JP6765117B2 - ガス分析用前処理装置及びガス分析用前処理方法 - Google Patents

ガス分析用前処理装置及びガス分析用前処理方法 Download PDF

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本発明は、ガス分析装置に分析対象ガスを導入する前に使用するガス分析用前処理装置及びガス分析用前処理方法に関するものである。
海底熱水鉱床の調査・開発が盛んに行われており、その調査方法の確立が急務である。調査方法の1つとして、海水中を移流拡散していく熱水プルームを追跡するため、海水に溶存した希ガスを測定することが考えられている。この調査のためには、試料である水溶液から、希ガスを抽出対象ガスとして、分離・抽出する必要がある。
例えば、特許5461144号公報(特許文献1)及び特開平7−33417号公報(特許文献2)には、高圧希ガスから不純物を除去する技術が開示されている。
また、佐野有司・高畑直人「Measurement of Noble Gas Solubility in Seawater Using a Quadrupole Mass Spectrometer」Journal of Oceanography, Vol.61, pp.465 to 473, 2005(非特許文献1)には、海水に含まれる希ガスの分離・抽出方法が開示されている。
特許5461144号公報 特開平7−33417号公報
佐野有司・高畑直人「Measurement of Noble Gas Solubility in Seawater Using a Quadrupole Mass Spectrometer」Journal of Oceanography, Vol.61, pp.465 to 473, 2005
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、半導体製造プロセスで用いる高圧希ガスの純度を上げるための技術であり、試料に含まれている微量の希ガスを分離・抽出することに直接適用できるものではない。
また、非特許文献1に記載の方法は、海水を対象とするものである。海底熱水は、温泉水と海水双方の要素を併せ持つため、海底熱水中にはハロゲン化合物及び硫黄化合物が多量に溶存していることが予想され、非特許文献1の方法では、多量に溶存しているハロゲン化合物及び硫黄化合物を除去しきれない。そのため、ハロゲン化合物が分析結果に悪影響を与え、また、硫黄化合物が分析装置や試料が通る流路を毀損してしまう可能性がある。したがって、ハロゲン化合物及び硫黄化合物を精度良く除去する必要がある。特に、希ガスの精製及び測定のために分析装置や試料が通る流路をオールメタル(金属)で構成すると、ハロゲン化合物や硫黄化合物の影響を受けて腐食しやすい。そのため、ハロゲン化合物及び硫黄化合物を精度良く除去することで顕著に腐食を防止することができることになる。
さらに、非特許文献1に記載の方法は、「スパイク(spike)」と呼ばれる同位体比が試料と異なっていてその比及び量が知られている物質(非特許文献1では、具体的には、22Ne、36Ar、86Kr及び124Xeの混合物)を加えて測定を行う「スパイク法」を前提としているため、水捕捉セクションにおいて、試料である海水を、エタノール及びドライアイスからなる寒剤(−80℃程度)を用いて急激に冷却し、水分を除去している(468頁左欄2〜4行)。そのため、本来ならば除去すべきでない被検物質も、一部が水分と共に除去されてしまう。したがって、非特許文献1に記載の方法は、スパイク法を用いないで微量の希ガスを分離・抽出して行う分析には不向きである。
本発明の目的は、海底熱水等のように、ハロゲン化合物及び硫黄化合物並びに被検物質である希ガス(抽出対象ガス)が溶存した試料水から、高純度で希ガス(抽出対象ガス)を分離・抽出することが可能なガス分析用前処理装置及びガス分析用前処理方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ハロゲン化合物及び硫黄化合物を精度良く除去できるゲッターを備えたガス分析用前処理装置及びガス分析用前処理方法を提供することにある。
本発明のガス分析用前処理装置は、基本的な構成として、抽出対象ガスが溶存した試料水から水を捕捉して準抽出対象ガスを精製する水捕捉セクションと、準抽出対象ガス中の非抽出対象ガスとを吸着する吸着セクションとを備えている。
水捕捉セクションは、第1のトラップ路内にある試料水を、抽出対象ガスが凝集しない第1の温度で冷却し、液相を除去して、水蒸気を含む準抽出対象ガスを精製し、第1のトラップ路内を第1の真空環境にする第1のコールドトラップと、第1のコールドトラップで精製されて第2のトラップ路内にある水蒸気を含む準抽出対象ガスを、水蒸気を凝集させるが、抽出対象ガスは凝集しない、第1の温度よりも低温である第2の温度で冷却し、水蒸気を除去して水蒸気を含まない準抽出対象ガスを精製し、第2のトラップ路内を第1の真空環境よりも真空度の高い第2の真空環境にする第2のコールドトラップとを含むものとすることができる。そして、吸着セクションが、ゲッター配置路内にある準抽出対象ガスから非抽出対象ガスを吸着し、ゲッター配置路内を第2の真空環境よりも真空度の高い第3の真空環境にする1以上のゲッターを備えている。
本発明書で用いる「含まない」の語は、完全に(100%)含まない状態だけでなく、実質的に含まない状態をも含む幅を有する語である。例えば、「水蒸気を含まない準抽出対象ガス」は、分析装置による抽出対象ガスの測定時に水蒸気を検出しない程度にまで第2のコールドトラップで水蒸気を除去した準抽出対象ガスのことを言う。
本発明では、上記のように水捕捉セクションを第1のコールドトラップと、第2のコールドトラップとに分けて、段階的に水及び水蒸気を捕捉している。このように試料水を処理することで、氷の急成長による流路の閉塞を防ぎ、且つ、被検物質である抽出対象ガスが水及び水蒸気と共に除去されることを防ぐことができる。その上で、吸着セクションで非抽出対象ガスを吸着することで、純度の高い抽出対象ガスを分析装置に送り出すことができる。結果として、分析装置における分析精度(特に、同位体分析の定量精度)が向上する。
吸着セクションの1以上のゲッターは、非抽出対象ガスの種類によって変更することが可能である。例えば、試料水中に溶存する、ハロゲン化合物及び硫黄化合物が非抽出対象ガスの場合には、吸着セクションは、準抽出対象ガス中から、ハロゲン化合物を吸着する第1のゲッターを備えた第1の吸着セクションと、第1の吸着セクションで吸着処理された準抽出対象ガス中から硫黄化合物を吸着する第2のゲッターを備えた第2の吸着セクションとを含んでいればよい。
本発明のガス分析用前処理装置では、水捕捉セクションを任意の構成として、吸着セクションを、ゲッター配置路内にある準抽出対象ガス中から、ハロゲン化合物を吸着する第1のゲッターを備えた第1の吸着セクションと、第1の吸着セクションで吸着処理された準抽出対象ガス中から硫黄化合物を吸着する第2のゲッターを備えた第2の吸着セクションとを含むようにして、ゲッター配置路内を水捕捉セクション内の真空環境よりも真空度の高い真空環境にするようにすることもできる。
水を捕捉した後の準抽出対象ガスを、第1の吸着セクション、第2の吸着セクションの順に反応させることで、汚染物質であるハロゲン化合物及び硫黄化合物を精度よく除去できる。そのため、流路や分析装置が毀損することを防ぎ、且つ、分析装置による分析精度も向上させることができる。
第1のゲッターの構造は任意であるが、準抽出対象ガスの流入路に沿って鉄(Fe)系ゲッター材、マグネシウム(Mg)系ゲッター材、カルシウム(Ca)系ゲッター材が並んだ構造を有するようにすれば、ゲッター効果が得られる。特に、鉄系ゲッター材として鉄線、マグネシウム系ゲッター材としてマグネシウムリボン、カルシウム系ゲッター材として、粒状のカルシウムがゲッター材料として適している。また、発明者らの検討によれば、カルシウム系ゲッター材、マグネシウム系ゲッター材、鉄系ゲッター材の重量比率が、1±10%:1±10%:0.03±10%(すなわち、0.9〜1.1:0.9〜1.1:0.027〜0.033)の場合に、高いゲッター効果が得られた。
同様に、第2のゲッターの構造も任意であるが、準抽出対象ガスの流入路に沿って、酸化銅(CuO)系ゲッター材、酸化鉄(FeO)系ゲッター材、第1のアルミニウム(Al)系ゲッター材、バナジウム(V)系ゲッター材、ジルコニウム(Zr)系ゲッター材、第2のアルミニウム(Al)系ゲッター材が並んだ構造を有するようにすれば、ゲッター効果が得られる。特に、第1のアルミニウム系ゲッター材及び第2のアルミニウム系ゲッター材として、アルミニウム箔、ジルコニウム系ゲッター材として、板状のジルコニウム、バナジウム系ゲッター材として、板状のバナジウム、酸化鉄系ゲッター材として、酸化鉄線、酸化銅系ゲッター材として、酸化銅線がゲッター材料として適している。また、発明者らの検討によれば、第1のアルミニウム系ゲッター材、ジルコニウム系ゲッター材、バナジウム系ゲッター材、第2のアルミニウム系ゲッター材、酸化鉄系ゲッター材、酸化銅系ゲッター材の重量比率は、0.5±10%:1±10%:1±10%:0.5±10%:1±10%:2±10%(すなわち、0.45〜0.55:0.9〜1.1:0.9〜1.1:0.45〜0.55:1.8〜2.2)の場合に、高いゲッター効果が得られた。
吸着セクションは、第2の吸着セクションで吸着処理された準抽出対象ガスから、活性ガスを吸着する第3の吸着セクションをさらに備えていてもよい。また、吸着セクションは、第3の吸着セクションで吸着処理された準抽出対象ガスから、水素を吸着する第4の吸着セクションをさらに備えていてもよい。このように吸着セクションを構成すれば、抽出対象ガスの純度をさらに高めることができる。
本発明のガス分析用前処理装置は、どのような試料水をも対象とすることが可能であるが、特に、海水、海底熱水、または、陸上温泉水等を試料水とする場合に適している。
本発明のガス分析用前処理方法は、抽出対象ガスが溶存した試料水から水を捕捉して準抽出対象ガスを生成する水捕捉ステップと、準抽出対象ガス中の非抽出対象ガスとを吸着する吸着ステップとからなる。水捕捉ステップは、第1のトラップ路内にある試料水を、抽出対象ガスが凝集しない第1の温度で冷却し、液相を除去して、水蒸気を含む準抽出対象ガスを精製し、第1のトラップ路内を第1の真空環境にする第1の捕捉ステップと、第1の捕捉ステップで精製され第2のトラップ路内にある水蒸気を含む準抽出対象ガスを、水蒸気を凝集させるが、抽出対象ガスは凝集しない、第1の温度よりも低温である第2の温度で冷却し、水蒸気を除去して水蒸気を含まない準抽出対象ガスを精製し、第2のトラップ路内を第1の真空環境よりも真空度の高い第2の真空環境にする第2の捕捉ステップとを含むようにしてもよい。この場合、吸着ステップは、1以上のゲッターを用いて、ゲッター配置路内にある水蒸気を含まない準抽出対象ガスから非抽出対象ガスを吸着し、ゲッター配置路内を第2の真空環境よりも真空度の高い第3の真空環境にする。
本発明のガス分析用前処理方法は、水捕捉ステップを任意の構成として、吸着ステップを、ゲッター配置路内にある準抽出対象ガス中から、ハロゲン化合物を吸着する第1の吸着ステップと、前記第1の吸着ステップで吸着処理された準抽出対象ガス中から硫黄化合物を吸着する第2の吸着ステップとを含むようにして、ゲッター配置路内を水捕捉セクション内の真空環境よりも真空度の高い真空環境にするようにすることもできる。
本発明のガス分析用前処理装置の実施の形態の一例の構成を示す概略図である。 第1のゲッターの内部構造を示す模式図である。 第2のゲッターの内部構造を示す模式図である。 ガス分析用前処理装置を用いて抽出対象ガスである希ガスを分離・抽出するまでのフローを示すフローチャートである。 (A)及び(B)は、第1のゲッターのゲッター効果を示すための図である。 (A)及び(B)は、第2のゲッターのゲッター効果を示すための図である。 (A)は、試料水をゲッター処理せずに分析した結果を示す図であり、(B)は、第1のゲッターによるゲッター処理後の分析結果を示す図であり、(C)は、第2のゲッターによるゲッター処理後の分析結果を示す図である。 (A)は、試料水をゲッター処理せずに分析した結果を示す図であり、(B)は、第2のゲッターによるゲッター処理後の分析結果を示す図であり、(C)は、第1のゲッターによるゲッター処理後の分析結果を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明のガス分析用前処理装置及び処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
<全体構成>
図1は、本実施の形態のガス分析用前処理装置の構成を示す概略図であり、図2は、第1のゲッターG1の内部構造を示す図であり、図3は、第2のゲッターG2の内部構造を示す模式図である。
本実施の形態のガス分析用前処理装置1は、試料水である海底熱水から、溶存している希ガスを抽出対象ガスとして分離・抽出する装置である。海底熱水は、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の希ガス、並びに、ハロゲン化合物、硫黄化合物、活性ガス(窒素、炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水素、水蒸気等)等が溶存している。本実施の形態では、希ガスが抽出対象ガスであり、ハロゲン化合物、硫黄化合物及び活性ガス等が非抽出対象ガスである。
ガス分析用前処理装置1は、主に、抽出対象ガスが溶存した試料水から水(液相及び水蒸気)を捕捉して準抽出対象ガスを精製する水捕捉セクション3と、準抽出対象ガス中の非抽出対象ガスとを吸着する吸着セクション5とから構成されている。管路7の試料容器接続部9から導入された試料水は、管路7を通って、水捕捉セクション3及び吸着セクション5によって処理されて、分析装置11に送り出される。管路7には、流路を切り換えるバルブV1〜V7、及び、管路7内の圧力を計測する真空計P1〜P3が備えられている。
[水捕捉セクション]
水捕捉セクション3は、第1のコールドトラップCT1と、第2のコールドトラップCT2とから構成されている。第1のコールドトラップCT1は、第1のトラップ路(管路7のうちバルブV1,V2及びV3で区切られる区間)内にある試料水を抽出対象ガスが凝集しない第1の温度で冷却し、液相を除去し、第1のトラップ路内を第1の真空環境にするコールドトラップである。本実施の形態の場合には、第1の温度は、−10℃〜−15℃(より好ましくは、−12℃〜−15℃)である。
第2のコールドトラップCT2は、第1のコールドトラップCT1で精製されて第2のトラップ路(管路7のうちバルブV3及びV4で区切られる区間)内にある水蒸気を含む準抽出対象ガスを、水蒸気を凝集させるが、抽出対象ガスは凝集しない、第1の温度よりも低温である第2の温度で冷却し、水蒸気を除去して準抽出対象ガスを精製し、第2のトラップ路内を第1の真空環境よりも真空度の高い第2の真空環境にするコールドトラップである。本実施の形態の場合には、第2の温度は、−25℃〜−40℃(より好ましくは、−30℃〜−35℃)である。
[吸着セクション]
吸着セクション5は、ゲッター配置路(管路7のうちバルブV4及びV7で区切られる区間)内にある水蒸気を含まない準抽出対象ガスから非抽出対象ガスを吸着し、ゲッター配置路内を第2の真空環境よりも真空度の高い第3の真空環境にする1以上のゲッターを備えている。具体的に、吸着セクション5は、第1のゲッターG1を備えた第1の吸着セクションと、第2のゲッターG2を備えた第2の吸着セクションと、第3のゲッターG3を備えた第3の吸着セクションと、第4のゲッターG4を備えた第4の吸着セクションとから構成されている。
第1のゲッターG1は、ハロゲン化合物を吸着するゲッターであり、図2に示すように、準抽出対象ガスの流入路に沿って鉄(Fe)系ゲッター材GM11、マグネシウム(Mg)系ゲッター材GM12、カルシウム(Ca)系ゲッター材GM13が並んだ構造を有している。具体的には、鉄系ゲッター材は、鉄線であり、マグネシウム系ゲッター材は、マグネシウムリボンであり、カルシウム系ゲッター材は、粒状のカルシウムである。発明者らの実験によれば、カルシウム系ゲッター材、マグネシウム系ゲッター材、鉄系ゲッター材の重量比率は、1±10%:1±10%:0.03±10%の場合に、高いゲッター効果を得ることができた。
なお、第1のゲッターG1のゲッター材として、他の材料を用いてもよいのはもちろんである。例えば、上記ゲッター材のいずれかまたは全部に換えて、または、追加で、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、または、バナジウム(V)のいずれかまたはその組み合わせのゲッター材を用いてもよい。
第2のゲッターG2は、硫黄化合物(及び硫黄化合物を吸着した際に分解されて生成された活性ガス)を吸着するゲッターであり、図3に示すように、準抽出対象ガスの流入路に沿って、酸化銅(CuO)系ゲッター材GM21、酸化鉄(FeO)系ゲッター材GM22、第1のアルミニウム(Al)系ゲッター材GM23、バナジウム(V)系ゲッター材GM24、ジルコニウム(Zr)系ゲッター材GM25、第2のアルミニウム(Al)系ゲッター材GM26が並んだ構造を有している。具体的には、第1のアルミニウム系ゲッター材及び第2のアルミニウム系ゲッター材は、アルミニウム箔であり、ジルコニウム系ゲッター材は、板状のジルコニウムであり、バナジウム系ゲッター材は、板状のバナジウムであり、酸化鉄系ゲッター材は、酸化鉄線であり、酸化銅系ゲッター材は、酸化銅線である。発明者らの実験によれば、第1のアルミニウム系ゲッター材、ジルコニウム系ゲッター材、バナジウム系ゲッター材、第2のアルミニウム系ゲッター材、酸化鉄系ゲッター材、酸化銅系ゲッター材の重量比率は、0.5±10%:1±10%:1±10%:0.5±10%:1±10%:2±10%の場合に、高いゲッター効果を得ることができた。
なお、第2のゲッターG2のゲッター材として、他の材料を用いてもよいのはもちろんである。例えば、上記ゲッター材のうち、酸化鉄系ゲッター材と酸化銅系ゲッター材のいずれかまたは全部に換えて、または、追加で、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)のいずれかまたはその組み合わせのゲッター材を用いてもよい。また、ジルコニウム系ゲッター材、バナジウム系ゲッター材、アルミニウム系ゲッター材のいずれかまたは全部に換えて、または、追加で、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)またはコバルト(Co)のいずれかまたはその組み合わせのゲッター材を用いてもよい。
第3のゲッターG3は、第2の吸着セクションで吸着処理された準抽出対象ガスから、活性ガスを吸着するゲッターであり、準抽出対象ガスの流入路に沿って、チタン(Ti)系ゲッター材、ジルコニウム(Zr)系ゲッター材が並んだ構造を有している。
第4のゲッターG4は、水素を吸着するゲッターであり、本実施の形態では、SAES社がSORB−AC(登録商標)の名称で販売しているゲッター・ポンプを利用している。
<分析装置に抽出対象ガスを導入するまでのフロー>
図4は、分析装置11に抽出対象ガスである希ガスを導入するまでのフローチャートである。
上記のように、ガス分析用前処理装置1の管路7内は、常時は、バルブV1,V2,V3,V7が閉まった状態、且つ、バルブV4,V5,V6が開いた状態で、真空ポンプVP2で真空引きされている(ステップST1)。これにより、常時は、第2のコールドトラップCT2内は、高真空領域乃至超高真空領域にあたる真空環境に保たれている。第1のコールドトラップCT1内は、これに先立つ分析の終了時の排気操作により、低真空領域にあたる真空環境に保たれている。
まず、水捕捉ステップを実施する。分析装置11に抽出対象ガスを導入するには、まず、バルブV2を開き、第1のコールドトラップCT1を中真空領域の圧力になるまで排気してから(ステップST2)、バルブV2を閉じる(ステップST3)。なお、必要に応じて、ゲッター・バルブGV1〜GV3及びバルブV6(または加えてV5)を閉じ、バルブV3を開くことで、真空度を真空計P1で確認するが、真空ポンプVP1が正常に作動している限りは、5分程度の排気により十分に中真空領域に達する。次に、試料水を封入した試料容器13を試料容器接続部9に接続し、バルブV1を開き、第1のコールドトラップCT1に試料水を導入し(ステップST4)、バルブV1を速やかに閉じる(ステップST5)。本実施の形態の試料水は、海底熱水であり、試料容器13に封入されている。バルブV1を開いて第1のコールドトラップCT1に試料水が入ることで、第1のコールドトラップCT1内は、低真空領域の圧力となる。この状態で、第1のコールドトラップCT1を第1の温度で冷却し、液相を凝結させる(ステップST6)。このことにより、第1のコールドトラップCT1内は、冷却前より圧力の低い真空領域の圧力となる。次に、バルブV4を閉じ、バルブV3を開き、第2のコールドトラップCT2に、水蒸気を含む準抽出対象ガスを導入する(ステップST7)。このことにより、第2のコールドトラップCT2内は、低真空領域と中真空領域の境界付近の圧力となる。この状態で、第2のコールドトラップCT2を第2の温度で冷却し、水蒸気を凝集させ、冷却を続けながら、バルブV3を閉じる(ステップST8)。このことにより、第2のコールドトラップCT2内は、中真空領域にあたる真空環境となる。
次に、吸着ステップを実施する。まず、第1乃至第4のゲッターに付属するゲッター・バルブGV1〜GV4、及び、バルブV5,V6を閉じる(ステップST9)。このことにより、バルブV4からV6の間の管路内は、高真空領域の圧力になり、バルブV6からV7の間の管路内は、超高真空領域の圧力に保たれる。バルブV4を開いて、準抽出対象ガスをバルブV4からV6の間に導入する(ステップST10)。これにより、この区間は、中真空領域の圧力となる(ガス導入時に真空計P2により計測する)。
ゲッター・バルブGV1を開き、第1のゲッターG1を作用させる(ステップST11)。第1のゲッターG1は、予め400±10℃程度に熱せられて活性化されており、10分程作用させた後、ゲッター・バルブGV1を閉じる(ステップST12)。
次にゲッター・バルブGV2を開き、第2のゲッターG2を作用させる(ステップST13)。第2のゲッターG2は、予め400±10℃程度に熱せられて活性化されており、10分程作用させた後、ゲッター・バルブGV2を閉じる(ステップST14)。
次にゲッター・バルブGV3を開き、第3のゲッターG3を作用させる(ステップST15)。第3のゲッターG3は、予め650±10℃程度に熱せられて活性化されており、10分程作用させ、続けて、室温になるまで10分程冷却しつつ作用させてから、ゲッター・バルブGV3を閉じる(ステップST16)。第1〜第3のゲッターG1〜G3のゲッター効果により、バルブV4からV6の区間は、高真空領域の圧力または高真空領域と超高真空領域の境界付近の圧力となる。
その後、バルブV6を開き、バルブV6からV7の区間に、ゲッター処理したガスを導入する(ステップST17)。これにより、当該区間は、高真空領域の圧力または高真空領域と超高真空領域の境界付近の圧力となる(ガス導入時に真空計P3により測定する)。そして、ゲッター・バルブGV4を開き、第4のゲッターG4を作用させ(ステップST18)、ゲッター・バルブGV4を閉じる(ステップST19)。第4のゲッターG4は、加熱状態または室温下で作用させるものである。本実施の形態では、第4のゲッターG4によるゲッター処理を経て得られたガスが抽出対象ガス(希ガス)である。第4のゲッターG4によるゲッター処理後も、バルブV6からV7の区間が超高真空領域の圧力に達しない場合には、抽出対象ガスの量が多すぎるため、バルブV6を閉じ、バルブV5を開いて、真空ポンプVP2によって一部を排気し、ガス量を調節することが可能である(ステップST20,21)。分析内容及び分析装置に応じて、得られた抽出対象ガスをそのまま分析装置11に導入してもよく、また、得られた抽出対象ガスをさらに分離する必要がある場合には、分離用トラップ・バルブVSTを開閉し、分離用トラップSTを用いて、希ガスを分離し(ステップST22,23)、分析装置に導入する(ステップST24)。
なお、本明細書で用いる「真空領域」の語は、JIS Z 8126−1:1999に規定されている定義によるものであり、具体的に、低真空領域とはJISで規定する100Pa以上の圧力範囲を意味し、中真空領域とはJISで規定する100Pa未満0.1Pa以上の圧力範囲を意味し、高真空領域とはJISで規定する0.1Pa未満10-5Pa以上の圧力範囲を意味し、超高真空領域とはJISで規定する10-5Pa未満の圧力範囲を意味する。
<第1及び第2のゲッターのゲッター効果>
図5及び図6を用いて、第1及び第2のゲッターG1,G2のゲッター効果を示す。
図5(A)は、水道水(塩素を多く含有する試料水)をゲッター処理せずに分析した結果を示す図であり、(B)は、第1のゲッターG1に作用させた後の分析結果を示す図である。縦軸は、圧力(torr)の対数軸、横軸は、質量数(AMU)である。図5(A)では、分析装置の作動限界を超えた高圧(中真空領域の程度)のガスにより分析装置が飽和し、質量スペクトラムが得られていない。一方、図5(B)では、ゲッターG1の効果により装置内の圧力が低下し、質量数1(1 AMU)ごとに分離された多様なガス種が検出されるようになっている。このうち質量数35が塩素の主要な同位体である塩素−35の質量数に相当するが、これは検出されていない。このように、図5(A)及び(B)を比較すると、図5(B)の方が、塩素が3桁以上減少していることが明らかである。
図6(A)は、温泉水(硫黄化合物を多く含有する試料水)をゲッター処理せずに分析した結果を示す図であり、(B)は、第2のゲッターG2に作用させた後の分析結果を示す図である。縦軸は、圧力(torr)の対数軸、横軸は、質量数(AMU)である。図6(A)では、分析装置の作動限界に近い圧力(中真空と高真空の境界程度圧力)のガスにより分析装置が飽和する質量数があり、質量スペクトラムが乱れている。このうち質量数48が硫黄と酸素の主要な同位体である硫黄−32と酸素−16が結合した一酸化硫黄の質量数に相当するが、これはかろうじて検出されており、10-9の桁である。一方、図6(B)では、ゲッターG2の効果により装置内の圧力が低下し、質量数1(1 AMU)ごとに分離された多様なガス種が検出されるようになっている。一酸化硫黄の質量数に相当する質量数48の部分は質量スペクトラムの谷となっており10-10の桁である。このように、図6(A)及び(B)を比較すると、図6(B)の方が、硫黄化合物が1〜2桁減少していることが明らかである。
次に、図7及び図8を用いて、第1及び第2のゲッターG1,G2の処理順の違いによるゲッター効果の違いを示す。図7の例では、第1、第2のゲッターの順にゲッター処理をしている。図7(A)は、ハロゲン化合物及び硫黄化合物を含有した試料水をゲッター処理せずに分析した結果を示す図であり、(B)は、第1のゲッターによるゲッター処理後の分析結果を示す図であり、(C)は、第2のゲッターによるゲッター処理後の分析結果を示す図である。縦軸は、圧力(torr)の対数軸、横軸は、質量数(AMU)である。図7(A)〜(C)から、先に第1のゲッターによるゲッター処理を行った場合、第1及び第2のゲッターのゲッター効果が十分に発揮されていることがわかる。
これに対して、図8の例では、第2、第1のゲッターの順にゲッター処理をしている。図8(A)は、ハロゲン化合物及び硫黄化合物を含有した試料水をゲッター処理せずに分析した結果を示す図であり、(B)は、第2のゲッターによるゲッター処理後の分析結果を示す図であり、(C)は、第1のゲッターによるゲッター処理後の分析結果を示す図である。縦軸は、圧力(torr)の対数軸、横軸は、質量数(AMU)である。図8(A)〜(C)から、先に第2のゲッターによるゲッター処理を行った場合、先の第2のゲッターを作用させた時点でも効果が得られず、質量スペクトラムが得られていない上に、後の第1のゲッターによる二段目でも、質量数48に一酸化硫黄に相当するピークが残存することとなり、硫黄化合物が吸着しきれないことがわかる。
したがって、図7及び図8から、本発明において、第1及び第2のゲッターの順番も重要な要素であることがわかる。
以上、本発明の実施の形態の一例について具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で変更が可能であるのは勿論である。例えば、試料水としては、海底熱水に限るものではなく、本発明のガス分析用前処理装置は、どのような試料水をも対象とすることが可能であり、特に、海水や陸上温泉水等の環境水を試料水とする場合に適している。
本発明によれば、海底熱水等のように、ハロゲン化合物及び硫黄化合物並びに被検物質である希ガス(抽出対象ガス)が溶存した試料水から、高純度で希ガス(抽出対象ガス)を分離・抽出することが可能なガス分析用前処理装置及びガス分析用前処理方法を得ることができる。
1 ガス分析用前処理装置
3 水捕捉セクション
5 吸着セクション
7 管路
9 試料容器接続部
11 分析装置
13 試料容器
V1〜V7 バルブ
CT1 第1のコールドトラップ
CT2 第2のコールドトラップ
G1 第1のゲッター
GM11 鉄(Fe)系ゲッター材
GM12 マグネシウム(Mg)系ゲッター材
GM13 カルシウム(Ca)系ゲッター材
G2 第2のゲッター
GM21 酸化銅(CuO)系ゲッター材
GM22 酸化鉄(FeO)系ゲッター材
GM23 第1のアルミニウム(Al)系ゲッター材
GM24 バナジウム(V)系ゲッター材
GM25 ジルコニウム(Zr)系ゲッター材
GM26 第2のアルミニウム(Al)系ゲッター材
G3 第3のゲッター
G4 第4のゲッター
GV1〜GV4 ゲッター・バルブ
VP1、VP2 真空ポンプ
ST 分離用トラップ
VST 分離用トラップ・バルブ

Claims (13)

  1. 抽出対象ガスが溶存した試料水から水を捕捉して準抽出対象ガスを精製する水捕捉セクションと、
    前記準抽出対象ガス中の非抽出対象ガスを吸着する吸着セクションとからなるガス分析用前処理装置であって、
    前記水捕捉セクションが、
    第1のトラップ路内にある前記試料水を、前記抽出対象ガスが凝集しない第1の温度で冷却し、液相を除去して、水蒸気を含む準抽出対象ガスを精製し、前記第1のトラップ路内を第1の真空環境にする第1のコールドトラップと、
    前記第1のコールドトラップで精製されて第2のトラップ路内にある前記水蒸気を含む準抽出対象ガスを、前記水蒸気を凝集させるが、前記抽出対象ガスは凝集しない、前記第1の温度よりも低温である第2の温度で冷却し、前記水蒸気を除去して水蒸気を含まない準抽出対象ガスを精製し、前記第2のトラップ路内を前記第1の真空環境よりも真空度の高い第2の真空環境にする第2のコールドトラップとを含んでおり、
    前記吸着セクションが、
    ゲッター配置路内にある前記準抽出対象ガス中から、ハロゲン化合物を吸着する第1のゲッターを備えた第1の吸着セクションと、前記第1の吸着セクションで吸着処理された前記準抽出対象ガス中から硫黄化合物を吸着する第2のゲッターを備えた第2の吸着セクションとを含んでおり、前記ゲッター配置路内を前記第2の真空環境よりも真空度の高い第3の真空環境にすることを特徴とするガス分析用前処理装置。
  2. 抽出対象ガスが溶存した試料水から水を捕捉して準抽出対象ガスを精製する水捕捉セクションと、
    前記準抽出対象ガス中の非抽出対象ガスを吸着する吸着セクションとからなるガス分析用前処理装置であって、
    前記水捕捉セクションが、
    第1のトラップ路内にある前記試料水を、前記抽出対象ガスが凝集しない第1の温度で冷却し、液相を除去して、水蒸気を含む準抽出対象ガスを精製し、前記第1のトラップ路内を第1の真空環境にする第1のコールドトラップと、
    前記第1のコールドトラップで精製されて第2のトラップ路内にある前記水蒸気を含む準抽出対象ガスを、前記水蒸気を凝集させるが、前記抽出対象ガスは凝集しない、前記第1の温度よりも低温である第2の温度で冷却し、前記水蒸気を除去して水蒸気を含まない準抽出対象ガスを精製し、前記第2のトラップ路内を前記第1の真空環境よりも真空度の高い第2の真空環境にする第2のコールドトラップとを含んでおり、
    前記吸着セクションが、
    ゲッター配置路内にある前記水蒸気を含まない準抽出対象ガスから非抽出対象ガスを吸着し、前記ゲッター配置路内を前記第2の真空環境よりも真空度の高い第3の真空環境にする1以上のゲッターを備えていることを特徴とするガス分析用前処理装置。
  3. 抽出対象ガスが溶存した試料水からトラップ路内で水を捕捉して準抽出対象ガスを精製し、前記トラップ路内を真空環境にする水捕捉セクションと、
    前記準抽出対象ガス中の非抽出対象ガスを吸着する吸着セクションとからなるガス分析用前処理装置であって、
    前記吸着セクションが、
    ゲッター配置路内にある前記準抽出対象ガス中から、ハロゲン化合物を吸着する第1のゲッターを備えた第1の吸着セクションと、前記第1の吸着セクションで吸着処理された前記準抽出対象ガス中から硫黄化合物を吸着する第2のゲッターを備えた第2の吸着セクションとを含んでおり、前記ゲッター配置路内を前記水捕捉セクション内の前記真空環境よりも真空度の高い真空環境にすることを特徴とするガス分析用前処理装置。
  4. 前記第1のゲッターは、前記準抽出対象ガスの流入路に沿って鉄(Fe)系ゲッター材、マグネシウム(Mg)系ゲッター材、カルシウム(Ca)系ゲッター材が並んだ構造を有している請求項1または3に記載のガス分析用前処理装置。
  5. 前記鉄系ゲッター材は、鉄線であり、
    前記マグネシウム系ゲッター材は、マグネシウムリボンであり、
    前記カルシウム系ゲッター材は、粒状のカルシウムである請求項4に記載のガス分析用前処理装置。
  6. 前記カルシウム系ゲッター材、前記マグネシウム系ゲッター材、前記鉄系ゲッター材の重量比率は、1±10%:1±10%:0.03±10%である請求項4または5に記載のガス分析用前処理装置。
  7. 前記第2のゲッターは、前記準抽出対象ガスの流入路に沿って、酸化銅(CuO)系ゲッター材、酸化鉄(FeO)系ゲッター材、第1のアルミニウム(Al)系ゲッター材、バナジウム(V)系ゲッター材、ジルコニウム(Zr)系ゲッター材、第2のアルミニウム(Al)系ゲッター材が並んだ構造を有している請求項1または3に記載のガス分析用前処理装置。
  8. 前記第1のアルミニウム系ゲッター材及び第2のアルミニウム系ゲッター材は、アルミニウム箔であり、
    前記ジルコニウム系ゲッター材は、板状のジルコニウムであり、
    前記バナジウム系ゲッター材は、板状のバナジウムであり、
    前記酸化鉄系ゲッター材は、酸化鉄線であり、
    前記酸化銅系ゲッター材は、酸化銅線である請求項7に記載のガス分析用前処理装置。
  9. 前記第1のアルミニウム系ゲッター材、前記ジルコニウム系ゲッター材、前記バナジウム系ゲッター材、前記第2のアルミニウム系ゲッター材、前記酸化鉄系ゲッター材、前記酸化銅系ゲッター材の重量比率は、0.5±10%:1±10%:1±10%:0.5±10%:1±10%:2±10%である請求項7または8に記載のガス分析用前処理装置。
  10. 前記吸着セクションが、前記第2の吸着セクションで吸着処理された前記準抽出対象ガスから、活性ガスを吸着する第3の吸着セクションをさらに備えている請求項1または3に記載のガス分析用前処理装置。
  11. 前記吸着セクションが、前記第3の吸着セクションで吸着処理された前記準抽出対象ガスから、水素を吸着する第4の吸着セクションをさらに備えている請求項10に記載のガス分析用前処理装置。
  12. 抽出対象ガスが溶存した試料水から水を捕捉して準抽出対象ガスを精製する水捕捉ステップと、
    前記準抽出対象ガス中の非抽出対象ガスを吸着する吸着ステップとからなるガス分析用前処理方法であって、
    前記水捕捉ステップが、
    第1のトラップ路内にある前記試料水を、前記抽出対象ガスが凝集しない第1の温度で冷却し、液相を除去して、水蒸気を含む準抽出対象ガスを精製し、前記第1のトラップ路内を第1の真空環境にする第1の捕捉ステップと、
    前記第1の捕捉ステップで精製され第2のトラップ路内にある前記水蒸気を含む準抽出対象ガスを、前記水蒸気を凝集させるが、前記抽出対象ガスは凝集しない、前記第1の温度よりも低温である第2の温度で冷却し、前記水蒸気を除去して水蒸気を含まない準抽出対象ガスを精製し、前記第2のトラップ路内を前記第1の真空環境よりも真空度の高い第2の真空環境にする第2の捕捉ステップとを含んでおり、
    前記吸着ステップが、
    1以上のゲッターを用いて、ゲッター配置路内にある前記水蒸気を含まない準抽出対象ガスから非抽出対象ガスを吸着し、前記ゲッター配置路内を前記第2の真空環境よりも真空度の高い第3の真空環境にすることを特徴とするガス分析用前処理方法。
  13. 抽出対象ガスが溶存した試料水からトラップ路内で水を捕捉して準抽出対象ガスを精製し、前記トラップ路内を真空環境にする水捕捉ステップと、
    前記準抽出対象ガス中の非抽出対象ガスを、ゲッターを用いて吸着する吸着ステップとからなるガス分析用前処理方法であって、
    前記吸着ステップが、
    ゲッター配置路内にある準抽出対象ガス中から、ハロゲン化合物を吸着する第1の吸着ステップと、前記第1の吸着ステップで吸着処理された前記準抽出対象ガス中から硫黄化合物を吸着する第2の吸着ステップとを含んでおり、前記ゲッター配置路内を前記トラップ路内の前記真空環境よりも真空度の高い真空環境にすることを特徴とするガス分析用前処理方法。
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