JP6746262B1 - 射出成形機のターンテーブルの給脂方法 - Google Patents

射出成形機のターンテーブルの給脂方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適切な量のグリスをターンテーブルに給脂する給脂方法を提供する。【解決手段】固定盤に金属プレートを介して摺動自在に設けられているターンテーブルを対象とし、金属プレートとターンテーブルの間にグリスを給脂する給脂方法を対象とする。ターンテーブルは初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、高速に回転を開始し減速回転位置に達したら減速させ、その後低速を維持して目標回転位置に到達させる運転をする。予め、グリス量を調整した状態でターンテーブルを初期回転位置から目標回転位置へ回転する試運転を複数回実施し、減速回転位置から目標回転位置に達するまでの駆動所要時間(41)を測定し、その平均である標準駆動所要時間を得る。以後、ターンテーブルを回転するとき、減速回転位置から目標回転位置までの駆動所要時間(41)が標準駆動所要時間より所定の閾値(T1)を超えて大きいことを検出したらグリスを給脂する。【選択図】図2

Description

本発明は、射出成形機において金型が取り付けられ該金型を回転するようになっているターンテーブルの給脂方法に関するものであり、限定するものではないが、竪型射出成形機に設けられているターンテーブルに好適な、給脂方法に関するものである。
射出成形機において、金型を型締する型締装置にターンテーブルが設けられているタイプのものが周知である。例えば射出成形機が竪型射出成形機である場合には、ターンテーブルは固定盤に回転自在に設けられている。下側金型はターンテーブル上に固定されるようになっており、ターンテーブルを回転すると下側金型が上可動盤に取り付けられている上側金型と整合し、型締することができる。そして型開きしてターンテーブルを反転的に回転すると下側金型を上側金型から離間した反対側の位置、いわゆる操作側に移動することができる。このようにターンテーブルによって下側金型を移動できるので、インサート品の挿入、成形品の取り出し等が容易に実施できる。あるいは下側金型を2個以上の複数個ターンテーブルに設けるようにすれば、1個の下側金型を上側金型と型締して射出成形を実施しているときに、他の下側金型において成形品の取り出し、インサート等の作業を実施することができ、効率よく成形することができる。
竪型射出成形機の場合、ターンテーブルは固定盤上に設けられているが所定の金属材料からなる金属プレートを介して載置されている。あるいは、いわゆる無給油プレートを介して載置されている。金属プレートまたは無給油プレートには小径の貫通孔が空けられており、固定盤側からグリスを供給するとグリスがプレートの表面側に供給され、ターンテーブルとプレートとの間の摩擦が低減されるようになっている。ところでグリスはこのように金属部材同士つまり固体同士の間に入って潤滑させているが、その潤滑状態は固体同士の間に存在するグリス量によって変化する。潤滑状態は概略的に、グリスが比較的大量に存在する状態である液体潤滑、グリス量が少ない状態である境界潤滑、それらの中間の状態である混合潤滑の3種類に分かれる。多量にグリスを供給するようにすると、その直後において固体同士の摩擦がほとんど発生しない液体潤滑となる。このとき動摩擦係数は0.15以下になりターンテーブルは実質的に負荷なく回転できる。しかしながら余剰のグリスはやがて金属部材同士の間から速やかに押し出されるので、回転を繰り返すと動摩擦係数は0.15以上になる。そして以後、動摩擦係数は0.15〜0.25で維持され、ターンテーブルは比較的滑らかに回転することができる。このとき潤滑状態は混合潤滑、あるいは混合潤滑と境界潤滑の中間の状態になっていると推測される。運転を繰り返すとやがてグリスが切れてきて動摩擦係数は増大する。そうするとターンテーブルを回転させるのに必要なトルクが大きくなる。境界潤滑状態になっていると推測される。ターンテーブルを適切に回転させるため、適宜所定の頻度で給脂が必要になる。従来は、一般的な機械の可動箇所への給脂において実施されている周知な給脂方法が採用されている。具体的には、運転開始からターンテーブルの回転回数が所定回数、例えば3000回を経過したら給脂する。以後、例えば6000回を経過する毎に給脂するようにする。あるいは、所定の稼働時間毎に給脂するようにする。
特開2011−148286号公報
特許文献1には、ターンテーブルの給脂方法に限定されている方法ではないが、電動射出成形機における給脂方法が記載されている。特許文献1に記載の射出成形機においては、可動部を駆動するために必要なモータのトルクを測定し、モータの回転角を乗じる。つまり仕事量を計算する。このようにして計算する可動部における仕事量を、電動射出成形機を運転するときに累積する。仕事量の累積値は、成形サイクルを繰り返すうちにやがて所定の基準値、つまり基準仕事量に達する。基準仕事量に達したら可動部へ給脂し、仕事量の累積値をゼロにリセットする。再び可動部における仕事量を計算し累積する。累積値が基準仕事量に達したら可動部へ給脂する。以下同様に繰り返す。特許文献1に記載の給脂方法では、グリスが少なくなって潤滑状態が乾燥潤滑状態に近づいたら、仕事量が大きくなるので必然的にその累積値が基準仕事量に達する。そうすると、乾燥潤滑状態に達する前に給脂することができる。これによって可動部の摩耗を適切に抑制できる。また、仕事量の累積値が基準仕事量に達しないうちは、グリスの量がまだ十分にあるはずであるので、無駄にグリスを給脂しないですむという効果もある。
ターンテーブルにグリスを供給するとき、従来の給脂方法により所定の頻度で給脂してもある程度適切に給脂することができる。あるいは特許文献1に記載の電動射出成形機における給脂方法を応用してもグリスを過不足無く給脂できそうである。しかしながら解決すべき課題も見受けられる。ターンテーブルはターンテーブルに特有の制御により回転するようにしているので、これによって潤滑に関してターンテーブル特有の問題が生じるからである。以下簡単に説明する。ターンテーブルはサーボモータ等によって駆動され反転的に固定盤上を回転するようになっている。例えば、ターンテーブルを回転角で180度回転させて型締・射出成形を実施し、型開して元の回転位置に戻して成形品を取り出し、再び180度回転させて型締・射出成形を実施し、を繰り返すようにしている。この場合、固定盤にはターンテーブルが回転角が180度の停止位置において停止するように所定のストッパが設けられている。ターンテーブルは位置制御により回転位置を制御するようにしており、回転開始時は高速に回転させる。そして回転角が179度に達すると急速に減速させて低速にし、残りの1度は低速に維持してターンテーブルを回転させストッパに衝撃無く当接させるようにする。このようにすると短時間でターンテーブルを回転させることができ、成形品の成形コストを小さくすることができる。しかしながらターンテーブルはグリスの潤滑状態によって色々な問題が生じる。グリスが切れて摩擦力が大きくなっているときだけでなく、グリスが過剰に供給されて摩擦力が非常に小さくなっているときにも問題が生じる。前者の場合つまりグリスが切れているときには、ターンテーブルを残りの1度だけ回転させるとき回転速度が小さくなりすぎて時間がかかるという現象が生じる。あるいは179度に達して減速させるとき摩擦力によりターンテーブルの回転が完全に停止してしまうことがある。そうすると残り1度を回転させるためにターンテーブルを停止状態から回転させる必要があり時間がかかるし、摩擦力が大きい場合には残りの1度を回転させることができない場合もある。一方後者の場合、つまりグリスが過剰に供給されて摩擦力が非常に小さくなっている場合には、ターンテーブルの回転角が179度に達したときに減速しても、減速しきれずにストッパに衝撃的に当接するという現象が発生する。そうするとターンテーブルとストッパとを傷めてしまう。ターンテーブルを駆動するサーボモータを大型で強力なものに代えるようにすれば、これらの問題は一応は解決できるかも知れない。しかしながらコスト高になるという別の問題が生じる。
本発明は、上記したような問題点を解決した射出成形機のターンテーブルにおける給脂方法を提供することを目的とし、具体的には、適切な量のグリスをターンテーブルに給脂でき、ターンテーブルの回転を適切に実施できると共にターンテーブルやターンテーブルの回転を止めるストッパを痛めることがない、ターンテーブルの給脂方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、射出成形機の型締装置の型盤に所定の金属プレートを介して摺動自在に設けられているターンテーブルを対象とする。このターンテーブルは所定の初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、高速に回転を開始し減速回転位置に達したら減速させ、その後低速を維持して目標回転位置に到達させるように運転する。このような運転を実施するターンテーブルにおいて金属プレートとターンテーブルの間にグリスを給脂するが次のようにする。まず、予め金属プレートとターンテーブル間の動摩擦係数が0.15〜0.25になるようにグリス量を調整し、この状態でターンテーブルについて初期回転位置から目標回転位置への回転を複数回実施し、減速回転位置から目標回転位置に達するまでの駆動所要時間を測定し、その平均である標準駆動所要時間を得ておく。以後、ターンテーブルを初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、減速回転位置から目標回転位置までの駆動所要時間が標準駆動所要時間より所定の閾値を超えて大きいことを検出したらグリスを給脂するように構成する。
かくして本発明は、射出成形機の型締装置の型盤に所定の金属プレートを介して摺動自在に設けられ、その上に金型が取り付けられるターンテーブルであって、前記ターンテーブルは所定の初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、高速に回転を開始して前記目標回転位置近傍の減速回転位置に達したら減速させ、その後低速を維持して前記目標回転位置に到達させるようになっており、このような前記ターンテーブルにおいて前記金属プレートと前記ターンテーブルの間にグリスを給脂する給脂方法であって、予め前記金属プレートと前記ターンテーブル間の動摩擦係数が0.15〜0.25になるようにグリス量を調整し、この状態で前記ターンテーブルについて前記初期回転位置から前記目標回転位置への回転を複数回実施し、前記減速回転位置から前記目標回転位置に達するまでの駆動所要時間を測定し、その平均である標準駆動所要時間を得ておき、以後、前記ターンテーブルを前記初期回転位置から前記目標回転位置に回転するとき、前記駆動所要時間が前記標準駆動所要時間より所定の閾値を超えて大きいことを検出したらグリスを給脂することを特徴とする、ターンテーブルの給脂方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、射出成形機の型締装置の型盤に所定の金属プレートを介して摺動自在に設けられ、その上に金型が取り付けられるターンテーブルであって、前記ターンテーブルは所定の初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、高速に回転を開始して前記目標回転位置近傍の減速回転位置に達したら減速させ、その後低速を維持して前記目標回転位置に到達させるようになっており、このような前記ターンテーブルにおいて前記金属プレートと前記ターンテーブルの間にグリスを給脂する給脂方法であって、予め前記金属プレートと前記ターンテーブル間の動摩擦係数が0.15〜0.25になるようにグリス量を調整し、この状態で前記ターンテーブルについて前記初期回転位置から前記目標回転位置への回転を複数回実施し、前記減速回転位置から前記目標回転位置に達するときの低速時回転速度を測定し、その平均である標準低速時回転速度を得ておき、以後、前記ターンテーブルを前記初期回転位置から前記目標回転位置に回転するとき、前記低速時回転速度が前記標準低速時回転速度より所定の閾値を超えて小さいことを検出したらグリスを給脂することを特徴とする、ターンテーブルの給脂方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の給脂方法において、前記閾値は、前記ターンテーブルについて予め前記初期回転位置から前記目標回転位置への回転を複数回実施して前記減速回転位置から前記目標回転位置に達するまでの駆動所要時間を測定するとき、前記駆動所要時間のバラツキである標準偏差を得、該標準偏差に基づいて決定することを特徴とする、ターンテーブルの給脂方法として構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の給脂方法において、前記閾値は、前記ターンテーブルについて予め前記初期回転位置から前記目標回転位置への回転を複数回実施して前記減速回転位置から前記目標回転位置に達するときの低速時回転速度を測定するとき、前記低速時回転速度のバラツキである標準偏差を得、該標準偏差に基づいて決定することを特徴とする、ターンテーブルの給脂方法として構成される。
以上のように本発明は、射出成形機の型締装置の型盤に所定の金属プレートを介して摺動自在に設けられ、その上に金型が取り付けられるターンテーブルであって、ターンテーブルは所定の初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、高速に回転を開始して目標回転位置近傍の減速回転位置に達したら減速させ、その後低速を維持して目標回転位置に到達させるようになっており、このようなターンテーブルにおいて金属プレートとターンテーブルの間にグリスを給脂する給脂方法を対象としている。つまり、所定の初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、所定の方法で速度を制御するようになっているターンテーブルを対象とし、本発明は、このターンテーブルに対して給脂する給脂方法が対象となる。そして本発明によると、予め金属プレートとターンテーブル間の動摩擦係数が0.15〜0.25になるようにグリス量を調整し、この状態でターンテーブルについて初期回転位置から目標回転位置への回転を複数回実施し、減速回転位置から目標回転位置に達するまでの駆動所要時間を測定し、その平均である標準駆動所要時間を得ておき、以後、ターンテーブルを初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、駆動所要時間が標準駆動所要時間より所定の閾値を超えて大きいことを検出したらグリスを給脂するように構成する。グリスが足りなくなってきたら駆動所要時間は大きくなるので、本発明によって給脂が必要になったタイミングを速やかに検出して、速やかに給脂できる。駆動所要時間が大きくないときには必要な潤滑が確保されているが、このようなときに無駄にグリスを給脂することがない。つまり過剰にグリスを供給してしまって、金属プレートとターンテーブル間の潤滑が液体潤滑の状態になることを防止できる。さらには、過剰なグリスを供給することによって周囲環境を汚染するおそれもない。他の発明によると、閾値は、ターンテーブルについて予め初期回転位置から目標回転位置への回転を複数回実施して減速回転位置から目標回転位置に達するまでの駆動所要時間を測定するとき、駆動所要時間のバラツキである標準偏差を得、該標準偏差に基づいて決定するように構成されている。閾値の決定方法が明確であり、ターンテーブルをメンテナンスする管理者が閾値をどのような値にすべきか迷う必要がない。他の発明によると、予め金属プレートとターンテーブル間の動摩擦係数が0.15〜0.25になるようにグリス量を調整し、この状態でターンテーブルについて初期回転位置から目標回転位置への回転を複数回実施し、減速回転位置から目標回転位置に達するときの低速時回転速度を測定し、その平均である標準低速時回転速度を得ておき、以後、ターンテーブルを初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、低速時回転速度が標準低速時回転速度より所定の閾値を超えて小さいことを検出したらグリスを給脂するように構成されている。ターンテーブルと金属プレートの間のグリスが少なくなると摩擦力が大きくなって、必然的に回転速度が低下する。特に低速で駆動する低速時回転速度においてはグリス減少による変化を顕著に検出することができる。従ってこの発明によって、グリスが必要になるタイミングを速やかに検出でき、グリスを給脂できることになる。
その(A)は、本発明の実施の形態に係る竪型射出成形機の固定盤の一部とターンテーブルとを示す斜視図であり、その(B)はターンテーブルと固定盤とを示す上面図である。 その(A)は、本発明の実施の形態に係るターンテーブルを初期回転位置から目標回転位置まで回転するとき、ターンテーブルを駆動するのに要するトルクと、ターンテーブルの回転速度とを示すグラフであり、その(B)はその(A)のグラフにおいて符号Xの点線の円で示された範囲を拡大して示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に示されているように、本実施の形態に係るターンテーブル2は、竪型射出成形機1に設けられている。竪型射出成形機1は従来の竪型射出成形機と同様に型締装置と射出装置とから構成されているが、これらのうち、図1には型締装置の一部である固定盤3とタイバー4、4、…のみが示されている。ターンテーブル2は、この固定盤3の上に設けられている。より詳しくは、固定盤3には、複数枚の金属プレート、具体的には無給油プレート5、5、…が設けられており、ターンテーブル2はこれらの無給油プレート5、5、…の上に摺動自在に載置されている。ただし、固定盤3に設けられている無給油プレート5、5、…は、型締力が作用する位置には密に、型締力が作用しない位置には疎に配置されている。無給油プレート5、5、…は、鋳鉄、高力黄銅等の金属板からなり、図には示されていないが表面には多数の孔が空けられ、これらの孔に固形潤滑剤が埋め込まれている。従って、グリスが供給されなくても、ターンテーブル2は無給油プレート5、5、…に対して摩擦力はある程度低減され、ある程度滑らかに回転することはできる。しかしながら本実施の形態においては、無給油プレート5、5、…には中央部において裏面側から表面側に貫通するグリス注入孔7、7、…が空けられてグリスが供給されるようになっている。竪型射出成形機1にはこれらの無給油プレート5、5、…にグリスを供給するグリスポンプ9が設けられ、グリスポンプ9が分配器10に接続され、分配器10から分岐した給脂管11、11、…が固定盤3の裏面側からこれらのグリス注入孔7、7、…に接続されている。従って、グリスポンプ9を駆動するとグリス注入孔7、7、…から無給油プレート5、5、…の表面に所定量グリスが供給される。なお無給油プレート5、5、…の表面には、図1には示されていないが、複数の溝が形成されており、グリスが溝を伝って表面全体に行き渡るようになっている。また、溝に所定量グリスが保持されるので早期にグリス切れすることが防止されている。本実施の形態に係るターンテーブル2は、このように無給油プレート5、5、…による摩擦低減の作用と、グリス潤滑による摩擦低減の作用とによって、摩擦力が小さくなっており滑らかに回転できるようになっている。なお、本発明の実施においては、無給油プレート5、5、…は必須ではなく、グリス注入孔7、7、…が空けられてグリスが供給できるようになっていれば、単なる金属プレートであってもこれに代替できる。
ターンテーブル2は、図には示されていないが、サーボモータによって駆動されるようになっている。また、同様に図には示されていないが、ターンテーブル2、あるいは固定盤3にはターンテーブル2の回転を規制するストッパが設けられている。このストッパは、ターンテーブル2を停止させたい回転位置、すなわち目標回転位置に対応して設けられており、ターンテーブル2が目標回転位置に回転したら、それ以上回転できないようになっている。
本実施の形態に係るターンテーブル2の給脂方法を説明する。ターンテーブル2に金型を取り付けた状態で所定の試運転を実施するが、試運転に先立って、予めターンテーブル2に、つまり無給油プレート5、5、…に適切な量のグリスを給脂しておく。適切な量のグリスとは、ターンテーブル2と無給油プレート5、5、…との間の動摩擦係数が0.15〜0.25の範囲になるようなグリス量とする。動摩擦係数は、ターンテーブル2と無給油プレート5、5、…との間に作用する垂直抗力Nを、ターンテーブル2を一定回転速度で回転させるのに要する力Fで除せば得ることができる。すなわち、ターンテーブル2の質量と重力加速度の積を、ターンテーブル2を回転させるのに必要なトルクで除して、ターンテーブル2の半径を乗じれば得られる。このようにして得られる動摩擦係数が0.25より大きいときはグリスを供給する。また0.15より小さいときは複数回ターンテーブル2を回転して余剰のグリスが無給油プレート5、5、…から押し出されるようにする。このようにして、動摩擦係数が0.15〜0.25になるように調整する。
試運転を実施する。試運転は、次のようにターンテーブル2を初期回転位置から目標回転位置に回転させるが、これを複数回、例えば数百回繰り返し実施する。ターンテーブル2を回転するとき、ターンテーブル2を駆動するサーボモータは位置制御によって次のように制御する。ターンテーブル2を初期回転位置から回転開始するとき、トルクを一時的に大きくして回転速度が高速になるようにする。図2の(A)には、サーボモータのトルク20とターンテーブル2の回転速度30とがグラフで示されているが、回転開始においてトルク20が符号21で示されているように大きくなり、それによって回転速度が符号31で示されているように急速に大きくなる様子が示されている。回転速度30が一定値に達したら、速度が一定になるように制御する。つまりトルク20は符号22で示されているように小さくする。やがてターンテーブル2の回転位置が目標回転位置の近傍に達したら減速する。減速を開始する回転位置は減速回転位置であり、例えば目標回転位置より回転角度で1度だけ手前に設定しておく。減速回転位置に達したときトルク20は符号23で示されているように一時的にマイナスの値にする。そうすると回転速度30は符号33で示されているように急激に減少する。回転速度30が符号34で示されているように所定の低速度に達したら、トルク20を符号24で示されているようにプラスの小さな値にしてターンテーブル2の回転速度を低速度で維持し、目標回転位置まで駆動する。目標回転位置に到達したらトルク20をゼロにして、ターンテーブル2の回転を停止する。
試運転において、このようなターンテーブル2の回転を複数回繰り返すが、減速回転位置から目標回転位置に達するまでの時間つまり駆動所要時間41と、このときにおける低速の回転速度つまり低速時回転速度34とをその都度測定する。そして複数回測定した駆動所要時間41から、その平均である標準駆動時間と、そのバラツキである標準偏差σとを計算する。同様に複数回測定した低速時回転速度34から、その平均である標準低速時回転速度と、そのバラツキである標準偏差σとを計算する。
以後、竪型射出成形機1において射出成形を実施するとき、ターンテーブル2の回転を繰り返すことになるが、ターンテーブル2の潤滑が十分でなくなってくると、ターンテーブル2の回転速度が低下する。速度の低下は特に減速回転位置から目標回転位置にかけての間が顕著となる。例えば、図2の(B)に示されているように、回転速度30は正常時であれば所定の大きさの回転速度である低速時回転速度34になるはずであるが、潤滑が十分でなくなると回転速度30’は一時的にゼロになったり、低速時回転速度34’が小さくなる。この結果、駆動所要時間41が大きくなって駆動所要時間41’のように延びる。本実施の形態に係るターンテーブル2の給脂方法においては、減速回転位置から目標回転位置に達するまでの駆動所要時間41を監視する。またはこのときの低速時回転速度34を監視する。そして駆動所要時間41が標準駆動所要時間より所定の閾値Tを超えて大きくなったらターンテーブル2に給脂する。または低速時回転速度34が標準低速時回転速度より所定の閾値Tを超えて小さくなったらターンテーブル2に給脂するようにする。
駆動所要時間41についての閾値Tや低速時回転速度34についての閾値Tはどのように決定してもよい。例えば、閾値T、閾値Tとしてそれぞれ標準駆動所要時間、標準低速時回転速度に対する所定の割合の大きさで決定することができる。駆動所要時間41についての閾値Tを標準駆動所要時間の0.5倍とするように決定したら、駆動所要時間41が標準駆動所要時間の1.5倍を超えたときに給脂すればよい。しかしながら、本実施の形態においては駆動所要時間41についての閾値Tと低速時回転速度34についての閾値Tは、それぞれ駆動所要時間41の標準偏差σ、低速時回転速度34の標準偏差σから決定するようにしている。具体的には閾値Tは標準偏差σの3倍、閾値Tは標準偏差σの3倍としている。試運転において複数回ターンテーブル2を回転して得られた、複数回の駆動所要時間41は、理論上、標準駆動所要時間±3σの範囲に99.73%の確率で入るはずである。同様に、試運転において得られた複数回の低速時回転速度34は、理論上、標準低速時回転速度±3σの範囲に99.73%の確率で入るはずである。試運転では前記したように動摩擦係数が適切な範囲になるようにして運転しているので、この範囲に入っていれば潤滑が正常であると言える。本実施の形態においては、これらの範囲を超えて逸脱したとき、グリスを給脂するようにするわけである。このように給脂の要否を判断するので、グリスが必要になったら速やかに給脂できると共に過剰にグリスを給脂する問題を防止できる。
本実施の形態に係るターンテーブル2の給脂方法は、横型の射出成形機においても応用が可能である。横型の射出成形機においてはターンテーブルは固定盤に設けられることもあるし、可動盤に設けられる場合もある。いずれにしても本発明に係る給脂方法は、所定のターンテーブルを対象とする。すなわち、所定の初期回転位置から目標回転位置まで回転するとき、最初は高速に回転して目標回転位置の近傍の減速回転位置において減速し、目標回転位置に低速で達するように制御するようなターンテーブルを対象とする。横型の射出成形機においてはターンテーブルを回転するときの摩擦力は、ターンテーブルの回転軸において主として発生することになるので、ターンテーブルへの給脂は、ターンテーブルの回転軸への給脂になる。この場合にも試運転においては、摩擦係数が0.15〜0.25になるようにして回転する。以下、竪型射出成形機1のターンテーブル2における給脂方法と同様に、標準駆動所要時間から所定の閾値だけ大きくなったら、あるいは標準低速時回転速度から所定の閾値だけ小さくなったら、給脂するようにする。
1 竪型射出成形機 2 ターンテーブル
3 固定盤 4 タイバー
5 無給油プレート 7 グリス注入孔
9 グリスポンプ 10 分配器
11 給脂管 20 トルク
30 回転速度 34 低速時回転速度
41 駆動所要時間

Claims (4)

  1. 射出成形機の型締装置の型盤に所定の金属プレートを介して摺動自在に設けられ、その上に金型が取り付けられるターンテーブルであって、前記ターンテーブルは所定の初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、高速に回転を開始して前記目標回転位置近傍の減速回転位置に達したら減速させ、その後低速を維持して前記目標回転位置に到達させるようになっており、このような前記ターンテーブルにおいて前記金属プレートと前記ターンテーブルの間にグリスを給脂する給脂方法であって、
    予め前記金属プレートと前記ターンテーブル間の動摩擦係数が0.15〜0.25になるようにグリス量を調整し、この状態で前記ターンテーブルについて前記初期回転位置から前記目標回転位置への回転を複数回実施し、前記減速回転位置から前記目標回転位置に達するまでの駆動所要時間を測定し、その平均である標準駆動所要時間を得ておき、
    以後、前記ターンテーブルを前記初期回転位置から前記目標回転位置に回転するとき、前記駆動所要時間が前記標準駆動所要時間より所定の閾値を超えて大きいことを検出したらグリスを給脂することを特徴とする、ターンテーブルの給脂方法。
  2. 射出成形機の型締装置の型盤に所定の金属プレートを介して摺動自在に設けられ、その上に金型が取り付けられるターンテーブルであって、前記ターンテーブルは所定の初期回転位置から目標回転位置に回転するとき、高速に回転を開始して前記目標回転位置近傍の減速回転位置に達したら減速させ、その後低速を維持して前記目標回転位置に到達させるようになっており、このような前記ターンテーブルにおいて前記金属プレートと前記ターンテーブルの間にグリスを給脂する給脂方法であって、
    予め前記金属プレートと前記ターンテーブル間の動摩擦係数が0.15〜0.25になるようにグリス量を調整し、この状態で前記ターンテーブルについて前記初期回転位置から前記目標回転位置への回転を複数回実施し、前記減速回転位置から前記目標回転位置に達するときの低速時回転速度を測定し、その平均である標準低速時回転速度を得ておき、
    以後、前記ターンテーブルを前記初期回転位置から前記目標回転位置に回転するとき、前記低速時回転速度が前記標準低速時回転速度より所定の閾値を超えて小さいことを検出したらグリスを給脂することを特徴とする、ターンテーブルの給脂方法。
  3. 請求項1に記載の給脂方法において、前記閾値は、前記ターンテーブルについて予め前記初期回転位置から前記目標回転位置への回転を複数回実施して前記減速回転位置から前記目標回転位置に達するまでの駆動所要時間を測定するとき、前記駆動所要時間のバラツキである標準偏差を得、該標準偏差に基づいて決定することを特徴とする、ターンテーブルの給脂方法。
  4. 請求項2に記載の給脂方法において、前記閾値は、前記ターンテーブルについて予め前記初期回転位置から前記目標回転位置への回転を複数回実施して前記減速回転位置から前記目標回転位置に達するときの低速時回転速度を測定するとき、前記低速時回転速度のバラツキである標準偏差を得、該標準偏差に基づいて決定することを特徴とする、ターンテーブルの給脂方法。
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