JP6751288B2 - 密封容器用シート材 - Google Patents
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Description
また、前記密封容器用シート材において、前記微粒子の平均粒子径が0.5〜10μmであり、前記シール層の厚さが1〜20μmであることが望ましい。
また、前記密封容器用シート材において、前記微粒子の添加量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して5〜15質量部であることが好ましい。
また、前記密封容器用シート材は、さらに電磁波の照射を受けて発熱する発熱体層を有する積層体とすることで、特に電子レンジ容器用の蓋材として好適に使用することができる。
図1に、本発明の一実施形態にかかる密封容器用シート材の断面図を示す。
本発明の密封容器用シート材10は、基材層12の一方の表面上に、シール層14が積層された多層シートにより形成されている。また、シール層14は、微粒子14bが分散された熱可塑性樹脂14aの塗膜からなっている。
図2(a)に示すように、従来の密封容器用シート材50は、基材層52の一方の表面上に、熱可塑性樹脂からなるシール層54が積層された多層シートからなっている。
そして、シート材50によってカップ容器を密封する場合、図2(b)に示すように、シート材50は、シール層54を下にして容器30の開口部端面となるフランジ部に当てられ、シート材50と当接する上金型及び容器と当接する下金型を有するヒートシール金型によって、上金型でシート材50を加熱しながら上下方向から加圧されることで、シール層54が容器30のフランジ部に溶着される。この際、シール層54の熱可塑性樹脂は溶融あるいは軟化されるものの、上下方向から加圧されており、熱可塑性樹脂が加圧されていない方向へと逃げるように流動してしまうため、溶着部分の実質的なシール層の厚みdが当初と比べて薄くなってしまうことになる。この結果、従来の密封容器用シート材においては、シール層を厚くしても期待し得る程度のシール強度が得られないおそれがあり、また、局所的にシール層の厚みdが薄くなって弱化部分が生じてしまうといった問題があった。
なお、本発明の密封容器用シート材10の構成は、先に説明したとおりである。
図3(b)に示すように、本発明の密封容器用シート材10において、シール層14は、微粒子14bが分散した熱可塑性樹脂14aの塗膜からなっており、これをヒートシールする際、熱可塑性樹脂14aが溶融あるいは軟化する程度に加熱されていても、微粒子14bは固体状態を保っている。このため、熱可塑性樹脂14aが溶融あるいは軟化した状態でシール層14が容器30の開口部端面となるフランジ部に当てられ、ヒートシール金型によって上下方向から加圧された際、微粒子14bは固体状態であり、あたかもスペーサー様の機能を果たすため、溶着部分の実質的なシール層の厚みdは微粒子14bの粒子径よりも薄くなることができず、熱可塑性樹脂はそれ以上外側方向へと流動することがない。したがって、本発明の密封容器用シート材10は、微粒子14bによって溶着部分のシール層の厚みdを十分に確保することができるため、従来品と比較してシール強度が改善されており、また、シート材10全体でみても、局所的な弱化部分等のない均一なシール強度が得られる。
基材層12は、公知の樹脂フィルムより形成されている。樹脂素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの単層フィルムあるいはこれらを適宜積層した多層フィルムとして用いることができる。なお、これら熱可塑性樹脂のうち、特にポリエチレンテレフタレート樹脂を基材層12に使用することが好ましい。基材層12の厚さは、密封容器の用途に応じて適宜設定する必要があるが、通常の場合、10〜100μm程度である。
本発明の一実施形態にかかる電子レンジ用容器の蓋材110は、外側(図中上方)から、印刷用基材層116、印刷層118、接着層120、発熱体用基材層122、発熱体層124、接着層126、シール用基材層112、シール層114からなる多層シートにより形成されている。また、シール層114は、微粒子114bが分散された熱可塑性樹脂114aの塗膜からなっている。そして、蓋材110のシール層114には、電子レンジ用容器130の開口部端面がヒートシールされ、該容器130が密封されている。
<実施例1>
厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの表面に、熱可塑性樹脂(オレフィン樹脂)粒子を含む塗料(Eipoc−1808:櫻宮化学社製)に平均粒子径3μmのポリテトラフルオロエチレン微粒子を添加したもの(オレフィン樹脂100質量部に対してポリテトラフルオロエチレン微粒子10質量部)を適当量塗布し、180℃で焼き付けて、膜厚3.5μmのシール層が積層されたシート材を得た。
ポリテトラフルオロエチレン微粒子を用いなかったほかは、上記実施例1と同様にして、積層シート材を得た。
以上で得られた密封容器について、下記条件により、密封容器の破裂強度を測定した。
破裂強度試験機(FTK−100J:サン科学社製)を用い、カップ容器側にゴムシートをセットし、そこに空気針を突き刺して密封容器内部に空気を送入した。密封容器が破裂するまで空気の送入を続け、容器が破裂したときの最大圧力を測定した。測定は5回繰り返し行ない、平均値を求めた。
<実施例2〜6>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの一方の面に接着剤を塗布し、発熱体層となるアルミニウムと酸化アルミニウムとの混合物による厚さ50nmの蒸着膜を有するアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(VM−PET 1015HT:東レフィルム加工社製)を積層した。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの発熱体層とは反対側の面に、さらに厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを積層した。つづいて、熱可塑性樹脂(オレフィン樹脂)粒子を含む塗料(Eipoc−1808:櫻宮化学社製)に平均粒子径3μmのポリテトラフルオロエチレン微粒子を添加したもの(オレフィン樹脂100質量部に対してポリテトラフルオロエチレン微粒子10質量部)を準備し、この塗料を、発熱体層側にバーコーターを用いて適当量塗布し、180℃で焼き付けた。塗料の塗布量によりシール層厚さを1〜5μmの範囲で各種変化させ、5種類の積層シート材を得た。
以上で得られた密封容器について、下記条件により、蓋材と容器との間のシール強度を測定した。
シール後の蓋材及び容器を中央から外周方向に15mm巾の短冊状に切断し、試験片を作成した。引張試験機を用い、試験片の容器側を固定し、蓋材側の端部を把持して速度100mm/minで真上に引き上げ、シール部が破断したときの最大荷重(N/15mm)を測定した。
12 基材層
14 シール層
14a 熱可塑性樹脂
14b 微粒子
Claims (4)
- 基材層と、熱可塑性樹脂を主体とする塗膜により形成されたシール層とを有する積層体からなり、容器の蓋材として利用される密封容器用シート材であって、
前記容器は、前記基材層よりも軟質であり、
前記シール層が前記熱可塑性樹脂よりも融点の高い微粒子を含有しており、且つ
前記微粒子の平均粒子径/前記シール層の厚さが0.5〜1.0であり、
前記微粒子の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して5〜15質量部であり、
前記微粒子は、前記熱可塑性樹脂に分散されることを特徴とする密封容器用シート材。 - 前記微粒子の平均粒子径が0.5〜10μmであり、前記シール層の厚さが1〜20μmであることを特徴とする請求項1の密封容器用シート材。
- 前記微粒子がフッ素樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の密封容器用シート材。
- さらに電磁波の照射を受けて発熱する発熱体層を有する積層体からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の密封容器用シート材。
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