を設定することによって、加熱炉入側から加熱炉出側にかけての板温を計算することができる。ここで、初期板温は、加熱ゾーン入側での温度を設定すれば良い。
ライン速度変更部12は、プロセスコンピュータ3から出力されたライン速度変更指令を受信してライン速度を変更する。同様に、通過時間予測部14は、ライン速度変更部12へのライン速度変更指令タイミングで、プロセスコンピュータ3から出力されたライン速度変更指令を受信する。そして、通過時間予測部14は、下記の手順1〜手順5により、ライン速度変更部12によるライン速度の変更開始から変更終了にかけて、加熱炉装入される鋼板の通板方向位置(長手位置)のうち、ライン速度変更開始時点での位置とライン速度変更終了時点での位置との2点を少なくとも含む複数の位置に対して、各加熱ゾーンの通過時間を予測する。また、説明上、通過時間の予測対象となる前記複数の位置は、ライン速度変更開始時点において、加熱炉の装入される鋼板の通板方向位置(長手位置)を位置0(k=0)とし、ライン速度変更終了時点において、加熱炉の装入される鋼板の通板方向位置(長手位置)を位置N(k=N)として、位置0から位置Nまでを等間隔にN点に分けている
まず、手順1として、下記(2)式を用いて加減速開始から加減速完了までの時間tacc[s]を求める。なお、下記(2)式中、αは加速率[m/s2]、dVは速度変更量[m/s]を示している。
Figure 0006784182
なお、以下の手順2〜手順5では、k=0,1,2,・・・Nに対して計算を行う。
次に、手順2として、下記(3)式を用いて、k=1,2,・・・Nにおける誘導加熱計算用初期速度V0(k)[m/s]、を求める。なお、下記(3)式中、V0は加減速前速度[m/s]、Nは誘導加熱計算分割数[−]を示している。
Figure 0006784182
次に、手順3として、下記(4)式を用いて、k番目の鋼板位置における加減速開始から加減速完了までの距離である加減速距離l(k)[m]を求める。
Figure 0006784182
次に、手順4として、第i加熱ゾーン入側速度と最終加熱ゾーン出側速度とを求める。
まず、k番目の鋼板位置における第1加熱ゾーンの入側速度V(1,k)[m/s]は、下記(5)式により求まる。
Figure 0006784182
次に、k番目の鋼板位置における第i加熱ゾーン(2≦i≦5)の入側速度V(i,k)[m/s]は、加減速中と加減速完了後とに分けて求める。なお、下記(6)式〜下記(8)式中、Lz(j)は、各加熱ゾーンの通板方向における設備長である区間距離(j=1〜5)を示している。
まず、下記(6)式の関係を満たすライン速度の加減速中における第i加熱ゾーン(2≦i≦5)の入側速度V(i,k)[m/s]は、下記(7)式により求まる。
Figure 0006784182
Figure 0006784182
一方、下記(8)式の関係を満たすライン速度の加減速完了後における第i加熱ゾーン(2≦i≦5)の入側速度V(i,k)は、下記(9)式により求まる。
Figure 0006784182
Figure 0006784182
そして、最終加熱ゾーン出側速度(第5加熱ゾーン出側速度)は、ライン速度の加速減完了後における第i加熱ゾーン(2≦i≦5)の入側速度V(i,k)と同じであることから、上記(9)式により求まる。
次に、手順5として、第i加熱ゾーンの通過時間を求める。
図2は、第i加熱ゾーンにおける速度パターンの一例を示すグラフである。図2に示すような第i加熱ゾーンにおける速度パターンにおいて、k番目の鋼板位置が、第i加熱ゾーンを通過する通過時間t(i,k)[s]を求めることを考える。この通過時間t(i,k)[s]は、第i加熱ゾーン内における加速時間t1と一定速度時間t2との和によって求めることができる。なお、手順4において、第i加熱ゾーン入側速度と最終加熱ゾーン出側速度とが求められていることに注意して計算する。
まず、図2に示す第i加熱ゾーン内における加速時間t1[s]の区間の距離である加速距離x1[m]は、下記(10)式により求まる。
Figure 0006784182
次に、図2に示す第i加熱ゾーン内における一定速度時間t2[s]の区間の距離である一定速度距離x2[m]は、下記(11)式により求まる。
Figure 0006784182
ここで、加熱炉内における第i加熱ゾーン(1≦i≦5)の区間距離Lz(i)は、上述したように各加熱ゾーンの通板方向における設備長から与えられており、下記(12)式により一定速度時間t2[s]が求まる。
なお、本実施形態においては、第i加熱ゾーン(1≦i≦5)の区間距離Lz(i)が、第1加熱ゾーンの区間距離Lz(1)=20.4[m]、第2加熱ゾーンの区間距離Lz(2)=5.1[m]、第3加熱ゾーンの区間距離Lz(3)=5.1[m]、第4加熱ゾーンの区間距離Lz(4)=5.1[m]、第5加熱ゾーンの区間距離Lz(5)=5.1[m]として与えられている。
Figure 0006784182
また、加速時間t1[s]は、下記(13)式により求まる。
Figure 0006784182
このようにして求めた、第i加熱ゾーンにおける加速時間t1[s]と一定速度時間t2[s]との和から、第i加熱ゾーン通過時間t(i,k)[s]が求まる。
続いて、誘導加熱出側板温計算部15について説明する。誘導加熱出側板温計算部15は、加熱炉出側で板温変動が最小となる誘導加熱装置出側における板温を求めるものである。板温測定部11は、ライン速度変更指令タイミングで加熱炉出側における板温を測定し、その測定した板温の値を誘導加熱出側板温計算部15に伝送する。また、炉温測定部13は、ライン速度変更指令タイミングにおいて、加熱炉内の各加熱ゾーンの炉温の実績値を測定し、その測定した実績値を誘導加熱出側板温計算部15に伝送する。また、誘導加熱出側板温計算部15は、通過時間予測部14から各加熱ゾーンの通過時間の予測結果も受信する。
ここで、k番目の鋼板位置における加熱炉出側板温計算値を、T0=f(TIH,t(i,k),TW(i),ρ,C,H,φCG,σ)で表す。関数fは、数式(1)に基づく昇温モデル式である。また、TIHは、誘導加熱出側板温(板温計算の初期値)である。また、TW(i)は、各加熱ゾーンの炉温測定値(炉温測定部13による測定値)である。
図3は、ニュートン法による誘導加熱出側板温の収束計算フローを示す図である。誘導加熱出側板温計算部15は、図3に示すニュートン法により、加熱炉出側板温計算値T0が出側板温目標値Taimに対して誤差ε[℃]以内になるよう収束計算を行って、誘導加熱出側板温の計算値を求める。
すなわち、誘導加熱出側板温計算部15によるニュートン法による誘導加熱出側板温の収束計算では、まず、収束計算の回数を示す変数「Loop」に「1」を代入し(S1)、誘導加熱出側温度を示す変数「TIH」に誘導加熱出側温度の初期値「TIH0」を代入する(S2)。次に、誘導加熱出側板温計算部15は、加熱炉出側板温計算値T0を算出するとともに、変数「Loop」に「Loop+1」を代入する(S3)。そして、誘導加熱出側板温計算部15は、加熱炉出側板温計算値T0が出側板温目標値Taimに対して誤差ε[℃]以内であるか、変数「Loop」が予め設定されたn回を超えたかを判断する(S4)。なお、出側板温目標値Taimとしては、板温測定部11による測定値でも良いし、加速前のライン速度から求めた加熱炉出側板温計算値でも良い。
加熱炉出側板温計算値T0が出側板温目標値Taimに対して誤差ε[℃]以内でない、または、変数「Loop」が予め設定されたn回を超えていないと、誘導加熱出側板温計算部15が判断したら(S4でNo)、誘導加熱出側板温計算部15は、ニュートン法によって加熱炉出側板温計算値T0が出側板温目標値Taimに対して誤差ε[℃]以内になるよう収束計算を行う(S5)。そして、加熱炉出側板温計算値T0が出側板温目標値Taimに対して誤差ε[℃]以内に収束するか、変数「Loop」が予め設定されたn回を超えたと、誘導加熱出側板温計算部15が判断したら(S4でYes)、誘導加熱出側板温計算部15はニュートン法による誘導加熱出側板温の収束計算を終了する。
そして、そのときの収束計算における誘導加熱出側板温の計算値を、誘導加熱出側板温計算部15から誘導加熱出力変更部16に伝送し、誘導加熱出力変更部16が誘導加熱装置2の出力を変更する。なお、誘導加熱出側板温計算部15における板温計算モデル式は、現時刻のライン速度と炉温測定値とを、板温計算モデル式の入力として求めた板温予測値の測定値との誤差で補正してもよい。
[実施例]
本発明法(実施形態に係る鋼板の温度制御方法)の有効性をシミュレーションにより検証した。なお、各加熱ゾーンの設定値を以下の表1に示し、鋼板の設定値を以下の表2に示す。また、速度変更量dVとして、0.05[m/s]、加速率αは、8.3333e-4[m/s2]とする。そして、設計パラメータである誘導加熱計算分割数Nは5とした。
Figure 0006784182
Figure 0006784182
また、図1に示す鋼板の温度制御装置1を用いた本発明法との比較のために、従来法における鋼板の温度制御装置の構成を示すブロック図を図4に示す。図4に示すように、従来法における鋼板の温度制御装置100は、鋼板の通板方向に沿って配置された5個の加熱ゾーン(第1加熱ゾーン〜第5加熱ゾーン)を有する加熱炉と、加熱炉入側に設けられた誘導加熱装置102と、を具備した連続焼鈍設備における鋼板の温度を制御する装置である。従来法における鋼板の温度制御装置100は、板温測定部111、ライン速度変更部112、炉温測定部113、誘導加熱出側板温計算部115、及び、誘導加熱出力変更部116などを主な構成要素として備えている。一方、従来法における鋼板の温度制御装置100は、本発明法における鋼板の温度制御装置1が備える通過時間予測部14に相当するものを備えていない。そのため、誘導加熱出側板温計算部115では、ライン速度の加減速途中の状態を考慮せず、ライン速度変更完了速度を用いて、加熱炉出側板温の変動を低減できる誘導加熱出側板温を求めるものとする。なお、ライン速度変更部103及び誘導加熱出側板温計算部115には、プロセスコンピュータ103からライン速度変更指令が出力される。
図5(a)は、本発明法と従来法とにおけるライン速度を示すグラフである。図5(b)は、本発明法と従来法とにおける誘導加熱出側板温を示すグラフである。図5(c)は、本発明法と従来法とにおける加熱炉出側温度を示すグラフである。
図5(a)に示すように、ライン速度は本発明法と従来法とで同じように変更にさせており、ライン速度の変更が65[s]あたりで完了している。図5(b)において、従来法では、ライン速度変更完了後の定常速度を用いて、誘導加熱出側板温を設定するのに対して、本発明法では、ライン速度の加減速中と加減速完了後との速度予測に基づいて、複数の鋼板位置における誘導加熱出側板温を設定している。
本発明法と従来法とにおいては、図5(c)に示すように、45[s]あたりまで無駄時間が存在している。そして、本発明法では、無駄時間が経過した直後から、加熱炉出側板温が目標値に収束している。一方、従来法では、100[s]を経過しても加熱炉出側板温が目標値に収束しておらず、本発明法のほうが従来法よりも加熱炉出側板温の収束性が良いことがわかる。このように、本発明法においては、従来法よりも、無駄時間が経過した後のライン速度変更中における加熱炉出側板温の変動を低減させることができる。
1 温度制御装置
2 誘導加熱装置
3 プロセスコンピュータ
11 板温測定部
12 ライン速度変更部
13 炉温測定部
14 通過時間予測部
15 誘導加熱出側板温計算部
16 誘導加熱出力変更部

Claims (2)

  1. 入側に誘導加熱装置が配置され、鋼板の通板方向に沿って配置された複数の加熱ゾーンを有する加熱炉の出側における鋼板の温度を測定する板温測定工程と、
    各加熱ゾーンの炉温を測定する炉温測定工程と、
    ライン速度変更指令に基づいてライン速度を変更するライン速度変更工程と、
    前記ライン速度の変更開始から変更終了にかけて、前記加熱炉装入される鋼板に前記通板方向で所定間隔をあけて設定された複数の位置に対して、各加熱ゾーンの通過時間を予測する通過時間予測工程と、
    前記通過時間予測工程によって予測された前記複数の位置に対する通過時間予測結果と、前記炉温測定工程によって測定された現時刻の炉温測定値とを用いて、前記加熱炉の出側における鋼板の変化が生じないような前記誘導加熱装置の出側における鋼板の温度を、前記加熱炉内における鋼板の温度を計算可能な板温計算モデル式を用いて算出する誘導加熱出側板温計算工程と、
    前記誘導加熱出側板温計算工程によって算出された前記誘導加熱装置の出側における鋼板の温度となるように、前記誘導加熱装置の出力を変更する誘導加熱出力変更工程と、
    を有し、
    前記通過時間予測工程では、
    各加熱ゾーンの通過時間を予測する際に用いる各加熱ゾーンの入側速度と最終加熱ゾーンの出側速度とを求め各加熱ゾーンの入側速度は加減速中における場合と加減速完了後における場合とに分けて求めることを特徴とする鋼板の温度制御方法。
  2. 入側に誘導加熱装置が配置され、鋼板の通板方向に沿って配置された複数の加熱ゾーンを有する加熱炉の出側における鋼板の温度を測定する板温測定部と、
    各加熱ゾーンの炉温を測定する炉温測定部と、
    ライン速度変更指令に基づいてライン速度を変更するライン速度変更部と、
    前記ライン速度の変更開始から変更終了にかけて、前記加熱炉装入される鋼板に前記通板方向で所定間隔をあけて設定された複数の位置に対して、各加熱ゾーンの通過時間を予測する通過時間予測部と、
    前記通過時間予測部によって求められた前記複数の位置に対する通過時間予測結果と、前記炉温測定部によって測定された現時刻の炉温測定値とを用いて、前記加熱炉の出側における鋼板の変化が生じないような前記誘導加熱装置の出側における鋼板の温度を、前記加熱炉内における鋼板の温度を計算可能な板温計算モデル式を用いて算出する誘導加熱出側板温計算部と、
    前記誘導加熱出側板温計算部によって算出された前記誘導加熱装置の出側における鋼板の温度となるように、前記誘導加熱装置の出力を変更する誘導加熱出力変更部と、
    を有し、
    前記通過時間予測部は、
    各加熱ゾーンの通過時間を予測する際に用いる各加熱ゾーンの入側速度と最終加熱ゾーンの出側速度とを求め各加熱ゾーンの入側速度は加減速中における場合と加減速完了後における場合とに分けて求めることを特徴とする鋼板の温度制御装置。
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