JP6749771B2 - 転写加飾用基体フィルム - Google Patents

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本発明は転写加飾用基体フィルムに関する。
自動車装品、雑貨品等の成型品の素地に、種々の文字や絵柄を加飾することにより、意匠性を付与する。これら三次元立体形状等の複雑な表面形状を有する成型品の素地に対しては、真空成型法、射出成型法等により、加飾層を成型品の素地に転写させて加飾する。本明細書では、その転写される加飾層を有する加飾フィルムを「転写加飾フィルム」という。
転写加飾フィルムは、例えば、基体フィルム上に、クリヤー層(保護層)、着色層、及び接着剤層が設けられた構成を有しており、また、基体フィルムとクリヤー層との間に離型層を設けたフィルム等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
加飾層を成型品の素地に転写させる方法である真空成型法は、真空チャンバー内で、(i)転写加飾フィルムを加熱して軟化させ、展延させる工程、(ii)成型品の素地側(転写加飾フィルムの加飾層が転写される側、貼り付けられる側)の空間を減圧する工程、必要に応じ反対側の空間を加圧する工程、(iii)転写加飾フィルムを成型品の素地の三次元立体形状に沿って成型する(貼り付ける)工程、及び(iv)成型品の素地に加飾層を残して基体フィルムを剥がす工程により行われる。
従来、真空成型法に用いられる転写加飾フィルムの基体(基材)として、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、アクリル樹脂等を用いたフィルムが使用されている(特許文献1)。しかし、加飾層の基体としてPET、アクリル樹脂等のフィルムを用いると、真空成型法で転写加飾フィルムを成型品の素地に転写する際に、成型品の素地の三次元立体形状に対して、転写加飾フィルムの追従性が不十分であるという問題がある。
また、真空成型法では、転写加飾フィルムを展延するために熱をかける処理が行われる。この熱処理では、転写加飾フィルムを170℃程度の高温を供した後で成型を行うことから、次工程の製品の加飾をする際には、一度室温まで冷却する必要がある。そして、この冷却処理には時間がかかるという課題があった。
そのため、比較的低温においても真空成型が可能となるような基体フィルムが求められる。そのような基体フィルムとして、ポリプロピレン系熱可塑性樹脂を用いることが挙げられる。この場合、転写加飾フィルムの成型品に対する追従性(真空成型性)は良好であるが、転写加飾フィルムの加熱時に、過度の軟化によって必要以上にフィルムがたるむ、所謂ドローダウンが生ずるという問題があった。
特開2011‐88420号公報
本発明は、真空成型法により加飾成型品を製造する技術において、比較的低温条件下においても、転写加飾フィルムの成型品に対する追従性(真空成型性)は良好な転写加飾用に適用可能な基体フィルムを提供することを主な目的とする。
また、本発明は、フィルムの加熱軟化時においても、必要以上にフィルムがたるまない、所謂ドローダウンを抑制することができる、転写加飾用に適用可能な基体フィルムを提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、転写加飾用基体フィルムを構成する層に用いられる樹脂成分として、アイオノマー樹脂を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記項の転写加飾用基体フィルムを提供する。
項1.
フィルムの総質量に対し、5〜60質量%のアイオノマー樹脂を有する転写加飾用基体フィルム。
項2.
フィルムの総質量に対し、更に40〜95質量%の熱可塑性樹脂を含む、前記項1に記載の転写加飾用基体フィルム。
本発明の転写加飾用基体フィルムを用いると、基体フィルム中に、特定量のアイオノマー樹脂を含有させることにより、比較的低温条件下においても、転写加飾フィルムの成型品に対する追従性(真空成型性)は良好となる。
更に、本発明の転写加飾用基体フィルムを用いると、転写加飾フィルムを加熱し軟化させる際に、必要以上にフィルムがたるまず、ドローダウンを抑制することができる。
そのため、本発明の基体フィルムは、転写加飾用に適用することが可能となる。
ドローダウン量の測定方法の概要を示す図である。
本発明の転写加飾用基体フィルムは、特定の含有割合のアイオノマー樹脂を有することを特徴とする。
本発明の転写加飾用基体フィルムは、三次元立体形状等の複雑な表面形状を有する成型品の素地に対して、真空成型法(三次元真空成型法)により加飾成型品を製造する技術において、好ましく用いる転写加飾フィルムに用いられる基体フィルムである。
以下、転写加飾用基体フィルムを構成する各層等について説明する。
(1)転写加飾用基体フィルム
本発明の転写加飾用基体フィルムは、アイオノマー樹脂を含む。アイオノマー樹脂としては、例えばオレフィン系アイオノマー樹脂、ウレタン系アイオノマー樹脂、フッ素系アイオノマー樹脂等がある。これらの中でもフィルム、及びシート成形体として、特にオレフィン系アイオノマー樹脂を好ましく用いることができる。
アイオノマー樹脂
該オレフィン系アイオノマー樹脂は、オレフィンと不飽和カルボン酸とを構成単位とする共重合体である。該オレフィンとしてはエチレン、プロピレン等が挙げられ、該不飽和カルボン酸として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等のメタクリル酸アルキルエステルを好ましく用いることができる。
該オレフィン系アイオノマー樹脂は、エチレンと、前記(メタ)アクリル酸を構成単位とする二元共重合体や、エチレン、前記(メタ)アクリル酸及び前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成単位とする三元共重合体が挙げられる。該アイオノマー樹脂として、二元共重合体系アイオノマー樹脂、又は三元共重合体系アイオノマー樹脂中のカルボン酸の少なくとも一部を金属イオンで中和したものを好ましく用いることができる。
ここで用いられる金属イオンは、二価の金属イオン、三価の金属イオン等が挙げられる。二価の金属イオンとしてはMg2+、Ca2+、Ba2+、Ni2+、Zn2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Pb2+、Mn2+等が挙げられ、三価の金属イオンとしてはAl3+、Fe3+、Cr3+等が挙げられる。中でもZn2+はブリードアウトが少なく、共重合体を含有する成形体の特性が安定する点で、用いることが好ましい。
該オレフィン系アイオノマー樹脂、特に三元共重合体系アイオノマー樹脂における夫々の構成単位の好ましい割合としては、エチレン単位は50〜90重量%、(メタ)アクリル酸単位は5〜20重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位は5〜30重量%である。
アイオノマー樹脂の密度としては、900〜980kg/m3程度が好ましく、940〜960kg/m3程度がより好ましい。アイオノマー樹脂の密度を900kg/m3程度以上に設定することにより、基体フィルムを加飾フィルムへ加工する際の乾燥工程時の熱変形を抑制したり、ドローダウンを抑制したりする効果が得られる。
本発明において、アイオノマー樹脂は適宜金属イオンの種類や含有量、カルボキシル基数の異なる共重合体を1種類又は複数の種類を混合しても良い。
本発明におけるアイオノマー樹脂は例示に限定されるものではない。
他の熱可塑性樹脂
アイオノマー樹脂は他の熱可塑性樹脂と混合して使用することができる。この場合、転写加飾用基体フィルムとして、基体フィルムを加飾フィルムへ加工する際の乾燥工程時の熱変形を抑制する観点から好ましい。
熱可塑性樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また、2種以上を併用して用いてもよい。
前記α-オレフィンの具体例として、1-ブテン、2-メチル-1-プロペン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、2-エチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、1-ヘプテン、メチル-1-ヘキセン、ジメチル-1-ペンテン、エチル-1-ペンテン、トリメチル-1-ブテン、メチルエチル-1-ブテン、1-オクテン、メチル-1-ペンテン、エチル-1-ヘキセン、ジメチル-1-ヘキセン、プロピル-1-ヘプテン、メチルエチル-1-ヘプテン、トリメチル-1-ペンテン、プロピル-1-ペンテン、ジエチル-1-ブテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン等が挙げられる。
転写加飾用基体フィルムの樹脂組成
転写加飾用基体フィルムは、アイオノマー樹脂を5〜60質量%含む。ここで、アイオノマー樹脂の含有割合は、転写加飾用基体フィルムの総質量に対する割合である。
転写加飾用基体フィルムは単層構成であっても、アイオノマー樹脂を含む層と他の熱可塑性樹脂を含む層との積層構成であってよく、また、アイオノマー樹脂の含有量の異なる層同士の積層構成であってもよい。
転写加飾用基体フィルム中のアイオノマー樹脂の含有割合としては、転写加飾用基体フィルムの総質量に対して、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。アイオノマー樹脂の含有割合が、5質量%未満であると、真空成型時の加熱により基体フィルムがたるむ、所謂ドローダウンが生じる等の傾向がある。
また、アイオノマー樹脂の含有割合は、転写加飾用基体フィルムの総質量に対して、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。アイオノマー樹脂の含有割合が、60質量%を超えると、基体フィルムを加飾フィルムへ加工する際の乾燥工程時の熱変形が発生する傾向がある。
転写加飾用基体フィルムは、更に熱可塑性樹脂を40〜95質量%の含むことが好ましい。ここで、熱可塑性樹脂の含有割合は、転写加飾用基体フィルムの総質量に対する割合である。
転写加飾用基体フィルム中の熱可塑性樹脂の含有割合としては、転写加飾用基体フィルムの総質量に対して、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。熱可塑性樹脂の含有割合が、40質量%未満であると、基体フィルムを加飾フィルムへ加工する際の乾燥工程時の熱変形が発生する傾向がある。
また、熱可塑性樹脂の含有割合は、転写加飾用基体フィルムの総質量に対して、95質量%以下が好ましく、93質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい。熱可塑性樹脂の含有割合が、95質量%を超えると、真空成型時の加熱により基体フィルムがたるむ、所謂ドローダウンが生じる等の傾向がある。
転写加飾用基体フィルムの層構成
転写加飾用基体フィルムが、単層である場合の層の厚みとしては、80〜300μm程度が好ましく、90〜290μm程度がより好ましく、100〜280μm程度が更に好ましい。層の厚みを80μm以上に設定することによって、基体フィルムを加飾フィルムへ加工する際の乾燥工程時の熱変形を抑制する効果が得られる。また、層の厚みを300μm以下に設定することによって、真空成型時に基体フィルムが必要以上にたるまず、ドローダウンを抑制できるという効果が得られる。
本発明の転写加飾用基体フィルムは、上記のアイオノマー樹脂を含有するフィルムをA層として、当該A層の表面に表面層(B層)を設けてもよい。表面層(B層)を設けることにより、滑り性付与、ブロッキング抑制、クリヤー層と離型層との接着性、及び離形性付与等の効果が得られる。
表面層(B層)に用いられる樹脂成分としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体等が挙げられる。
また、本発明の転写加飾用基体フィルムは、中間層(A層)の表面で、表面層(B層)と接していない表面に、さらに裏面層(C層)を設けてもよい。裏面層(C層)を設けることにより、フィルムのカールの抑制、滑り性付与、転写加飾フィルムのブロッキング抑制等の効果が得られる。
裏面層(C層)に用いられる樹脂成分としては、A層と同じものが挙げられる。また、B層と同一の樹脂成分とすることが好ましい。この場合、A層は、中間層となる。
転写加飾用基体フィルムが多層構造である場合の層構成としては、表面層(B層)/中間層(A層)、又は中間層(A層)/裏面層(C層)の2層構造、及び表面層(B層)/中間層(A層)/裏面層(C層)の3層構造が挙げられるが、これらの中で、フィルムのカールの抑制の観点から、B層/A層/C層の3層構造が好ましい。
転写加飾用基体フィルムが多層構造である場合のフィルム全体の厚みは、80〜300μm程度が好ましく、90〜290μm程度がより好ましい。フィルムの厚みを80μm以上に設定することによって、基体フィルムを加飾フィルムへ加工する際の乾燥工程時の熱変形を抑制するという効果が得られる。また、フィルムの厚みを300μm以下に設定することによって、真空成型時に基体フィルムが必要以上にたるまず、ドローダウンを抑制できるという効果が得られる。
転写加飾用基体フィルムが多層構造である場合の中間層(A層)の厚みは、10〜200μm程度が好ましく、20〜100μm程度がより好ましい。また、表面層(B層)の厚みは、13〜70μm程度が好ましく、25〜65μm程度がより好ましい。更に、裏面層(C層)の厚みは、13〜70μm程度が好ましく、25〜65μm程度がより好ましい。
転写加飾用基体フィルムの物性値
本発明の転写加飾用基体フィルムは、85℃における熱機械分析(TMA)によって測定されるTMA変位量が、10.0%以下が好ましく、9%以下がより好ましく、8%以下が更に好ましい。TMA変位量が、10.0%以下となることによって、基体フィルムを加飾フィルムへ加工する際の乾燥工程時の熱変形を抑制する効果が得られる。上記のTMA変位量は、JIS K7197に準拠して測定することが可能である。
転写加飾用基体フィルムのその他の成分
本発明の転写加飾用基体フィルムは、押出成形する際のドローダウン抑制や偏肉改善、生産性改善を目的として、添加剤を添加することができる。
添加剤として、HAO-LLDPE(宇部丸善ポリエチレン社製ののユメリット)やPTFE(三菱レイヨン社製のメタブレン)、カネカ社製のPP加工性改良材料、結晶核剤、目ヤニ防止剤、酸化防止剤等を用いることができる。添加剤の添加量は特に限定しないが、物性及び取扱い上の観点から、転写加飾用基体フィルムの総質量に対して、20質量%以下が好ましい。
(2)転写加飾用基体フィルムの製造方法
本発明の転写加飾用基体フィルムは、アイオノマー樹脂を含む樹脂成分を押出成形して製造することができる。
具体的には、単層構成の場合には、A層用樹脂組成物をバレル温度130〜260℃に調整された押出機に供給し、180〜260℃のTダイからフィルム状に押出し、30〜70℃の冷却ロールにより冷却固化させ実質的に無延伸で引き取ることにより製造することができる。
また、多層構成の場合には、表面層(B層)用樹脂組成物、中間層(A層)用樹脂組成物、及び裏面層(C層)用樹脂組成物を、夫々バレル温度180〜240℃に調整された各層用押し出し機に供給し、180〜260℃の多層Tダイからフィルム状に押出し、30〜70℃の冷却ロールで冷却固化させ実質的に無延伸で引き取ることにより製造できる。
なお、転写加飾フィルムは、本発明の転写加飾用基体フィルムにクリヤー層、着色層、及び粘着剤層等を積層する工程を経て製造される。
以下に、本発明を、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<樹脂成分>
使用した樹脂成分について、以下に示す。
PP-1:サンアロマー社製のPC630A
アイオノマー1:三井・デュポンポリケミカル社製のハイミラン1855(アイオノマー樹脂、密度:960kg/m3、金属イオン:Zn2+
アイオノマー2:三井・デュポンポリケミカル社製のハイミラン1652(アイオノマー樹脂、密度:940kg/m3、金属イオン:Zn2+
PET1:東洋紡社製のソフトシャイン
アクリル1:三菱レイヨン社製のアクリプレン
TPO-1:プライムポリマー社製のプライムTPO E-2900
<実施例1〜6及び比較例1〜6(単層)>
表1及び表2に示す樹脂成分及びその含有割合となるように、樹脂成分を130〜260℃に調整されたスクリュー式押出機に供給し、次いで180〜260℃でTダイからフィルム状に押出した。次いでこれを30〜70℃の冷却ロ−ルに通しながら冷却して、実質的に無延伸の状態で巻き取って、転写加飾用基体フィルムを調製した。
上記の得られた各転写加飾用基体フィルムについて、以下の物性を測定し、評価した。
<破断伸度(%)>
引張試験機(株式会社島津製作所製オートグラフAG-X500N)を90℃に設定した。転写加飾用基体フィルムのサンプルを幅10mm・長さ50mm・標線間距離40mmにカットし、200mm/minの速度で引張試験した際の破断伸度を測定した。
表中、MDは転写加飾用基体フィルムを作製した時の樹脂の流れ方向の破断強度を示し、TDは転写加飾用基体フィルムを作製した時の樹脂の幅方向の破断強度を示す。
これは、真空成型時の転写加飾用基体フィルムの成型品に対する凹凸追従性を確認する試験である。表中の90℃は真空成型時の加熱温度であり、その温度で600%以上の破断伸度を有すれば、真空成型法において優れた転写加飾用基体フィルムである。
真空成型時の加熱温度が90℃まで下げられることは、低温での真空成型を意味する。よって、転写加飾用基体フィルムがその温度で破断伸度が良好であれば、低温条件の真空成型法で、成型品に対する追従性(凹凸追従性)が良好といえる。成型品に対して、低温条件で三次元真空成型により加飾層を貼り付けることができ、加飾成型品の生産効率を高めることができる。
<TMA変位量>
JIS K7197を準拠して以下の条件で測定した。なお、TMA変位量が小さければ、基体フィルムを加飾フィルムへ加工する際の乾燥工程時の熱変形が小さいことを意味する。
TMA変位量の評価基準は次の通りである。
○:TMA変位量が10%以下である場合
×:TMA変位量が10%を超えた場合
[測定条件]
装置:ティー・エイ・インスツルメント社製 TMA Q400
引張モード
サンプル:標線長さ24mm、幅5mmの短冊
荷重:0.5N
昇温温度:10℃/min
85℃部分の変位を測定
<ドローダウン量>
100mm×100mmの開口部に転写加飾用基体フィルムをセットし、IRヒーターにてフィルムの温度が130℃となるように加熱した。加熱後、90秒後のフィルムの自重垂れ下がり距離を測定した。
ドローダウン量の評価基準は次の通りである。
○:ドローダウン量が14mm以下である場合
×:ドローダウン量が14mmを超えた場合
図1にドローダウン量の測定方法を記載した。
評価結果を表1及び表2に示す。
<実施例7〜16及び比較例7〜10(表面層/中間層/裏面層からなる多層構造)>
表3及び表4に示す各層の樹脂成分及びその含有割合となるように、各スクリュー式押出機に供給し、次いで180〜260℃で多層Tダイからフィルム状に押出した。次いでこれを30〜70℃の冷却ロ−ルに通しながら冷却して、実質的に無延伸の状態で巻き取って、転写加飾用基体フィルムを調製した。
得られた各転写加飾用基体フィルムについて、上記の物性を測定し、評価した。
評価結果を表3及び4に示す。

Claims (3)

  1. 転写加飾用基体フィルムであって、
    フィルムの総質量に対し、5〜60質量%のアイオノマー樹脂、及び、40〜95質量%の熱可塑性樹脂を含み、
    前記アイオノマー樹脂は、オレフィン系アイオノマー樹脂であり、
    前記熱可塑性樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体、及び、プロピレンブロック共重合体から成る群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂である、
    転写加飾用基体フィルム。
  2. 前記オレフィン系アイオノマー樹脂は、オレフィンと不飽和カルボン酸とを構成単位とする共重合体である、請求項1に記載の転写加飾用基体フィルム。
  3. 前記オレフィンは、エチレン、及びプロピレンから選ばれるものであり、前記該不飽和カルボン酸は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、及び(メタ)アクリル酸オクチルから選ばれるメタクリル酸アルキルエステルである、請求項2に記載の転写加飾用基体フィルム。
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