JP6753384B2 - 製品洗浄方法 - Google Patents

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本発明は、超純水の金属汚染性を低減するための金属汚染防止剤及び金属汚染防止膜に係り、特に超純水により製品を洗浄する際に、超純水中の微量金属が製品に付着することによる製品の金属汚染を簡便に防止することができる金属汚染防止剤及び金属汚染防止膜と、この金属汚染防止剤を用いた金属汚染防止方法及び製品洗浄方法に関する。
半導体製造の基板となるウェハの洗浄においては、種々の薬品洗浄後に、超純水によるリンス洗浄が行われる。このリンス洗浄には、水中の不純物を高度に除去した高純度の超純水が使用されている。
しかし、ウェハ洗浄用の超純水であっても、なお更に微量金属が含まれており、超純水中の微量金属が洗浄中にウェハに付着することによるウェハの金属汚染が問題となっている。
従来、製品洗浄工程での金属汚染をより低く抑えるために、超純水の製造に当たり、デミナーの精製処理、低溶出配管部材や荷電UF膜の適用、特殊配管洗浄など、またはそれらの組合せによる超純水の高純度化が進められている。しかし、いずれも超純水製造設備のコストアップにつながるとともに、既設設備への適用に際しては改造工事による停止期間が長期化するなどの不具合が生じる。
特許文献1,2には、超純水中のポリスチレンスルホン酸やポリスチレン系4級アンモニウム塩等が、ウェハ汚染の要因となり、超純水中のこれらの含有量を低減する必要があることが記載されている。
特許文献3には、有機酸(A)の第4級アンモニウム塩(B)を含有してなるエレクトロニクス材料用洗浄剤が記載されており、ウェハ表面にアルカリ金属による影響を残さず、パーティクル除去が可能となる旨が記載されている。特許文献3では、具体的には、洗浄時に洗浄対象から洗浄除去したパーティクルが洗浄面に再付着することを防止することで高度な洗浄を可能としている。しかし、超純水中の微量金属による汚染性の低減については何ら記載されていない。
特許文献4には、界面活性剤としてポリスチレンスルホン酸塩を含んだパーティクル除去用の洗浄剤が開示されているが、同様に超純水中の微量金属による汚染性の低減については記載がない。
特開2003−334550号公報 特開2004−283747号公報 特開2007−335856号公報 特開2014−141668号公報
本発明は、超純水、特に製品洗浄用の超純水中の微量金属の付着性を低減し、洗浄対象の金属汚染を抑制することができる金属汚染防止剤と、この金属汚染防止剤を用いた金属汚染防止膜、金属汚染防止方法、及び製品洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、超純水にイオン交換基を有するポリマーを添加することにより、上記課題を解決することができることが分かり、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 超純水中の微量金属による汚染性を低減するために、該超純水に添加する金属汚染防止剤であって、イオン交換基を有するポリマーを含有することを特徴とする金属汚染防止剤。
[2] [1]において、前記ポリマーがスルホン酸基又は4級アンモニウム基を有するポリマーであることを特徴とする金属汚染防止剤。
[3] [1]又は[2]において、前記ポリマーの分子量が10万以上であることを特徴とする金属汚染防止剤。
[4] [2]又は[3]において、前記ポリマーがポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする金属汚染防止剤。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記微量金属が2価以上の金属であることを特徴とする金属汚染防止剤。
[6] [1]ないし[5]のいずれかにおいて、分離膜の上流側で添加されることを特徴とする金属汚染防止剤。
[7] 超純水中の微量金属による、該水に接触する製品の金属汚染を防止する方法であって、該超純水に、[1]ないし[6]のいずれかに記載の金属汚染防止剤を添加することを特徴とする金属汚染防止方法。
[8] [7]において、前記超純水に前記金属汚染防止剤を添加した後、分離膜モジュールに通水し、膜透過水を前記製品に接触させることを特徴とする金属汚染防止方法。
[9] [1]ないし[6]のいずれかに記載の金属汚染防止剤を添加した超純水で製品を洗浄することを特徴とする製品洗浄方法。
[10] [9]において、前記超純水に前記金属汚染防止剤を添加した後、分離膜モジュールに通水し、得られた膜透過水で前記製品を洗浄することを特徴とする製品洗浄方法。
[11] [1]ないし[6]のいずれかに記載の金属汚染防止剤を付着又は固定したことを特徴とする金属汚染防止膜。
本発明の金属汚染防止剤を超純水に添加することにより、超純水中の微量金属を、イオン交換基を有するポリマーがイオン交換反応で吸着して製品への付着を抑制することができる。即ち、本発明の金属汚染防止剤を超純水に添加するのみで、超純水の金属汚染性を低減することができる。
従って、このような本発明の金属汚染防止剤を用いる本発明の金属汚染防止膜、金属汚染防止方法によれば、超純水中の微量金属による製品の金属汚染を効果的に防止することができ、また、本発明の製品洗浄方法によれば、超純水による製品の洗浄に際して、製品の金属汚染を防止して効率的な洗浄を行える。
実験Iで用いた洗浄実験装置を示す系統図である。 実験Iの実施例I−1、I−2及び比較例I−1〜I−5の結果を示すグラフである。 実験II,IIIで用いたUF膜実験装置を示す系統図である。 実験IIの比較例II−1の結果を示すグラフである。 実験IIの実施例II−1の結果を示すグラフである。 実験IIIの実施例III−1の結果を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の金属汚染防止剤が添加される超純水とは、半導体、電子部品、精密機器、医療分野等において利用される高純度の水であり、通常、材料、部品、器具等(本発明において、これらをまとめて「製品」と称す場合がある。)を洗浄するために使用される。
本発明において、低減対象とする超純水中の微量金属とは、超純水の製造工程で除去し得ずにごく微量超純水中に残留して含有される微量金属である。
超純水中の微量金属は、Na、K、Li、Ag等の1価の金属、Mg、Al、Ca、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Sr、Cd、Ba、Pb等の2価以上の多価金属であり、これらは、金属イオンとして超純水中に存在している。通常、各種の製品の洗浄に使用される超純水中の微量金属量は、各金属の濃度として1ng/L以下、例えば0.01〜0.5ng/L程度であり、これらの合計濃度として5ng/L以下、例えば0.01〜1ng/L程度である。
本発明においては、これらの微量金属をイオン交換基を有するポリマーとのイオン交換反応でイオン交換基を有するポリマーに吸着させて製品への付着を防止する。このイオン交換反応性の観点から、本発明の金属汚染防止剤は特に多価金属イオンに対して有効である。
本発明において用いるイオン交換基を有するポリマーのイオン交換基としては、金属イオンとイオン交換反応で金属イオンを吸着し得るものであればよく、カルボキシル基、スルホン酸基、4級アンモニウム基、3級アミノ基などが挙げられる。
これらのうち、イオン交換反応性の面から、スルホン酸基又は4級アンモニウム基が好ましい。金属陽イオンを吸着する能力はスルホン酸基が優れている。
イオン交換基を有するポリマーは、これらのイオン交換基の1種のみを有するものであってもよく、2種以上を有するものであってもよい。
イオン交換基を有するポリマーとしては、具体的には、ポリスチレンスルホン酸(PSA)等のスルホン酸基を有するポリマーや、ポリトリメチルベンジルアンモニウム塩、ポリトリメチルスチリルアルキルアンモニウム塩などのポリスチレン系4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム基を有するポリマー等が挙げられる。本発明の金属汚染防止剤は、これらのイオン交換基を有するポリマーの1種のみを含有するものでもよく、2種以上を含有するものであってもよい。
イオン交換基を有するポリマーの分子量(本発明において、分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量である。)は、1万以上であることが好ましい。分子量1万以上のポリマーであれば、イオン交換反応による金属吸着で、汚染防止効果が認められるが、特に低濃度域では、分子量の大きいポリマーの方が上記効果に優れるため、イオン交換基を有するポリマーの分子量は10万以上であることが好ましい。イオン交換基を有するポリマーの分子量は、後述の分離膜による除去効果の面でも、10万以上であることが好ましい。
超純水への本発明の金属汚染防止剤の添加量は、超純水中の微量金属量に応じて適宜決定され、イオン交換基を有するポリマーと超純水中の金属とのイオン交換反応当量比以上となるように添加することが好ましい。また、添加量が多すぎると金属汚染防止剤の処理水側へのリークや滞留に起因する差圧上昇が生じ、また、金属汚染防止剤自体のコストがかかるため、イオン交換反応当量比の1〜20倍、特に1.1〜5倍程度となるように添加することが好ましい。
イオン交換基を有するポリマーとしての添加量が少な過ぎると、イオン交換基を有するポリマーによる汚染防止効果を有効に得ることができず、多過ぎると、それ自体が汚染要因となるおそれがあり、また、後述の分離膜への通水を行う場合には、分離膜が早期に閉塞し易くなり好ましくない。
本発明においては、金属汚染防止剤を添加した超純水を分離膜モジュールに通水し、水中の金属を吸着して捕捉したイオン交換基を有するポリマーを除去した後、製品の洗浄等に用いてもよい。このように金属を吸着して捕捉したイオン交換基を有するポリマーを膜分離除去することにより、超純水の金属汚染性をより一層低減することができる。
この場合、水中の金属イオンは一部の形態を除いて陽イオンとして存在するため、イオン交換基を有するポリマーとしてはカチオン交換基を有するポリマーを用い、金属陽イオンをカチオン交換基を有するポリマーに吸着させて分離膜で除去することが好ましい。カチオン交換基を有するポリマーとしては、カチオン交換能の強いスルホン酸基を有するポリマー、特にポリスチレンスルホン酸が好適である。
分離膜としては、精密濾過(MF)膜、限外濾過(UF)膜、ナノ濾過(NF)膜、逆浸透(RO)膜等を用いることができるが、金属イオンを吸着した分子量1万〜数百万程度のポリマーを効率的に除去できる点から、UF膜を用いることが好ましい。また、金属イオン吸着ポリマーの除去効率の面から、用いるUF膜の分画分子量は1000〜10万、特に1000〜1万程度であることが好ましい。
分離膜としては、様々な形状のものを用いることができるが、添加した金属汚染防止剤が濃縮水側に速やかに排出され、金属汚染防止剤が残留しないタイプの中空糸膜モジュールを用いることが好ましい。
本発明の金属汚染防止剤を添加した超純水を分離膜モジュールに通水すると、金属汚染防止剤中のイオン交換基を有するポリマーの一部は濃縮水中に含まれて系外へ排出されるが、残部は分離膜モジュール内の一次側(給水側)に残留し、すべてのイオン交換基が金属イオンと結合するまで金属の捕捉効果を保持するため、超純水への金属汚染防止剤の添加は、連続注入、間欠注入のいずれでもよい。
添加した金属汚染防止剤中のイオン交換基を有するポリマーのすべてのイオン交換基が金属と結合してしまうと、超純水中の金属を捕捉除去し得なくなる。間欠注入の間に、金属の除去効果が低下した場合は、金属汚染防止剤の追加注入を行えばよいが、以下の通り、酸の添加により除去効果を回復させることもできる。即ち、酸を添加した超純水を分離膜モジュールに通水すると、分離膜の一次側に残留した、金属を吸着したイオン交換基を有するポリマーから金属イオンが脱着、放出され、イオン交換基を有するポリマーが再生される。再生処理により脱着、放出された金属イオンを膜濃縮水に含めて系外へ排出するようにすると、膜の透過水側の金属汚染を防止できるので望ましい。新たに分離膜の一次側に流入した金属イオンが、再生されたイオン交換基を有するポリマーに吸着されて除去される。なお、連続注入を適用する場合は、添加した金属汚染防止剤や再生した金属イオンがモジュール内に滞留せず、濃縮水側に速やかに排出される点から内圧型の中空糸膜モジュールを用いることが好ましい。
この場合、酸としては、塩酸、硝酸、その他の無機強酸を用いることができる。酸の添加量は、1mg/L〜100mg/L程度とすることが好ましい。
本発明の金属汚染防止剤は、イオン交換基を有するポリマー以外の他の成分を含有していてもよいが、製品の汚染防止の観点から、本発明の金属汚染防止剤は、イオン交換基を有するポリマーのみを含むものであることが好ましい。
分離膜モジュールの前段で本発明の金属汚染防止剤を超純水に添加してもよいし、予め分離膜に金属汚染防止剤を付着又は固定化させておき、この分離膜(金属汚染防止膜)を有するモジュールに超純水を通水してもよい。特に、分離膜の一次側表面に金属汚染防止剤を付着又は固定化させることが好ましい。分離膜に付着又は固定化させた金属汚染防止剤の金属除去効果が低下した場合は、酸を添加した超純水を通水することで、金属除去効果を回復させることができる。
本発明の金属汚染防止剤は、超純水製造装置のサブシステムにて用いることができる。例えば、サブシステムが非再生型混床式イオン交換樹脂装置、ポンプ、UF膜装置を備えている場合、ポンプの後段かつUF膜装置の前段において金属汚染防止剤を添加することが好ましい。この場合、ポンプから発生する金属による水質負荷を金属汚染防止剤による低減することが可能となる。UF膜装置の後段において金属汚染防止剤を添加してもよい。ファイナルフィルタであるUF膜装置に代えて、金属汚染防止剤を付着又は固定化させた金属汚染防止膜を有するモジュールを設けてもよい。サブシステムの構成はこれに限定されず、各種イオン交換樹脂装置、UV酸化装置、脱気装置等を備えていてもよいし、いずれかのユニットを省略してもよい。
イオン交換反応率を向上させるために、バッファ槽等を設けて反応時間を確保してもよいし、ラインミキサー等の攪拌手段を設けてもよい。これらの手段は、金属汚染防止剤の添加箇所より後段の任意の箇所に設けることができる。反応時間の下限は1秒より長いほうが望ましい。
以下に、本発明の金属汚染防止剤を用いて製品を洗浄する本発明の製品洗浄方法について説明する。
本発明の製品洗浄方法では、本発明の金属汚染防止剤を前述の好適添加量で添加した超純水を用いて製品を洗浄する。前述の通り、本発明の金属汚染防止剤を添加した後分離膜モジュールに通水して得られた膜透過水で製品を洗浄してもよい。
洗浄方法には特に制限はなく、浸漬洗浄やスプレー洗浄等を採用することができる。
本発明の金属汚染防止剤は、特に、ウェハ等の電子部品の薬品洗浄後のリンス洗浄に好適であり、金属が高度に除去された高純度超純水でなくても、単に本発明の金属汚染防止剤の所定量を添加するのみで、或いは添加後分離膜モジュールに通水するのみで、もしくは金属汚染防止剤を付着又は固定化した分離膜モジュール(金属汚染防止膜モジュール)に通水するのみで、超純水中の微量金属が製品に付着することによる金属汚染を防止して、高清浄の製品を得ることができ、超純水の高純度化のためのコストアップの問題を解決することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実験I:ウェハへの金属付着抑制効果]
<実験条件>
図1に示す洗浄実験装置により、超純水に金属を10ng/L(混合標準液、各濃度)、および薬剤を30μg/Lとなるように添加した後(ただし、比較例I−1では薬剤添加せず)、ラインミキサー1で混合したものを洗浄水として洗浄バス2に供給し、洗浄バス2中のウェハ3を洗浄する実験を行った。
洗浄後のウェハを水中から引き上げて静置乾燥した。乾燥後のウェハについて、表面の付着金属量を、気相分解誘導結合プラズマ質量分析(VPD−ICP−MS)法で測定した。
金属としては、Na、Al、Ca、Cr、Fe、Ni、Cu、Zuを添加し、薬剤としては各々以下のものを用いた。
実施例I−1:ポリスチレンスルホン酸(PSA)
実施例I−2:ポリスチレン4級アンモニウム塩(PSQ)
比較例I−1:薬剤無添加
比較例I−2:クラウンエーテル(18−クラウン−6)
比較例I−3:エチレンジアミン四酢酸(EDTA)
比較例I−4:エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)
比較例I−5:グルコン酸
<結果・考察>
実施例I−1,2及び比較例I−1〜5のウェハ上の金属付着量を図2に示す。
図2より明らかなように、PSAは多価金属全般に対し付着抑制効果を示したのに対し、その他の薬剤では金属種により選択性があり、PSAが最も汎用的に付着を抑制することが確認された。PSAに次いでは、PSQの適用範囲が広く、EDTA、EDTMPなどのキレート剤やその他の薬剤では一部の金属にしか抑制効果が得られなかった。
なお、実施例I−1におけるPSAの添加量はイオン交換反応当量比の約10倍であり、実施例I−2におけるPSQの添加量はイオン交換反応当量比の約10倍である。
[実験II:UF膜での金属低減効果]
<実験条件>
図3に示すUF膜実験装置により、超純水に金属を100ng/L(混合標準液、各濃度)、およびPSA(分子量100万)を30μg/L(イオン交換反応当量比の約10倍)となるように添加した水(ただし、比較例II−1ではPSA添加せず)を給水としてUF膜モジュール(分画分子量:PEG換算12000)4に通水し、給水、処理水(膜透過水)、ブライン(濃縮水)中の金属濃度を誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法で測定した。
金属としては、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Mu、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Ag、Cd、Ba、Pbを用いた。
<結果・考察>
給水、処理水、ブライン中の金属濃度を図4、図5に示す。
図4より明らかなように、PSAを添加しない場合は、いずれの金属も給水、処理水、ブラインでの濃度変動はない。図5より明らかなように、PSAを添加すると、2価以上の多価金属は、給水に対し、処理水では95%程度減少している。別途試験でUF膜でのPSA除去率が94%であったことから、水中の金属を捕捉したPSAがUF膜で阻止されることで、処理水中の金属濃度が低減しているものと推定される。
[実験III:UF膜に残存するPSAの再生効果]
<実験条件>
実施例II−1で使用したUFモジュールを超純水で7日間通水洗浄した後、金属とPSAを高濃度で負荷してから、再度UF膜に超純水、硝酸(通水量に対して0.001%)を通水して洗浄した。負荷前、および各洗浄工程後に、各金属を約10ng/Lとなるように添加した水を通水し、処理水の金属濃度をICP−MS法で分析し、金属の透過率を求めた(実施例III−1)。
<結果・考察>
各工程後のUF膜での金属透過率を図5に示す。
図6より明らかなように、PSA負荷前の多価金属の透過率は5〜10%であり、実施例II−1の実験で負荷したPSAが残存して金属を除去できていることが示唆される。負荷後は80〜100%の透過率でほぼ金属がUF膜を透過していたが、硝酸洗浄を繰返すごとに透過率が下がる傾向が確認された。このことから、UF膜の一次側にはPSAが残存しており、金属負荷を続けると金属除去効果が落ちるが、酸で洗浄することで金属除去効果が回復するという再生効果が確認された。
実施例II−1、III−1の結果より、UF膜の一次側にカチオン交換基を有するポリマーを連続または間欠注入することで、処理水中の金属濃度を低減できることが明らかとなった。また、UF膜の一次側に残存したポリマーのカチオン交換基は酸洗浄により再生することが可能であり、オンサイトで再生可能なポリッシャーとして適用できることが示唆された。
1 ラインミキサー
2 洗浄バス
3 ウェハ
4 UF膜モジュール

Claims (2)

  1. 超純水中の微量金属による汚染性を低減するための金属汚染防止剤を添加した超純水(pH5以下のものを除く)で製品を洗浄する製品洗浄方法であって、
    該金属汚染防止剤が、イオン交換基を有するポリマーを含有し、該ポリマーが、重量平均分子量が10万以上のポリスチレンスルホン酸であり、
    該金属汚染防止剤を添加した超純水を膜処理することなく、該製品の洗浄に用いることを特徴とする製品洗浄方法。
  2. 請求項1に記載の製品洗浄方法において、前記超純水への金属汚染防止剤の添加量が、前記イオン交換基を有するポリマーと超純水中の微量金属量とのイオン交換反応当量の1〜20倍であることを特徴とする製品洗浄方法。
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