JP6757324B2 - 磁気粒子の量を決定するシステムおよび方法 - Google Patents

磁気粒子の量を決定するシステムおよび方法 Download PDF

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Description

本発明は、概して、磁性粒子、例えば常磁性粒子の特性評価の分野に関する。より具体的には、本発明は、ある容積内に存在する磁性粒子の量を決定するシステムおよび方法、ならびにそれに基づく画像化方法に関する。
電子常磁性共鳴(EPR)は、核磁気共鳴(NMR)で使用されるものに類似した物理的概念に基づいて物質のスペクトル分析を可能にする。NMRは非ゼロスピンを有する核種を含む物質の分析を可能にする一方で、EPRは少なくとも1つの不対電子を有する化学物質を含む物質にのみ適用可能である。NMRは、水および炭化水素中に豊富に存在する水素原子を含む物質の分析に特に有用であることを証明する。さらに、NMRに基づく画像化技術である磁気共鳴画像法(MRI)は、異なる組織における水密度および複雑なスピン−スピンおよびスピン−格子相互作用によって引き起こされる微妙なコントラストのために、医療診断において有益なツールである。
一方、EPRは、最も安定した化合物中のすべての電子が対になっているため、過去に応用が少ないことがわかっている。しかし、EPRの強さはその高い特異性にある。EPRは、組織中のフリーラジカルの検出および画像化に容易に使用することができ、特異的スピン標識生物学的トレーサ分子の開発は、生物学と医学における多様な生理学的機能の分析に対して、EPRの使用の機会、および特にEPRに基づく画像化技術の使用を生み出した。これは、従来の手段では研究できない生物学的メカニズムに特有の新たなトレーサのための道を開き、放射性核種によって引き起こされる暗に含まれる放射線被ばくを伴わずに、核医学で使用されるトレーサの代替物への道を開く。
EPRは、典型的には、非ゼロ電子スピンを有する粒子の磁気分極を引き起こすために、5mT〜1.25T、またはそれより高いDC磁場を使用する。狭帯域無線周波数波は、磁化を乱し、共鳴を引き起こすために使用される。ラーモア歳差運動周波数と呼ばれる、共鳴が起こる周波数は、印加される磁場強度および特定の材料特性に依存し、低磁場強度の場合は200MHzから強磁場の場合は35GHz以上に及ぶことがある。低磁場(<30mT)の低周波(<1GHz)領域は、組織における誘電損失の減少のために、生物学および医学における用途にとって特に重要である。
磁性、例えば常磁性のEPR信号を使用する粒子の総計の定量化は、従来のEPR測定を用いて得られたEPR信号に対して直接的に実施することができる。それにもかかわらず、広範囲の濃度に対処し、正確な定量化を行うためにはまだ改良の余地がある。
米国特許出願第US2014/009159号
B.GleichおよびJ.Weizenecker、磁性粒子の非線形応答を用いた断層撮像、Nature,435:1214−1217,2005
本発明の実施形態の目的は、ある対象内の磁性粒子、例えば常磁性粒子を定量するための方法およびシステムを提供することである。本発明の実施形態の利点は、広範囲の濃度の磁性粒子、例えば常磁性粒子に対して、電子常磁性共鳴(EPR)測定に基づいて、ある対象内の磁性粒子、例えば常磁性粒子を正確に定量化するための方法およびシステムを提供することである。本発明の実施形態の利点は、所与の媒体および容積中で、量の正確な決定を行うことができる磁性粒子、例えば常磁性粒子に基づく鉄を使用することである。本発明の実施形態の利点は、生体内と非生命体の特徴付けに関しての両方で、多数の用途と互換性のある粒子を使用することができることである。
本発明による実施形態の利点は、磁気粒子、例えば常磁性粒子の常磁性共鳴を検出するためのEPRベースの画像化技術を使用して高速画像化および/または容積測定画像化を得ることができることであり、これを正確かつ効率的な方法で行うことである。
本目的は、本発明の実施形態による方法および装置によって達成される。
本発明は、ある容積内に閉じ込められた磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定する方法に関し、
a)該磁性粒子、例えば常磁性粒子を磁化するために、容積に第1の磁場(B)を印加する工程であって、該磁場(B)は、第1の大きさおよび第1の周波数(fB0)を有する時間的に変化する磁場である、工程と、
b)磁化された粒子の歳差運動を引き起こすために第1の磁場(B)と平行ではない第2磁場(B)を該容積に同時に印加する工程であって、第2の磁場は第1の磁場(B)に曝されたときに該特定の素子のラーモア周波数(f)に実質的に等しく選ばれた第2の周波数(fB1)を有するRF磁場である、工程と、
c)該容積から生じる合成磁化度(M)を測定する工程であって、合成磁化度(M)は時間的に変化する磁場によって変調される、工程と、
d)合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)を決定する工程と、
e)合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)の電力および/またはそれぞれ電圧を計算し、該電力および/または電圧から、該容積中に閉じ込められた磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定する工程と、を含む、方法。
合成磁化度の変調は、時間的に変化する磁場による振幅変調であってもよいが、時間的に変化する磁場による任意の別のタイプの変調であってもよい。
「量」は、原子の数、細胞の数、または質量として、あるいは(該容積における)濃度として、もしくは他の方法で表すことができる。
EPRを使用する本発明の実施形態の利点は、確実に検出することができる比較的高い信号を提供することである。本発明の実施形態の利点は、送信側と受信側を並列にしないことにより、より多くの増幅をそれぞれの部分に適用できることである。
本発明の実施形態の利点は、変調信号を使用することであり、特定のスペクトル成分を有するスペクトルを提供し、そこから該量を導き出すことができる。変調の1つの有利な例は、本発明の実施形態で容易に実施することができる振幅変調である。
本発明による方法の実施形態の利点は、それが数桁にわたって極めて敏感である点である。システムおよび環境における異なる電子部品のノイズ寄与を正確に制御できるならば、例えば、1ナノグラム(ng)またはそれ以下の範囲の質量を決定することができる。いくつかの実施形態においては、検出され得る質量は、例えば約30〜約150μlの容積において、少なくとも9ng〜4500μgの範囲である。
磁性粒子は例えばFe2O3またはFe3O4であってもよく、その電子常磁性挙動は当業者に知られている。そのようなタイプの粒子はまた広く応用がきき、例えば特性評価実験や医療分野での使用に適している。本発明の実施形態の利点は、粒子(例えば、20nm〜500nmの範囲の平均直径を有するナノ粒子)のサイズまたは形状にかかわらず、量を正確に決定することができることである。
具体例では、常磁性粒子は鉄関連であり、第1の周波数は約200Hzであり、第1の磁場の大きさは約10.7mTピークであり、第2の周波数(ラーモア周波数)は約300MHzである。
完全な飽和が必要でないことは、本発明の実施形態の利点である。参考文献B.GleichおよびJ.Weizenecker、磁性粒子の非線形応答を用いた断層撮像、Nature,435:1214−1217,2005(非特許文献1)と比較すると、ここでは飽和が必要である。
合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)を決定することは、合成磁化度の周波数スペクトルを決定することを含んでもよい。
合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)を決定することは、第2の周波数fB1から第1の周波数fB0(すなわち、fB1−nfB0、n=1、3、5、...、すなわちnは奇数値に等しい)を引いたものに等しい周波数で、もしくは第2の周波数fB1に第1の周波数fB0(すなわち、fB1+nfB0、n=1、3、5、...、すなわちnは奇数値に等しい)を加えたものに等しい周波数で少なくとも1つの周波数成分を決定することを含んでもよい。
周波数fB1+nfB0は、「上側波帯」としても知られており、周波数fB1−nfB0は、「下側波帯」としても知られている。これらの周波数は、変調波形の第1の上側波帯および第1の下側波帯に対応する。
該電力および/または電圧から、容積中に閉じ込められた磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定することは、該少なくとも1つのスペクトル成分の電力および/または電圧と該磁性粒子、例えば常磁性粒子の質量との間の線形関係に基づいて量を決定することを含んでもよい。
該電力および/または電圧から、容積中に閉じ込められた磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定することは、該電力および/または電圧を既知の量の該磁性粒子、例えば常磁性粒子に対して決定された基準電力と比較することを含んでもよい。
基準値は、典型的には、該素子の既知の量を有するサンプル容積を用いたキャリブレーションによって得られた値である。そのようなキャリブレーションは、未知サンプルの測定時に実行されてもよいが、その結果が複数のさらなる測定のために再使用することができる記憶されたキャリブレーション測定値であってもよい。
時間的に変化する第1の磁場は、周期的な時間的に変化する磁場であってもよい。
時間的に変化する第1の磁場は、正弦波形を有してもよい。
時間的に変化する第2の磁場は、周期的な時間的に変化する磁場であってもよい。
時間的に変化する第2の磁場は、正弦波形を有してもよい。
第1の磁場Bの周波数は、ほぼDC〜数kHzまでの周波数であることができる。例えば、第1の磁場の周波数は、10Hz〜30000Hzの範囲の周波数、好ましくは70Hz〜400Hzの範囲の周波数、例えば約200Hzとすることができる。
第2の磁場Bの周波数は、ほぼ2、3MHz〜数GHzまでの周波数であることができる。例えば、第2の磁場の周波数は、好ましくは50MHz〜1000MHzの範囲の周波数、例えば約300MHzとすることができる。
周波数、n=1のfB1±nfB0を使用する利点は、他の周波数、n=3、5、...のfB1±nfB0よりも電力および/または電圧がはるかに高いことである。参考文献B.GleichおよびJ.Weizenecker、磁性粒子の非線形応答を用いた断層撮像、Nature,435:1214−1217,2005と比較すると、ここでは、n=3のnfB0が測定され、パワー含有量がn=1のnfB0よりもはるかに低い。
スペクトル成分が容易に識別可能であるという点で、第1の信号源および第2の信号源に対して1音の正弦波形を使用することに利点がある。
最終的に、測定器を構築するための要件は、SUT(試験体)なしシステム自体が線形時不変システムであることである。SUT自体は非線形であってもよい。
本発明はまた、ある容積内に閉じ込められた磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定するシステムにも関するもので、そのシステムは、
a)該磁性粒子、例えば常磁性粒子を磁化するために第1の磁場(B)を発生させてそれを該容積に印加するための、第1の信号源および第1の磁場発生素子であって、第1の磁場(B)は、第1の大きさおよび第1の周波数(fB0)を有する時間的に変化する磁場である、第1の信号源および第1の磁場発生素子と、
b)該容積に、第1の磁場(B)と平行ではない第2の磁場(B)を同時に印加するように配置され、磁化された粒子の歳差運動を引き起こすための、該磁性粒子、例えば常磁性粒子のラーモア周波数(f)に等しい近い周波数(fB1)を有する第2の信号源および第2の磁場発生素子と、
c)合成磁化度を測定するための検出素子であって、合成磁化度(M)は、時間的に変化する磁場によって変調、例えば振幅変調される、検出素子と、
d)合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)を決定するようにプログラムされ、合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)の電力および/または電圧を計算し、該電力および/または電圧から容積内に閉じ込められた磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定するためにさらにプログラムされているプロセッサと、を備える。
本発明の実施形態の利点は、磁性粒子、例えば常磁性粒子の広範囲の濃度にわたって正確な、磁性粒子、例えば常磁性粒子の総計を定量化する正確なシステムが提供されることである。
として、電圧制御電流源を使用することができるが、電圧制御電圧源、電流制御電流源などの任意の他の組み合わせも使用できることに留意すべきである。
プロセッサは、少なくとも第2の周波数から第1の周波数を差し引いた(fB1−nfB0、n=1、3、5、...、すなわちn=奇数値)周波数に等しい周波数での、もしくは第2の周波数に第1の周波数を加えた(fB1+nfB0、n=1、3、5、...、すなわちn=奇数値)周波数に等しい周波数での少なくとも1つの周波数成分を決定するためにさらにプログラムされてもよい。
システムはさらに、既知の量の該磁性粒子、例えば常磁性粒子に対して決定された基準電力および/または電圧を記憶するためのメモリと、決定された電力または電圧を、容積内に閉じ込められた磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定するための基準電力および/または電圧と比較するためにプログラムされているプロセッサを備えてもよい。
第1の信号源は、ほぼ数Hz〜数kHzの範囲の周波数で周期的に変化する第1の磁場を発生するように適合されてもよい。
プロセッサは、合成磁化度の周波数スペクトルを計算する手段を備えてもよい。
周波数スペクトルを計算するための該手段は、例えば、高速フーリエ変換またはゲルツェルアルゴリズムを使用して、(離散)フーリエ変換を実行するための手段を含んでもよい。
プロセッサは、合成磁化度の周波数スペクトルにおける少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)の電力および/または電圧を決定するための信号アナライザを備えてもよい。
プロセッサは、システムに組み込まれた特定の処理ユニットの一部であってもよく、または測定システムに組み込まれていない別個の処理ユニットであってもよい。
本発明はまた、物体を画像化する方法に関し、本方法は、物体内の複数の位置で上述したような所与の容積内の磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定する方法を適用する工程を含み、この決定は、該磁性素子、常磁性を含む希釈物を物体に投与した後に適用される。本発明の特定の好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項に提示される。従属請求項の特徴は、適切に、独立請求項の特徴と、および他の従属請求項の特徴と組み合わせてもよく、請求項に明示的に提示されているだけではない。
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に記載される実施形態を参照してはっきりし、明瞭になるであろう。
本発明による方法の実施形態を例示するフローチャートである。 本発明によるシステムの概略ブロック図である。 ランジュバン理論および電子常磁性共鳴効果によって説明でき、本発明の実施形態で使用することができる、磁場中の超常磁性粒子の挙動の図式表現を示す。 本発明による実施形態で使用される「歳差運動」の現象を例示する。 本発明の実施形態で使用することができる典型的なセットアップの例を示す。 本発明の実施形態による方法を使用して得られる周波数スペクトル(ヘテロダイン受信機フロントエンドを有するスペクトラムアナライザで測定された)を示す。 本発明の実施形態を例示しており、4500μg(マイクログラム)のFeを含有する「Rienso(登録商標)希釈A、すなわちRieA」サンプルを含有する容積に対する、周波数スペクトル(ヘテロダイン受信機フロントエンドを有するスペクトラムアナライザで測定された)の例を示し、該スペクトルは測定信号のスペクトルである。 2.1973μg(マイクログラム)のFeを含有する「Rienso(登録商標)希釈L、すなわちRieL」サンプルを含有する容積に対する、測定信号の周波数スペクトル(typ.ヘテロダイン受信機フロントエンドを有するスペクトラムアナライザで測定された)の例を示す。 ラーモア周波数、f=fB1付近の周波数スペクトルの上側波帯と第1の下側波帯を例示する。 Rienso(登録商標)サンプルA(4500マイクロg Fe)からRienso(登録商標)サンプルL(2.1973マイクロg Fe)に対して、実際のFe含有量、ならびにスペクトラムアナライザ(左:標準スケール、右:拡大スケール)を使用して、本発明の方法および/またはシステムによって決定された含有量を示す。 本発明の一実施形態によるアンダーサンプリングを使用して測定された信号に対してFFTを使用して計算された周波数スペクトルを示す。 本発明の実施形態による方法を実行するためのシステムを示す。 本発明の実施形態で使用することができる、標準的なヘテロダインベースの受信機部を示す。 本発明の実施形態で使用することができる、図13のヘテロダインベースの受信機部に対応する周波数スペクトルを例示する。 本発明の実施形態で使用することができる、標準的なアンダーサンプリング受信機部を例示する。 本発明の実施形態で使用することができる、図15のアンダーサンプリング受信機部に対応する周波数スペクトルを例示する。 本発明の実施形態で使用することができる、システムをキャリブレーションする方法の一例を例示する。 本発明の実施形態で使用して得ることができる、位相シフトキャリブレーションの一例を例示する。 実際のFe含有量、ならびに図12および図15に基づくシステムを使用し、図16のP1_USB(nfB0、n=1)の測定によって、かつ図17および図18にそれぞれ記載されているような起動シーケンスおよびキャリブレーション手順を実行することによって、Rienso(登録商標)サンプルO(275ng)〜Rienso(登録商標)サンプルT(9ng)に対してアンダーサンプリング法で決定されたFe含有量を示す。
図面は概略的なものに過ぎず、限定的ではない。図面では、要素のいくつかのサイズは、説明のために誇張されており、縮尺通りに描かれていない場合がある。
特許請求の範囲の参照符号は、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
異なる図面において、同じ参照符号は、同じまたは類似の要素を指す。
本発明は、特定の実施形態に関して、および特定の図面を参照して記載されるが、本発明はそれに限定されず、請求項によってのみ限定される。記載された図面は概略的なものに過ぎず、限定的ではない。図面では、要素のいくつかのサイズは、説明のために誇張されており、縮尺通りに描かれていない場合がある。寸法および相対的な寸法は、本発明の実施の実際の縮小に対応しない。
さらに、説明書および特許請求の範囲における第1、第2などの用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも、時間的、空間的、ランク付け、または他の方法での順序を記述するためではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載された本発明の実施形態は、本明細書に記載または図示されている以外の順序で動作可能であることを理解するべきである。
さらに、説明書および特許請求の範囲における用語「上部」、「下部」などは、説明目的で使用され、必ずしも相対的な位置を説明するためではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載された本発明の実施形態は、本明細書に記載または図示されている以外の方向で動作可能であることを理解するべきである。
特許請求の範囲で使用される用語「含む(comprising)」は、その後列挙される手段に限定されるものとして解釈されるべきではないことに留意すべきで、他の要素または工程を除外するものではない。したがって、参照される述べられた特徴、整数、工程または構成要素の存在を指定するものとして解釈されるべきであり、1つ以上の他の特徴、整数、工程または構成要素、またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。したがって、「手段AおよびBを含む装置」という表現の範囲は、成分AおよびBのみからなる装置に限定されるべきではない。それは、本発明に関して、装置のただ関連する構成要素がAおよびBであることを意味する。
本明細書を通じて、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な箇所における「一実施形態では」または「実施形態では」という言葉づかいの出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではないが、そうであってもよい。さらに、本開示から当業者に明らかであるように、特定の特徴、構造または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
同様に、本発明の例示的な実施形態の説明では、開示を合理化し、1つ以上の様々な発明的態様の理解を助ける目的で、本発明の様々な特徴が、単一の実施形態、図、またはその説明で一緒にグループ化されることがあることを理解すべきである。しかしながら、この開示の方法は、請求された発明が各請求項に明示的に列挙されているより多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明的態様は、単一の前述の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない。したがって、詳細な説明に続く請求項は、この詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、本発明の独立した実施形態として独自の立場にある。
さらに、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含み他の特徴は含まないが、当業者に理解されるように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内にあることを意味し、異なる実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、請求された実施形態のいずれかは、任意の組み合わせで使用することができる。
本明細書で提供される説明では、多数の特定の詳細が明記される。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施されてもよいことが理解される。他の例では、周知の方法、構造および技術は、この説明の理解を不明瞭にしないために詳細に示されていない。本発明の実施形態では、磁気特性を示す粒子を含む被検体に関する情報を収集するための方法およびシステムが提供される。これらの粒子は、例えば投与、混合、注ぎ込みなどのような任意の適切な方法で導入されてもよい。磁気特性を示す粒子は、例えば、磁性粒子、磁気ナノ粒子、標的特定酸化鉄粒子および磁気造影剤、ハイパーサーミアおよび熱アブレーションのための磁性薬物キャリア粒子、予め標識された細胞、治療用細胞および幹細胞であってもよく、および/または常磁性粒子、超常磁性酸化鉄(SPIO)および超小型酸化鉄粒子(USPIO)であってもよい。
本発明による実施形態では第1の磁場が参照される場合、検討中の粒子の磁化の向きを誘起する磁場が参照される。このような配向磁場は、従来のEPR測定において検討中の粒子の磁化を配向させるために典型的に使用される古典的な静磁場に対応する。それにもかかわらず、本発明の実施形態のように、本実施例における第1の磁場は一定ではなく、時間的に変化する磁場である。
本発明の実施形態において、被検体内で電子常磁性共鳴(EPR)を発生させる周波数でのRF場が参照される場合、典型的には例えば1MHzと1GHzとの間のオーダーの周波数、例えば、60MHzと500MHzとの間のオーダーの周波数を有するRF励起が参照される。
本出願の実施形態において、用語ナノ粒子が使用される場合、例えば、直径が1nm〜1000nmの範囲の臨界寸法を有する粒子が参照される。いくつかの実施形態では、粒子のサイズは提供される範囲内にさらに特定される。ナノ粒子または磁性ナノ粒子は、単一ドメイン粒子であってもよい。
本発明による実施形態において、研究対象の物体が参照される場合、そのような物体は、非生物体であってもよく、または生物体であってもよい。本発明はそれに限定されないが、いくつかの実施形態では、対象物は、例えば動物または人間の体のような、生き物の身体であってもよい。本発明の実施形態による研究対象物は、常磁性物体である。本発明の実施形態は、試験管内の試験、例えば磁性物体にリンクされた細胞の定量化にも使用することができる。本発明の実施形態は、高い感度と精度で磁性物体を定量化することを可能にする。用途の例には、純粋な定量化から3D画像化が含まれるが、これに限定されない。研究対象は、自然界の常磁性体であってもよく、または、物体に磁気ナノ粒子などの磁性粒子を、例えば投与を通して加えることによる少なくとも部分的に磁性を持ったものでもよい。投与の工程は、研究中の対象物の電子磁気共鳴を検出するために、本発明の実施形態による方法の適用に先立って実行されてもよい。
本発明による方法の実施形態において、研究対象の物体と1つ以上の発生された場との間の相互作用を参照してもよく、物体と磁場またはRFエネルギーとの間の相互作用は、本方法の一部でなくてもよい。したがって、本発明による方法の実施形態は、相互作用時に検出する工程、または場を発生し、相互作用時に検出する工程のみを含むことができる。
本発明の実施形態において、本発明の枠組みにおける電子常磁性共鳴が参照される場合、さらなるデータ分析を必要としない直接測定技術であるEPR技術が参照される。従来のEPRとは対照的に、本発明の実施形態では、使用されるEPRは、時にはpEPRまたは粒子EPRとも呼ばれる、低磁場で低周波数のEPR技術であり、摂動する電磁場が連続的方法(CW)で印加される。示されているように、本発明の実施形態で使用されるEPR技術は、さらなるデータ分析を必要としない直接測定である。これは、データが、印加された場に対する吸収パワーの一次導関数であるスペクトルの吸収から推測され、サンプル中の電子スピンに比例する数を得るためにそこから二重積分が計算される従来のEPR方法とは対照的である。第1の態様では、本発明は、例えば所与の容積に包まれた常磁性粒子、例えば常磁性ナノ粒子のような磁性粒子の量(例えば、細胞の質量、濃度または数の点から表現される量)を決定することに関する。一例では、粒子は酸化鉄ナノ粒子であってもよいが、実施形態はこれに限定されない。
第1の態様の実施形態による方法は、該磁性粒子を磁化するために該容積に第1の磁場(B)を印加する工程を含み、第1の磁場(B)は、第1の大きさおよび第1の周波数(fB0)を有する時間的に変化する磁場である。同時に、第1の磁場に平行ではない第2の磁場(B)が、磁化された粒子の歳差運動を引き起こすために該容積に印加され、第2の磁場は、第1の磁場(B)に曝されたときに磁性粒子の電子スピンのラーモア周波数(f)に実質的に等しく選ばれた第2の周波数(fB1)を有するRF磁場である。
最適には、第2の周波数(fB1)の周波数はラーモア周波数に等しいが、何らかの偏差が存在し得る。しかも、差が大きくなればなるほど、感度の低い技術となる。
RF場Bは、上述したようにラーモア周波数で時間的に変化する。有利なことに、第2の磁場(B)は、第1の磁場(B)に対して実質的に直交または直交している。そのような直交配向は、電子的および/または機械的な方法で得ることができる。
本発明の実施形態によれば、使用される第1の周波数は、従来のEPRシステムよりも大幅に低くすることができる。低周波数は、例えば、fB0については10Hz〜30000Hzの範囲にあり、fB1については50MHz〜1000MHzの範囲にあることができる。一例では、fB1に使用される周波数は、例えば、300MHzであることができる。本発明の実施形態の利点は、これらの低周波数では、組織内の減衰があまり顕著でないことである。後者は、この技術が生体内システムに関して使用される場合に有利である。
いくつかの実施形態では、B場周波数は、振幅vおよびDC値vを有し、振幅は次式で与えられる。
典型的な設定では、DC値はゼロ、v=0である。しかしながら、vは0と異なり、DC値、例えば100mVであってもよい。
粒子がB場に持ち込まれると、ラーモア周波数で歳差運動が粒子に誘発される。続いて、場Bがオンになり、図4のΦが増加し、これはBの印加振幅に依存する。この結果、例えばコイルなどの検出素子を使用してMを測定することができる。Bは、横方向場の増加を引き起こす。
ここで言う歳差運動は、外部磁場B(電子スピン)に対する磁気モーメントの歳差運動である。
容積から生じる合成磁化度(M)が測定され、そこで合成磁化度(M)は時間的に変化する磁場Bによって変調、例えば振幅変調されている。磁化ベクトルは、すべての磁気モーメントの合計である。磁化の大きさは、磁性粒子の濃度と相関する。
離散フーリエ変換が、磁化度を表す検出素子に誘起された電圧上で実行される。誘起電圧は、次式で与えられる。
ここで、
は、受信コイル感度を示し、それは検出素子のすべての幾何学的パラメータを包含し、例えば検出素子はコイルであってもよい。
本発明の実施形態によれば、合成磁化度を表す誘起電圧の少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)は、次に離散フーリエ変換に基づいて決定される。そのような少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)は、周波数スペクトルであってもよいが、実施形態はこれに限定されない。少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0から、電力および/または電圧が計算され、電力に基づいて容積内に閉じ込められた磁性粒子の量が決定される。
本発明の実施形態において、ある量が参照される場合、磁性粒子の総計が参照される。
本発明の有利な実施形態では、検出素子によって得られた信号が測定され、離散フーリエ変換が適用される。システムが理想的であり、粒子が存在しない場合、信号は変調されていない信号である。粒子が存在する場合、信号は変調信号である。変調された信号は磁性粒子の情報を含有する。ナイキスト−シャノンサンプリング定理が満たされるように選択されたサンプリング周波数fを有する高速ADCシステムが使用される場合、情報は、離散フーリエ変換を実行することによって直接抽出することができる。DFTの結果は1セットの周波数をもたらし、一周波数成分は存在する鉄の量に関する情報を決定するために使用される。
代わりに、エンベロープ信号が抽出され、エンベロープ信号上のDFTが実行される復調技術を使用することができる。DFTの結果は1セットの周波数をもたらし、一周波数成分は存在する鉄の量に関する情報を決定するために使用される。システムが理想的であれば粒子を含まないサンプルを測定し、エンベロープはDC値であり、粒子を有するサンプルを測定する場合、エンベロープはランジュバンおよびEPRの寄与の結果である。エンベロープ信号は磁性粒子の情報を含む。エンベロープ信号の決定は、複数の方法、例えばプロダクト検波器またはエンベロープ復調回路を使用して、もしくはデジタル信号処理技術を使用して実行することができる。代わりに、アンダーサンプリングが実行されるとき、エンベロープは実行された測定の直接の結果である。
本発明の実施形態の利点は、例えば米国特許出願第US2014/009159号(特許文献1)と比較して、磁場の異なる向きが必要とされないことである。有利なことに、完全な信号が測定され、正確な測定を得るために、測定の開始時にトリガリングが必要なだけである。この方法では、正確なトリガは必要ではない。トリガリングは、ソフトウェアトリガであっても、またはハードウェアトリガであってもよい。
本発明の実施形態の利点は、DFTを実行する前に特別のデジタルフィルタリングを追加することによってEMIノイズをフィルタリングすることができるため、本技術がEMI影響に対してあまり敏感でないことである。後者は、例えば米国特許出願第US2014/009159号(特許文献1)と比較して、信号の完全な情報が利用可能であるために可能である。
いくつかの実施形態では、RF場Bは、振幅および/または周波数で変調することができる。Bの振幅は変化し得るので、ラーモア周波数も変化し得る。この変動に依存して、Bの周波数は変化することができ、例えば数Hzから300MHzの間の変動を実施することができる。いくつかの実施形態では、そのような変動は、例えば、
ここでΔfはシステムの帯域幅に等しい。
第2の磁場Bの強度は、以下の手順に従って選択してもよい。
信号のパワーが増加すると同時に、スペクトル成分の振幅が測定される。スペクトル成分は、ヘテロダインベースのシステムの場合はfB1+fB0またはfIF+fB0であり、アンダーサンプリング受信機の場合はfB0である。Bの強度の最適値は、スペクトル成分のパワーが最大である値である。システムは、依然として線形時間不変システムとして動作するように注意する。
図3に示すように、磁気共鳴の概念は、粒子磁化の飽和効果(ランジュバン関数を用いてモデル化されている)と組み合わされる。
本発明の実施形態のさらなる特徴および利点を、図面および特定の実施形態を参照して、以下に例示するが、本発明はこれに限定されない。
本発明の実施形態の利点は、磁性粒子量が直接的に測定され、内在性粒子、例えば内在性鉄ではなく、すなわち、生物内から生じ、生体組織および流体中に存在するものが測定される。したがって、内在性粒子を抽出するための追加の測定を必要としないことは実施形態の利点である。
本発明の実施形態の利点は、EPRを単一の温度で行うことができる(すなわち、異なる温度で測定する必要がない)ことである。本発明の実施形態におけるEPR測定は、例えば室温で、または例えば約37℃、すなわち動物または人体の温度に近い温度で実行することができる。必須ではないが、温度の関数としての粒子効果の研究もなお可能である。本発明は、例えば、磁気ナノ粒子、標的特定酸化鉄粒子および磁気造影剤、ハイパーサーミアおよび熱アブレーションのための磁性薬物キャリア粒子、予め標識された細胞、治療用細胞および幹細胞を含む常磁性粒子などの磁性粒子に応用可能であり、かつ/または超常磁性酸化鉄(SPIO)および超小型酸化鉄粒子(USPIO)といった常磁性粒子であってもよい。
本発明の実施形態の利点は、使用されるEPR技術がキャビティを使用しないことである。これは、生体内システムに関連する技術およびシステムに使用するために利点となる。
本発明の実施形態の根底にある原理が以下でさらに説明され、根底にある原理を説明することができるいくつかの数学的考察が使用される。それでも、本発明の実施形態は、これらの数学的/理論的考察に限定されず、後者は、本発明による方法およびシステムの利点を説明するための可能な方法としてのみ提供される。
本発明によって提案される測定の原理は、印加磁場Bにおける磁性粒子および/または常磁性粒子の非線形挙動に基づいており、ランジュバン理論および磁気RF場に対する電子常磁性共鳴応答によって説明される。
磁性粒子および/または常磁性粒子が静磁場B内に置かれると、この場Bに従って整列する。次に、粒子が、静磁場Bに直交するように配向され、(該静磁場B内の対象とする粒子、例えば鉄のラーモア周波数fに等しいかまたはほぼ等しいように選択された)周波数fB1を有するRF磁場B(t)によって追加的に励磁されると、磁場Bの軸を中心としてその周りに鉄粒子の磁気ベクトルMの歳差運動が生じる。この現象自体は当技術分野で知られており、図4に図示されており、ここで黒ベクトルMは、磁性粒子、常磁性粒子の磁化ベクトルMを表し、このベクトルは、各原子に特有の角速度ωでZ軸の周りを回転する。理想的には、角度Φが90°になるようにTコイルに印加される電力は最大である。
しかしながら、一定の磁場Bではなく、時間的に変化する磁場B(t)、例えば磁場B(t)が印加されると、磁化度ベクトルMの向きだけでなく、大きさも変化する。大きさの変化は、ランジュバンとEPR共鳴関数を組み合わせた結果であるべき級数展開(式[1])で記述することができ、次式で表すことができる。
ここで
磁化度ベクトルMの大きさの変化は、検出素子を使用して変調信号として(時間領域で)観測することができ、数学的には次式で記述できる。
ここで、RF信号
の減衰され、位相シフト(Φ)されたバージョンであるフィードスルー信号
は、変調項、例えば振幅変調項である。
式[2]は、時間領域における振幅変調信号であり、図6に示すような周波数スペクトルを有する。本発明者らは、第1の下側波帯の第1のスペクトル成分、(周波数fB1−fB0の)LSB、の電力および/または電圧、および第1の上側波帯の第1のスペクトル成分、(周波数fB1+fB0の)USB、の電力および/または電圧は、所定の媒体および容積中の磁性粒子、常磁性酸化鉄ナノ粒子の量に関係していることを示す。さらに、関係は線形であり、すなわち、一般に、LSBまたはUSBの不均一スペクトル成分(fB1±nfB0、n=1、3、5、...)の電力および/または電圧は、測定されたサンプル中の鉄素子の量に比例する。
次に、本発明による方法およびシステムの実施形態が、いくらかより詳細に説明される。
図1は、本発明による方法の一実施形態のフローチャートを示し、図2は、本発明の一実施形態によるシステムの概略ブロック図を示す。未知の特定の常磁性粒子(例えば、酸化鉄)の総計を含む容積2が提供されていて、その容積中の鉄の総計が決定されることになっていると仮定する。(総計または量は、質量、濃度、細胞数、または他の適切な方法で表すことができる)。
図1および図2を参照して、第1の工程310において、周波数fB0(例えば、約200Hz)を有し、第1の方向に配向された第1の磁場B(t)が容積2に印加される。磁場の大きさは、例えば10.7mT(fB1=300MHzに対して)であってもよい。本発明の実施形態によれば、第1の磁場はしたがって時間的に変化する磁場である。周波数fB0は、数Hzから100kHz超までの範囲内とすることができる。受信機にあって雑音は主に1/f挙動によって支配されるので、より高い周波数の方が利点を有するが、粒子は有限の緩和時間を有するので、すなわち粒子は特定の周波数までの変動にしか追従できないので、この周波数はあまり高くすることはできない。比吸収率(SAR)に関連する制限もあり、これは動物および人間を磁場に曝す場合に重要となる。SARは磁場の振幅および周波数の2乗に比例する。
第2の工程320において、磁場Bに直交する向きを持ち、対象粒子(この例では、鉄)のラーモア周波数に実質的に等しい周波数fB1を有する第2の磁場B(t)が、容積2に同時に印加される。周波数fB1=fは、例えば300MHzであってもよい。例として、Rienso(登録商標)が使用される場合、磁場強度は300MHzの励磁の場合には7mTまでずっと低くてもよい。印加された第1および第2の磁場BおよびBのために、磁性粒子、例えば常磁性粒子は、2つの効果の組み合わせである磁化度Mを示し、ここで第1の効果はランジュバン方程式で説明でき、第2の効果はEPR吸収によって説明することができる。これは図3に図示されている。図3から見ることができるように、測定された信号は、EPRとランジュバンの寄与の組み合わせを直接的に示す。この技術およびシステムはまた、粒子のヒステリシス効果を測定することを可能にする。こうして、この技術およびシステムは、粒子挙動についての多くの情報を抽出することを可能にする。
第3の工程330において、この磁化度信号M(t)は検出素子を用いて測定される。測定された信号は、使用される時間的に変化する第1の磁場のために変調される。
第4の工程340において、少なくとも1つの周波数成分(fB1+nfB0、n=1)、しかし任意選択でこの信号の全周波数スペクトル(fB1±nfB0、n=1、3、5、...)が決定される(例えば、計算される)。少なくとも1つの周波数成分は、例えばスペクトラムアナライザで決定されてもよく、または例えばコンピュータプログラムまたは適切にプログラムされたデジタル信号プロセッサ(DSP)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような(離散)フーリエ変換を実行することができる他の手段によって決定されてもよい。そのようなスペクトルの一例が図6に示され、300MHzでメインピークを示し、メインピークの左側と右側に(この例では200Hzの倍数である距離に)いくつかの小さなピークが現れている。
最後に、第5の工程350において、鉄の量が、少なくとも1つの周波数成分、n=1のfB1+nfB0、の電力および/または電圧に基づいて計算される。一例では、計算は、容積2に存在する磁性ナノ粒子および/または常磁性ナノ粒子の質量に関連するfB1+fB0における第1の上側波帯P1_USBの電力、および/またはfB1−fB0における第1の下側波帯P1_LSBの電力に基づいてもよい。fB1+fB0またはfB1−fB0周波数成分を取ることが好ましく、ここには最大電力成分がある。それでも、例えばn=3のfB1±nfB0のような他の周波数成分も使用することができる。
得られた結果は、例えば、ルックアップテーブルを使用して、アルゴリズムを使用して、等々、キャリブレーション方法と比較することによって、理論的に期待される結果に基づいて評価されてもよい。キャリブレーションが使用されるいくつかの実施形態では、少なくとも1つの周波数成分の電力、例えば、既知のサンプル、例えばRienso(登録商標)Aサンプル(さらに4500マイクログラムのFeを有するRie Aと略記する)のP1_USBおよび/またはP1_LSBにおけるピークを基準値として使用することができる。そのような場合、以下の実験結果によって明らかになるように、未知の標本に存在する磁性粒子、例えば常磁性粒子の総計(例えば、量または質量または濃度)を決定することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、本方法はキャリブレーション段階を含む。測定を開始する前に、有利なことに、キャリブレーション工程を含む始動シーケンスを実行することができ、結果として最適検出限界を得る。そのようなシーケンスの一例が図17に示され、システムの電源投入、システムの初期化、およびシステムウォームアップ後のキャリブレーション段階、そしてその後システムは測定の準備が整うことを図示している。
システムの初期化中に、正しい信号が必要な場所に印加されるように個々の構成要素は正しい値に設定される。
システムウォームアップの後、キャリブレーション工程において、ナノ粒子を含まないサンプルが検出ゾーンに挿入され、Bの位相が修正される。この位相シフトは、デジタル方式、アナログ方式または組み合わせで行うことができる。目標は、P1_USB(またはP1_LSB)における受信電力または電圧が最小になるように、すなわちシステムのノイズフロアに可能な限り近づけるように最適点(OP)を設定することである。位相最適化の一例を図18に示す。このキャリブレーション工程は、システムの感度(すなわち、検出限界)および最終結果の正確さおよび精度を改善する。このキャリブレーション工程は、非直交コイルシステム、すなわち、Tコイル、Rコイル、およびヘルムホルツコイルが電気的に直交していない場合において特に意味がある。最適な点は(熱)ドリフトに対して敏感であり、最も正確な結果を得るために熱ドリフトを最小限に抑える必要があり、キャリブレーション工程は定期的に繰り返される必要があることに留意すべきである。キャリブレーションが実行されると、システムは測定の準備が整う。
第2の態様において、本発明はまた、物体内の磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定するためのシステムにも関する。そのようなシステムは、第1の態様で説明した方法を実行するために有利に適合させることができるが、これに限定されるものではない。実施形態によるシステムは、該磁性粒子、例えば常磁性粒子を磁化するために該容積に第1の磁場(B)を発生して印加するための第1の信号源および第1の磁場誘起素子、例えばコイルを備え、第1の磁場(B)は、第1の大きさおよび第1の周波数(fB0)を有する時間的に変化する磁場である。システムはまた、磁化された粒子の歳差運動を引き起こすために、該第1の磁場(B)に直交し、前記磁性粒子、例えば常磁性粒子のラーモア周波数(f)に等しい周波数fB1を有する第2の磁場(B)を該容積に同時に印加するように配置された第2の信号源および第2の磁場誘起素子、例えばコイルを備える。システムはまた、合成磁化度を測定するための測定ユニット、例えばコイルを備え、合成磁化度(M)は、時間的に変化する磁場によって変調、例えば振幅変調されている。システムはさらに、合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分、n=1のfB1+nfB0またはn=1のfB1−nfB0を決定するようにプログラムされ、合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分の電力を計算し、該電力から、容積中に閉じ込められた磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定するためにさらにプログラムされているプロセッサを備える。測定ユニットは、磁化度の測定を可能にする任意の適切なセンサであるとよい。
図11は、高速フーリエ変換を使用して計算された周波数スペクトルを示す。この例では、ソフトウェアツールMatlab 2012bが使用された。信号はアンダーサンプリング法またはバンドパスサンプリング法を用いて測定され、75MSPSのADCサンプリングを使用した。特定の例では、DAC/ADC FMCカード(FMC176)のシェルフソリューションと高度なデジタル信号処理による高性能および複数のI/Oオプション(PC720)が使用された。図11に示す実験および表2に記載の実験に見られるように、使用された特定のケーブルは特定の損失を生じ、異なる測定に対して起こり得る小さな差異を生じさせている。
図12は、図11に示す周波数スペクトルを測定するために使用されるシステムを示す。測定に要する時間は、粒子濃度に依存し、より低い濃度はより長い測定時間を必要とする。実施された実験では、典型的な実験測定時間は25〜60秒であった。
図12に示す例示的なシステムは、本発明の一実施形態によるシステムのいくつかの標準およびオプションの構成要素を示す。本システムは、磁場B発生部1210を備える。典型的には、そのような部分は、波形発生器および磁場B源を備えることができる。波形発生器は、基準信号としての共通クロック信号が備わっている。波形発生器は別個のブロックであってもよいし、B源の一部であってもよい。システムはまた、コイル部1220を備え、ヘルムホルツ型コイルにB発生部からの磁場信号が供給され、送信コイルが設けられ、検出素子が設けられている。サンプルホルダとサンプルがその中に配置される。コイル部は、典型的には、シールドされたエンクロージャであってもよく、温度制御された環境になるように構成されてもよい。システムはまた、RF部1230を備え,送信コイルに給電するための送信部と、検出素子に給電する受信部とが設けられている。システムはさらに、信号発生、データ取得、およびデジタル信号処理用に構成された信号処理部1240を備える。信号処理部1240は、典型的には、波形発生器と同じ基準クロックが供給されてもよい。信号処理部1240はまた、波形発生器信号を得られた結果とリンクさせるためのトリガ素子を備えてもよい。信号処理部1240は、典型的には、1つ以上のアナログ/デジタル変換器および/またはデジタル/アナログ変換器を備える。さらに、FPGAおよび/またはデジタル信号処理ブロック、FIFO−RAMおよび可能なファームウェアを備えたメモリブロックを備える。信号処理部1240は、送信コイルへの印加電力を制御および/または掃引するための電力を測定するための電力センサを備えてもよい。バス、例えば高速バスをコンピューティングシステムとの通信を提供するために使用してもよい。そのようなコンピューティングシステムは、マザーボード、プロセッサ、ランダムアクセスメモリなどのメモリといった通常の構成要素を提供することができる。固体デバイスメモリまたはハードディスクメモリも設けられてもよい。キーボードのような入力装置、スクリーンのような出力装置、およびビデオカードなどの他の構成要素も存在してもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、受信機部は、ヘテロダイン受信機部であってもよい。ヘテロダインベースの受信機では、周波数fB1+nfB0とfLOの信号が混合され、和周波数(fB1±nfB0+fLO)および差周波数(fB1±nfB0−fLO)を生み出し、その2つのうちの1つのみ、すなわちfB1±nfB0−fLO=fIF±nfB0(fIF=中間周波数)のみが使用され、他方はフィルタリングされる。ヘテロダインベースのシステムでは、スペクトル成分はfIFの周りでダウンコンバートされる。IF信号は、ADC(アナログ/ デジタル変換器)を用いてデジタル化される。ADCサンプリング周波数fsは、ナイキスト− シャノンサンプリング定理が満たされるように、すなわち高域カットオフ周波数の最低2倍に選択される。ヘテロダイン受信機の一例を図13に示し、対応する周波数スペクトルを図14に示す。
本発明のいくつかの実施形態では、受信機部はアンダーサンプリングシステムであってもよい。アンダーサンプリングシステムでは、B信号は、ナイキストレートより下のサンプルレートでデジタル化さる。この特許に記載されたシステムの場合、サンプリングレートは、f=fB1/Nとなるように取られる。標準値は、N=4でf=75Mspsである。この場合、fB1±nfB0はDCにダウンコンバートされ、fB1の周りのスペクトル成分±nfB0はダウンコンバージョンの後、DC値の周りにある。信号をADCに印加する前にBの高調波が十分に抑制されるように、帯域幅の狭いバンドパスフィルタが使用される。アンダーサンプリングベースの受信機の一例を図15に示し、対応する周波数スペクトルを図16に示す。図19は、アンダーサンプリングベースの受信機を用いた鉄の測定量を示す。
本発明の実施形態は、画像化および/またはボリューメトリック画像化の目的に適合された磁場勾配発生装置を備えてもよい。そのような実施形態は、被検体の画像および/またはボリューメトリック画像表現の形の検出信号を組み合わせるように適合された行列ユニットをさらに備えてもよい。
例示として、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、一例では、画像化は、サンプルの上に磁場勾配を誘起することによって行うことができる。例えば、1次元の場合、サンプルの上(例えば、2cmの視野)に磁場勾配(例えば、0→10mT)を印加すると、スピンは、(ランジュバン方程式に対応して)それらの位置に応じて異なる応答を与える。異なる磁場勾配(例えば、0→5mT、10→0mT、...、0→−10mT、−10→0mT、0→−5mT)を印加すると、個々の位置のそれぞれで濃度を分解すること可能にする一連の方程式が得られる。後者は2次元または3次元に拡張することができる。別の例では、共鳴条件は1つの位置でのみ生み出され、ある場所では±10mT、他のすべての場所では0mTである。
実験
図5は、本構想の証明としての実験セットアップを記載している。第1のシールドおよび熱制御されたチャンバー71は、安定した基準周波数(f基準=標準10MHz)を発生するための基準発振器を含む。非同期動作も機能することに留意すべきである。それでも、非同期動作が使用されると、システムはドリフト、すなわちB場とB場との間のドリフトおよび熱ドリフトに敏感になる。非同期動作により感度が低下するので、同期動作が優先される可能性がある。Rコイルは、任意の適切な向きに配向することができる。最大感度は、RコイルがTコイルに対して垂直に向けられているときに得られる。
同じチャンバー71は、安定した正弦波電圧信号(この例では、fB0=200Hzの1つのトーン)を発生するための波形発生器をさらに含む。安定した基準周波数f基準が、ラーモア周波数(この例では、f=fB1=300MHzの1つのトーン)で正弦波信号を発生するために、第2のチャンバー74内のRF信号源に印加される。低ノイズ増幅およびフィルタリングの後、この信号は、シールドされ、熱制御された励起チャンバー75内のRF Tコイルに印加される。このチャンバーはまた、時間的に変化する磁場B(t)を発生するヘルムホルツ型コイルも含む。これは、シールドおよび熱制御されたVCCSチャンバー72内に存在する電圧制御電流源VCCSから生じる周波数fB0を有する時間的に変化するi(t)を利用することによって達成される。この電圧制御発振器は、安定した電圧と第1のチャンバー71で発生された基準発振器信号を使用する。RF Tコイルによって発生される磁場B(t)と、ヘルムホルツ型コイルによって発生される磁場B(t)は、互いに直交するように配向される。測定されるサンプルを含有する容積から生じる合成磁化度信号を測定するための、RF Rコイルと呼ばれる第3のコイルもまた、シールドおよび熱制御された励起チャンバー73内に存在する。このRF Rコイルの出力は、低ノイズ増幅およびフィルタリング段75および信号アナライザ76に印加される。この実験では、スペクトラムアナライザは標準的にヘテロダイン受信機フロントエンドを有する。
サンプルは、両方ともサンプルと一緒にヘルムホルツ型コイルの内側に置かれたTコイルとRコイルの内側に置かれ、すべてはシールドおよび熱制御された励起チャンバー73内に置かれる。
実験では、最初に「Rienso(登録商標)希釈AまたはRieA」(量Fe4500μgが150μlの水に希釈されている)を励起チャンバーに設置し、fB1を300MHzに設定し、Bは実効B=10.7mTでfB0=200Hzの正弦波形であった。図6は、信号アナライザ76上で見ることができる信号を示し、300MHzを中心とし、200Hzの倍数の距離に多数のピーク(側波帯とも呼ばれる)を示している。最も高いピークは、第1のコイルによって容積に印加されたラーモア周波数を表し、他のピークは、供試試料の常磁性ナノ粒子との相互作用によって引き起こされたものである。
図7は、図6と同じスペクトルを示すが、約(300MHz−100Hz)から約(300MHz+500Hz)までの周波数帯域で拡大している。n=1のfB1+nfB0(矢印で示す)のパワーを測定し、(RieAに存在する)4500μgのFeの質量に対する基準値とする。上述のように、n=1のfB1−nfB0の電力も使用することができた。
「RieA」サンプルを「Rienso(登録商標)希釈LまたはRieL」サンプル(2.1973μgFeを有する)で置き換えた後、測定を繰り返し、図8に示すようなスペクトルが得られた。(図7と図8の水平スケールは同じではないことに留意すべきである)。実験は、異なる希釈度で、他のRienso(登録商標)サンプルについても繰り返し、その結果は以下の表1に載せられている。
表からわかるように、各希釈サンプルを3回(見出しの測定値I、II、IIIで示されている)測定した。各サンプルについて、第1の上側波帯の電力(スペクトル成分P1_USB)を測定(dBmで)し、その後電圧値に変換した。
表1(実測値)
次に、表2に示すように、3回の測定の平均値(Mで示す)を(対数スケールとリニアスケールの両方で)算出し、そして標準偏差(σで示す)を算出した。Rienso(登録商標)サンプルAの値を基準値(電力=0.2518Vppは質量=4500μgFeに相当する、を意味する)とした。
表2
これらの測定では、スペクトル成分P1_USBの電力のみが(n=1のfB1+nfB0で)測定されたが、n=奇数値のfB1±nfB0でのスペクトル成分の電力を使用することも可能である。
例えば、RieBサンプルの量を決定するために、上述の200Hzと300MHzの磁場が再び印加され、合成磁化度の測定が実行され、該磁化度のスペクトルの(n=1のfB1+nfB0での)電力P1_USBが決定され、Vpp=0.1295の値となり、次にRieBサンプル中の鉄の量を決定するために以下の計算:4500μg×(0.1295/0.2518)=2314.084μgを使用し、これは実際の質量2250μgの良好な近似値である。相対測定誤差は、(2314−2250)/2250=約2.8%である。他の試料の質量も同じように測定され計算される。(上記の計算は正確さに対して最適化されておらず、本方法の実行可能性を実証するためだけであることに留意すべきである)。
図10は、実際のFe含有量およびRieサンプルA〜Lに対して本発明の実施形態を使用して測定されたFe含有量をグラフで表したものである。図からわかるように、3桁以上の大きさの比較的大きい範囲(4500μg〜2.19μg)にわたって、結果はかなり正確である。
高い感度および大きなダイナミックレンジが与えられると、この測定技術は、例えば酸化鉄ナノ粒子を含有する液体を投与した後の患者の器官を画像化するのにも使用できることが意図されている。さらに別の態様では、本発明の実施形態は、上述の方法の少なくとも一部を実行するためのコンピュータ実施方法にも関する。これらの方法は、コンピューティングシステムで実施されてもよい。それらは、ソフトウェアとして、ハードウェアとして、またはそれらの組み合わせとして実施されてもよい。そのような方法は、コンピュータ上で自動化および/または自動化された方法で実行されるように適合されてもよい。ソフトウェアとして実施または部分的に実施する場合、そのようなソフトウェアは、1つ以上のプロセッサに基づいて、適切なコンピュータまたはコンピュータプラットフォーム上で走るように適合されてもよい。ソフトウェアは、例えば、Windows、Linux(登録商標)、または任意の他のオペレーティングシステムなど、任意の適切なオペレーティングシステムで使用するように適合されてもよい。コンピューティング手段は、データ処理のための処理手段またはプロセッサを含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、処理手段またはプロセッサは、上記の方法のいずれかに従ってある容積内に閉じ込められた磁性粒子、例えば常磁性粒子の量を決定するように適合されてもよい。プロセッサの他に、コンピューティングシステムは、例えばROMまたはRAMを含むメモリシステム、例えばCD−romまたはDVDドライブなどの出力システム、またはネットワークを介して情報を出力するための手段をさらに備えてもよい。例えば、キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス、入力および出力ポートなどのような従来のコンピュータ部品も含まれてもよい。データ伝送は、データバスに基づいて提供されてもよい。コンピューティングシステムのメモリは、コンピューティングシステムで実施されたとき、上記の方法の標準的工程の一部またはすべてを実施させ、または任意選択的に上記の任意の工程を実施させる1セットの命令を含んでもよい。得られた結果は、例えばプロッタ、プリンタ、ディスプレイなどの出力手段を介して、または電子形式の出力データとして出力することができる。
本発明の実施形態のさらなる態様は、コンピューティングデバイス上で実行するための機械可読コードを担持するキャリア媒体内で実施されるコンピュータプログラム製品、ならびにdvdまたはcd−romまたはメモリ装置などのデータキャリアのようなコンピュータプログラム製品を包含する。実施形態の態様はさらに、例えばローカルネットワークまたはワイドエリアネットワークのようなネットワークを介してコンピュータプログラム製品を送信すること、ならびにそれに対応する送信信号を包含する。

Claims (15)

  1. ある容積内に閉じ込められた磁性粒子の量を決定する方法であって、
    a)前記磁性粒子を磁化するために、前記容積に第1の磁場(B)を印加する工程であって、前記磁場(B)は大きさおよび第1の周波数(fB0)を有する時間的に変化する磁場である、工程と、
    b)前記磁化された粒子の歳差運動を引き起こすために前記第1の磁場(B)と平行ではない第2の磁場(B)を前記容積に同時に印加する工程であって、前記第2の磁場は、前記第1の磁場(B)に曝されたときに前記磁性粒子の電子スピンのラーモア周波数(f)に実質的に等しく選ばれた第2の周波数(fB1)を有するRF磁場である、工程と、
    c)検出素子を用いて合成磁化度を表す電圧信号を得ることによって前記容積から生じる前記合成磁化度(M)を測定し、その信号を決定する工程であって、前記合成磁化度(M)は前記時間的に変化する磁場によって変調される、工程と、
    d)前記信号に離散フーリエ変換を実行することによって、前記合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)を決定する工程であって、前記少なくとも1つの周波数成分は少なくとも成分f B1 ±f B0 を含み、電力信号および/または電圧信号は前記合成磁化度を表す、工程と、
    e)前記合成磁化度の前記少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)の電力および/または電圧を計算し、前記電力および/または電圧から前記容積内に閉じ込められた前記磁性粒子の量を決定する工程と、を含む、方法。
  2. 前記合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分fB1±nfB0、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)を決定する工程は、前記合成磁化度の周波数スペクトルを決定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つの周波数成分(fB1±nfB0、n=1、3、5、...、すなわち、nは奇数値に等しい)を決定する工程は、前記第2の周波数から前記第1の周波数を差し引いた(fB1−fB0)周波数に等しい周波数での、もしくは前記第2の周波数に前記第1の周波数を加えた(fB1+fB0)周波数に等しい周波数での少なくとも1つの周波数成分を決定する工程を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記電力および/または電圧から、前記容積内に閉じ込められた前記磁性粒子の量を決定する工程は、前記少なくとも1つのスペクトル成分の前記電力および/または電圧と前記磁性粒子の質量との間の線形関係に基づいて量を決定する工程を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記電力および/または電圧から、前記容積内に閉じ込められた前記磁性粒子の量を決定する工程は、前記電力および/または電圧を既知の量の前記磁性粒子に対して決定された基準電力および/または電圧と比較する工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記時間的に変化する第1の磁場は、周期的に時間的変化する磁場である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記時間的に変化する第1の磁場は、正弦波形を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ある容積内に閉じ込められた磁性粒子の量を決定するシステムであって、
    a)前記磁性粒子を磁化するために第1の磁場(B)を発生させてそれを前記容積に印加するための、第1の信号源および第1の磁場発生素子であって、前記第1の磁場(B)は、第1の大きさおよび第1の周波数(fB0)を有する時間的に変化する磁場である、第1の信号源および第1の磁場発生素子と、
    b)前記容積に、前記第1の磁場(B)と平行ではない第2の磁場(B)を同時に印加するように配置され、前記磁化された粒子の歳差運動を引き起こすための、前記磁性粒子のラーモア周波数(f)に等しいかまたはそれに近い第2の周波数(fB1)を有する第2の信号源および第2の磁場発生素子と、
    c)合成磁化度を測定するための磁化検出素子であって、前記合成磁化度(M)は、前記時間的に変化する磁場によって変調される、磁化検出素子と、
    d)前記合成磁化度のうちの少なくとも1つの周波数成分 B1 ±nf B0 、n=1、3、5、...(すなわち、nは奇数値に等しい)を決定するようにプログラムされているプロセッサであって、ここで、前記少なくとも1つの周波数成分は少なくとも成分f B1 ±f B0 を含むものであり、
    さらに、前記合成磁化度のうちの前記少なくとも1つの周波数成分の電力および/または電圧を計算し前記電力および/または電圧から前記容積内に閉じ込められた前記磁性粒子の量を決定するようにプログラムされている、プロセッサと、を備える、システム。
  9. 前記プロセッサは、少なくとも前記第2の周波数から前記第1の周波数を差し引いた(fB1−fB0)周波数に等しい周波数での、もしくは前記第2の周波数に前記第1の周波数を加えた(fB1+fB0)周波数に等しい周波数での前記少なくとも1つの周波数成分を決定するためにさらにプログラムされている、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記システムは、既知の量の前記磁性粒子に対して決定された基準電力および/または電圧を記憶するためのメモリと、前記決定された電力または電圧を、前記容積内に閉じ込められた前記磁性粒子の量を決定するために、前記基準電力および/または電圧と比較するためにプログラムされている前記プロセッサと、をさらに備える、請求項8または9に記載のシステム。
  11. 前記第1の信号源は、ほぼ数Hz〜100kHzの範囲の周波数で周期的に変化する第1の磁場を発生するように適合されている、請求項8〜10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 前記プロセッサは、前記合成磁化度の周波数スペクトルを計算する手段を含む、請求項8〜11のいずれか1項に記載のシステム。
  13. 周波数スペクトルを計算するための前記手段は、(離散)フーリエ変換を実行するための手段を含む、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記プロセッサは、前記合成磁化度の前記周波数スペクトルにおける少なくとも1つの周波数成分の電力および/または電圧を決定するための信号アナライザを備える、請求項12または13に記載のシステム。
  15. 物体を画像化する方法であって、前記方法は、前記物体内の複数の位置で請求項1〜7のいずれか1項に記載の所定の容積内の磁性粒子の量を決定する方法を適用する工程を含み、前記決定は前記磁性粒子を含む希釈物を物体に投与した後に適用される、方法。
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