JP6762365B2 - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の画素を有する撮像素子に生じるノイズを補正する画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
従来、撮像装置に用いられる撮像素子によって生成された画像データに対し、撮像素子の使用条件によって発生する混色やランダムノイズを補正する技術が知られている(特許文献1参照)。この技術では、混色を補正する混色補正処理と、ランダムノイズを低減するランダムノイズ補正処理と、を最適な処理順序で行うことによって、画質の劣化を防止する。
特許第5425343号公報
ところで、画像データに含まれる様々なノイズの中には、例えば、画素を構成するフォトダイオードにおける過度な暗電流に起因するノイズ(白傷、または画素欠陥)、カラーフィルタの透過率のばらつきに起因するノイズ(分光感度ばらつきノイズ、または感度ばらつきノイズ)、および画素から信号を読み出す読み出し回路の不良に起因するノイズ(RTSノイズ、または点滅欠陥)等がある。このため、上述した特許文献1のように混色とランダムノイズを補正しただけでは、十分な画質を実現することができないという問題点があった。
また、発生しうる複数のノイズそれぞれに応じた複数の補正処理を行ったとしても、無作為の順序で複数の補正処理を行った場合、それぞれの補正処理による影響を考慮していないため、却って画質が劣化してしまうという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像データに複数のノイズが発生する場合において、誤った補正処理の順序による画質の劣化を防止するとともに、高画質な画像を実現することができる画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、光を受光して、受光量に応じた信号を生成する複数の画素と、各画素の前記信号を画素値として読み出す複数の読み出し回路と、を有する撮像素子によって生成された画像データに含まれる、互いに特性が異なる複数のノイズそれぞれを補正する複数の補正処理を実行可能な画像処理装置であって、前記複数のノイズの特性と、前記光が前記画素において受光されて前記画素値として読み出されて出力されるまでの過程と、に応じて定まる順序で前記複数の補正処理を実行するノイズ補正部を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記ノイズ補正部は、前記複数のノイズの特性に基づいて、前記複数の補正処理を複数のグループに分類し、該複数のグループと前記過程とに応じて定まる順序で前記複数の補正処理を実行することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記複数のノイズは、前記画素の受光面に設けられた光学系、前記画素および前記読み出し回路のいずれかにおいて発生するノイズであり、前記ノイズ補正部は、前記複数のグループそれぞれに含まれる前記複数の補正処理を、前記過程においてノイズの発生順の逆順で定まる順序で実行することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記ノイズ補正部は、前記複数のグループそれぞれに含まれる前記複数の補正処理を、前記ノイズのノイズレベルに応じて定まる順序で実行することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記ノイズ補正部は、前記複数のグループそれぞれに含まれる前記複数の補正処理を、前記ノイズの発生する範囲に応じて定まる順序で実行することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記ノイズ補正部は、前記複数のグループそれぞれに含まれる前記複数の補正処理を、特定条件によって補正内容が切り替わる補正処理の順序を他の補正処理より後段にして実行することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記ノイズ補正部は、前段で実行した補正処理の結果、後段で実行する補正処理で補正するノイズに類似する類似ノイズを生じさせた場合、該類似ノイズを他のノイズを含め後段の補正処理によって補正することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記複数の補正処理は、前記画像データを用いて前記ノイズを検出しながら補正する補正処理を含み、前記ノイズ補正部は、前記ノイズを検出しながら補正する検出有のグループと、それ以外の検出無のグループとに分類するとともに、前記検出有のグループおよび前記検出無のグループの順序で前記複数の補正処理を実行することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記ノイズ補正部は、前記複数の補正処理それぞれが補正する前記ノイズのレベルに応じて、前記複数の補正処理を前記複数のグループに分類するとともに、前記ノイズのレベルが大きいグループの順序で前記複数の補正処理を実行することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記ノイズ補正部は、前記複数の補正処理それぞれが補正する前記ノイズの発生する発生範囲に応じて、前記複数の補正処理を前記複数のグループに分類するとともに、前記発生範囲が小さいグループの順序で前記複数の補正処理を実行することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、上記発明において、前記複数のノイズそれぞれに関するノイズ情報を記録するノイズ情報記録部をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理方法は、光を受光して、受光量に応じた信号を生成する複数の画素と、各画素の前記信号を画素値として読み出す複数の読み出し回路と、を有する撮像素子によって生成された画像データに含まれる、互いに特性が異なる複数のノイズを補正する複数の補正処理を実行可能な画像処理装置が実行する画像処理方法であって、前記複数のノイズの特性と、前記光が前記画素において受光されて前記画素値として読み出されて出力されるまでの過程と、に応じて定まる補正処理の順序で前記複数の補正処理を実行するノイズ補正ステップを含むことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、光を受光して、受光量に応じた信号を生成する複数の画素と、各画素の前記信号を画素値として読み出す複数の読み出し回路と、を有する撮像素子によって生成された画像データに含まれる、互いに特性が異なる複数のノイズを補正する複数の補正処理を実行可能な画像処理装置に、前記複数のノイズの特性と、前記光が前記画素において受光されて前記画素値として読み出されて出力されるまでの過程と、に応じて定まる順序で前記複数の補正処理を実行するノイズ補正ステップを実行させることを特徴とする。
本発明によれば、画像データに複数のノイズが発生する場合において、誤った補正処理の順序による画質の劣化を防止するとともに、高画質な画像を実現することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像システムの構成を模式的に示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子の要部の構成を模式的に示す概略図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子に発生する各ノイズの特性の一例を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子における読み出し回路に起因するFD白傷の発生例を模式的に示す図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子における白傷の発生例を模式的に示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子におけるRTSノイズの発生例を模式的に示す図である。 図7は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子における分光感度ばらつきの発生例を模式的に示す図である。 図8は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子における欠陥画素と低飽和画素の発生例を模式的に示す図である。 図9は、本発明の実施の形態1に係るノイズ情報記録部が記録するノイズ情報に含まれる低飽和画素情報の一例を模式的に示す図である。 図10は、本発明の実施の形態1に係るノイズ情報記録部が記録するノイズ情報に含まれる低飽和画素情報の一例を模式的に示す図である。 図11は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置が実行するノイズ処理の概要を示すフローチャートである。 図12Aは、本発明の実施の形態1に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図12Bは、本発明の実施の形態1に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図12Cは、本発明の実施の形態1に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図13は、本発明の実施の形態1に係るノイズ補正部の構成を模式的に示す図である。 図14は、本発明の実施の形態1の変形例に係る画像処理装置が実行するノイズ処理の概要を示すフローチャートである。 図15Aは、本発明の実施の形態1の変形例に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図15Bは、本発明の実施の形態1の変形例に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図15Cは、本発明の実施の形態1の変形例に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図16は、本発明の実施の形態1の変形例に係るノイズ補正部の構成を模式的に示す図である。 図17は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置が実行するノイズ処理の概要を示すフローチャートである。 図18Aは、本発明の実施の形態2に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図18Bは、本発明の実施の形態2に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図18Cは、本発明の実施の形態2に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図19は、本発明の実施の形態2に係るノイズ補正部の構成を模式的に示す図である。 図20は、本発明の実施の形態3に係る画像処理装置が実行するノイズ処理の概要を示すフローチャートである。 図21Aは、本発明の実施の形態3に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図21Bは、本発明の実施の形態3に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図21Cは、本発明の実施の形態3に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。 図22は、本発明の実施の形態3に係るノイズ補正部の構成を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
(実施の形態1)
〔撮像システムの構成〕
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像システムの構成を模式的に示すブロック図である。図1に示す撮像システム1は、撮像装置10と、画像処理装置20と、表示装置30と、を備える。
〔撮像装置の構成〕
まず、撮像装置10の構成について説明する。撮像装置10は、図1に示すように、光学系101と、絞り102と、シャッタ103と、ドライバ104と、撮像素子105と、アナログ処理部106と、A/D変換部107と、操作部108と、メモリI/F部109と、記録媒体110と、揮発メモリ111と、不揮発メモリ112と、バス113と、撮像制御部114と、第1外部I/F部115と、を備える。
光学系101は、複数のレンズを用いて構成される。光学系101は、例えばフォーカスレンズとズームレンズとを用いて構成される。
絞り102は、光学系101が集光した光の入射量を制限することで露出の調整を行う。絞り102は、撮像制御部114の制御のもと、光学系101が集光した光の入射量を制限する。
シャッタ103は、撮像素子105の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ103は、例えばフォーカルプレーンシャッタ等を用いて構成される。
ドライバ104は、後述する撮像制御部114の制御のもと、光学系101、絞り102およびシャッタ103を駆動する。例えば、ドライバ104は、光学系101を光軸O1に沿って移動させることによって、撮像装置10のズーム倍率の変更またはピント位置の調整を行う。
撮像素子105は、後述する撮像制御部114の制御のもと、光学系101が集光した光を受光して画像データ(電気信号)に変換して出力する。撮像素子105は、複数の画素が二次元状に配置されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いて構成される。この各画素の前面には、ベイヤー配列のRGBフィルタが配置されている。なお、撮像素子105は、ベイヤー配列に限定されず、例えばFovionのような積層型の形式でも勿論かまわない。また、用いるフィルタはRGBに限定されず、補色フィルタ等任意のフィルタを適用できる。また、別途、異なるカラー光を時分割で照射可能な光源を配置し、撮像素子105には、フィルタを配置せず、照射する色を変更しながら順次取り込んだ画像を使用してカラー画像を構成できるようにしてもよい。
ここで、撮像素子105の構成について詳細に説明する。図2は、撮像素子105の要部の構成を模式的に示す概略図である。なお、図2に示す撮像素子105は、画素の開口率向上により感度を向上させるため、複数の画素で読み出し回路を共有している例を示す。以下において、撮像素子105は、水平方向(横方向)に2画素×垂直方向(縦方向)に4画素の8画素に対して、1つの読み出し回路が配置されているものを一例として説明する。また、撮像素子105上には、上述した画素および読み出し回路が、水平方向および垂直方向に並んで配置されているものとする。さらに、撮像素子105には、読み出し回路を共有している複数の画素(共有ブロック)が複数配置されているものとする。
図2に示すように、撮像素子105は、光を集光するマイクロレンズ105aと、互いに異なる分光透過率を有する複数のフィルタを用いて所定の配列パターンを形成してなるカラーフィルタ105bと、マイクロレンズ105aおよびカラーフィルタ105bを透過した光を受光し、光電変換を行うことによって、露光量に対応した電荷を発生する複数の画素105c(フォトダイオード)と、複数の画素105cの各々に設けられ、撮像制御部114の制御に応じて開閉する第1スイッチ105dと、複数の画素105cの各々から出力された信号(電荷)を転送する転送線105eと、複数の画素105cの各々から出力された信号を蓄積するFD部105f(Floating Diffusion)と、FD部105fから出力された信号を増幅するアンプ部105gと、撮像制御部114の制御に応じて開閉する第2スイッチ105hと、第2スイッチ105hを制御する制御線105iと、アンプ部105gで増幅された電気信号を転送する転送線105jと、を備える。また、カラーフィルタ105bは、緑色の波長帯域の光を透過する2つのGフィルタと、赤色の波長帯域の光を透過するRフィルタと、青色の波長帯域の光を透過するBフィルタとを用いてベイヤー配列によって形成されてなる。
このように構成された撮像素子105は、矢印Aに示すように、画素105cにおける露光量に対応する信号を画素値として読み出す場合、まず、FD部105fをリセット状態にして、撮像制御部114が第1スイッチ105d(1)のみをオンとすることで、画素105c(1)に発生した電荷をFD部105fに転送する。その後、撮像素子105は、撮像制御部114が第2スイッチ105hをオンとすることで、FD部105fに蓄積された電荷をアンプ部105gによって増幅させて画素値として読み出す(出力する)。次に、撮像素子105は、FD部105fをリセット状態にして、撮像制御部114が第1スイッチ105d(2)のみをオンとすることで、画素105c(2)に発生した電荷をFD部105fに転送する。その後、撮像素子105は、撮像制御部114が第2スイッチ105hをオンとすることで、FD部105fに蓄積された電荷をアンプ部105gによって増幅させて画素値として読み出す。撮像素子105は、このような読み出し動作を順次行うことによって、各画素105cにおける露光量に対応する信号を順次画素値として出力することができる。なお、本実施の形態1では、FD部105f以降が複数の画素105cの各々から電荷または画素値を読み出す読み出し回路として機能する。
図1に戻り、撮像装置10の構成の説明を続ける。
アナログ処理部106は、撮像素子105から入力されるアナログ信号に対して、所定のアナログ処理を施してA/D変換部107へ出力する。具体的には、アナログ処理部106は、撮像素子105から入力されるアナログ信号に対して、ノイズ低減処理およびゲインアップ処理等を行う。例えば、アナログ処理部106は、アナログ信号に対して、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに目的の明るさとなるようにゲインアップ処理を行う。
A/D変換部107は、アナログ処理部106から入力されるアナログ信号に対して、A/D変換を行うことによってデジタルの画像データ(以下、「RAW画像データ」という)を生成し、バス113を介して揮発メモリ111に出力する。なお、A/D変換部107は、後述する撮像装置10の各部に対してRAW画像データを直接出力するようにしてもよい。なお、上述したアナログ処理部106とA/D変換部107を撮像素子105に設け、撮像素子105がデジタルのRAW画像データを直接出力するようにしても良い。
操作部108は、撮像装置10の各種の指示を与える。具体的には、操作部108は、撮像装置10の電源状態をオン状態またはオフ状態に切り替える電源スイッチ、静止画撮影の指示を与えるレリーズスイッチ、撮像装置10の各種設定を切り替える操作スイッチおよび動画撮影の指示を与える動画スイッチ等を有する。
記録媒体110は、撮像装置10の外部から装着されるメモリカードを用いて構成され、メモリI/F部109を介して撮像装置10に着脱自在に装着される。また、記録媒体110は、撮像制御部114の制御のもと、メモリI/F部109を介してプログラムおよび各種情報それぞれを不揮発メモリ112に出力してもよい。
揮発メモリ111は、バス113を介してA/D変換部107から入力される画像データを一時的に記憶する。例えば、揮発メモリ111は、アナログ処理部106、A/D変換部107およびバス113を介して、撮像素子105が1フレーム毎に順次出力する画像データを一時的に記憶する。揮発メモリ111は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等を用いて構成される。
不揮発メモリ112は、Flashメモリ等を用いて構成される。撮像装置10を動作させるための各種プログラム、プログラムの実行中に使用される各種データを記録する。また、不揮発メモリ112は、プログラム記録部112aと、撮像素子105における各種ノイズに関するノイズ情報を記録するノイズ情報記録部112bを有する。ノイズ情報には、RTSノイズ情報、分光感度ばらつき情報、欠陥画素情報、低飽和画素情報が含まれる。
ここで、RTSノイズ情報には、撮像素子105におけるRTSノイズのRTSノイズ位置情報、レベル情報およびランダムノイズモデルが含まれる。
分光感度ばらつき情報には、撮像素子105を構成する複数の画素の各々の分光感度のばらつきを補正するための補正係数が含まれる。なお、RTSノイズ情報に対して、ばらつきが大きい一部の画素に対する補正係数のみを保持(含めるようにしてもよい。)するようにしても良い。また、分光感度のばらつきとは、撮像素子105を構成する複数の画素の各々の受光面に設けられた光学系による製造過程によって生じるノイズである。ここで、光学系とは、画素の受光面に設けられるマイクロレンズ、各種フィルタ(例えばカラーフィルタ、赤外カットフィルタおよびローパスフィルタ等)である。
欠陥画素情報には、撮像素子105における画素の位置に応じた欠陥画素の位置情報(位置情報は、画素値を読み出す読み出し回路(アンプ部105gの位置情報)または欠陥画素が生じる画素の位置情報のいずれか一方または両方を含む)およびレベル情報を含む。なお、欠陥画素情報に、FD白傷および白傷に関する情報を含めてもよい。
低飽和画素情報には、撮像素子105における画素の位置に応じた低飽和画素の位置情報(位置情報は、画素値を読み出す読み出し回路(アンプ部105gの位置情報)または低飽和画素が生じる画素の位置情報のいずれか一方または両方を含む)およびレベル情報を含む。なお、いずれのノイズ情報についてもレベル情報はなくてもよい。
バス113は、撮像装置10の各構成部位を接続する伝送路等を用いて構成され、撮像装置10の内部で発生した各種データを撮像装置10の各構成部位に転送する。
撮像制御部114は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成され、操作部108からの指示信号やレリーズ信号に応じて撮像装置10を構成する各部に対する指示やデータの転送等を行って撮像装置10の動作を統括的に制御する。例えば、撮像制御部114は、操作部108からセカンドレリーズ信号が入力された場合、撮像装置10における撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置10における撮影動作とは、撮像素子105が出力した画像データに対し、アナログ処理部106およびA/D変換部107が所定の処理を施す動作をいう。このように処理が施された画像データは、撮像制御部114の制御のもと、バス113およびメモリI/F部109を介して記録媒体110に記録される。
第1外部I/F部115は、バス113を介して外部の機器から入力される情報を不揮発メモリ112または揮発メモリ111へ出力する一方、バス113を介して外部の機器へ揮発メモリ111が記録する情報、不揮発メモリ112が記録する情報および撮像素子105が生成した画像データを出力する。具体的には、第1外部I/F部115は、バス113を介して画像処理装置20に撮像素子105が生成した画像データを出力する。
〔画像処理装置の構成〕
次に、画像処理装置20の構成について説明する。画像処理装置20は、第2外部I/F部21と、ノイズ補正部22と、画像処理部23と、を備える。
第2外部I/F部21は、撮像装置10の第1外部I/F部115を介して撮像素子105によって生成されたRAW画像データを取得し、取得したRAW画像データをノイズ補正部22へ出力する。また、第2外部I/F部21は、撮像装置10の第1外部I/F部115を介して不揮発メモリ112のノイズ情報記録部112bが記録するノイズ情報を取得し、取得したノイズ情報をノイズ補正部22へ出力する。
ノイズ補正部22は、第2外部I/F部21から入力されたRAW画像データに対して、ノイズを補正するノイズ補正処理を行って画像処理部23へ出力する。具体的には、ノイズ補正部22は、複数のノイズの特性と、光がフィルタ105bを透過し、画素105cにおいて受光されて画素値として読み出されて出力されるまでの過程(図2の矢印Aを参照)と、に応じて定まる順序で複数の補正処理を実行することによって、RAW画像データに発生する複数のノイズを補正して画像処理部23へ出力する。ノイズ補正部22は、FD白傷補正部221と、白傷補正部222と、RTSノイズ補正部223と、分光感度ばらつき補正部224と、低飽和画素補正部225と、を有する。
FD白傷補正部221は、第2外部I/F部21が取得したRAW画像データに対して、FDの不良に起因するFD白傷を補正して出力する。FD白傷補正部221は、欠陥ブロック検出部221aと、欠陥ブロック補正部221bと、を有する。
欠陥ブロック検出部221aは、第2外部I/F部21が取得したRAW画像データに基づいて、読み出し回路を共有する複数の画素からなる共有ブロック内における画素の画素値と、この共有ブロック外における画素の画素値とを用いて、共有ブロック内で生じる画素値のオフセット成分を検出し、この検出結果を欠陥ブロック補正部221bへ出力する。具体的には、欠陥ブロック検出部221aは、共有ブロック内における画素の画素値と、この共有ブロック内における画素に隣接する共有ブロック外における画素の画素値との差に基づいて、共有ブロック内で生じる画素値のオフセット成分を検出する。なお、欠陥ブロック検出部221aは、第2外部I/F部21が取得したRAW画像データに基づいて、共有ブロック内における画素の画素値と、この共有ブロック外における画素の画素値とを用いて、FD白傷が生じる共有ブロック(欠陥ブロック)の位置を検出し、この検出結果を欠陥ブロック補正部221bへ出力してもよい。
欠陥ブロック補正部221bは、欠陥ブロック検出部221aが検出したオフセット成分に基づいて、共有ブロック内における画素の画素値を補正する補正量を算出し、この補正量を用いて共有ブロック内における画素の画素値を補正して出力する。
白傷補正部222は、第2外部I/F部21が取得したRAW画像データに対して、PDの不良に起因する白傷を補正して出力する。具体的には、白傷補正部222は、RAW画像データに対し、ノイズ情報記録部112bが記録するノイズ情報に含まれる白傷の位置情報に基づいて、白傷の周辺画素の画素値を用いて補正する白傷補正処理を実行して出力する。白傷補正部222は、欠陥画素検出部222aと、欠陥画素補正部222bと、を有する。なお、白傷補正部222は、周知の技術(例えば特許第4453332号公報を参照)を用いて白傷補正処理を実行してもよい。
欠陥画素検出部222aは、ノイズ情報記録部112bが記録するノイズ情報に基づいて、RAW画像データの欠陥画素を検出して欠陥画素補正部222bへ出力する。例えば、欠陥画素検出部222aは、ノイズ情報記録部112bが記録するノイズ情報に含まれる白傷の位置情報に基づいて、RAW画像データの欠陥画素を検出して欠陥画素補正部222bへ出力する。なお、欠陥画素検出部222aは、周知の技術を用いて欠陥画素を検出してもよい。
欠陥画素補正部222bは、欠陥画素検出部222aが検出した欠陥画素の画素値を補正して出力する。
RTSノイズ補正部223は、撮像装置10の不揮発メモリ112のノイズ情報記録部112bに記録されているノイズ情報に含まれるRTSノイズ情報に基づいて、RAW画像データに対してRTSノイズを補正するRTSノイズ補正処理を行って出力する。RTSノイズ補正部223は、RTSノイズ画素判定部223aと、候補値算出部223bと、代表値算出部223cと、ランダムノイズ量推定部223dと、補正値算出部223eと、を有する。なお、RTSノイズ補正部223は、周囲の技術(例えば特開2012−105063号公報を参照)を用いて、RTSノイズ補正処理を実行してもよい。
RTSノイズ画素判定部223aは、撮像装置10のノイズ情報記録部112bに記録されているノイズ情報を、第2外部I/F部21、第1外部I/F部115およびバス113を介して取得し、取得したRAW画像上の画素においてRTSノイズが発生するか否かを判定し、判定結果を候補値算出部223bおよび代表値算出部223cへ出力する。具体的には、RTSノイズ画素判定部223aに対して画素の位置を入力されると、その画素に対応するRTSノイズ情報が撮像装置10のノイズ情報記録部112bに記録されているか判定し、記録されていればRTSノイズ情報(RTSノイズが有りを示す情報)を出力する一方、撮像装置10のノイズ情報記録部112bに記録されていなければ、RTSノイズが発生しない画素と見なし、RTSノイズ情報を出力しない。
候補値算出部223bは、注目画素のRAW画像における画素値と、RTSノイズ画素判定部223aの判定結果とに基づいて、RTSノイズ画素判定部223aによって注目画素においてRTSノイズが発生すると判定されている場合、注目画素の画素値に対する補正量の候補値を複数算出し、注目画素のRAW画像における画素値と、算出した複数の候補値を代表値算出部223c、ランダムノイズ量推定部223dおよび補正値算出部223eそれぞれへ出力する。
代表値算出部223cは、RTSノイズ画素判定部223aによって注目画素においてRTSノイズが発生すると判定されている場合には、注目画素における周囲の少なくともRTSノイズ画素判定部223aによってRTSノイズが発生しないと判定されている画素と、後述するランダムノイズ量推定部223dが算出した注目画素に対応するランダムノイズ量の参照値とに基づいて、RTSノイズが発生しない場合の画素値に相当する代表値を算出する。代表値算出部223cは、注目画素のRAW画像における画素値と、複数の候補値と、上述で算出した代表値と、を補正値算出部223eへ出力する。
ランダムノイズ量推定部223dは、撮像装置10のノイズ情報記録部112bが記録するノイズ情報に含まれるランダムノイズモデルに基づいて、画素値に対応するランダムノイズ量を推定し、推定結果を代表値算出部223cへ出力する。即ち、ランダムノイズ量推定部223dに対して画素値を入力すると、その画素値に対応するランダムノイズ量が出力される。
補正値算出部223eは、RTSノイズ画素判定部223aによって注目画素においてRTSノイズが発生する可能性がある画素と判定されている場合、候補値算出部223bが算出した複数の候補値に基づいて、注目画素の画素値を補正する。具体的には、補正値算出部223eは、注目画素のRAW画像における画素値と、候補値算出部223bによって算出された複数の候補値と、代表値算出部223cによって算出された代表値と、に基づいて、RTSノイズを補正した画素値を算出して出力する。より具体的には、補正値算出部223eは、候補値算出部223bが算出した複数の候補値の中から、代表値算出部223cが算出した代表値に補正結果が最も近くなるような候補値に基づいて、注目画素の画素値を補正して出力する。これに対して、補正値算出部223eは、RTSノイズ画素判定部223aによって注目画素においてRTSノイズが発生しない画素と判定されている場合、注目画素のRAW画像における画素値をそのまま出力する。
分光感度ばらつき補正部224は、撮像装置10の不揮発メモリ112のノイズ情報記録部112bに記録されているノイズ情報に基づいて、RAW画像に対して各フィルタの分光感度のばらつきを補正する分光感度ばらつき補正処理を行って出力する。分光感度ばらつき補正部224は、補正量算出部224aと、画素値補正部224bと、を有する。
補正量算出部224aは、ノイズ情報記録部112bが記録する注目画素における補正係数と注目画素における周囲の画素の画素値とに基づいて、注目画素の画素値を補正するための補正量を算出して出力する。また、補正量算出部224aは、注目画素と周囲の画素の画素値に基づいて、注目画素の画素値を補正するための補正量を算出する。ここで、周囲の画素とは、注目画素に隣接する画素または注目画素の近傍に位置する画素である。また、注目画素に隣接する画素とは、注目画素を基準に左右上下方向に位置する画素である。さらに、注目画素の近傍に位置する画素とは、注目画素を基準に斜め方向に位置する画素、または、注目画素と同色で最も注目画素に近い画素である。
画素値補正部224bは、補正量算出部224aが算出した補正量を用いて注目画素の画素値を補正して出力する。
低飽和画素補正部225は、ノイズ情報記録部112bが記録するノイズ情報に基づいて、低飽和画素を補正する低飽和画素補正処理を行って出力する。
画像処理部23は、ノイズ補正部22によってノイズが補正された画像データに対して、所定の画像処理を行って表示装置30へ出力する。ここで、所定の画像処理とは、少なくとも、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス調整処理、撮像素子がベイヤー配列の場合には画像データの同時化処理、カラーマトリクス演算処理、γ補正処理、色再現処理およびエッジ強調処理、ノイズ低減処理等を含む基本の画像処理を行う。また、画像処理部23は、予め設定された各画像処理のパラメータに基づいて、自然な画像を再現する画像処理を行う。ここで、各画像処理のパラメータとは、コントラスト、シャープネス、彩度、ホワイトバランスおよび階調の値である。
〔表示装置の構成〕
次に、表示装置30の構成について説明する。表示装置30は、画像処理装置20から入力される画像データに対応する画像を表示する。表示装置30は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等の表示パネル等を用いて構成される。
以上の構成を有する撮像システム1は、画像処理装置20が撮像素子105によって生成されたRAW画像データのノイズを補正し、表示装置30が画像処理装置20によって画像処理が施された画像データに対応する画像を表示する。
〔各ノイズの特性〕
次に、撮像素子105に発生する各ノイズの特性について説明する。図3は、各ノイズの特性の一覧を示す図である。
図3に示すように、表T1には、ノイズ名とノイズ特性とが対応付けてられて記載されている。具体的には、表T1には、ノイズ名に、FD白傷、白傷、RTSノイズ、分光感度ばらつき、および低飽和画素の5つのノイズが記載されている。また、表T1には、各ノイズに対し、発生箇所、ノイズのレベル、発生範囲、補正時の検出有無、および特定条件によって補正内容が切り替わる補正オン/オフ切替に関する情報が対応付けられて記載されている。
ここで、発生箇所とは、ノイズの発生原因となる撮像素子105の箇所である。ノイズのレベルとは、ノイズによって生じる画素値の正常値からのずれ量の大きさである。発生範囲とは、ノイズが発生した場合にノイズの影響を受ける画素範囲の大きさである(最小単位)。補正時の検出有無とは、補正時にノイズの発生画素を検出しながら補正することを示す情報(検出有)および補正時にノイズの発生画素を検出せずに補正することを示す情報(検出無)のいずれかが記載された情報である。補正オン/オフ切替とは、特定条件によって補正内容を切り替えるか否かを示す情報である。なお、図3では、上述した5つのノイズを例に説明するが、もちろん、5つ以外のノイズ、例えば黒傷等も含めてもよい。さらに、図3の表T1の特性は、一例であり、撮像素子105の特性によって変更してもよい。
〔各ノイズの発生例〕
次に、各ノイズの発生例について説明する。以下においては、図3に示す表T1の順番に各ノイズの発生例について説明する。
〔FD白傷〕
まず、撮像素子105におけるFDの不良に起因するFD白傷の発生例について説明する。図4は、撮像素子105におけるFDの不良に起因するFD白傷の発生例を模式的に示す図である。図4において、上述した図2と同様に、横方向に2画素×縦方向に4画素の8画素に対して、1つの読み出し回路で信号を読み出す共有ブロックの場合を示す。また、図4において、細線L1で形成された正方形が各画素を示し、この白色の正方形が正常な画素P1を示す。さらに、図4において、太線L2の枠G1が正常値を出力する共有ブロックを示し、斜線が施された画素P2を含むグループG2が読み出し回路の一部であるFDの不良によってノイズが発生するFD白傷(欠陥ブロック)を示す。
図4に示すように、FD白傷は、不良のFDを含む読み出し回路の場合、この読み出し回路を介して読み出される各画素の画素値が周囲の画素値より一律に高くなったり、または一律に低くなったりする異常な共有ブロック、または画素である。このため、FD白傷が発生している画素P2の画素値は、正常値に対して一定のオフセット量が加算された値を出力する。なお、共有ブロック内の画素であれば、オフセット量は、同等である。
〔白傷〕
次に、撮像素子105に発生する白傷の発生例について説明する。図5は、撮像素子105における白傷の発生例を模式的に示す図である。図5において、ハッチングを施した画素P3が白傷または黒傷のいずれかの欠陥画素を示す。
図5に示すように、白傷(画素P3)は、正常な画素P1の画素値に対して、一定のレベル分だけ画素値が高くなる現象である。そのレベルは、露光時間、温度およびゲインによって変化する。また、黒傷は、白傷と逆に正常な画素P1の画素値に対して、一定のレベル分だけ画素値が低くなる現象である。
〔RTSノイズ〕
次に、撮像素子105に発生するRTSノイズの発生例について説明する。図6は、撮像素子105におけるRTSノイズの発生例を模式的に示す図である。図6において、上述した図2と同様に、横方向に2画素×縦方向に4画素の8画素に対して、1つの読み出し回路で信号を読み出す共有ブロックの場合を示す。また、図6において、細線L1で形成された正方形が各画素を示し、この白色の正方形が正常な画素P1を示す。さらに、図6において、太線L2の枠G1が正常値を出力する共有ブロックを示し、斜線が施された画素P4のグループG4が欠陥ブロックを示す。
図6に示すように、RTSノイズが発生する画素P4は、ランダムな周期で点滅する。なお、共有ブロック内の画素であれば、最大のオフセット量は、同等である。
〔分光感度ばらつき〕
次に、撮像素子105に発生する分光感度ばらつきの発生例について説明する。図7は、撮像素子105における分光感度ばらつきの発生例を模式的に示す図である。図7においては、ハッチングによって感度不良な画素P5(黒点や輝点)を示す。なお、正常な画像P1であっても、微小な分光感度ばらつきが発生する。
図7に示すように、画素P5は、正常な画素P1に対して、光に対する感度が著しく高くなる、または感度が著しく低くなる現象である。このため、分光感度ばらつきは、正常な画素P1との感度との差が大きい画素を対象とする。なお、感度不良画素は、分光感度ばらつきと同様に、感度に差が生じる現象であるため、分光感度ばらつき補正処理によって補正してもよい。
〔低飽和画素〕
次に、撮像素子105に発生する低飽和画素の発生例について説明する。図8は、撮像素子における欠陥画素と低飽和画素の発生例を模式的に示す図である。図8において、画素P6(ハッチあり)が白傷や黒傷等の欠陥画素を示し、画素P7(ハッチあり)が低飽和画素を示す。
図8に示すように、画素P7は、正常な画素P1に対して、コントラストがなく明るい平坦な被写体を撮像した場合であっても、他の画素の画素値が最大値(例えば12ビットの場合、4095)に達しているにも関わらず、最大値に達しない画素値が現れる現象である。
図9は、ノイズ情報記録部112bが記録するノイズ情報に含まれる低飽和画素情報の一例を模式的に示す図である。図10は、ノイズ情報に含まれる低飽和画素情報の一例を模式的に示す図である。また、図9において、画素P10、画素P11が低飽和画素を示す。
図8〜図10に示すように、低飽和画素情報には、画素毎の位置情報と、検出装置等によって予め検出された飽和レベルとが関連付けられて記録されている。この記録方法としては、撮像素子105によって生成されたRAW画像データにおける複数の画素の各々に飽和レベルが設定された飽和レベルマップを取得する方法(図9を参照)と、低飽和画素の座標(アドレス)と飽和レベルとを関連付けて取得する方法(図10を参照)とがある。低飽和画素の座標(アドレス)と飽和レベルとを関連付けて取得する方法を行う場合、低飽和画素は、その座標と飽和レベルと、低飽和画素以外の画素の飽和レベルを記録し、飽和レベルを参照する座標が記録されている場合には対応する飽和レベルを用いる一方、飽和レベルを参照する座標が記録されていない場合には低飽和画素以外の画素の飽和レベルを用いる。ただし、低飽和画素ではない画素については、十分に飽和する場合、画素値の最大値(例えば12ビットの場合、4095)を飽和レベルとしてもよい。
なお、図9および図10では、画素の位置に対応するように飽和レベルを記録したが、読み出し回路の一部が起因して飽和レベルが下がる場合には、読み出し回路の位置に対応するように飽和レベルを記録しても良い(勿論、図9および図10で示した方法で飽和レベルを記録しても良い)。その場合、記録されている情報を読み出した後、読み出し回路を共有する画素に対して同じ飽和レベルにするなど、画素単位の飽和レベルに変換した情報を低飽和画素情報とすればよい。
また、各画素の飽和レベルについては、画素値の線形性(リニアティ)とランダムノイズ等を考慮して決定することが望ましい。例えば、完全に飽和するような条件で露光して得られる画像の画素値から、その輝度のランダムノイズ量に基づく値だけ下げた値を、その画素の飽和レベルとしてもよい。また、線形性が崩れる画素値を飽和レベルとしてもよい。もちろん、両方を考慮して飽和レベルを設定してもよい。
〔画像処理装置の処理〕
次に、画像処理装置20が実行する処理について説明する。図11は、画像処理装置20が実行するノイズ処理の概要を示すフローチャートである。図12A〜図12Cは、ノイズ補正部22による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。また、図11および図12A〜図12Cにおいて、各補正処理は、注目画素の周囲画素にある他ノイズを除外せずに、周囲画素から補正量または補間値を算出する場合について説明する。
図11に示すように、まず、ノイズ補正部22は、第2外部I/F部21、第1外部I/F部115およびバス113を介してノイズ情報記録部112bからノイズ情報と不揮発メモリ112からRAW画像データとを取得し、取得したノイズ情報に基づいて、複数の補正処理をノイズのレベルに応じて、複数のグループに分類する(ステップS101)。具体的には、図12Aに示すように、ノイズ補正部22は、ノイズ情報記録部112bから取得したノイズ情報(図3の表T1を参照)に基づいて、ノイズのレベルが大きい補正処理のグループを先に補正処理を実施するグループに分類する。その理由は、対象ノイズを周囲画素にある他ノイズを除外せずに、補正量または補間値を算出する場合において、対象ノイズに対してノイズのレベルが大きいノイズが周囲画素に存在するとき、補正量または補間値が理想値からのずれ量が大きくなることによって不適正な値となり、誤補正となる恐れがある一方、対象ノイズに対してノイズのレベルが小さいノイズが周囲にある場合、補正量または補間値が理想値からのずれ量が小さいからである。このため、図12Aに示すように、ノイズ補正部22は、複数の補正処理を3つのグループに分類する(レベル大、レベル中およびレベル小)。さらに、ノイズ補正部22は、3つのグループに対して、ノイズのレベルに応じて補正処理を実行するための順序を設定する。具体的には、ノイズ補正部22は、ノイズのレベルが大きいグループの順に順序を決定する(グループ1→グループ2→グループ3)。
続いて、ノイズ補正部22は、各グループ内の補正処理に対し、ノイズの発生順序の逆順に応じて補正処理の順序を決定する(ステップS102)。具体的には、図12Bおよび図12Cに示すように、ノイズ補正部22は、ノイズ情報記録部112bから取得したノイズ情報(図3の表T1を参照)に基づいて、各グループ内の補正処理に対し、ノイズが発生する発生箇所の逆順で定まる補正処理の順序を決定する。発生順序の逆順に応じた順序に決定する理由は、信号の流れに沿って四則演算によりノイズが付加された場合、逆の四則演算を行うことによって適正な補正を行うことができるからである。なお、ノイズ補正部22は、ステップS101およびステップS102の処理で補正処理の順序が決定しない場合、別のノイズ特性に基づいて、補正処理の順序を決定してもよい。
その後、ノイズ補正部22は、RAW画像データに対して、上述したステップS102で決定した補正処理の順序でノイズを補正する(ステップS103)。具体的には、図13に示すように、ノイズ補正部22は、RAW画像データに対して、白傷補正部222、低飽和画素補正部225、RTSノイズ補正部223、FD白傷補正部221および分光感度ばらつき補正部224の順序で補正処理を実行させてノイズを補正する。これにより、複数のノイズが発生する場合においても、精度の高い補正を行うことができるので、高画質な画像を生成することができる。ステップS103の後、画像処理装置20は、本処理を終了する。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、画像データに複数のノイズが発生する場合において、誤った補正処理の順序による画質の劣化を防止するとともに、高画質な画像を実現することができる。
(実施の形態1の変形例)
次に、本発明の実施の形態1の変形例について説明する。本実施の形態1の変形例は、上述した実施の形態1に係る撮像システム1と同様の構成を有し、画像処理装置が実行する処理が異なる。具体的には、本実施の形態1の変形例では、レベルが小さいノイズを補正する補正処理のグループを先に分類して補正処理の順序を決定する。以下においては、本実施の形態1の変形例に係る画像処理装置が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る撮像システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
〔画像処理装置の処理〕
図14は、本実施の形態1の変形例に係る画像処理装置20が実行するノイズ処理の概要を示すフローチャートである。図15A〜図15Cは、ノイズ補正部22による複数の補正処理の順序の決定を模式的に説明する図である。また、図14および図15A〜図15Cにおいて、各補正処理は、注目画素の周囲画素にある他ノイズを除外して、周囲画素から補正量または補間値を算出する場合について説明する。
図14に示すように、まず、ノイズ補正部22は、第2外部I/F部21、第1外部I/F部115およびバス113を介してノイズ情報記録部112bからノイズ情報と不揮発メモリ112からRAW画像データとを取得し、取得したノイズ情報に基づいて、ノイズのレベルに応じて、複数の補正処理を複数のグループに分類する(ステップS201)。具体的には、図15Aに示すように、ノイズ補正部22は、ノイズ情報記録部112bから取得したノイズ情報(図3の表T1を参照)に基づいて、ノイズのレベルが小さい補正処理のグループを先に補正処理を実施するグループに分類する。その理由は、対象ノイズを周囲画素にある他ノイズを除外して補正量または補間値を算出する場合、他ノイズのレベルが大きい方がノイズであることが容易に検出することができ、適切に除外することができるからである。このため、ノイズ補正部22は、図15Aに示すように、複数の補正処理に対し、ノイズのレベルが小さい補正処理のグループを先に補正処理を実施するグループに分類する。
ステップS202およびステップS203は、上述した図11のステップS102およびステップS103それぞれに対応する。具体的には、ノイズ補正部22は、各グループ内の補正処理に対し、ノイズが発生する発生箇所の逆順で定まる補正処理の順序を決定する(図15B→図15C)。そして、図16に示すように、ノイズ補正部22は、RAW画像データに対して、RTSノイズ補正部223、FD白傷補正部221、分光感度ばらつき補正部224、低飽和画素補正部225および白傷補正部222の順序に、それぞれ補正処理を実行させてノイズを補正する。ステップS203の後、画像処理装置20は、本処理を終了する。
以上説明した本発明の実施の形態1の変形例によれば、画像データに複数のノイズが発生する場合において、誤った補正処理の順序による画質の劣化を防止するとともに、高画質な画像を実現することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2に係る撮像システムは、上述した実施の形態1に係る撮像システム1と同一の構成を有し、画像処理装置が実行する処理が異なる。以下において、本実施の形態2に係る画像処理装置が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る撮像システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
〔画像処理装置の処理〕
図17は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置が実行するノイズ処理の概要を示すフローチャートである。図18A〜図18Cは、本発明の実施の形態2に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。
図17に示すように、まず、ノイズ補正部22は、第2外部I/F部21、第1外部I/F部115およびバス113を介してノイズ情報記録部112bからノイズ情報と不揮発メモリ112からRAW画像データとを取得し、取得したノイズ情報に基づいて、複数の補正処理をノイズの発生範囲に応じて複数のグループに分類する(ステップS301)。具体的には、図18Aに示すように、ノイズ補正部22は、ノイズ情報記録部112bから取得したノイズ情報(図3の表T1を参照)に基づいて、ノイズの発生範囲が小さい補正処理のグループを先に補正処理を実施するグループに分類する。この理由は、いずれの補正も周囲画素に基づいて補正を行うため、補正の結果、補正した画素の画素値にLPF処理を施した値に近づく傾向がある。この結果、発生範囲が広いノイズの補正処理から実施した場合、周囲画素にあるノイズを拡大させる恐れがある。このため、ノイズ補正部22は、ノイズの発生範囲が小さい補正処理のグループを先に補正処理を実施する順序に決定する。
ステップS302およびステップS303は、上述した図12のステップS102およびステップS103それぞれに対応する。具体的には、ノイズ補正部22は、各グループ内の補正処理に対し、ノイズが発生する発生箇所の逆順で定まる補正処理の順序を決定する(図18B→図18C)。そして、図19に示すように、ノイズ補正部22は、RAW画像データに対して、白傷補正部222、低飽和画素補正部225、RTSノイズ補正部223、FD白傷補正部221および分光感度ばらつき補正部224の順序で、それぞれ補正処理を実行させてノイズを補正する。ステップS303の後、画像処理装置20は、本処理を終了する。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、画像データに複数のノイズが発生する場合において、誤った補正処理の順序による画質の劣化を防止するとともに、高画質な画像を実現することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3に係る撮像システムは、上述した実施の形態1に係る撮像システム1と同一の構成を有し、画像処理装置が実行する処理が異なる。以下において、本実施の形態3に係る画像処理装置が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る撮像システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
〔画像処理装置の処理〕
図20は、本発明の実施の形態3に係る画像処理装置が実行するノイズ処理の概要を示すフローチャートである。図21A〜図21Cは、本発明の実施の形態3に係るノイズ補正部による複数の補正処理の順序の決定方法を模式的に説明する図である。
図20に示すように、まず、ノイズ補正部22は、第2外部I/F部21、第1外部I/F部115およびバス113を介してノイズ情報記録部112bからノイズ情報と不揮発メモリ112からRAW画像データとを取得し、取得したノイズ情報に基づいて、複数の補正処理を補正時の検出有無に応じて複数のグループに分類する(ステップS401)。具体的には、図21Aに示すように、ノイズ補正部22は、ノイズ情報記録部112bから取得したノイズ情報(図3の表T1を参照)に基づいて、補正時の検出有と検出無のグループに分類し、補正時の検出有のグループを先に補正処理を実施するグループに分類する。検出無の補正においては、工場出荷値に各ノイズの検出に最適な条件で撮影された画像データに基づき検出作業が行われ、ノイズ情報(位置およびノイズのレベル)が取得される。このため、補正するノイズは、検出無の補正で、後発的に新たな画素でノイズが発生することが考えにくいため、この方法が有効となる。これに対して、検出有の方法で補正するノイズは、後発的に新たな画素でノイズが発生することがあるため、それらのノイズに対しても補正される必要があるので、補正時に検出しながら補正する方法が有効となる。また、ノイズ補正部22は、いずれの補正も対象ノイズを補正する場合、周囲画素に他ノイズがあるか工場出荷時に取得した他ノイズの位置情報も考慮して補正する。この場合、ノイズ補正部22は、検出有の補正処理を先に実施することで、後発的に生じたノイズの影響を受けず、複数のノイズを補正することができる。
ステップS402は、上述した図12のステップS102に対応する。具体的には、ノイズ補正部22は、各グループ内の補正処理に対し、発生順序の逆順に応じた順序を決定する(図21B)。ステップS402の後、画像処理装置20は、ステップS403へ移行する。
続いて、ノイズ補正部22は、ノイズ情報に基づいて、補正のオン/オフが特定条件で切り替わる補正処理を後方で実施されるように順序を決定する(ステップS403)。具体的には、ノイズ補正部22は、低飽和画素補正処理が分光感度ばらつき補正処理より後で実施されるように順序を決定する(図21B→図21C)。低飽和画素補正処理は、画素値が飽和付近の高輝度なシーンにおいて補正を実施する一方、低または中輝度の場合、補正を実施しない。このように特定条件によって補正のオン/オフが切り替わる場合、低飽和画素処理より後方で実施する補正処理は、補正のオン/オフを考慮して補正することが望ましい。この場合、後方の補正処理は、補正のオン/オフを考慮するため、処理が複雑となり、処理規模が大きくなる恐れがある。従って、特定条件によって補正のオン/オフが切り替わる補正処理は、後方で実施することが好ましい。
その後、ノイズ補正部22は、上述したステップS403で決定した補正処理の順序でノイズを補正する(ステップS404)。具体的には、図22に示すように、ノイズ補正部22は、RAW画像データに対して、FD白傷補正部221、白傷補正部222、RTSノイズ補正部223、分光感度ばらつき補正部224および低飽和画素補正部225の順序で補正処理を実行させてノイズを補正する。これにより、複数のノイズが発生する場合においても、精度の高い補正を行うことができるので、高画質な画像を生成することができる。
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、画像データに複数のノイズが発生する場合において、誤った補正処理の順序による画質の劣化を防止するとともに、高画質な画像を実現することができる。
なお、本発明の実施の形態3では、前段で実行した補正処理の結果、後段で実行する補正処理で補正するノイズに類似する類似ノイズを生じさせた場合、ノイズ補正部22は、類似ノイズを他のノイズを含め後段の補正処理によって補正するようにしてもよい。具体的には、ノイズ補正部22は、白傷の周囲に低飽和画素があった場合、白傷補正処理を行った場合、白傷が低飽和画素に類似したノイズに変化するため、後段で行う補正処理において補正する。
(その他の実施の形態)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。例えば、本発明の説明に用いた撮像装置以外にも、携帯電話やスマートフォンにおける撮像素子を備えた携帯機器、ビデオカメラ、内視鏡、監視カメラ、顕微鏡のような光学機器を通して被写体を撮影する撮像装置等、被写体を撮像可能ないずれの機器にも適用できる。
また、本明細書において、前述の各動作フローチャートの説明において、便宜上「まず」、「次に」、「続いて」、「その後」等を用いて動作を説明しているが、この順で動作を実施することが必須であることを意味するものではない。
また、上述した実施形態における画像処理装置による各処理の手法、即ち、各フローチャートに示す処理は、いずれもCPU等の制御部に実行させることができるプログラムとして記録させておくこともできる。この他、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶装置の記憶媒体に格納して配布することができる。そして、CPU等の制御部は、この外部記憶装置の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行することができる。
また、本発明は、上述した実施の形態および変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上述した実施の形態および変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、各実施例および変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
1 撮像システム
10 撮像装置
20 画像処理装置
21 第2外部I/F部
22 ノイズ補正部
23 画像処理部
30 表示装置
101 光学系
102 絞り
103 シャッタ
104 ドライバ
105 撮像素子
105a マイクロレンズ
105b カラーフィルタ
105c 画素
105d 第1スイッチ
105e 垂直転送線
105f FD部
105h 第2スイッチ
105i 制御線
105j 転送線
106 アナログ処理部
107 A/D変換部
108 操作部
109 メモリI/F部
110 記録媒体
111 揮発メモリ
112 不揮発メモリ
112a プログラム記録部
112b ノイズ情報記録部
113 バス
114 撮像制御部
115 第1外部I/F部
221 FD白傷補正部
221a 欠陥ブロック検出部
221b 欠陥ブロック補正部
222 白傷補正部
223 RTSノイズ補正部
223a RTSノイズ画素判定部
223b 候補値算出部
223c 代表値算出部
223d ランダムノイズ量推定部
223e 補正値算出部
224 分光感度ばらつき補正部
224a 補正量算出部
224b 画素値補正部
225 低飽和画素補正部

Claims (13)

  1. 光を受光して、受光量に応じた信号を生成する複数の画素と、各画素の前記信号を画素値として読み出す複数の読み出し回路と、を有する撮像素子によって生成された画像データに含まれる、互いに特性が異なる複数のノイズそれぞれを補正する複数の補正処理を実行可能な画像処理装置であって、
    前記複数のノイズの特性と、前記光が前記画素において受光されて前記画素値として読み出されて出力されるまでの過程と、に応じて定まる順序で前記複数の補正処理を実行するノイズ補正部を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記ノイズ補正部は、前記複数のノイズの特性に基づいて、前記複数の補正処理を複数のグループに分類し、該複数のグループと前記過程とに応じて定まる順序で前記複数の補正処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記複数のノイズは、前記画素の受光面に設けられた光学系、前記画素および前記読み出し回路のいずれかにおいて発生するノイズであり、
    前記ノイズ補正部は、前記複数のグループそれぞれに含まれる前記複数の補正処理を、前記過程においてノイズの発生順の逆順で定まる順序で実行することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記ノイズ補正部は、前記複数のグループそれぞれに含まれる前記複数の補正処理を、前記ノイズのノイズレベルに応じて定まる順序で実行することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記ノイズ補正部は、前記複数のグループそれぞれに含まれる前記複数の補正処理を、前記ノイズの発生する範囲に応じて定まる順序で実行することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記ノイズ補正部は、前記複数のグループそれぞれに含まれる前記複数の補正処理を、特定条件によって補正内容が切り替わる補正処理の順序を他の補正処理より後段にして実行することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  7. 前記ノイズ補正部は、前段で実行した補正処理の結果、後段で実行する補正処理で補正するノイズに類似する類似ノイズを生じさせた場合、該類似ノイズを他のノイズを含め後段の補正処理によって補正することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  8. 前記複数の補正処理は、前記画像データを用いて前記ノイズを検出しながら補正する補正処理を含み、
    前記ノイズ補正部は、
    前記ノイズを検出しながら補正する検出有のグループと、それ以外の検出無のグループとに分類するとともに、
    前記検出有のグループおよび前記検出無のグループの順序で前記複数の補正処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  9. 前記ノイズ補正部は、
    前記複数の補正処理それぞれが補正する前記ノイズのレベルに応じて、前記複数の補正処理を前記複数のグループに分類するとともに、
    前記ノイズのレベルが大きいグループの順序で前記複数の補正処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  10. 前記ノイズ補正部は、
    前記複数の補正処理それぞれが補正する前記ノイズの発生する発生範囲に応じて、前記複数の補正処理を前記複数のグループに分類するとともに、
    前記発生範囲が小さいグループの順序で前記複数の補正処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  11. 前記複数のノイズそれぞれに関するノイズ情報を記録するノイズ情報記録部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  12. 光を受光して、受光量に応じた信号を生成する複数の画素と、各画素の前記信号を画素値として読み出す複数の読み出し回路と、を有する撮像素子によって生成された画像データに含まれる、互いに特性が異なる複数のノイズを補正する複数の補正処理を実行可能な画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
    前記複数のノイズの特性と、前記光が前記画素において受光されて前記画素値として読み出されて出力されるまでの過程と、に応じて定まる補正処理の順序で前記複数の補正処理を実行するノイズ補正ステップを含むことを特徴とする画像処理方法。
  13. 光を受光して、受光量に応じた信号を生成する複数の画素と、各画素の前記信号を画素値として読み出す複数の読み出し回路と、を有する撮像素子によって生成された画像データに含まれる、互いに特性が異なる複数のノイズを補正する複数の補正処理を実行可能な画像処理装置に、
    前記複数のノイズの特性と、前記光が前記画素において受光されて前記画素値として読み出されて出力されるまでの過程と、に応じて定まる順序で前記複数の補正処理を実行するノイズ補正ステップを実行させることを特徴とするプログラム。
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