JP2013127030A - 土工材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】底質とペーパースラッジ灰を使用した土工材料において、底質に含まれる有害物質であるふっ素、ほう素および重金属類(ひ素、鉛)の溶出量を土壌環境基準(環境庁告示第46号)以下に抑制できる経済的かつ効率的な土工材料の処方の提供。
【解決手段】(A)ふっ素、ほう素、砒素及び鉛から選ばれる1種以上の溶出量が土壌環境基準を超える底質、(B)ペーパースラッジ灰、(C)カルシウムアルミネート、(D)硫酸アルミニウム、(E)石灰、及び(F)アルカリ金属リン酸塩を含有する土工材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、底質とペーパースラッジ灰を使用した、埋め戻し材などに利用される土工材料に関し、詳細には底質あるいはペーパースラッジ灰に含まれる有害物質(ふっ素、ほう素および重金属類(砒素、鉛))の溶出量を土壌環境基準以下に抑制した土工材料に関する。
底質とは、海域、港湾、河川、水路、湖沼などの水底の土砂やヘドロ等のことである。底質の粒度組成としては一般に粒径63μm以上の砂質、粒径63〜5μmのシルトおよび粒径5μm以下の粘土から構成されており、ヘドロなどではシルトや粘土などの微粒子の割合が多い。また、底質には有機物や硫化物さらには重金属などが含まれていることも多い。そのため、特に海域や河川等の底質の浚渫工事で発生する浚渫土、あるいは津波等で陸上に滞留した底質の堆積土などにおいては、その処理方法が大きな課題となっている。また、ペーパースラッジ灰(PS灰)とは、製紙工場から排出されるペーパースラッジを焼却・減容化する際に発生する焼却灰であり、底質と同様に重金属類などの有害物質が含まれている場合がある。
廃棄物の低減という側面からは、底質やPS灰を埋め戻し材などの土工材料として有効利用していく必要があるが、底質およびPS灰はともに沿岸地域での発生量が多いため、これらを併せて土工材料として活用できれば効率的な廃棄物処理方法となり得る。そして、そのためには、有害物質の溶出という環境安全面の問題を解決する必要がある。具体的には、底質やPS灰に含まれる主な有害物質であるふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量が土壌環境基準(環境庁告示第46号)を超える恐れがあることが、その有効利用の妨げとなっている。表1に土壌環境基準(環境庁告示第46号)に規定されているふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量を示す。
従来、底質の無害化には、底質を洗浄することにより、有害物質を除去する方法が用いられてきた(特許文献1)。しかし、この方法では、洗浄により重金属などの有害物質を含んだ排水が発生し、その排水処理も必要となることから処理工程が複雑になり経済性に劣るという問題があった。そのため、有害物質を含む底質をより効率的かつ経済的に土工材料として有効利用する技術が望まれており、具体的には、底質に含まれる有害物質を不溶化して溶出を防止することで、洗浄等の処理を行うことなく土工材料に利用できる技術が求められていた。
従来、ふっ素の不溶化技術としては、消石灰などのカルシウム塩を使用して難溶性のふっ化カルシウムを生成させる方法、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を使用して水酸化アルミニウムが生成される過程でふっ素を吸着・不溶化する方法、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩を使用して水酸化マグネシウムが生成される過程でふっ素を吸着・不溶化する方法などが知られている。また、ほう素の不溶化技術としては、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩の使用、あるいは、硫酸アルミニウムと消石灰を併用することで、ふっ素を吸着・不溶化する方法が知られている。また、砒素の不溶化技術としては、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を使用して水酸化アルミニウムが生成される過程で砒素を吸着・不溶化する方法、塩化第二鉄などの鉄塩を使用して水酸化鉄が生成される過程で砒素を吸着・不溶化する方法などが知られている。また、鉛の不溶化技術としては、アルカリ沈殿法による水酸化物としての不溶化処理が知られている。
しかし、これらの方法では、不溶化の効果が低く、底質からのふっ素、ほう素、砒素及び鉛の溶出量を土壌環境基準である0.01mg/L未満に抑制することは困難であった。
また、底質とは異なるが、汚染土壌や焼却灰からの有害物質の溶出を抑制する方法が提案されている。
すなわち、汚染土壌中の砒素や6価クロムをキレート剤であるジチオカルバミン酸塩で捕捉・不溶化する技術(特許文献2)、汚染土壌に水硬性結合材であるセメントまたは石灰を添加することで、汚染土壌に含まれるふっ素やほう素の溶出を抑制する技術(特許文献3)、製鋼スラグなどの産業廃棄物にカルシウムアルミネートなどの粉末を添加することで、産業廃棄物からのふっ素の溶出を抑制する技術(特許文献4)、石炭や製紙スラッジなどを燃焼して発生するほう素含有燃焼灰に酸化カルシウム類及び/または水酸化カルシウム類、硫酸カルシウム類、アルミナセメント、水を加えて混合処理することにより、その燃焼灰からのほう素の溶出を抑制する技術(特許文献5)、カルシウムアルミネートとケイ酸カルシウムとを含有する不溶化剤を用いたフッ素及び/又はホウ素の不溶化方法であり、フッ素及び/又はホウ素を含む固形物と該不溶化剤と水を混合してから所要期間養生することでフッ素及び/又はホウ素を不溶化する技術(特許文献6)が報告されている。
特開2011−088040号公報 特開2001−121133号公報 特開2004−089816号公報 特開2001−259570号公報 特開2005−329343号公報 特開2006−224025号公報
しかしながら、これら従来の技術では、高価な成分を使用する、長時間の養生を必要とする、さらに一部の有害物質だけの溶出抑制ができる手段にすぎず、前記4種の有害物質の溶出を抑制できるものではなかった。
従って、本発明の課題は、底質とペーパースラッジ灰を使用した土工材料において、底質に含まれる有害物質であるふっ素、ほう素および重金属類(ひ素、鉛)の溶出量を土壌環境基準(環境庁告示第46号)以下に抑制できる経済的かつ効率的な土工材料の処方を提供することにある。
本発明者は、検討を重ねた結果、ふっ素、ほう素、及び重金属類(砒素、鉛)から選ばれる1種以上を含む底質を土工材料として使用するに際し、底質とペーパースラッジ灰を組み合わせ、さらにこれにカルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石灰、及びアルカリ金属リン酸塩を加えた配合とすることで、該土工材料を水と混合して得られる混合物からの有害物質の溶出量を土壌環境基準(環境庁告示第46号)以下に抑制でき、しかもその溶出抑制効果が、混合物を作成してから短時間で発揮されることを見出した。また、該土工材料の配合にセメントを加えることで、有害物質の溶出抑制効果がさらに高まることを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[7]に係るものである。
[1](A)ふっ素、ほう素、砒素及び鉛から選ばれる1種以上の溶出量が土壌環境基準を超える底質、(B)ペーパースラッジ灰、(C)カルシウムアルミネート、(D)硫酸アルミニウム、(E)石灰、及び(F)アルカリ金属リン酸塩を含有する土工材料。
[2](A)底質および(B)ペーパースラッジ灰の合計100質量部に対して(C)カルシウムアルミネート0.2〜2質量部、(D)硫酸アルミニウム0.1〜1質量部、(E)石灰0.05〜10質量部、及び(F)アルカリ金属リン酸塩0.01〜0.1質量部を含有する[1]の土工材料。
[3](A)カルシウムアルミネートの主成分が非晶質の12CaO・7Al23である[1]又は[2]の土工材料。
[4](E)アルカリ金属リン酸塩が、リン酸カリウムである[1]〜[3]のいずれかの土工材料。
[5]さらに、セメントを含有する[1]〜[4]のいずれかの土工材料。
[6]セメントが白色ポルトランドセメントである[5]の土工材料。
[7]ふっ素、ほう素、砒素及び鉛の溶出量が土壌環境基準以下に抑制されたものである[1]〜[6]のいずれかの土工材料。
本発明は、沿岸地域での発生量が多い廃棄物である底質とペーパースラッジ灰を併せて有効利用した土工材料であり、底質あるいはペーパースラッジ灰に含まれる有害物質であるふっ素、ほう素および重金属類(ひ素、鉛)の溶出量を土壌環境基準(環境庁告示第46号)以下に抑制できるため環境安全性が高い。しかも、その溶出抑制効果は該土工材料を水と混合してから短時間で発揮されるため、混合後の養生期間を長く設ける必要なく埋め戻し材などに使用することができる。さらに、本発明の土工材料は水と混合後の溶出抑制効果が長期間保たれるため、混合物を長期間保管することができ、セメント製品用混和材などとして使用する際に便利である。よって、本発明は、底質およびペーパースラッジ灰の有効利用に極めて有用な技術である。
本発明の土工材料に用いる(A)底質とは海域、港湾、河川、水路、湖沼などの水底の土砂やヘドロ等であり、ふっ素、ほう素、砒素及び鉛から選ばれる1種以上の溶出量が土壌環境基準(環境庁告示第46号)を超える底質である。底質の粒度組成としては、通常、粒径63μm以上の砂質、粒径63〜5μmのシルト及び粒径5μm以下の粘土である。底質としては、海域や河川等の浚渫工事で発生する浚渫土あるいは津波等で陸上に滞留した堆積土が特に適している。
本発明の土工材料に用いる(B)ペーパースラッジ灰とは、製紙工場から排出されるペーパースラッジを焼却・減容化する際に発生する焼却灰である。本発明の土工材料に用いるペーパースラッジ灰は、有害成分としてふっ素、ほう素、砒素及び鉛から選ばれる1種以上の溶出量が土壌環境基準を超えるものであっても使用できる。ペーパースラッジ灰は、最大粒径が1.2mm以下のものが好ましい。
本発明の土工材料に用いる(C)カルシウムアルミネートはCaO原料とAl23原料を熱処理することにより得られる物質である。カルシウムアルミネートは化学成分としてCaOとAl23からなる結晶質やガラス化が進んだ構造の水和活性物質であれば何れのものでも良く、CaOとAl23に加えて他の化学成分が加わった化合物、固溶体、ガラス質物質又はこれらの混合物等でもよい。前者としては例えば12CaO・7Al23、CaO・Al23、3CaO・Al23、CaO・2Al23、CaO・6Al23等が挙げられ、後者としては例えば、4CaO・3Al23・SO3、11CaO・7Al23・CaF2、Na2O・8CaO・3Al23等が挙げられる。好ましくは、有害成分の溶出抑制効果に優れていることから、熱処理後のクリンカを急冷してガラス化率を90%以上にした非晶質の12CaO・7Al23を主成分とするものが良い。また、カルシウムアルミネートの粉末度はブレーン比表面積として2000cm2/g以上が好ましい。
本発明の土工材料に用いる(D)硫酸アルミニウムは、化学成分としてAl2(SO43・nH2Oで表される水和物、あるいはAl2(SO43で表される無水塩の何れでも良い。好ましくは、有害成分の溶出抑制効果に優れていることからnが14〜18の水和物が良い。
本発明の土工材料に用いる(E)石灰は、化学成分としてCaOで表される酸化カルシウムを主成分とするもの、あるいは化学成分としてCa(OH)2で表される水酸化カルシウムを主成分とするものが使用でき、これら両方を含むものであっても良い。好ましくは、有害成分の溶出抑制効果に優れていることから酸化カルシウムの含有量が多い石灰が好ましい。石灰の粉末度はブレーン比表面積として2000cm2/g以上が好ましい。
本発明の土工材料に用いる(F)アルカリ金属リン酸塩は、リン酸ナトリウムやリン酸カリウムなどの易溶性の塩が使用できる。本発明では、アルカリ金属リン酸塩を配合することにより、短い養生期間でも良好な溶出抑制効果が得られる。アルカリ金属リン酸塩としては下記式(1)〜(3)で表されるリン酸カリウムが好ましく、養生期間の短縮効果に優れていることから下記式(2)で表されるリン酸二水素カリウムがより好ましい。
2HPO4 (1)
KH2PO4 (2)
3PO4 (3)
本発明の土工材料は、底質及びペーパースラッジ灰の合計100質量部に対してカルシウムアルミネート0.2〜2質量部、硫酸アルミニウム0.1〜1質量部、石灰0.05〜10質量部、アルカリ金属リン酸塩0.01〜0.1質量部の配合割合とすることで、底質に含まれるふっ素、ほう素、砒素及び鉛の溶出量を土壌環境基準(環境庁告示第46号)以下に抑制することができる。また、底質(A)とペーパースラッジ灰(B)の配合割合(質量比)は、特に限定されないが、有害物質の溶出抑制効果の点から、(A)100質量部に対して(B)を10質量部以上配合するのが好ましく、(A):(B)=80:20〜70:30がより好ましい。(B)の配合割合を多くすると溶出抑制効果は高まるが、相対的にAの処理量が少なくなるため、底質を効率的に処理するという目的においては、(B)の配合割合を多くしすぎることは好ましくない。カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム及び石灰の配合割合が少なすぎると有害物質の溶出抑制効果が低下するため好ましくない。カルシウムアルミネートや硫酸アルミニウムを過剰に配合しても有害物質の溶出抑制効果はさほど向上しないため、不経済である。また、ふっ素またはほう素の溶出量が特に多い底質を使用する場合は石灰の配合量を多目にすると養生期間が短くても良好な溶出抑制効果が得られるが、多すぎると不経済である。また、アルカリ金属リン酸塩の配合割合が少なすぎると十分な溶出抑制効果を得るために必要な養生期間が長くなるため好ましくない。アルカリ金属リン酸塩の配合量をカルシウムアルミネートの1/40〜1/10程度にすると短い養生期間で良好な溶出抑制効果が得られ、しかも経済的であるため好ましい。
本発明の土工材料にセメントを配合すると底質に含まれるふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出をより効果的に抑制することができる。セメントとしては、ポルトランドセメント、混合セメント、特殊セメント、エコセメントが使用できる。ポルトランドセメントとは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及びそれらの低アルカリ型のポルトランドセメント等を言う。混合セメントとは、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等を言う。特殊セメントとは、セメント系固化材、アルミナセメント、超速硬セメント、アウイン系セメント、超微粒子セメント、油井セメント等を言う。エコセメントとは、都市ごみ焼却残渣などの廃棄物を主原料として製造されたセメントを言う。より好ましくは白色ポルトランドセメントが良く、白色ポルトランドセメントは鉛や6価クロムなど有害な重金属類をほとんど含まないため、本発明の土工材料に特に好適に使用できる。底質及びペーパースラッジ灰の合計100質量部に対してセメントを0.5〜10質量部配合するのが良く、より好ましい配合割合は2〜5質量部である。セメントを配合すると、カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石灰、アルカリ金属リン酸塩の配合割合が少なくても良好な溶出防止効果が得られるため、経済的である。
本発明の土工材料の用途は特に限定されず、盛土材、埋め戻し材、裏込材、土壌改良材、道路資材、コンクリートなどのセメント製品用混和材などに有効活用できる。また、本発明の土工材料の製造方法についても特に限定はされず、一般的な製造方法を用いることができる。本発明の土工材料は、前記成分を水と混合後、短時間で溶出抑制効果を発揮するため、養生期間を長く設ける必要なく使用することができ、例えば埋め戻し材として使用する場合は、現場でパン型ミキサーや強制二軸ミキサーなどの一般的なミキサーを用いて本発明の土工材料を水と混合し、スラリー状または塊状の混合物に加工した直後に埋め戻し作業を行うことができる。また、本発明の土工材料は水と混合後、長期間溶出抑制効果が保たれるため、混合物を長期間保管しておいて、適宜、セメント製品用混和材などに使用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
(A)底質(略号:BS):表2に示す粒度構成、含水率、強熱減量の海底浚渫土を使用した。環境庁告示第46号による底質からの有害成分(ふっ素、ほう素、砒素、鉛)の溶出量を表3に示す。
(B)ペーパースラッジ灰(略号:PS)
最大粒径が1.2mm以下のペーパースラッジ灰を使用した。環境庁告示第46号によるふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量を表3に示す。
(C)カルシウムアルミネート
CaO原料としてCaO含有量97質量%の生石灰(粉末試薬)、Al23原料としてバン土頁岩(Al23含有量88質量%、Fe23含有量1質量%)、Fe2O3原料としてヘマタイト(Al23含有量3質量%、Fe23含有量93質量%)を用い、表4に示す配合で混合し、電気炉を用いて1550±50℃で2時間加熱した。加熱後は、常温近傍まで炉内で自然冷却(徐冷)したクリンカと、1550℃前後から炉外に取り出し、直ちに冷却用圧搾空気を吹き付けて急冷したクリンカを得た。これらのクリンカについては、粉末エックス線回折によって生成結晶相の存在量を定量し、残部をガラス相とみなしてガラス相生成量を計算し、クリンカ総量との比(質量比)よりクリンカのガラス化率を算定した。この値を表4に示す。これらのクリンカをボールミルでブレーン比表面積5000±500cm2/gとなるように粉砕して用いた。
(D)硫酸アルミニウム14−18水和物(略号:ALS):関東化学社製 粉末試薬
(E)酸化カルシウム(略号:CAO):関東化学社製 粉末試薬
(F)リン酸二水素カリウム(略号:PK):関東化学社製 粉末試薬
(G)普通ポルトランドセメント(略号:OPC):太平洋セメント社製
(G)白色ポルトランドセメント(略号:WPC):太平洋セメント社製「ホワイトセメント」
表5に示す割合で上記使用材料を配合し、本発明の土工材料および比較品の土工材料を得た。
(溶出量の測定)
表5に示す土工材料1000gに水600gを加え、モルタルミキサーで3分間混合し、混合物を調整した。該混合物をビニール袋内に封入して20℃の温度で養生し、養生期間3、6、24時間経過後に、環境庁告示第46号に準じた方法でふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量を測定した。溶出量の測定結果を表7に示す。また、該混合物をビニール袋内に封入して20℃の温度で24時間養生した後、ビニール袋から該混合物を取り出して温度20℃、湿度60%の環境で保管し、1ヶ月経過後に環境庁告示第46号に準じた方法でふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量を測定した。溶出量の測定結果を表8に示す。
〔環境庁告示第46号に準じた溶出量測定方法〕
(1)所定期間養生後の試料を粗砕し、ふるい2mm通過分を採取混合する。
(2)容積1000mLのポリ容器に試料50gを計りとり、溶媒(純水1Lに0.5mol塩酸を加えてpH6.1に調整したもの)500gを加え、振とう機(振とう回数200回/分)で6時間振とうする。
(3)ポリ容器を30分静置した後、試料液の上澄みを孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過して検液とする。
(4)採取した検液の成分を表6に示す方法で測定する。
表7の結果より、本発明の土工材料は全て、養生期間が6時間以内でふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量が土壌環境基準(環境庁告示第46号)の規定値未満に抑制されていることが分かる。特に、本発明5,6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、21、22、23、24、25の土工材料は、ふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量が養生期間3時間で土壌環境基準の規定値未満に抑制されており、溶出抑制効果が短時間に発揮されることが分かる。一方、比較例として示した土工材料(比較品1〜11)は本発明の土工材料に比べ、溶出抑制効果が劣っていることが分かる。比較品11のペーパースラッジ灰を使用していない土工材料は、養生期間が24時間の場合にはふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量が土壌環境基準の規定値未満に抑制されているが、養生期間が6時間以下ではふっ素の溶出量が土壌環境基準の規定値を超過しており、十分な溶出抑制効果を発揮させるには、本発明の土工材料に比べて長い養生期間が必要である。
表7の結果より、結晶質のカルシウムアルミネート(CA−1)を使用した本発明の土工材料(本発明1)は、非晶質カルシウムアルミネート(CA−2)を使用して配合割合が同一の本発明の土工材料(本発明5)に比べてふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量が多くなっており、カルシウムアルミネートとしては非晶質のものが好ましいことが分かる。
表7の結果より、普通ポルトランドセメント(OPC)を使用した本発明の土工材料(本発明11)は、白色ポルトランドセメント(WPC)を使用して配合割合が同一の本発明の土工材料(本発明14)に比べてふっ素と鉛の溶出量が多くなっており、セメントとしては白色ポルトランドセメントが好ましいことが分かる。
表7の結果より、本発明の土工材料では、石灰の配合量を増やすと溶出抑制効果が向上することが分かる。また、本発明の土工材料では、リン酸塩の配合量を増やすと溶出抑制効果が向上し、養生時間が短くても溶出量を少なく抑えられることが分かる。
表8の結果より、実施例として示す本発明の土工材料(本発明品5、9、10、22、24,25)は、温度20℃、湿度60%の環境で1ヶ月間保管した後も、ふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量が土壌環境基準(環境庁告示第46号)の規定値未満に抑制されていることが分かる。一方、比較例として示した土工材料のうち比較品6、9は、ふっ素、ほう素、砒素、鉛の溶出量が土壌環境基準を超過しており、比較品10はふっ素の溶出量が土壌環境基準を超過していた。

Claims (7)

  1. (A)ふっ素、ほう素、砒素及び鉛から選ばれる1種以上の溶出量が土壌環境基準を超える底質、(B)ペーパースラッジ灰、(C)カルシウムアルミネート、(D)硫酸アルミニウム、(E)石灰、及び(F)アルカリ金属リン酸塩を含有する土工材料。
  2. (A)底質および(B)ペーパースラッジ灰の合計100質量部に対して(C)カルシウムアルミネート0.2〜2質量部、(D)硫酸アルミニウム0.1〜1質量部、(E)石灰0.05〜10質量部、(F)アルカリ金属リン酸塩0.01〜0.1質量部を含有する請求項1に記載の土工材料。
  3. (C)カルシウムアルミネートの主成分が非晶質の12CaO・7Al23である請求項1又は2記載の土工材料。
  4. (F)アルカリ金属リン酸塩が、リン酸カリウムである請求項1〜3のいずれかに記載の土工材料。
  5. さらに、セメントを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の土工材料。
  6. セメントが、白色ポルトランドセメントである請求項5に記載の土工材料。
  7. ふっ素、ほう素、砒素及び鉛の溶出量が土壌環境基準以下に抑制されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の土工材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017082092A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 デンカ株式会社 土壌舗装材料

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