JP6744603B2 - 炭化珪素半導体装置の駆動方法および炭化珪素半導体装置の駆動回路 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の駆動方法および炭化珪素半導体装置の駆動回路 Download PDF

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Description

この発明は、炭化珪素半導体装置の駆動方法および炭化珪素半導体装置の駆動回路に関する。
基板上に炭化珪素(SiC)をエピタキシャル成長させたエピタキシャルウェハ(炭化珪素半導体基板、以下、単に基板と略する)には、多くの結晶欠陥・転移が存在しており、これらが炭化珪素半導体装置の特性に悪影響を与えていると考えられている。特に、エピタキシャル成長させた層中の基底面転位(BPD:Basal Plane Dislocation)は、半導体装置をバイポーラ動作させた際に積層欠陥に拡張し、電流を流れにくくすることにより半導体装置のオン電圧を上昇させ「バイポーラ劣化」の発生につながる。
BPDは、基板に数百〜数千個/cm2の密度で存在する。その多くは、エピタキシャル成長中に、貫通刃状転位(TED:Threading Edge Dislocation)に変換されるが、BPDは、エピタキシャル成長後、基板に1〜100個/cm2の密度で残る。この場合、この基板から作製(製造)した炭化珪素半導体装置をバイポーラ動作させる際、電流を流すと、電流密度が300A/cm2以下でも基板内のBPDが拡張し、三角状・帯状の積層欠陥が発生する。
図7は、従来の炭化珪素半導体基板に発生した積層欠陥のフォトルミネッセンス発光を撮影した上面図である。従来の炭化珪素半導体基板から形成したpin(p−intrinsic−n)ダイオードを、600A/cm2の電流密度で1時間程度バイポーラ動作させた後、アノード電極を乖離し、室温で420nm近傍のバンドパスフィルターを用いて、基板に対してフォトルミネッセンス発光の測定を行った結果である。図7には、基板内に、基板の左右両端に亘って長く延びた帯状積層欠陥と複数の三角形状積層欠陥が共に発光した状態が示されている。
三角状・帯状の積層欠陥が発生すると、その部分には電流が流れなくなるため、炭化珪素半導体装置のオン抵抗、順方向電圧(Vf)が増加し、炭化珪素半導体装置の性能が劣化する。現状の炭化珪素結晶では、基板上の基底面転位をゼロにすることはできないため、炭化珪素半導体装置でバイポーラ動作させる場合、三角状・帯状の積層欠陥が発生することを防止できない。
このため、炭化珪素半導体装置に発生した三角状・帯状の積層欠陥を縮小させる技術が存在する。例えば、炭化珪素バイポーラ型半導体装置を350℃以上の温度で加熱し、電流通電により拡大した積層欠陥面積を縮小する技術が存在する(下記、特許文献1参照)。また、炭化珪素半導体装置に発生した三角状・帯状の積層欠陥による順方向電圧の増加を抑える技術が存在する。例えば、炭化珪素半導体装置を242℃の温度で14A/cm2の電流を流すことで、PNダイオードの順方向電圧を10%抑える技術が存在する(下記、非特許文献1参照)。また、例えば、炭化珪素半導体装置を500℃の高温にすることで、順方向電圧を回復する技術が存在する(下記、非特許文献2参照)。
特開2006−295061号公報
Caldewell, et al. "On the driving force for recombination−induced stacking fault motion in 4H−SiC", JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 108, 044503, 2010 Caldewell, et al. "Influence of Temperature on Shockley Stacking Fault Expansion and Contraction in SiC PiN Diodes", Journal of ELECTRONIC MATERIALS, Vol. 37, No. 5, 2008
しかしながら、三角状・帯状の積層欠陥を縮小させたり、順方向電圧の増加を抑えるためには、半導体装置を高温にする必要があり、半導体装置をこのような高温で動作させることはできない。このように、発生した三角状・帯状の積層欠陥を縮小できず、順方向電圧の増加を抑えることができないため、炭化珪素半導体装置を出荷する際、バイポーラ動作させ、オン抵抗、順方向電圧を測定することにより、基底面転位が存在するか否かを検証し、基底面転位が存在する炭化珪素半導体装置を不良品としている。
炭化珪素半導体装置に基底面転位が存在するか否かを判断するために、電流印加装置が必要であり、この検証のためのコストがかかる。さらに、基底面転位が存在する半導体装置を製品とすることができないため、良品数が低下する。
この発明は、上述した技術による問題点を解消するため、炭化珪素半導体装置をバイポーラ動作させることで発生した三角状・帯状の積層欠陥を低温で縮小させることができる炭化珪素半導体装置の駆動方法および炭化珪素半導体装置の駆動回路を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法は、次の特徴を有する。炭化珪素半導体装置の駆動方法は、炭化珪素半導体装置をオンにして負荷電流を流し、該オンの後に該炭化珪素半導体装置のオフ時に、前記炭化珪素半導体装置のオン時に流れる電流と同方向の電流であって、かつより小さい微小電流を、所定時間の間、前記炭化珪素半導体装置に流すことを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法は、上述した発明において、前記所定時間は、前記炭化珪素半導体装置のオン時に成長した積層欠陥を縮小することに要する時間であることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法は、上述した発明において、前記微小電流の電流密度は、前記微小電流による積層欠陥の縮小が最大となる電流密度を使用することを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法は、上述した発明において、前記微小電流による積層欠陥の縮小が最大となる電流密度は、5A±1.5A/cm2であることを特徴とする。また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法は、上述した発明において、前記負荷電流の電流密度が300A/cm 2 以下であることを特徴とする。また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法は、上述した発明において、微小電流を、所定時間の間、炭化珪素半導体装置に流す工程を所定回数繰り返す動作、とすることを特徴とする。また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法は、炭化珪素半導体装置がMOSFET又はIGBTであって、オン時に流れる電流がドレイン又はコレクタからソース又はエミッタの方向であることを特徴とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動回路は、次の特徴を有する。炭化珪素半導体装置の駆動回路は、炭化珪素半導体装置をオンにして負荷電流を流し、該オンの後に該炭化珪素半導体装置のオフ時に、前記炭化珪素半導体装置のオン時に流れる電流と同方向の電流であって、かつ小さい微小電流を、所定時間の間、前記炭化珪素半導体装置に流す回路を備える。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動回路は、上述した発明において、前記回路は、前記炭化珪素半導体装置をオンにすることにより、前記炭化珪素半導体装置に流れる電流を増加させる回路であり、前記炭化珪素半導体装置をオンにした後、前記炭化珪素半導体装置に流れる電流が前記微小電流以上になる前に前記炭化珪素半導体装置をオフにする動作を所定回数繰り返す回路であることを特徴とする。
上述した発明によれば、半導体装置のオフ時に、微小電流を流すことで、積層欠陥を縮小できる。これにより、基底面転位が存在する半導体装置で、バイポーラ動作させて、積層欠陥が発生しても、半導体装置の使用時に発生した積層欠陥を縮小できる。このため、基底面転位が存在する半導体装置を製品とすることができるため、基底面転位が存在するか否かの検査が不要となり、検査のコストを削減することができる。また、基底面転位が存在する半導体装置を製品とすることができるため、良品数が低下することを防止できる。
また、半導体装置のオン時に成長した積層欠陥を縮小させる時間、微小電流を流すことにより、半導体装置のオン時に成長した積層欠陥をオフ時に完全に縮小できる。これにより、半導体装置のオン抵抗、閾値電圧が増加することを防止できる。
また、微小電流を、積層欠陥の縮小速度が最も速い5A/cm3に近い5A±1.5/cm3とすることで、短時間に、積層欠陥を縮小することができ、半導体装置に微小電流を流す時間を短くできる。
本発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法および炭化珪素半導体装置の駆動回路によれば、炭化珪素半導体装置をバイポーラ動作させることで発生した三角状・帯状の積層欠陥を低温で縮小できるという効果を奏する。
炭化珪素半導体装置の電流密度に対する積層欠陥の成長速度を示すグラフである。 炭化珪素半導体装置の積層欠陥を縮小させる動作方法の一例を示す図である。 炭化珪素半導体装置の積層欠陥を縮小させる動作回路の一例を示す図である。 図3の動作回路における炭化珪素半導体装置の動作の一例を示す図である。 npnトランジスタの回路図とnpnトランジスタの積層欠陥を縮小させる動作方法の一例を示す図である。 IGBTの回路図とIGBTの積層欠陥を縮小させる動作方法の一例を示す図である。 従来の炭化珪素半導体基板に発生した積層欠陥のフォトルミネッセンス発光を撮影した上面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法および炭化珪素半導体装置の駆動回路の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、炭化珪素半導体装置の電流密度に対する積層欠陥の成長速度を示すグラフである。図1は、発明者らが150℃の温度において積層欠陥の成長と電流密度の関係を実験した結果である。図1において、縦軸は積層欠陥の成長速度を示し、単位はμm/secであり、横軸は電流密度を示し、単位はA/cm2である。積層欠陥の成長速度は、炭化珪素半導体基板内の帯状の積層欠陥が延びる速度である。
図1に示すように、電流密度が10A/cm2程度から電流密度が大きくなるにつれて積層欠陥の成長速度が速くなることが分かる。一方、電流密度が10A/cm2より小さくなると積層欠陥の成長速度がマイナスとなり、積層欠陥が縮小していくことが分かる。つまり、炭化珪素半導体装置に電流密度10A/cm2より小さい微小電流を流すことにより、150℃の低温において積層欠陥を縮小可能であることがわかる。また、150℃程度の温度は、炭化珪素半導体装置を動作させても問題のない温度である。
このため、炭化珪素半導体装置の動作時、炭化珪素半導体装置がオン時に流れた電流により成長した積層欠陥を、オフ時にオン時に流れる電流より小さい微小電流を流すことで、縮小させることができる。ここで、オン時とは、炭化珪素半導体装置が動作状態にあり、順方向に所定量以上の電流が流れている状態である。例えば、npnトランジスタの場合、ベースに閾値以上の電圧が印加され、コレクタからエミッタに所定量以上の電流が流れている状態である。一方、オフ時とは、炭化珪素半導体装置が動作状態になく、順方向に所定量以上の電流が流れていない状態である。所定量は、例えば、微小電流以上の電流である。この微小電流の電流密度は、微小電流による積層欠陥の縮小が最大となる電流密度を使用することが好ましい。図1より、電流密度が5A/cm2の場合、積層欠陥の成長速度は−0.4μm/secで、積層欠陥の縮小速度が最も大きい。このため、微小電流の電流密度は、5±1.5A/cm2程度であることが好ましく、5A/cm2程度であることが最も好ましい。また、微小電流を流す際の炭化珪素半導体装置の温度は、100℃以上が好ましい。温度が低すぎると、積層欠陥の縮小速度が小さいためである。
図2は、炭化珪素半導体装置の積層欠陥を縮小させる動作方法の一例を示す図である。図2(a)は、実施の形態の動作方法の一例を示す図であり、図2(b)は、比較のための従来の動作方法の一例を示す図である。図2(b)に示すように、従来の動作方法では、半導体装置には、オン時にオン時の電流1が流れ、オフ時には、電流オフ2となり、電流は流れない。一方、図2(a)に示すように実施の形態の動作方法では、オン時T0にオン時の電流1が流れ、オフ時T1に一定時間微小電流3が流れ、その後電流オフ2となる。
ここで、オン時の電流1は、積層欠陥が成長する電流密度より大きい電流であり、半導体装置内で積層欠陥が成長する。微小電流3は、積層欠陥が縮小する電流密度の電流であり、半導体装置内で積層欠陥が縮小する。また、T0は、半導体装置のオン時の時間であり、T1は、半導体装置に微小電流3が流れる時間である。T0の間、オン時の電流1が半導体装置に流れることにより、積層欠陥が成長する。このため、T1は、成長した積層欠陥を縮小させるために十分な時間であることが好ましい。
例えば、微小電流3の電流密度が5A/cm2である場合、積層欠陥の成長速度は−0.4μm/secであり、オン時の電流1の電流密度が100A/cm2である場合、積層欠陥の成長速度は+0.5μm/secである。このため、T1はT0の1.2倍以上であれば、成長した積層欠陥を縮小させるために十分であることが分かる。また、オン時の電流1の電流密度が200A/cm2である場合、積層欠陥の成長速度は+2.6μm/secである。このため、T1はT0の6.5倍以上であれば、成長した積層欠陥を縮小させるために十分であることが分かる。
このように、オン時T0に半導体装置に流れる電流密度により異なるが、この電流密度が300A/cm2以下である場合、オフ時に流す微小電流の時間を調整することにより、積層欠陥が成長することを防止できる。
なお、積層欠陥を縮小させる動作方法は、図2に示す炭化珪素半導体装置の動作方法に限らない。例えば、炭化珪素半導体装置のオン時の前に、微小電流を流すことにより、このオン時の前に成長した積層欠陥を縮小することもできる。また、例えば、炭化珪素半導体装置のオフ時、一定時間が経過した後に微小電流を流すことにより、積層欠陥を縮小することもできる。また、炭化珪素半導体装置が動作中に微小電流を流すことなく、炭化珪素半導体装置が動作していないときに微小電流を流すことにより、積層欠陥を縮小することもできる。この場合、珪素半導体装置が動作していない時間が長いと、積層欠陥を完全に縮小することができる。例えば、炭化珪素半導体装置が車両等に搭載されている場合、車両等がエンジンを切っている時間に微小電流を流すことにより、積層欠陥を縮小することができる。この際、エンジンを切っている時間の長さに応じて微少電流を流す時間を制御しても良い。例えば、エンジンを切っている時間の長さが長いほど微少電流を流す時間を長くしても良い。
図3は、炭化珪素半導体装置の積層欠陥を縮小させる動作回路の一例を示す図である。図3の動作回路には、AC電源4、コイル5、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)6、ダイオード7、コンデンサ8および抵抗9が含まれる。図3は、昇圧回路用のIGBT6とダイオード7での積層欠陥を縮小する例である。図3(a)は、IGBT6のゲートがオン時の場合を示し、電流は矢印10が示すようにコイル5からIGBT6の方に流れ、ダイオード7には流れない。図3(b)は、IGBT6のゲートがオフ時の場合を示し、電流は矢印11が示すようにコイル5からダイオード7に流れ、IGBT6には流れない。
図4は、図3の動作回路における炭化珪素半導体装置の動作の一例を示す図である。図4(a)では、縦軸は電流を示し、横軸は時間を示す。図4(a)は、IGBT6、ダイオード7に流れる電流を示す。図4(a)において、太い線がIGBT6に流れる電流を示し、細い線がダイオード7に流れる電流を示す。図4(b)では、縦軸は、IGBT6のゲートのオン、オフを示し、横軸は時間を示す。
図4に示すように、昇圧動作時、IGBT6のゲートをオンにすると、IGBT6に流れる電流が増加し、この後、IGBT6のゲートをオフにすると、ダイオード7に流れる電流が減少し、最終的にダイオード7に流れる電流はゼロになる。
具体的には、IGBT6のゲートを時間T11の間オンにするとIGBT6に流れる電流が増加する。時間T11は、後述するT12、T13、T14より長いため、電流は積層欠陥が成長する電流密度の電流より大きい大電流となり、IGBT6の積層欠陥が増加する。その後、IGBT6のゲートをオフにすると、時間T21の間、IGBT6に流れていた電流がダイオード7に流れ、ダイオード7の積層欠陥が増加する。このように、昇圧動作時、IGBT6、ダイオード7に大電流が流れ、積層欠陥が拡張する。
その後、IGBT6のゲートを短時間T12の間オンにするとIGBT6に流れる電流は増加する。短時間T12は、時間T11より短いため、電流は積層欠陥を縮小させる微小電流となり、IGBT6の積層欠陥が縮小する。その後、IGBT6のゲートをオフにすると、時間T22の間、IGBT6に流れていた微小電流がダイオード7に流れ、ダイオード7の積層欠陥が縮小する。その後、同様にして、IGBT6のゲートを短時間T13、T14の間オンにして、IGBT6の積層欠陥を縮小させ、IGBT6のゲートをオフにし、時間T23、T24の間、微小電流がダイオード7に流れ、ダイオード7の積層欠陥が縮小する。
このように、図3の動作回路では、炭化珪素半導体装置に流れる電流が微小電流以上になる前に炭化珪素半導体装置をオフにすることを繰り返すことにより、微小電流をIGBT6とダイオード7に流すことができる。これにより、IGBT6とダイオード7の積層欠陥を縮小することができる。また、図3の動作回路で、昇圧動作時に成長したIGBT6およびダイオード6の積層欠陥が縮小するまで、短時間にオンとオフとを行うことを所定回数繰り返すことにより、成長した積層欠陥を完全に縮小させることができる。例えば、昇圧動作時の積層欠陥の成長速度が、縮小速度の1.2倍である場合、T11<1.2(T12+T13+T14)を満たす場合、成長した積層欠陥を完全に縮小させることができる。
図5は、npnトランジスタの回路図とnpnトランジスタの積層欠陥を縮小させる動作方法の一例を示す図である。図5(a)がnpnトランジスタの回路図であり、図5(b)がnpnトランジスタの積層欠陥を縮小させる動作方法の一例である。時間T0の間、ベース電圧が閾値以上になることにより、npnトランジスタがオンとなり、コレクタ電流icがコレクタ・エミッタ間に流れてnpnトランジスタの積層欠陥は成長する。その後、ベース電圧が閾値より小さくなることにより、npnトランジスタがオフとなる。オフとなった後、時間T1の間、微小電流をコレクタ・エミッタ間に流すことにより、成長した積層欠陥を縮小させることができる。
図6は、IGBTの回路図とIGBTの積層欠陥を縮小させる動作方法の一例を示す図である。図6(a)がIGBTの回路図であり、図6(b)がIGBTの積層欠陥を縮小させる動作方法の一例である。時間T0の間、ゲート電圧が閾値以上になることにより、IGBTがオンとなり、コレクタ電流icがコレクタ・エミッタ間に流れてIGBTの積層欠陥は成長する。その後、ゲート電圧が閾値より小さくなることにより、IGBTがオフとなる。オフとなった後、時間T1の間、微小電流をコレクタ・エミッタ間に流すことにより、成長した積層欠陥を縮小させることができる。
以上、説明したように、実施の形態にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法および炭化珪素半導体装置の駆動回路によれば、半導体装置のオフ時に、微小電流を流すことで、積層欠陥を縮小できる。これにより、基底面転位が存在する半導体装置で、バイポーラ動作させて、積層欠陥が発生しても、半導体装置の使用時に発生した積層欠陥を縮小できる。このため、基底面転位が存在する半導体装置を製品とすることができるため、基底面転位が存在するか否かの検査が不要となり、検査のコストを削減することができる。また、基底面転位が存在する半導体装置を製品とすることができるため、良品数が低下することを防止できる。
また、半導体装置のオン時に成長した積層欠陥を縮小させる時間、微小電流を流すことにより、半導体装置のオン時に成長した積層欠陥をオフ時に完全に縮小できる。これにより、半導体装置のオン抵抗、順方向電圧が増加することを防止できる。
また、微小電流を、積層欠陥の縮小速度が最も速い5A/cm2に近い5A±1.5/cm2とすることで、短時間に、積層欠陥を縮小することができ、半導体装置に微小電流を流す時間を短くできる。
また、本発明は炭化珪素のpinダイオード素子、バイポーラ素子、IGBT素子、MOS(Metal Oxied Semiconductor)の寄生ダイオード等の、バイポーラ動作する炭化珪素半導体装置に適用可能である。
また、本発明は炭化珪素半導体基板の積層欠陥について記載したが、半導体は炭化珪素に限らない。例えば、半導体として、窒化ガリウム(GaN)にも適用可能である。
以上のように、本発明にかかる炭化珪素半導体装置の駆動方法および炭化珪素半導体装置の駆動回路は、電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置などに使用される高耐圧半導体装置の駆動方法および駆動回路に有用である。
1 オン時の電流
2 電流オフ
3 微小電流
4 AC電源
5 コイル
6 IGBT
7 ダイオード
8 コンデンサ
9 抵抗
10、11 電流の向き

Claims (9)

  1. 炭化珪素半導体装置をオンにして負荷電流を流し、該オンの後に該炭化珪素半導体装置のオフ時に、前記炭化珪素半導体装置のオン時に流れる電流と同方向の電流であって、かつ小さい微小電流を、所定時間の間、前記炭化珪素半導体装置に流す工程、
    を含むことを特徴とする炭化珪素半導体装置の駆動方法。
  2. 前記所定時間は、前記炭化珪素半導体装置のオン時に成長した積層欠陥を縮小することに要する時間であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の駆動方法。
  3. 前記微小電流の電流密度は、前記微小電流による積層欠陥の縮小が最大となる電流密度を使用することを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の駆動方法。
  4. 前記微小電流による積層欠陥の縮小が最大となる電流密度は、5A±1.5A/cm2であることを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素半導体装置の駆動方法。
  5. 前記負荷電流の電流密度が300A/cm 2 以下であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の駆動方法。
  6. 前記微小電流を、所定時間の間、前記炭化珪素半導体装置に流す工程を所定回数繰り返す動作、
    とすることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の駆動方法。
  7. 前記炭化珪素半導体装置がMOSFET又はIGBTであって、オン時に流れる電流がドレイン又はコレクタからソース又はエミッタの方向であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の駆動方法
  8. 炭化珪素半導体装置をオンにして負荷電流を流し、該オンの後に該炭化珪素半導体装置のオフ時に、前記炭化珪素半導体装置のオン時に流れる電流と同方向の電流であって、かつ小さい微小電流を、所定時間の間、前記炭化珪素半導体装置に流す回路、
    を備えることを特徴とする炭化珪素半導体装置の駆動回路。
  9. 前記回路は、前記炭化珪素半導体装置をオンにすることにより、前記炭化珪素半導体装置に流れる電流を増加させる回路であり、前記炭化珪素半導体装置をオンにした後、前記炭化珪素半導体装置に流れる電流が前記微小電流以上になる前に前記炭化珪素半導体装置をオフにする動作を所定回数繰り返す回路であることを特徴とする請求項8に記載の炭化珪素半導体装置の駆動回路。
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