JP7052671B2 - 金属帯の温度制御方法及び温度制御装置 - Google Patents

金属帯の温度制御方法及び温度制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属帯の温度制御方法及び温度制御装置に関する。
一般に、連続焼鈍後の金属帯は、冷却帯においてガスジェットを用いて目標温度となるように冷却される。溶融金属めっき鋼板を製造する際には、めっき浴中に侵入する金属帯の温度が目標温度管理範囲を外れると、不めっき、冷却ムラ、さざ波と呼ばれる表面欠陥不良を発生させてしまうため、金属帯の温度を厳密に管理する必要がある。このため、溶融金属めっきの前工程である焼鈍に続く冷却帯における金属帯の温度制御精度を向上させることは重要であり、特許文献1~3には操業条件が変更された場合の高精度な温度制御方法が提案されている。
具体的には、特許文献1には、ライン速度や板厚等の操業条件が変更された場合、変更後の操業条件をパラメータとして含むモデル式を用いてめっき浴へ侵入する前の特定位置での金属帯の目標温度を算出し、操業条件変更時又は一定の時間間隔毎に新たな目標温度を設定することによって温度制御の精度及び応答性を改善する技術が記載されている。
また、特許文献2には、ライン速度や板厚等の操業条件が変更された場合、モデル式を用いてプレナムチャンバ圧力(ガスジェット圧力)の変更量を予め計算しておき、溶接点が所定の場所に到達した時点でプレナムチャンバ圧力を変更することにより、操業条件の変更に伴う金属帯の温度変動を改善する技術が記載されている。
さらに、特許文献3には、操業条件の変更時等の過渡期において、板厚測定値やライン速度の変更量及び変化率等をパラメータとして用いて、金属帯の温度が目標温度に収束した際に安定すべきブロワ回転数の定常解を予め演算してブロワ回転数指令値とするフィードフォワード制御の技術が記載されている。
特開2005-29890号公報 特開昭61-257424号公報 特開2005-220432号公報
特許文献1に記載の技術は、操業条件が変更された場合、金属帯の特定位置での目標温度を再計算して変更し、冷却帯で冷却制御を行うことによって浴侵入板温度を変えてめっき浴の温度を制御し、温度制御の応答性を改善している。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、制御量はフィードバック制御によって出力されるものであり、金属帯の温度を測定することを前提としているため、応答に遅れが生じる。すなわち、特許文献1に記載の技術によれば、フィードバック制御出力は大きくなるものの、金属帯の温度が徐々に目標温度となるような制御をしているため、ライン速度が変化する過渡期においては、目標温度外れが発生する。このため、応答速度が必ずしも十分であるとはいえない。
一方、特許文献2に記載の技術は、板厚の変化点(溶接点)については、所定の場所に溶接点が到達した時点で予め計算によって求めたプレナムチャンバ圧力に変更することにより温度制御精度を改善している。しかしながら、特許文献2に記載の技術では、ライン速度の変更時においては、ライン速度変更時点でプレナムチャンバ圧力を変更しなければ目標温度外れが発生してしまうため、プレナムチャンバ圧力の変更タイミングとしては適切ではない。
また、特許文献3に記載の技術は、フィードフォワード的に冷却ブロワ回転数、すなわち、ガスジェットの圧力を変更して操業条件変更の過渡期における温度制御の応答性を改善している。しかしながら、特許文献3に記載の技術では、フィードフォワードで設定するブロワ回転数指令値が金属帯の温度が目標温度に収束した際に安定すべき値となっているため、加減速時間が十分に長い場合、冷却帯を加減速して通過する期間の金属帯に関しては目標温度外れが発生してしまう。また、ブロワ回転数指令値はモデル計算で演算した値を使用しているため、モデル計算の精度がそのまま冷却精度に直結する。例えばライン速度のみが増加する場合、ガスジェットの圧力は必ず上昇方向に操作することになるが、モデル計算を指令値として用いる場合は、圧力実績値よりも必ずしも大きな値となる保証がないため、フィードフォワードの操作としては適切ではない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ライン速度変更の過渡期においてガスジェット圧力の変更タイミングを最適化し、冷却帯出側における金属帯の温度変動を低減可能な金属帯の温度制御方法及び温度制御装置を提供することにある。
本発明に係る金属帯の温度制御方法は、ガスジェット方式の冷却帯において連続焼鈍後の金属帯を冷却することによって該金属帯の温度を目標温度に制御する金属帯の温度制御方法であって、ライン速度の変更開始時点から加速又は減速して前記冷却帯を通過する前記金属帯の通板方向位置と、ライン速度の変更完了後の速度で前記冷却帯を通過する前記金属帯の通板方向位置と、を少なくとも含む前記金属帯の複数の通板方向位置について、前記冷却帯の通過時間を予測する第1ステップと、前記金属帯の複数の通板方向位置について、前記第1ステップにおいて予測された通過時間を用いて前記冷却帯の出側における前記金属帯の温度を算出する第2ステップと、前記金属帯の通板方向の任意の位置について、ライン速度の変更前の一定速度での前記冷却帯の通過時間を予測する第3ステップと、前記金属帯の通板方向の任意の位置について、前記第3ステップにおいて予測された通過時間を用いて前記冷却帯の出側における前記金属帯の温度を算出する第4ステップと、前記第2ステップにおいて算出された前記金属帯の温度が前記第4ステップにおいて算出された前記金属帯の温度となるように、前記金属帯の複数の通板方向位置において前記冷却帯のガスジェット圧力量を段階的に変更する第5ステップと、を含む。
本発明に係る金属帯の温度制御装置は、ガスジェット方式の冷却帯において連続焼鈍後の金属帯を冷却することによって該金属帯の温度を目標温度に制御する金属帯の温度制御装置であって、ライン速度の変更開始時点から加速又は減速して前記冷却帯を通過する前記金属帯の通板方向位置と、ライン速度の変更完了後の速度で前記冷却帯を通過する前記金属帯の通板方向位置と、を少なくとも含む前記金属帯の複数の通板方向位置について、前記冷却帯の通過時間を予測する第1手段と、前記金属帯の複数の通板方向位置について、前記第1手段によって予測された通過時間を用いて前記冷却帯の出側における前記金属帯の温度を算出する第2手段と、前記金属帯の通板方向の任意の位置について、ライン速度の変更前の一定速度での前記冷却帯の通過時間を予測する第3手段と、前記金属帯の通板方向の任意の位置について、前記第3手段によって予測された通過時間を用いて前記冷却帯の出側における前記金属帯の温度を算出する第4手段と、前記第2手段によって算出された前記金属帯の温度が前記第4手段によって算出された前記金属帯の温度となるように、前記金属帯の複数の通板方向位置において前記冷却帯のガスジェット圧力量を段階的に変更する第5手段と、を備える。
本発明に係る金属帯の温度制御方法及び温度制御装置によれば、ライン速度変更の過渡期においてガスジェット圧力の変更タイミングを最適化し、冷却帯出側における金属帯の温度変動を低減させることができる。
図1は、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御方法が適用される溶融金属めっき鋼板の製造ラインの構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、実施例における制御点を示すである。 図4は、実施例におけるライン速度の変化の様子を示すグラフである。 図5は、本発明法及び従来法におけるガスジェット圧力の変更量を示すグラフである。 図6は、本発明法及び従来法における冷却帯出側板温を示すグラフである
一般に、先行する金属帯と後行する金属帯とを溶接によって順次接続した複数の金属帯を連続的に焼鈍炉で加熱してガスジェット方式の冷却帯で冷却した後、例えば溶融金属めっき処理を施すことにより溶融金属めっき鋼板を製造する過程において、金属帯の搬送速度(ライン速度)が変更されることがある。搬送速度が変更されると、冷却帯での冷却条件変更が追随できずに、冷却帯出側での温度にばらつきが発生する場合があるが、例えば、溶融金属めっきを行う場合、めっき浴温度の制御のために、金属帯の浴侵入温度は重要な制御項目であり、冷却帯出側の温度を制御することが必要になる。本発明に係る金属帯の温度制御方法では、金属帯の板厚、比熱、比重、冷却帯入側温度、ガスジェットの冷却風温度、冷却帯の熱伝達係数、及び冷却帯の通過時間を用いて、冷却帯での金属帯の冷却量、つまり冷却帯出側における金属帯の温度(以下、板温と表記)を算出する。
具体的には、本発明に係る金属帯の温度制御方法では、まず、金属帯Sの通板方向の任意の位置について、ライン速度変更前の冷却帯出側の板温を板温計算モデル式を用いて算出する。次に、冷却帯入側にある点がライン速度変更開始時から加減速中又は加減速が完了して冷却帯を通過する時間を算出し、算出された通過時間変化によって変動する冷却帯出側の板温を予め板温計算モデル式を用いて算出する。つまり、ガスジェットの圧力変更はないものとして、冷却帯の通過時間だけが変化することによって冷却帯出側の板温がどの程度変化するのかを板温計算モデル式を用いて算出する。次に、加減速が完了した時点で冷却帯入側にある点が加減速完了後の等速度で冷却帯を通過する時間を算出し、算出された通過時間変化によって変動する冷却帯出側の板温を板温計算モデル式を用いて算出する。そして、上記のようにして予め計算したライン速度変更後の板温計算値がライン速度変更前の板温計算値となるように、収束計算によってガスジェットの圧力変更量を算出する。なお、ガスジェット圧力の変更タイミングは少なくとも2点以上設ける。例えば、加減速開始時に冷却帯入側にある点が冷却帯を通過する場合と加減速完了時に冷却帯入側にある点が冷却帯を通過する場合とでは冷却帯を通過する時間が異なるため、冷却帯出側の板温が変化する。このため、この2点において段階的にガスジェット圧力を変更することでより高い温度制御精度を達成できる。
以下、上記の概念に基づいて想倒された、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御方法について説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御方法が適用される溶融金属めっき鋼板の製造ラインの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御方法が適用される溶融金属めっき鋼板の製造ラインの構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御方法が適用される溶融金属めっき鋼板の製造ライン1では、金属帯Sは、加熱帯2において所定温度まで加熱された後、冷却帯3において冷却されて温度調整される。冷却帯3内のガスジェットノズル4からは金属帯Sに冷却ガスが吹き付けられ(ガスジェット冷却)、温度調整された金属帯Sは、スナウト5内を通ってめっき浴6に侵入する。冷却帯3の出側には板温計7が配置されており、冷却帯3の出側における板温が測定される。板温計7によって測定された板温を示す電気信号は制御装置8へ入力される。制御装置8は、上位計算機9から入力される板温目標値と板温計7により測定された板温測定値との差がゼロとなるようにダンパ10の開度を調整する。具体的には、冷却帯3内の雰囲気ガスを熱交換器11により冷却し、ファン12を用いて金属帯Sに高圧の雰囲気ガスを吹き付けることにより、金属帯Sを急冷する。
なお、冷却帯3でのガスジェット冷却による板温は、以下の数式(1)に示す板温計算モデル式を用いて計算することができる。数式(1)中、Tは冷却帯出側板温[℃]、Tは冷却ガスの温度[℃]、Tは冷却帯入側板温[℃]、Aは定数[-]、Pはガスジェット圧力[Pa]、xは係数[-]、cは金属帯Sの比熱[cal/(kg・K)]、ρは金属帯の比重[kg/m]、Dは金属帯の厚さ[m]、tは冷却帯の通過時間[sec]を示している。
Figure 0007052671000001
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御処理について説明する。図2は、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御処理の流れを示すフローチャートである図2に示すフローチャートは、制御装置8にライン速度変更指令が入力されたタイミングで開始となり、温度制御処理はステップS1の処理に進む。
図2に示すように、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御処理では、まず、制御装置8が、金属帯Sの複数の通板方向位置について冷却帯3を通過する時間を演算する(ステップS1)。次に、制御装置8は、ステップS1の処理において算出された通過時間を用いて、金属帯の複数の通板方向位置について冷却帯を通過するまでの板温の変化量を予測し(ステップS2)、ライン速度変更後の板温がライン速度変更前の板温となるようなガスジェット圧力を収束計算する(ステップS3)。そして、制御装置8は、収束計算されたガスジェット圧力となるようにガスジェット圧力の変更量を算出し(ステップS4)、算出されたガスジェット圧力の変更量に基づいて金属帯の複数の通板方向位置においてガスジェット圧力を段階的に変更するようにダンパ10の開度を制御する(ステップS5,S6)。
より具体的には、本発明の一実施形態である温度制御処理では、まず、制御装置8は、以下に示す数式(2)を用いてライン速度の加速開始から加速完了までの時間tを算出する。ここで、数式(2)において、Vは加速前の金属帯Sの速度[m/min]、Vは加速完了後の金属帯Sの速度[m/min]、αは加速率[m/s]を示す。次に、制御装置8は、以下に示す数式(3)を用いて加速完了までに金属帯Sが進む距離x[m]を算出する。次に、制御装置8は、冷却帯3の設備長L[m]と加速完了までに金属帯Sが進む距離x[m]とを比較する。
Figure 0007052671000002
Figure 0007052671000003
まず、比較の結果、金属帯Sが進む距離x[m]の方が設備長L[m]よりも長い場合を考える。この場合、加速開始時に冷却帯3内入側にある点(制御点1)は冷却帯3内を等加速度で通過する。また、加速完了した時点で冷却帯3入側にある点(制御点2)は冷却帯3内を等速度で通過する。この制御点1と制御点2とでは、冷却帯3を通過する時間が異なるため、冷却帯3出側での板温が異なる。そこでまず、制御装置8は、制御点1が冷却帯3を通過する時間tを以下に示す数式(4)を用いて算出する。次に、制御装置8は、制御点2が冷却帯3を通過する時間tを以下に示す数式(5)を用いて算出する。
Figure 0007052671000004
Figure 0007052671000005
次に、制御装置8は、制御点1が冷却帯を時間tで通過することで変化する板温を数式(1)に示す板温計算モデル式を用いて計算し、算出された板温が速度変更前の板温となるようなガスジェット圧力P1[Pa]収束計算(ニュートン法)のフローに従って計算する
次に、制御装置8は、制御点2が冷却帯を時間tで通過することで変化する板温を数式(1)に示す板温計算モデル式を用いて計算し、算出された板温が速度変更前の板温となるような圧力P2[Pa]収束計算のフローに従って計算する。そして、求めた圧力P1,P2への変更タイミングは、圧力P1に関しては、加速開始と同時に圧力を圧力P1に変更し、圧力P2に関しては制御点2が冷却帯入側に到達した時点で圧力P2に変更する。制御点2が冷却帯入側に到達する時間は、上記数式(2)で求めた時刻となる。
一方、金属帯Sが進む距離x[m]の方が設備長L[m]よりも短い場合には、加速開始時に冷却帯入側にある点(制御点1)は、冷却帯内で加速完了し、等速度で冷却帯内を通過する。また、加速完了した時点で冷却帯入側にある点(制御点2)は、冷却帯内を等速度で通過する。この制御点1と制御点2とでは、冷却帯を通過する時間が異なるため、冷却帯出側での板温が異なる。そこで、まず、制御装置8は、制御点1が冷却帯を通過する時間tを以下に示す数式(6)を用いて算出する。次に、制御装置8は、制御点2が冷却帯3を通過する時間tを上記数式(5)を用いて算出する。
Figure 0007052671000006
次に、制御装置8は、制御点1が冷却帯を時間tで通過することで変化する板温を数式(1)に示す板温計算モデル式を用いて計算し、算出された板温が速度変更前の板温となるような圧力P3収束計算のフローに従って計算する。次に、制御装置8は、制御点2が冷却帯を時間tで通過することで変化する板温を数式(1)に示す板温計算モデル式を用いて計算し、算出された板温が速度変更前の板温となるような圧力P4収束計算のフローに従って計算する。求めた圧力P3,P4への変更タイミングは、圧力P3に関しては、加速開始と同時に圧力をP3に変更し、圧力P4に関しては制御点2が冷却帯入側に到達した時点で圧力P4に変更する。制御点2が冷却帯入側に到達する時間は、上記数式(2)により求めた時刻となる。なお、上記手法は、加速の場合に関して記述しているが、減速の場合も計算式を変更するだけで同様の考え方を適用できる。これにより、金属帯の温度制御処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である金属帯の温度制御処理では、ライン速度変更時の過渡期において、冷却帯出側の金属帯Sの板温を冷却モデル計算で予測し、予測された板温がライン速度変更前の板温となるように、ライン速度変更時に加速開始時点から加速して冷却帯を通過する点と、ライン速度変更完了後の速度で冷却帯を通過する点において段階的にガスジェットの圧力をフィードフォワード的に変更するようにしたので、ライン速度変更時の過渡期における板温制御をより高精度に行うことができる。また、この結果、目標温度管理範囲外れとなる部分を減少させて表面欠陥不良の発生を抑制できる。また、浴中ドロスの発生自体を減少させることができるので、プレス加工時、ドロス付着に起因する不良発生率の低い溶融金属めっき鋼板を製造できる。なお、段階的にガスジェットの圧力を変更するタイミングは、任意の時間(計算値)で行うことが望ましいが、トラッキングを利用してもよい。さらに、加速完了までに段階的に圧力変更を行う回数は、限定されるものではなく設備の応答性を考慮して任意の回数で段階的に変更することが望ましい。
本実施例では、本発明に係る金属帯の温度制御方法の有効性をシミュレーションによって検証した。図は本シミュレーションにおける制御点を示す図である。本シミュレーションでは、冷却帯が3ゾーンある場合を想定している。今回、加速開始時に3ゾーン入側にある点を制御点A(図(a)参照)、加速開始時に2ゾーン入側にある点を制御点B(図(b)参照)、加速開始時に1ゾーン入側にある点を制御点Cとし(図(c)参照)、加速完了時点で冷却帯入側に到達する点を制御点D(図(d)参照)としている。ガスジェット圧力の変更タイミングとしては各制御点が冷却帯の各ゾーン入側に到達した時点で3ゾーンのガスジェット圧力(3ゾーン圧力)を変更する(図(e)参照)。
は、本シミュレーションにおけるライン速度の変化の様子を示すグラフである。図は、本発明法及び従来法におけるガスジェット圧力の変更量を示すグラフである。図は、本発明法及び従来法における冷却帯出側板温を示すグラフである。なお、本シミュレーションでの板温制御はフィードフォワード制御のみを使用している。図に示すように、ライン速度は、本発明法及び従来法共に120[mpm]から130[mpm]に変更されている。図に示すように、従来法ではライン速度変更完了後の定常速度で板温変化がなくなるように、加速開始時に3ゾーン圧力を変更しているのに対して、本発明法では、ライン速度の加速中と加速完了後との冷却帯通過時間予測に基づいて、金属帯の搬送方向の複数の位置(制御点)において3ゾーン圧力を段階的に変更している。
に示すように、従来法での冷却帯出側板温は、加速開始と同時に3ゾーン圧力を最終目標値へ一気に変更するため、加速開始時点では過冷却となっている。これに対して、本発明法では、3ゾーン圧力を段階的に上げていくため従来法に比べて精度よく冷却帯出側板温を制御できている。また、本発明法ではモデル計算上でのガスジェット圧力変更量を操業中の圧力実績値に補正する形で加えるため、モデル計算値をそのまま指令値として用いるよりもガスジェット圧力外れ(目標板温外れ)のリスクが少ない。これは、加速でガスジェット圧力を上げる方向、減速でガスジェット圧力を下げる方向と補正方向が常に決まっているためである。このように、本発明法によれば、従来法よりもライン速度変更中における冷却帯出側の板温変動を低減できることが確認された。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 溶融金属めっき鋼板の製造ライン
2 加熱帯
3 冷却帯
4 ガスジェットノズル
5 スナウト
6 めっき浴
7 板温計
8 制御装置
9 上位計算機
10 ダンパ
11 熱交換器
12 ファン
S 金属帯

Claims (2)

  1. ガスジェット方式の冷却帯において連続焼鈍後の金属帯を冷却することによって該金属帯の温度を目標温度に制御する金属帯の温度制御方法であって、
    ライン速度変更指令が入力されるのに応じて、ライン速度の変更開始時に前記冷却帯内にある前記金属帯の通板方向位置である第一位置と、ライン速度の変更完了時に前記冷却帯の入側にある前記金属帯の通板方向位置である第二位置と、について、前記冷却帯の通過時間を予測する第1ステップと、
    前記第一位置及び前記第二位置について、前記第1ステップにおいて予測された通過時間とガスジェット圧力を用いて前記冷却帯の出側における前記金属帯の温度を算出する第2ステップと、
    前記第一位置及び前記第二位置について、ライン速度の変更前の一定速度での前記冷却帯の通過時間を予測する第3ステップと、
    前記第一位置及び前記第二位置について、前記第3ステップにおいて予測された通過時間とガスジェット圧力を用いて前記冷却帯の出側における前記金属帯の温度を算出する第4ステップと、
    前記第一位置について、前記第2ステップにおいて算出された前記金属帯の温度が前記第4ステップにおいて算出された前記金属帯の温度となる前記冷却帯のガスジェット圧力量を第一圧力量として算出し、前記第二位置について、前記第2ステップにおいて算出された前記金属帯の温度が前記第4ステップにおいて算出された前記金属帯の温度となる前記冷却帯のガスジェット圧力量を第二圧力量として算出し、ライン速度の変更開始時に前記冷却帯のガスジェット圧力量を第一圧力量に変更し、前記第二位置が前記冷却帯の入側に到達した時点で前記冷却帯のガスジェット圧力量を第二圧力量に変更する第5ステップと、
    を含むことを特徴とする金属帯の温度制御方法。
  2. ガスジェット方式の冷却帯において連続焼鈍後の金属帯を冷却することによって該金属帯の温度を目標温度に制御する金属帯の温度制御装置であって、
    ライン速度変更指令が入力されるのに応じて、ライン速度の変更開始時に前記冷却帯内にある前記金属帯の通板方向位置である第一位置と、ライン速度の変更完了時に前記冷却帯の入側にある前記金属帯の通板方向位置である第二位置と、について、前記冷却帯の通過時間を予測する第1手段と、
    前記第一位置及び前記第二位置について、前記第1手段によって予測された通過時間とガスジェット圧力を用いて前記冷却帯の出側における前記金属帯の温度を算出する第2手段と、
    前記第一位置及び前記第二位置について、ライン速度の変更前の一定速度での前記冷却帯の通過時間を予測する第3手段と、
    前記第一位置及び前記第二位置について、前記第3手段によって予測された通過時間とガスジェット圧力を用いて前記冷却帯の出側における前記金属帯の温度を算出する第4手段と、
    前記第一位置について、前記第2手段によって算出された前記金属帯の温度が前記第4手段によって算出された前記金属帯の温度となる前記冷却帯のガスジェット圧力量を第一圧力量として算出し、前記第二位置について、前記第2手段によって算出された前記金属帯の温度が前記第4手段によって算出された前記金属帯の温度となる前記冷却帯のガスジェット圧力量を第二圧力量として算出し、ライン速度の変更開始時に前記冷却帯のガスジェット圧力量を第一圧力量に変更し、前記第二位置が前記冷却帯の入側に到達した時点で前記冷却帯のガスジェット圧力量を第二圧力量に変更する第5手段と、
    を備えることを特徴とする金属帯の温度制御装置。
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