次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を貼付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。また、以下に示す第1及び第2の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装置は、自車両に搭載可能であり、図1に示すように、制御装置1と、周囲状況検出手段2と、視点位置検出手段3と、画像表示手段4とを備える。周囲状況検出手段2は、自車両の周囲状況を検出するように、自車両の前方の状況を検出する前方検出手段2a、自車両の左側方の状況を検出する左側方検出手段2b、自車両の右側方の状況を検出する右側方検出手段2c、及び自車両の後方の状況を検出する後方検出手段2dを備える。
前方検出手段2a、左側方検出手段2b、右側方検出手段2c及び後方検出手段2dとしては、例えばレーザレーダ、ミリ波レーダ又はカメラを用いたセンサが使用可能であるが、ここではカメラを用いたセンサである場合を説明する。図2に示すように、前方検出手段2aは、自車両100の前部に、自車両100の前方を撮像するように設置されている。左側方検出手段2bは、自車両100の左側面に、自車両100の左側方を撮像するように設置されている。右側方検出手段2cは、自車両100の右側面に、自車両100の右側方を撮像するように設置されている。後方検出手段2dは、自車両100の後部に、自車両100の後方を撮像するように設置されている。なお、前方検出手段2a、左側方検出手段2b、右側方検出手段2c及び後方検出手段2dの個数や配置位置、撮像方向はこれに限定されない。
前方検出手段2a、左側方検出手段2b、右側方検出手段2c及び後方検出手段2dは、他車両、電柱、壁等の障害物を検出し、自車両と障害物との相対位置、距離及び相対速度等を制御装置1に出力してもよい。前方検出手段2a、左側方検出手段2b、右側方検出手段2c及び後方検出手段2dは更に、白線等の車線境界線を検出することにより、車線境界線により区切られた自車両の走行車線及び隣接車線を検出し、検出した走行車線及び隣接車線の相対位置及び距離等を制御装置1に出力してもよい。
図1に示した視点位置検出手段3は、運転席に着座した乗員の視点位置を検出する。視点位置検出手段3は、例えば車室内に設置されたカメラが使用可能であり、或いは着座シートの位置及び姿勢を検出するセンサであってもよい。なお、視点位置検出手段3により乗員の視点位置を逐次検出する代わりに、制御装置1の記憶装置等に乗員の視点位置を予め記憶していてもよい。
画像表示手段4としては、液晶ディスプレイ等が使用可能である。画像表示手段4は、進行方向画像表示部(前方画像表示部)4a及び俯瞰画像表示部4bを備える。前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bは、図3に示すように、車室内の運転席正面のインストルメンタルパネル等の、乗員から視認しやすい位置に設置される。前方画像表示部4aの下端と俯瞰画像表示部4bの上端とは近接して設置されている。前方画像表示部4aの下端及び俯瞰画像表示部4bの上端は互いに接していてもよく、互いに離間していてもよい。
図4(a)に、前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bを模式的に抜き出して示す。図4(a)に示すX方向は車幅方向(水平方向)であり、Y方向は自車両の前後方向(水平方向)であり、Z方向は鉛直方向である。前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bは矩形であり、前方画像表示部4aの幅W1は、俯瞰画像表示部4bの幅W2よりも長く設定されている。前方画像表示部4aの幅W1及び俯瞰画像表示部4bの幅W2は特に限定されず、適宜設定可能である。例えば、前方画像表示部4aの幅W1が俯瞰画像表示部4bの幅W2よりも短くてもよく、前方画像表示部4aの幅W1が俯瞰画像表示部4bの幅W2と同一でもよい。
前方画像表示部4aの幅方向(X方向)の垂直二等分線Laの位置と、俯瞰画像表示部4bの幅方向(X方向)の垂直二等分線Lbの位置は一致している。前方画像表示部4aの表示面と俯瞰画像表示部4bの表示面は、所定の角度α0をなすように互いに傾斜している。所定の角度α0は0°より大きく且つ180°未満であり、適宜設定可能である。
図4(b)に示すように、前方画像表示部4aの表示面は、自車両の前後方向(Y方向)に対して所定の角度(仰角)α1で傾く。所定の角度α1は例えば90°近傍(換言すれば、前方画像表示部4aの表示面が鉛直方向に略平行)であり、適宜設定可能である。俯瞰画像表示部4bの表示面は、自車両の前後方向(Y方向)に平行か、又は自車両の前後方向(Y方向)に対して所定の角度(仰角)α2で傾くように設置されている。前方画像表示部4aの表示面がなす所定の角度α1は、俯瞰画像表示部4bの表示面がなす所定の角度α2よりも大きい。
前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bの位置及び角度は固定されていてもよいが、前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bの位置及び角度を調整可能な調整機構が設けられていてもよい。例えば、視点位置検出手段3により検出された乗員の視点位置や、乗員からのタッチパネルやスイッチを介した指示情報に基づいて、調整機構が前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bの位置及び角度を乗員が視認し易いように調整してもよい。
図1に示した制御装置1は、例えば中央処理装置(CPU)及び記憶装置等を含む電子制御ユニット(ECU)で構成できる。記憶装置としてはROM及びRAM等が使用できる。制御装置1は、俯瞰角度決定部10、進行方向画像生成部(前方画像生成部)11及び俯瞰画像生成部12を備える。尚、俯瞰角度決定部10、進行方向画像生成部(前方画像生成部)11及び俯瞰画像生成部12は、制御装置1に機能的に備わるものでもよく、別筐体としてそれぞれ備わるものでもよい。
俯瞰角度決定部10は、視点位置検出手段3により検出された乗員の視点位置等に基づいて、前方画像生成部11により生成される進行方向画像(前方画像)の俯瞰角度と、俯瞰画像生成部12により生成される俯瞰画像の俯瞰角度を決定する。図5に示すように、前方画像生成部11により生成される前方画像の俯瞰角度θ1は、前方画像の視点位置P1にある仮想カメラ21の光軸A1の、自車両100の前後方向に対する傾きとして規定される。俯瞰画像生成部12により生成される俯瞰画像の俯瞰角度θ2は、俯瞰画像の視点位置P2にある仮想カメラ22の光軸A2の、自車両100の前後方向に対する傾きとして規定される。前方画像の俯瞰角度θ1は、俯瞰画像の俯瞰角度θ2よりも小さい。
即ち、仮想カメラ21の撮像範囲R1が主に自車両100の前方であるので、前方画像生成部11により生成される前方画像は、自車両100の前方の状況を遠方まで示す画像となる。乗員は、前方画像を確認することにより、自車両100の前方の状況を遠方まで詳細に把握することができる。一方、仮想カメラ22の撮像範囲R2が主に自車両100の側方及び後方であるので、俯瞰画像生成部12により生成される俯瞰画像は、自車両100を上方から見下ろすように俯瞰して自車両100の側方及び後方を含む周囲状況を示す画像となる。乗員は、俯瞰画像を確認することにより、自車両100の側方及び後方を含む周囲における他車両等の障害物との相対位置及び距離等を正確に把握することができる。
俯瞰角度決定部10は、例えば、乗員が前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bの表示面を見るときの視線方向と、仮想カメラ21、22の光軸A1,A2とが近づくように前方画像の俯瞰角度θ1及び俯瞰画像の俯瞰角度θ2を決定する。なお、仮想カメラ21,22の位置や、前方画像の俯瞰角度θ1及び俯瞰画像の俯瞰角度θ2は、適宜設定可能であり、制御装置1の記憶装置等に予め記憶しておいてもよい。
前方画像生成部11は、前方検出手段2aによる撮像画像に基づいて、俯瞰角度決定部10により決定された俯瞰角度θ1の前方画像を生成する。例えば、図6に示すように、白線等の車線境界線L11〜L14で区切られた3本の車線L1〜L3が並行し、中央の車線L2を自車両100が走行している状況を想定する。中央の車線L2において、自車両100の前方に他車両101,102が走行している。右側の車線L3において、自車両100の右前方に他車両103が走行し、自車両100の右後方に他車両104が走行している。左側の車線L1には他車両は走行していない。
図6に示した状況において、前方画像生成部11は、前方検出手段2aによる撮像画像を用いて、図7(a)に示すように前方画像Iaを生成する。前方画像Iaには、車線境界線L11〜L14で区切られた車線L1〜L3と、他車両101〜103が表示され、前方の状況が遠方まで詳細に表示されている。前方画像Iaの下部には自車両100の位置に対応する位置がくる。前方画像生成部11は更に、前方画像Iaの下部の車線L2内の自車両100の位置に略対応する位置に、自車両100の一部(前部)を模擬したマークM1を表示する。
なお、前方画像生成部11は、前方検出手段2aの撮像方向が俯瞰角度θ1に対応している場合には、撮像画像をそのまま前方画像Iaとして用いてもよい。一方、前方検出手段2aの撮像画像を、俯瞰角度θ1に対応するように座標変換することにより前方画像Iaを生成してもよい。また、前方画像Iaは、前方検出手段2aによる撮像画像を用いる代わりに、前方検出手段2a等により検出される他車両101〜103や車線L1〜L3の相対位置、距離及び相対速度等に基づいて、図7(a)に示すような車線L1〜L3及び他車両101〜103を表示するコンピュータ・グラフィックス(CG)画像を生成してもよい。
ここで、例えば図7(a)に示した前方画像Iaを、マークM1の位置を中心として少なくとも横方向に拡大すると、図7(b)に示すように、前方画像Iaの中の車線L1〜L3の幅W11〜W13が広がり、車線境界線L11〜L14の下端の位置P11〜P14が幅方向の中心から離れるように移動する。これとは反対に、図7(a)に示した前方画像Iaを、マークM1の位置を中心として少なくとも横方向に縮小すると、図示を省略するが、前方画像Iaの中の車線L1〜L3の幅W11〜W13が狭まり、車線境界線L11〜L14の下端の位置P11〜P14が幅方向の中心に近づくように移動する。
また、例えば図7(a)に示した前方画像Iaの俯瞰角度θ1を小さくするか、又は前方画像Iaの縦方向を圧縮すると、図7(c)に示すように、前方画像Iaの中の車線境界線L11〜L14の傾きθ11〜θ14が前方画像Iaの上下方向に対して大きくなる。これとは反対に、図7(a)に示した前方画像Iaの俯瞰角度θ1を大きくするか、又は前方画像Iaの横方向を圧縮すると、図示を省略するが、前方画像Iaの中の車線境界線L11〜L14の傾きθ11〜θ14が前方画像Iaの上下方向に対して小さくなる。
図1に示した俯瞰画像生成部12は、左側方検出手段2b、右側方検出手段2c及び後方検出手段2dによる左側方、右側方及び後方の撮像画像を座標変換して合成することにより俯瞰画像を生成する。俯瞰画像生成部12は、図6に示した状況における撮像画像を用いて、例えば図8(a)に示すような俯瞰画像Ibを生成する。俯瞰画像Ibの上部に、自車両100の位置に対応した位置がきて、俯瞰画像Ibには自車両100の側方及び後方の状況が写り込んでいる。俯瞰画像Ibには、車線境界線L11〜L14で区切られた車線L1〜L3と、右側車線L3において自車両100の右後方を走行する他車両104が表示されている。
俯瞰画像生成部12は更に、俯瞰画像Ibの上端の車線L2内の自車両100の位置に略対応する位置に、自車両100の他の一部(後部)を模擬したマークM2を表示する。このマークM2と、図7(a)に示した前方画像Ia中のマークM1とにより自車両100の全体を模擬している。マークM1,M2の形状やサイズは特に限定されず、例えば単なる矩形であってもよい。
俯瞰画像生成部12は、左側方検出手段2b、右側方検出手段2c及び後方検出手段2dによる撮像画像を合成して俯瞰画像Ibを生成する代わりに、左側方検出手段2b、右側方検出手段2c及び後方検出手段2d等により検出される他車両104や車線L1〜L3の相対位置、距離及び相対速度等に基づいて、図8(a)に示すような車線L1〜L3及び他車両104を表示するCG画像を俯瞰画像Ibとして生成してもよい。
ここで、例えば図8(a)に示した俯瞰画像Ibを、マークM2の位置を中心として少なくとも横方向に拡大すると、図8(b)に示すように、俯瞰画像Ibの中の車線L1〜L3の幅W21〜W23が広がり、車線境界線L11〜L14の上端の位置P21〜P24が幅方向の中心から離れる方向に移動する。これとは反対に、図8(a)に示した俯瞰画像Ibを、マークM2の位置を中心として少なくとも横方向にすると、図示を省略するが、俯瞰画像Ibの中の車線L1〜L3の幅W21〜W23が狭まり、車線境界線L11〜L14の上端の位置P21〜P24が幅方向の中心に近づくように移動する。
また、図8(a)では俯瞰画像Ibに写り込む車線境界線L11〜L14は上下方向に略並行であるが、例えば俯瞰画像Ibの俯瞰角度θ2を小さくするか、又は俯瞰画像Ibを縦方向に圧縮すると、図8(c)に示すように、俯瞰画像Ibの中の車線境界線L11〜L14の傾きθ21〜θ24が俯瞰画像Ibの上下方向に対して大きくなる。これとは反対に、図8(a)に示した俯瞰画像Ibの俯瞰角度θ2を大きくするか、又は俯瞰画像Ibを横方向に圧縮すると、図示を省略するが、俯瞰画像Ibの中の車線境界線L11〜L14の傾きθ21〜θ24が俯瞰画像Ibの上下方向に対して小さくなる。
前方画像生成部11により生成された例えば図7(a)に示した前方画像Iaと、俯瞰画像生成部12により生成された例えば図8(a)に示した俯瞰画像Ibとは、図9に示すように、前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bにそれぞれ表示される。図9は、図4(b)に示す乗員の視点位置P0から見た前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bを模式的に示している。ここで、前方画像生成部11及び俯瞰画像生成部12は、乗員の視点位置P0から見たときに、前方画像Iaと俯瞰画像Ibの間であたかも連続して見えるように車線L1〜L3を生成している。車線L1〜L3を生成するときには、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整することにより車線L1〜L3に連続性を持たせることが可能である。
前方画像生成部11及び俯瞰画像生成部12は、例えば、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整することにより、前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bの境界位置において、前方画像Iaの中の車線L1〜L3の下端の位置P11〜P14と、俯瞰画像Ibの中の車線L1〜L3の上端の位置P21〜P24を一致させるように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中の車線L1〜L3を生成する。換言すれば、前方画像Iaの中の車線L1〜L3の下端の幅W11〜W13と、俯瞰画像Ibの中の車線L1〜L3の上端の幅W21〜W23を一致させるように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中の車線L1〜L3を生成する。なお、前方画像Iaの中の車線L1〜L3の下端の位置P11〜P14と、俯瞰画像Ibの中の車線L1〜L3の上端の位置P21〜P24とは厳密には一致しなくてもよく、互いに近づくように調整すればよい。また、車線L1〜L3毎に幅W11〜W13,W21〜W23が異なる場合には、例えば、自車両100が走行中の車線L1の位置P12,P13,P22,P23を優先的に一致するように調整してもよい。
例えば、前方画像Ia又は俯瞰画像Ibのサイズを少なくとも横方向に拡大又は縮小することにより、前方画像Iaの中の車線L1〜L3の下端の位置P11〜P14及び俯瞰画像Ibの中の車線L1〜L3の上端の位置P21〜P24をそれぞれ調整可能である。また、前方画像Iaの俯瞰角度θ1及び俯瞰画像Ibの俯瞰角度θ2を調整することにより、前方画像Iaの中の車線L1〜L3の下端の位置P11〜P14及び俯瞰画像Ibの中の車線L1〜L3の上端の位置P21〜P24を調整可能である。また、前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bの少なくとも一方の仰角を調整して、前方画像Iaと俯瞰画像Ibの間であたかも連続して見えるように車線L1〜L3を生成するようにしてもよい。さらに加えて、前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bの少なくとも一方の仰角を調整して、前方画像Iaの中の車線L1〜L3の下端の位置P11〜P14及び俯瞰画像Ibの中の車線L1〜L3の上端の位置P21〜P24を調整可能である。
また、前方画像生成部11及び俯瞰画像生成部12は、例えば図4(b)に示すように、前方画像Ia又は俯瞰画像Ibの位置座標を、視点位置P0から見たときの方向(破線の矢印で図示)に平行に仮想平面S1上に投影する。仮想平面S1は、車幅方向(X方向)に平行であり、且つ自車両の前後方向(Y方向)と所定の角度α3で傾いている。所定の角度α3は、例えば所定の角度α1以上且つ所定の角度α2以上であり、適宜設定可能であり、制御装置1の記憶装置等に予め記憶しておいてもよい。所定の角度α3=α1、即ち仮想平面S1が前方画像表示部4aの表示面と一致してもよく、所定の角度α3=α2、即ち仮想平面S1が俯瞰画像表示部4bの表示面と一致してもよい。仮想平面S1は、視点位置P1から前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bの中心を見たときの視線方向に垂直な面に設定することが好ましい。なお、図4(b)では、前方画像Ia又は俯瞰画像Ibの位置座標を視点位置P0から見たときの方向に平行に仮想平面S1上に投影する場合を説明したが、前方画像Ia又は俯瞰画像Ibの位置座標を仮想平面S1の法線方向に平行に仮想平面S1上に投影してもよい。
前方画像生成部11及び俯瞰画像生成部12は、図9に示すように、仮想平面S1上における前方画像Iaの車線境界線L11〜L14の上下方向に対する傾きθ11〜θ14と、俯瞰画像Ibの車線境界線L11〜L14の上下方向に対する傾きθ21〜θ24が一致するように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibを調整することにより、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中の車線L1〜L3を生成してもよい。例えば、前方画像Ia又は俯瞰画像Ibのサイズを横方向又は縦方向に圧縮してもよく、また、前方画像Iaの俯瞰角度θ1及び俯瞰画像Ibの俯瞰角度θ2を調整してもよい。なお、前方画像Iaの車線境界線L11〜L14の傾きθ11〜θ14と、俯瞰画像Ibの車線境界線L11〜L14の傾きθ21〜θ24とは厳密には一致しなくてもよく、互いに近づくように調整すればよい。更に、車線境界線L11〜L14毎に傾きθ11〜θ14,θ21〜θ24が異なる場合には、例えば車線境界線L11〜L14の傾きθ11〜θ14,θ21〜θ24のうち大きいものを優先的に一致させてもよい。
更に、図9では前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中の車線L1〜L3が直線である場合を示しているが、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中の車線L1〜L3がカーブ等の曲線であってもよい。その場合には、例えば、前方画像Iaの中の車線L1〜L3の下端における接線の傾きと、俯瞰画像Ibの中の車線L1〜L3の上端における接線の傾きが一致するように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整することにより、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中の車線L1〜L3を生成してもよい。
次に、図10のフローチャートを参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示方法の一例を説明する。なお、図10のフローチャートの一連の処理は、所定の制御周期で繰り返し実行可能である。
ステップS10において、視点位置検出手段3が視点位置P0を検出する。ステップS11において、俯瞰角度決定部10が、前方画像Iaの俯瞰角度θ1及び俯瞰画像Ibの俯瞰角度θ2を決定する。ステップS12において、前方検出手段2a、左側方検出手段2b、右側方検出手段2c及び後方検出手段2dが、自車両100の前方の状況、左側方の状況、右側方の状況及び後方状況を含む自車両100の周囲状況を検出する。
ステップS13において、前方画像生成部11が、前方検出手段2aにより検出された自車両100の前方の状況に基づいて前方画像Iaを生成する。ステップS14において、俯瞰画像生成部12が、左側方検出手段2b、右側方検出手段2c及び後方検出手段2dにより検出された左側方の状況、右側方の状況及び後方状況を含む周囲状況に基づいて俯瞰画像Ibを生成する。この際、前方画像生成部11及び俯瞰画像生成部12は、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中に車線L1〜L3を生成する。その車線L1〜L3は、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの間で連続するように生成される。
ステップS15において、前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bが、前方画像生成部11により生成された前方画像Ia及び俯瞰画像生成部12により生成された俯瞰画像Ibをそれぞれ表示する。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bに前方画像Ia及び俯瞰画像Ibを表示することにより、乗員に対して自車両100の進行方向の状況及び進行方向とは異なる方向の状況を含む周囲状況を一目で容易に把握させることができる。特に、前方画像Iaを表示することにより、自車両100の進行方向である前方の状況を遠方まで詳細に確認することができる。一方、俯瞰画像Ibを表示することにより、進行方向とは異なる側方及び後方の状況を含む周囲状況、例えば他車両の有無、他車両との相対位置、距離及び相対速度等を容易に把握できる。したがって、乗員は、車線変更の可否等を容易に判断可能となる。
更に、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの中に車線L1〜L3を生成し、車線L1〜L3を前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの間で連続するように生成している。また、車線L1〜L3は、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整することにより、前方画像Iaと俯瞰画像Ibの間で連続性を持たせることができ、前方の状況と前方以外の周囲状況との相関関係を容易に把握できる。更に、車線L1〜L3が連続しているため、前方画像Iaと俯瞰画像Ibの間で車線L1〜L3を走行する他車両が移動する状況が円滑に表示可能となる。
更に、自車両100の前後方向に対する前方画像表示部4aの表示面の角度α1が、自車両100の前後方向に対する俯瞰画像表示部4bの角度α2よりも大きいことにより、前方画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bに対する乗員の視線方向と、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの仮想カメラ21,22の光軸方向A1,A2とをそれぞれ近づけることができ、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibに写り込んだ状況を空間的に把握し易くなる。
更に、前方画像Iaの下部に自車両100の位置に対応する位置がくるように前方画像Iaを生成するとともに、俯瞰画像Ibの上部に自車両100の位置に対応するがくるように俯瞰画像Ibを生成することにより、前方画像Iaと俯瞰画像Ibの間で自車両100の位置に対応する位置が近づくので、視線の切り替えが円滑となる。更に、前方画像Iaの下端及び俯瞰画像Ibの上端に自車両100を模擬したマークM1,M2を表示することにより、前方画像Ia及び俯瞰画像Ib上における自車両100の位置や、他車両101〜104との相対位置関係も把握し易くなる。
更に、前方画像Ia及び俯瞰画像Ib中の対応する車線境界線L11〜L14の傾きθ11〜θ14,θ21〜θ24が互いに一致するように車線L1〜L3を生成するとともに、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの境界位置において、前方画像Ia及び俯瞰画像Ib中の車線境界線L11〜L14の幅方向の位置P11〜P14,P21〜P24が互いに一致するように車線L1〜L3を生成することにより、車線L1〜L3が直線的に連続して視認可能となる。
更に、乗員の視点位置P0を検出し、視点位置P0から見たときに前方画像Ia及び俯瞰画像Ib中で連続するように車線L1〜L3を生成することにより、乗員の視点位置P0に適した前方画像Ia及び俯瞰画像Ibを生成することになる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、自車両100が走行中の画像表示方法を説明したが、本発明の第2の実施の形態では、自車両100が駐車する際の画像表示方法を説明する。本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示装置は、図11に示すように、制御装置1が駐車判定部13を更に備える点が、図1に示した本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装置の構成と異なる。
駐車判定部13は、乗員のシフトレバー、スイッチ又はタッチパネルの操作等に基づいて、自車両100が駐車中であるか否かを判定し、更には自車両100が前方駐車中であるか、後方駐車中であるかを判定する。駐車判定部13により前方駐車中又は後方駐車中と判定された場合、前方画像生成部11及び俯瞰画像生成部12は、前方駐車中又は後方駐車中の場合にそれぞれ適した前方画像Ia及び俯瞰画像Ibを生成する。
進行方向画像生成部11は、前方駐車の際には、図12(a)に示すように、自車両100の駐車方向である前方の状況を示す進行方向画像(前方画像)Iaを生成する。俯瞰画像生成部12は、自車両100の後方の向きが下側となるように、自車両100の後方の状況を含む周囲状況を示す俯瞰画像Ibを生成する。前方画像Ia及び俯瞰画像Ibは、進行方向画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bにそれぞれ表示されている。前方画像Ia及び俯瞰画像Ibには、C字状の駐車枠L4で区切られた車線(駐車スペース)S1が写り込んでいる。俯瞰画像Ibの上側が自車両100の前進方向であり、俯瞰画像Ibには自車両100の側方及び後方が写り込む。前方画像Iaの下端には自車両100の前部を模擬したマークM1が表示され、俯瞰画像Ibの上端には自車両100の後部を模擬したマークM2が表示されている。
進行方向画像生成部11及び俯瞰画像生成部12は、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中の駐車枠L4で区切られた車線(駐車スペース)S1が連続するように、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整することにより、後方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中に駐車枠L4に区切られた車線(駐車スペース)S1を生成する。例えば、図12(a)では、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの境界位置で前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中の対応する駐車枠L4の下端及び上端の位置P31,P32が一致するように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整しているが、駐車枠L4の傾きを互いに一致するようにしてもよい。
俯瞰画像生成部12は、前方駐車の際には、図12(b)に示すように、自車両100の駐車方向である前方を含む全周囲の状況を示す俯瞰画像Ibを生成してもよい。俯瞰画像Ib中の自車両100に対応する位置には、自車両100を模擬したマークM2を表示している。前方駐車する際に、俯瞰画像Ibが自車両100の前方を含む全周囲の状況を示すことにより、自車両100直前の死角になり易い領域の状況も確認できる。この場合、進行方向画像生成部11は、前方画像Ia中に自車両100を模擬したマークは表示しない。
進行方向画像生成部11は、後方駐車の際には、図13(a)に示すように、自車両100の駐車方向である後方の状況を示す進行方向画像(後方画像)Iaを生成する。俯瞰画像生成部12は、自車両100の前方の向きが下側となるように、自車両100の前方の状況を含む周囲状況を示す俯瞰画像Ibを生成する。後方画像Ia及び俯瞰画像Ibは、進行方向画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bに表示されている。後方画像Ia及び俯瞰画像Ibには、駐車枠L4に区切られた車線(駐車スペース)S1が写り込んでいる。俯瞰画像Ibの上側が、自車両100の後進方向に対応する。後方画像Iaの下端には自車両100の後部を模擬したマークM1が表示され、俯瞰画像Ibの上端には自車両100の前部を模擬したマークM2が配置されている。
進行方向画像生成部11及び俯瞰画像生成部12は、後方画像Ia及び俯瞰画像Ibの間で駐車枠L4に区切られた車線(駐車スペース)S1が連続するように、後方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整することにより後方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中に駐車枠L4に区切られた車線(駐車スペース)S1を生成する。例えば、図13(a)では、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの境界位置で前方画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中の対応する駐車枠L4の下端及び上端の位置P41,P42が一致するように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整しているが、駐車枠L4の傾きを互いに一致するようにしてもよい。
俯瞰画像生成部12は、後方駐車の際には、図13(b)に示すように、自車両100の駐車方向である後方を含む全周囲の状況を示す俯瞰画像Ibを生成してもよい。俯瞰画像Ib中の自車両100に対応する位置には、自車両100を模擬したマークM2を表示している。後方駐車する際に、俯瞰画像Ibが自車両100の後方を含む全周囲の状況を示すことにより、自車両100直後の死角になり易い領域の状況も正確に確認できる。この場合、進行方向画像生成部11は、後方画像Ia中に自車両100を模擬したマークは表示しない。
次に、図14のフローチャートを参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示方法の一例を説明する。なお、図14のフローチャートの一連の処理は、所定の制御周期で繰り返し実行可能である。
ステップS20〜S22の手順は、図10のステップS10〜S12の手順と実質的に同様である。ステップS23において、駐車判定部13は、乗員のシフトレバー、スイッチ又はタッチパネルの操作等に基づいて、自車両100が前方駐車中であるか否かを判定する。自車両100が前方駐車中と判定された場合、ステップS28に移行する。ステップS28において、進行方向画像生成部11は、図12(a)に示すように、自車両100の前方の状況を示す前方画像Iaを生成する。俯瞰画像生成部12は、自車両100の後方の状況を主に含む周囲状況を示す俯瞰画像Ibを生成する。
一方、ステップS23において、自車両100が前方駐車中ではないと判定された場合、ステップS24に移行し、駐車判定部13は、乗員のシフトレバー、スイッチ又はタッチパネルの操作等に基づいて、自車両100が後方駐車中であるか否かを判定する。自車両100が後方駐車中と判定された場合、ステップS30に移行する。進行方向画像生成部11は、後方駐車の際には、図13(a)に示すように、自車両100の後方の状況を示す後方画像Iaを生成する。俯瞰画像生成部12は、自車両100の前方の状況を主に含む周囲状況を示す俯瞰画像Ibを生成する。
一方、ステップS24において、自車両100が後方駐車中ではないと判定された場合、自車両100は走行中であるため、ステップS25に移行する。ステップS25,S26の手順は、図10のステップS13,S14の手順と同様である。
ステップS27において、ステップS25,S26において生成された走行中の前方画像Ia及び俯瞰画像Ib、ステップS28,S29において生成された前方駐車中の前方画像Ia及び俯瞰画像Ib、又はステップS30,S31において生成された後方駐車中の後方画像Ia及び俯瞰画像Ibを表示する。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、自車両100が駐車する際にも、進行方向画像表示部4a及び俯瞰画像表示部4bに進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibを表示することにより、乗員に対して自車両100の進行方向の状況及び進行方向とは異なる方向の状況を含む周囲状況を一目で容易に把握させることができる。例えば、前方画像Iaを表示することにより、自車両100の駐車方向を遠方まで詳細に確認することができるとともに、俯瞰画像Ibを表示することにより、駐車方向とは異なる、状況把握が難しい後方等の状況を幅広く表示できるので、例えば障害物の有無等を把握し易くなり、安全に駐車動作を行うことができる。なお、本発明の第2の実施の形態における駐車時の車両用表示方法は、縦列駐車する際にも適用可能である。
更に、進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中に駐車枠L4に区切られた車線(駐車スペース)S1を生成する。車線S1を生成するときには、進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibの間で車線S1が連続するように進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整することにより、進行方向画像Iaと俯瞰画像Ibの間で連続性を持たせることができ、駐車方向の状況と駐車方向以外の周囲状況との相関関係を容易に把握できる。
更に、進行方向画像Iaの下端に自車両100の位置がくるように進行方向画像Iaを生成するとともに、俯瞰画像Ibの上端に自車両100の位置がくるように俯瞰画像Ibを生成することにより、進行方向画像Iaと俯瞰画像Ibの間で視線の切り替えが円滑となる。更に、進行方向画像Iaの下端及び俯瞰画像Ibの上端に自車両100を模擬したマークM1,M2を表示することにより、進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ib上における自車両100の位置も把握し易くなる。
更に、自車両100の前後方向に対する進行方向画像表示部4aの表示面の角度α1が、自車両100の前後方向に対する俯瞰画像表示部4bの角度α2よりも大きいことにより、進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibに写り込んだ状況を空間的に把握し易くなる。
更に、進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ib中の対応する車線境界線L4の傾きが互いに一致するとともに、進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibの境界位置において、進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ib中の車線境界線L4の幅方向の位置P31,P32,P41,P42が互いに一致するよう進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中に車線(駐車スペース)S1を生成することにより、車線(駐車スペース)S1が直線的に連続して視認可能となる。
更に、乗員の視点位置P0を検出し、視点位置P0から見たときに進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ib中の対応する車線(駐車スペース)S1が連続するように進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中に車線(駐車スペース)S1を生成することにより、乗員の視点位置P0に適した進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibを切り替えて生成可能となる。
更に、俯瞰画像生成部12は、俯瞰画像Ibの上端に自車両100の位置がくるように表示するため、駐車方向と逆方向を含む周囲状況を幅広く表示可能となる。したがって、乗員は、状況把握が難しい駐車方向と逆方向を含む周囲状況を把握し易くなる。更には、駐車判定部13が、自車両100が前方駐車中であるか、後方駐車中であるかを判定することにより、前方駐車中又は後方駐車中の場合にそれぞれ適した進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibを生成可能となる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の第1及び第2の実施の形態においては、進行方向画像表示部4aと俯瞰画像表示部4bが接している場合を説明したが、図15に示すように、進行方向画像表示部4aと俯瞰画像表示部4bが非表示領域4cを介して互いに離間していてもよい。非表示領域4cの幅は例えば数cm程度であり、適宜設定可能である。この場合も、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibとの間で車線L1〜L3が連続するように、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整することにより進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中に車線L1〜L3を生成する。
例えば、前方画像Iaに写り込む車線境界線L11〜L14の下端から仮想的に延長した直線L21,L22,L23,L24が、俯瞰画像Ibの上端において、俯瞰画像Ibに写り込む車線境界線L11〜L14の位置P21〜P24と一致するように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整すればよい。これとは逆に、図示を省略するが、俯瞰画像Ibに写り込む車線境界線L11〜L14の上端から仮想的に延長した直線が、前方画像Iaの下端において、前方画像Iaに写り込む車線境界線L11〜L14と一致するように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整してもよい。
前方画像Iaに写り込む車線境界線L11〜L14の下端から仮想的に延長した直線の端部と、俯瞰画像Ibに写り込む車線境界線L11〜L14の上端から仮想的に延長した直線の端部とが、非表示領域4cにおいて一致するように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整することにより進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibのそれぞれの中に車線L1〜L3を生成してもよい。また、本発明の第1及び第2の実施の形態と同様に、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの対応する車線境界線L11〜L14の傾きを一致させてもよい。
また、本発明の第1及び第2の実施の形態においては、画像表示手段4が運転席正面の前方に設置された場合を説明したが、図16に示すように、画像表示手段4が、センターコンソール等の車両幅方向の中央付近に設けられていてもよい。この場合、運転者だけでなく、助手席や後部席に着座している乗員も画像表示手段4により表示された周囲状況を視認し易くなる。例えば、運転者以外の乗員が、画像表示手段4により表示された周囲状況を視認し、運転者に注意を促しやすくなり、より安全な運転が可能となる。
また、本発明の第1及び第2の実施の形態においては、画像表示手段4の進行方向画像表示部4aの表示面と俯瞰画像表示部4bの表示面が所定の角度α0をなす場合を説明したが、進行方向画像表示部4aの表示面と俯瞰画像表示部4bの表示面は互いに平行であってもよい。例えば、液晶ディスプレイの1つの画面を2分割して、進行方向画像Ia及び俯瞰画像Ibを図9に示すように2画面あるかのように表示してもよい。なお、本発明は第1及び第2の実施の形態において説明したように、進行方向画像表示部4aの表示面と俯瞰画像表示部4bの表示面が所定の角度α0をなす場合の方が高い解像度が得られる点では好ましい。画像表示手段4は、液晶ディスプレイの他にも、プロジェクションマッピングにより車室内の2つの平面に前方画像Ia及び俯瞰画像Ibを投影する構成であってもよい。
また、本発明の第1及び第2の実施の形態においては、俯瞰画像Ibが、自車両100の後方の状況、右側方の状況及び左側方の状況を周囲状況として示す場合を説明したが、これに限定されない。例えば、俯瞰画像Ibは、自車両100の右側方の状況及び左側方の状況を周囲状況として示してもよく、自車両100の右側方の状況又は左側方の状況のみを周囲状況として示してもよい。
また、本発明の第1及び第2の実施の形態においては、進行方向画像表示部4aと俯瞰画像表示部4bのそれぞれの左右中央付近に、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibを表示していたが、必ずしもそれに限らず、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの間で車線が連続して生成されていればよい。つまりは、進行方向画像表示部4aと俯瞰画像表示部4bの中で、自車両100のマークM1、M2を左右中央位置から、左右のいずれか一方にずらして表示するようにし、ずれた自車両100のマークに併せて、周囲状況、車線を表示するようにしても良い。これにより、進行方向画像表示部4aと俯瞰画像表示部4bのそれぞれにおいて、左右のいずれか一方を広く表示することも可能である。他にも、進行方向画像表示部4aと俯瞰画像表示部4bの一部に、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibを表示し、その他の部分で、ナビの表示を調整する機能や、エアコンの温度を調整する機能など、他の機能を同時に表示するようにしてもよい。これにより乗員は、自車両周囲状況と併せて、車両状態の確認や、車両の操作を同時にできるようになる。
また、既に述べた通りであるが、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibに写り込む対応する車線を連続するように前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの少なくとも一方を調整する際には、前方画像Iaの中の車線に連続するように俯瞰画像Ibを調整してもよく、俯瞰画像Ibの中の車線に連続するように前方画像Iaを調整してもよい。また、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibとの間で車線が互いに連続するように、前方画像Ia及び俯瞰画像Ibの両方を調整してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。