JP6745547B1 - 機能性粉体入りシリコン成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、シリコン樹脂の中にトルマリン,磁気粉末、消臭剤の異種以上を混入させて一体成形した「すべり止め」が開示されている。
特許文献2には、シリコン成形体の内部に磁石などの機能素材の個体を埋め込んだ「すべり止め」が開示されている。
特許文献2記載のものは、シリコン成形体に埋め込まれた機能素材は、空気や洗濯時の水に触れることがなく、錆などによる衣服の汚染はない。しかし、磁石等の個体の硬質物が身体を圧迫するため、衣服装着時の違和感が生じるという課題があった。
前記台紙は、合成樹脂フィルムであり、前記熱接着性樹脂層は、ポリエステル系ウレタン樹脂からなり、前記シリコン接着剤層は、熱硬化型接着剤シリコンからなり、前記シリコン樹脂層は、二液性のシリコンであるのが好ましい。
本発明の機能性粉体入りシリコン成形体の製造方法は、シート状の台紙に熱接着性樹脂層を形成し、該熱接着性樹脂層にシリコン接着剤層を形成し、該シリコン接着剤層にシリコン樹脂層を形成して基材を製造する基材形成工程と、シリコン樹脂液と機能性粉体を混合する混合工程と、該混合工程により混合した液体により前記基材のシリコン樹脂層表面に凸部を形成する凸部形成工程と、前記凸部形成工程の後に、前記凸部と基材とからなる製造物を乾燥させる乾燥工程とを有する。
前記台紙は、合成樹脂フィルムであり、前記熱接着性樹脂層は、ポリエステル系ウレタン樹脂からなり、前記シリコン接着剤層は、熱硬化型接着剤シリコンからなり、前記シリコン樹脂層は、二液性のシリコンであるのが好ましい。
前記台紙の厚みは約80ミクロン、前記熱接着性樹脂層の厚みは約150ミクロン、前記シリコン接着剤層の厚みは50〜70ミクロンであるのが好ましい。
前記凸部形成工程は、シルクスクリーン加工、又は、所定厚みの穴あきプレートによる加工とすることができる。
前記機能性粉体は、ネオジウム磁紛であり、前記凸部形成工程と乾燥工程との間に、前記凸部の上にシリコン樹脂からなる小凸部を形成する工程を有するのが好ましい。
図1に示すものは、本発明の実施の形態に係る機能性粉体入りシリコン成形体1である。
このシリコン成形体1は、基材2の表面に、凸部3が形成されたものである。この凸部3は、機能性粉体4がシリコン樹脂5で被覆されてなるものである。
機能性粉体4としてネオジウム磁粉体が例示される。磁力は適宜設定される。
図2に示すものは、基材2の詳細な断面図である。
基材2は、シート状の台紙6と、台紙6上に形成された熱接着性樹脂層7と、該熱接着性樹脂層7上に形成されたシリコン接着剤層8と、該シリコン接着剤8層上に形成されたシリコン樹脂層9とからなる。
熱接着性樹脂層7は、ポリエステル系ウレタン樹脂からなるものである。このウレタン樹脂として日本マタイ株式会社のエルファンUH203が例示される。
シリコン接着剤層8は、熱硬化型接着剤シリコンからなる。
シリコン樹脂層9は、二液性のシリコンであるが、前記シリコン接着剤層8のシリコン樹脂とは異なるものである。このシリコン樹脂層9のシリコン樹脂は、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社のTSE3453T(A)と(B)が例示される。
図3は、図1、2の平面図であり、多数の凸部3がシリコン樹脂層9の表面に形成されている。このようにシート状の表面に形成された凸部3は、凸部3を避けた型抜きにより図4に示すシリコン成形体1の製品に成形される。なお、図3では凸部3は円形のものが示されているが、これに限られるものではない。
同図(b)に示すものは、複数の円形の凸部3を含めて、外形が矩形状に型抜きされたものである。
同図(c)に示すものは、一個の円形の凸部3を中心として、外形が同心円状の円形に型抜きしたものである。
アイロン等で押圧する場合、凸部3がシリコン樹脂層9に沈み込み、シリコン樹脂層9はクッション材の役目をなす。
上記何れの型抜きも、凸部3を切断しないように型抜きされている。したがって、凸部3内の機能性粉末4が切断面から露出することはない。
次に本発明の製造方法につき説明する。
図5に示すものは、本発明の実施の形態に係る製造方法のフローチャートである。
なお、製造方法の説明において、前記物の発明の説明において用いた構成要素の符号は同一の符号を用い、その説明は省略する。
基材形成工程S1は、シート状の台紙6に熱接着性樹脂層7を形成し、該熱接着性樹脂層7にシリコン接着剤層8を形成し、該シリコン接着剤層8にシリコン樹脂層9を形成するものである。
この実施の形態では、台紙6の厚みは約80ミクロン、熱接着性樹脂層7の厚みは約150ミクロンぐらいである。熱接着性樹脂層7の上にシリコン接着剤を塗布してシリコン接着剤層8を形成する。この層の厚みは50〜70ミクロンである。その上にシリコン樹脂を流し込んで、厚み約400ミクロンのシリコン樹脂層9を形成した。
混合工程S2は、シリコン樹脂液とネオジウム磁粉体4を混合するものである。シリコン樹脂は、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社のTSE3453T(A)と(B)液が例示される。(A)液とネオジウム磁粉体4とを所定比率で混合する。その後、この混合液と(B)液を所定比率で混合して混合液体を作る。
凸部形成工程S3は、前記混合液体により基材2の表面に凸部3を形成するものである。この凸部3の基材2表面への形成は、混合液体を、ノズルから吐出させたり、穴あき型枠を用いたり、スクリーン印刷等で行なうことができる。
所定厚みを有する穴あき型枠を用いれば、凸部3の突出量を高くすることができる。
この小凸部10は、機能性粉体の機能を向上させることができる。
型抜き工程S5は、図3に示すシート状の製造物を凸部3を避けて所定形状に型抜きするものである。
上記実施の形態によれば、凸部3に収納されるのは個体ではなく粉体4であるので、変形容易になる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。
例えば、基材2は、その表面がシリコン樹脂からなるものが例示されているが、特にこれに限定されるものではなく、特開平10-317218号公報に記載の「添片」等であっても良い。
シリコン成形体の用途はすべり止めに限らず、各種のマーク、ブランドネーム、品質表示、マット、シート、オープナー等に用いることができる。
基材2の厚みを薄くし、凸部3の厚みを厚くしても、柔らかく体の動きにフィットし、ストレスになるゴワツキや異物感も感じないものである。カラーや模様等、自由にデザインできる。
2 基材
3 凸部
4 機能性粉体
5 シリコン樹脂
6 台紙
7 熱接着性樹脂層
8 シリコン接着剤層
9 シリコン樹脂層
10 小凸部
S1 基材形成工程
S2 混合工程
S3 凸部形成工程
S4 乾燥工程
S5 型抜き工程
Claims (9)
- 基材の表面に、機能性粉体がシリコン樹脂で被覆された凸部が形成されてなり、
前記基材は、剥離自在なシート状の台紙に形成された熱接着性樹脂層と、該熱接着性樹脂層に形成されたシリコン接着剤層と、該シリコン接着剤層に形成されたシリコン樹脂層とからなり、
前記凸部は、シリコン樹脂液と前記機能性粉体を混合した液体を前記シリコン樹脂層の上に塗布して形成されてなる機能性粉体入りシリコン成形体。 - 前記台紙は、合成樹脂フィルムであり、
前記熱接着性樹脂層は、ポリエステル系ウレタン樹脂からなり、
前記シリコン接着剤層は、熱硬化型接着剤シリコンからなり、
前記シリコン樹脂層は、二液性のシリコンである請求項1記載の機能性粉体入りシリコン成形体。 - 前記台紙の厚みは約80ミクロン、前記熱接着性樹脂層の厚みは約150ミクロン、前記シリコン接着剤層の厚みは50〜70ミクロンである請求項1または2記載の機能性粉体入りシリコン成形体。
- シート状の台紙に熱接着性樹脂層を形成し、該熱接着性樹脂層にシリコン接着剤層を形成し、該シリコン接着剤層にシリコン樹脂層を形成して基材を製造する基材形成工程と、
シリコン樹脂液と機能性粉体を混合する混合工程と、該混合工程により混合した液体により前記基材のシリコン樹脂層表面に凸部を形成する凸部形成工程と、
前記凸部形成工程の後に、前記凸部と基材とからなる製造物を乾燥させる乾燥工程とを有する機能性粉体入りシリコン成形体の製造方法。 - 前記台紙は、合成樹脂フィルムであり、
前記熱接着性樹脂層は、ポリエステル系ウレタン樹脂からなり、
前記シリコン接着剤層は、熱硬化型接着剤シリコンからなり、
前記シリコン樹脂層は、二液性のシリコンである請求項4記載の機能性粉体入りシリコン成形体の製造方法。 - 前記乾燥工程は、前記凸部内で前記機能性粉体が沈殿し、表面に前記シリコン樹脂液の膜が形成されるものであり、該乾燥工程の後に、前記製造物を前記凸部を避けて所定形状に型抜きする型抜き工程を有する請求項4又は5記載の機能性粉体入りシリコン成形体の製造方法。
- 前記台紙の厚みは約80ミクロン、前記熱接着性樹脂層の厚みは約150ミクロン、前記シリコン接着剤層の厚みは50〜70ミクロンである請求項4〜6の何れか一つに記載の機能性粉体体入りシリコン成形体の製造方法。
- 前記凸部形成工程は、シルクスクリーン加工、又は、所定厚みの穴あきプレートによる加工である請求項4〜7の何れか一つに記載の機能性粉体入りシリコン成形体の製造方法。
- 前記機能性粉体は、ネオジウム磁紛であり、前記凸部形成工程と乾燥工程との間に、前記凸部の上にシリコン樹脂からなる小凸部を形成する工程を有する請求項4〜8の何れか一つに記載の機能性粉体入りシリコン成形体の製造方法。
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