JP6745566B2 - 果肉のような滑らかな食感を有する冷菓 - Google Patents

果肉のような滑らかな食感を有する冷菓 Download PDF

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Description

本発明は、果肉のような、滑らかな食感を有する冷菓に関する。
冷菓の食感に多様性を持たせる手法として、果肉様の食感を付与する技術が知られている。例えば、アルカリ土類金属塩を含有する冷菓ミックスと、アルギン酸類を含有する液を別途製造し、両溶液を撹拌しながら混合する方法(特許文献1参照);糖類、果汁を主成分とするアイスミックスをフリージングした冷菓と、糖類を主成分とする糖度20°以下のシロップをフリージングした氷菓とを混合する方法(特許文献2参照)が知られている。また、特許文献3には、キサンタンガム、いなご豆ガム及びグァーガムを併用した冷菓が開示されている。
特開2005−341822号公報 特開平05−207852号公報 特公平03−2494号公報
特許文献1に開示された技術は、アルギン酸類及びアルカリ土類金属塩によって形成されるゲルを利用した技術である。そのため、グレープ果肉やオレンジのさのうを想起させる、部分的に異なった食感(例えば、粒状食感)を有する冷菓を調製することが可能であるが、マンゴー、桃、メロン、バナナ等の、繊維感に富み、柔らかで滑らかな食感を有する果肉を想起させる、果肉様食感を再現することができない。具体的には、適度な口当たり(ぬめり感)と密な組織感を有する、果肉様の滑らかな食感を再現することができない。また、特許文献2に開示された技術は、シロップをフリージングした氷菓を、冷菓と混合することで、粗い氷結晶に由来するシャリシャリとした果肉感を付与できるが、その食感は滑らかな食感とは程遠い。
特許文献3には、果実ピューレを含む冷菓が開示されているが、果肉のような滑らかな食感を有する冷菓を調製すること、及び、果肉のような滑らかな食感を付与するために、原料の比率を調整することについて一切記載も示唆もない。
上記従来技術に鑑み、本発明では、従来技術では達成できなかった、果肉のような、滑らかな食感を有する冷菓を提供することを目的とする。
本発明者は上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、(A)キサンタンガム及び/又はネイティブ型ジェランガム、並びに(B)グァーガムを併用し、且つ、下記条件(C)及び(D)を満たすことで、果肉様の滑らかな食感を有する冷菓を提供できることを見出し、本発明に至った;
(C)前記成分(A)及び(B)の質量比[(B)/(A)]が2以上である、
(D)前記冷菓中の固形分が15質量%以上である。
本発明は以下の態様を有する冷菓に関する;
項1.
(A)キサンタンガム及び/又はネイティブ型ジェランガム、並びに
(B)グァーガム、
を含有し、下記条件(C)及び(D)を満たす、果肉様食感を有する冷菓;
(C)前記成分(A)及び(B)の質量比[(B)/(A)]が2以上である、
(D)前記冷菓中の固形分が15質量%以上である。
項2.更に(E)デキストリンを含有する、項1に記載の果肉様食感を有する冷菓。
本発明によれば、マンゴー、桃、メロン、バナナ等の、繊維感に富み、柔らかで滑らかな食感を有する果肉を想起させる、果肉様食感を有する冷菓を提供できる。より具体的には、適度な口当たり(ぬめり感)と密な組織感を有する、果肉様の滑らかな食感を有する冷菓を提供できる。
本発明の冷菓は、(A)キサンタンガム及び/又はネイティブ型ジェランガム、並びに(B)グァーガムを併用し、且つ、下記条件(C)及び(D)を満たすことを特徴とする;
(C)前記成分(A)及び(B)の質量比[(B)/(A)]が2以上である、
(D)前記冷菓中の固形分が15質量%以上である。
本発明において「冷菓」とは、食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号)」で定めるアイスクリーム類(乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分を3%以上含むもので、アイスクリーム、アイスミルク又はラクトアイスに分類される)、公正競争規約(平成13年3月30日公正取引委員会告示第14号)で定めるシャーベット、ソルベ、アイスキャンデーやかき氷等と呼ばれる氷菓(糖液若しくはこれに他食品を混和した液体を凍結したもの又は食用氷を粉砕し、これに糖液若しくは他食品を混和し再凍結したもので、凍結状のまま食用に供するもの)又はフローズンヨーグルトのことを指す。
(A)キサンタンガム及び/又はネイティブ型ジェランガム
キサンタンガムは、キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)が菌体外に産生する多糖類であり、広く飲食品に利用されている。
ジェランガムは、Sphingomonas elodeaが産生する多糖類であり、グルコース、グルクロン酸、グルコース及びラムノースの4糖の繰り返し単位から構成されている。発酵法により生産されるジェランガムは、主鎖の1−3結合したグルコースのC−6位にアセチル基(1/2残基)が、C−2位にグリセリル基が結合した構造を有しており、これを製品化したものがネイティブ型ジェランガムであり、ネイティブ型ジェランガムから、アシル基(アセチル基とグリセリル基)を除去したものが脱アシル型ジェランガムである。本発明ではネイティブ型ジェランガムを用いることを特徴とする。
これらキサンタンガム及びネイティブ型ジェランガムは、商業上入手可能である。例えば、キサンタンガム製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「サンエース[登録商標]」等が、ネイティブ型ジェランガム製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「ケルコゲル[CPケルコ社登録商標]LT100」等が挙げられる。
本発明の冷菓における(A)キサンタンガム及び/又はネイティブ型ジェランガムの含量は特に制限されないが、冷菓における好ましい含量は0.003〜0.15質量%であり、より好ましくは0.005〜0.1質量%、更に好ましくは0.01〜0.08質量%である。
(B)グァーガム
グァーガムは、主に南アジアで栽培される豆科植物グァーの種子の胚乳部分から得ることができる多糖類である。グァーガムは商業上入手可能であり、例えば、グァーガム製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「ビストップ[登録商標]D−20」等が挙げられる。
本発明では、前記(A)キサンタンガム及び/又はネイティブ型ジェランガムに対する(B)グァーガムの比率を特定の値にすることで、果肉のような滑らかな食感を有する冷菓を提供できる。具体的には、本発明の冷菓は下記条件(C)を満たすことを特徴とする;
(C)前記成分(A)及び(B)の質量比[(B)/(A)]が2以上である。
質量比[(B)/(A)]が2未満では、冷菓の噛みだしの食感がサクくて軽い食感となり、マンゴー等の果肉を想起させる、密な組織感を再現することができない。当該軽い食感を幾分か改善させる方法としては、冷菓における(A)及び(B)の含量(総量)を増加させることが挙げられるが、この場合は、冷菓ミックスが非常に高粘度となり、製造装置での生産が困難となる。質量比[(B)/(A)]の上限は特に制限されないが、好ましい質量比[(B)/(A)]は2〜20であり、より好ましくは2〜17、更に好ましくは3〜15である。
また、本発明の冷菓におけるグァーガムの含量は、成分(A)及び(B)の質量比[(B)/(A)]が2以上であれば特に制限されないが、好ましい含量は0.02〜0.4質量%であり、より好ましくは0.05〜0.35質量%、更に好ましくは0.08〜0.3質量%である。
本発明の冷菓は、(D)固形分が15質量%以上である。固形分が15質量%を下回ると、例えば、マンゴーのような、柔らかく、密な組織感のある滑らかな食感を再現することが難しい。本発明の冷菓における好ましい固形分は17〜50質量%であり、より好ましくは20〜50質量%、更に好ましくは25〜40質量%である。
本発明において、冷菓の「固形分」とは、冷菓から水分を除いた成分総量(質量%)をいう。本発明では、固形分を調整する素材として、例えば、甘味料(ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水あめ、粉末水あめ、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセサルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物(例えば、ステビオサイド等)、ラカンカ抽出物(例えば、モグロシド等)などの高甘味度甘味料等)、果実製品(例えば、果肉ピューレ、果汁等)、乳原料(例えば、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳、無糖練乳、脱脂濃縮乳、生クリーム、バター、チーズ及びタンパク質濃縮ホエイパウダー等)、油脂類(例えば、ヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、カカオ脂及びパーム核油等)、食物繊維(例えば、イヌリン、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等)、卵黄等が挙げられる。
冷菓における固形分は、例えば、カールフィッシャー法(Karl Fisher’s method)を用いて冷菓に含まれる水分量を算出し、冷菓の全体重量から水分量を除くことで求めることができる。
本発明の冷菓は、繊維感に富み、柔らかで滑らかな食感を有する果肉(例えば、マンゴー、桃、メロン、バナナ等)を想起させる、果肉様食感を有する。具体的には、適度な口当たり(ぬめり感)と密な組織感を有する、果肉様の滑らかな食感を有する。本発明の冷菓は上記(A)〜(D)を満たしていれば処方は特に制限されないが、果肉様食感を有する冷菓を提供する観点からは、果肉様風味を損ねることがないように、乳脂肪含量を10質量%未満に調整することが好ましい。
本発明の冷菓は、更に(E)デキストリンを併用することが好ましい。本発明によれば上記(A)〜(D)を満たすことで、果肉らしい適度な口当たり(ぬめり感)と密な組織感を冷菓に付与し、果肉のような、滑らかな食感を再現することが可能であるが、冷菓の固形分を低減させていくと、氷結晶が粗くなり、食感が悪化する場合がある。氷結晶の粗さを改善するためには、キサンタンガム、ネイティブ型ジェランガム及びグァーガム等の多糖類を増加させる方法が挙げられるが、多糖類の添加量を増加させると「ぬめり感」が強くなりすぎ、口どけが悪くなる場合がある。
本発明では、冷菓にデキストリンを含有させることで、氷晶感を感じさせない滑らかで密な組織感と、マンゴー、桃、メロン、バナナ等の果肉を想起させる適度なぬめり感を併せもつ、より一層濃厚な果肉感を有する冷菓を提供することが可能となる。かかる効果は本発明の冷菓に対して広く発揮するが、特に、固形分が40質量%以下の冷菓や、後述するようなオーバーランを有する冷菓に対して顕著な効果を奏する。
本発明において用いるデキストリンの種類(例えば、DE値、由来原料等)は特に制限されない。DE値とは、一般的に、澱粉の分解程度を示す指標であるが、本発明では、DE値が好ましくは1以上5以下、より好ましくは2以上5未満、更に好ましくは2以上4.5以下のデキストリンを用いることで、より一層濃厚で密な組織感を有し、且つ果肉特有の適度なぬめり感がしっかりと付与された冷菓を提供できる。由来原料としては、例えば、馬鈴薯、コーン、ワキシーコーン、小麦、米、サゴ、タピオカ等が挙げられ、好ましい原料は馬鈴薯である。
また、本発明では、25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を、25℃で5分間静置した時の粘度が200mPa・s以下であるデキストリンを用いることがより望ましい。粘度は、25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を、25℃で5分間静置した後、25℃条件下で、B型回転粘度計(ローターNo.2)を用いて回転数12rpmで1分間測定することによって求めることができる。より好ましい粘度範囲は20〜200mPa・sであり、更に好ましくは20〜150mPa・s、更により好ましくは30〜70mPa・sである。
冷菓における(E)デキストリンの含量は特に制限されないが、冷菓における好ましいデキストリン含量は0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.03〜3質量%、更に好ましくは0.05〜2質量%である。
本発明の冷菓は、上記(A)〜(D)、好ましくは上記(A)〜(E)を満たす限りにおいては、その他の各種原料を使用できる。原料として、例えば、前述の乳原料、甘味料、果実製品、乳化剤、色素、香料等が挙げられる。
従来技術では、果実製品としてピューレ含量が少ない冷菓、例えばピューレ含量が50質量%以下の冷菓は、果肉様食感を付与することができない。しかし、本発明では冷菓におけるピューレ含量が50質量%以下、更には30質量%以下と、ピューレが低含量である場合や、ピューレを含有しない場合であっても、マンゴー、桃、メロン、バナナ等の、繊維感に富み、柔らかで滑らかな食感を有する果肉を想起させる、果肉様食感を有する冷菓を提供することができる。
また、本発明の冷菓は、5℃における冷菓ミックスの粘度が好ましくは80〜1500mPa・s、より好ましくは80〜1300mPa・s、更に好ましくは100〜1000mPa・sであることが望ましい。冷菓ミックスの粘度が80mPa・s未満では柔らかな果肉様食感を十分に再現できない場合があり、一方で、冷菓ミックスの粘度が1500mPa・sを越えると、製造ラインでの作業効率が著しく低下する場合がある。
本発明において「5℃における冷菓ミックスの粘度」とは、殺菌後の冷菓ミックスを5℃に調整した場合の粘度をいい、粘度は、BL型回転粘度計を用いて60rpmの条件で測定できる。
本発明の冷菓の製造は、常法に従って実施できる。
製造方法として、例えば、原料の秤量混合→加温(60〜80℃)→溶解・混合→濾過→ホモジナイズ→殺菌(68℃で30分間加熱殺菌、又はそれと同等以上の殺菌(例えば、HTST殺菌やUHT殺菌等))→冷却(5℃以下)→熟成(エージング;0〜5℃で保持)→香料、色素等の添加→フリージング→容器への充填の工程が挙げられる。本発明では、上記工程より、必要な工程を適宜選択して、冷菓を製造することもできる。
本発明の冷菓は、オーバーランが5%以上であっても、氷晶感を感じさせない滑らかで密な組織と、果肉らしい適度な口当たり(ぬめり感)を併せ持つ、濃厚な果肉感を再現することができる。固形分が40質量%以下、更には35質量%以下である冷菓は、オーバーランを5%以上に調整すると、氷晶感が強調され、滑らかで密な組織を再現することが難しい場合がある。かかるところ、本発明の冷菓は、オーバーランが5%以上、更には10%以上に調整された場合であっても、滑らかで密な組織と、果肉らしい適度な口当たり(ぬめり感)を併せ持つ、濃厚な果肉感を再現できるという利点を有する。
本発明においてオーバーランとは、容器に起泡前の冷菓を満量充填した時の重量と、前記容器と同容量の容器に起泡させた冷菓を満量充填した重量を測定し、次式により算出することができる。本発明の冷菓のオーバーランの上限は特に制限されないが、好ましくは50%を例示できる。

以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を限定するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」であることを意味する。
実験例1 果肉様食感(ピーチ様食感)を有する冷菓の調製(1)
表1及び2に示す処方に従って、果肉様食感(ピーチ様食感)を有する冷菓を調製した。詳細には、撹拌装置を有する容器に水あめ、果糖ぶどう糖液糖及び水を計量し、撹拌を開始した。そこへ砂糖、粉末水あめ、デキストリン及び安定剤の粉体混合物を添加し、加熱した。80℃に達温後、温度を保持したまま10分間撹拌した。次いで、ホモジナイザーによる均質化処理(第一段10MPa、第二段5MPa)を行い、冷菓ミックスが5℃以下となるまで冷却後、水にて全量が100質量部となるよう補正した。その後、色素及び香料を添加してフリージングし、−5〜−3℃で容器に取り出して−40℃で硬化させ、冷菓を調製した。
注1)馬鈴薯由来、DE3.5、25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を25℃で5分間静置した時の粘度が69mPa・sであるデキストリン
(A)キサンタンガム及び(B)グァーガムを含有し、両者の質量比[(B)/(A)]が8.8である冷菓(実施例1−1)、並びに(A)ネイティブ型ジェランガム及び(B)グァーガムを含有し、両者の質量比[(B)/(A)]が4.3である冷菓(実施例1−2)はいずれも、繊維感に富み、柔らかで滑らかな食感を有するピーチ果肉を想起させる、果肉様食感を有していた。具体的には、適度な口当たり(ぬめり感)と密な組織感を有し、ピーチ様の滑らかな食感を有していた。更にデキストリンを併用した実施例1−3の冷菓は、実施例1−1及び1−2の冷菓よりも、より一層組織が密となり、濃厚な食感と、濃厚でありつつもピーチ果肉特有の適度なぬめり感がしっかりと付与されていた。また、実施例1−3の冷菓は氷晶感を感じさせない、非常に滑らかな食感を有していた。
一方、(A)キサンタンガムに対する(B)グァーガムの質量比[(B)/(A)]が1である冷菓(比較例1−1)は、噛みだしがサクくて軽い食感であり、果肉様の密な組織を再現することはできなかった。
また、実施例1−1の(A)キサンタンガム及び(B)グァーガムの含量は変更せずに、固形分を14質量%まで低減させた冷菓を調製したところ、氷結晶が非常に粗く、ピーチ果肉様の滑らかで密な組織感を再現することができなかった。
実験例2 果肉様食感(マンゴー様食感)を有する冷菓の調製(2)
表3及び4に示す処方に従って、果肉様食感(マンゴー様食感)を有する冷菓を調製した。詳細には、撹拌装置を有する容器にマンゴーピューレ、水あめ、果糖ぶどう糖液糖及び水を計量し、撹拌を開始した。そこへ砂糖、安定剤及びデキストリンの粉体混合物を添加し、加熱した。80℃に達温後、温度を保持したまま10分間撹拌した。次いで冷菓ミックスが5℃以下となるまで冷却後、水にて全量が100質量部となるよう補正した。その後、香料を添加してフリージングし、−5〜−3℃で容器に取り出して−40℃で硬化させ、冷菓を調製した。
注2)馬鈴薯由来、DE3.8、25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を25℃で5分間静置した時の粘度が55mPa・sであるデキストリン
(A)キサンタンガム及びネイティブ型ジェランガム、並びに(B)グァーガムを含有し、(A)に対する(B)の質量比[(B)/(A)]が7である冷菓(実施例2−1)
は、繊維感に富み、柔らかで滑らかな食感を有するマンゴー果肉を想起させる、果肉様食感を有していた。具体的には、適度な口当たり(ぬめり感)と密な組織感を有する、果肉(マンゴー)様の滑らかな食感を有していた。しかし一方で、オーバーランが30%と高く、また、固形分が27.5%と比較的低いことに由来して、若干の氷晶感を感じるものであった。
かかるところ、更にデキストリンを併用した実施例2−2の冷菓は、実施例2−1の冷菓よりも、より一層組織感が密になり、濃厚な食感と、濃厚でありつつもマンゴー果肉特有の適度なぬめり感がしっかりと付与されていた。更には、オーバーランが30%と高く、固形分が27.5%と低い冷菓であったが、氷晶感を感じさせない非常に滑らかな食感を有していた。
一方、実施例2−1の処方において、(B)グァーガム含量を0.023%に変更し、(A)に対する(B)の質量比[(B)/(A)]を1とした以外は実施例2−1と同様に冷菓を調製したところ、氷結晶が粗く、シャリシャリとした食感となり、果肉のような滑らかで密な組織感を再現することができなかった。
実験例3 果肉様食感(マンゴー様食感)を有する冷菓の調製(3)
表5に示す処方に従って、果肉様食感(マンゴー様食感)を有する冷菓を調製した。詳細には、撹拌装置を有する容器に水あめ、果糖ぶどう糖液糖及び水を計量し、撹拌を開始した。そこへ粉末水あめ、砂糖、キサンタンガム、グァーガム及びデキストリンの粉体混合物を添加し、加熱した。80℃に達温後、温度を保持したまま10分間撹拌した。次いで、マンゴーピューレを添加後、水にて全量が100質量部となるよう補正し、冷菓ミックスが5℃以下となるまで冷却した。その後、香料を添加してフリージングし、−5〜−3℃で容器に取り出して−40℃で硬化させ、冷菓を調製した。
調製された冷菓は、繊維感に富み、柔らかで滑らかな食感を有するマンゴー果肉を想起させる、果肉様食感を有していた。具体的には、適度な口当たり(ぬめり感)と密な組織感を有する、果肉(マンゴー)様の滑らかな食感であり、また、濃厚な食感を有していた。
実験例4 果肉様食感(マンゴー様食感)を有する冷菓の調製(4)
表6に示す処方に従って、果肉様食感(マンゴー様食感)を有する冷菓を調製した。詳細には、撹拌装置を有する容器に果糖ぶどう糖液糖及び水を計量し、撹拌を開始した。そこへ砂糖、果糖、キサンタンガム、ネイティブ型ジェランガム、グァーガム及びデキストリンの粉体混合物を添加し、加熱した。80℃に達温後、温度を保持したまま10分間撹拌した。次いで、マンゴーピューレ、50%クエン酸溶液及び色素を添加後、水にて全量が100質量部となるよう補正し、冷菓ミックスが5℃以下となるまで冷却した。その後、香料を添加してフリージングし、−5〜−3℃で容器に取り出して−40℃で硬化させ、冷菓を調製した。
調製された冷菓は、繊維感に富み、柔らかで滑らかな食感を有するマンゴー果肉を想起させる、果肉様食感を有していた。具体的には、僅かに氷晶感を感じるが、適度な口当たり(ぬめり感)と密な組織感を有する、果肉(マンゴー)様の、滑らかな食感を有していた。



Claims (1)

  1. (A)キサンタンガム及び/又はネイティブ型ジェランガムを0.00〜0.15質量%
    B)グァーガムを0.0〜0.35質量%、並びに
    DE値が1以上5以下であるデキストリン、
    を含有し、下記条件(C)及び(D)を満たす、果肉様食感を有する冷菓;
    (C)前記成分(A)及び(B)の質量比[(B)/(A)]が2〜17である、
    (D)前記冷菓の固形分が15〜50質量%である。
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