JP6770818B2 - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents
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Description
真空脱気法では、少なくとも2枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜が積層された積層体をゴムバックに入れて減圧吸引し、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備圧着し、次いで、例えばオートクレーブ内で加熱加圧して本圧着を行うことにより自動車用フロントガラスを得る。
なお、本発明において、「少なくとも一方の表面に、多数の凹部と多数の凸部とを有し」とは「少なくとも一方の表面に、多数の凹部と多数の凸部とが形成されている」ことをも意味し、「凹部は、底部が連続した溝形状を有し、隣接する前記凹部が平行して規則的に並列している」とは「凹部は、底部が連続した溝形状を有し、隣接する前記凹部が平行して規則的に形成されている」ことをも意味する。
以下に本発明を詳述する。
なお、「規則的に並列している」とは、隣接する上記刻線状の凹部が平行して等間隔に並列していてもよく、隣接する上記刻線状の凹部が平行して並列しているが、すべての隣接する上記刻線状の凹部の間隔が等間隔でなくともよいことを意味する。また、上記刻線上の凹部は、底部の全てが連続した溝形状である必要は無く、底部の一部に分断壁を有していてもよい。また、隣接する凹部が平行して規則的に並列していれば、底部が溝の形状は直線状でなくともよく、例えば、波形状やジグザグ状であってもよい。
上記底部が連続した溝形状の凹部の間隔Smに対する上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rの比率(R/Sm×100)は20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、更に好ましくは50%以上である。なお、上記底部が連続した溝形状の凹部の間隔Smに対する上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rの比率(R/Sm×100)は、200%以下であることが好ましく、より好ましくは100%以下である。
また、本明細書における上記刻線状の凹部の間隔Smは、JIS B−0601(1994)に規定される。上記刻線状の凹部の間隔Smは、光学顕微鏡(SONIC社製「BS−D8000III」)を用いて、合わせガラス用中間膜の第1面及び第2面(観察範囲20mm×20mm)を観察し、隣接する凹部の間隔を測定したうえで、隣接する凹部の最底部間の最短距離の平均値を算出することにより得られる。
なお、本明細書において刻線状の凹部の粗さ(Rz)は、JIS B−0601(1994)に規定され、刻線方向の凹部が連続する方向に対して横断するように垂直方向に測定することで得られる。ここで、測定機としては例えば小坂研究所社製「Surfcorder SE300」等を用いることができ、測定時のカットオフ値は2.5mm、基準長さは2.5mm、測定長さを12.5mmとし、予備長さを2.5mmとし、触診針の送り速度は0.5mm/秒、触針形状は先端半径2μm、先端角60°のものを用いる条件により測定することができる。また、測定時の環境は23℃及び30RH%下である。また測定する中間膜は測定時の環境下で3時間以上静置した後に測定する。
なお、上記凸部の先端の回転半径R’は、中間膜を刻線状の凹部の方向に対して垂直方向、かつ、膜厚み方向に切断し、その断面をマイクロスコープ(例えば、オリンパス社製「DSX−100」)を用いて観察し、測定倍率を555倍にて撮影し、更に撮影画像を50μ/20mmになるように拡大表示させた状態で、付属ソフト内の計測ソフトを用いて、凸形状の頂点に内接する円を描いたときの該円の半径を該凸部の先端の回転半径とする方法により求めることができる。また、測定時の環境は23℃及び30RH%下である。
上記熱可塑性樹脂として、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリビニルアセタール、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ポリビニルアセタールがより好ましい。
上記可塑剤としては、合わせガラス用中間膜に一般的に用いられる可塑剤であれば特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機可塑剤や、有機リン酸化合物、有機亜リン酸化合物等のリン酸可塑剤等が挙げられる。
上記有機可塑剤として、例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、又は、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエートを含むことが好ましく、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートを含むことがより好ましい。
上記接着力調整剤としては、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。上記接着力調整剤として、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
上記塩を構成する酸としては、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、2−エチル酪酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
本明細書において光沢度とは、精密光沢計(例えば、村上色彩研究所製「GM−26PRO」等)を用いて、JIS Z 8741:1997に準拠して測定される75度鏡面光沢を意味する。光沢度が35%以下である中間膜は、微細な凹凸形状を持ち、膜同士を積層した際の自着力を抑制し、取扱い性を向上することができる。上記光沢度のより好ましい上限は20%以下、更に好ましい上限は10%以下である。光沢度が3%以上の場合、予備圧着時に微細な凹凸形状が膜とガラスの間に残留することを抑制し、オートクレーブにて加圧加熱圧着後にも膜中に気泡が残存することを防止することができる。
以下、該遮音中間膜について、より具体的に説明する。
上記遮音層は、ポリビニルアセタールXと可塑剤とを含有することが好ましい。
上記ポリビニルアセタールXは、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアセタールXは、ポリビニルアルコールのアセタール化物であることが好ましい。上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は5000である。上記ポリビニルアルコールの重合度を200以上とすることにより、得られる遮音中間膜の耐貫通性を向上させることができ、5000以下とすることにより、遮音層の成形性を確保することができる。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。
上記炭素数が4〜6のアルデヒドとしては、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタールXの水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、上記ポリビニルアセタールXの水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記保護層は、例えば、ポリビニルアセタールYと可塑剤とを含有することが好ましく、ポリビニルアセタールXより水酸基量が大きいポリビニルアセタールYと可塑剤とを含有することがより好ましい。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は5000である。上記ポリビニルアルコールの重合度を200以上とすることにより、合わせガラス用中間膜の耐貫通性を向上させることができ、5000以下とすることにより、保護層の成形性を確保することができる。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。
上記炭素数が3〜4のアルデヒドとしては、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド等が挙げられる。
また、合わせガラスの遮音性がより一層向上することから、上記遮音層におけるポリビニルアセタールX100質量部に対する、可塑剤の含有量(以下、含有量Xともいう。)は、上記保護層におけるポリビニルアセタールY100質量部に対する、可塑剤の含有量(以下、含有量Yともいう。)より多いことが好ましく、5質量部以上多いことがより好ましく、15質量部以上多いことが更に好ましく、20質量部以上多いことが特に好ましい。含有量X及び含有量Yを調整することにより、上記遮音層のガラス転移温度が低くなる。結果として、合わせガラスの遮音性がより一層向上する。
上記保護層の厚さは、上記保護層の役割を果たし得る範囲に調整すればよく、特に限定されない。ただし、上記保護層上に凹凸を有する場合には、直接接する上記遮音層との界面への凹凸の転写を抑えられるように、可能な範囲で厚くすることが好ましい。具体的には、上記保護層の最小厚みの好ましい下限は100μm、より好ましい下限は300μm、更に好ましい下限は400μm、特に好ましい下限は450μmである。上記保護層の最大厚みの上限については特に限定されないが、充分な遮音性を達成できる程度に遮音層の厚さを確保するためには、実質的には1000μm程度が上限であり、800μmが好ましい。
本発明において合わせガラス用中間膜の少なくとも一方の表面に多数の凹部と多数の凸部とを形成する方法としては、例えば、エンボスロール法、カレンダーロール法、異形押出法、メルトフラクチャー法等が挙げられる。なかでも、エンボスロール法が好適である。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ガラスの表面に紫外線遮蔽コート層が形成された紫外線遮蔽ガラスも用いることができる。更に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板との間に、本発明の合わせガラス用中間膜を積層した合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。
ニップロール法では、少なくとも2枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜が積層された積層体を、コンベアを用いて搬送しながら、該積層体を、加熱ゾーンを通過させることで、一定の温度に加熱した後、ニップロールを通してガラスと中間膜との間に残留する空気を扱きだしながら除去すると同時に、熱圧着させ、積層体の中間膜とガラス間の空気を低減させて密着させる。
なお、上記積層体を、コンベアを用いて搬送する際に、本発明の合わせガラス用中間膜の上記刻線状の凹部の傾きをコンベアによる流れ方向に対して55°以下となるようにすることが好ましい。これにより、コンベアによる移動時に該積層体においてガラスと合わせガラス用中間膜とがずれてしまうのを防止することができ、高い生産効率を実現することができる。コンベアを用いて搬送する際の、本発明の合わせガラス用中間膜の上記刻線状の凹部の傾きは、コンベアによる流れ方向に対して45°以下であることがより好ましく、25°以下であることが更に好ましい。
(保護層用樹脂組成物の調製)
平均重合度が1700のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化することにより得られたポリビニルブチラール(アセチル基量1モル%、ブチラール基量69モル%、水酸基量30モル%)100質量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)36質量部を添加した。更に、接着力調整剤として、2−エチル酪酸マグネシウムと酢酸マグネシウムとの混合物(質量比で1:1)を、マグネシウムの含有量が50ppmとなるように添加した。ミキシングロールで充分に混練し、保護層用樹脂組成物を得た。
平均重合度が2300のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化することにより得られたポリビニルブチラール(アセチル基量12.5モル%、ブチラール基量64モル%、水酸基量23.5モル%)100質量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)76.5質量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練し、中間層用樹脂組成物を得た。
得られた中間層用樹脂組成物と保護層用樹脂組成物を、共押出機を用いて共押出することにより、保護層用樹脂組成物からなる第1の保護層、中間層用樹脂組成物からなる中間層及び保護層用樹脂組成物からなる第2の保護層がこの順に積層された3層構造の合わせガラス用中間膜を得た。
なお、凹凸付与後に得られる合わせガラス用中間膜において、第1の保護層の厚み方向の断面形状が楔形、最大厚みが525μm、最小厚みが350μm、中間層の厚み方向の断面形状が楔形、最大厚みが150μm、最小厚みが100μm、第2の保護層の厚み方向の断面形状が楔形、最大厚みが525μm、最小厚みが350μm、中間膜全体の厚み方向の断面形状が楔形、最大厚みが1200μm、最小厚みが800μmとなるように押出条件を設定した。
第二の工程として、三角形斜線型ミルを用いて表面に彫刻加工を施した金属ロールと65〜75のJIS硬度を有するゴムロールとからなる一対のロールを凹凸形状転写装置として用い、得られた合わせガラス用中間膜をこの凹凸形状転写装置に通し、合わせガラス用中間膜の一方の表面に底部が連続した溝形状(刻線状)である凹部が平行して等間隔に形成された凹凸を付与した。このときの転写条件として、合わせガラス用中間膜の温度を70℃、ロール温度を145℃、線速を10m/分、プレス線圧は5〜100kN/mとした。
JIS B−0601(1994)に準じる方法により、得られた合わせガラス用中間膜の表面における刻線状の凹部の間隔Sm、回転半径R及び刻線状の凹部の粗さRzを測定した。なお、測定方向は刻線に対して垂直方向とし、カットオフ値=2.5mm、基準長さ=2.5mm、評価長さ=12.5mm、触針の先端半径=2μm、先端角度=60°、測定速度=0.5mm/sの条件で測定を行った。
また、刻線状の凹部の間隔を光学顕微鏡(SONIC社製「BS−D8000III」)を用いて、合わせガラス用中間膜の表面を観察範囲20mm×20mmでそれぞれ5箇所を観察し、隣接する凹部の間隔を測定したうえで、隣接する凹部の最底部間の最短距離の平均値を算出することにより測定した。
また、合わせガラス用中間膜を片刃カミソリ(フェザー安全カミソリ社製、FAS−10)を用いて刻線状の凹部の方向に対して垂直方向、かつ、膜厚み方向に平行に切断面を変形させないように、カミソリを凹部と垂直方向に滑らせることなく、厚み方向に平行方向に押し出すことで切断し、その断面をマイクロスコープ(オリンパス社製「DSX−100」)を用いて観察した。上記断面を、測定倍率を208倍にて撮影し、更に撮影画像を50μm/20mmになるように拡大表示させた状態で、刻線状の凹部の底部に内接する円を描いたときの該円の半径(即ち、回転半径R)を求めた。第一の工程後の膜表面のRzは15μmであった。
合わせガラス用中間膜の表面及び裏面の凹凸についての測定値を表1に示した。
合わせガラスを作製した後、温度25℃、湿度30%の環境下で4週間静置した。その後、合わせガラスを液体窒素により冷却することでガラスと合わせガラス用中間膜を引き剥がした。得られた保護層及び遮音層を、厚さ方向に切断し、温度25℃、湿度30%の環境下に2時間静置した後、保護層と遮音層との間に指又は機械を入れ、温度25℃、湿度30%の環境下で剥離し、保護層および遮音層それぞれについて10gの長方形状の測定試料を得た。測定試料について、ソックスレー抽出器を用いて12時間、ジエチルエーテルで可塑剤を抽出した後、測定試料中の可塑剤の定量を行い、保護層及び中間層中の可塑剤の含有量を求めた。
用いるポリビニルブチラールのアセチル基量、ブチラール基量及び水酸基量を表1に示すように変更し、第一の工程のエンボスロールの形状、三角形斜線型ロールを変更することにより付与する凹凸の形状を変更し、第1の保護層、中間層、第2の保護層及び中間膜全体の厚み方向の断面形状、最小厚み、最大厚み及び楔角を表1〜3に変更した以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を調製した。実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜の表面及び裏面の凹凸についての測定値を表1〜3に示した。
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1〜3に示した。
(1)予備圧着後に残存したエンボス形状の評価
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜を、23℃、30RH%の環境下で5時間置いた後、以後の操作に供した。
得られた合わせガラス用中間膜の厚みが厚い方の端部から、30cmの位置にガラスの中心が来る様に、かつ、クリアガラス板の横方向が膜の流れ方向と平行な方向に、縦方向が膜の幅方向と平行な方向になるように、合わせガラス用中間膜を二枚のクリアガラス板(縦15cm×横30cm×厚さ2.5mm)の間に挟み積層体とし、第一のニップロール(ロール圧力2kgf/cm2)にて1次脱気して積層体を得た。更にその積層体をローラーコンベアで搬送しながら赤外線オーブン内を通過させて表面温度が50℃になるように加熱した後に第2のニップロール(ロール圧力4kgf/cm2)で2次脱気して積層体を得た。
得られた積層体を更にローラーコンベア上に載せて搬送し、赤外線オーブンの内を通過させて積層体のガラス表面温度が85℃になるように加熱した後に、第3のニップロール(ロール圧力4kgf/cm2)を通して扱くことにより、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら3次脱気を行い、予備圧着を完了した。各ニップロールを通す際のニップロール間の間隙は積層体の平均厚みより1mm狭く、ニップロールの周速度は5m/minになるようにした。なお、合わせガラス用中間膜の表面に形成された刻線状の凹部とコンベアの流れ方向との角度を表1に示した。
測定点は、ローラーコンベアで搬送した際の進行方向側のガラス端部から10〜20cmの間、左右のガラス端部から3cm離れた領域内を20点測定した。一つ当たりの測定視野は1.3mm×1.3mmとした。
得られた3次元形状より、3次元表面形状測定機に付属する解析ソフトの「Multivision解析により残存した溝形状の体積を計測した。体積を算出する際の基準面は、ガラスと膜の剥離面として、Multivision解析条件内の「ZeroLevel」条件を「BackGround」として「By Threshold」項目の値を調整することで設定した。
面積当たりの平均溝体積を算出し、計測した20点の平均が1.5μm3/μm2(=μm)を超えるものを「×」、1.0μm3/μm2(=μm)以上1.5μm3/μm2(=μm)以下のものを「〇」と評価し、1.0μm3/μm2(=μm)未満のものを「◎」と評価した。なお平均溝体積は同一点の表面と裏面の溝体積の平均値である。
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜を、23℃、30RH%の環境下で5時間置いた後、以後の操作に供した。
得られた合わせガラス用中間膜の厚みが厚い方の端部から、30cmの位置にガラスの中心が来る様に、かつ、クリアガラス板の横方向が膜の流れ方向と平行な方向に、縦方向が膜の幅方向と平行な方向になるように、合わせガラス用中間膜を二枚のクリアガラス板(縦15cm×横30cm×厚さ2.5mm)の間に挟み積層体とし、第一のニップロール(ロール圧力2kgf/cm2)にて1次脱気して積層体を得た。更にその積層体をローラーコンベアで搬送しながら赤外線オーブン内を通過させて表面温度が50℃になるように加熱した後に第2のニップロール(ロール圧力4kgf/cm2)で2次脱気して積層体を得た。
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜を、23℃、30RH%の環境下で5時間置いた後、以後の操作に供した。
得られた合わせガラス用中間膜の厚みが厚い方の端部から、30cmの位置にガラスの中心が来る様に、かつ、クリアガラス板の横方向が膜の流れ方向と平行な方向に、縦方向が膜の幅方向と平行な方向になるように、合わせガラス用中間膜を二枚のクリアガラス板(縦15cm×横30cm×厚さ2.5mm)の間に挟み積層体とし、第一のニップロール(ロール圧力2kgf/cm2)にて1次脱気して積層体を得た。更にその積層体をローラーコンベアで搬送しながら赤外線オーブン内を通過させて表面温度が70℃になるように加熱した後に第2のニップロール(ロール圧力4kgf/cm2)で2次脱気して積層体を得た。
各ニップロールを通す際のニップロール間の間隙は積層体の平均厚みより1mm狭く、ニップロールの周速度は5m/minになるようにした。なお、合わせガラス用中間膜の表面に形成された刻線状の凹部とコンベアの流れ方向との角度を表1〜3に示した。
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜を、23℃、30RH%の環境下で5時間置いた後、以後の操作に供した。
得られた合わせガラス用中間膜の厚みが厚い方の端部から、30cmの位置にガラスの中心が来る様に、かつ、クリアガラス板の横方向が膜の流れ方向と平行な方向に、縦方向が膜の幅方向と平行な方向になるように、合わせガラス用中間膜を二枚のクリアガラス板(縦15cm×横30cm×厚さ2.5mm)の間に挟み積層体とし、第一のニップロール(ロール圧力2kgf/cm2)にて1次脱気して積層体を得た。更にその積層体をローラーコンベアで搬送しながら赤外線オーブン内を通過させて表面温度が60℃になるように加熱した後に第2のニップロール(ロール圧力4kgf/cm2)で2次脱気して積層体を得た。
各ニップロールを通す際のニップロール間の間隙は積層体の厚みより1mm狭く、ニップロールの周速度は5m/minになるようにした。なお、合わせガラス用中間膜の表面に形成された刻線状の凹部とコンベアの流れ方向との角度を表1〜3に示した。
更に合わせガラスをオーブン中で140℃、2時間保管後、オーブンから取り出して3時間放冷した後、合わせガラスの外観を目視で観察した。各20枚についてガラス板と合わせガラス用中間膜との間に発泡(気泡)が生じた枚数を調べて、ガラス端部から1cm以上離れた領域に気泡が発生しているかどうか判定した。気泡枚数が5枚以下であった場合を「○」と、発泡枚数が6枚以上であった場合を「×」と評価した。
(真空バック方式での予備圧着後脱気性の評価)
得られた合わせガラス用中間膜を二枚のクリアガラス板(縦15cm×横15cm×厚さ2.5mm)の間に挟み、はみ出た部分を切り取り、積層体を得た。得られた積層体をガラスの表面温度が50℃になるまでオーブン内で予備加熱した後、ゴムバッグ内に移し、ゴムバッグを吸引減圧機に接続し、加熱すると同時に−600mmHgの減圧下で保持しながら、積層体の温度(予備圧着温度)が18分間で90℃となるように加熱した後、大気圧に戻して予備圧着を終了して、予備脱気後積層体を得た。
即ち、JIS K 7105に準拠して、予備脱気後積層体の平行光線透過率Tp(%)を、ヘーズメーター(村上色彩技術研究所社製、HM−150)を用いて測定した。
測定位置は予備脱気後積層体の2つの対角線が交差する中央部、予備脱気後積層体の各頂点から対角線方向に5.6cm離れた4点を合わせた5点として、その平均値をTpとした。
測定前に上記測定点を中心に測定値に影響を与えない範囲の大きさに積層体から切り出し、測定用サンプルとした。
なお、合わせガラスの透明性の低下は、予備圧着時における脱気不良に起因する。従って、合わせガラス用中間膜の脱気性は、合わせガラスの発泡性等を評価するよりも、予備脱気後積層体の可視光線透過率を測定することにより、より精密に評価することができる。
Claims (3)
- 少なくとも一方の表面に、多数の凹部と多数の凸部とを有し、前記凹部は、底部が連続した溝形状を有し、隣接する前記凹部が平行して規則的に並列している合わせガラス用中間膜であって、
前記底部が連続した溝形状の凹部の間隔Smに対する前記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rの比率(R/Sm×100)が29.3%以上であり、
一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、前記他端の厚みが、前記一端の厚みよりも大きい
ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rが20〜250μmであることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
- 底部が連続した溝形状の凹部の間隔Smが100〜400μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
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