以下、実施の形態に係るテープ不正挿入検出方法、および部品実装機について、図面を参考にして説明する。図1は、テープ不正挿入検出方法が実施される部品実装機100を示している。部品実装機100は、基板搬送部10、部品供給部20、部品装着部40、リール保持部50およびそれらを制御する制御装置200を有する。なお、以下の説明においては、基板の搬送方向をX軸方向と称し、X軸方向に直角な水平方向をY軸方向と称する。
部品供給部20は、複数のスロット20aと、各スロット20aに着脱可能に装着される複数のフィーダ21とから構成されている。スロット20aは、部品供給部20に、X軸方向に複数並列に設けられている。
リール保持部50は、キャリアテープ900が巻回された第1リール810および第2リール820を交換可能に保持するものである。第1リール810および第2リール820は、Y軸方向に並列して1つずつ配設されるとともに、各フィーダ21に対応してX軸方向に複数配設されている。
キャリアテープ900は、多数の電子部品等の部品を一列に収納するものである。図2および図3に示すように、キャリアテープ900は、ベーステープ901、カバーテープ902、ボトムテープ903とから構成されている。ベーステープ901は、紙材や樹脂等の柔軟な材料で構成されている。ベーステープ901の幅方向の中央部には、長さ方向に一定間隔をおいて空間である収納部901aが貫通形成されている。この収納部901aに部品が収納される。ベーステープ901の側部には、長さ方向に一定間隔で、複数の係合穴901bが貫通形成されている。
カバーテープ902の両側部は、接着材902a(図2参照)によってベーステープ901上面の両側部に接着されている。使用開始以前の状態において、カバーテープ902は、収納部901aの上部を閉塞して部品の飛び出しを防止している。カバーテープ902は、透明な高分子フィルムによって構成されている。
図3に示すように、ベーステープ901の下面には、ボトムテープ903が接着されている。このボトムテープ903によって、収納部901aに収納された部品の脱落が防止される。ボトムテープ903は、紙材や高分子フィルム等で構成されていて、透明又は半透明となっている。
各フィーダ21には、第1リール810および第2リール820に巻回されたキャリアテープ900が、挿入可能となっている。そして、一方のリール810(820)に巻回されたキャリアテープ900がフィーダ21によってフィーダ21の先端部に設けられた部品取出位置21aに順次搬送される。これにより、当該キャリアテープ900に保持された部品が部品取出位置21aに位置決めされる。また、他方のリール820(810)に巻回されたキャリアテープ900は、フィーダ21によって送給されずに待機している。
なお、以下においては、説明の便宜上、搬送中(使用中)のキャリアテープ900と、待機中のキャリアテープ900とを区別するために、前者を第1キャリアテープ900A、後者を第2キャリアテープ900Bと称することがある。この場合、第1キャリアテープに収納された部品がすべて使用された後は、第2キャリアテープが第1キャリアテープとなることから、第1キャリアテープ、第2キャリアテープは、特定のキャリアテープを指すものではない。
基板搬送部10には、部品装着部40の基台41上に、それぞれ一対のガイドレール13a,13bが設けられている。また、基板搬送部10には、これらガイドレール13a,13bによりそれぞれ案内される基板Bを支持して搬送する図略のコンベアベルトと、所定位置に搬送された基板Bを持ち上げてクランプする図略のクランプ装置が設けられている。部品が実装される基板Bは、基板搬送部10のガイドレール13a,13bにより案内されつつコンベアベルトにより、X軸方向に部品実装位置まで搬送される。部品実装位置に搬送された基板Bは、クランプ装置によって部品実装位置に位置決めクランプされる。
図1に示すように、部品装着部40は、ガイドレール42、Y軸スライド43、X軸スライド45、図略の吸着ノズルを保持した部品装着ヘッド48を有している。Y軸スライド43およびX軸スライド45は、図略のY軸サーボモータおよびX軸サーボモータにより、Y軸方向およびX軸方向への移動が制御される。
ガイドレール42およびY軸スライド43によって、Y軸ロボットが構成されている。ガイドレール42は、基台41上にY軸方向に装架されて基板搬送部10の上方に配設されている。Y軸スライド43は、ガイドレール42に沿ってY軸方向に移動可能に設けられている。Y軸スライド43は、図略のY軸サーボモータにより、ボールねじ機構を介してY軸方向に駆動される。
X軸スライド45により、X軸ロボットが構成されている。X軸スライド45は、Y軸スライド43に、X軸方向に移動可能に設けられている。Y軸スライド43には図略のX軸サーボモータが設けられている。X軸スライド45は、このX軸サーボモータにより、ボールねじ機構を介してX軸方向に駆動される。
X軸スライド45には、部品装着ヘッド48が設けられている。部品装着ヘッド48は、複数の吸着ノズル(図示せず)を着脱可能に保持している。吸着ノズルは、部品取出位置21aに搬送された部品を吸着して、基板搬送部10によって部品実装位置に位置決めされた基板B上に装着する。
X軸スライド45上には、基板カメラ46が取り付けられる。基板カメラ46は、部品実装位置に位置決めされた基板Bに設けられた基準マーク、あるいは部品取出位置21aに搬送された部品等を上方より撮像し、基板位置基準情報および部品位置情報等を取得するようになっている。また、基台41上には、吸着ノズルによって吸着された部品を下方より撮像可能な部品カメラ47が設けられている。
次に、フィーダ21の構成について、図4〜図6を参考にして説明する。フィーダ21は、フィーダ本体21b、第1モータ22、第2モータ23、第1ギヤ24、第2ギヤ25、第3ギヤ26、第4ギヤ27、浮上防止部材28、トーションスプリング29、ストッパー部材31、上流側押さえ部材32、下流側押さえ部材33、第1スプロケット61、第2スプロケット62、第3スプロケット63、第4スプロケット64、レール38、制御部39、およびテープ剥離装置70などで構成されている。
テープ剥離装置70は、図7に示すように、フィーダ本体21bの上部に設けられる。テープ剥離装置70は、キャリアテープ900からカバーテープ902を剥離し、部品取出位置21aに位置決めされた収納部901aより部品を取出しできるようにする。テープ剥離装置70は、カバーテープ902を剥離する剥離部材72と、剥離したカバーテープ902の一方の端部を立ち上げて折り返す折り返し部材73とにより構成されている。
フィーダ21は、その前方側からスロット20aに差し込まれて部品供給部20に装着されるようになっている。フィーダ本体21bは、扁平な箱形である。なお、図4〜図6は、フィーダ本体21bの側壁が除去されて、フィーダ21の内部構造が視認できるように示されている。
レール38は、フィーダ本体21bの後部の挿入部21dから前部の部品取出位置21aまで延在して設けられている。レール38は、その上面がキャリアテープ900の搬送路を構成している。レール38の前部38aは、水平に形成されている。本実施形態では、レール38は、その後部から前部38aの手前まで徐々に高くなるように傾斜している。なお、図示はしていないが、レール38の両側には、キャリアテープ900の幅寸法よりも僅かに大きい距離で離間したガイド部材が設けられている。
レール38の前部38aの下方のフィーダ本体21bの部品取出位置21aに隣接する位置に、前方から後方(搬送方向下流側から上流側)に向かってそれぞれ、第1スプロケット61および第2スプロケット62が回転可能に設けられている。レール38の後部の下方のフィーダ本体21bの位置に、前方から後方に向かってそれぞれ、第3スプロケット63および第4スプロケット64が回転可能に設けられている。
第1スプロケット61、第2スプロケット62、および第3スプロケット63のそれぞれの外周には、一定角度のピッチで、第1係合突起61a、第2係合突起62a、第3係合突起63aが形成されている。第4スプロケット64の外周の一部には、一定角度のピッチで、第4係合突起64aが設けられている。それぞれの係合突起61a〜64aは、キャリアテープ900の係合穴901bと係合する。
第1スプロケット61〜第4スプロケット64の外周部よりも内側には、それぞれ、第1スプロケットギヤ61b、第2スプロケットギヤ62b、第3スプロケットギヤ63b、および第4スプロケットギヤ64bが形成されている。なお、レール38の各スプロケット61〜64の上方には、窓穴38b(図5参照)が設けられている。この窓穴38bから、各係合突起61a〜64aがレール38上に突出する。
第1モータ22は、第1スプロケット61および第2スプロケット62を回転させるサーボモータである。第1モータ22の回転軸22aには、第1ドライブギヤ22bが設けられている。第1ギヤ24は、第1スプロケット61および第2スプロケット62の下方のフィーダ本体21bに回転可能に設けられている。第1ギヤ24に外周には、第1ドライブギヤ22bと噛合する第1外側ギヤ24aが形成されている。第1ギヤ24の外周よりも内側には、第1内側ギヤ24bが形成されている。
第2ギヤ25は、第1スプロケット61および第2スプロケット62と第1ギヤ24の間のフィーダ本体21bに回転可能に設けられている。第2ギヤ25は、第1スプロケットギヤ61b、第2スプロケットギヤ62b、および第1内側ギヤ24bと噛合している。このような構成によって、第1モータ22の回転が減速されて第1スプロケット61および第2スプロケット62に伝達されて、第1スプロケット61および第2スプロケット62が同期して回転する。
第2モータ23は、第3スプロケット63および第4スプロケット64を回転させるサーボモータである。第2モータ23の回転軸23aには、第2ドライブギヤ23bが設けられている。第3ギヤ26は、第3スプロケット63および第4スプロケット64の下方のフィーダ本体21bに回転可能に設けられている。第3ギヤ26に外周には、第2ドライブギヤ23bと噛合する第3外側ギヤ26aが形成されている。第3ギヤ26の外周よりも内側には、第3内側ギヤ26bが形成されている。
第4ギヤ27は、第3スプロケット63および第4スプロケット64と第3ギヤ26の間のフィーダ本体21bに回転可能に設けられている。第4ギヤ27は、第3スプロケットギヤ63b、第4スプロケットギヤ64b、および第3内側ギヤ26bと噛合している。このような構成によって、第2モータ23の回転が減速されて第3スプロケット63および第4スプロケット64に伝達されて、第3スプロケット63および第4スプロケット64が同期して回転する。
下流側押さえ部材33は、ブロック状であり、レール38後部の上方に、フィーダ本体21bの挿入部21dに設けられている。下流側押さえ部材33は、フィーダ本体21bに取り付けられた第1支持部材30−1および第2支持部材30−2に、シャフト34−1を介して、上下方向移動可能に取り付けられている。シャフト34−1には、下流側押さえ部材33を下方に付勢するコイルスプリング35−1が取り付けられている。下流側押さえ部材33の前方には、第3スプロケット63上においてレール38と当接する押さえ部33dが形成されている。このような構成によって、押さえ部33dは、レール38から離接する。図5に示すように、押さえ部33dの後端下部には、進入部33bが切り欠き形成されている。
上流側押さえ部材32は、ブロック状であり、レール38の後部上面に沿って設けられている。上流側押さえ部材32は、下流側押さえ部材33の後部から下方に、シャフト34−2を介して、上下方向移動可能に取り付けられている。上流側押さえ部材32は、押さえ部33dの後方に隣接している。シャフト34−2には、上流側押さえ部材32を下方に付勢するコイルスプリング35−2が取り付けられている。このような構成によって、上流側押さえ部材32は、レール38から離接する。上流側押さえ部材32の後端の下部には、挿入凹部32aが切り欠き形成されている。
図5に示すように、ストッパー部材31は、ブロック状であり、上流側押さえ部材32の下流側に隣接して設けられている。ストッパー部材31は、その中間部分に形成された軸支部31bが下流側押さえ部材33に軸支されて、揺動可能となっている。ストッパー部材31の軸支部31bよりも前方の下部には、下方に突出形成された当接部31aが形成されている。ストッパー部材31の下部の後端は、停止部31cとなっている。
下流側押さえ部材33とストッパー部材31の間に、当接部31aをレール38に近接する方向に付勢するスプリング36が取り付けられている。図5に示すように、搬送方向に関し、下流側押さえ部材33の前端とストッパー部材31の後端との間に、第4スプロケット64の頂部が位置している。
図4に示すように、浮上防止部材28は、板状であり、第3スプロケット63と第2スプロケット62の間のレール38上に沿って設けられている。浮上防止部材28の前端には、軸支部28aが形成される。この軸支部28aは、フィーダ本体21bに設けられた軸部21cに軸支されている。これにより、浮上防止部材28は、揺動可能にフィーダ本体21bに取り付けられている。浮上防止部材28の後端には、上方に曲げられた案内部28bが形成されている。トーションスプリング29は、浮上防止部材28の上方のフィーダ本体21bに取り付けられ、浮上防止部材28を下方に付勢している。このトーションスプリング29によって、浮上防止部材28の下面は、レール38の上面に密接されている。なお、第2スプロケット62と第3スプロケット63の間のレール38上には、空間38cが形成されている。
制御部39は、フィーダ21を制御するものであり、第1モータ22および第2モータ23の回転を制御する。制御部39は、演算および制御を実行するマイクロプロセッサや、第1モータ22および第2モータ23に駆動電流を供給するドライバを有している。
第3スプロケット63の下流側のフィーダ本体21bには、キャリアテープ900の有無を検知し、その検知信号を制御部39に出力する第1センサ65が設けられている。第1センサ65は、第1キャリアテープ900Aと第2キャリアテープ900Bとの境界部分を検知するセンサである。第2スプロケット62の上流側のフィーダ本体21bには、キャリアテープ900の有無を検知し、その検知信号を制御部39に出力する第2センサ66が設けられている。
複数のフィーダ21のそれぞれの後部のオペレータが見やすい位置には、図8に示すように、報知手段としての表示ランプ85が設けられている。表示ランプ85は、制御装置200の部品補給指示部200aより部品補給が指示されたフィーダ21と異なるフィーダ21にキャリアテープ900が挿入された不正の場合に点灯される。これにより、表示ランプ85は、不正をオペレータに報知する。なお、図8においては、フィーダ本体21bの上部に設けられたテープ剥離装置70は省略されている。
また、複数のフィーダ21の後部には、図4に示すように、テープ挿入検出センサ90が配設されている。テープ挿入検出センサ90は、挿入凹部32aにキャリアテープ900が挿入されたことを検出するテープ挿入検出部に相当する。
フィーダ21が部品供給部20のスロット20aに装着されると、通信コネクタ80(図7参照)を介して部品実装機100の本体側からフィーダ21側に電力が供給される。それとともに、フィーダID等の必要な情報が、フィーダ21側から部品実装機100の制御装置200に送信される。これにより、フィーダ21のシリアルIDに基づいて、フィーダ21に装填されたキャリアテープ900によって送られる部品の情報が取得され、制御装置200に記憶される。
次に、フィーダ21の動作について説明する。オペレータは、キャリアテープ900を、図4に示す挿入凹部32aとレール38の後端との間に挿入する。すると、挿入されたキャリアテープ900の先端部に形成された係合穴901bに第4係合突起64aが係合して、当該キャリアテープ900が第4スプロケット64により第3スプロケット63に搬送される。第4係合突起64aは、第4スプロケット64の外周の一部にしか形成されていないので、キャリアテープ900の係合穴901bに第4係合突起64aが係合すると、当該キャリアテープ900は間欠的に第3スプロケット63側に移動する。このため、キャリアテープ900が急激に、第3スプロケット63側に引き込まれることがない。
第4スプロケット64によって搬送されるキャリアテープ900の先端は、進入部33bから、押さえ部33dの下方に進入する。そして、キャリアテープ900に形成された係合穴901bが第3係合突起63aと係合すると、第3スプロケット63によってキャリアテープ900が第2スプロケット62側に搬送される。第3スプロケット63の外周には、全周にわたって第3係合突起63aが形成されているので、短時間でキャリアテープ900が第2スプロケット62側に搬送される。なお、キャリアテープ900は、押さえ部33dにより、係合穴901bと第3係合突起63aとの係合が外れないように、上方から押し付けられる。
さらに、キャリアテープ900の先端は、案内部28bとレール38の間から、浮上防止部材28の下方に進入する。キャリアテープ900の先端は、浮上防止部材28によってレール38からの浮き上がりが抑制され、第2スプロケット62に向けて搬送される。
第2センサ66が、第3スプロケット63によって搬送されたキャリアテープ900の先端を検出すると、第1モータ22および第2モータ23は、スプロケット61〜64を部品のピッチ間隔で間欠的に回転させる。キャリアテープ900に形成された係合穴901bが第2係合突起62aに係合すると、第2スプロケット62によってキャリアテープ900がテープ剥離装置70に送られ、テープ剥離装置70によってキャリアテープ900からカバーテープ902が剥離される。そして、キャリアテープ900に形成された係合穴901bが第1係合突起61aに係合すると、第1スプロケット61によってキャリアテープ900に収納された部品が順次部品取出位置21aに位置決めされる。
第1キャリアテープ900Aが、フィーダ21によって搬送されている場合には、図5に示すように、第1キャリアテープ900Aが当接部31aを上方に押圧する。ストッパー部材31は、スプリング36の付勢力に抗して揺動し、停止部31cは、レール38に近接する方向に揺動される。そして、ストッパー部材31の後下端は、第1キャリアテープ900Aの上面と接触する。
従って、その状態で、オペレータによって第2キャリアテープ900Bが挿入凹部32aと第1キャリアテープ900Aとの間に挿入されると、図5に示すように、第2キャリアテープ900Bの先端がストッパー部材31の停止部31cに当接する。これにより、第2キャリアテープ900Bは、下流への搬送が阻止され、その位置で待機する。なお、このとき、第1キャリアテープ900Aは、前方側のリール810に巻回され、第2キャリアテープ900Bは、後方側のリール820に巻回されている。
第1キャリアテープ900Aの後端が第2キャリアテープ900Bの先端よりも下流側に搬送されると、図6に示すように、第2キャリアテープ900Bに形成された係合穴901bが第4係合突起64aと係合する。さらに、第1キャリアテープ900Aの後端がストッパー部材31を通過すると、スプリング36の付勢力によってストッパー部材31が揺動され、第2キャリアテープ900Bの搬送阻止が解除される。
これにより、第2キャリアテープ900Bは、第4スプロケット64によって進入部33bから、押さえ部33dの下方に進入する。そして、第2キャリアテープ900Bに形成された係合穴901bが第3係合突起63aと係合され、第3スプロケット63によって第2キャリアテープ900Bが、第2スプロケット62に向けて搬送される。
なお、第2キャリアテープ900Bの先端が当接部31aを押し上げると、前述したように、ストッパー部材31がスプリング36の付勢力に抗して再び揺動される。これにより、ストッパー部材31は、新たなキャリアテープ900の進入を阻止する。第1キャリアテープ900Aから全ての部品が取り出されると、使用済みのリール810が、リール保持部50より除去される。
なお、フィーダ21に新たにキャリアテープ900を挿入する場合には、現在使用中のキャリアテープ900(第1キャリアテープ900A)を巻回したリール810と、新たに挿入するキャリアテープ900(第2キャリアテープ900B)を巻回したリール810とに貼られたバーコードをバーコードリーダによりそれぞれ読み取る。バーコードリーダは、各リールに収納された部品のシリアルIDを部品実装機100の制御装置200にそれぞれ送信する。制御装置200は、正しい部品を収納したキャリアテープであるかどうかをチェックし、いわゆるベリファイを実行する。
次に、部品補給が指示されたフィーダ21に対して、誤ったフィーダ21にキャリアテープ900が挿入されたことを検出するテープ不正挿入検出動作は、制御装置200によって実行される。この検出動作について、図9のフローチャートを参考にして説明する。
制御装置200の部品補給指示部200aより、スロットNo.「NX」のフィーダ21に対して部品の補給が指示される(部品補給指示ステップS1)。すると、オペレータは、補給が指示された部品を収納したキャリアテープ900を巻回したリール820を、リール保持部50に保持する。これとともに、オペレータは、新たなキャリアテープ900(第2キャリアテープ900B)の先端を、既にフィーダ21に挿入されている第1キャリアテープ900Aと挿入凹部32aとの間に挿入する(ステップS2)。第2キャリアテープ900Bが挿入されると、テープ挿入検出センサ90がONされ、キャリアテープ900が挿入凹部32aに挿入されたことが検知される。
テープ挿入検出センサ90の動作信号は、制御装置200に送信される。そして、制御装置200において、ONされたテープ挿入検出センサ90は、部品補給指示部200aより部品の補給が指示されたスロットNo.「NX」のフィーダ21のものであるか否かが判断される(判断ステップS3)。部品の補給が指示されたフィーダ21と、テープ挿入検出センサ90がONされたフィーダ21とが異なるものであると判断された場合(判断結果がNOの場合)には、スロットNo.「NX」のフィーダ21の表示ランプ85が点灯される。これにより、キャリアテープ900が誤ったフィーダ21に挿入された不正がオペレータに報知される(報知ステップS4)。
表示ランプ85が点灯された場合には、オペレータは、誤ってキャリアテープ900を挿入したフィーダ21よりキャリアテープ900を引き抜いて、スロットNo.「NX」のフィーダ21に挿入し直す。これで、一連のテープ不正挿入検出動作が終了する。仮にオペレータの挿入し直しの作業が停滞すると、部品実装機100の作動が停止される。
また、部品の補給が指示されたフィーダ21と、テープ挿入検出センサ90がONされたフィーダ21とが同じものであると判断された場合(判断結果がYESの場合)には、表示ランプ85は点灯されない。これにより、フィーダ21にキャリアテープ900が正しく挿入されたことがオペレータに報知される(ステップS5)。この場合には、部品実装機100の作動が続行される。
なお、各フィーダ21に設ける表示ランプ85は、キャリアテープ900が正しく挿入された場合に点灯し、間違って挿入された場合に点滅するようにしてもよい。あるいは、表示ランプは、2つのLED(例えば、青色と赤色)を用いて構成することもできる。この構成では、キャリアテープ900が正しく挿入された場合に青色LEDが点灯し、間違って挿入された場合に赤色LEDが点灯するようにできる。
上記した実施の形態によれば、部品補給が指示されたフィーダ21と異なるフィーダ21に対して、キャリアテープ900が挿入された場合には、表示ランプ85によってオペレータに、キャリアテープ900が誤ったフィーダ21に挿入されたことが報知されるので、部品の補給を実施したオペレータによって、必要な措置を素早く講ずることが可能となる。これにより、現在使用中の部品の残数に余裕がある段階で、部品補給をし直す等の処置を行い得るので、生産への影響を最小限に抑えることができる。
また、上記した実施の形態によれば、表示ランプ85は、複数のフィーダ21にそれぞれ設けられている。したがって、部品の補給が指示されたフィーダ21と異なるフィーダ21に対して、キャリアテープ900が挿入されたことを、オペレータに的確に知らせることができる。上記した実施の形態においては、各フィーダ21に表示ランプ85をそれぞれ設けた例について述べたが、複数のフィーダ21が同時に部品供給部20に装着されることがないことから、部品実装機100に1つの表示ランプ85を、オペレータの見やすい位置に配置するようにしてもよい。
上記した実施の形態においては、キャリアテープ900に収納された部品を部品取出位置21aに搬送するスプロケット61(62)と、後続のキャリアテープ900をスプロケット61に係合する位置に送るスプロケット63(64)とを前後に備えたフィーダ21により、2つのキャリアテープ900をスプライシングせずに部品取出位置21aに連続して送るようにしたフィーダ21について述べた。しかしながら、説明したテープ不正挿入検出方法は、例えば、実開平3−75600号公報に記載されているように、フィーダ21内で2つのキャリアテープを自動的に接続するオートスプライシング機能を有するフィーダにも適用できるものである。
なお、テープ挿入検出センサ90は、第1キャリアテープ900Aと第2キャリアテープ900Bとの境界部分を検知する第1センサ65と兼用することも可能であり、実施の形態のものに限定されるものではない。斯様に、本発明は上記した実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得るものである。