JP6773575B2 - 布団カバー - Google Patents
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Description
ずれ難い布団カバーとして、特許文献2が提案されている。ここでは、単糸繊度が10〜10000nmの繊維はポリエステル高収縮糸と混繊して用いており、滑り難い10〜10000nmの繊維の性能を高収縮ポリエステル糸が阻害してしまうため、10〜10000nmの繊維の性能を十分に活かしきれていない。
前記布帛aが経編物であり、
前記布帛aのふとん側表面が凹凸構造を有し、
前記布帛aがクインズコードパイル編組織を有する、
ことを特徴とする布団カバー。」が提供される。
その際、前記布帛aの厚さが0.4〜1.2mmの範囲であり、かつ凸部の高さが0.15〜0.50mmの範囲内であることが好ましい。また、凸部に前記繊維Aが配列されていることが好ましい。また、布団カバーを開いた状態において、前記部位が布団カバーの裏面側に配され、かつ該部位の面積比率が、裏面の表面積対比3%以上であることが好ましい。また、前記繊維Aの単繊維径が10〜3000nmの範囲内であることが好ましい。また、前記部位の寸法が巾1〜210cm、長さ50〜300cmの範囲内であることが好ましい。また、前記部位が布団カバーに、縫いつけられているか又は接着されていることが好ましい。その際、前記布帛aが、布団カバーの端部から0〜105cmの位置に、縫いつけられているか又は接着されていることが好ましい。また、前記繊維Aが、フィラメント数が500本以上の長繊維であることが好ましい。また、前記繊維Aが、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られた糸条であることが好ましい。また前記布帛aの摩擦係数が1.0以上であることが好ましい。また、前記繊維Aが、ポリエステルからなることが好ましい。また前記繊維Aの、布帛aの最外層への露出率が95%以上であることが好ましい。
本発明の布団カバーは単繊維径が10〜10000nmの繊維Aを含む布帛aからなる部位を有する。
(繊維A)
前記繊維Aにおいて、その単繊維径(単繊維の直径)は、10〜10000nm(好ましくは10〜3000nm、より好ましくは250〜1500nm、特に好ましくは510〜800nm)の範囲内である。該単繊維径が10nmよりも小さい場合は繊維強度が低下するため実用上好ましくない。逆に、該単繊維径が10000nmよりも大きい場合は、十分な滑り止め効果が得られないおそれがあり好ましくない。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
前記繊維Aにおいて、フィラメント糸(長繊維)の場合、フィラメント数は特に限定されない。優れた滑り止め効果を得る上で500本以上(より好ましくは2000〜50000本)であることが好ましい。また、該フィラメント糸の総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)としては、30〜800dtexの範囲内であることが好ましい。
前記繊維Aの繊維形態は特に限定されず、短繊維でもよいし長繊維(フィラメント糸)でもよい。なかでも長繊維(フィラメント糸)であることが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
前記繊維Aを形成するポリマーの種類としては特に限定されないが、ポリエステル系ポリマー又はナイロン系ポリマーが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクル又はケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物及びチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルや、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸でもよい。前記ポリエステルポリマー中には、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種又は2種以上含まれていてもよい。
本発明の布団カバーに含まれる布帛aは、単繊維径が10000nmより大きい繊維Bを含む。布帛aは、繊維Bを含むので、保形性が向上する。繊維Bは、繊度が33〜150dtex、フィラメント数が10〜30であることが好ましい。
ここで、前記繊維Bは、その単繊維径が10000nmより大(好ましくは10〜33μm)である。なお、33μmは繊度に換算すると約10dtexである。該繊維Bの単繊維径が10000nm(10μm)以下であると、布帛aの保形性が損なわれるおそれがある。ここで、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、前記と同様、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
また、かかる繊維Bの繊維形態は特に限定されず紡績糸でもよい。特に、長繊維(マルチフィラメント糸)やポリウレタン繊維等、あるいは両者を使用することが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また繊維Bは1種類でもよいし、繊維B1、繊維B2、繊維B3・・・・と複数種類でもよい。
前記繊維Bの繊維種類は限定されず、合成繊維、半合成繊維、再生繊維(レーヨンなど)、天然繊維(綿繊維など)などいずれでもよい。ここで、合成繊維を形成するポリマーの種類としては特に限定されない。
なかでも、前記繊維Bを形成するポリマーの種類 としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステル、ポリエーテルエステル、ウレタンなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクル又はケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物及びチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルやポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸でもよい。なかでも、滑り止め効果をより向上させる場合はポリエーテルエステルやポリウレタンなどの弾性樹脂が好ましい。前記フィラメント糸Bを形成するポリマー中には、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種又は2種以上含まれていてもよい。
本発明の布団カバーに含まれる布帛aは、外気側表面に前記繊維Aが露出していることが好ましい。例えば、前記繊維Aが布団に接触するように使用することにより、布団との摩擦力が向上し、優れた滑り止め効果が得られる。ここで、電子顕微鏡を用いて50倍の倍率で生地断面を5カ所撮影し、各写真のなかで、任意の5点を選定し、最外層に繊維Aが存在している箇所Axと、繊維Bおよび繊維A以外が繊維Aよりも最外層に存在している箇所Bxを読み取り、全25点の読み取り点数から、(Ax−Bx)/Ax×100の数値を算出し繊維Aの露出率Axxとした。ここでAxxの値は95%以上(好ましくは100%)であることが好ましい。前記繊維Aのみが露出している表面を布団側に用いて布団カバーを使用すると、布団との摩擦力が向上し、優れた滑り止め効果が得られる。
布帛aは例えば以下の製造方法により製造することができる。
(繊維A)
まず、海成分と、その径が10〜10000nmである島成分とで形成される海島型複合繊維(繊維A用繊維)を用意する。かかる海島型複合繊維としては、特開2007−2364号公報に開示された海島型複合繊維マルチフィラメント(島数100〜1500)が好ましく用いられる。
すなわち、前記海成分ポリマーとしてアルカリ水溶液易溶解性ポリマーを用いる。かかるアルカリ水溶液易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングルコール系化合物共重合ポリエステル、ポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステルが好適である。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングルコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーからなる海島型複合繊維は、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。また、島成分の径は、10〜1000nmの範囲とする必要がある。その際、島成分の形状が真円でない場合は外接円の直径を求める。前記の海島型複合繊維において、その海島複合重量比率(海:島)は、40:60〜5:95の範囲が好ましく、特に30:70〜10:90の範囲が好ましい。
かかる海島型複合繊維は、例えば以下の方法により容易に製造することができる。すなわち、前記の海成分ポリマーと島成分ポリマーとを用い溶融紡糸する。溶融紡糸に用いられる紡糸口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。吐出された海島型複合繊維は、冷却風によって固化され、好ましくは400〜6000m/分で溶融紡糸された後に巻き取られる。得られた未延伸糸は、別途延伸工程をとおして所望の強度・伸度・熱収縮特性を有する複合繊維とすることが好ましい。あるいは、吐出された海島型複合繊維を一旦巻き取ることなく一定速度でローラーに引き取り、引き続いて延伸工程を通した後に巻き取る方法でも構わない。
なお、前記フィラメント糸として、花弁型複合繊維やサイドバイサイド型複合繊維などの複合繊維からなる極細繊維や、通常の紡糸、延伸工程により得られた極細繊維でもよい。
一方、単繊維径が10000nmより大の繊維Bを用意する。かかる繊維Bの繊度としては、フィラメント数は10〜100本、好ましくはフィラメント数は12〜75本の範囲内であることが好ましい。総繊度は30〜350dtex、好ましく33〜250dtexの範囲内であることが好ましい。前記繊維Bとしては、沸水収縮率が10%未満のポリエステル長繊維であることが好ましい。
次いで、前記海島型複合繊維と、繊維Bとを用いて布帛aを常法により編成する。かかる布帛において、前記海島型複合繊維が布帛の表裏どちらか一方表面に露出することが必要である。
その際、前記フィラメント糸Aと繊維Bとを交編することにより布帛aを編成することが好ましい。布帛aは、経編物であることが好ましい。
布帛aは、通気度が300cc/cm2・sec以上あることが好ましい。通気度は、JIS L1018−1990 6.34(フラジール法)により測定する。
ここで、前記布帛の組織は2層以上の多層構造編編物であって、最外層には繊維Aが存在する組織であればよい。このようにする組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等などが例示される。布帛aは、凹凸構造を有することが好ましい。凸部に前記繊維Aが配列されることが好ましい。布帛aは、凸部に前記繊維Aが配列される経編物で、より好ましくはトリコット編であり、クインズコードパイルという組織がより好ましい。
厚さが0.4mm未満の場合は、薄過ぎるため、布帛aを布団カバーに取り付けることが難しい。また、厚みが1.2mmを超える場合、凹凸が有りすぎるために布団自体も凹凸を発現してしまい快適性を阻害してしまう。
また、凸部の高さが0.15mm未満の場合は、繊維Aの性能が充分に発揮されず、滑り易くなってしまう。また、凸部の高さが0.50mmを超える場合、摩擦抵抗力が高くなりすぎてしまい、取り扱い性が悪化してしまう。
また、前記布帛aの凹凸構造を有する表面がふとん側(すなわち、ふとんと接触するように)になるように配することが好ましい。
次いで、前記布帛にアルカリ水溶液処理を施し、前記海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去すると、海島型複合繊維が単繊維径10〜10000nmの繊維Aとなり、単繊維径が10〜10000nmの繊維Aを含む布帛aが得られる。その際、アルカリ水溶液処理の条件としては、濃度3〜4%のNaOH水溶液を使用し55〜65℃の温度で処理するとよい。
(染色加工)
また、該アルカリ水溶液による溶解除去処理工程の前工程及び/又は後工程において、生地に染色加工を施してもよい。カレンダー加工(加熱加圧加工)やエンボス加工を施してもよい。さらに、常法の起毛加工、撥水加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
本発明の布団カバーは該布帛aのみで構成されていてもよいが、該布帛aと他の布帛とで構成されていてもよい。例えば、市販の布団カバーの人側裏面(布団と接する面)及び/又は外側裏面(布団と接する面)に前記布帛を縫い付けてもよいし、接着(熱接着又は化学接着)していてもよい。さらには布団カバーの一部を切り欠いて前記布帛を縫い付けてもよいし、前記布帛と他の布帛とを用いてそれぞれをパーツとして縫い合わせて布団カバーとしてもよい。また、前記布帛aが布団カバーの端部から0〜105cmの位置に、縫いつけられているか又は接着されていることが好ましい。より好ましくは0〜50cmの位置である。なお、かかる距離は、布団カバー端部と布帛a端部との最短距離を測定するものとする。
また、かかる布帛aからなる部位の寸法が生地巾1〜210cm、長さ50〜300cmの範囲内であることが好ましい。さらに好ましくは生地巾5〜100cm、長さ50〜200cmの範囲内である。なお、かかる部位の数は1箇所でもよいし複数個所でもよい。
ここで、布団カバーを開いた状態において、前記部位が布団カバーの裏面側に配され、かつ該部位の面積比率が、裏面の表面積対比3%以上である(好ましくは3〜40%)であることが布団カバーのなかの布団をずれにくくさせる上で好ましい。
面積比率=[該部位の合計面積/布団カバー裏面の全表面積]×100
ここで、「布団カバー裏面の全表面積」は図1のように布団カバーを開いた状態で布団カバー裏面の全表面積を測定する。例えば、サイズが巾150cm×長さ210cmの布団カバーに10cm×150cmの部位を2ケ所配すると、該面積比率は以下の通りとなる。
面積比率=[(10×150×2)/(150×210)×2]×100=4.76%となる。
ここで、前記布帛aにおいて、摩擦係数が1.0以上(好ましくは1.1〜2.0)であることが好ましい。
ただし、摩擦係数は下記の方法で測定した。すなわち、温度20℃、湿度65%RHの環境下で、図2に模式的に示すように、平滑な台の上にJIS標準綿帛を敷き四隅をテープで固定した。次いで、該綿帛の上に、大きさが底面8cm×5cm、高さ3cm、重さが103gr(101cN)の摩擦抵抗測定ヘッド(6)を置いた。該ヘッド(6)に測定したい試料を貼り付けた。次いで、引張り試験機により該ヘッド(6)を100mm/分の速度で引っ張った時の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
<溶融粘度>
乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度−溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒−1の時の溶融粘度を見る。
<溶解速度>
海・島成分の各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1000〜2000m/分の紡糸速度で糸を巻き取り、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、84dtex/24filのマルチフィラメントを作製する。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
<単繊維径>
布帛を電子顕微鏡で写真撮影した後、n数5で単繊維径を測定しその平均値を求めた。
<摩擦係数>
摩擦力の代用特性として摩擦係数を下記の方法で測定した。すなわち、温度20℃、湿度65%RHの環境下で、図2に模式的に示すように、平滑な台の上にJIS標準綿帛を敷き四隅をテープで固定した。次いで、該綿帛の上に、大きさが底面8cm×5cm、高さ3cm、重さが100gr(98cN)の摩擦抵抗測定ヘッド(6)を置いた。該ヘッド(6)に測定したい試料を貼り付けた。次いで、引張り試験機により該ヘッド(6)を100mm/分の速度で引っ張った時の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
<露出率>
電子顕微鏡を用いて50倍の倍率で布帛の断面を5カ所撮影し、各写真のなかで、任意の5点を選定し、最外層に繊維Aが存在している箇所Axと、繊維Bおよび繊維A以外が繊維Aよりも最外層に存在している箇所Bxを読み取り、全25点の読み取り点数から、(Ax−Bx)/Ax×100の数値を算出し繊維Aの露出率Axxとした。
<通気度>
JIS L1018−1990 6.34(フラジール法)により測定した。
<厚さおよび凸部の高さ>
図3に模式的に示すように、走査型電子顕微鏡を使い、布帛aの断面を60倍の倍率で異なる3か所を観察し、各箇所の最も暑い部分の平均値を厚みとした。また、異なる3か所の最も暑い部分の外気側の繊維Aの凸部高さの平均値を凸部の高さとした。
<滑り止め性>
実施例1で得られた滑り止め布団カバー、比較例1で得られた布団カバーについて、試験者20人が1ケ月間、使用テストを行った。その際、日常のふとんで寝る際の動作において、布団カバー内の布団がズレるかどうかのズレ感について以下の3段階で評価した(3級:ほとんどズレない。2級:大きな動作によってはズレることがある。1級:小さな動きでズレることがある)。
(繊維A)
島成分としてポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1200ポイズ、艶消し剤の含有量:0重量%)、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール6重量%を共重合したポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1750ポイズ)を用い(溶解速度比(海/島)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。
得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。得られた海島型複合繊維(繊維A用延伸糸A−1)は56dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は710nmであった。
(繊維B)
一方、繊維Bとしてポリエステル(総繊度84dtex/24fil、帝人(株)製)を用意した。
(布帛a)
次いで、これらの糸を用い、28G編機幅130インチのトリコット編機(カールマイヤー製KS3)を使用してクインズコードパイル編組織で布帛aの最外層には繊維Aが存在する生機を得た。その際、L1及びL2に非捲縮性繊維Bを使用しL3に繊維A用延伸糸A−1を用いて製編を行った。
組織図
L1:10/23//
L2:01/10//
L3:10/56//
その後、得られた編地の海島型複合延伸糸の海成分を除去するために、2.5%NaOH水溶液で、70℃にて30%アルカリ減量した。その後、130℃にて高圧染色を行い、最終セットとして170℃の乾熱セットを行い、布帛aとした。
得られた布帛aにおいて、繊維A用延伸糸A−1(39dtex/8360fil)の単繊維径は710nmであった。布帛aの表側面の摩擦係数は、静摩擦係数が1.41であり動摩擦係数が1.10であった。また、繊維Aの露出率は100%であった。布帛aの通気度は339cc/cm2・secであり、厚さは0.69mmで凸部の高さは0.26mmであった。
(布団カバー)
該布帛aを滑り止め用として、市販の掛け布団カバー(側地ポリエステル100%の平織織物、中綿ポリエステル繊維100%、サイズ150cm×210cm)の人側裏面に縫製し滑り止め布団とし、使用テストを行った。その際、前記布帛aの凹凸構造を有する表面がふとん側になるように配した。その結果、比較例1に比べふとんの滑り止め性に優れていた。なお、該布帛aは、布団カバーの就寝時の人側面の内側の、布団側面に位置するよう縫製により取り付けた。布帛aからなる部位の面積比率は4.7%であった。
該布団カバーに市販の布団(側地:ポリエステル繊維100%、中綿:ポリエステル繊維100%)を入れ、布団を固定する布団カバー内のひもは使用せず、就寝時に使用して滑り止め性を評価した。その結果、17名:3級(ほとんどズレない)、2名:3級(大きな動作によってはズレることがある)、0名:級(小さな動きでズレることがある)であり、20名中17名がカバー内の布団のずれ感を感じず、快適に就寝する事ができた。
また布団カバーの洗濯後もその機能性は変わらず快適であり、布団を固定するひもの作業も不要であり、布団カバーの着脱における作業性も優れていた。
実施例1において、布帛aの生地巾を30cmとして、布団カバーの端部に配置すること以外は実施例1と同様にした。カバー内の布団のずれ感を感じず、快適に就寝する事ができた。
実施例1において、布帛aの生地巾を25cmとして、布団カバーの端部に配置すること以外は実施例1と同様にした。カバー内の布団のずれ感を感じず、快適に就寝する事ができた。
実施例1において、布帛aの生地巾を20cmとして、布団カバーの端部に配置すること以外は実施例1と同様にした。カバー内の布団のずれ感を感じず、快適に就寝する事ができた。
実施例1において、布帛aの生地巾を20cmとして、布団カバーの上下それぞれ15cm離れた位置に配置すること以外は実施例1と同様にした。カバー内の布団のずれ感を感じず、快適に就寝する事ができた。
実施例1において、布帛aの生地巾を15cmとして、布団カバーの上下それぞれ15cm離れた位置に配置すること以外は実施例1と同様にした。カバー内の布団のずれ感を感じず、快適に就寝する事ができた。
特許第5945622号の実施例1を布帛aとした。該布帛aは、海島型複合繊維(繊維A)とポリエステル高収縮糸との混繊糸であり、繊維Aの露出率は90%であった。その為、布帛aの表側面の摩擦係数は、静摩擦係数が1.22であるが動摩擦係数が0.96であった。また、布帛aの通気度は211cc/cm2・secであり、厚さは0.87mmであったが、明確な凸部がなく凸部高さは測定できなかった。
実施例1において、布帛aを縫い付けないこと以外は、実施例1と同様に評価した。滑り止め性は、2名:3級(ほとんどズレない)、5名:2級(大きな動作によってはズレることがある)、12名:1級(小さな動きでズレることがある)であり、就寝時に中の布団はずれ大変不快であり、良く眠れなかった。
2:布帛a
3:布帛a
4:布帛a
5:滑車
6:ヘッド(試料貼付)
7:JIS標準綿布
Claims (12)
- 単繊維径が10〜10000nmの繊維Aと、単繊維径が10000nmより大きい繊維Bとを含み、かつJIS L1018−1990 6.34(フラジール法)により測定した通気度が300cc/cm2・sec以上である布帛aからなる部位を有し、
前記布帛aが経編物であり、
前記布帛aのふとん側表面が凹凸構造を有し、
前記布帛aがクインズコードパイル編組織を有する、
ことを特徴とする布団カバー。 - 前記布帛aの厚さが0.4〜1.2mmの範囲内であり、かつ凸部の高さが0.15〜0.50mmの範囲内である請求項1に記載の布団カバー。
- 凸部に前記繊維Aが配されてなる、請求項1または請求項2に記載の布団カバー。
- 布団カバーを開いた状態において、前記部位が布団カバーの裏面側に配され、かつ前記部位の面積比率が、裏面の表面積対比3%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の布団カバー。
- 前記繊維Aにおいて単繊維径が10〜3000nmの範囲である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の布団カバー。
- 前記部位の寸法が、巾1〜210cm、長さ50〜300cmの範囲内である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の布団カバー。
- 前記部位が布団カバーに、縫いつけられているか又は接着されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の布団カバー。
- 前記布帛aが、布団カバーの端部から0〜105cmの位置に、縫いつけられているか又は接着されている、請求項7に記載の布団カバー。
- 前記繊維Aが、フィラメント数が500本以上の長繊維である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の布団カバー。
- 前記布帛aの摩擦係数が1.0以上である請求項1〜9のいずれか一項に記載の布団カバー。
- 前記繊維Aが、ポリエステルからなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の布団カバー。
- 前記繊維Aの、布帛aの最外層への露出率が95%以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の布団カバー。
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