JP2009099501A - ガス回収装置及びその方法 - Google Patents

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俊明 猪原
Hiromi Naozuka
浩美 直塚
Akihito Kumechi
昭仁 粂地
Hiroshi Murase
洋 村瀬
Kazukiyo Takano
和潔 高野
Koichi Okuma
光一 大熊
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Abstract

【課題】短時間で効率よくSFガスから空気の分離・除去を実施し、絶縁ガス純度と保安圧力を維持すると同時に、回収作業時間の大幅な短縮化を図って、信頼性・安全性並びに作業性に優れたガス回収装置とその方法を提供する。
【解決手段】貯液タンク7の気相部内のガスを取出すガス取出しライン20が設置され、ガス取出しライン20にはバッファタンク3bを介して空気除去装置15が接続されている。空気除去装置15には空気放出用の真空ポンプ13bと、ガス導入ライン22が接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス絶縁機器に封入した高純度の絶縁ガスを液化回収するガス回収技術に係り、特に、絶縁ガスの純度維持と、液化ガス保管時の安全性向上を図ったガス回収装置及びその方法に関するものである。
一般に、ガス絶縁機器には絶縁媒体として絶縁ガスが封入されている。中でも、SFガスは絶縁性能と消弧性能に優れており、化学的にも安定で無害な気体であるため、絶縁ガスとして広く用いられている。ただし、SFガスは温室効果が高く、分解までの寿命も長いといった特徴がある。そこで現在では、地球環境保護の観点から、排出規制対象として指定されるに至っている。したがって、機器の試験後や現地での内部点検に際して、ガス絶縁機器からSFガスを抜く場合、これを大気開放するのではなく、大気中への放出を防いで出来るだけ回収する必要に迫られている。
ガス絶縁機器からSFガスを回収する場合、ガスの状態のままで回収する技術が提案されている。例えば特許文献1記載の技術では、分離膜によってSFガスの濃縮しつつガスの状態のままで回収している。また、特許文献2〜5のように、保管体積の縮小化を目指して、加圧装置でSFガスを加圧液化し、液体の状態で保管する技術も知られている。
上記の従来技術のうち、特許文献2〜4の技術は、SFガスの使用量削減を目指して、絶縁ガスとして、SFガスだけではなく、SFガスに意図的に窒素ガス等を混合させた混合ガスを採用したガス絶縁機器に適用されており、この混合ガスを回収対象とした技術である。混合ガスをガス絶縁機器から取り出す場合は、分子篩効果を有する吸着材によって、前記混合ガスをSFガスとそれ以外のガスに分離し、SFガスだけを液化回収するようになっている。
これに対し、特許文献5は、絶縁ガスとしてSFガスと窒素ガス等との混合ガスを用いるのではなく、純粋なSFガスを封入したガス絶縁機器に適用されており、純SFガスを回収対象とした技術である。ガス絶縁機器からの回収ガスがSFガスだけであるならば、上記の混合ガスの場合とは違ってガス分離を行う必要は無いと考えられるが、実際には回収時に純SFガスに空気が混入することがある。そのため、純SFガスの回収装置でも回収ガスに対し、SFガスと空気とを分離することが求められている。
ここで、ガス絶縁機器から純SFガスを液化、回収するガス回収装置の従来例について、図9を参照して具体的に説明する。図9に示すように、SFガスが封入されたガス絶縁機器1には手動バルブ11aを介して接続ホース2が接続されている。接続ホース2には手動バルブ11bを介して電動バルブ12aが接続され、この電動バルブ12aには並列に電動バルブ12b、真空ポンプ13a及び逆止弁29からなる管路が接続されている。さらに電動バルブ12a及び逆止弁29の接続部にはバッファタンク3a、フィルタ4、減圧バルブ14a、コンプレッサ5、熱交換器6、貯液タンク7が順次接続されている。
貯液タンク7には手動バルブ11c、11dが設置されており、手動バルブ11dを介して気化装置8、電動バルブ12c、減圧バルブ14b、ドライヤ9、フィルタ10が接続されている。さらに、フィルタ10は手動バルブ11eを介して前記接続ホース2に接続されている。
以上の構成を有するガス回収装置において、ガス絶縁機器1からSFガスを回収する場合、ガス絶縁機器1内のガス圧が高い時には電動バルブ12aを開、電動バルブ12bを閉とすることで、自動的にガス絶縁機器1内のSFガスをバッファタンク3aに流す。そして、ある程度、バッファタンク3aへのSFガスの回収が進み、ガス絶縁機器1のガス圧が大気圧近傍にまで低下した時点で、電動バルブ12aを閉、電動バルブ12bを開とし、真空ポンプ13aによりSFガスを吸引してバッファタンク3aへSFガスを送る。
続いて、バッファタンク3a内のSFガスを、フィルタ4を通してコンプレッサ5に送り、コンプレッサ5にて圧縮する。その後、熱交換器6にて冷却してSFガスを液化し、液化SFを貯液タンク7に貯蔵する。なお、貯液タンク7に貯蔵したSFをガス絶縁機器1へ戻す場合は、手動バルブ11dを開けて貯液タンク7内の液化SFを気化装置8へ送出し、気化装置8で加熱気化する。そして、気化したSFガスをドライヤ9、フィルタ10を通し、接続ホース2を介してガス絶縁機器1に充填する。
ところで、ガス回収時において、回収対象のガス絶縁機器1内のガス圧力が高い時には、比較的スムーズにSFガスをガス回収装置側に導くことができるが、大気圧以下になった場合には真空ポンプ13aによる回収が必要となる。上記図9の従来例では、ガス絶縁機器1内に封入されたSFガスを高真空状態になるまで、真空ポンプ13aで引いてから回収しており、SFガスの排出量を最大限削減している。
しかしながら、上記のような減圧回収を実施するため、回収するSFガス中に多少の空気が混入することが避けられなくなる。仮に真空引きで133Pa− absまで真空引きしたとしても、約0.1 %の空気はガス絶縁機器1内部に残る。そのため、空気を含んだ状態でSFガスを液化、回収することになる。なお、純SFガスへの空気混入量は一定ではなく、真空状態となったガス絶縁機器に対しては系外から空気が進入する可能性が高い。しかも、何らかのトラブル発生時にはSFガスへの空気混入量は極端に多くなることは否めない。
空気を含んだSFガスの液化回収を繰り返していくと、貯液タンク7内の上部には、液化できない空気が徐々に溜まっていき、それに応じてガス相のSFガス濃度は低くなる。このとき、貯液タンク7内では、液化したSFに空気が常に触れることになり、液化SFの純度低下を招いた。貯液タンク7内の液化SFの純度が下がれば、貯液タンク7からガス絶縁機器1に戻した際のSFガスの純度も低下し、問題となっていた。
また、貯液タンク7内に空気が溜まっていくと、貯液タンク7に液化SFを溜める容積が少なくなって貯液タンク7内のガス圧が増大することになる。その結果、貯液タンク7の保安圧力を上回る心配があった。貯液タンク7内のガス圧を低減させるには、貯液タンク7内の気相部内のガスをパージすることが考えられる。
しかし、貯液タンク7内の気相部内のガスは蒸気圧分のSFガスを含んでいる。したがって、貯液タンク7内の気相部内のガスをそのまま大気中に放出することは環境への負荷が大きい。そもそも、SFガスの回収目的が大気放出を避けるためであるのに、SFガスを大気へ放出したのでは、ガス回収技術の意義が無くなる。
以上述べたように、純SFガスをガス回収する装置では、減圧回収時にSFガスに空気が混入されるため、絶縁ガスの純度低下と、液化ガス保管時の保安圧力上昇が問題となっている。また、環境への負荷低減を鑑みて、SFガスから分離した空気だけを大気中に放出することが求められている。
そこで、純SFガスのガス回収装置に関しても、混合ガスのガス回収装置と同様に、回収ガスを分離する必要に迫られており、SFガスから空気を分離してこれを除去し、高純度のSFガスだけを液化回収することが重要となっている。例えば、特許文献5は空気分離手段として中空糸膜フィルタを利用した技術である。
特開平11−345545号公報 特開2001−143580号公報 特開2002−126437号公報 特開2001−110284号公報 特開平11−9951号公報
しかしながら、上記の従来技術には次のような問題点が指摘されていた。すなわち、混合状態にあるガス同士を完全に分離するには通常、長い時間がかかってしまう。そのため、空気分離手段が高性能であったにせよ、多量のSFガス中から空気を短時間で分離することは不可能であった。
つまり、ガス分離の律速段階となるガス分離工程が、全作業工程の時間を決める要因となっており、ガス回収時間の長期化が余儀なくされていた。しかも、特許文献5では、ガス分離を行う中空糸膜フィルタをガス回収装置全体の中間部分に配置している。このため、ガス回収作業全体に与える影響は大きく、回収作業の短縮化を図る観点から見て、不合理であった。
本発明は、上記の課題を解消するために提案されたものであり、その目的は、短時間で効率よくSFガスから空気の分離・除去を実施し、絶縁ガス純度と保安圧力を維持すると同時に、回収作業時間の大幅な短縮化を図って、信頼性・安全性並びに作業性に優れたガス回収装置とその方法を提供することにある。
本発明は、以上の目的を達成するために、提案されたものであり、絶縁ガスを封入したガス絶縁機器から前記絶縁ガスを吸引し送出する真空ポンプと、前記真空ポンプにより送出された前記絶縁ガスを圧縮するコンプレッサと、前記コンプレッサにて圧縮された前記絶縁ガスを冷却して凝縮液化させる液化手段と、前記液化手段にて液化された絶縁液を貯蔵する貯液タンクと、前記貯液タンクに貯蔵された前記絶縁液を気化させる気化手段と、前記気化手段にて気化された前記絶縁ガスを前記ガス絶縁機器に封入する絶縁ガス封入手段と、を有するガス回収装置において、前記貯液タンクの気相部内のガスを取出すガス取出し手段と、前記ガス取出し手段にて取り出したガス中に含まれる空気を除去する空気除去手段と、前記空気除去手段にて除去した空気を大気中に放出する空気放出手段と、前記空気除去手段によって空気を除去した後のガスを前記回収装置内に導くガス導入手段を設けたことを特徴とする。
以上の構成を有する本発明においては、まずガス絶縁機器から絶縁ガスを吸引してこれを液化して貯液タンクに溜め、貯液タンクの気相部内のガスを取り出して、そこから空気を除去する。このとき、回収対象である絶縁ガスの大部分は液化しており、気相部のガス中に存在する空気と蒸気圧分の絶縁ガスの分離を行うだけで済む。
つまり、本発明では、ガス絶縁機器から吸引した絶縁ガス全体とするのではなく、貯液タンクの気相部内のガスのみに絞って、ガス分離を実施している。したがって、空気を除去しようとするガスは非常に少量であり、空気除去にかかる作業時間を大幅に短縮することができる。
しかも、本発明は構成手段を貯液タンクに後から取り付けることが可能なので、既存のガス回収装置への適用が容易であり、高い実用性を発揮することができる。さらに、貯液タンクから空気を含むガスを定期的に抜くことで、タンク内の圧力を低下させることができ、高い安全性を確保可能である。また、ガス導入手段にて空気除去後のガスを再度コンプレッサに導くため、絶縁ガスの回収効率が良好であり、ガス純度の維持を実現することができる。
本発明のガス回収装置とその方法によれば、絶縁ガスを液化回収した貯液タンクの気相部からガスを抜き出し、このガスから空気を分離することによって、短時間で効率よく絶縁ガスから空気を除去可能であり、絶縁ガスの純度維持及び保安圧力の維持を実現すると共に、回収作業時間を大幅な短縮化して作業性の向上に寄与することができた。
以下、本発明に係る代表的な実施形態について、図1〜図8を参照して具体的に説明する。本実施形態は、図9にて示した従来例と同様、ガス絶縁機器1から純SFガスを液化、回収するガス回収装置に適用したものであって、バッファタンク3aと貯液タンク7との間に貯液タンク7内に溜った空気を除去する装置を取り付けた点に特徴がある。なお、前述の図9と同一部材に関しては同一の符号を付して説明は省略する。
(A)本実施形態の構成
(A−1)全体構成
図1は本実施形態の全体構成を示している。図1に示すように、貯液タンク7の上部には貯液タンク7の気相部内のガスを取出すガス取出しライン20が設置されている。ガス取出しライン20にて取り出す貯液タンク7の気相部内のガスは、前述した様に、ガス回収時に真空ポンプ13aによる真空引きにより空気が混入された状態にある。ガス取出しライン20には手動バルブ11f、減圧バルブ14cを介してバッファタンク3bが接続されている。
更にバッファタンク3bの下流には空気除去装置15が接続されている。空気除去装置15の構成に関しては後段で詳述する。空気除去装置15には、真空ポンプ13bと、ガス導入ライン22が接続されている。真空ポンプ13bは、空気除去装置15によって除去した空気を大気中に排気する空気放出手段である。真空ポンプ13bの排気側にはSFガスを捕集するために、孔径10Åタイプのゼオライト系の吸着材21aを充填した二次吸着筒21が設置されている。二次吸着筒21の内部構成に関しては図5に示す。
ガス導入ライン22は、空気除去装置15によって空気を除去した後のガスを、バッファタンク3aを介してコンプレッサ5に導く手段であり、ここには手動バルブ11gが設置されている。また、ガス導入ライン22には一時的にガスを溜めるガスタンク23が設置されている。
ガスタンク23は、大気圧に保たれるようになっており、内部圧力が所定値を超えた場合にガスタンク23内のガスをガス導入ライン22に戻すように構成されている。さらに、ガスタンク23には酸素濃度計24が取り付けられている。酸素濃度計24はガスタンク23内のガスの酸素濃度を測定し、測定信号を空気除去装置15に与えるようになっている。空気除去装置15では、酸素濃度計24からの測定信号に基づいて、ガス導入ライン22を通過するガス中に酸素が混入しているか否かを判別し、後述する空気除去動作を制御するように構成されている。
(A−2)空気除去装置15
空気除去装置15について、図2を用いて詳しく説明する。図2に示すように、空気除去装置15は、空気分離槽15a、15bが複数(図2では便宜上、2つ示す)設けられた圧力スイング吸着方式を採用しており、各空気分離槽15a、15bは空気を分離するための選択的吸着材16を充填している。
圧力スイング吸着方式とは、吸着材16の吸着量がガス圧力に比例することを基本原則にし、空気分離槽15a、15bの加圧と減圧を交互に繰返す方式である。すなわち、一方の空気分離槽15aでSFガスと空気を分離している間に、他の空気分離槽15bを減圧状態して吸着能力の再生を図り、これにより連続的なSFガスの分離、精製を実施するようになっている。
空気除去装置15は、ガスタンク23に取り付けられた酸素濃度計24から測定信号を受け取り、酸素濃度計23の測定した酸素濃度に基づいてガス導入ライン22を通過するガス中における酸素の有無を判別して、吸着材16の吸着性能が飽和したか否かを判定するようになっている。そして、判定結果にしたがって空気分離槽15a、15bに接続されたバルブB1〜B6の開閉制御を行い、空気分離槽15a、15bの加圧と減圧に関する圧力制御をリアルタイムで実施するようになっている。
(A−3)空気除去装置15のバルブB1〜B6
続いて、空気除去装置15のバルブB1〜B6について、図2を参照して説明する。空気分離槽15aにはバルブB1、B2、B5が、空気分離槽15bにはバルブB3、B4、B6が、それぞれ接続されている。このうち、バルブB1、B3は、ガス取出しライン20と空気分離槽15a、15bとの間に設置されており、ガス取出しライン20を通過したガス、つまり空気の混入したSFガスを、空気分離槽15a、15bに導入させるためのものである。
また、バルブB2、B4は、真空ポンプ13bと空気分離槽15a、15bとの間に設置されており、空気分離槽15a、15bの通過により空気が除去されたガスを、真空ポンプ13bへと導くためのものである。さらに、バルブB5、B6は、ガス導入ライン22aと空気分離槽15a、15bとの間に設置されており、空気分離槽15a、15bを通過して空気が除去されたガスを、バッファタンク3aへと導くためのものである。
(A−4)吸着材16
空気分離槽15a、15b内の選択的吸着材16について、図3、図4を用いて説明する。吸着材16は、孔径のサイズにより特異な選択吸着性を示すゼオライト系材料から構成されており、ここでは空気を構成する窒素ガスや酸素ガスとSFガスを分離するように、孔径5Åのものが用いられている。
ゼオライトとは、一般式MeO・Al・mSiO・nHOで示される含水アルミノケイ酸塩鉱物群の総称であり、その結晶内に均一な細孔(空洞)を有し、この細孔よりも小さい分子のみを空洞内部に吸着することで、優れた選択吸着性(分子篩効果という)を発揮する部材である。
図3は吸着材16によるガスの分離原理を示している。すなわち、SFガスと、空気の主成分である窒素や酸素ガスとでは、分子の大きさがかなり異なっている。具体的には、SF分子はDS5.49Å〜DL6.06Å、窒素分子はDS3.1Å〜DL4.2Åで、酸素分子はDS2.8Å〜DL4.3Åで、窒素分子とほぼ同じ大きさである(DSは分子の短い方の長さ、DLは分子の長い方の長さを示す。単位はオングストローム)。
吸着材16として孔径が5Åのものを使用した場合、SFガスは、表面にある細孔を通れずゼオライト内部には入れないため、吸着材16内部に吸着されることはない。これに対して、窒素や酸素ガスは、表面にある細孔を通り抜けゼオライト内部には入って、吸着材16内部に吸着される(図3参照)。なお、図4は、吸着材16の分子篩効果を説明するためのグラフであり、各種ゼオライトの細孔径と各種ガス分子径の関係を表している。グラフにおいて横軸はゼオライトの細孔径、縦軸は吸着される代表的な分子を示す。
(B)ガス回収方法
以上のような本実施形態は、次のようにして、ガス回収を実施する。まず、図1において、図9に示した従来例と同様、ガス絶縁機器1からSFガスを回収し、コンプレッサ5による圧縮ステップ、熱交換器6による冷却ステップを経て、SFガスを液化し、液化SFを貯液タンク7に貯蔵する。
(B−1)ガス取出しステップ
このように液化SFを貯液タンク7に貯蔵した状態から、本実施形態では、手動バルブ11f、減圧バルブ14cを動作させ、貯液タンク7の気相部内のガスをバッファタンク3bに取出す。
(B−2)空気除去ステップ
バッファタンク3bに取り出したガスは、前述した様にガス回収時に真空ポンプ13aによる減圧回収により空気を含んでいるため、空気除去装置15を通過させて空気を除去する。空気除去装置15のバルブB1〜B6のうち、空気除去を行う前の状態では、空気分離槽15aのバルブB1は開の状態である。
また、空気分離槽15bのバルブB4も開の状態で真空ポンプ13bに連結して減圧処理されている。その他のバルブB2、B3、B5、B6は閉の状態になっている。空気除去装置15は、この状態から次のようなバルブB1〜B6の運転パターンに実施して空気の分離、除去を行う。
すなわち、バルブB1が開状態なので、ガス取出しライン20を通る空気混入のSFガスを、配管に沿って空気分離槽15a内に導く。空気分離槽15aでは吸着材16の分子篩効果により、吸着材16は分子径の小さい窒素と酸素ガスを選択的に吸着する。したがって、分子径の大きなSFガスは徐々に濃度を上げながら図2の上方に流れていく(図2中の実線矢印方向)。
最終的に、空気分離槽15aの上部では、高濃度のSFガスが通過していくことになり、バルブB5を開にしてSFガスを、ガス導入ライン22に導き、バッファタンク3aへと回収する。吸着材16の吸着性能が飽和した時点で、バルブB1を閉とし、ガス取出しライン20から空気分離槽15aへの混合ガスの流入を止める。と同時に、バルブB5も閉として、バッファタンク3aへのSFガス回収を止める。
一方、この時期、空気分離槽15bは、真空処理により減圧状態にあり、吸着していた窒素と酸素ガスを放出(図2中の破線矢印方向)して、初期の吸着能力の回復した再生状態にある。空気分離槽15aにおいて濃縮されたSFガスの回収が終わった時点で、バルブB3を開とし、ガス取出しライン20からの空気混入SFガスの流路を、空気分離槽15a側から空気分離槽15b側に切り変える。
今度は、空気分離槽15b内の吸着材16に空気が吸着除去されることによりSFガスが濃縮し、バルブB6を開として、高濃度のSFガスをガス導入ライン22に導き、バッファタンク3aへと回収することになる。空気分離槽15b内の吸着材16の吸着性能が飽和した時点で、バルブB3を閉とし、ガス取出しライン20から空気分離槽15bへの混合ガスの流入を止める。と同時に、バルブB6も閉として、バッファタンク3aへのSFガス回収を止める。
そして、前サイクルとは逆に、空気分離槽15a側は、減圧処理し、窒素と酸素ガスを吸着材16から離脱、排出すると共に、吸着材は再生されて吸着能力が回復した再生状態になる。空気分離槽15bにおいて濃縮されたSFガスの回収が終わった時点で、バルブB1を開とし、ガス取出しライン20からの空気混入SFガスの流路を、空気分離槽15b側から空気分離槽15a側へと切り変える。
各空気分離槽15a、15b中の吸着材16に吸着されたガスは、分子の大きさが吸着材の孔径より小さい窒素と酸素ガスだけが吸着材16内部に入り、空気分離槽15a、15bを加圧して内部圧力が高くなるほど、吸着量は増大する(吸着材16の吸着工程)。なお、吸着材16の孔径サイズとしては、吸着対象ガス分子の大きさと吸着材の細孔径の違いを応用したものであるから、当然孔径3.8Å〜5Åの範囲のものが使用できるが、本実施形態で採用した5Åの吸着材16は、3.8Åの吸着材と比べて窒素や酸素ガスの吸着速度が約2倍と速く、回収効率が良好である。
一方、空気分離槽15a、15bを減圧する時には、窒素と酸素ガスが吸着材16から離脱する。これにより、吸着材16は当初の吸着性能が回復した状態に再生される(吸着材16の再生工程)。したがって、空気の混入したSFガスを空気分離槽15a、15bに再度導入すると、前回と同様、吸着材16が窒素と酸素ガスを吸着することができる。このような吸着と再生の工程を、吸着材16にて交互に繰り返すことにより、空気分離槽15a、15bでは原理的には半永久的にガスの分離が可能になる。
ところで、以上のような切替動作を実施する空気除去装置15は、酸素濃度計24からの信号により圧力スイング吸着操作のバルブB1〜B6の開閉制御や、空気分離槽15a、15bの加圧・減圧の圧力制御を行っている。一般に、混合ガスの分離処理を実施する場合、混合ガスを構成する各ガスの濃度が一定であれば、所定時間毎か、あるいは混合ガスの所定流量毎に、空気分離槽15a、15bの切替動作を行うのが普通である。
しかしながら、空気除去装置15に取り込まれる貯液タンク7の気相部内のガスに関しては、SFガスに混入する空気の濃度は一定ではなく、更に空気除去装置15によって空気を排除していくに従ってその濃度が随時変動していく。したがって、空気除去装置15における空気分離槽15a、15bの切替動作を、所定時間毎か、あるいは混合ガスの所定流量毎に行っても意味が無く、切替タイミングを正確に掴むことができない。
そこで本実施形態では、ガス導入ライン22側に酸素濃度計24を取り付け、この酸素濃度計24の測定結果から、ガス導入ライン22を通過するガス中に酸素が混入しているか否かを判別し、空気除去装置15における空気分離槽15a、15bの切替タイミングを把握している。
すなわち、各空気分離槽15a、15bに充填された吸着材16の吸着性能が飽和状態に達した場合、ガス導入ライン22に酸素ガスが流れてくるので、酸素濃度が急上昇する。このようにして、酸素濃度計24により吸着材16の飽和時点がわかる。したがって、分離処理対象である、貯液タンク7の気相部内のガスの濃度が変動しても、空気除去装置15における空気分離槽15a、15bの切替タイミングをリアルタイムで制御できることができる。
ところで、空気除去装置15の切替制御を司る酸素濃度計24は、大気圧仕様のものである。これに対して、ガス回収装置の系内のガス圧力は一般的に数気圧以上ある。したがって、酸素濃度計24の測定時には、時々吹き流して測定対象となるガスを大気圧とした上で酸素濃度を測定する必要がある。
そこで本実施形態では、内部圧力を大気圧に保ったガスタンク23をガス導入ライン22に設け、このガスタンク23に酸素濃度計24を設置して、ガス導入ライン22を通過するガス中の酸素濃度を測定している。なお、ガスタンク23内のガスは所定圧力を超えた場合にはガス導入ライン22に戻す。
以上のような本実施形態によれば、高濃度SFをガス導入ライン22から大気中に放出することなく、大気圧仕様の酸素濃度計24でも正確な酸素濃度測定が可能となる。その結果、環境への負荷を増大させることなく、空気除去装置15を的確に切替制御することができ、環境調和性と動作信頼性が向上する。
(B−3)空気放出ステップ
上述したように、空気除去装置15は、ある時点で一方の空気分離槽15a(15b)によるSFガスの回収を終えて、減圧に切り替えて当該空気分離槽15a(15b)内の吸着材16に吸着している空気の排出を行う。
このとき、空気分離槽15a(15b)中には移動途中のSFガスが存在し、また、吸着材16の間や表面等に浮遊しているSFガスがある。したがって、SFガスの一部は、どうしても減圧により空気分離槽15a(15b)から排出する空気中に混入する。混入するSFガスの濃度は、導入している処理ガスの濃度にも依存する。
実験調査例を表1に示す。今回精製が必要な空気分離装置に導入するSFガス濃度は、貯液タンク7上部のガスを回収したものである。その濃度はコンプレッサ5により加圧される圧力と熱交換器6による冷却温度により液化可能な空気を含んだSFガス濃度が決まる。
例えば、圧力3.5Mpaまで加圧し、そして0℃まで冷却した場合、濃度40%〜50%は液化できるので、それ以下の濃度のガスが空気除去装置15側に入ってくることになる。表1に従うと、空気除去装置15で貯液タンク7上部のガスの分離操作が行われた後、空気除去装置15から排出される空気側のSFガス濃度は5%〜10%となる。
Figure 2009099501
そこで本実施形態では、空気除去装置15から排出される空気中に含まれるSFガスを捕集するために、図5で詳細に示すように二次吸着筒21が設置されている。二次吸着筒21ではゼオライト系吸着材21aにて、空気除去装置15からの排出空気からSFガスを選択的に吸着する。ここでは、ゼオライト系の吸着材21aとして孔径10Åタイプを用いている。
先にゼオライトの分子篩効果について述べたが(図2〜図4参照)、ゼオライトの細孔に入るガス分子の大きさであれば、このガスを吸着する。しかし、ゼオライト結晶構造中には金属陽イオンを包蔵し、これが極性基を静電気的に引き付けたり、分極性分子を分極して引き付ける作用を示す。このため、ガス分子の持っている分極の特性と相まって、吸着力に差ができる。
この視点も含めて10Åゼオライト系の吸着材に対する各分子の吸着力の順位について述べると、HF≫HO>SO>SOF、(SO) >(CO)>CO>SF>CF>N>O>Ar(アルゴン)>Hの順番になる。したがって、SFガス、窒素ガス、酸素ガスの今回対象としている全てのガスより孔径の大きい10Åタイプの吸着材21aを用いることで、各ガスの吸着のし易さは、分子の大きさよりも吸着力に支配されるようになる。その結果、窒素や酸素よりもSFガスの方がより強く、吸着材21aに吸着されることになる。
(B−4)ガス導入ステップ
一方、空気除去装置15を経てSFガスと、窒素および酸素ガスに分離されたガスのうち、高純度のSFガスは、ガス導入ライン22を通ってバッファタンク3aに回収されていく。
バッファタンク3aに回収されたSFガスは、ここでガス絶縁機器1から回収されたSFガスと混合され、フィルタ4を通してコンプレッサ5に送られ、コンプレッサ5にて圧縮される。その後、熱交換器6にて冷却されて液化され、液化SFとして貯液タンク7に貯蔵される。
(C)作用効果
以上のような本実施形態は、次のような作用効果を有している。すなわち、ガス絶縁機器1から純粋なSFガスを回収する場合、減圧回収時にSFガスに空気が混入するが、この空気を除去するステップを、SFガスの液化後に実施している。これにより、空気除去の対象となるガスを、ガス絶縁機器1から吸引したSFガス全量とするのではなく、貯液タンク7の気相部内のガスに限定することができる。
つまり、ガス絶縁機器1から回収したSFガスの大部分は液化しており、貯液タンク7において気相部のガス中に存在する空気と蒸気圧分のSFガスの分離を行うだけで良い。このため、空気除去対象となるガス量を大幅に減らして、空気除去作業を迅速に実施することができる。
しかも、本実施形態の主要構成部材である空気除去装置15、ガス取出しライン20、ガス導入ライン22は、貯液タンク7に簡単に取り付け可能であり、現状のガス回収装置への付加が容易である。さらに、貯液タンク7から空気を含むガスを定期的に抜くようにしているので、貯液タンク7の保安圧力を常に一定に保つことができ、優れた安全性を得ることできる。また、ガス導入ライン22を通じて、空気除去後の高濃度のSFガスをコンプレッサに回収するため、SFガスの回収効率を高めることができ、SFガスの純度維持に寄与することができる。
(D)他の実施形態
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、各部材の構成や配置、材料等は適宜変更可能である。例えば、吸着材は、混合ガスを分離する点では分離膜と同じであるが、分離膜に比べて耐用寿命の点で有利である。
また、前記図3に示した吸着材16によるガスの分離原理では、窒素と酸素とSFガスの分子の大きさだけを基準として説明したが、さらに細かく見ると窒素分子と酸素分子の吸着性にも違いがある。そこで、それぞれの吸着性能に適した異なった種類(グレード)の吸着材16をガスの混合比に従って混合して、空気除去装置15に充填することで、空気の分離性能及び絶縁ガスの回収性能をいっそう高めることができる。
また、図6に示すように、空気放出手段である真空ポンプ13bの排気側に二次吸着筒21を21−1、21−2、…、21−5のように複数個直列に接続してもよい。さらに、二次吸着筒21を通過後のガス中のSFガスを検知するガス検知器30を取り付けても良い。
ここで、複数個の二次吸着筒21(21−1、21−2、…、21−5)の捕集能力の効果や、ガス検知器30によるモニタ性能について、実験データを用いて具体的に説明する。図7においてボンベ25には5%濃度の標準のSF/N混合ガスが高圧で充填されている。SFガスを捕集する二次吸着筒21は5連シリーズ接続のカラムから構成した。実験では、各カラムの吸着状態を知ることができるように特別に各出口にガス採取用口を付け、ガスを採取して分析できるようにした( 実験のためのガスサンプリング位置は、図7の破線矢印で示す)。なお、符号31は積算流量計である。
二次吸着筒21の各カラムは、φ90mm×550mm長さの筒状で、この中に孔径10Åの合成ゼオライト21aが約2kgずつ充填されている。ガス流量計で前記5%濃度の標準のSFガスを約6リットル/分の流速でカラム内を通過させ、所定時間経過毎に、排出口からガスサンプリングを行いガスクロマト(GC)分析を行い、SFガス吸着状況の推定を行った。試験開始から9.5時間までSFガスは排出されず、この間流れた混合ガス中のSFガスがカラム内に捕集されたことが解った。これら試験結果を表2に示す。
Figure 2009099501
この実験で分かるように、SFガスの捕集能力は連結したカラム数に比例しており、大気圧換算で約3.44m(6×60×9.5=3420リットル)の混合ガス中にあった約170リットルのSFガス(3420×0.05=171リットル)がカラム内に捕集されたことになる。表現を変えれば、吸着し難い余分の窒素と酸素ガスだけを分離して大気に放出したことになる。
この実験では、カラムの排出口にハロゲンリークディテクターからなるガス検知器を動作させてSFガスの排出の有無を検知できるかどうかも検証した。二次吸着筒21のSFガスの検出有無の調査結果を表3に示す。
Figure 2009099501
上記の表2、表3を比べると、ガス検知器によるSFガスの検知の有無と、ガスクロマト(GC)分析による試験結果は、良く一致していることが解る。つまり、SFガス捕集用の二次吸着筒21において、SFガスの吸着が飽和状態に近づくと、吸着性能が低下して、排出している窒素と酸素ガスに含まれるSFガス濃度が増加してくる。
このことから、ガス検知器30を二次吸着筒21の排出口に取付け、定期的に検知すれば、二次吸着筒21の吸着限界を知るセンサーとして有効に使用できることは明らかである。なお、ハロゲンガスリークディテクターは、非常にコンパクトであるため、例えば現地作業のような場合に関しても簡便に使用できる利点があり、実用性が高い。
上述したように、SFガス捕集用の二次吸着筒21が、SFガスの吸着の飽和状態に近づくと、吸着性能が低下する。したがって、所定量のSFガスを二次吸着筒21に吸着させた後には、何らかの方法で二次吸着筒21からSFガスを回収して、二次吸着筒21を再生する必要がある。
基本的には、二次吸着筒21に対して減圧回収を実施すれば、吸着しているSFガスを回収すると同時に、二次吸着筒21を再生して再利用することができる。ただし、空気除去装置15内の吸着材16における再生とは異なり、SFガスを吸着した二次吸着筒21の再生には両者間の吸着力が強いため非常に長い時間がかかることが知られている。
ここで、二次吸着筒21の再生時間に関する基礎データを得るために、容器内に混合ガスとゼオライトを入れて、温度とSFガス濃度変化の関係を見る実験を行った。実験条件を表4に示し、容器内のSFガス濃度とゼオライトのSFガス吸収量を表5に示す。
Figure 2009099501
Figure 2009099501
なお、ゼオライトのSFガス吸収量(ml(SF)/g(ゼオライト))は、−30℃の計算例で示すが、以下のように計算した。
SF総量 =2580ml×3×0.05=387ml
ガス相に残っているSF量=2580ml×3×0.0009=7.0ml
ゼオライトに吸着したSF量 =387−7.0=380
したがって、単位ゼオライトに吸着したSFガスは、SFガス/ゼオライト= 380ml/150g=2.53mlとなる。表5から明らかなように、ゼオライトへのSFガス吸着量は、温度に大きく依存している。
そこで、図8に示すように、絶縁ガス用吸着材21aを収納した二次吸着筒21を加熱・減圧する絶縁ガス用吸着材再生手段として、リボンヒータ26を二次吸着筒21に巻くようにした。なお、符号27は真空ポンプ、符号28はSFガス回収時に開となるバルブである。このような実施形態では、ゼオライトにおける吸着力の温度依存性を利用し、合成ゼオライトの吸着力の再活性化時に、リボンヒータ26の加熱により吸着力を弱めるように約100℃まで二次吸着筒21内の温度を上げ、その状態で真空ポンプ27によって減圧する。以上の加熱・減圧処理を所定時間ごとに実施することにより、二次吸着筒21からSFガスを確実に回収して、二次吸着筒21を短時間で再生できる。
また、再生時に数回少量の窒素ガス類を入れてリンスする格好で再生すれば、更に容易である。なお、SFガス捕集時には逆に二次吸着筒21内の温度を低くすれば、二次吸着筒21によるSFガス吸着性能は大きくなる。二次吸着筒21の最も簡単な冷却手段として、氷やドライアイス等を使用することが考えられる。
従来技術である特許文献5では、SFガスの系外漏洩を防ぐ部材として、SFガスを吸着する排気フィルタを備える点も記載されているが、この排気フィルタは少量の試料ガスを通すだけのものであり、ビニール袋等で代用できる程度のものを想定している。つまり、SFガスの漏れ防止対象は試料ガスだけで、少量のSFガスを捕集するに過ぎない。これに対し、本発明のガス回収装置におけるSFガス捕集用の吸着筒21は、前述したように、再生工程による長期利用を視野に入れており、多量のSFガスに対応して長期のリサイクル操作に耐え得るガス回収装置を実現している。
以上述べたSFガスと空気、窒素ガスを分離する方法は、空気除去装置15内でゼオライト系吸着材16の孔径による分子篩効果で空気、窒素を吸着し、吸着材16に吸着されないSFガスはそのまま流れていき回収装置に戻し回収するようにしたが、本発明はこの分離方法に限定されるものではない。例えば、前方式とは逆に吸着材によりSFガスを吸着し、吸着材の再生時に吸着材から離脱したSFガスを回収装置内に回収し、吸着されない空気をそのまま回収装置系外の大気中に放出するようにしてもよい。
この吸着材によりSFガスを吸着する方式の場合、全体構成図としては、前述した図1において、空気除去装置15を省略し、二次吸着筒21だけで直接混入空気との分離を行うと共に、SFガスの回収を行ってもよい。この場合、二次吸着筒21の再生時に、SFガスを回収することになるが、空気除去素装置15を設けた場合に比べて、より頻繁に二次吸着筒21を再生させる必要がある。なお、吸着材によりSFガスを吸着する方式の場合、吸着材として10Åタイプのゼオライト系吸着材やカーボン系吸着材を使用できる。これらの吸着材は、空気(窒素や酸素分子)よりSF分子の方との吸着力が大きく、分離の駆動力となる。
本発明に係る代表的な実施形態の全体構成図。 本実施形態における空気除去装置の構成図。 吸着材によるガス分離原理の説明図。 吸着材の分子篩効果を説明するためのグラフ。 本実施形態における二次吸着筒の内部構成図。 本発明に係る他の実施形態における二次吸着筒の構成図。 他の実施形態の作用効果を示す実験の説明図。 本発明に係る他の実施形態における二次吸着筒の構成図。 従来のガス回収装置の構成図。
符号の説明
1…絶縁機器
2…接続ホース
3a、3b…バッファタンク
4…フィルタ
5…コンプレッサ
6…熱交換器
7…貯液タンク
8…気化装置
9…ドライヤ
10…フィルタ
13a、13b、27…真空ポンプ
15…空気除去装置
15a、15b…空気分離槽
16、21a…吸着材
20…ガス取出しライン
21…二次吸着筒
22…ガス導入ライン
23…ガスタンク
24…酸素濃度計
25…ボンベ
26…リボンヒータ
28…バルブ
29…逆止弁
30…ガス検知器
31…(積算)流量計

Claims (10)

  1. 絶縁ガスを封入したガス絶縁機器から前記絶縁ガスを吸引し送出する真空ポンプと、前記真空ポンプにより送出された前記絶縁ガスを圧縮するコンプレッサと、前記コンプレッサにて圧縮された前記絶縁ガスを冷却して凝縮液化させる液化手段と、前記液化手段にて液化された絶縁液を貯蔵する貯液タンクと、前記貯液タンクに貯蔵された前記絶縁液を気化させる気化手段と、前記気化手段にて気化された前記絶縁ガスを前記ガス絶縁機器に封入する絶縁ガス封入手段と、を有するガス回収装置において、
    前記貯液タンクの気相部内のガスを取出すガス取出し手段と、
    前記ガス取出し手段にて取り出したガス中に含まれる空気を除去する空気除去手段と、
    前記空気除去手段にて除去した空気を大気中に放出する空気放出手段と、
    前記空気除去手段によって空気を除去した後のガスを前記回収装置内に導くガス導入手段を設けたことを特徴とするガス回収装置。
  2. 前記空気除去手段として、前記絶縁ガスから空気を選択的に分離する吸着材を用いたことを特徴とする請求項1に記載のガス回収装置。
  3. 前記空気除去手段は、複数個の空気分離槽を有し、前記空気分離槽の加圧と減圧を交互に繰り返すことで前記貯液タンク気相部内のガスから空気を連続的に分離する圧力スイング吸着手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス回収装置。
  4. 前記ガス導入手段に、該ガス導入手段を通過中のガスの酸素濃度を測定する酸素濃度計を取り付け、
    前記圧力スイング吸着手段は、前記酸素濃度計の測定した酸素濃度に基づいて前記空気分離槽の加圧と減圧に関する圧力制御をリアルタイムで実施するように構成したことを特徴とする請求項3に記載のガス回収装置。
  5. 前記ガス導入手段に一時的にガスを溜めるガスタンクを設置し、
    前記ガスタンク内の圧力が所定値を超えた場合に、該ガスタンク内のガスを前記ガス導入手段に戻すようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス回収装置。
  6. 前記空気放出手段の空気放出口に、前記空気放出手段の放出する空気中に含まれる前記絶縁ガスを選択的に吸着する絶縁ガス用吸着材を取り付けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス回収装置。
  7. 前記絶縁ガス用吸着材として、孔径10Åタイプのゼオライト系吸着材を用いたことを特徴とする請求項6に記載のガス回収装置。
  8. 前記空気放出手段の空気放出口と前記絶縁ガス用吸着材との間に、前記絶縁ガス用吸着材を通過した後のガス中の前記絶縁ガスを検知する絶縁ガス検知器を取り付けたことを特徴とする請求項6又は7に記載のガス回収装置。
  9. 前記絶縁ガス用吸着材の加熱・減圧する絶縁ガス用吸着材再生手段を設けたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のガス回収装置。
  10. 絶縁ガスを封入したガス絶縁機器から前記絶縁ガスを吸引し送出する絶縁ガス送出ステップと、前記絶縁ガス送出ステップにて送出した前記絶縁ガスを圧縮する圧縮ステップと、前記圧縮ステップにて圧縮した前記絶縁ガスを冷却して凝縮液化する液化ステップと、前記液化ステップにて液化させた絶縁液を貯液タンクに貯蔵する貯液ステップと、前記貯液タンクに貯蔵した前記絶縁液を気化させる気化ステップと、前記気化ステップにて気化させた前記絶縁ガスを前記ガス絶縁機器に封入する絶縁ガス封入ステップと、を含むガス回収系によるガス回収方法において、
    前記貯液タンクの気相部内のガスを取出すガス取出しステップと、
    前記ガス取出しステップにて取り出したガス中に含まれる空気を除去する空気除去ステップと、
    前記空気除去ステップにて除去した空気を大気中に放出する空気放出ステップと、
    前記空気除去ステップにて空気を除去した後のガスを前記ガス回収系内に導くガス導入ステップを含むことを特徴とするガス回収方法。
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