JP6745258B2 - 飲料組成物 - Google Patents
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Description
(A)非重合体カテキン類 0.03〜0.6質量%、及び
(B)シネオール 1000質量ppb以下
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が4×10-7以上1.25×10-3以下である、飲料組成物を提供するものである。
本発明の飲料組成物は、成分(A)として非重合体カテキン類を含有する。ここで、本明細書において「(A)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びエピガロカテキン等の非ガレート体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のガレート体を併せての総称である。本発明においては、上記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
成分(A)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、非重合体カテキン類を含有する植物から抽出したものでもよい。
不発酵茶としては、例えば、煎茶、深蒸し煎茶、焙じ茶、番茶、玉露、かぶせ茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、例えば、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。
また、本発明の飲料組成物が固形状である場合、常温(20℃±15℃)において固体であればその形状は特に限定されず、粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状等の種々の形状とすることができる。本発明の固形状飲料組成物中の固形分量は、通常95質量%以上、好ましくは97質量%以上である。なお、かかる固形分量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。ここで、本明細書において「固形分量」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分の質量をいう。
なお、本発明の飲料組成物が濃縮物又は固形物の形態である場合、規定の用法にしたがってストレート飲料を調製したときに、ストレート飲料中の成分(A)及び(B)、並びに任意成分及びpHが上記要件を満たすものであればよい。
更に、本発明の飲料組成物がストレート飲料である場合、加熱殺菌済とすると本発明の効果を享受しやすく好ましい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、飲料組成物の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料組成物を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、飲料組成物をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
本発明の飲料組成物は適宜の方法により製造することが可能であるが、例えば、0.03〜0.6質量%の成分(A)と、1000質量ppb以下の成分(B)とを、両者の質量比[(B)/(A)]が4×10-7以上1.25×10-3以下の範囲内で調製することで製造することができる。この場合、成分(A)及び成分(B)以外の他の成分を必要により配合してもよい。成分(A)と成分(B)との混合順序は特に限定されず、一方を他方に添加しても、両者を同時に添加してもよい。混合方法としては、撹拌、震盪等の適宜の方法を採用することができるが、混合装置を使用しても構わない。また、成分(C)及び成分(D)から選択される少なくとも1種を配合してもよく、質量比[(C)/(A)]やpHを上記範囲内に調整することもできる。なお、飲料組成物の具体的構成、並びに成分(A)、(B)、(C)及び(D)の具体的構成(例えば、各含有量、量比等)については、上記において説明したとおりである。
本発明の舌のザラつきの抑制方法は、0.03〜0.6質量%の成分(A)と、1000質量ppb以下の成分(B)とを、両者の質量比[(B)/(A)]が4×10-7以上1.25×10-3以下の範囲内で含有させるものである。
本発明の舌のザラつき抑制方法は、特定量の成分(A)と成分(B)とが特定の量比で共存した状態にあればよく、共存させるタイミングや配合順序は特に限定されない。
また、成分(C)及び成分(D)から選択される少なくとも1種を配合してもよく、質量比[(C)/(A)]やpHを上記範囲内に調整することもできる。なお、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の具体的構成(例えば、各含有量、量比等)、飲料組成物の具体的構成については、上記において説明したとおりである。また、成分(C)及び成分(D)から選択される少なくとも1種を含有させてもよく、質量比[(C)/(A)]やpHを上記範囲内に調整することもできる。なお、成分(C)及び(D)の具体的構成(例えば、含有量、質量比等)については、上記において説明したとおりである。
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラムL−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度40℃にてグラジエント法により分析した。非重合体カテキン類の標準品として、栗田工業製のものを使用し、検量線法で定量した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は、以下のとおりである。
時間(分) A液濃度(体積%) B液濃度(体積%)
0 97% 3%
5 97% 3%
37 80% 20%
43 80% 20%
43.5 0% 100%
48.5 0% 100%
49 97% 3%
60 97% 3%
試料10mLをGC用ヘッドスペースバイアル(20mL)に採取し、塩化ナトリウム3gを添加した。バイアルに攪拌子を入れて密栓し、スターラーで30分間撹拌しながら、SPMEファイバー(シグマアルドリッチ社製,50/30μm、DVB/CAR/PDMS)に含有成分を吸着させる。吸着後、SPMEファイバーを注入口で加熱脱着し、GC/MS測定を行った。分析機器は、Agilent 6890N/5975C(アジレント・テクノロジー社製)を使用した。
・カラム :VF―WAX(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
・カラム温度 :35℃(4min)→3℃/min→130℃→5℃/min→ 240℃(15min)
・カラム圧力 :定流量モード(31kPa)
・カラム流量 :l.5mL/min(He)
・注入口温度 :240℃
・注入方式 :スプリットレス
・検出器 :MS
・イオン源温度:240℃
・イオン化方法:EI(70eV)
試料2gを採取し、メタノール20mLを加えて5分間超音波抽出した後、25mLに定容する。次いで、1mLを分取し、25mLに定容した後、高速液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析計を用いて分析した。
・カラム :InertSustain C18、φ2.1mm×150mm、粒径3μm
・移動相 :水、アセトニトリル及び酢酸の混液
・流量 :0.2mL/min
・カラム温度 :40℃
・イオン化法 :エレクトロスプレー(負イオン検出モード)
・設定イオン数:m/z 446.8→254.9
検体100mLを300mLのビーカーに量り取り、pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、20℃に温度調整をして測定した。
各飲料組成物の「舌のザラつき」について専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験では、飲料組成物中の非重合体カテキン類の含有量に基づいて、予め等間隔で10段階に濃度調整した標準水溶液を調製した。そして、各パネリストが標準水溶液の中から、被験飲料組成物と同等の舌のザラつきの強さと認識された標準水溶液の舌のザラつき強度を決定することで評価し、その後、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第1位を四捨五入するものとする。実施例1〜6及び10〜21並びに比較例1〜4及び8の官能評価に使用した標準水溶液を下記の表1に、実施例7及び比較例5の官能評価に使用した標準水溶液を下記の表2に、実施例8及び比較例6の官能評価に使用した標準水溶液を下記の表3に、実施例9及び比較例7の官能評価に使用した標準水溶液を下記の表4に、それぞれ示す。なお、標準水溶液の調製には、非重合体カテキン類試薬(テアビゴ、太陽化学社製)を使用した。
緑茶抽出物の製造
2番煎茶葉(宮崎県産、(2016年度産))10gを90℃の熱水430gに投入し、1分間抽出を行った。その後、液温5℃まで冷却し、緑茶抽出物とした。得られた緑茶抽出物は、非重合体カテキン類の含有量が0.136質量%であり、シネオール、アストラガリン及びミルセンは検出されなかった。
表5に示す各成分を配合して飲料組成物を調製し、得られた各飲料組成物について分析及び官能評価を行った。その結果を表5に示す。
表6に示す各成分を配合して飲料組成物を調製し、得られた各飲料組成物について分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3の結果とともに表6に示す。
表7に示す各成分を配合して飲料組成物を調製し、得られた各飲料組成物について分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3及び比較例1の結果とともに表7に示す。
表8に示す各成分を配合して飲料組成物を調製し、得られた各飲料組成物について分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3及び比較例1の結果とともに表8に示す。
表9に示す各成分を配合して飲料組成物を調製し、得られた各飲料組成物について分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3及び比較例1の結果とともに表9に示す。
表10に示す各成分を配合して飲料組成物を調製し、得られた各飲料組成物について分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3及び比較例1の結果とともに表10に示す。
表11に示す各成分を配合して飲料組成物を調製し、得られた各飲料組成物について分析及び官能評価を行った。その結果を表11に示す。
Claims (7)
- 次の成分(A)及び(B);
(A)非重合体カテキン類0.03〜0.6質量%、及び
(B)シネオール1000質量ppb以下
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が4×10-7以上1×10 -5 以下である、飲料組成物。 - 成分(C)としてミルセンを含み、成分(C)の含有量が0.7〜300質量ppbである、請求項1記載の飲料組成物。
- pHが2〜7.5である、請求項1又は2記載の飲料組成物。
- 茶飲料組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料組成物。
- 不発酵茶飲料組成物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料組成物。
- 次の成分(A)及び(B);
(A)非重合体カテキン類0.03〜0.6質量%、及び
(B)シネオール1000質量ppb以下
を、両者の質量比[(B)/(A)]が4×10-7以上1.25×10-3以下となる範囲内で飲料組成物中に含有させる、非重合体カテキン類による舌のザラつき抑制方法。 - 次の成分(A)及び(B);
(A)非重合体カテキン類0.03〜0.6質量%、及び
(B)シネオール1000質量ppb以下
を、両者の質量比[(B)/(A)]が4×10-7以上1×10 -5 以下となる範囲内で調製する、飲料組成物の製造方法。
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