本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本明細書に添付した図面においては、本開示の理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりしている場合がある。本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
図1Aに示すように、本実施形態に係る包装材料1は、シリコン材料の輸送用袋10(図5及び図6参照)に用いられるものであって、第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22を有する樹脂基材層2と、第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22の間に位置するバリア層3と、第2の樹脂基材層22におけるバリア層3の反対側に樹脂層4を介して位置するシーラント層5とを有する積層体である。包装材料1により構成されるシリコン材料の輸送用袋10において、シーラント層5が内側に位置し、第1の樹脂基材層21が外側に位置している。
第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22は、いずれも、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂材料等により構成され、1種の樹脂材料の単層体であってもよいし、2種以上の樹脂材料の積層体であってもよい。
第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22は、いずれも、ナイロン(Ny,登録商標)等のポリアミド系樹脂材料等を含んでいてもよいが、少なくとも第2の樹脂基材層22は当該ポリアミド系樹脂材料を含んでいない方が好ましく、第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22の両者が当該ポリアミド系樹脂材料を含んでいないのが特に好ましい。ポリアミド系樹脂材料の残存モノマーであるカプロラクタムは、梱包体60(図7参照)の内容物であるシリコン材料62を汚染させる原因物質となり得るが、輸送用袋10が第1の樹脂基材層21の内側に位置するバリア層3を有することで、当該カプロラクタムによりシリコン材料62を汚染させてしまう可能性を低減することができる。この点、第2の樹脂基材層22がポリアミド系樹脂材料を含んでいなくても、第1の樹脂基材層21がポリアミド系樹脂材料を含んでいると、輸送用袋10の開封時に、第1の樹脂基材層21に含まれ得るカプロラクタムによるシリコン材料62の汚染が生じるおそれを否定することはできないが、第1の樹脂基材層21がポリアミド系樹脂材料を含んでいないことで、内容物であるシリコン材料62を汚染させてしまう可能性をさらに低減することができる。
第1の樹脂基材層21を構成する樹脂材料と第2の樹脂基材層22を構成する樹脂材料とは、互いに同一の樹脂材料であってもよいし、互いに異なる樹脂材料であってもよいが、互いに同一の樹脂材料であるのが好ましい。本実施形態に係る包装材料1により構成されるシリコン材料の輸送用袋10にシリコン材料62を梱包する際、当該輸送用袋10にシリコン材料62を収容した後、輸送用袋10内を脱気して真空包装する。真空包装された梱包体60において、輸送用袋10を構成する包装材料1には所定の応力がかかる。包装材料1に応力がかかったときにおけるバリア層3の一方側に位置する第1の樹脂基材層21の歪みと他方側に位置する第2の樹脂基材層22の歪みとの間に大きな差が生じてしまうと、この歪みの差にバリア層3が追従することができずに当該バリア層3にクラックが生じてしまうおそれがある。バリア層3にクラックが生じてしまうと、酸素や水蒸気等の透過を遮断するバリア機能が低下してしまい、内容物であるシリコン材料62を汚染させてしまうおそれがある。本実施形態においては、バリア層3の両面側に第1の樹脂基材層21と第2の樹脂基材層22とが位置していることで、包装材料1に所定の応力がかかったときであっても、第1の樹脂基材層21と第2の樹脂基材層22との間に大きな歪みの差が生じ難く、バリア層3にクラックが生じてしまうのを抑制することができる。バリア層3にクラックが生じてしまうのをより効果的に抑制するために、第1の樹脂基材層21を構成する樹脂材料と第2の樹脂基材層22を構成する樹脂材料とが互いに異なるものであったとしても、両者の樹脂材料の押込弾性率の差が小さいのが好ましく、両者の樹脂材料が互いに同一であるのが特に好ましい。なお、両者の樹脂材料が互いに異なる場合、両者の樹脂材料の押込弾性率の差は、1000MPa以内であるのが好ましく、800MPa以内であるのが特に好ましい。
また、本実施形態のように、バリア層3の両面に樹脂基材層2(第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22)が設けられていることで、包装材料1の強度を相対的に向上させることができる。包装材料1の強度が向上することで、シリコン材料の輸送用袋10が破れ難くなったり、シリコン材料の輸送用袋10にシリコン材料52を梱包するときの作業性が良好になったりするという効果が奏され得る。
第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22の押込弾性率は、それぞれ1500MPa〜3500MPaであればよく、1800MPa〜3300MPaであるのが好ましい。包装材料1の厚さにもよるが、当該押込弾性率が1500MPa未満であると、シリコン材料の輸送用袋10の強度が相対的に低下しやすくなって当該輸送用袋10が破損する可能性が高くなり、3500MPaを超えると、シリコン材料の輸送用袋10の剛性が相対的に大きくなりやすくなって、当該輸送用袋10にシリコン材料を梱包する際の作業性が低下する可能性が高くなる。
第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22の厚さは、それぞれ、例えば、6μm〜40μmであればよく、10μm〜30μmであるのが好ましい。第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22の押込弾性率にもよるが、当該厚さが6μm未満であると、シリコン材料の輸送用袋10の強度が相対的に低下しやすくなって当該輸送用袋10が破損する可能性が高くなり、40μmを超えると、シリコン材料の輸送用袋10の剛性が相対的に大きくなりやすくなって、当該輸送用袋10にシリコン材料を梱包する際の作業性が低下する可能性が高くなる。このように、シリコン材料の輸送用袋10の強度や当該輸送用袋10へのシリコン材料の梱包作業性の観点から、包装材料1を構成する第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22の押込弾性率と厚さとを適切な範囲に設定することが重要となる。例えば、押込み弾性率が相対的に小さい場合には、厚さを相対的に厚くし、押込弾性率が相対的に大きい場合には、厚さを相対的に薄くすることで、シリコン材料の輸送用袋10の強度や当該輸送用袋10へのシリコン材料の梱包作業性を良好にすることができる。一方で、所定の剛性を有する、例えばシーラント層5よりも押込弾性率の大きい第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22によってバリア層3が挟まれていることで、バリア層3がダメージを受けることを抑制することができる。したがって、シリコン材料の輸送用袋10の強度や当該輸送用袋10へのシリコン材料の梱包作業性とともに、バリア層3の保護性等の観点から、第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22の押込弾性率及び厚さを適切な範囲に設定するのが好ましい。
第1の樹脂基材層21とシーラント層5との間に、樹脂層4が設けられていてもよい。樹脂層4は、第1の樹脂基材層21とバリア層3との間に設けられることができる。また、樹脂層4は、バリア層3と第2の樹脂基材層22との間に設けられることができる。また、樹脂層4は、第2の樹脂基材層22とシーラント層5との間に設けられることができる。なお、複数の樹脂層4が、第1の樹脂基材層21とシーラント層5との間に設けられることができる。複数の樹脂層4は、バリア層3よりも外側に設けられていてもよいし、バリア層3よりも内側に設けられていてもよい。また、バリア層3よりも外側及び内側に、樹脂層4が少なくとも1層ずつ設けられていてもよい。樹脂層4は、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィンの押出ラミネートにより形成されていてもよいし、第2の樹脂基材層22とシーラント層5とを接着する接着剤により形成されていてもよい。接着剤としては、例えば、2液型ウレタン樹脂接着剤等が挙げられる。2液型ウレタン樹脂接着剤としては、例えば、主剤(ロックペイント社製、Ru77t)と硬化剤(ロックペイント社製、H−7)とを混合した2液型ウレタン樹脂接着剤を用いることができる。
樹脂層4が接着剤により形成されている場合、接着剤により形成された樹脂層4(以下、「接着剤層」ともいう場合がある。)は、第1の樹脂基材層21とバリア層3との間に設けられていることが好ましい。図1B及び図1Cに示すように、例えば、包装材料1としては、第1の樹脂基材層21、樹脂層4(接着剤層)、バリア層3、第2の樹脂基材層22、シーラント層5をこの順に積層した積層体や、第1の樹脂基材層21、第1の樹脂層41(接着剤層)、バリア層3、第2の樹脂基材層22、第2の樹脂層42、シーラント層5をこの順に積層した積層体等が挙げられる。このような構成の包装材料1を用いてシリコン材料の輸送用袋10を作製した際に、バリア層3よりも輸送用袋10の外側に樹脂層4(接着剤層)が配置されるため、樹脂層4(接着剤層)に含まれる有機成分が輸送用袋10の内部に移動することを抑えることができる。これにより、当該輸送用袋10にシリコン材料を収容したときには、輸送用袋10内のシリコン材料の劣化が生じるのを抑制することができる。なお、樹脂層4(接着剤層)から移動可能な有機成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の未反応のモノマー等が挙げられる。接着剤により形成された樹脂層4(接着剤層)の厚みは、例えば、1μm〜5μm程度であればよく、2μm〜4μm程度であるのが好ましい。接着剤により形成された樹脂層4(接着剤層)の厚みが1μmよりも薄いと、十分な接着強度を得ることができないおそれがある。一方、接着剤により形成された樹脂層4(接着剤層)の厚みが5μmよりも厚いと、硬化反応に時間を要することで、未反応物や残留溶剤等が樹脂層4により多く含まれてしまうおそれがある。なお、押出ラミネートにより形成された樹脂層4の厚みは、例えば、10μm以上程度であればよい。
包装材料1の層構成としては、以下の具体例を挙げることができる。
〔第1の樹脂基材層21/樹脂層4/バリア層3/第2の樹脂基材層22/樹脂層4/シーラント層5の層構成の具体例〕
・PET/接着剤層/AlOX/PET/PE/シーラント層
・PET/接着剤層/SiOX/PET/PE/シーラント層
・ナイロン/接着剤層/AlOX/PET/PE/シーラント層
・ナイロン/接着剤層/SiOX/PET/PE/シーラント層
・ナイロン/接着剤層/AlOX/ナイロン/PE/シーラント層
・ナイロン/接着剤層/SiOX/ナイロン/PE/シーラント層
〔第1の樹脂基材層21/バリア層3/樹脂層4/第2の樹脂基材層22/樹脂層4/シーラント層5の層構成の具体例〕
・PET/AlOX/接着剤層/PET/PE/シーラント層
・PET/SiOX/接着剤層/PET/PE/シーラント層
・ナイロン/AlOX/接着剤層/PET/PE/シーラント層
・ナイロン/SiOX/接着剤層/PET/PE/シーラント層
・ナイロン/AlOX/接着剤層/ナイロン/PE/シーラント層
・ナイロン/SiOX/接着剤層/ナイロン/PE/シーラント層
なお、上記層構成の具体例において、「シーラント層」としては、後述する試料1、試料2及び試料3等が挙げられる。上記層構成の具体例において、「AlOX」はアルミナの蒸着膜であり、「SiOX」はシリカの蒸着膜である。上記層構成の具体例において、「PET」はポリエチレンテレフタレート層であり、「ナイロン」はナイロン層であり、「PE」はポリエチレン層である。
なお、「バリア層よりも内側」とは、包装材料1を用いてシリコン材料の輸送用袋10を作製したしたとき、包装材料1のバリア層3よりも輸送用袋10の内側に位置することを意味する。一方、「バリア層よりも外側」とは、包装材料1を用いてシリコン材料の輸送用袋10を作製したとき、包装材料1のバリア層3よりも輸送用袋10の外側に位置することを意味する。
シーラント層5は、第1面5A及びそれに対向する第2面5Bを有する。包装材料1において、シーラント層5の第2面5Bが第2の樹脂基材層22側に位置する。シーラント層5は、第1面5A側に位置する第1表面層51と、第2面5B側に位置する第2表面層52と、第1表面層51及び第2表面層52の間に挟まれている中間層53とを有する積層構造体であってもよいし(図3参照)、第1面5A及び第2面5Bを有する単層構造体であってもよい(図4参照)。
シーラント層5は、熱融着可能な樹脂成分を含んでいればよく、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィン等を含んでいればよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンとのブロックコポリマー等)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンとのランダムコポリマー等)等のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。
環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。
カルボン酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、あるいは環状ポリオレフィンに対してα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。
シーラント層5の第1面5A側に位置する第1表面層51は、スリップ剤が実質的に添加されていない低密度ポリエチレン(LDPE)を含む層であってもよく、第2面5B側に位置する第2表面層52は、第1表面層51と同様に、例えば、スリップ剤が実質的に添加されていない低密度ポリエチレン(LDPE)を含む層であってもよく、第1表面層51と第2表面層52との間に挟まれている中間層53は、例えば、スリップ剤が実質的に添加されていないリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む層であってもよい。なお、本実施形態において「スリップ剤が実質的に添加されていない」とは、スリップ剤としてシーラントの表面の滑り性を実際に向上させる成分がシーラントの表面の滑り性に実際に影響を与える目的でシーラントの表面の滑り性に実際に影響を与える量を超えて添加されていないことを意味する。スリップ剤としては、例えば、炭酸カルシウムまたはタルクなどの粒子や、シリコーン樹脂または四級アンモニウム塩化合物などの界面活性剤が挙げられる。
シーラント層5は、輸送用袋10の最内層に位置するため、シーラント層5に由来する揮発成分(シーラント層5由来のアウトガス成分等)が内容物であるポリシリコンやシリコンウェハ等のシリコン材料に付着してしまうと、当該シリコン材料を用いて製造される半導体装置等において欠陥を生じさせてしまうおそれがある。そのため、シーラント層5に由来する揮発成分は、可能な限り少ないのが望ましい。シーラント層5に由来する揮発成分を低減させるためには、シーラント層5の厚みT5を可能な限り薄くするのが望ましい。シーラント層5の厚みT5が相対的に薄いことで、シーラント層5に由来する揮発成分がフィルム外部へ放出されるため、シーラント層5に由来する揮発成分を低減させることができる。一方で、シーラント層5の厚みT5を薄くし過ぎると、引張強度等の機械的特性に対する耐性が低くなってしまい、内容物を梱包する袋として機能が低下するおそれがある。この点、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)は、低密度ポリエチレン(LDPE)に比べ、伸縮性が高く、折り曲げに対する耐性が高いため、シーラント層5としてリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることで、シーラント層5の厚みT5を相対的に薄くすることができる。
また、輸送用袋10に樹脂ケース61を収容した後、当該輸送用袋10から脱気して梱包されるため、当該輸送用袋10を構成する包装材料1に含まれるシーラント層5には、良好な追従性が求められる。この点においても、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)は相対的に高い伸縮性を有するため、当該リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)が用いられることで、シーラント層5の追従性を良好にすることができる。
シーラント層がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されれば、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されるシーラント層の押込弾性率を150MPa〜600MPa程度に調整することができるため、シーラント層の厚みを薄くすることができると考えられる。また、シーラント層の追従性を良好にすることを考慮しても、シーラント層がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されるのは好ましいということができる。しかし、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の重合時の圧力は、低密度ポリエチレン(LDPE)の重合時の圧力よりも低いために、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)においては、低密度ポリエチレン(LDPE)に比べて低分子成分が揮発しやすい。そのため、シーラント層がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されていると、シーラント層の厚みを薄くすることができたとしても、シーラント層に由来する揮発成分によってシリコン材料が汚染されてしまうおそれがあると考えられる。また、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)は、低密度ポリエチレン(LDPE)よりも滑り性が低くなる傾向があるため、シーラント層がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層で構成されていると、シーラント層の表面の滑り性が低くなるおそれがあると考えられる。輸送用袋10に用いられるシーラント層5は、異物になるおそれがあるスリップ剤は実質的に添加されないことが好ましいため、スリップ剤の使用以外の手段で滑り性を向上させることが好ましい。本実施形態においては、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む中間層53が、低密度ポリエチレン(LDPE)を含む第1表面層51及び第2表面層52により挟まれていてもよい。そのため、輸送用袋10のシーラント層5においては、その厚みT5を相対的に薄くすることができ、追従性や滑り性も良好であり、また中間層53に含まれるリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)から低分子成分が揮発するのを防止することができる。
単層構造体のシーラント層5(図4参照)は、低密度ポリエチレン(LDPE)とリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)とを含んでいてもよい。このシーラント層5において、低密度ポリエチレン(LDPE)とリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)との配合比が、50:50〜70:30程度であればよい。このように、低密度ポリエチレン(LDPE)の配合量がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)の配合量よりも多いことで、シーラント層5の第1面5A側において低密度ポリエチレン(LDPE)の存在量を多くすることができるとともに、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)によりシーラント層5の厚みT5を薄くするという効果、すなわち低分子成分が揮発するのを防止するという効果が奏される。なお、シーラント層5の厚み方向で見たときに、低密度ポリエチレン(LDPE)とリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)とが実質的に均一に存在していてもよいし、第1面5A側及び第2面5B側に低密度ポリエチレン(LDPE)が偏在していてもよい。
シーラント層5の厚みT5は、包装材料1により構成される輸送用袋10の厚さ等に応じて適宜設定され得るものであるが、例えば、35μm〜60μm程度であればよい。
図3に示す態様において、低密度ポリエチレン(LDPE)を含む第1表面層51及び低密度ポリエチレン(LDPE)を含む第2表面層52が中間層53を挟んで配置されていることで、シーラント層5の一方面側の内部応力と他方面側の内部応力とがある程度相殺され、シーラント層5がカールすることを抑制できる。また、図3に示す態様において第1表面層51及び第2表面層52のそれぞれの厚みT51,T52は、いずれも中間層53の厚みT53よりも薄い。第1表面層51及び第2表面層52のそれぞれの厚みT51,T52が中間層53の厚みT53よりも薄く構成されていることで、シーラント層5に所定の追従性が付与され得る。第1表面層51の厚みT51と中間層53の厚みT53との比は、1:1〜10程度であればよく、1:2〜3程度であるのが好ましい。当該厚みの比が上記範囲であることで、中間層53に含まれる低密度リニアポリエチレン(LLDPE)による十分な追従性がシーラント層5に付与され、シーラント層5の押込弾性率を300MPa〜500MPaの範囲とすることができる。なお、押込弾性率は、微小硬さ試験機(製品名「ピコデンター(PICODENTOR) HM500」、フィッシャー・インスツルメント社製)により測定され得る。
シーラントのシール強度は、ヒートシール時のシール温度、シール圧力、シール時間等によりコントロール可能であることが知られている。一般に、シール温度が高くなるほどに、シール強度が向上する傾向を有するが、シール温度が高すぎると、必要以上にシーラントが溶融してしまい、却ってシール強度を低下させてしまうおそれがある。本実施形態においては、シール温度150℃、シール圧力0.1MPa、シール時間1秒のヒートシール条件下で、シーラント層5の第1面5A同士をシールしたときのシール強度が、30N/15mm以上であればよく、50N/15mm以上60N/15mm未満であるのが好ましい。当該シール強度が30N/15mm未満であると、シーラント層5を有する包装材料1により構成される輸送用袋10に包装されたシリコン材料の梱包体60の輸送途中に、当該シリコン材料の輸送用袋10のヒートシール部(例えば上面ヒートシール部HST1等(図7参照))が剥離してしまうおそれがある。
上述したように、シーラント層5の厚みT5を相対的に薄くする観点から、シーラント層5の構成材料としてリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用するのが好適であると考えられる。しかしながら、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)により構成されるシーラント層においては、所定のシール強度を得るために必要なシール温度が相対的に高くなってしまう。この点、本実施形態においては、シーラント層5の第1表面層51が低密度ポリエチレン(LDPE)を含むことで、所定のシール強度を得るために必要なシール温度を相対的に低下させることができる。
本実施形態におけるシーラント層5のヘイズは、25%以下であればよく、20%以下であるのが好ましい。シーラント層5のヘイズが20%以下であることで、輸送用袋10の内部の視認性を良好にすることができる。また、シリコン材料をシリコン材料の輸送用袋10に包装する前に、シーラント層5の第1面5Aに異物が付着しているか否かを確認することができ、シリコン材料の汚染を未然に防止することもできる。なお、シーラント層5のヘイズは、例えば、ヘイズメーター(製品名:HM−150,村上色彩研究所社製)を用いて、JIS−K7136に準拠して測定され得る。
上述した構成を有するシーラント層5は、従来公知のフィルム成膜法を用いて製造され得る。例えば、図3に示す構成を有するシーラント層5は、ダイコート法、インフレーション法等の塗工法等を用いて、第2表面層52、中間層53及び第1表面層51を積層形成することで製造され得る。図4に示す構成を有するシーラント層5も同様に、上記塗工法、押出インフレーション法等を用いて製造され得る。
本実施形態におけるバリア層3は、例えば、シリカ又はアルミナ等の無機酸化物等を、例えばPET層等に蒸着させた蒸着膜等であればよい。包装材料1がバリア層3を有することで、内容物であるシリコン材料62の表面を汚染するガス等が、輸送用袋10の外部から内部に侵入するのを抑制することができる。バリア層3は、第1の樹脂基材層21や第2の樹脂基材層22にアルミニウム等の金属を蒸着させてなる金属蒸着膜や、アルミニウム等の金属箔等であってもよい。バリア層3がこれらの金属蒸着膜や金属箔である場合、輸送用袋10において透明性が確保されないが、輸送用袋10にバリア性の他、光遮蔽性をも付与することができる。また、この態様において、シーラント層3が所定の透明性を有することで、輸送用袋10におけるシーラント層5の第1面5Aに異物が付着しているか否かを、より容易に確認することができる。
上述したように、シーラント層5は、シリコン材料の輸送用袋10(図5及び図6参照)にシリコン材料が包装されたときに、当該輸送用袋10内部を視認可能な程度の透明性を有する。そのため、当該シーラント層5を有する包装材料1においても、同様に、輸送用袋10の内部を視認可能な程度の透明性を有しているのが望ましい。そのような観点から、本実施形態に係る包装材料1のヘイズは、例えば、30%以下であればよく、25%以下であるのが好ましい。包装材料1のヘイズが30%を超えると、包装材料1から製造される輸送用袋10の内部の視認性が悪化してしまったり、輸送用袋10におけるシーラント層5の第1面5Aに異物が付着しているか否かの確認が困難になったりするおそれがある。なお、包装材料1のヘイズは、例えば、ヘイズメーター(製品名:HM−150,村上色彩研究所社製)を用いて、JIS−K7136に準拠して測定され得る。
ここで、第1表面層51の構成材料として低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)を用い、中間層53の構成材料として低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)及びリニア低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLLDPE,プライムポリマー社製,製品名:ウルトゼックス3500ZA)の溶融混合物(配合比=1:1(質量基準))を用い、第2表面層52の構成材料として低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)を用い、多層共押出インフレーション成膜法により、図3に示す構成を有するシーラント層5(第1表面層51(膜厚:8μm)、中間層53(膜厚:24μm)、第2表面層52(膜厚:8μm))を作製した(試料1)。
また、低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLDPE,宇部丸善ポリエチレン社製,製品名:UBEポリエチレンB128)のペレット及びリニア低密度ポリエチレン(スリップ剤が実質的に添加されていないLLDPE,プライムポリマー社製,製品名:ウルトゼックス3500ZA)のペレットを配合比7:3(質量基準)で溶融混合し、インフレーション成膜法により、図4に示す構成を有するシーラント層5(厚み:40μm)を作製した(試料2)。
さらに、無添加リニア低密度ポリエチレン(無添加LLDPE,タマポリ社製,製品名:NB−1)からなるシーラント層(厚み:50μm)を準備した(試料3)。
上記試料1〜3のシーラント層を100mm×25mmに切り出した切片をエタノールに60℃で1週間浸漬させた後、当該切片からの揮発成分を、下記条件のGC/MSにて分析し、マススペクトルを得た。得られたマススペクトルを図8A〜図8Cに示す。
<GC/MS条件>
・ガスクロマトグラフ:GCMS−QP2010(島津製作所社製)
・カラム:670−15003−03(長さ:30mm,内径:0.25mm,島津製作所社製)
・カラムオーブン温度:50℃
・注入量:1μL
・キャリアガス:He(57.1mL/分)
・気化室温度設定:300℃
・測定モード:スプリット
図8A〜図8Cに示すマススペクトルのように、試料1及び試料2のシーラント層からは、揮発成分が検出されなかったが、試料3のシーラント層からは、揮発成分が検出された。試料1及び試料2のように、第1面5A側に位置する第1部分が低密度ポリエチレン(LDPE)を含み、それよりも第2面5B側に位置する第2部分がリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むことで、シーラント層から低分子成分の揮発を防止可能であると推察され得る。
また、上記試料1〜3のシーラント層から所望サイズで切り出した切片について、ISO14577:2015に準拠して、温度23℃±2℃、湿度60%RH±5%RHの雰囲気で押込弾性率を測定した。まず、20mm×20mmの大きさに切り出した上記切片の第1面5Aが上面となるように市販のスライドガラス(以下「第1スライドガラス」という。)に、接着樹脂(製品名「アロンアルフア(登録商標)一般用」、東亜合成社製)を介して固定した。具体的には、第1スライドガラス(製品名「スライドガラス(切放タイプ)1−9645−11」、アズワン社製)の中央部に上記接着樹脂を滴下した。この際、接着樹脂を塗り広げず、また後述するように押し広げたときに接着樹脂が上記切片からはみ出さないように1滴の接着樹脂を滴下した。その後、上記切片を第1面5A側が上面になり、かつ切片の中央部に接着樹脂が位置するように第1スライドガラスに接触させ、第1スライドガラスと切片との間で接着樹脂を押し広げ、仮接着した。そして、別の新しいスライドガラス(以下「第2スライドガラス」という。)を切片の上に載せ、第1スライトガラス/接着樹脂/切片/第2スライドガラスの積層体を得た。次いで、第2スライドガラスの上に30g以上50gの重りを置き、12時間室温で放置した。その後、重りと第2スライドガラスを取り外し、これを測定用サンプルとした。そして、この測定用サンプルを除振台に平行に設置した微小硬さ試験機(製品名:ピコデンター(PICODENTOR)HM500、フィッシャー・インスツルメント社製)の測定ステージに固定した。この固定は、測定サンプルが動かないように、第1スライドガラスの4辺をテープ(製品名:セロテープ(登録商標)、ニチバン社製)で固定した。次に、切片の第1面5Aにおいて、ビッカース圧子(対面角136°の正四角錐のダイヤモンド圧子)を装着させた超微小負荷硬さ試験機(ピコデンターHM500,フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、押込速度0.15μm/秒、押込深さ3μm、保持時間5秒間、引き抜き速度0.15μm/秒の条件で押込弾性率(MPa)を測定した。1つの切片において、少なくとも異なる5箇所で測定し、それらの測定値の平均を、シーラントについてその条件での押込弾性率の値とした。
その結果、試料1の押込弾性率は457.3MPa、試料2の押込弾性率は371.6MPa、試料3の押込弾性率は159.0MPaであり、試料1及び試料2の押込弾性率は、試料3の押込弾性率よりも大きいものの、実用上、十分な追従性を発揮可能な程度に伸縮性を有し、耐屈曲性を有するものと推察される。また、試料1及び試料2のシーラント層は、十分な透明性を確保可能であると推察される。
さらに、試料1〜3のシーラント層の第1面同士を、シール温度110℃、120℃、130℃、140℃及び150℃でヒートシールし、ヒートシール部を含む15mm幅のヒートシール試験片を採取し、当該ヒートシール試験片の各シール温度におけるシール強度(N/15mm)をJIS−Z1711に準拠して求めた。
その結果、シール温度130℃の条件における試料1のシール強度が13.7N/15mm、試料2のシール強度が9.4N/15mmであったのに対し、試料3のシール強度は2.3N/15mmであった。また、シール温度140℃の条件におけるシール強度が26.1N/15mm、試料2のシール強度が55.7N/15mmであったのに対し、試料3のシール強度は9.2N/15mmであった。この結果から、試料1及び試料2のシーラント層においては、試料3のシーラント層に比して、より低いシール温度で高いシール強度を得ることができると推察される。なお、シール温度110℃及び120℃の条件においては、試料1〜3のいずれも満足するシール強度が得られなかった。
なお、本実施形態に係る包装材料1は、複数のバリア層を有していてもよい。例えば、図2に示すように、包装材料1は、第1の樹脂基材層21(樹脂基材層2)、第1のバリア層31(バリア層3)、第2の樹脂基材層22(樹脂基材層2)、第2のバリア層32(バリア層3)、第3の樹脂基材層23(樹脂基材層2)、樹脂層4及びシーラント層5をこの順で有する積層体であってもよい。この態様において、第1の樹脂基材層21及び第2の樹脂基材層22は、ポリエステル系樹脂材料又はポリアミド系樹脂材料により構成されていればよいが、第3の樹脂基材層23はポリエステル系樹脂材料により構成されているのが好ましい。上記態様以外にも、包装材料1は、例えば、第1の樹脂基材層21(樹脂基材層2)、第1のバリア層31(バリア層3)、第2の樹脂基材層22(樹脂基材層2)、樹脂層4、第2のバリア層32(バリア層3)、第3の樹脂基材層23(樹脂基材層2)及びシーラント層5をこの順で有する積層体であってもよいし、第1の樹脂基材層21(樹脂基材層2)、樹脂層4、第1のバリア層31(バリア層3)、第2の樹脂基材層22(樹脂基材層2)、第2のバリア層32(バリア層3)、第3の樹脂基材層23(樹脂基材層2)及びシーラント層5をこの順で有する積層体であってもよい。なお、これらの包装材料1の態様においても、前述のように、複数の樹脂層4が設けられていてもよい。
本実施形態におけるシリコン材料の輸送用袋10は、広げることで略方体状(略直方体状)となる包装袋であり、第1側面フィルム11、第2側面フィルム12、第1ガゼットフィルム13及び第2ガゼットフィルム14によって構成されている。第1側面フィルム11、第2側面フィルム12、第1ガゼットフィルム13及び第2ガゼットフィルム14は、いずれも本実施形態に係る包装材料1により構成されている。なお、輸送用袋10は、第1ガゼットフィルム13及び第2ガゼットフィルム14を有しないものであってもよい。この場合において、第1側面フィルム11及び第2側面フィルム12を、互いのシーラント層5の第1面5Aを対向させるようにして3つの側縁部をヒートシールすればよい。
輸送用袋10は、第1側面フィルム11、第2側面フィルム12、第1ガゼットフィルム13及び第2ガゼットフィルム14の各シーラント層5の第1面5Aが最内面に位置し、第1の樹脂基材層21が最外面に位置するように構成されている。
上記輸送用袋10において、第1側面フィルム11の2つの対向する側縁部の一方と折り込まれた第1ガゼットフィルム13の2つの対向する側縁部の一方とを重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる第1ヒートシール部HS11が形成され、第1側面フィルム11の上記側縁部の他方と折り込まれた第2ガゼットフィルム14の2つの対向する側縁部の一方とを重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる第2ヒートシール部HS12が形成されている。また、第2側面フィルム12の2つの対向する側縁部の一方と折り込まれた第1ガゼットフィルム13の上記側縁部の他方とを重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる第3ヒートシール部HS13が形成され、第2側面フィルム12の上記側縁部の他方と折り込まれた第2ガゼットフィルム14の上記側縁部の他方とを重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる第4ヒートシール部HS14が形成されている。第1側面フィルム11及び第2側面フィルム12のそれぞれの側縁部を重ね合わせてヒートシールにより溶着させてなる底面ヒートシール部HSB1が形成され、底面ヒートシール部HSB1に対向して位置する第1側面フィルム11及び第2側面フィルム12のそれぞれの側縁部は、ヒートシールされずに輸送用袋10の開口部15を形成している。
第1ガゼットフィルム13及び第2ガゼットフィルム14を折り込んだ輸送用袋10が多数積み重ねられている状態で、第1側面フィルム11又は第2側面フィルム22を吸着保持して上方に持ち上げることで、開口部15を開くことができる。その開いた開口部15から、輸送用袋10内にシリコン材料62を格納する樹脂ケース61(図7参照)を収容し、当該開口部15における第1側面フィルム11及び第2側面フィルム22のそれぞれの側縁部を重ね合わせてヒートシールすることで、上面ヒートシール部HST1を形成する。このようにして、シリコン材料の梱包体60が作製され得る。
本実施形態における輸送用袋10においては、バリア層3の両面側に第1の樹脂基材層21と第2の樹脂基材層22とが位置していることで、輸送用袋10(包装材料1)に所定の応力がかかったときであっても、第1の樹脂基材層21と第2の樹脂基材層22との間に大きな歪みの差が生じ難く、バリア層3にクラックが生じてしまうのを抑制することができる。
また、輸送用袋10の最内層に位置するシーラント層5の第1面5A側に低密度ポリエチレン(LDPE)が含まれ、それよりも第2面5B側にリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)が含まれている。シーラント層5を構成するリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)により、シーラント層5の厚みT5を相対的に薄くすることができ、追従性を良好することができるとともに、シーラント層5の第1面5A側に含まれる低密度ポリエチレン(LDPE)によって、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)からの低分子成分の揮発を防止することができる。さらに、シーラント層5において所定の透明性が確保されていることで、輸送用袋10におけるシーラント層5の第1面5Aに異物が付着しているか否かを容易に確認することができる。
以上説明した実施形態は、本開示の理解を容易にするために記載されたものであって、本開示を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本開示の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態において、シリコン材料の輸送用袋10は、いわゆる外袋としての第1の袋と、第1の袋内に配置される、いわゆる内袋としての第2の袋とを備える二重包装袋であってもよい。この場合において、少なくとも第2の袋は、上記実施形態に係る包装材料1により構成されていればよく、第1の袋も上記包装材料1により構成されているのが好ましい。