JP6743753B2 - シリコン単結晶の引上げ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶の引上げ方法に関する。更に詳しくは、シリコン単結晶引上げ中に石英坩堝の内壁表面を安全にかつ効率よく、しかも均一に失透(結晶化)させることにより、長時間に亘る単結晶の引上げ作業であっても、結晶成長中の有転位化による結晶品質の劣化を防止し、歩留まり及び生産性を向上させることができるシリコン単結晶の引上げ方法に関するものである。
半導体基板に用いられるシリコン単結晶を製造する方法には種々の方法があるが、中でもチョクラルスキー法(CZ法)と呼ばれる回転引上げ法が広く採用されている。
図1は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる際に用いられる一般的なシリコン単結晶引上げ装置10の一例を模式的に示した概略図である。引上げ装置10の外観はチャンバ11で構成され、その中心部に坩堝12が配設されている。この坩堝12は二重構造であり、有底円筒状をなす石英製の内層保持容器(以下、単に「石英坩堝」という)12aと、その石英坩堝12aの外側を保持すべく適合された同じく有底円筒状の黒鉛製の外層保持容器(以下、単に「黒鉛坩堝」という)12bとから構成されている。
この坩堝12は、回転及び昇降が可能な支持軸13の上端部に固定されている。そして、坩堝12の外側には抵抗加熱式のヒータ14が概ね同心円状に配設されており、坩堝12内に投入された所定重量の結晶用シリコン原料が加熱によって溶融されることにより、溶融液16が坩堝12内に充填される。
溶融液16を充填する坩堝12の中心軸上には、支持軸13と同一軸上で逆方向又は同方向に所定の速度で回転する引上げ軸(またはワイヤー、以下両者を合わせて「引上げ軸」という)17が配設されており、引上げ軸17の下端には種結晶18が保持されている。
このような引上げ装置を用いてシリコン単結晶を引上げるには、先ず、石英坩堝12a内に結晶用シリコン原料を投入した後、減圧下の不活性ガス雰囲気中で、この結晶用シリコン原料を上記ヒータ14で加熱して溶融することにより、石英坩堝12a内に溶融液16を充填させる。そして、この溶融液16の表面に引上げ軸17の下端に保持された種結晶18を浸漬させ、坩堝12及び引上げ軸17を回転させながら徐々に引上げ軸17を上方に引上げていくことにより、種結晶18の下端面にシリコン単結晶19を成長させることができる。
前述の通り、CZ法によるシリコン単結晶の引上げでは、二重構造の坩堝のうち石英坩堝によって、結晶用シリコン原料を溶融した溶融液が保持される。この石英坩堝がシリコン溶融液を保持する際には、坩堝表面は1500℃以上の高温に晒されており、その時間は原料シリコンの充填量、結晶成長速度等の条件により異なるものの、通常、数十時間を要することになる。
更に、最近では生産性を高めるため、同一の坩堝から複数本のシリコン単結晶を製造するリチャージ引上げ法(RCCZ法)が開発されている(例えば、非特許文献1参照。)。このようなリチャージ引上げ法では、石英坩堝がシリコン溶融液に晒される時間が数百時間に至る場合もある。
通常、石英坩堝の内壁表面は、高温状態のシリコン溶融液と接触する間に、ブラウニッシュリングと呼ばれる褐色のクリストバライトが生成され、これが次第に成長していく。このクリストバライトが、シリコン単結晶の引上げ過程で内壁表面から剥離すると、結晶成長を阻害し、シリコン単結晶の有転位化を招くことになる。このような坩堝内表面の結晶化(クリストバライトの生成)とその剥離に伴う有転位化を防止するため、従来から種々の対策が検討されている。
例えば特許文献1及び特許文献2には、石英坩堝の内壁に結晶化促進剤を塗布するか、又は分布させ、内表面全体を結晶化させることが記載され、特許文献2に記載された石英坩堝は、石英坩堝側壁の内表面又は外表面に失透促進剤が分布することを特徴としている。
また、特許文献3及び特許文献4には、失透促進剤として、一酸化カルシウム、一酸化バリウム、炭酸バリウムを直接溶融液中に含有させる方法が開示されている。
また、特許文献5には、マグネシウム等の金属塩とアルコキシシランオリゴマーの部分加水分解物とを含む混合液(シリカゾル液)を坩堝表面にコーテングし、これを所定の温度で焼成して、上記金属塩に由来する結晶化促進剤を含む透明コーティング層を形成する方法が開示されている。また、特許文献6には、石英坩堝壁内層に失透促進剤を含有させる方法が開示されている。また、特許文献7には、失透促進剤に炭酸バリウムを用い、石英坩堝の内壁表面を帯電させ、この表面に炭酸バリウムを均一に付着させる方法が開示されている。
志村史夫著、「半導体シリコン結晶工学」p72−73、1993年9月、丸善
特開平08−2932号公報(請求項1〜3、段落[0014],段落[0015]) 特許第3046545号公報(請求項1〜5、段落[0029],段落[0030],段落[0037]) 特開平11−21196号公報(請求項1、段落[0007],段落[0008]) 特開2007−277026号公報(請求項1、段落[0015],段落[0016]) 特開2003−192391号公報(請求項1〜6、段落[0003]、段落[0004]) 特開2005−306708号公報(請求項1〜5、段落[0015]) 特開2007−001793号公報(請求項1、段落[0009]〜段落[0011])
しかしながら、上記特許文献1に示される方法では、熱処理や塗布する際に坩堝を回転させる装置等が必要になるため、設備投資の面で問題があった。また、上記特許文献2に示される方法では、失透促進剤として、水又はアルコールに溶ける塩、特に水酸化バリウムが推奨されているが、バリウム化合物の場合、水又はアルコールに溶けるものは毒性が高く、取扱いが難しいという問題があった。また、水又はアルコールに溶けるものを塗布する方法として、特許文献2等には、吹き付け被覆法や滴下被覆法が上げられているが、吹き付け被覆法では坩堝を200〜300℃に加熱しながら行う必要があり、滴下被覆法では坩堝を回転させながら被覆する必要があるため、設備投資が必要となる。一方、炭酸バリウムや炭酸カルシウム等の液体に不溶なものについては、特許文献2等に開示されている方法及び条件では均一な塗布が難しい。また、特許文献2の方法は、石英坩堝の内壁及び外壁の側面に失透促進剤が分布することを特徴としているが、シリコン単結晶の有転位化を防止するためには石英坩堝内壁の底面にも適切な結晶化層を生成させることが重要であり、特に、同一の坩堝から複数本のシリコン単結晶を引上げるリチャージ引上げ法においてはその重要度が更に増す。
また、上記特許文献3,4に示される方法のように、失透促進剤を溶融液中に直接含有させる方法の場合、坩堝へ塗布する方法と比較して使用量を多くせざるを得ないことから、引上げるシリコン単結晶の結晶品質への影響が懸念されていた。
また、上記特許文献5,6に示される方法のように、坩堝壁の内部に失透促進剤を含有させる手法では、内壁表面を均一に失透化させるのが困難で、逆にシリコン単結晶の収率を悪化させる場合がある。
また、上記特許文献7の方法では、上記特許文献2のように、塗布は容易であるが、毒性が強い水酸化バリウムの状態で塗布する必要はなく、不溶性で均一な塗布が困難な炭酸バリウムの状態で安定した塗布ができるため、安全性の面等でも非常に優れている。その一方、近年主流となっている直径300mmのシリコン単結晶を引上げるには、直径が800mmを超える大型の石英坩堝が必要になるが、このような大型坩堝を帯電させるには大型の設備が必要になり、コストが多大となる。
本発明の目的は、シリコン単結晶を引上げる石英坩堝の内壁表面を安全にかつ効率よく、しかも均一に失透(結晶化)させることにより、長時間に亘るシリコン単結晶の引上げ作業であっても、結晶成長中の有転位化による結晶品質の劣化を防止し、歩留まりや生産性を向上させることができるシリコン単結晶の引上げ方法を提供することにある。
本発明者が鋭意研究を検討した結果、炭酸バリウム微粉末を水と混ぜ、ペースト状にしたものを石英坩堝の内壁表面に塗布し乾燥させたところ、通常の作業で内壁表面から剥がれ落ちることなく使用できることが判明した。しかし、水のみで粉末状のものをペースト状にするには、粉末の量が非常に多くなり、この状態では、失透が強くなって剥離を起こすという問題があった。一方、単に多量の水に混ぜても、炭酸バリウム微粉末は沈殿してしまい、また、撹拌直後の状態のものを石英坩堝の内壁表面に塗布しても、内壁表面の濡れ性が低いため内壁表面上で水が弾かれてしまい、塗布ムラが生じるという問題があった。塗布ムラが生じると、失透にもムラが生じてしまい、石英坩堝の耐久性を十分に向上させることができない。そこで、ジェル状の液体に炭酸バリウム微粉末を混ぜることで、沈殿させることなく、また石英坩堝の内壁表面で弾かれることなく、任意の濃度で均一に塗布することができることを見出し、本発明に至った。
本発明の第1の観点は、チョクラルスキー法により、石英坩堝内で結晶用シリコン原料を溶融させた溶融液からシリコン単結晶を引上げて育成させるシリコン単結晶の引上げ方法において、石英坩堝の内壁が合成石英層であるとき、結晶用シリコン原料を石英坩堝内に充填する前に、失透促進剤と増粘剤と溶媒とを含む粘度が10〜500mPa・sであるジェル状液体を石英坩堝内壁の底面に、或いは底面と側面の双方に塗布し、石英坩堝の内壁が天然石英層であるとき、結晶用シリコン原料を石英坩堝内に充填する前に、上記ジェル状液体を石英坩堝内壁の底面と側面の双方に塗布し、内壁の底面の全面積100%中に占める、ジェル状液体の塗布領域の割合が60%以上であることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、失透促進剤がアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物からなることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、アルカリ土類金属がマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムであることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第2の観点に基づく発明であって、アルカリ土類金属を含む化合物が炭酸バリウムであることを特徴とする。
本発明の第の観点は、第1ないし第4の観点のいずれかの観点に基づく発明であって、ジェル状液体の溶媒として常圧での沸点が90℃未満の高揮発性溶媒を含むことを特徴とする。
本発明の第の観点は、第2ないし第4の観点のいずれかの観点に基づく発明であって、石英坩堝の内壁が合成石英層であるとき、内壁1cm2あたりに付着するアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物の量が1.0×1013〜1.0×1016atoms/cm2となる塗布量でジェル状液体を塗布し、石英坩堝の内壁が天然石英層であるとき、内壁1cm2あたりに付着するアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物の量が1.0×1015〜1.0×1018atoms/cm2となる塗布量でジェル状液体を塗布することを特徴とする。
本発明の第の観点は、第1ないし第の観点のいずれかの観点に基づく発明であって、同一の石英坩堝を用いて複数のシリコン単結晶を引上げることを特徴とする。
本発明の第の観点は、第1ないし第の観点のいずれかの観点に基づく発明であって、ジェル状液体を室温で化学繊維製の刷毛又はスクレーパにより塗布するか、或いは前記ジェル状液体を噴霧して塗布することを特徴とする。
本発明の第1の観点のシリコン単結晶の引上げ方法では、チョクラルスキー法により、石英坩堝内で結晶用シリコン原料を溶融させた溶融液からシリコン単結晶を引上げて育成させるシリコン単結晶の引上げ方法において、石英坩堝の内壁が合成石英層であるとき、結晶用シリコン原料を石英坩堝内に充填する前に、失透促進剤と増粘剤と溶媒とを含む粘度が10〜500mPa・sであるジェル状液体を石英坩堝内壁の底面に、或いは底面と側面の双方に塗布し、石英坩堝の内壁が天然石英層であるとき、結晶用シリコン原料を石英坩堝内に充填する前に、上記ジェル状液体を石英坩堝内壁の内壁の底面と側面の双方に塗布する。このように、本発明の引上げ方法では、失透促進剤を粘性ある材料等と混合して、塗布性等を付与したジェル状液体として塗布する。これにより、従来は均一な塗布が困難であった失透促進剤についても、大型の設備等を要することなく安定して塗布することができ、石英坩堝の内壁表面を簡便に、かつムラなく失透(結晶化)させることができる。そのため、シリコン単結晶引上げ中の石英坩堝内壁の表面状態を、安全に、かつ低コストで安定させることができる。また、長時間に亘る単結晶の引上げ作業であっても、結晶成長中の有転位化及びこれによる結晶品質の劣化を防止することができ、歩留まりや生産性を大幅に向上させることができる。
また本発明の第1の観点のシリコン単結晶の引上げ方法では、ジェル状液体の粘度が10〜500mPa・sであるため、塗布する際に坩堝表面でジェル状液体が弾かれたり、また粘度が高すぎて塗布ムラを起こす不具合が抑制される。
本発明の第2の観点のシリコン単結晶の引上げ方法では、上記失透促進剤がアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物からなることにより、これら以外の、例えばアルカリ金属等からなる失透促進剤を用いた場合に比べて、結晶品質を良好なものとすることができる。
本発明の第3の観点のシリコン単結晶の引上げ方法では、上記アルカリ土類金属がマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムであるため、アルカリ金属等を用いた場合に比べて、金属汚染を低減させる効果がより高められる。
本発明の第4の観点のシリコン単結晶の引上げ方法では、上記アルカリ土類金属を含む化合物が炭酸バリウムであるため、これら以外の、例えば水酸化バリウム等である場合に比べて、安全性がより高められる。
本発明の第の観点のシリコン単結晶の引上げ方法では、ジェル状液体の溶媒として常圧での沸点が90℃未満の高揮発性溶媒を含む。溶媒が高揮発性であるため、短時間にジェル状液体が自然乾燥し、長時間の自然乾燥や加熱乾燥をする必要がない。その結果、塗布から充填までの時間を短縮するとともに乾燥機を必要とせず、生産効率をより向上させ、かつ生産コストを抑えることができる。
本発明の第の観点のシリコン単結晶の引上げ方法では、石英坩堝の内壁が合成石英層であるとき、内壁1cm2あたりに付着するアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物の量が1.0×1013〜1.0×1016atoms/cm2となる塗布量でジェル状液体を塗布し、石英坩堝の内壁が天然石英層であるとき、内壁1cm2あたりに付着するアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物の量が1.0×1015〜1.0×1018atoms/cm2となる塗布量でジェル状液体を塗布する。このように所定の塗布量で塗布することにより、適度な厚さの均一な失透が得られやすくなる。
本発明の第の観点のシリコン単結晶の引上げ方法では、同一の石英坩堝を用いて複数のシリコン単結晶を引上げるため、結晶品質の高いシリコン単結晶の生産性を大幅に向上させることができる。また、石英坩堝の使用個数を減らせるため、生産コストを低減できる。
本発明の第の観点のシリコン単結晶の引上げ方法では、ジェル状液体を室温で化学繊維製の刷毛又はスクレーパにより塗布するか、或いはジェル状液体を室温で噴霧して塗布する。これにより、加熱しながら吹き付け等を行うことや、坩堝を回転させながら被覆する必要がなく、より簡便に、かつ低コストで石英坩堝の内壁を失透させることができる。そのため、特別な設備投資を行う必要がなく、生産コストを低減させることができる。
一般的なシリコン単結晶引上げ装置の概略模式図である。 実施例5−1の失透ムラがない石英坩堝の内壁表面を目視により観察したときの写真図である。 比較例3−1の失透ムラがある石英坩堝の内壁表面を目視により観察したときの写真図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本発明は、例えば図1に示す引上げ装置10を用いて、チョクラルスキー法により、石英坩堝12a内で結晶用シリコン原料を溶融させた溶融液16からシリコン単結晶19を引上げて育成させるシリコン単結晶の引上げ方法の改良である。その特徴ある構成は、石英坩堝の内壁が合成石英層であるとき、結晶用シリコン原料を石英坩堝内に充填する前に、失透促進剤と増粘剤と溶媒とを含むジェル状液体を石英坩堝内壁の底面に、或いは底面と側面の双方に塗布し、石英坩堝の内壁が天然石英層であるとき、結晶用シリコン原料を石英坩堝内に充填する前に、上記ジェル状液体を石英坩堝内壁の底面と側面の双方に塗布することを特徴とする。即ち、この方法は、従来のように失透促進剤を単に水等に溶解させて塗布するというものではなく、ジェル状液体という形態で塗布することによって、塗布性等の面で石英坩堝の表面状態に適した物性を失透促進剤に付与して塗布することによるものである。そのため、失透促進剤自体の性質による影響は少なく、不溶性の化合物等を使用しても、塗布ムラ等の不具合を生じさせることなく、均一に塗布することができるため、失透ムラを抑制して、石英坩堝の耐久性を向上させることができる。このため、塗布性等を考慮して、敢えて溶解性のある化合物の状態で使用する必要もなく、また、不溶性で塗布が困難な失透促進剤を使用する場合であっても多大な装置を要しない。なお、本明細書において、ジェル状とは、少なくとも水の粘度よりも高い10mPa・s以上の粘度を有する状態をいう。失透促進剤と増粘剤と溶媒とを含む液体がジェル状でない場合、即ち粘度が10mPa・s未満の場合、たとえ増粘剤が含まれていても粘度が不足するために、濡れ性が低い石英坩堝の内壁表面上で失透促進剤と増粘剤と溶媒とを含む液体が弾かれてしまい均一な塗布層を形成できず失透ムラを生じる。
ジェル状液体に含まれる失透促進剤は、アルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物(以下、アルカリ土類金属等と称することもある。)からなることが好ましい。上記アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属を含む化合物としては、上記アルカリ土類金属の炭酸塩等が挙げられる。具体的には、炭酸バリウム又は炭酸カルシウム等が挙げられる。このうち、本発明の方法では、特に、従来の方法では安定した塗布が困難であり、多大な装置等が必要であった炭酸バリウムを好適に使用することができる。炭酸バリウムは粉末状であるため、取扱いが容易である点や、水に殆ど溶解しない等の理由からも好ましい。
ジェル状液体は、失透促進剤のほかに、増粘剤と溶媒等を混合して調製され、粘度は500mPa・s以下の範囲に調整されるのが好ましい。ジェル状液体の粘度が500mPa・sを超えると、ジェル状液体が硬くなりすぎて、均一な塗布層を形成できないおそれがある。このうち、ジェル状液体の粘度は50〜100mPa・sの範囲に調整することが特に好ましい。
ジェル状液体の調製に用いる増粘剤は、ジェル状液体に所望の粘度を付与できるものであれば、特に限定されないが、例えば増粘剤としては、カルボキシルビニルポリマー、ポリビニルアルコール等が挙げられる。このうち、結晶用シリコン原料の溶融液に溶け出してもシリコン単結晶の品質に与える影響を極力抑えるため、炭素、酸素、水素以外の元素を含まない或いはその含有量が少ない有機化合物が好ましい。また、比較的微量で適度な粘性を付与できるものが好ましい。これらの理由から、増粘剤には、カルボキシルビニルポリマー又はポリビニルアルコールが特に好ましい。
また、ジェル状液体の調製に用いる溶媒には、水、アルコール等が挙げられる。このうち、常圧での沸点が65〜85℃の高揮発性溶媒であるエタノール等が特に好ましい。溶媒としてこれらの高揮発性溶媒を使用すれば、後述の方法によりジェル状液体を石英坩堝の内壁表面に塗布した後、短時間で自然乾燥させて、直ちに次工程へ移行することができる。本明細書では、短時間とは1〜2分間程度の時間をいう。
ジェル状液体を調製するには、先ず、増粘剤を溶媒に添加して溶解させ、所望の粘度を有するジェルを作製し、次いで失透促進剤を添加して混合する。なお、後述のように、ジェルに対する失透促進剤の添加割合は非常に少なく、調製直後(調製後24時間以内)のジェル状液体の粘度は、失透促進剤を添加する前のジェルの粘度とほぼ同じである。そのため、本明細書では、ジェル状液体の粘度はジェルの粘度で擬制する。即ち、ジェルの粘度は、調製後のジェル状液体の粘度とほぼ同じ10〜500mPa・sの範囲に調整するのが好ましく、増粘剤と溶媒の混合割合は、作製されるジェルの粘度がこの範囲になるように調整するのが好ましい。増粘剤と溶媒の具体的な混合割合は、目標とするジェルの粘度や、使用する増粘剤及び溶媒の種類等にもよるが、好ましくは質量比(増粘剤:溶媒)で1:1000〜1:10の範囲である。
上記作製したジェルに、失透促進剤を添加して混合する方法については特に限定されず、上記作製したジェルに、失透促進剤を添加した後、撹拌棒やマグネットスターラ等を用いて十分に混合して分散させる。このとき、失透促進剤の添加量は、調製後のジェル状液体100質量%中、0.01〜5質量%の割合とするのが好ましい。調製後のジェル状液体中に占める失透促進剤の割合が下限値未満では、石英坩堝の内壁表面に付着するアルカリ土類金属の量が少なくなりすぎて十分な失透が得られず、単結晶の引上げ中に不具合を起こす場合がある。一方、上限値を超えると、石英坩堝の内壁表面に付着するアルカリ土類金属の量が多くなりすぎて過度に失透が起こり、坩堝壁面から剥離が発生する場合がある。また、失透促進剤に粉末状のものに使用する場合は、平均粒径が1μm以下のものを使用するのが好ましい。失透促進剤として添加する粉末の平均粒径が大きすぎると、均一に塗布されずに、塗布ムラ等を起こす場合がある。
上記調製したジェル状液体は、結晶用シリコン原料を石英坩堝内に充填する前に石英坩堝の内壁(結晶用シリコン原料及びその溶融液を収容する坩堝の内側表面)の底面、或いは底面と側面の双方に塗布する。なお、側面と底面を結合する曲面が設けられている場合には、この曲面の部分は底面に含まれるものとする。ジェル状液体は、内壁への塗布と併せて、外壁(外側表面)に塗布してもよい。内壁底部の均一な失透により結晶成長中の有転位化を抑制する効果が得られ、また、内壁側面の失透により石英坩堝の変形を抑制する効果が得られる。そのため、内壁の底面と側面の双方に塗布することにより、有転位化の抑制効果が得られるとともに、石英坩堝に耐久性を付与することができる。但し、合成石英は、天然石英に比べて失透した部分の剥離する頻度が少ないため、溶融液との接触時間が長い底部のみへ塗布した場合でも耐久性が向上する。このため、石英坩堝の内壁が合成石英層である場合は、上述の底面と側面の双方に塗布する方法のみならず、石英底面のみに塗布する方法を採用することができる。また、ジェル状液体は、石英坩堝内壁の底面の全面、側面の全面に塗布してもよいが、製造コストや単結晶への不純物の混入等の面から、底面の一部、側面の一部の領域に塗布してもよい。この場合、底面には、底面の全面積100%中に占める、ジェル状液体の塗布領域の割合が60%以上になるように塗布する。また、側面には、この側面の上部の領域に塗布するのが望ましい。なお、側面の上部とは引上げ中に融液液面が接触する部分から坩堝上端までの領域をいう。ジェル状液体の塗布方法については、従来の吹き付け被覆法や滴下被覆法等の方法でもよい。設備投資を少なくするために、化学繊維製の刷毛又はスクレーパにより塗布する方法や、噴霧して塗布する方法が望ましい。具体的には、室温で、容器内に貯留したジェル状液体を刷毛又はスクレーパに付着させて、或いはジェル状液体を霧吹きなどのスプレーにより噴霧化して、これを石英坩堝の壁面に塗布することにより行う。
このときのジェル状液体の塗布量は、石英坩堝の内壁の単位面積あたりに付着するアルカリ土類金属等の量が所望の範囲になるように塗布する。具体的には、石英坩堝の内壁が合成石英層であるとき、内壁1cm2あたりに付着するアルカリ土類金属等の量が1.0×1013〜1.0×1016atoms/cm2となる塗布量でジェル状液体を塗布するのが好ましい。アルカリ土類金属等の量が下限値に満たない塗布量でジェル状液体を塗布すると、均一に失透しないおそれがあり、十分な耐久性を得にくい。一方、上限値を超えると、過度に失透が起こりやすく、坩堝壁面から剥離が発生しやすく、結晶成長中の有転位化を促進させるおそれがある。
一方、石英坩堝の内壁が天然石英層であるとき、内壁1cm2あたりに付着するアルカリ土類金属等の量が1.0×1015〜1.0×1018atoms/cm2となる塗布量でジェル状液体を塗布するのが好ましい。アルカリ土類金属等の量が下限値に満たない塗布量でジェル状液体を塗布すると、均一に失透しないおそれがあり、十分な耐久性を得にくい。一方、上限値を超えると、過度に失透が起こりやすく、坩堝壁面から剥離が発生しやすく、結晶成長中の有転位化を促進させるおそれがある。この方法では、失透促進剤を、増粘剤等の他の成分と混合したジェル状液体の形態で石英坩堝の内壁表面へ塗布するため、塗布される失透促進剤の濃度調整が容易であり、これにより、内壁へ付着するアルカリ土類金属等の量も容易に調整できる。なお、石英坩堝の内壁が合成石英層である場合の方が、比較的低量でも上記不具合が発生しにくい理由は、天然石英に比べて失透速度が速いためである。
ジェル状液体の溶媒として、常圧での沸点が90℃以上の溶媒を使用する場合、ジェル状液体を石英坩堝へ塗布した後、好ましくは0分を超え60分間以下の条件で乾燥させるのが望ましい。60分間程度乾燥を行うのは、沸点が高い溶媒を使って自然乾燥させる場合、乾燥に時間を要するからである。なお、上述のように、溶媒として常圧での沸点が90℃未満の低沸点の溶媒、即ち高揮発性溶媒を使用した場合には、短時間の自然乾燥をした後、直ちに次の工程に移行することができる。
ジェル状液体を石英坩堝へ塗布して加熱乾燥した後、或いは塗布して自然乾燥した後、結晶用シリコン原料を石英坩堝へ充填して、シリコン単結晶を引上げるまでの工程は、特に限定されず、例えば図1に示す引き上げ装置10を用いて、上述の一般的な引上げ条件及び手順により、同一の坩堝12から複数本のシリコン単結晶19を引上げることができる。
以上、本発明の引上げ方法では、上述のように、失透促進剤が溶解性を示すか或いは不溶性であるかに関わらず、簡便に、かつ均一に石英坩堝へ塗布できる。そして、シリコン単結晶引上げ過程において、或いは結晶用シリコン原料を溶融した後、引上げの前段階において、石英坩堝の内壁表面を効率よくほぼ均一に失透させることができる。そのため、シリコン単結晶引上げ中の石英坩堝内壁の表面状態を安定させ、石英坩堝の内壁表面からの結晶片の剥離を防止し、シリコン単結晶の有転位化を有効に抑制することができる。また、失透促進剤の均一で安定した塗布により、石英坩堝の内壁がムラなく均一に失透し、これによって石英坩堝の耐久性を向上できるため、同一の坩堝を用いて複数のシリコン単結晶を引上げることもできる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1に示す引上げ装置10を用い、次の手順に従ってチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成した。先ず、増粘剤としてのカルボキシルビニルポリマーを、溶媒である水に溶解させることにより粘度500mPa・sのジェルを作製した。ここに、失透促進剤として炭酸バリウム微粉末を0.4質量%となる割合で添加し、撹拌棒にて十分に混合することにより、失透促進剤含有のジェル状液体を調製した。表1に、調製したジェル状液体の粘度を示す。なお、表1に示すジェル状液体の粘度は、上述のように、失透促進剤を添加する前に測定したジェルの粘度で擬制したものある。次に、内径が600mmであり、内壁が天然石英層により形成された石英坩堝12aを用意し、この石英坩堝12aの内壁の全面(底面及び側面の全面)に、上記調製したジェル状液体を、調製後2時間以内に所定の塗布量で塗布した。具体的には、室温で化学繊維製の刷毛を使用して塗布した。ジェル状液体を塗布した後、大気中で60分間自然乾燥させた。このとき、ジェル状液体の塗布により内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量は、塗布重量差により算出したところ、8.5×1016atoms/cm2であった。なお、塗布重量差による方法とは、使用したジェル状液体の質量と濃度から算出する方法をいう。次いで、結晶用シリコン原料150kgをジェル状液体塗布後の上記石英坩堝12a内に充填し、これを溶融させて溶融液16とした。
そして、上記引上げ装置10を用い、石英坩堝12a内の溶融液から直径200mmのシリコン単結晶19を引上げた。なお、このシリコン単結晶19の引上げでは、同一の石英坩堝12aから連続して3本のシリコン単結晶19を引上げた。1本目のシリコン単結晶19を引上げた後、引上げたシリコン単結晶19を引上げ装置10から取り出し、このシリコン単結晶19と同じ質量の結晶用シリコン原料を再び投入して、2本目のシリコン単結晶19を引上げた。同様にして3本目のシリコン単結晶19を引上げた。なお、引上げ条件(引上げ速度や坩堝回転速度、その他の条件)は、直胴部の長さ変更に伴う微調整を行った点を除き、3本のシリコン単結晶について全て同じ条件とした。
<実施例2>
増粘剤としてカルボキシルビニルポリマーを、溶媒であるエタノール(常圧1atmでの沸点が78℃)に溶解し、粘度100mPa・sのジェルを作製した。ここに、失透促進剤として炭酸バリウム微粉末を0.5質量%となる割合で添加してマグネットスターラで十分に混合することにより、失透促進剤含有のジェル状液体を調製した。次に、内径が800mmであり、内壁が天然石英層により形成された石英坩堝12aを用意し、この石英坩堝12aの内壁の全面に、上記調製したジェル状液体を、調製後1時間以内に所定の塗布量で塗布した。塗布方法及び手順については、実施例1と同様の方法及び手順にて行った。このとき、ジェル状液体の塗布により内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量は、上述の塗布重量差により算出したところ、9.2×1015atoms/cm2であった。次いで、ジェル状液体を塗布した後、短時間自然乾燥させた。続いて、結晶用シリコン原料300kgをジェル状液体を自然乾燥させた後の上記石英坩堝12a内に充填し、これを溶融させて溶融液16とした。
そして、上記石英坩堝12a内の溶融液から直径300mmのシリコン単結晶19を引上げた。なお、このシリコン単結晶19の引上げでは、実施例1と同様にして、同一の石英坩堝12aから連続して3本のシリコン単結晶19を引上げた。引上げ速度や坩堝回転速度等の引上げ条件は、直胴部の長さ変更に伴う微調整を行った点を除き、3本のシリコン単結晶について全て同じ条件とした。
<実施例3>
増粘剤としてポリビニルアルコールを、溶媒である水に溶解し、粘度30mPa・sのジェルを作製した。ここに、失透促進剤として炭酸バリウム微粉末を0.04質量%となる割合で添加してマグネットスターラで十分に混合することにより、失透促進剤含有のジェル状液体を調製した。次に、内径が800mmであり、内壁が合成石英層により形成された石英坩堝12aを用意し、この石英坩堝12aの内壁の全面に、上記調製したジェル状液体を、調製後12時間以内に所定の塗布量で塗布し60分間自然乾燥させた。塗布方法及び手順については、実施例1と同様の方法及び手順にて行った。このとき、ジェル状液体の塗布により内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量は、上述の塗布重量差により算出したところ、7.8×1014atoms/cm2であった。次いで、結晶用シリコン原料300kgをジェル状液体を自然乾燥させた後の上記石英坩堝12a内に充填し、これを溶融させて溶融液16とした。
そして、上記石英坩堝12a内の溶融液から直径300mmのシリコン単結晶19を引上げた。なお、このシリコン単結晶19の引上げでは、実施例1と同様にして、同一の石英坩堝12aから連続して3本のシリコン単結晶19を引上げた。引上げ速度や坩堝回転速度等の引上げ条件は、3本のシリコン単結晶について全て実施例2と同じ条件とした。
<実施例4>
増粘剤としてカルボキシルビニルポリマーを、溶媒であるエタノールに溶解し、粘度300mPa・sのジェルを作製した。ここに、失透促進剤として炭酸カルシウム微粉末を0.3質量%となる割合で添加して混合することにより、失透促進剤含有のジェル状液体を調製した。次に、内径が800mmであり、内壁が合成石英層により形成された石英坩堝12aを用意し、この石英坩堝12aの内壁の全面に、上記調製したジェル状液体を、調製後8時間以内に所定の塗布量で塗布した。塗布方法及び手順については、実施例1と同様の方法及び手順にて行った。このとき、ジェル状液体の塗布により内壁1cm2あたりに付着したCa元素の量は、上述の塗布重量差により算出したところ、2.5×1016atoms/cm2であった。次いで、ジェル状液体を塗布した後、短時間自然乾燥させた。続いて、結晶用シリコン原料300kgをジェル状液体を自然乾燥させた後の上記石英坩堝12a内に充填し、これを溶融させて溶融液16とした。
そして、上記石英坩堝12a内の溶融液から直径300mmのシリコン単結晶19を引上げた。なお、このシリコン単結晶19の引上げでは、実施例1と同様にして、同一の石英坩堝12aから連続して3本のシリコン単結晶19を引上げた。引上げ速度や坩堝回転速度等の引上げ条件は、3本のシリコン単結晶について全て実施例2と同じ条件とした。
<比較例1>
結晶用シリコン原料150kgを石英坩堝12a内に充填する前に、失透促進剤含有のジェル状液体を塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様にして同一の石英坩堝12aから連続して3本のシリコン単結晶19を引上げた。引上げ速度や坩堝回転速度等の引上げ条件は、3本のシリコン単結晶について全て実施例1と同じ条件とした。
<比較例2>
増粘剤としてカルボキシルビニルポリマーを、溶媒であるエタノールに溶解し、粘度100mPa・sのジェルを作製した。ここに、失透促進剤として炭酸バリウム微粉末を0.5質量%となる割合で添加して混合することにより、失透促進剤含有のジェル状液体を調製した。次に、内径が800mmであり、内壁が天然石英層により形成された石英坩堝12aを用意し、この石英坩堝12aの内壁の側面上部のみに、上記調製したジェル状液体を、調製後5時間以内に所定の塗布量で塗布した。なお、上部とは引上げ中に融液液面が接触する部分から坩堝上端までの領域をいう。上記以外の塗布方法及び手順については実施例1と同様の方法及び手順にて行った。このとき、ジェル状液体の塗布により内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量は、上述の塗布重量差により算出したところ、9.2×1015atoms/cm2であった。次いで、ジェル状液体を塗布した後、短時間自然乾燥させた。続いて、結晶用シリコン原料300kgをジェル状液体を自然乾燥させた後の上記石英坩堝12a内に充填し、これを溶融させて溶融液16とした。
そして、上記石英坩堝12a内の溶融液から直径300mmのシリコン単結晶19を引上げた。なお、このシリコン単結晶19の引上げでは、実施例1と同様にして、同一の石英坩堝12aから連続して3本のシリコン単結晶19を引上げた。引上げ速度や坩堝回転速度等の引上げ条件は、3本のシリコン単結晶について全て実施例2と同じ条件とした。
<実施例5−1〜実施例5−5、比較例3−1、比較例3−2>
増粘剤としてカルボキシルビニルポリマーを、溶媒である水(純水)又はエタノールに溶解し、各実施例又は比較例ごとに、粘度が1〜520mPa・sのの範囲で異なる液体又はジェルをそれぞれ作製した。ここに、失透促進剤として炭酸バリウム微粉末を0.01質量%となる割合で添加して混合することにより、失透促進剤含有のジェル状液体又は非ジェル状液体を調製した。次に、内径が450mmであり、内壁が天然石英層により形成された石英坩堝12aを用意し、この石英坩堝12aの内壁の一部に、粘度ごとに上記調製したジェル状液体を、調製後30分以内に、室温で化学繊維製の刷毛を用いて所定の塗布量で塗布した後、大気中で溶媒が水の場合、60分間自然乾燥させ、溶媒がエタノールの場合、短時間自然乾燥させた。このとき、ジェル状液体の塗布により内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量は、上述の塗布重量差により算出したところ、8.5×1016atoms/cm2であった。そして、自然乾燥後の石英坩堝12aを、溶融液がない状態で、温度約1200℃、圧力5torrの条件で10時間保持することにより加熱処理を行った。
<実施例6−1〜実施例6−4、比較例4−1、4−2>
増粘剤としてカルボキシルビニルポリマーを、溶媒であるエタノール(常圧1atmでの沸点が78℃)に溶解し、粘度300mPa・sのジェルを作製した。ここに、失透促進剤として炭酸バリウム微粉末を0.3質量%となる割合で添加してマグネットスターラーで十分に混合することにより、失透促進剤含有のジェル状液体を調製した。次に、内径が600mmであり、内壁が合成石英層により形成された石英坩堝12aを用意し、この石英坩堝12a内壁の底面のみに、上記調製したジェル状液体を調製後1時間以内に所定の塗布量で塗布した。その際、底面の全面積100%中に占める塗布領域の割合を、30〜100%の範囲で各実施例ごとに変更して塗布した。塗布方法及び手順については、実施例1と同様の方法及び手順にて行った。このとき、ジェル状液体の塗布により内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量は、上述の塗布重量差により算出したところ、2.5×1015atoms/cm2であった。次いで、結晶用シリコン原料150kgをジェル状液体塗布後の上記石英坩堝内に充填し、これを溶融させて溶融液16とした。
そして、上記石英坩堝12a内の溶融液から直径200mmのシリコン単結晶19を引上げた。なお、このシリコン単結晶19の引上げでは、実施例1と同様にして、同一の石英坩堝12aから連続して3本のシリコン単結晶19を引上げた。引上げ速度や坩堝回転速度等の引上げ条件は、3本のシリコン単結晶について全て実施例2と同じ条件とした。
<実施例7−1〜実施例7−5>
増粘剤としてカルボキシルビニルポリマーを、溶媒であるエタノールに溶解し、粘度100mPa・sのジェルを作製した。ここに、失透促進剤として炭酸バリウム微粉末を0.01質量%となる割合で添加して混合することにより、失透促進剤含有のジェル状液体を調製した。次に、内径が450mmであり、内壁が合成石英層により形成された石英坩堝12aを用意し、この石英坩堝12aの内壁の一部に、上記調製したジェル状液体を、調製後30分以内に、室温で化学繊維製の刷毛を用いて、各実施例ごとに塗布量を変更して塗布した。このとき、ジェル状液体の塗布により内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量は、上述の塗布重量差により算出したところ、それぞれ5.0×1012atoms/cm2、1.0×1013atoms/cm2、5.0×1014atoms/cm2、1.0×1016atoms/cm2、5.0×1016atoms/cm2であった。そして、短時間自然乾燥させた後、溶融液がない状態で、温度約1200℃、圧力5torrの条件で10時間保持することににより加熱処理を行った。
<実施例8−1〜実施例8−5>
増粘剤としてカルボキシルビニルポリマーを、溶媒であるエタノールに溶解し、粘度100mPa・sのジェルを作製した。ここに、失透促進剤として炭酸バリウム微粉末を0.03質量%となる割合で添加して混合することにより、失透促進剤含有のジェル状液体を調製した。次に、内径が450mmであり、内壁が天然石英層により形成された石英坩堝12aを用意し、この石英坩堝12aの内壁の一部に、上記調製したジェル状液体を、調製後30分以内に霧吹きにて吹き付けて、室温で各実施例ごとに塗布量を変更して塗布した。このとき、ジェル状液体の塗布により内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量は、上述の塗布重量差により算出したところ、それぞれ5.0×1014atoms/cm2、1.0×1015atoms/cm2、5.0×1016atoms/cm2、1.0×1018atoms/cm2、5.0×1018atoms/cm2であった。そして、短時間自然乾燥させた後、溶融液がない状態で、温度約1200℃、圧力5torrの条件で10時間保持することににより加熱処理を行った。
<比較試験及び評価>
実施例1〜実施例4、比較例1,2、比較例4−1、4−2及び実施例6−1〜実施例6−4で引上げたシリコン単結晶における有転位化及び石英坩堝の変形の有無について評価した。また、実施例1〜実施例8−5及び比較例2の石英坩堝について、失透ムラの有無を評価した。これらの結果を以下の表2に示す。また、失透ムラの評価に関して、上記加熱処理後の石英坩堝の内壁表面を目視にて観察した。実施例5−1の加熱処理後の石英坩堝の内壁表面の写真図を図2に、比較例3−1の加熱処理後の石英坩堝の内壁表面の写真図を図3にそれぞれ示す。
(i) 有転位化の評価:引上げたシリコン単結晶における有転位化の有無を確認した。その結果を、単結晶率によりA〜Dの4段階で評価した。表2中、「A」は、使用したシリコン原料の質量に占める単結晶質量の割合(単結晶率)が80%以上のものを示し、「B」は、上記割合が70%以上〜80%未満であった場合を示し、「C」は、60%以上〜70%未満であった場合を示し、「D」は、60%未満であった場合を示す。なお、上記単結晶率は、引上げた3本のシリコン単結晶の総重量と使用したシリコン原料の総重量から単結晶率を求めた値により評価した。
(ii) 石英坩堝の変形の有無:シリコン単結晶を引上げた後の使用済みの石英坩堝を冷却して引上げ装置から取り出し、その外観を観察することにより、変形の有無を確認した。その結果を、A〜Cの3段階で評価した。表2中、「A」は、全く変形がなかった場合を示し、「B」は、使用前に対して10%未満の変形があった場合を示し、「C」は、使用前に対して10%以上の変形があった場合を示す。
(iii) 失透ムラの有無:ジェル状又は非ジェル状液体を塗布して加熱処理した後の石英坩堝について、その内壁を目視にて観察することにより失透ムラの有無を確認した。なお、シリコン単結晶の引上げを行った実施例1〜実施例4、実施例6−1〜実施例6−4、実施例7−1〜実施例7−5、実施例8−1〜実施例8−5、比較例2及び比較例4−1、4−2では、各実施例又は比較例と同じ条件で、ジェル状又は非ジェル状液体をそれぞれ塗布した石英坩堝を別途用意し、これらを実施例5−1と同じ条件(温度1200℃、圧力5torrの条件で10時間)で加熱処理し、その内壁を目視にて観察することにより失透ムラの有無を確認した。その結果を、A〜Cの3段階で評価した。表2中、「A」は、塗布した部分の全面が均一に失透していた場合を示し、「B」は、塗布した部分の90%以上が失透していた場合を示し、「C」は、塗布した部分の失透が90%未満であった場合を示す。
表2から明らかなように、実施例1〜4と比較例1,2を比較すると、結晶シリコン原料を充填する前の失透促進剤による処理を全く行っていない比較例1では、3本目に引上げたシリコン単結晶に有転位化がみられ(評価D)、単結晶率が全体的に下がった。また、坩堝も直胴部が挫屈変形気味であった(評価C)。また、石英坩堝内壁の上部のみに、ジェル状液体を塗布した比較例2では、2本目のシリコン単結晶を引き上げる後半から有転位化が発生し(評価D)、単結晶率が全体的に下がった。これは、主にジェル状液体を塗布していない部分からクリストバライトが剥離したことが原因と考えられる。一方、実施例1〜4では、引上げたシリコン単結晶は3本とも全域にわたってほぼ無転位であり(評価A又はB)、また、引上げ所要時間が3本合計で200時間に達したにもかかわらず、坩堝の変形も全く起きず(評価A)、更に、塗布した部分の全面が均一に失透していた(評価A)。
また、実施例5−1〜実施例5−5と比較例3−1、比較例3−2とを比較すると、粘度が極めて低い非ジェル状の形態で塗布した比較例3−1では、図3の写真図のように、失透促進剤を石英坩堝内壁へ均一に塗布することができなかったことから、失透ムラが確認された(評価C)。また、比較例3−1よりは粘度が高いものの、非ジェル状の形態で塗布した比較例3−2では、失透促進剤を均一に塗布することができず、比較例3−1と同様の失透ムラが若干確認された(評価B)。また、粘度が500mPa・sを超える実施例5−5では、粘度が高く均一にジェルを塗布できなかったため、失透ムラが若干確認された(評価B)。一方、実施例5−1〜実施例5−4では、図2の写真図のように、失透ムラはみられず(評価A)、極めて良好な結果が得られた。
また、実施例6−1〜実施例6−4と比較例4−1、4−2とを比較すると、比較例4−1、4−2では、石英坩堝の内壁が合成石英層であるときには、底面のみのジェル状液体の塗布割合が底面の全面積100%に対して30%、50%と狭かったため、単結晶率が低く(評価C又はD)、石英の変形があった(評価C)。比較例4−1では失透ムラが無かったが(評価A)、比較例4−2では失透ムラが若干確認された(評価B)。一方、実施例6−1〜実施例6−4では、石英坩堝の内壁が合成石英層であるときには、底面のみに60〜100%の割合でジェル状液体を塗布する場合、単結晶率は70%以上であり(評価B又はA)、石英坩堝の変形は若干有るか又は全く無く(評価B又はA)、塗布した部分の90%以上が失透しているか又は全面が均一に失透していた(評価B又はA)。この結果、部分的な塗布でも十分な耐久性を付与できるとともに有転位化も失透ムラも殆ど無いことが分かった。
また、内壁が合成石英層により形成された石英坩堝の実施例7−1〜実施例7−5では、各実施例ごとにジェル状液体の塗布量を変更して内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量を変えたところ、Ba元素量が5.0×1012atoms/cm2の実施例7−1では塗布した部分の失透が90%以上であった(評価B)。一方、実施例7−2〜実施例7−5では、Ba元素量が1.0×1013atoms/cm2、5.0×1014atoms/cm2、1.0×1016atoms/cm2、5.0×1016atoms/cm2であったため、塗布した部分の全面が全て均一に失透していた(評価A)。これにより、Ba元素量が1.0×1013atoms/cm2以上であることが好ましいことが分かった。
また、内壁が天然石英層により形成された石英坩堝の実施例8−1〜実施例8−5では、各実施例ごとにジェル状液体の塗布量を変更して内壁1cm2あたりに付着したBa元素の量を変えたところ、Ba元素量が5.0×1014atoms/cm2の実施例8−1では塗布した部分の失透が90%以上であった(評価B)。一方、実施例8−2〜実施例8−5では、Ba元素量が1.0×1015atoms/cm2、5.0×1016atoms/cm2、1.0×1018atoms/cm2、5.0×1018atoms/cm2であったため、塗布した部分の全面が全て均一に失透していた(評価A)。これにより、Ba元素量が1.0×1015atoms/cm2以上であることが好ましいことが分かった。
本発明のシリコン単結晶の引上げ方法は、同一の坩堝から複数本のシリコン単結晶を製造するリチャージ引上げ法(RCCZ法)に好適に用いられる。
10 引上げ装置
11 チャンバ
12 坩堝
12a 石英坩堝
12b 黒鉛坩堝
13 支持軸
14 ヒータ
16 溶融液
17 引上げ軸
18 種結晶
19 シリコン単結晶

Claims (8)

  1. チョクラルスキー法により、石英坩堝内で結晶用シリコン原料を溶融させた溶融液からシリコン単結晶を引上げて育成させるシリコン単結晶の引上げ方法において、
    前記石英坩堝の内壁が合成石英層であるとき、前記結晶用シリコン原料を前記石英坩堝内に充填する前に、失透促進剤と増粘剤と溶媒とを含む粘度が10〜500mPa・sであるジェル状液体を前記石英坩堝内壁の底面に、或いは底面と側面の双方に塗布し、
    前記石英坩堝の内壁が天然石英層であるとき、前記結晶用シリコン原料を前記石英坩堝内に充填する前に、前記ジェル状液体を前記石英坩堝内壁の底面と側面の双方に塗布し、
    前記内壁の底面の全面積100%中に占める、前記ジェル状液体の塗布領域の割合が60%以上である
    ことを特徴とするシリコン単結晶の引上げ方法。
  2. 前記失透促進剤がアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物からなる請求項1記載のシリコン単結晶の引上げ方法。
  3. 前記アルカリ土類金属がマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムである請求項2記載のシリコン単結晶の引上げ方法。
  4. 前記アルカリ土類金属を含む化合物が炭酸バリウムである請求項2記載のシリコン単結晶の引上げ方法。
  5. 前記ジェル状液体の溶媒として常圧での沸点が90℃未満の高揮発性溶媒を含む請求項1ないし4いずれか1項に記載のシリコン単結晶の引上げ方法。
  6. 前記石英坩堝の内壁が合成石英層であるとき、前記内壁1cm2あたりに付着する前記アルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物の量が1.0×1013〜1.0×1016atoms/cm2となる塗布量で前記ジェル状液体を塗布し、
    前記石英坩堝の内壁が天然石英層であるとき、前記内壁1cm2あたりに付着する前記アルカリ土類金属又はアルカリ土類金属を含む化合物の量が1.0×1015〜1.0×1018atoms/cm2となる塗布量で前記ジェル状液体を塗布する請求項2ないし4いずれか1項に記載のシリコン単結晶の引上げ方法。
  7. 同一の石英坩堝を用いて複数のシリコン単結晶を引上げる請求項1ないしいずれか1項に記載のシリコン単結晶の引上げ方法。
  8. 前記ジェル状液体を室温で化学繊維製の刷毛又はスクレーパにより塗布するか、或いは前記ジェル状液体を室温で噴霧して塗布する請求項1ないしいずれか1項に記載のシリコン単結晶の引上げ方法。
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