〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、集合住宅における各戸の電子掲示板(以下、単に「掲示板」と称する)を管理する掲示板管理システム100を例に挙げて説明する。掲示板管理システム100は、集合住宅に関する情報を、その集合住宅を構成する住戸(以下、単に「戸」と称する)ごとに複数の端末装置で共有するための掲示板データを管理するものである。複数の端末装置には、戸ごとに配備される住宅情報盤41(戸別端末装置)および当該戸の住人が使用するスマートフォン43(他の端末装置)が含まれる。
(システム概要)
図2は、掲示板管理システム100の概要を示す図である。
掲示板管理システム100は、掲示板サーバ1、集合住宅共有部3、および集合住宅専有部4を含む。掲示板管理システム100は、必要に応じて、HEMSサーバ2(HEMS;Home Energy Management System、家庭内電力管理システム)を含んでいてもよい。これらは、それぞれが、インターネットおよび携帯電話網などの広域通信網5を介して互いに通信可能に接続されている。
掲示板サーバ1は、各戸の掲示板を管理して、各戸の住人に対して、情報共有サービスを提供する。具体的には、戸ごとに掲示板の掲示板データを記憶する記憶部を備え、集合住宅管理装置31または住宅情報盤41からの戸ごとの要求に応じて、各戸の掲示板データを処理する。本実施形態において、情報共有サービスとは、集合住宅における戸ごとの情報を、各戸の住人が所有する複数の端末装置によって共有できるようにすることである。集合住宅における戸ごとの情報は、例えば、後述する集合玄関機33を介して検出される来客の情報であってもよいし、後述する宅配ボックス34を介して検出される配達物の入出庫に関する情報であってもよい。
HEMSサーバ2は、集合住宅において電力を消費する機器、および集合住宅の各戸内において電力を消費する家電などに対する制御情報を生成して、HEMSコントローラ(図示せず)に送信する。HEMSコントローラは、HEMSサーバ2から受信した制御情報に従い、機器および家電の情報をHEMSサーバ2に送信したり、機器および家電への電力供給を開始(通電)したり、停止したりする機能を有する。
集合住宅共有部3は、集合住宅の共有設備として、共有のスペースに設置される各種機器を含む。集合住宅共有部3は、ネットワーク接続部30、集合住宅管理装置31、インターホン制御装置32(戸別イベント検出装置)、集合玄関機33、および宅配ボックス34を含む。
ネットワーク接続部30は、集合住宅管理装置31を広域通信網5に接続させて、集合住宅管理装置31が広域通信網5を介して外部の装置を通信することを可能にする。ネットワーク接続部30は、例えば、共有部の光回線終端装置(ONU;Optical Network Unit)および共有部のルータなどを含む。集合住宅管理装置31は、ルータと有線で接続されても無線で接続されてもよい。
集合住宅管理装置31は、集合住宅の各種設備を管理する。集合住宅管理装置31は、集合住宅ごとに設置される。集合住宅管理装置31は、集合住宅において発生したイベントに応じて、該集合住宅に係る情報を掲示板サーバ1に対して投稿する。集合住宅管理装置31は、インターホン制御装置32および住宅情報盤41などの他の機器の代理で情報に関連するメッセージを投稿する。具体的には、集合住宅管理装置31は、インターホン制御装置32および住宅情報盤41から集合住宅において発生したイベントに関する情報を取得し、取得した情報に基づいてメッセージを生成する。このメッセージは、住宅情報盤41から投稿されたメッセージとして生成され、集合住宅管理装置31から掲示板サーバ1に送信(投稿)される。
インターホン制御装置32は、各戸に設置されている住宅情報盤41を制御する。1つの集合住宅管理装置31には、1つのインターホン制御装置32が接続される。この構成を採用することにより、インターホン制御装置32に接続されている住宅情報盤41、集合玄関機33、宅配ボックス34は、1つの集合住宅管理装置31に対応付けられる。インターホン制御装置32は、集合住宅において発生したイベントに関する情報を、住宅情報盤41を介して戸内の住人に知らせる。
集合玄関機33は、集合住宅の玄関に設置されており、集合住宅の住人あるいは来客による各種操作を受け付ける共用機器である。例えば、集合玄関機33は、戸ごとに割り当てられた部屋番号の入力および呼出操作を受け付ける。呼出操作は、集合玄関機33が備える音声入力部を介した音声入力であってもよいし、住宅情報盤41から呼出音を発するように指示するボタンの押下であってもよい。
宅配ボックス34は、集合住宅の玄関に設置されているロッカー型の共用設備であり、収納ボックスを複数備えている。収納ボックスは、荷送り人から戸の住人宛てに配達される配達物を収納する。例えば、収納ボックスは、住人が認証番号を、入力したり宅配ボックス34に読み取らせたりすることによって、電子錠により開錠することが可能であり、住人が配達物を安全に回収できるようになっている。
集合住宅専有部4は、集合住宅を構成する各戸の専有設備として設置される各種機器および各戸の住人が所有する各種機器を含む。集合住宅専有部4は集合住宅の各戸に該当する。言い換えれば、1つの集合住宅には複数の集合住宅専有部4が所属する(図示せず)。集合住宅専有部4は、ネットワーク接続部40、住宅情報盤41(戸別端末装置)、玄関子機42、および住人が使用するスマートフォン43を含む。住宅情報盤41は各戸に配備されている。インターホン制御装置32は複数の住宅情報盤41と接続され、通信可能な状態で設置される。
ネットワーク接続部40は、住宅情報盤41およびスマートフォン43を広域通信網5に接続させて、住宅情報盤41が広域通信網5を介して外部の装置を通信することを可能にする。ネットワーク接続部40は、例えば、共有部の光回線終端装置(ONU;Optical Network Unit)および共有部のルータなどを含む。例えば、スマートフォン43は、ネットワーク接続部40のルータと無線で接続される。住宅情報盤41は、ルータと有線で接続されても無線で接続されてもよい。
住宅情報盤41は、いわゆるインターホン親機であり、インターホン制御装置32または玄関子機42から取得した情報を戸内の住人に知らせる。住宅情報盤41は、ある態様においては、戸内に配備される。
玄関子機42は、いわゆるインターホン子機であり、各戸の玄関に設けられ、住宅情報盤41と接続されている。玄関子機42は、各戸を訪問した人による所定の入力操作を受け付ける。玄関子機42は、所定の入力操作を受け付けた場合、住宅情報盤41にその旨を送信する。
スマートフォン43は、各戸の住人が使用する携帯端末である。スマートフォン43は、通信機能を有し、ネットワーク接続部40を介して広域通信網5に接続したり、直接広域通信網5に接続したりすることができる。なお、ここでは一例としてスマートフォン43を示したが、これに限定されない。例えば、スマートフォン43の代わりに、携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(例えば、ノート型PC)などであってもよい。スマートフォン43は、掲示板サーバ1が提供する掲示板を用いた情報共有サービスを利用する機能を備えている。当該機能は、例えば、掲示板アプリケーションをスマートフォン43にインストールすることによって実現される。掲示板アプリケーションとは、スマートフォン43が、掲示板サーバ1が戸ごとに管理する掲示板の掲示板データを、スマートフォン43が閲覧したり、スマートフォン43が投稿データを前記掲示板データに追加したりできるようにするためのアプリケーションプログラムである。
集合住宅管理装置31とインターホン制御装置32との間、インターホン制御装置32と集合玄関機33および宅配ボックス34との間、インターホン制御装置32と住宅情報盤41との間、および住宅情報盤41と玄関子機42との間は、それぞれ専用線で接続されている。専用線が用いられることにより、これらの装置間・設備間の情報伝達において広域通信網5に接続されることが無い。その結果、集合住宅管理装置31から住宅情報盤41への情報の通信経路において情報の漏えいが生じる危険性を低減し、情報を安全に伝達することができる。
(掲示板サーバ1の構成)
図1は、掲示板サーバ1および集合住宅管理装置31の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。ここでは、掲示板サーバ1の要部構成について説明する。集合住宅管理装置31の要部構成については後に説明する。
掲示板サーバ1は、制御部10、記憶部11、通信部12を備えている。
通信部12は、集合住宅管理装置31またはスマートフォン43との間におけるデータの送受信を行う。
記憶部11は、集合住宅情報データベース(以下、DB)50、および掲示板データDB51を格納している。掲示板サーバ1は、集合住宅情報DB50および掲示板データDB51に格納されている各種情報を参照または処理することにより、情報共有サービスを実現する。
制御部10は、掲示板サーバ1の各部を統括して制御する。制御部10は、機能ブロックとして、少なくとも関連付け部21を含む。関連付け部21は、掲示板データが戸ごとに安全に使用されるように、集合住宅情報DB50および掲示板データDB51に格納されている各種情報を処理する。関連付け部21の機能について、図3および図4に基づいて後述する。
(掲示板データの戸別管理)
関連付け部21は、戸ごとに配備される住宅情報盤41を集合住宅マスターアカウントID、戸別アカウントID、部屋番号などに関連付ける。関連付け部21は、さらに、コード生成部22によって生成されたセキュリティコード(使用開始用コード)を要求元の住宅情報盤41に関連付ける。ここで、セキュリティコードは、戸別の住宅情報盤41において、集合住宅に関する情報の共有を開始する場合に、住宅情報盤41を認証するためのコードである。
図3は、集合住宅情報DB50に含まれるテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図3の(a)に示すテーブルは、「集合住宅マスターアカウントID」、「パスワード」、「MC用アカウントID」、および「HEMSサーバ用アカウントID」の各項目の対応関係を規定している。これらの各項目に格納される情報は、関連付け部21によって処理される。
本実施形態では、1つの集合住宅には、1つの集合住宅管理装置31が設けられ、1つの集合住宅は、1つのHEMSサーバ2からHEMSに係るサービスを利用する。よって、図3の(a)に示すとおり、1つの「集合住宅マスターアカウントID」には、1つの「パスワード」、「MC用アカウントID」、および「HEMSサーバ用アカウントID」が関連付けられている。
「集合住宅マスターアカウントID」(例えば、「Master0001」など)および「パスワード」(例えば、「pass******」など)は、集合住宅毎に発行される。すなわち、集合住宅マスターアカウントIDは各集合住宅に個別に発行される識別情報であり、パスワードも、各集合住宅に個別に発行される。
「MC用アカウントID」(例えば、「MC0001」など)は、集合住宅管理装置31毎に発行される。すなわち、MC用アカウントIDは、各集合住宅管理装置31に個別に発行される識別情報である。MC用アカウントIDとともに各集合住宅管理装置31に個別のパスワード(図示せず)を発行してもよい。
「HEMSサーバ用アカウントID」(例えば、「HEMS0001」など)は、各集合住宅のHEMSサーバ2毎に発行される。すなわち、HEMSサーバ用アカウントIDは、各集合住宅のHEMSサーバ2に個別に発行される識別情報である。HEMSサーバ用アカウントIDとともに各HEMSサーバ2に個別のパスワード(図示せず)を発行してもよい。
図3の(b)に示すテーブルにおいて、「集合住宅マスターアカウントID」と「戸別アカウントID」とをキーにして、「セキュリティコード(使用開始用コード)」および「HTMLデータ」が格納される。このテーブルは、さらに、戸の識別情報として、「戸別アカウントID」とは別に、「部屋番号」を格納してもよい。
「部屋番号」は、集合住宅の集合住宅共有部3および集合住宅専有部4に含まれる各種装置において通用する戸の識別情報である。
「戸別アカウントID」(例えば、「room0101」など)は、部屋番号(例えば、「101」など)と同様、戸の識別情報である。
「HTMLデータ」は、戸ごとに配備されている住宅情報盤41のブラウザ機能を用いて、住宅情報盤41に表示されるウェブページのデータである。HTMLデータは、必要に応じて掲示板サーバ1によって作成され、図3の(b)に示すように、作成日時と共に戸別に格納されている。掲示板サーバ1は、集合住宅管理装置31からの問い合わせに応じて、集合住宅管理装置31から前回問い合わせがなされた日時よりも、作成日時が新しいHTMLデータのみを集合住宅管理装置31に提供する。これにより、住宅情報盤41にはまだ一度も送信されていないHTMLデータのみが送信されることになる。なお、ここではHTMLデータを用いる例について説明するがこれに限定されず、他の形式のデータを利用してもよい。
図4は、掲示板データDB51に含まれるテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4の(a)に示すテーブルにおいて、「集合住宅マスターアカウントID」と「戸別アカウントID」とをキーにして、「掲示板ID」、「掲示板データ」、および「認証用URL」が格納される。
「掲示板ID」(例えば、「board00010101」など)は、各戸に対応する掲示板に個別の識別情報である。
「掲示板データ」は、各戸ごとの掲示板のデータであり、掲示板に投稿された投稿データからなる。掲示板データのデータ構造は、図4の(d)に基づいて後述する。
「認証用URL」は、掲示板を使用することを希望する住人のスマートフォン43に読み取らせるウェブページのアドレスを示す。掲示板サーバ1は、当該認証用URLにアクセスしたスマートフォン43に対して、当該認証用URLが関連付けられている掲示板データの使用を許可することができる。認証用URLは、例えば、QRコード(登録商標)の形態で保存されたり、送信されたりする。
図4の(b)に示すテーブルT1は、掲示板データの使用が許可された、すなわち、掲示板サーバ1が承認した端末装置を、掲示板データごとに管理するものである。このテーブルT1において、「掲示板ID」に関連付けて、「端末装置ID」および「端末装置名」が格納されている。図4の(c)に示すテーブルT2は、「端末装置ID」に関連付けて、「アバターID」、「アバター名」、および「アバター画像」が格納されている。
「端末装置ID」(例えば、「intercom0000」、「mobile01」など)には、その掲示板を使用する権限がある端末装置として掲示板サーバ1が承認した端末装置の識別情報が格納される。図4の(b)に示す例では、住宅情報盤41の識別情報として「intercom0000」が予め設定されている。また、掲示板データの利用を承認されるスマートフォンの数は、住人1人につき複数であってもよい。例えば、「おとうさん」が2台のスマートフォンを所有している場合、これらの端末装置IDをそれぞれ「mobile01」と「mobile04」として承認する。
「アバター名」(例えば、「インターホンくん」、「おとうさん」など)には、掲示板において、投稿データの投稿主の名前として表示されるユーザの通称が格納される。アバター名は、ユーザが掲示板へメッセージなどを投稿するときに入力される。アバター名の入力は、アバター名の一覧をユーザに示し、その中から使用するアバター名をユーザに選択させる構成であってもよい。例えば、メッセージを投稿する毎に、所望のアバター画像を選択させてもよい。
「アバター画像」には、この投稿主を表すアイコン画像が格納される。アバター画像は、その画像を表示するためのURLとして保存されていても良い。掲示板にメッセージを投稿するユーザによってアバター画像が選択されると、このユーザによって投稿されるメッセージに「アバターID」(例えば、「avatar01」など)が関連付けられる。選択されたアバター名とアバター画像は、ユーザが投稿したメッセージと共に表示される。なお、メッセージを投稿したときに選択されたアバター画像のアバターIDは、このメッセージの投稿に用いられたスマートフォンの端末装置IDにも関連付けられてもよい。これにより、ユーザは、メッセージを掲示板に投稿する度にアバター画像を選択する必要が無い。1つのアバター画像に対して複数の端末装置が紐つけられることもあり得る。例えば、おとうさんが端末を2台所有しており、その両方のスマートフォンについて同じアバター画像を選択してもよい。
図4の(d)は、掲示板データのデータ構造の一例を示す図である。掲示板データは、投稿された投稿データの集合である。1つの投稿データは、一例として、「投稿データID」、「投稿日時」、「投稿主」、「メッセージ」、および「画像」の各カラムを有する。
「投稿データID」には、掲示板データにおいて、投稿データを一意に識別するための識別情報が格納される。「投稿日時」には、投稿データが掲示板データに追加された日時が格納される。「投稿主」には、投稿データの送信時に選択されたアバター名が格納される。「メッセージ」には、投稿データの内容を文字で表現したテキストデータが格納される。「画像」には、テキストデータとともに投稿データの内容として取り扱われる画像データが格納される。
なお、図3および図4に示すテーブルに含まれるいくつかのデータは、予め記憶部11に保存されていてもよい。この場合、掲示板サーバ1を管理する管理者は、前もって掲示板サーバ1にログインし、集合住宅情報DBおよび掲示板データDBへの設定作業を実施すればよい。予め保存されるデータは、集合住宅マスターアカウントID、パスワード、MC用アカウントID、HEMSサーバ用アカウントID、集合住宅の戸数分の戸別アカウントID、および掲示板IDを含む。MC用アカウントID、HEMSサーバ用アカウントID、集合住宅の戸数分の戸別アカウントID、および掲示板IDは、図3および図4に示すように、集合住宅マスターアカウントIDと関連付けて保存される。
上記の構成を備えることにより、掲示板サーバ1は、集合住宅管理装置31または住宅情報盤41から戸ごとの要求を受信した場合、その要求元の戸に配備されている住宅情報盤41に関連付けられている掲示板データを記憶部11から特定することができる。そして、掲示板データに対して、要求に応じた処理を戸ごとに実行することができる。
掲示板データは、集合住宅に関する情報を複数の端末装置で共有する掲示板のデータであり、戸ごとに用意され、戸ごとの要求に応じて処理される。掲示板管理システム100は、集合住宅に関する情報を複数の端末装置に共有させることを、戸ごとに行うことを可能とする。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図1、図5A、図5B、図9〜図12などに基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(掲示板サーバ1の構成)
図1を用いて、住宅情報盤41を戸別の掲示板に登録可能な掲示板サーバ1の要部構成を説明する。制御部10は、前述した構成に加え、機能ブロックとして、さらに、要求受信部20、コード生成部22、応答送信部23(送信部)、および照合部24を含む。
要求受信部20は、住宅情報盤41または集合住宅管理装置31から各種要求を受け付ける。例えば、要求受信部20は、住宅情報盤41から掲示板データの使用を開始するためのセキュリティコード(使用開始用コード)の発行要求を受信する。
コード生成部22は、各種コードを生成する。コードは、掲示板サーバ1が、掲示板を使用できる正規の端末装置を承認するために利用される。コード生成部22は、要求受信部20が受け付けた要求に応じてコードを生成する。例えば、住宅情報盤41から、掲示板データの使用を開始するためのセキュリティコードの発行要求を要求受信部20が受信した場合、コード生成部22は、要求元の住宅情報盤41用のセキュリティコードを生成する。セキュリティコードは、例えば、任意の桁数(例えば、4桁)の数字であってもよいし、アルファベットと数字と記号とが混ざった文字列などであってもよい。コード生成部22が生成したセキュリティコードは、関連付け部21によって、要求元の住宅情報盤41に関連付けて掲示板データDB51に記憶される(図3の(b))。
応答送信部23は、コード生成部22によって生成されたセキュリティコードを、集合住宅管理装置31に送信する。応答送信部23は、当該セキュリティコードの宛先が、前記要求元の住宅情報盤41であることを、併せて集合住宅管理装置31に通知する。このように、セキュリティコードは、掲示板サーバ1から直接住宅情報盤41に送信されず、集合住宅管理装置31を介して住宅情報盤41に提供される。集合住宅管理装置31が受信したセキュリティコードは、戸毎の住宅情報盤41に専用線によって送信される。この構成によれば、インターネットなどの広域通信網5を介する、掲示板サーバ1と集合住宅管理装置31との通信に対してのみセキュリティ対策を講じればよい。これにより、各戸の住宅情報盤41と掲示板サーバ1との間の通信のセキュリティ対策を講じる構成よりも効率的に安全性を担保することができ、セキュリティ対策のために必要な工数および費用なども削減することができる。なお、集合住宅管理装置31は集合住宅の管理人が常駐する管理人室などに設置される場合が多いため、外部者によって集合住宅管理装置31が不正に操作される可能性は低い。
照合部24は、承認対象の住宅情報盤41から受信したセキュリティコードと、記憶部11において、当該住宅情報盤41に関連付けられて記憶されているセキュリティコードとを照合する。照合部24は、これらのセキュリティコードが一致した場合に、前記住宅情報盤41に関連付けられている掲示板データを使用可能な住宅情報盤41として、その住宅情報盤41を承認する。
(集合住宅管理装置31の構成)
図1は、集合住宅管理装置31の要部構成を示す図である。集合住宅管理装置31は、制御部60、記憶部61、通信部62、専用線出力部63、および専用線入力部64を含む。記憶部61は、MC用アカウントID80、パスワード81、画像82を格納している。これらの情報は、パーソナルコンピュータなどが集合住宅管理装置31として設置される前に、当該パーソナルコンピュータの管理者などによって予め記憶部61に保存されている。通信部62は、掲示板サーバ1との間のデータ送受信を行うためのものである。専用線出力部63は、インターホン制御装置32へのデータ送信を行うためのものであり、例えば、RS232Cなどの通信規格、およびNTSC映像信号に準拠した信号としてインターホン制御装置32に送信される(図2参照)。専用線入力部64は、インターホン制御装置32からのデータ受信を行うためのものであり、例えば、RS232Cなどの通信規格、およびNTSC映像信号に準拠した信号としてインターホン制御装置32に送信される(図2参照)。
制御部60は、集合住宅管理装置31の各部を統括的に制御するものであり、機能ブロックとして、少なくとも、コード取得部70およびコード提供部71を含む。コード取得部70は、掲示板サーバ1からセキュリティコードを取得する。本実施形態では、コード取得部70は、定期的に、掲示板サーバ1に対して、掲示板サーバ1からプッシュ通知されるべきHTMLデータの有無を問い合わせる。掲示板サーバ1は、HTMLデータを作成した日時を保存している。集合住宅管理装置31は、HTMLデータの有無を掲示板サーバ1に問い合わせるとき、HTMLデータの取得に成功した最終日時を掲示板サーバ1に送信する。掲示板サーバ1では、作成した日時が、受信した最終日時より後であるHTMLデータに対するURLのリストを、この問い合わせに対する応答に含める。コード提供部71は、掲示板サーバ1から通知されたURLのリストに基づいて、新規HTMLデータを掲示板サーバ1から取得する。これにより、集合住宅管理装置31が同じHTMLデータを複数回取得する事を防ぐことができる。コード提供部71は、取得されたセキュリティコードを、専用線を介して、要求元の住宅情報盤41に提供する。本実施形態では、コード提供部71は、セキュリティコードを含むHTMLデータを画像に変換する。コード提供部71は、変換した画像を、専用線出力部63を介して、要求元の住宅情報盤41に送信する。
(住宅情報盤の登録処理の流れ)
戸別に配備されている住宅情報盤41を掲示板の使用者として承認および登録する処理について、図5Aおよび図5Bを用いて説明する。住宅情報盤41の画面表示例を示す図9〜図12を併せて参照する。なお、住宅情報盤41は表示部を備え、該表示部にはタッチパネルが重畳されているものとする。つまり、住宅情報盤41の表示部は住人によるタッチ操作を受け付けるユーザインターフェース(以下、UI)としても機能する。なお、図5Aおよび図5Bにおいて、セキュリティコードを単に「コード」と略記している。また、集合住宅マスターアカウントIDを単に「集合住宅ID」と略記している。
住宅情報盤41は、セキュリティコードの発行を指示する操作をユーザから受け付けた場合(S101にてYES)、セキュリティコードの発行要求処理(S102)を行う。セキュリティコードの発行要求処理とは、住宅情報盤41が、掲示板サーバ1に対してセキュリティコードの発行要求として、自機が配備されている戸を識別するための戸別アカウントIDと部屋番号とを送信することを含む。
前記セキュリティコードの発行を指示する操作について、図9および図10に基づいて説明すれば以下のとおりである。例えば、住宅情報盤41のメインメニュー画面には、図9に示すように、「呼出・モニター」、「HEMSサービス」、「お知らせ」、および「掲示板サービス」の各種ボタンが表示されている。「掲示板サービス」ボタンがタッチされ、このとき、住宅情報盤41が掲示板サーバ1において承認されていない場合、メインメニュー画面は、図10に示す画面に遷移する。
図10は、セキュリティコードの入力を受け付ける画面表示例である。図10には、セキュリティコードとして4桁の数字の入力を受け付ける例が示されている。ユーザは、セキュリティコードを把握していない場合、図10に示す画面において、「セキュリティコード発行」ボタンをタッチする。すなわち、前記セキュリティコードの発行を指示する操作は、「セキュリティコード発行」ボタンがタッチされることによりなされる。セキュリティコードの発行要求の送信後は、図9に示すメインメニュー画面に遷移する。なお、図10に示す画面には、タイトル部分に部屋番号(例えば、「101号室」)が表示されている。この部屋番号を示す情報は、セキュリティコード発行要求に含まれている。部屋番号を表示することにより、部屋番号の設定が正しいかどうかを、ユーザや設置作業者に確認させることができる。
次に、掲示板サーバ1の要求受信部20は、セキュリティコードの発行要求を受信し、戸別アカウントIDと部屋番号を照合する(S103)。戸別アカウントIDは、部屋番号を含む文字列であってよい(図4の(b)のテーブルT1参照)。要求受信部20は、受信した戸別アカウントIDに含まれる部屋番号と、セキュリティコードの発行要求の要求元の部屋番号とを照合し、両者が一致する場合のみ、そのセキュリティコード発行要求を受け付ける構成であってもよい。
セキュリティコードの発行要求に含まれる部屋番号は住宅情報盤41に設置工事時に予め設定される。集合玄関機33から部屋番号を指定して呼び出した場合に、正しい部屋の住宅情報盤41で通話が可能かどうかを確認することによって、その設定の適否が確認可能である。この設定の適否の確認作業は、一般的に、住宅情報盤41の設置工事後に各戸について実施される。しかし、この確認作業前に設定された戸別アカウントIDに誤った部屋番号が含まれていた場合、上記のような確認作業によってこの誤りに気付いて修正することは困難である。そこで、戸別アカウントIDに含まれる部屋番号と、セキュリティコード発行要求の要求元の部屋番号とを照合する構成を採用することにより、両者が異なっている場合は、セキュリティコード発行要求を受け付けないようにすることができる。それゆえ、ある部屋の住宅情報盤41から、異なる部屋の掲示板データを参照できてしまう虞を回避することができる。
コード生成部22は、前記受信された要求に応じてセキュリティコードを生成する(S104)。さらに、コード生成部22は、該セキュリティコードを表示させるためのHTMLデータを生成する。
関連付け部21は、コード生成部22によって生成されたセキュリティコードおよびそのHTMLデータを、要求元の住宅情報盤41から提供された集合住宅IDおよび戸別アカウントIDに関連付けて、掲示板データDB51に保存する(S105)(図3の(b)参照)。
集合住宅管理装置31のコード取得部70は、定期的(例えば、1分間に1回)に、まだ通知を受けていない新規のHTMLデータ(新規プッシュ通知)の有無を掲示板サーバ1に問い合わせている(S107)。コード取得部70は、問い合わせ主を掲示板サーバ1に知らせるため、および、自装置が正規のサービス利用者であることを証明するために、MC用アカウントIDおよびパスワードを掲示板サーバ1に送信する。
掲示板サーバ1は、集合住宅管理装置31からの問い合わせを受信した場合(S108にてYES)、プッシュ通知の有無、すなわち、新規のHTMLデータの有無を判定する(S109)。プッシュ通知すべき新規のHTMLデータが有る場合(S109にてYES)、掲示板サーバ1の応答送信部23は、そのHTMLデータのURLを問合せ元の集合住宅管理装置31に通知し、その後の集合住宅管理装置31からの要求に応じて、前記HTMLデータを集合住宅管理装置31に提供する(S110)。
集合住宅管理装置31のコード取得部70は、掲示板サーバ1から通知されたURLに基づき、前記HTMLデータを取得する(S111)。コード提供部71は、コード取得部70が取得したHTMLデータのブラウザ画面の画像を生成する(S112)。そして、生成した画像を、専用線出力部63から、インターホン制御装置32および専用線を介して、要求元の住宅情報盤41に送信する(S113)。
住宅情報盤41は、インターホン制御装置32から受信した画像を、表示部に表示する(S114)。S114における表示は、例えば、以下の操作にしたがって行われる。例えば、住宅情報盤41が新しく画像を受信すると、図9に示すメインメニュー画面において、「お知らせ」ボタンが強調表示される。強調表示とは、「星マーク」、「NEW」などの表示が加わったり、平時とは異なる色で表示されたりすることである。「お知らせ」ボタンがユーザによってタッチされると、図11に示すように、画像が表示される。図11は、住宅情報盤41がインターホン制御装置32から受信した画像を表示しているときの画面の一例を示す図である。図11に示す例では、画像に含まれているセキュリティコード(例えば、「1234」)が表示されている。これにより、ユーザは、セキュリティコードを把握することができる。ユーザは、再び、図10に示すセキュリティコードを入力するための画面を住宅情報盤41の表示部に表示させ、把握したセキュリティコードを入力する。
住宅情報盤41が、セキュリティコードを入力する操作を受け付けた場合、すなわち、図10に示す「完了」ボタンがタッチされた場合(S115にてYES)、住宅情報盤41は、コード認証要求処理を実行する。コード認証要求処理とは、住宅情報盤41が、掲示板サーバ1に対して、コード認証要求として、自機が配備されている戸を識別するための戸別アカウントIDと部屋番号とユーザによって入力された4ケタのセキュリティコードとを送信することを含む。
要求受信部20が、住宅情報盤41からのコード認証要求を受信すると(S117)、照合部24は、受信したセキュリティコードと、掲示板データDB51において、受信した戸別アカウントIDに関連付けて保存されているセキュリティコードとを照合する(S118)。
照合部24は、セキュリティコードが一致している場合(S119にてYES)、要求元の住宅情報盤41を、掲示板を使用可能な端末装置として承認する(S120)。そして、関連付け部21は、承認された住宅情報盤41の識別情報(例えば、端末装置ID)を掲示板IDに関連付けて記憶部11に記憶する(図4の(b))。住宅情報盤41の識別情報は、1つの戸の中で、掲示板データを共有する各端末装置を掲示板サーバ1が一意に識別できるものであれば何でもよい。前記識別情報は、掲示板サーバ1が独自に作成し、設定するものであってもよいし、MACアドレスなどであってもよい。あるいは、戸別アカウントIDをそのまま住宅情報盤41の識別情報として取り扱ってもよい。この場合、掲示板サーバ1は、図4の(a)に示すテーブルにおいて、掲示板IDに戸別アカウントIDが関連付けられていることに基づいて、その戸に配備されている住宅情報盤41が承認済みであるということを理解する。応答送信部23は、認証Cookieを住宅情報盤41に送信し、認証が成功したことを住宅情報盤41に通知する(S121)。
一方、照合の結果、セキュリティコードが一致していない場合(S119にてNO)、掲示板サーバ1は、要求元の住宅情報盤41を承認しない。この場合、S110に戻り、再度セキュリティコードの入力を受け付けてもよいし、あるいは、S103に戻り、再度セキュリティコードの発行からやり直してもよい。
住宅情報盤41が承認された後、住宅情報盤41は、自機が属する戸の掲示板データにアクセスし、情報共有に係るサービスを掲示板サーバ1から受けることが可能になる。例えば、S121以降において、図9に示すメインメニュー画面の「掲示板サービス」ボタンがタッチされたことに基づいて、住宅情報盤41は、ログイン要求処理を実行する(S122)。ログイン要求処理とは、住宅情報盤41が、掲示板サーバ1に対して、戸の掲示板データにアクセスすることの許可を求める処理であり、住宅情報盤41が、戸別アカウントIDと部屋番号と前記認証Cookieとを送信することを含む。
掲示板サーバ1の要求受信部20が、ログイン要求を受け付けると、照合部24は、認証Cookieに基づいて要求元の住宅情報盤41が正規の使用者であることを確認する。そして、応答送信部23は、当該住宅情報盤41が使用できる掲示板データを、提供された戸別アカウントIDに基づいて特定し、特定した掲示板データの掲示板IDを住宅情報盤41に返信する(S123)。これにより、住宅情報盤41は、取得した掲示板IDを用いて、必要に応じて掲示板サーバ1にアクセスし、自機が属している戸の掲示板に係るサービスを受けることが可能となる(S124)。
サービスの利用例を図12に基づいて説明すると、以下のとおりである。S124において、住宅情報盤41の表示部には、図12に示すような掲示板のメッセージ画面が表示される。図12は、掲示板に投稿された最新の投稿データを表示する画面の一例を示す図である。図12に示す例では、101号室の住宅情報盤41の表示部に、101号室の最新の投稿データが表示されている。図12に示すとおり、承認された端末装置である住宅情報盤41は、前記投稿データの投稿主「インターホンくん」として擬人化されて表示されている。アバターの画像と、投稿主名は、図4の(c)のテーブルT2における各項目「アバターID」、「アバター名」、および「アバター画像」に基づいて決定される。
上記の構成によれば、掲示板サーバ1は、住宅情報盤41に対して、その住宅情報盤41が配備されている戸の掲示板の使用を許可するための承認を行うに際し、必要な情報の提供を、集合住宅管理装置31を介して行う。
具体的には、掲示板サーバ1が、掲示板の使用を可能にするためのセキュリティコードの発行要求を受信すると、コード生成部22は、住宅情報盤41に専用のセキュリティコードを生成する。生成されたセキュリティコードは、関連付け部21によって、要求元の住宅情報盤41に関連付けられて、記憶部11に記憶される。一方、集合住宅管理装置31は、生成されたセキュリティコードを掲示板サーバ1から取得する。コード提供部71は、専用線を介して、このセキュリティコードを要求元の住宅情報盤41に提供する。
掲示板サーバ1は、セキュリティコードの要求元の身元を、予め記憶部11に記憶されている掲示板データおよびそれに関連付けられている住宅情報盤41に基づいて知ることができる。また、集合住宅管理装置31は、セキュリティコードの提供先を、例えば、要求を直接受け付けた掲示板サーバ1から通知してもらうことにより知ることができる。
セキュリティコードを電子メールや郵便などによって住人に送信する場合、住人に対して、予め個人情報(メールアドレス、氏名、住所、電話番号など)の掲示板サーバへの登録を要求する必要がある。しかし、例えば、集合住宅管理装置31がプッシュ通知機能を備える構成である場合には、セキュリティコードの提供先である部屋の住宅情報盤41にセキュリティコードを表示させてその部屋の住人にセキュリティコードを通知することができる。
したがって、住宅情報盤41は、掲示板の使用を開始するに際し、個人情報(メールアドレス、氏名、住所、電話番号など)を、掲示板サーバ1に対して提供する必要がない。個人情報を掲示板サーバ1に登録することに抵抗があるユーザにとって、個人情報の登録が必要であることは、掲示板の利用開始の障壁となり得る。しかし、掲示板管理システム100によれば、個人情報の登録が不要であるので、このような障壁はない。また、セキュリティコードは、集合住宅管理装置31を介して専用線を用いて住宅情報盤41に安全に提供される。したがって、戸外のスマートフォン43に対してセキュリティコードが誤って提供されることがない。また、集合住宅管理装置31と住宅情報盤41との間の通信は、インターネットなどの広域通信網5を経由しないため、その通信経路においてセキュリティコードが第3者に盗み見られる虞がない。
このように、戸ごとに共有される掲示板は、安全かつ簡易なやりとりで使用可能となる掲示板である。こうして、戸の住人であれば誰でも気軽に利用できる掲示板管理システム100を実現することが可能となる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図1、図6A、図6B、および図13〜図15などに基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(掲示板サーバ1の構成)
本実施形態に係る掲示板サーバ1の要求受信部20は、さらに、承認済みの住宅情報盤41から、住人のスマートフォン43を招待するための招待用コード発行要求を受信する。
コード生成部22は、招待用コードの発行要求に応じて、招待用コードを生成する。招待用コードは、掲示板の使用を許可する住人のスマートフォン43を承認するために用いられるコードである。
関連付け部21は、コード生成部22によって生成された招待用コードを、要求元の住宅情報盤41に関連付けられている掲示板データに関連付ける。
応答送信部23は、コード生成部22によって生成された招待用コードを住宅情報盤41に送信する。招待用コードは、スマートフォン43を住宅情報盤41から所定の距離に近づけることによって、そのスマートフォン43が招待用コードを取得可能な形態で提供される。具体的には、招待用コードは、住宅情報盤41の表示部に画像として表示されるQRコードである。所定の距離とは、戸外にいる他人が住宅情報盤41に自分の端末装置を近づけられる距離よりも短い距離であって、戸内にいる住人であれば自分の端末装置を近づけられる程度の短い距離である。より具体的には、所定の距離は、スマートフォン43が、住宅情報盤41に表示されているQRコードを読み取り可能な程度に明瞭に撮影できる距離である。
照合部24は、スマートフォン43から送信された招待用コードと一致する招待用コードが関連付けられた掲示板データが記憶部11にある場合に、コード送信元のスマートフォン43を、その掲示板データを使用可能なスマートフォン43として承認する。
(スマートフォン登録処理の流れ)
次に、スマートフォン43を掲示板に招待する処理について、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。住宅情報盤41の画面表示例を示す図12〜図14を併せて参照する。
住宅情報盤41は、招待用コードの発行を指示する操作を受け付けた場合(S201にてYES)、招待用コード発行要求処理(S202)を行う。招待用コード発行要求処理とは、住宅情報盤41が、掲示板サーバ1に対して招待用コードの発行要求を送信することを含む。招待用コードの発行要求には、住宅情報盤41が認証されたときに提供された認証Cookieと、住宅情報盤41が掲示板サーバ1によってログインが許可されたときに提供された掲示板IDとが含まれている。
前記招待用コードの発行を指示する操作は、例えば、図13に示す画面例における「スマートフォンの登録」ボタンをユーザがタッチすることによりなされる。なお、図13の画面は、例えば、図12に示す住宅情報盤41の画面例において、歯車のアイコンがタッチされることにより、表示される。
次に、掲示板サーバ1の要求受信部20は、招待用コード発行要求を受信する(S203)。コード生成部22は、前記受信された要求に応じて、招待用コードを生成する。本実施形態では、招待用コードとして、認証用URLを含むQRコードを生成する(S204)。
関連付け部21は、コード生成部22によって生成されたQRコードに含まれる認証用URLを、掲示板IDに関連付けて、掲示板データDB51に保存する(S205)(図4の(a)参照)。
応答送信部23は、コード生成部22によって生成されたQRコードを要求元である住宅情報盤41に送信する(S206)。
住宅情報盤41は、受信したQRコードを表示する(S207)。住宅情報盤41においてQRコードが表示されている画面例を、図14に示す。このように、QRコードが住宅情報盤41の表示部に表示されることにより、その戸の住人であるユーザは、自身のスマートフォン43で前記QRコードを撮影することができる。
次に、住宅情報盤41に表示されたQRコードが、スマートフォン43のカメラによって撮影されると(S208)、スマートフォン43は、QRコードに含まれている認証用URLを取得する(S209)。スマートフォン43は、取得した認証用URLにアクセスする(S210)。
認証用URLにスマートフォン43がアクセスすると、掲示板サーバ1は、アクセスされた認証用URLに基づいて掲示板IDを特定し(S211)、この掲示板IDの掲示板データを利用するための認証Cookieを、アクセス元のスマートフォン43に対して発行する(S212)。
次に、認証Cookieを受信したスマートフォン43は、ログイン要求処理を行う(S213)。ログイン要求処理は、スマートフォン43が掲示板サーバ1に対して、前記認証Cookieおよびスマートフォン43の識別情報(以下、端末装置ID)を送信することを含む。
掲示板サーバ1は、受信した認証Cookieに基づいて、要求元のスマートフォン43を承認し、関連付け部21は、このスマートフォン43の端末装置IDを掲示板IDに関連付けて登録する(S214)(図4の(b)参照)。
掲示板サーバ1は、前記掲示板IDに基づいて、前記スマートフォン43が利用する掲示板データを特定し、サービスを提供する(S215)。スマートフォン43は、提供される掲示板データのサービスを利用する(S216)。
招待用コードは、戸の住人が所有するスマートフォン43に対して安全に提供される必要がある。上記のような構成によれば、住宅情報盤41とスマートフォン43とが所定の距離でやりとりすることによって、スマートフォン43に対して、招待用コードが安全に提供される。ここで、所定の距離とは、戸外にいる他人が住宅情報盤41に自分のスマートフォン43を近づけられる最も短い距離未満の距離であり、戸内にいる住人であれば近づけられる程度の短い距離である。このような構成を備えることにより、掲示板への正規参加者の管理は、戸ごとに配備されている住宅情報盤41の操作によって可能となる。したがって、戸の住人もしくは、住人から掲示板への参加を許可された者以外のスマートフォン43が他の住人が利用する掲示板へ不正に参加することを防ぐことができる。
(スマートフォン削除処理の流れ)
住宅情報盤41は、自機が属している戸の掲示板を使用可能として承認されているスマートフォン43の削除要求処理を行ってもよい。要求受信部20が、承認済みの住宅情報盤41から、承認済みのスマートフォン43の削除要求を受信した場合、関連付け部21は、該住宅情報盤41に関連付けられた掲示板データに関連付けられている承認済みのスマートフォン43のうち、指定されたスマートフォン43の関連付けを削除する。具体的には、関連付け部21は、図4の(b)に示すテーブルT1および図4の(c)に示すテーブルT2から、指定されたスマートフォン43のレコードを削除する。
住宅情報盤41に対するユーザの削除操作について、図13に基づいて説明すると以下のとおりである。例えば、図13に示す画面において、「スマートフォンの削除」ボタンがタッチされると、住宅情報盤41は、図15に示す画面を表示する。図15に示す画面には、現在、掲示板を使用可能であるとして承認されているすべてのスマートフォン43の端末装置名(例えば、「おとうさんのスマートフォン」および「おかあさんのスマートフォン」)が表示されている。それぞれのボタンには対応する端末装置IDが対応付けられている。なお、端末装置名に加えて各端末装置の端末装置IDを表示する構成であってもよい。これにより、例えば、おとうさんのスマートフォンが複数ある場合、どのスマートフォンを残して、どのスマートフォンを削除するのかをユーザに選択させることができる。
例えば、「おかあさんのスマートフォン」ボタンがタッチされた場合、住宅情報盤41は、掲示板サーバ1に削除要求を送信する。削除要求は、認証Cookieと、掲示板IDと、ボタンに対応付けられた端末装置IDとを含む。掲示板サーバ1の関連付け部21は、前記削除要求に含まれている認証Cookieに基づいて、要求元の住宅情報盤41を承認し、掲示板IDに関連付けられているスマートフォン43の関連付けを削除する。具体的には、端末名が「おかあさんのスマートフォン」のレコードが、図4の(b)に示すテーブルT1および図4の(c)に示すテーブルT2から削除される。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図1、図7〜図8、および図16〜図18などに基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態では、集合住宅において、来客、宅配ボックスの入出庫などのイベントが発生した場合、各イベントの対象となる戸ごとに関連付けられた複数の端末装置でイベントに関する情報を共有する。
インターホン制御装置32は、住宅情報盤41、集合玄関機33、宅配ボックス34において、来客、着荷(入庫)、取出し(出庫)などのイベントが発生した場合、各イベントの対象となる部屋番号と共に、各イベントを検知可能である。インターホン制御装置32は、イベントを検知すると、集合住宅管理装置31にこのイベントの内容を示す情報を部屋番号とともに送信(転送)する。
(集合住宅管理装置31の構成)
集合住宅管理装置31の制御部60は、さらに、情報取得部72、データ生成部73、およびデータ投稿部74(データ送信部)を含む。
情報取得部72は、各戸において発生するイベントを検出するインターホン制御装置32から、各イベントが発生した戸の識別情報、および、発生したイベントの情報を取得する。
データ生成部73は、取得した情報に基づいて、掲示板データに投稿するための投稿データを生成する。
データ投稿部74は、生成された投稿データを、掲示板サーバ1に送信することにより、最新記事の投稿を行う。具体的には、データ投稿部74は、生成された前記投稿データに、前記イベントが発生した戸に配備されている住宅情報盤41の識別情報(または戸別アカウントID)を紐付けて、該投稿データを掲示板サーバ1に送信する。本実施形態では、掲示板サーバ1では、集合住宅管理装置31からの投稿は、投稿主が前記住宅情報盤41であるかのような態様で、投稿データを生成し、保存する。
集合住宅管理装置31は、インターホン制御装置32から受信したイベントの内容を示す情報を解析して、対応するメッセージを含む投稿データを生成して掲示板に投稿する。投稿データを投稿する前に、集合住宅管理装置31は掲示板サーバ1にログインする必要がある。このログインのときに入力されるパラメータには、MC用アカウントIDが指定されてもよい。掲示板サーバ1にログインした集合住宅管理装置31に対して認証Cookieが発行される。
掲示板へ投稿データを送信する際には、このログイン時に発行された認証Cookieと、各イベントに対応する部屋番号とが一緒に送信される。それゆえ、掲示板サーバ1は、MC用アカウントIDと部屋番号とを特定することができる。図3に示すように、掲示板サーバ1の記憶部11に格納されているデータベース(すなわち、集合住宅情報DB50および掲示板データDB51)には、MC用アカウントIDが集合住宅マスターアカウントIDに関連付けられており、部屋番号および掲示板IDも集合住宅マスターアカウントIDに関連付けられている。それゆえ、掲示板サーバ1は、投稿データの投稿先の掲示板を判別できる。
(掲示板サーバ1の構成)
本実施形態に係る掲示板サーバ1の制御部10は、さらに、データ更新部25を含む(図1参照)。データ更新部25は、受信した投稿データに紐付けられている住宅情報盤41に関連付けられている掲示板データに、該投稿データを追加する。
(来客時の投稿処理の流れ)
図7は、掲示板管理システムの各装置が実行する、来客に関する情報を掲示板に投稿する処理の一例を示すシーケンス図である。
集合玄関機33が、来客による部屋番号の入力および呼出操作を受け付けると(S301)、集合玄関機33から専用線(例えば、図2のFCPEV)を介してインターホン制御装置32に呼出開始要求が送信される。この呼出開始要求には、入力された部屋番号が含まれている。インターホン制御装置32は、専用線(例えば、図2のFCPEV)を介して、入力された部屋番号の戸内に配設された住宅情報盤41に呼出要求を転送する。
集合玄関機33は、来客を撮影したカメラ映像の映像データ、来客が発する音声を録音した音声データなどを取得する。集合玄関機33は、取得した映像データ、音声データなどをインターホン制御装置32に送信する。集合玄関機33から送信されるデータには、入力された部屋番号が含まれている。
インターホン制御装置32は、受信した映像データおよび音声データを、専用線を介して、入力された部屋番号の戸内に配備された住宅情報盤41に転送する。また、インターホン制御装置32は、受信した映像データおよび音声データ、および入力された部屋番号を集合住宅管理装置31に送信する。
映像データおよび音声データを受信した住宅情報盤41は、来客時処理を行う(S302)。来客時処理は、戸内の住人に来客からの呼出要求があることを通知するための処理であり、住宅情報盤41から呼出音を発したり、受信した映像データを表示したり、音声データを再生したり、映像データや音声データを集合玄関機に送信したりすることを含む。
一方、映像データおよび音声データを受信した集合住宅管理装置31の情報取得部72は、映像を静止画としてキャプチャする(S303)。データ生成部73は、メッセージの文章(例えば、「来客がありました」など)に、静止画を添付した投稿データを生成する(S304)。データ投稿部74は、データ生成部73によって生成された投稿データを掲示板サーバ1に送信する(S305)。
例えば、来客者が誤った部屋番号を集合玄関機33へ入力して呼出操作を行った場合、大抵、来客者は入力した部屋番号の誤りに気付き、呼び出しを停止する。このような場合の呼出要求は一定期間未満でキャンセルされる。そこで、呼出要求が一定期間(例えば、2秒間)継続しなかった場合には、データ投稿部74が投稿データを掲示板サーバ1に送信しないように構成してもよい。このような構成を採用すれば、入力する部屋番号を間違えた来客などに関する投稿データの送信を省略することができる。
次に、掲示板サーバ1は、集合住宅管理装置31から、投稿データと共に、集合住宅管理装置31に対して発行された認証Cookie、呼出要求に含まれる部屋番号を受信する。掲示板サーバ1は、認証Cookieに基づいて特定されたMC用アカウントIDに対応する集合住宅マスターアカウントIDを特定する(S306)。
掲示板サーバ1は、集合住宅マスターアカウントID、および部屋番号に関連付けられている掲示板データを特定する(S307)。
掲示板サーバ1のデータ更新部25は、特定された掲示板データに、S305にて送信された投稿データを追加して、この掲示板データを更新する(S308)。例えば、更新後の掲示板にアクセスしたスマートフォン43に表示されるタイムライン表示の一例を図16に示す。図16に示す例では、来客からの呼出要求があったことを示すメッセージ「来客がありました。」と、静止画とが「インターホンくん」から投稿されている。図16に示す投稿記事は、図示のとおり、承認されている住人のスマートフォン43から閲覧することができる。加えて、承認されている住宅情報盤41の表示部からも閲覧することができる(図12参照)。投稿データには画像が含まれなくてもよい。また、来客があるにも関わらず、装置の故障などが原因で、集合玄関機33にて撮影ができなかった場合、または、集合住宅管理装置31において映像を静止画としてキャプチャすることができなかった場合には、データ生成部73は、来客からの呼出要求があったことを示すメッセージ「来訪者の撮影に失敗しました」のみを含む投稿データを作成してもよい。
このように構成すれば、集合住宅において発生するイベント、とりわけ、戸を訪問した来客に関する情報を、住人が所有するスマートフォン43に共有させることを、戸ごとに行うことが可能となる。
(入出庫時の投稿処理の流れ)
図8は、掲示板管理システムの各装置が実行する、配達物の入出庫に関する情報を掲示板に投稿する処理の一例を示すシーケンス図である。
宅配ボックス34が、例えば宅配業者による部屋番号の入力および入出庫操作を受け付けると(S401)、宅配ボックス34から専用線(例えば、図2のRS422)を介してインターホン制御装置32にボックス情報が送信される。このボックス情報には、入力された部屋番号および入出庫種別が含まれている。入出庫種別は、宅配ボックス34に対して行われた操作が、配達物の入庫であるのか、出庫であるのかを示す情報である。インターホン制御装置32は、専用線(例えば、図2のFCPEV)を介して、入力された部屋番号の戸内に配備された住宅情報盤41にボックス情報を転送する。また、インターホン制御装置32は、受信したボックス情報に基づくボックスイベント通知を集合住宅管理装置31に送信する。
ボックス情報を受信した住宅情報盤41は、入出庫時処理を行う(S402)。入出庫時処理は、戸内の住人に宅配ボックスにおいて生じたイベントを通知するための処理であり、住宅情報盤41から呼出音を発したり、宅配ボックスに荷物が入庫または出庫されたことを意味する表示を開始したりすることを含む。
集合住宅管理装置31の情報取得部72が、ボックスイベント情報を受信すると、データ生成部73は、受信されたボックスイベント情報に含まれている入出庫種別に応じた投稿データを生成する(S403)。例えば、データ生成部73は、入出庫種別が、「入庫」を示している場合には、当該戸宛ての配達物が宅配ボックス34に入庫されたことを通知するメッセージを含む投稿データを生成する。反対に、入出庫種別が、「出庫」を示している場合には、当該戸宛ての配達物が宅配ボックス34から出庫されたことを通知するメッセージを含む投稿データを生成する。データ投稿部74は、生成された投稿データを掲示板サーバ1に送信する(S404)。データ投稿部74は、投稿データを、認証Cookieと部屋番号と共に、掲示板サーバ1に送信する。
次に、掲示板サーバ1は、集合住宅管理装置31から、投稿データと共に、集合住宅管理装置31に対して発行された認証Cookie、ボックスイベント通知に含まれる部屋番号を受信する。掲示板サーバ1は、認証Cookieに基づいて特定されたMC用アカウントIDに対応する集合住宅マスターアカウントIDを特定する(S405)。
掲示板サーバ1は、集合住宅マスターアカウントID、および部屋番号に関連付けられている掲示板データを特定する(S406)。
掲示板サーバ1のデータ更新部25は、特定された掲示板データに投稿データを追加して、この掲示板データを更新する(S407)。例えば、更新後の掲示板にアクセスしたスマートフォン43に表示される投稿データの表示画面の一例を図17および図18に示す。図17に示す例では、宅配ボックス34に荷物が届いていることを示すメッセージ「荷物が届いています。」を含む投稿データが「インターホンくん」からの投稿として表示されている。
なお、「インターホンくん」の投稿の下に、「受け取り」ボタンが設けられてもよい。宅配ボックス34から荷物を取り出した住人が自分の所有するスマートフォン43の画面において「受け取り」ボタンがタッチされた場合、このスマートフォン43が自端末で投稿用に選択されているアバターIDを掲示板サーバ1に送信して、サーバ1にてアバターIDに対応するアバター名をDBから取得して、例えば「おとうさんが受け取りました。」というメッセージを自動生成し、当該メッセージを含む投稿データを、掲示板サーバ1に送信(投稿)するように構成されていてもよい。また、アバター名の代わりに端末装置名を表示してもよい。
図18に示す例では、宅配ボックス34から荷物が取り出されたことを示すメッセージ「荷物が取り出されました。」を含む投稿データが「インターホンくん」からの投稿として表示されている。
このような構成を採用すれば、集合住宅において発生するイベント、とりわけ、戸宛ての配送物の入出庫に関する情報を、住人が所有するスマートフォン43および住宅情報盤41にて共有することを、戸ごとに行うことが可能となる。
〔変形例〕
掲示板サーバ1は、住人のスマートフォン43から以下のようなメッセージを含む投稿データを受け付けてもよい。つまり、掲示板サーバ1が提供する掲示板は、集合住宅で管理されているイベントと連携して、家族のコミュニケーションツールとしても機能し得る。
例えば、図16〜図18に示すような「インターホンくん」によって投稿されたメッセージは、掲示板を利用する住人による新たなメッセージ投稿の契機となり得る。
具体例を挙げれば、住人が来客の画像を掲示板で確認したこと(図16参照)を契機として、各住人は、自身のスマートフォン43を用いて掲示板サーバ1に対して以下のようなメッセージを含む投稿データを投稿する。
おねえちゃん:「誰?これ?」
おかあさん:「ああ、昨日頼んだ宅配の荷物。もう届いたのね。」
あるいは、例えば、住人が宅配ボックスに荷物が届いたことを掲示板で確認したこと(図17参照)を契機として、各住人は、自身のスマートフォン43を用いて掲示板サーバ1に対して、以下のようなメッセージを含む投稿データを投稿する。
おねえちゃん:「あ、私が頼んだやつかも!」
おにいちゃん:「僕が受け取っておいたよ。でもこれお父さん宛ての荷物だよ。」
おねえちゃん:「そっか、ありがと」
おかあさん:「また、お父さん?今度は何を買ったの?」
実施形態4において、集合住宅管理装置31は、集合玄関機33から戸宛ての呼出があった場合に、必ず、来客に係る投稿データを投稿する構成であってもよい。あるいは、集合住宅管理装置31は、集合玄関機33から戸宛ての呼出があって、戸内の住宅情報盤41から応答しなかった場合に限り、来客に係る投稿データを投稿する構成であってもよい。
実施形態2において、コード生成部22は、生成するセキュリティコードに有効期限を設けることが好ましい。関連付け部21は、有効期限を過ぎたセキュリティコードを図3の(b)に示すテーブルから削除する。これにより、照合部24は、住宅情報盤41の承認をより安全に実行することができる。
実施形態3において、コード生成部22は、生成するQRコードに有効期限を設けることが好ましい。関連付け部21は、有効期限を過ぎたQRコードに含まれている認証用URLを図4の(a)に示すテーブルから削除する。これにより、照合部24は、スマートフォン43の承認をより安全に実行することができる。
〔実施形態5〕
上記各実施形態では、1つの掲示板サーバ1を用いる例を説明したが、掲示板サーバ1の有する各機能が、個別のサーバにて実現されていてもよい。そして、複数のサーバを適用する場合においては、各サーバは、同じ事業者によって管理されていてもよいし、異なる事業者によって管理されていてもよい。
〔実施形態6〕
集合住宅管理装置31および掲示板サーバ1の各ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、集合住宅管理装置31および掲示板サーバ1のそれぞれを、図19に示すようなコンピュータ(電子計算機)を用いて構成することができる。
図19は、集合住宅管理装置31または掲示板サーバ1として利用可能なコンピュータ910の構成を例示したブロック図である。コンピュータ910は、バス911を介して互いに接続された演算装置912と、主記憶装置913と、補助記憶装置914と、入出力インターフェース915と、通信インターフェース916とを備えている。演算装置912、主記憶装置913、および補助記憶装置914は、それぞれ、例えばCPU、RAM(random access memory)、ハードディスクドライブであってもよい。入出力インターフェース915には、ユーザがコンピュータ910に各種情報を入力するための入力装置920、および、コンピュータ910がユーザに各種情報を出力するための出力装置930が接続される。入力装置920および出力装置930は、コンピュータ910に内蔵されたものであってもよいし、コンピュータ910に接続された(外付けされた)ものであってもよい。例えば、入力装置920は、キーボード、マウス、タッチセンサなどであってもよく、出力装置930は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなどであってもよい。また、タッチセンサとディスプレイとが一体化されたタッチパネルのような、入力装置920および出力装置930の双方の機能を有する装置を適用してもよい。そして、通信インターフェース916は、コンピュータ910が外部の装置と通信するためのインターフェースである。
補助記憶装置914には、コンピュータ910を集合住宅管理装置31または掲示板サーバ1として動作させるための各種のプログラムが格納されている。そして、演算装置912は、補助記憶装置914に格納された上記プログラムを主記憶装置913上に展開して該プログラムに含まれる命令を実行することによって、コンピュータ910を、集合住宅管理装置31または掲示板サーバ1が備える各部として機能させる。なお、補助記憶装置914が備える、プログラム等の情報を記録する記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」であればよく、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などであってもよい。
また、上記プログラムは、コンピュータ910の外部から取得してもよく、この場合、任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して取得してもよい。そして、本発明の一実施形態は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る掲示板管理システム100は、集合住宅に関する情報を、戸ごとに複数の端末装置(住宅情報盤41、スマートフォン43)で共有する掲示板を管理する掲示板管理システムであって、前記掲示板管理システムは、以下を含む;掲示板サーバ1、および、前記集合住宅を管理する集合住宅管理装置31。前記掲示板サーバは、以下を含む;前記集合住宅を構成する戸ごとに前記掲示板の掲示板データを記憶する記憶部11、および、戸ごとに配備される端末装置である、少なくとも1つの戸別端末装置(住宅情報盤41)を、前記掲示板データに関連付ける関連付け部21。前記掲示板サーバは、前記集合住宅管理装置または前記戸別端末装置からの戸ごとの要求に応じて、各戸の掲示板データを処理する。
上記の構成によれば、掲示板サーバは、記憶部において、集合住宅管理装置が管理する集合住宅を構成する戸ごとに、掲示板の掲示板データを保持している。そして、掲示板サーバの関連付け部は、複数の端末装置のうち、戸ごとに少なくとも1つ配備される戸別端末装置を、前記掲示板データに関連付ける。
これにより、掲示板サーバは、前記集合住宅管理装置または前記戸別端末装置から戸ごとの要求を受信した場合、当該要求元の戸に配備されている戸別端末装置に関連付けられている掲示板データを記憶部から特定することができる。そして、当該掲示板データに対して、要求に応じた処理を実行することができる。上述のとおり、掲示板データは、集合住宅に関する情報を複数の端末装置で共有する掲示板のデータであり、戸ごとに用意され、戸ごとの要求に応じて処理される。以上のとおり、掲示板管理システムは、集合住宅に関する情報を複数の端末装置に共有させることを、戸ごとに行うことが可能となる。
本発明の態様2に係る掲示板管理システムは、上記態様1において、前記掲示板サーバは、以下を含む;前記掲示板サーバが、前記戸別端末装置から、前記掲示板の使用を可能にするための使用開始用コード(セキュリティコード)の発行要求を受信した場合に、前記戸別端末装置の使用開始用コードを生成するコード生成部22。前記関連付け部は、さらに、生成された前記使用開始用コードを要求元の前記戸別端末装置に関連付ける。前記集合住宅管理装置は、以下を含む;前記掲示板サーバから取得した前記使用開始用コードを、専用線を介して、要求元の前記戸別端末装置に提供するコード提供部71。前記掲示板サーバは、以下をさらに含む;前記戸別端末装置から受信した使用開始用コードと、該戸別端末装置に関連付けられている使用開始用コードとが一致した場合に、該戸別端末装置に関連付けられている掲示板データを使用可能な端末装置として、該戸別端末装置を承認する照合部24。
上記の構成によれば、掲示板サーバは、戸別端末装置に対して、該戸別端末装置が配備されている戸の掲示板の使用を許可するための承認を行うに際し、必要な情報の提供を、集合住宅管理装置を介して行う。具体的には、掲示板サーバが、掲示板の使用を可能にするための使用開始用コードの発行要求を受信すると、コード生成部は、前記戸別端末装置専用の使用開始用コードを生成する。生成された使用開始用コードは、関連付け部によって、要求元の前記戸別端末装置に関連付けられて、記憶部に記憶される。一方、集合住宅管理装置は、生成された使用開始用コードを掲示板サーバから取得する。コード提供部71は、専用線を介して、前記使用開始用コードを要求元の戸別端末装置に提供する。
掲示板サーバは、使用開始用コードの要求元の身元を、予め記憶部に記憶されている掲示板データおよびそれに関連付けられている戸別端末装置に基づいて知ることができる。また、集合住宅管理装置は、使用開始用コードの提供先を、例えば、要求を直接受け付けた掲示板サーバから通知してもらうことにより知ることができる。したがって、戸別端末装置は、掲示板の使用を開始するに際し、個人情報(メールアドレス、氏名、住所、電話番号など)を、掲示板サーバに対して提供する必要がない。個人情報を掲示板サーバに登録することに抵抗があるユーザにとって、個人情報の登録が必要であることは、掲示板の利用開始の障壁となり得る。しかし、上記掲示板管理システムによれば、個人情報の登録が不要であるので、当該障壁はなくなる。また、使用開始用コードは、集合住宅管理装置を介して専用線を用いて戸別端末装置に安全に提供される。したがって、戸外の端末装置に対して使用開始用コードが誤って提供されることがなく、掲示板サーバから集合住宅管理装置への送信時に使用開始用コードが盗み見される可能性も低い。以上のとおり、戸ごとに共有される掲示板は、安全かつ簡易なやりとりで使用可能となる。こうして、戸の住人であれば誰でも気軽に利用できる掲示板管理システムを実現することが可能となる。
本発明の態様3に係る掲示板管理システムは、上記態様2において、前記コード生成部は、さらに、前記掲示板サーバが、承認された前記戸別端末装置から、他の端末装置(スマートフォン43)を前記掲示板データに招待するための招待用コード(QRコード(登録商標))の発行要求を受信した場合に、前記掲示板データの招待用コードを生成する。前記関連付け部は、さらに、生成された前記招待用コードを、要求元の戸別端末装置に関連付けられている掲示板データに関連付ける。前記掲示板サーバは、以下をさらに含む;生成された招待用コードを承認された前記戸別端末装置に送信する送信部(応答送信部23)。前記招待用コードは、前記他の端末装置を前記戸別端末装置の所定の距離に近づけることにより、該他の端末装置によって取得されることが可能であり、前記照合部は、前記他の端末装置から受信した招待用コードと一致する招待用コードが関連付けられた掲示板データが前記記憶部に記憶されている場合に、前記招待用コードを送信した前記他の端末装置を、該掲示板データを使用可能な端末装置として承認する。
招待用コードは、他の端末装置に対して、戸の掲示板の使用を許可するためのコードである。そのため、招待用コードは、戸の住人が所有する端末装置に対して安全に提供される必要がある。上記構成によれば、戸別端末装置と他の端末装置との所定距離でのやりとりによって、他の端末装置に対して、招待用コードが安全に提供される。所定距離とは、戸外にいる他人が戸別端末装置に他の端末装置を近づけられる最も短い距離未満の距離であり、戸内にいる住人であれば近づけられる程度の短い距離である。これにより、戸の住人以外の端末装置が、該戸の掲示板へ不正に参加することを防ぐことができる。
本発明の態様4に係る掲示板管理システムでは、上記態様3において、前記招待用コードは、前記戸別端末装置の表示部に表示される画像であり、前記他の端末装置が自装置が備えるカメラで前記画像を撮影することにより、該他の端末装置によって前記招待用コードが取得され得る。
上記態様では、所定距離とは、他の端末装置が、戸別端末装置の表示部に表示された画像である招待用コードを、該他の端末装置が読み取り可能な程度に明瞭に撮影できる程度の短い距離である。したがって、住人以外が所有する端末装置が、戸別端末装置に近づいて、招待用コードを撮影し、入手することは極めて困難である。これにより、戸の住人以外の端末装置が、該戸の掲示板へ不正に参加することを防ぐことができる。
本発明の態様5に係る掲示板管理システムでは、上記態様3または4において、前記関連付け部は、前記掲示板サーバが、承認された前記戸別端末装置から、承認済みの端末装置の承認を取り消す要求を受信した場合、要求元の前記戸別端末装置に関連付けられた掲示板データに関連付けられている承認済みの端末装置のうち、指定された端末装置の関連付けを削除する。
これにより、掲示板への正規参加者の管理は、戸ごとに配備されている戸別端末装置の操作によって可能となる。したがって、戸の住人以外の端末装置が掲示板へ不正参加することを防ぐことができる。
本発明の態様6に係る掲示板管理システムでは、上記態様2〜5において、前記集合住宅管理装置は、以下を含む;各戸において発生するイベントを検出する戸別イベント検出装置(インターホン制御装置32)から、イベントが発生した戸の識別情報(部屋番号、戸別アカウントID)および発生したイベントの情報を取得する情報取得部72、取得した情報に基づいて、前記掲示板に投稿するための投稿データを生成するデータ生成部73、および、生成された前記投稿データに、前記イベントが発生した戸に配備されている戸別端末装置を紐付けて、該投稿データを前記掲示板サーバに送信するデータ送信部(データ投稿部74)。前記掲示板サーバは、以下をさらに含む;前記投稿データに紐付けられている戸別端末装置に関連付けられている掲示板データに、該投稿データを追加するデータ更新部25。これにより、集合住宅において発生するイベントに関する情報を、複数の端末装置に共有させることを、戸ごとに行うことが可能となる。
本発明の態様7に係る掲示板管理システムでは、上記態様6において、前記戸別端末装置は、各戸に配備された住宅情報盤41であり、前記戸別イベント検出装置は、前記集合住宅管理装置が管理する集合住宅の集合玄関機33と該集合住宅における各戸の住宅情報盤とを制御するインターホン制御装置32であって、前記情報取得部は、前記インターホン制御装置が前記集合玄関機から戸が呼び出されたことを検出した場合に、呼び出された戸の識別情報および来客の情報(映像からキャプチャされた静止画など)を前記インターホン制御装置から取得し、前記データ生成部は、前記来客の情報を含む投稿データを生成し、前記データ送信部は、前記呼び出された戸の識別情報を紐付けて、前記投稿データを前記掲示板サーバに送信する。これにより、集合住宅において発生するイベント、とりわけ、戸を訪問した来客に関する情報を、複数の端末装置に共有させることを、戸ごとに行うことが可能となる。
本発明の態様8に係る掲示板管理システムでは、上記態様6または7において、前記戸別端末装置は、各戸に配備された住宅情報盤であり、前記戸別イベント検出装置は、前記集合住宅管理装置が管理する集合住宅の宅配ボックス34と該集合住宅における各戸の住宅情報盤とを制御するインターホン制御装置であって、前記情報取得部は、前記インターホン制御装置が入庫または出庫のために前記宅配ボックスに戸の識別情報が入力されたことを検出した場合に、入力された戸の識別情報および入庫または出庫を示す入出庫種別を前記インターホン制御装置から取得し、前記データ生成部は、前記入出庫種別に対応する内容を含む投稿データを生成し、前記データ送信部は、前記入力された戸の識別情報を紐付けて、前記投稿データを前記掲示板サーバに送信する。これにより、集合住宅において発生するイベント、とりわけ、戸宛ての配送物の入出庫に関する情報を、複数の端末装置に共有させることを、戸ごとに行うことが可能となる。
本発明の態様9に係る掲示板サーバは、集合住宅に関する情報を、戸ごとに複数の端末装置で共有する掲示板を管理する掲示板サーバであって、前記掲示板サーバは、以下を含む;前記集合住宅を構成する戸ごとに前記掲示板の掲示板データを記憶する記憶部、戸ごとに配備される端末装置である、少なくとも1つの戸別端末装置を、前記掲示板データに関連付ける関連付け部、および、前記掲示板サーバが、前記戸別端末装置から前記掲示板の使用を可能にするための使用開始用コードの発行要求を受信した場合に、前記戸別端末装置の使用開始用コードを生成するコード生成部。前記関連付け部は、さらに、生成された前記使用開始用コードを要求元の前記戸別端末装置に関連付ける。前記掲示板サーバは、以下をさらに含む;前記戸別端末装置から受信した使用開始用コードと、該戸別端末装置に関連付けられている使用開始用コードとが一致した場合に、該戸別端末装置に関連付けられている掲示板データを使用可能な端末装置として、該戸別端末装置を承認する照合部。上記構成によれば、上記態様2と同様の効果を奏する。
本発明の態様10に係る集合住宅管理装置は、掲示板サーバと通信する集合住宅管理装置であって、前記掲示板サーバは、前記集合住宅管理装置が管理する集合住宅に関する情報を、複数の端末装置で共有する掲示板を管理するものであり、前記集合住宅管理装置は、以下を含む;前記集合住宅を構成する戸ごとに発生するイベントを検出する戸別イベント検出装置から、イベントが発生した戸の識別情報および発生したイベントの情報を取得する情報取得部、取得した情報に基づいて、前記掲示板に投稿するための投稿データを生成するデータ生成部、および、生成された前記投稿データに、前記イベントが発生した戸に配備されている戸別端末装置を紐付けて、該投稿データを前記掲示板サーバに送信するデータ送信部。上記構成によれば、上記態様6と同様の効果を奏する。
本発明の各態様に係る掲示板サーバおよび集合住宅管理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記掲示板サーバまたは集合住宅管理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記掲示板サーバまたは集合住宅管理装置をコンピュータにて実現させる、掲示板サーバの制御プログラム、集合住宅管理装置の制御プログラム、および、それぞれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。