JP6744146B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤに関し、特にリブ剛性を維持しつつWET性能を向上可能なタイヤに関する。
従来、タイヤでは、トレッド部にタイヤ円周方向に連続して延びる複数の主溝により区画されたリブに、主溝の溝深さよりも浅い副溝をタイヤ幅方向に延びるように設け、リブの接地面におけるエッジ成分を増やすことにより、リブ剛性を確保しつつ新品タイヤの使用開始初期におけるWET性能(タイヤ接地面と路面との間の水膜の除去効果)の向上が図られている。
特開2015−151023号公報
しかしながら、副溝をタイヤ幅方向に延びた状態でリブ内で終端するように配置した場合、リブ内で終端する副溝の端部にクラックが発生しやすいという問題がある。このようなクラックの発生は、タイヤの故障原因となり得るため、クラックの発生を抑制する必要がある。例えば、その対策の1つとして、副溝の溝深さを浅く設定することで副溝の端部が路面と摩擦するときのせん断剛性を高める方策が考えられる。しかし、副溝の溝深さを浅くするとタイヤの摩耗による副溝の消失するタイミングが早まり、タイヤの使用開始から早々の段階でエッジ成分がなくなり、WET性能が低下するという問題がある。
そこで、上記課題を鑑みてなされたものであり、リブ剛性を維持しつつWET性能を向上可能なタイヤを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのタイヤの構成として、トレッド幅方向両側においてタイヤ円周方向に連続して延びる外側主溝と、各外側主溝とタイヤ赤道との間においてそれぞれ設けられ、タイヤ円周方向に連続して延びる内側主溝と、各内側主溝により区画された中央陸部と、各外側主溝と各内側主溝とによりそれぞれ区画された中間陸部とを備えるタイヤであって、中央陸部は、タイヤ円周方向に交互に形成され、幅方向一方の内側主溝から他方の内側主溝まで、内側主溝と交わる向きに延長する中央サイプ及び中央副溝を有し、中間陸部は、タイヤ円周方向に交互に形成され、外側主溝と内側主溝に交わる向きに延びる中間サイプ及び中間副溝を有し、中間サイプは、一端が外側主溝、他端が内側主溝に開口し、中間副溝は、タイヤ円周方向に隣接する中間サイプにより区画された中間陸部の区画内に形成され、一端が外側主溝又は内側主溝に開口し、他端が区画内で終端する開口端側延長部と、他端からタイヤ円周方向に向けて延長し、区画内で終端する閉口端側延長部とを有し、閉口端側延長部の延長する角度がタイヤ円周方向に対して0度〜10度の範囲である構成とした。
本構成によれば、中間副溝の閉口端側延長部がタイヤ円周方向に向けて延長しているため、摩耗初期段階でのWET性能(タイヤ踏面と路面間の水膜の除去)を維持しつつ、タイヤ接地時の中間副溝の閉口端部における応力集中を低減し、クラックの発生を抑制することができる。
また、上記タイヤの他の構成として、中間副溝のタイヤ幅方向の長さ寸法を中間陸部の幅寸法に対する割合の50%〜90%とすることにより、中間陸部の剛性を低下させることなくエッジ効果を得ることができる。
また、上記タイヤの他の構成として、中間副溝のタイヤ円周方向の長さ寸法をタイヤ幅方向の長さ寸法の10〜50%としたことにより、タイヤ接地時の中間副溝の閉口端部における応力集中を低減し、クラックの発生を抑制することができる。
また、上記タイヤの他の構成として、開口端側延長部のタイヤ円周方向に交差する角度を60〜80度としたので、中間副溝のエッジ効果により除去されたタイヤ踏面と路面間の水膜を主溝に円滑に排出することができる。
また、上記タイヤの他の構成として、閉口端側延長部側に位置する中間サイプから閉口端側延長部の閉口端部までのタイヤ円周方向の距離が、タイヤ円周方向に隣接する中間サイプ間の距離の25%〜40%であるようにすると良い。
トレッドパターンの平面図である。 タイヤの断面図である。 踏面の拡大図である。 中央陸部の部分拡大図である。 中間陸部の部分拡大図である。 ベルト層の部分拡大図である。 従来例のトレッドパターンの平面図である。 評価条件を纏めた表である。 評価結果を纏めた表である。 実施例及び評価結果を纏めた表である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組合せのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1は、本実施形態に係るタイヤTのトレッド部に形成されたトレッドパターンの平面図、図2は、本実施形態に係るタイヤTの断面図である。図2に示すタイヤTは、例えば、トラックやバス等の重荷重車に適用される構造である。
図2に示すように、タイヤTは、コード部材を主体として構成される一対のビードコア51、カーカス53、複数のベルトプライで構成されるベルト層54、ゴム部材を主体として構成されるビードフィラー52、ベルトアンダーゴム55、ベースゴム56、トレッドゴム57、リムクッションゴム58、サイドゴム59、ミニサイドゴム60、インナーライナー62等を備える。
タイヤTは、ビードコア51とビードフィラー52とで形成される一対のビードスティフナー間にトロイダル状に延在する一枚以上のカーカスプライからなるカーカス53のクラウン域の外周側に、一枚以上のベルトプライ(以下単にベルトという)からなるベルト層54が設けられている。カーカス53とベルト層54の端部側との間には、ベルトアンダーゴム55が設けられている。ベルト層54のタイヤ半径方向外側には、ベースゴム56、トレッドゴム57が順に設けられている。カーカス53のサイド域外側には、ビード部側からリムに当接するリムクッションゴム58、サイドゴム59が設けられている。また、タイヤ側面において、サイドゴム59の半径方向外側の端部と、ベースゴム56及びトレッドゴム57のタイヤ幅方向外側の端部とを被覆するミニサイドゴム60が設けられている。カーカス53の内側全域には、気室内の気密性を高めるためのインナーライナー62が設けられている。
図1に示すように、本実施形態に係るトレッド部2に形成されるトレッドパターンは、タイヤ周方向に連続して延びる複数本の主溝により区画されるリブパターンがトレッドゴム57に形成されている。具体的には、左右の端部側に各々設けられる外側主溝3,4と、左右の各外側主溝3,4とタイヤにおける赤道であるタイヤセンターCLとの間に各々設けられる内側主溝5,6の4本とを含んで構成される。なお、主溝とは、タイヤTの使用限界を示す図外のウェアインジケータを備える溝であって、タイヤTにおける摩耗の使用限界の判断基準となる溝をいう。以下の説明では、説明の便宜上、タイヤセンターCLを中心として左、右といい、タイヤセンターCL側を内側、左右のトレッド端2t側を外側等として方向を定義する。
外側主溝3,4は、タイヤ円周方向に沿って直線状に延び、内側主溝5,6は、タイヤ円周方向に沿ってジグザグ状に延びている。なお、内側主溝5,6は、ジグザグ状に限定されず、外側主溝3,4と同様に、直線状に延びていても良い。
外側主溝3,4の溝幅m3,m4及び内側主溝5,6の溝幅m5,m6は、それぞれ5mm〜30mmの範囲で設定される。例えば、外側主溝3,4の溝幅m3,m4及び内側主溝5,6の溝幅m5,m6は、全て同じであっても良く、また、上記範囲を満たしつつ、全ての溝幅m3,m4,m5,m6が異なっていても良い。また、外側主溝3,4の溝幅m3,m4が同じ、内側主溝5,6の溝幅m5,m6が同じで、外側主溝3,4の溝幅m3,m4と内側主溝5,6の溝幅m5,m6とが異なっていても良い。上記各溝幅m3,m4,m5,m6は、各主溝3,4,5,6の踏面において互いに対向する溝壁間の最短距離により測定される。
本実施形態に係るトレッドパターンは、車両へのタイヤ装着時の向きの特定を不要とするように、平面視において点対象となるように設定されている。即ち、左右の外側主溝3,4がタイヤセンターCLからタイヤ幅方向に同一の距離に、左右の内側主溝5,6がタイヤセンターCLからタイヤ幅方向に同一の距離に設けられている。
内側主溝5,6の溝底には、石噛みを防止する石噛み防止突起が溝の延長方向に沿って断続的に形成されている。
したがって、トレッドゴム57には、タイヤセンターCLよりも左側には、左側のトレッド端2tと外側主溝4との間に外側陸部11、外側主溝4と内側主溝6との間に中間陸部9が区画され、右側には右側のトレッド端2tと外側主溝3との間に外側陸部10、外側主溝3と内側主溝5との間に中間陸部8が区画され、タイヤセンターCLを挟んで左右の内側主溝5,6の間に中央陸部7が区画される。
図3は、踏面の拡大図である。図3に示すように、中央陸部7には、内側主溝5,6に対して交わる方向に延長する副溝13とサイプ14とがタイヤ円周方向に交互に設けられる。副溝13及びサイプ14は、一端側が内側主溝5、他端側が内側主溝6に開口するように形成される。副溝13及びサイプ14は、図3に示す踏面の平面視における形状が、タイヤセンターCLを中心として180度回転させたときに、回転前後で一致するように点対称に設定される。これにより、中央陸部7における副溝13及びサイプ14の対称性を確保している。
副溝13の内側主溝6に開口する一方の端部13Aと、内側主溝5に開口する他方の端部13Bとは、タイヤ円周方向に位置ずれするように形成される。
副溝13は、具体的には、一方の内側主溝6から傾斜して延長する第1区間13aと、第1区間13aから連続し、第1区間13aの延長方向に対してタイヤ円周方向逆向きに延長する第2区間13bと、第2区間13bから連続し、第1区間13aと平行な方向に傾斜して他方の内側主溝5まで延長する第3区間13cとを備える。
第1区間13aは、内側主溝6との開口部を始端とし、タイヤ幅方向に対して所定の傾斜角度a1傾斜した状態で延長し、中央陸部7内で終端する。第1区間13aの延長する長さは、例えば、タイヤセンターCLに至る前で終端するように設定される。第2区間13bは、第1区間13aの終端を始端とし、第1区間13aの傾斜方向とはタイヤ円周方向逆向きのタイヤ幅方向に対して傾斜角度a2で傾斜して延長し、タイヤセンターCLを超えた中央陸部7内で終端する。第3区間13cは、第2区間13bの終端を始端とし、第2区間13bの傾斜方向とはタイヤ円周方向逆向きにタイヤ幅方向に対して傾斜角度a3で傾斜して延長し、内側主溝5に開口して終端する。
第1区間13aと第3区間13cとは、タイヤ幅方向に対する傾斜角度a1と傾斜角度a3とが同じ、タイヤ幅方向の長さとが同じに設定される。
副溝13は、延長方向における溝深さd13及び溝幅m13が一様に設定される。
例えば、副溝13の溝深さd13は1mm〜2mmの範囲、溝幅m13は1mm〜2mmの範囲で設定されることが好ましい。
図4に示すように、サイプ14は、副溝13の形状に沿うように緩やかなS字状に形成され、内側主溝6に開口する一方の端部14Aと、内側主溝5に開口する他方の端部14Bとがタイヤ円周方向に位置ずれするように形成されている。具体的には、サイプ14は、副溝13の第1区間13aに沿うように延長する第1区間14a、副溝13の第2区間13bに沿うように延長する第2区間14b、副溝13の第3区間13cに沿うように延長する第3区間14cとで構成される。サイプ14は、第1区間14aと第2区間14bとが円弧状の滑らかな曲線で接続され、第2区間14bと第3区間14cとが円弧状の滑らかな曲線で接続される。
第1区間14aが内側主溝6に開口する傾斜角度b1は、副溝13の第1区間13aの傾斜角度a1と同じ角度となるように設定される。
また、第2区間14bが延長する傾斜角度b2は、副溝13の第2区間13bの傾斜角度a2と同じ角度となるように設定される。
また、第3区間14cが内側主溝5に開口する傾斜角度b3は、副溝13の第3区間13cと平行となるように設定される。
サイプ14の溝幅m14は、0.3mm〜1.5mmの範囲が好ましい。
副溝13とサイプ14との間隔p7は、例えば、タイヤ周長の0.1%〜1.1%の範囲で設定される。間隔p7は、上記範囲内であれば同一間隔であっても良く、また、漸次広がるように形成しても良い。好適には、間隔p7は3種類の値を持ち、p71は0.10〜0.90%、p72は0.11〜0.98%、p73は0.12〜1.05%がよい。
左右の中間陸部8,9には、副溝15とサイプ16とがタイヤ円周方向に交互に設けられる。上述のように、本実施形態に係るトレッドパターンは、平面視において点対象となるように設定されているため、中間陸部8,9のそれぞれに副溝15及びサイプ16は点対象の関係にある。そこで、以下の説明では、図5の部分拡大図に示すように、右側の中間陸部8を用いて副溝15及びサイプ16の構成について説明する。
副溝15は、主としてタイヤ幅方向に延長した後に、タイヤ円周方向に屈曲するように向きを変えて延長するように形成される。具体的には、副溝15は、一端が中間陸部8を画成する内側主溝5に開口し、他端が中間陸部8内で終端するように外側主溝3に向けて延長する開口端側延長部15aと、開口端側延長部15aが中間陸部8内で終端する屈曲部15Bからタイヤ円周方向に向けて延長し、該中間陸部8内で終端する閉口端側延長部15bとを有する。
開口端側延長部15aは、中央陸部7に設けられたサイプ14の14cの延長線上に位置するように設定される。開口端側延長部15aは、例えば、内側主溝5からタイヤ幅方向に対して所定の傾斜角度c1で直線状に延長し、中間陸部8内で終端するように形成される。開口端側延長部15aの傾斜角度c1は、例えば、サイプ14の傾斜角度b3と同一に設定される。傾斜角度c1は、タイヤ幅方向に対して10度〜30度(タイヤ円周方向に対して60度〜80度)の範囲で設定される。
閉口端側延長部15bは、中間陸部8内で終端する開口端側延長部15aの端部を始端とし、開口端側延長部15aがタイヤ幅方向に対してタイヤ円周方向に傾斜する側に向けて直線状に延長し、中間陸部8内で終端する。
閉口端側延長部15bの延長する方向は、例えば、タイヤ円周方向に対して傾斜角度c2が、屈曲部15Bから延長するタイヤ円周方向の直線から左右に0度〜10度の範囲で設定される。好ましくは、0度〜5度の範囲、より好ましくは傾斜角度c2をタイヤ円周方向に一致する0度とすると良い。
なお、副溝15の開口端側延長部15a及び閉口端側延長部15bが直線状に延長するとは、円弧状に緩やかに曲がる曲線を含む概念である。
副溝15は、タイヤ幅方向の長さ寸法w15が、中間陸部8の幅寸法w8の50〜90%の範囲で設定される。なお、副溝15のタイヤ幅方向の長さ寸法w15は、閉口端部15Cが外側主溝3側に位置するように傾斜している場合には、開口端部15Aから閉口端部15Cまでのタイヤ幅方向の長さとした。また、閉口端部15Cが内側主溝5側に位置するように傾斜している場合には、開口端部15Aから屈曲部15Bまでのタイヤ幅方向の長さとした。
また、中間陸部8の幅寸法w8は、踏面に内側主溝5が開口する外側エッジ5oから踏面に外側主溝3が開口する内側エッジ3iまでのタイヤ幅方向の長さである。
また、副溝15は、タイヤ円周方向の長さ寸法L15が、副溝15のタイヤ幅方向の長さ寸法w15の10%〜50%の範囲で設定される。なお、副溝15のタイヤ円周方向の長さ寸法L15は、閉口端側延長部15bが開口端側延長部15aのタイヤ幅方向に対してタイヤ円周方向に傾斜する側に向けて直線状に延長している場合には、開口端部15Aから閉口端部15Cまでのタイヤ円周方向の長さによって定義される。また、閉口端側延長部15bが開口端側延長部15aのタイヤ幅方向に対してタイヤ円周方向に傾斜する側とは逆側に向けて延長している場合には、屈曲部15Bから閉口端部15Cまでのタイヤ円周方向の長さ、又は開口端部15Aから屈曲部15Bまでのタイヤ円周方向の長さによって定義される。
副溝15の溝幅は、平面視における延長方向における溝深さd15及び溝幅m15が一様に設定される。例えば、副溝15の溝深さd15は1mm〜2mmの範囲、溝幅m15は1mm〜2mmの範囲で設定されることが好ましい。
また、副溝15は、閉口端部15Cのサイプ16に対する距離L30が、該副溝15に隣接するサイプ16;16同士のタイヤ円周方向の距離L20に対し、25%〜40%の範囲で形成されることが好ましい。例えば、25%を下回る場合には、副溝15がサイプ16に近づき過ぎるため、路面に対する踏み込み時や蹴り出し時の変形が大きくなり、クラック発生の抑制性能が低下する虞がある。また、40%を上回る場合には、副溝15が、隣接するサイプ16;16により区画されたブロックの対田円周方向の中央側に近づくため、放熱しにくくかつ発熱しやすいのでクラック発生の抑制性能が低下する虞がある。
サイプ16は、中央陸部7に設けられた副溝13の第3区間13cの延長上に位置するように形成される。サイプ16は、タイヤ幅方向に対して所定の傾斜角度dで傾斜して延長する。サイプ16の一端はタイヤセンターCL側の内側主溝(中央主溝)5,6に、他端は外側主溝3,4に開口する。
サイプ16の溝幅m16は、0.3mm〜1.5mmの範囲が好ましい。
副溝17は、中間陸部8に設けられたサイプ16の延長上に位置するように、サイプ16に対応して設けられる。副溝17は、一端が外側主溝3に開口し、サイプ16の傾斜角度dと同一の傾斜角度eでタイヤ幅方向外側に向けて直線状に延長し、外側陸部10内で終端する。
なお、上記説明における延長上に位置するとは、各サイプや各副溝の中心線が同一直線上に位置するだけでなく、例えばサイプや副溝の溝幅の範囲内に、サイプや副溝の中心線が含まれることを意味する。
上述のように各陸部7,8,9,10,11に形成される副溝13,15,17は、タイヤ幅方向の長さ寸法において以下の関係を有することが好ましい。
(副溝13の幅方向長さ寸法w13/中央陸部7の幅寸法w7) >
(副溝15の幅方向長さ寸法w15/中間陸部8,9の幅寸法w8,w9) >
(副溝17の幅方向長さ寸法w17/外側陸部10,11の幅寸法w10,w11)。
このように、各陸部7〜11の幅寸法w7〜w11に対する副溝13,15,17の幅方向長さ寸法w13,w15,17を設定することにより、各陸部7〜11の剛性を維持しつつ、各副溝13,15,17によるエッジ成分を好適に得ることができる。なお、外側陸部10の幅寸法w10は、踏面に外側主溝3が開口する外側エッジ3oからトレッド端2tまでのタイヤ幅方向の長さである。
図6は、ベルト層54の部分拡大図である。同図に示すように、ベルト層54を構成するベルト71乃至74は、幅寸法が設定される。本実施形態に係るベルト層54は、タイヤ半径方向内側からベルト71,72,73,74の順にタイヤ半径方向外側に積層される4層構造からなる。各ベルト71〜74は、ベルト幅がベルト72>ベルト71>ベルト73>ベルト74となるように設定される。
ベルト71〜73は、タイヤ幅方向の端部が外側陸部10,11のタイヤ半径方向内側に位置するようにベルト幅が設定される。
より詳細には、ベルト72のベルト幅w72は、タイヤ幅方向の端部72tが外側主溝3,4のタイヤ幅方向外側の外縁からトレッド端2tに向かって外側陸部10,11の幅寸法w10,w11の70%より大きく95%より小さいの範囲に位置するように設定される。好ましくは、70%より大きく90%以下とすると良い。
例えば、ベルト72の端部72tの位置が、外側主溝3から70%以下の場合には、耐カット性が低下する虞がある。また、95%以上とした場合ベルト端におけるひずみが悪化する虞がある。
また、ベルト73のベルト幅w73は、タイヤ幅方向の端部73tが外側主溝3,4のタイヤ幅方向外側の外縁からトレッド端2tに向かって外側陸部10,11の幅寸法w10,w11の40%〜70%の範囲に位置するように設定される。
例えば、ベルト73の端部73tの位置が、外側主溝3から40%以下の場合には、耐カット性が低下する虞がある。また、70%以上とした場合ベルト端におけるひずみが悪化する虞がある。
また、ベルト74のベルト幅w74は、タイヤ幅方向の端部74tが内側主溝5,6のタイヤ幅方向外側の外縁から中間陸部8,9の幅寸法w8,9の75%〜95%の範囲に位置するように設定される。
例えば、ベルト74の端部74tの位置が、内側主溝5から75%以下の場合には、耐カット性が低下する虞がある。また、95%以上とした場合ベルト端におけるひずみが悪化する虞がある。
また、上記各ベルト71〜74を構成するベルトコードは、ベルト71→ベルト72→ベルト73→ベルト74の順にタイヤ半径方向外側に行くにつれて、耐カット性に優れたコードを用いることが好ましい。
特に、タイヤ半径方向外側の最外層に位置するベルト74には、ブラスめっきされたスチールコードからなる2本のコアフィラメントを撚り合わせた外周に、ブラスめっきされたスチールコードからなる8本のシースフィラメントを撚り合わせた2層の層撚り構造を有するベルトコードを用いることが好ましい。
なお、各ベルト71〜74の幅等の寸法は、適用リムに組み付けたタイヤTに規定内圧を充填し、無負荷状態において計測した寸法である。また、「適用リム」とは、タイヤサイズに応じて以下のの規格に規定されたリムをいう。具体的には、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格であり、日本では日本自動車タイヤ協会の「JATMA YEAR BOOK」、アメリカ合衆国ではTHE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.の「YEAR BOOK」、欧州ではThe European Tyre and Rim Technical Organizationの「STANDARDS MANUAL」等に記載されているタイヤに適用可能な標準リム(Approved Rim、Recommended Rim)をいう。また、「規定内圧」とは、上記の各規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧である。「最大負荷能力」とは、上記の各規格でタイヤに負荷されることが許容される最大の質量である。また、上記説明における「トレッド端2t」とは、上記状態とされたタイヤTに最大負荷能力に対応する負荷を加えた際の接地面におけるタイヤ幅方向最外側の接地位置である。
[実施例]
本実施形態に係るタイヤTの効果を検証するため、図8の表に示すように設定された従来例タイヤ(以下従来例という)1,2(図7参照)と、本実施形態に係るタイヤ(以下実施例という)1,2,3との計5種類のタイヤを試作し、JATMAで規定されるリムにリム組みして規定内圧を印加して、WET時における発進・加速性能評価、ブレーキ性能評価、5%,10%,15%摩耗時のフィーリング評価及びクラック発生状態評価を行った。従来例1,2及び実施例1,2,3のいずれのタイヤもタイヤサイズは、12R22.5インチである。
従来例1,2のトレッドパターンを図7に示す。従来例のタイヤは、本実施形態(実施例1,2,3)と同様に、左右の端部側に各々設けられ、タイヤ円周方向に連続して延びる外側主溝83,84と、左右の各外側主溝83,84とタイヤセンターCLとの間に各々設けられ、タイヤ円周方向に連続して延びる内側主溝85,86の4本の主溝により区画されるリブパターンが形成されている。従来例1のタイヤは、内側主溝85,86により区画される中央陸部87にサイプ92が設けられ、従来例2のタイヤは、内側主溝85,86により区画される中央陸部87にサイプ92が設けられる。従来例1,2に設けられるサイプ92は、タイヤ円周方向に所定の間隔で設けられ、左右の内側主溝85,86を連通するように形成される。従来例2に設けられる副溝93は、中央陸部87内をタイヤ円周方向に波状に延長するように形成される。また、外側主溝83及び内側主溝85、外側主溝84及び内側主溝86により区画される中間陸部88,89には、サイプ94と副溝95とがタイヤ円周方向に交互に設けられる。サイプ94は、各中間陸部88,89において外側主溝83及び内側主溝85、外側主溝84及び内側主溝86を連通するように弧状に形成される。また、副溝95は、各中間陸部88,89において一端が内側主溝85,86に開口し、サイプ94と平行にタイヤ幅方向外側に向けて延長し、中間陸部88,89内で終端するように形成されている。
発進・加速性能評価は、WET状態の鉄板路において発進・加速試験によるタイム指数により評価した。
また、ブレーキ評価は、WETμ試験により評価した。
また、5%,10%,15%摩耗時のフィーリング評価は、実地試験により摩耗の際のドライバビリティにより評価した。
クラック発生状態評価は、新品状態から15%摩耗時に至ったときのクラックの発生状態を目視による確認により評価した。
各評価結果は、図9の表に示す。なお、各評価は、実施例1の結果を100として指数化して相対評価した。各評価とも数値が大きい程性能が優れる。
図9の表に示すように、実施例1乃至実施例3のいずれも中間陸部における副溝が閉口端側延長部15bを備えることにより、従来例1,2に比べてクラック発生状態評価において優れていることが分かる。また、実施例1乃至実施例3では、発進・加速評価、ブレーキ評価、フィーリング評価において性能の低下は見られない。特に、フィーリング評価では、実施例2,3のように中間陸部8,9の副溝の溝深さを深くしても、その性能が低下せずにタイヤ使用初期の性能が向上することが分かった。
図10は、副溝15の幅方向長さ寸法w8を除く他の条件を一定とし、中間陸部8の幅寸法w8を変化させ、中間陸部8における副溝15の幅方向長さ寸法w8の割合を変化させたときのウェット評価及びクラック発生状態評価の結果と、副溝15のタイヤ円周方向の長さ寸法L15を除く他の条件を一定とし、副溝15の幅方向長さ寸法w15に対する副溝15のタイヤ円周方向の長さ寸法L15を変化させたときのウェット評価及びクラック発生状態評価の結果と、サイプ16に対する副溝15の距離L30を除く他の条件を一定とし、隣接するサイプ16;16のサイプ間距離L20に対する副溝15の距離L30を変化させたときのウェット評価及びクラック発生状態評価の結果とを纏めた表である。
中間陸部8の幅寸法w8を変化させ、中間陸部8における副溝15の幅方向長さ寸法w8の割合を変化させた場合、実施例4〜実施例6に示すように、従来例3に比べてブレーキ評価及びクラック発生状態評価に優れていることが分かる。即ち、中間陸部8に副溝15を形成する場合において、中間陸部8の幅寸法w8に対して副溝15の幅方向長さ寸法w15が50%〜90%の範囲となるように設定すると良いことが分かる。また、比較例1に示すように、中間陸部8の幅寸法w8に対する副溝15の幅方向長さ寸法w15の割合が50%〜90%を超えると、ブレーキ評価及びクラック発生状態評価が低下することが分かる。
また、副溝15の幅方向長さ寸法w15に対する副溝15のタイヤ円周方向の長さ寸法L15を変化させた場合、実施例7〜実施例11に示すように、従来例3に比べてブレーキ評価及びクラック発生状態評価に優れていることが分かる。即ち、副溝15の幅方向長さ寸法w15に対する副溝15のタイヤ円周方向の長さ寸法L15の割合が、10%〜70%の範囲となるように設定すると良いことが分かる。より好ましくは20%〜50%の範囲とすると良い。また、中間陸部8の幅寸法w8に対する副溝15の幅方向長さ寸法w15の割合が10%を下回ると、比較例2に示すように、ブレーキ評価及びクラック発生状態評価が低下することが分かる。
また、サイプ間距離L20に対する副溝15の距離L30を変化させた場合、実施例12〜実施例14に示すように、従来例3に比べてクラック発生状態評価に優れていることが分かる。即ち、サイプ間距離L20に対する副溝15の距離L30の割合が、20%〜40%の範囲となるように設定すると良いことが分かる。より好ましくは、25%〜35%の範囲とすると良い。
また、サイプ間距離L20に対する副溝15の距離L30の割合が、40%を上回ると、比較例3に示すように、ブレーキ評価及びクラック発生状態評価が低下することが分かる。
2 トレッド部、2t トレッド端、3,4 外側主溝、5,6 内側主溝、
7 中央陸部、13,15 副溝、14,16 サイプ、
15a 開口端側延長部、15b 閉口端側延長部、
CL タイヤセンター、T タイヤ。

Claims (5)

  1. トレッド幅方向両側においてタイヤ円周方向に連続して延びる外側主溝と、
    前記各外側主溝とタイヤ赤道との間においてそれぞれ設けられ、タイヤ円周方向に連続して延びる内側主溝と、
    前記各内側主溝により区画された中央陸部と、
    前記各外側主溝と前記各内側主溝とによりそれぞれ区画された中間陸部と、
    を備えるタイヤであって、
    前記中央陸部は、タイヤ円周方向に交互に形成され、幅方向一方の内側主溝から他方の内側主溝まで、前記内側主溝と交わる向きに延長する中央サイプ及び中央副溝を有し、
    前記中間陸部は、タイヤ円周方向に交互に形成され、前記外側主溝と前記内側主溝に交わる向きに延びる中間サイプ及び中間副溝を有し、
    前記中間サイプは、一端が前記外側主溝、他端が前記内側主溝に開口し、
    前記中間副溝は、タイヤ円周方向に隣接する前記中間サイプにより区画された前記中間陸部の区画内に形成され、
    一端が前記外側主溝又は前記内側主溝に開口し、他端が前記区画内で終端する開口端側延長部と、
    前記他端からタイヤ円周方向に向けて延長し、前記区画内で終端する閉口端側延長部と、を有し、
    前記閉口端側延長部の延長する角度がタイヤ円周方向に対して0度〜10度の範囲であることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記中間副溝のタイヤ幅方向の長さ寸法は、前記中間陸部の幅寸法の50%〜90%である請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記中間副溝のタイヤ円周方向の長さ寸法は、当該中間副溝のタイヤ幅方向の長さ寸法の10〜50%である請求項1又は請求項2記載のタイヤ。
  4. 前記開口端側延長部は、タイヤ円周方向に対して60〜80度の範囲で傾斜して延長する請求項1乃至請求項3いずれかに記載のタイヤ。
  5. 前記閉口端側延長部側に位置する前記中間サイプから前記閉口端側延長部の閉口端部までのタイヤ円周方向の距離が、前記タイヤ円周方向に隣接する前記中間サイプ間の距離の25%〜40%である請求項1乃至請求項4いずれかに記載のタイヤ。
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