JP6742867B2 - 無機炭酸塩の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭酸カルシウムなどの無機炭酸塩の製造方法に関する。特に本発明は、平均一次粒子径が300nm以下の粒子径の小さな無機粒子を製造する方法に関する。
一般に、炭酸カルシウムは、天然の石灰石や風化貝殻などを原料として物理的に粉砕分級して製造する「天然炭酸カルシウム」と、石灰石を原料として化学的に反応させて製造する「合成炭酸カルシウム」(軽質炭酸カルシウム)とに大きく分けられる。そして、合成炭酸カルシウムの合成法としては、炭酸ガス法、石灰・ソーダ法、ソーダ法が知られており、石灰・ソーダ法およびソーダ法は特殊な用途に一部利用されるものの、工業的な炭酸カルシウムの合成は炭酸ガス法によって行われるのが一般的である。
炭酸ガス法による炭酸カルシウムの合成は、生石灰と炭酸ガスとを反応させることにより行われ、一般に、生石灰CaOに水を加えて消石灰Ca(OH)を得る消和工程と、消石灰に炭酸ガスCOを吹き込んで炭酸カルシウムCaCOを得る炭酸化工程とを有する。今日では、炭酸カルシウムの合成工程、特に炭酸化工程の反応条件を制御することによって、生成物である炭酸カルシウムの粒子形状や粒子径などをコントロールする技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1・2には、炭酸化工程においてキレート剤を添加することによって炭酸カルシウムの形態等を制御することが記載されている。すなわち、特許文献1には、金属イオンと錯形成する物質を炭酸化反応に添加することによって、二次凝集が少なく、分散性の良好な炭酸カルシウムを製造する方法が提案されている。また、特許文献2には、金属イオン封鎖剤を炭酸化工程において多段添加することによって、均一なメソ孔を有する炭酸カルシウムを製造する方法が提案されている。その他にも、特許文献3には、炭酸化反応を特定の条件において2段階で行うことにより炭酸カルシウムの形状を制御することが提案されている。
また、特許文献4〜5には、消石灰を含む懸濁液と二酸化炭素を含む気体とをインジェクターによって混合しつつ反応槽に供給することによって炭酸カルシウムを製造する技術が記載されている。さらに、引用文献6〜7には、気泡の存在下で粒子径の小さい炭酸カルシウムを炭酸ガス法により製造することが記載されている。
特開平10−72215号公報 特開2003−246617号公報 国際公開WO2004/108597 特開2011−073891号公報 特開2011−073892号公報 特開2015−199654号公報 特開2015−199659号公報
本発明の課題は、一次粒子径の小さい無機炭酸塩を効率的に製造する技術を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、比較的マイルドな条件で発生させたウルトラファインバブルバブル(平均粒子径:1000nm以下)の存在下で炭酸ガス法により無機粒子を合成することによって一次粒子径の小さい無機炭酸塩を効率的に製造できることを見いだした。特に本発明によれば、得られる無機粒子の形状が極めて均一であり、生成物のバラツキも小さい。
すなわち、本発明は、これに制限されるものでないが、以下の発明を包含する。
(1) 炭酸ガスを含む気体と液体とをノズルから反応容器内に噴射することによって炭酸ガスを含むウルトラファインバブルを発生させ、このウルトラファインバブルの存在下で平均一次粒子径が300nm以下の無機炭酸塩を析出させることを含む、無機炭酸塩の製造方法。
(2) ウルトラファインバブルの平均粒子径が1〜800nmである、(1)に記載の方法。
(3) ウルトラファインバブルを発生させてからウルトラファインバブルが消失するまでの平均時間が10秒以上である、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前記無機炭酸塩が炭酸カルシウムである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前記無機炭酸塩が炭酸マグネシウムである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(6) 繊維の存在下で繊維上に無機炭酸塩を析出させることを含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 前記繊維がセルロース繊維である、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、炭酸ガスを含むウルトラファインバブル(平均粒径が1000nm以下の微細気泡)を用いることによって、炭酸カルシウムなどの無機炭酸塩を短時間、低電力で効率良く製造することができる。
本発明によって無機粒子を合成することによって炭酸カルシウム微粒子などの無機炭酸塩が効率良く製造できる理由の詳細は明らかでなく、本発明は以下の推測に拘束されるものではないが、系中に滞留する時間が長く比表面積の大きいウルトラファインバブルの表面で効率的に反応が生じ、無機炭酸塩が効率良く製造できるものと推測される。
図1は、実験1で用いた反応装置を示す概略図である(サンプル1−1〜サンプル1−4)。 図2は、実験1で用いたウルトラファインバブル発生装置を示す模式図である。 図3は、実験1で用いた反応装置を示す概略図である(サンプル1−5〜サンプル1−7)。 図4は、本発明に用いることのできる反応装置の例を示す概略図である(反応槽の外側から液体と炭酸ガスを噴射する反応装置)。 図4は、本発明に用いることのできる反応装置の例を示す概略図である(反応槽の外側から液体と炭酸ガスを噴射する反応装置)。 図4は、本発明に用いることのできる反応装置の例を示す概略図である(反応槽の外側から液体と炭酸ガスを噴射する反応装置)。 図5は、実験1で用いた反応装置を示す概略図である(円筒容器)。 図6は、実験1で用いた反応装置を示す概略図である(CV装置)。 図7は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−1、左:10000倍、右:50000倍)。 図8は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−2、左:10000倍、右:50000倍)。 図9は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−3、左:10000倍、右:50000倍)。 図10は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−4、左:10000倍、右:50000倍)。 図11は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−5、左:10000倍、右:50000倍)。 図12は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−6、左:10000倍、右:50000倍)。 図13は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−7、左:10000倍、右:50000倍)。 図14は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−8、左:10000倍、右:50000倍)。 図15は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−9、左:10000倍、右:50000倍)。 図16は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル1−10、左:10000倍、右:50000倍)。 図17は、実験2で合成した炭酸マグネシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル2−1、左:10000倍、右:50000倍)。 図18は、実験2で合成した炭酸マグネシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル2−2、左:10000倍、右:50000倍)。 図19は、実験2で合成した炭酸マグネシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(サンプル2−3、左:10000倍、右:50000倍)。 図20は、実験3で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル3−1、左:10000倍、右:50000倍)。 図21は、実験3で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル3−2、左:10000倍、右:50000倍)。 図22は、実験3で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル3−3、左:10000倍、右:50000倍)。 図23は、実験3で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル3−4、左:10000倍、右:50000倍)。 図24は、実験3で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル3−5、左:10000倍、右:50000倍)。 図25は、実験3で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル3−6、左:10000倍、右:50000倍)。 図26は、実験3で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル3−7、左:10000倍、右:50000倍)。 図27は、実験3で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル3−8、左:3000倍、右:10000倍)。 図28は、実験4で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル4−1、左:10000倍、右:50000倍)。 図29は、実験4で合成した複合体の電子顕微鏡写真である(サンプル4−2、10000倍)。
本発明においては、炭酸ガスを含むウルトラファインバブルの存在下で無機炭酸塩を合成する。
無機炭酸塩
本発明の製法によれば、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどの無機炭酸塩を効率的に製造することができる。本発明によって得られる無機炭酸塩微粒子の平均一次粒子径は300nm未満であり、また、200nm未満とすることも可能である。また、炭酸カルシウム微粒子の平均一次粒子径は10nm以上とすることができる。
本発明によって得られた無機炭酸塩は、種々の用途に用いることができ、例えば、紙、繊維、セルロース系複合材料、フィルター材料、塗料、プラスチックやその他の樹脂、ゴム、エラストマー、セラミック、ガラス、タイヤ、建築材料(アスファルト、アスベスト、セメント、ボード、コンクリート、れんが、タイル、合板、繊維板など)、各種担体(触媒担体、医薬担体、農薬担体、微生物担体など)、吸着剤(不純物除去、消臭、除湿など)、しわ防止剤、粘土、研磨材、改質剤、補修材、断熱材、耐熱材、放熱材、防湿材、撥水材、耐水材、遮光材、変色防止剤、シーラント、シールド材、防虫剤、接着剤、インキ、化粧料、医用材料、ペースト材料、食品添加剤、錠剤賦形剤、分散剤、保形剤、保水剤、濾過助材、精油材、油処理剤、油改質剤、電波吸収材、絶縁材、遮音材、防振材、半導体封止材、放射線遮断材、化粧品、衛生用品、肥料、飼料、香料、塗料・接着剤・樹脂用添加剤、変色防止剤、導電材、伝熱材、難燃材、衛生材料、抗菌材、鮮度保持材、等のあらゆる用途に広く使用することができる。また、前記用途における各種充填剤、コーティング剤などに用いることができる。中でも、本発明の無機炭酸塩は、製紙用途に適用しやすく、例えば、印刷用紙、新聞紙、インクジェット用紙、PPC用紙、クラフト紙、上質紙、コート紙、微塗工紙、包装紙、薄葉紙、色上質紙、キャストコート紙、ノンカーボン紙、ラベル用紙、感熱紙、各種ファンシーペーパー、水溶紙、剥離紙、工程紙、壁紙用原紙、不燃紙、難燃紙、積層板原紙、バッテリー用セパレータ、クッション紙、トレーシングペーパー、含浸紙、ODP用紙、建材用紙、化粧材用紙、封筒用紙、テープ用紙、熱交換用紙、化繊紙、減菌紙、耐水紙、耐油紙、耐熱紙、光触媒紙、化粧紙(脂取り紙など)、各種衛生紙(トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ワイパー、おむつ、生理用品等)、たばこ用紙、板紙(ライナー、中芯原紙、白板紙など)、紙皿原紙、カップ原紙、ベーキング用紙、研磨紙、合成紙などが挙げられる。すなわち、本発明によれば、粒子径が小さくかつ粒度分布の狭い炭酸塩微粒子を得ることができるため、1μm超の粒子径を有していた従来の製紙用炭酸塩とは異なった特性を有するものと考えられる。
また、本発明によって得られる無機炭酸塩を使用する際には、一般に無機填料及び有機填料と呼ばれる粒子や、各種繊維を併用することができる。例えば、無機填料として、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム)、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クレー(カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン)、タルク、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、二酸化チタン、ケイ酸ナトリウムと鉱酸から製造されるシリカ(ホワイトカーボン、シリカ/炭酸カルシウム複合体、シリカ/二酸化チタン複合体)、白土、ベントナイト、珪藻土、硫酸カルシウム、ゼオライト、脱墨工程から得られる灰分を再生して利用する無機填料および再生する過程でシリカや炭酸カルシウムと複合体を形成した無機填料などが挙げられる。炭酸カルシウム−シリカ複合物としては、炭酸カルシウムおよび/または軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物以外に、ホワイトカーボンのような非晶質シリカを併用しても良い。有機填料としては、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子、アクリルアミド複合体、木材由来の物質(微細繊維、ミクロフィブリル繊維、粉体ケナフ)、変性不溶化デンプン、未糊化デンプンなどが挙げられる。
本発明によって得られる無機炭酸塩の平均粒子径や形状等は、電子顕微鏡による観察により確認することができる。さらに、反応液スラリーの粘度などから、生成物である無機炭酸塩を定性的に確認することも可能である。
また、本発明によって得られる炭酸カルシウムなどの無機炭酸塩は、例えば、BET比表面積であれば、1〜100m/gであることが好ましく、20〜100m/gであることがより好ましい。また、一つの態様において、10〜40m/gであってもよい。さらに、本発明によって得られる炭酸カルシウムなどの無機炭酸塩の吸油量は、ある態様において50〜250mL/100gであることが好ましく、80〜250mL/100gであることがより好ましい。なお、本発明によって得られた無機炭酸塩の粒子径や比表面積は、粉砕処理等によって調整することができ、例えば、ビーズミルを用いた湿式または乾式粉砕、高圧ホモジナイザーによる処理、超音波分散などを行うことができる。
また、本発明で得られる無機炭酸塩は、微細な一次粒子が凝集した二次粒子の形態を取ることもあり、用途に応じた二次粒子を生成させることができるし、粉砕によって凝集塊を細かくすることもできる。粉砕の方法としては、ボールミル、サンドグラインダーミル、インパクトミル、高圧ホモジナイザー、低圧ホモジナイザー、ダイノーミル、超音波ミル、カンダグラインダ、アトライタ、石臼型ミル、振動ミル、カッターミル、ジェットミル、離解機、叩解機、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が挙げられる。
本発明によって得られた無機炭酸塩は、種々の形状で用いることができ、例えば、粉体、ペレット、モールド、水性懸濁液、ペースト、シート、その他の形状にして用いることができる。また、炭酸マグネシウムを主成分として他の材料と共にモールドや粒子・ペレットなどの成形体にすることもできる。乾燥して紛体にする場合の乾燥機についても特に制限はないが、例えば、気流乾燥機、バンド乾燥機、噴霧乾燥機などを好適に使用することができる。
本発明においては、無機炭酸塩を合成する際の条件を調整することによって、種々の大きさや形状を有する炭酸塩微粒子を繊維と複合体化することができる。
炭酸ガスを含むウルトラファインバブル
本発明に係る製法においては、炭酸ガスを含むウルトラファインバブル(平均粒径が1000nm以下の微細気泡、UFB)の存在下で、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどの無機粒子を合成する。本発明においては、反応容器内に炭酸ガスを含む気体と液体を噴射することによって炭酸ガスを含むウルトラファインバブルを発生させるが、ウルトラファインバブルの平均粒子径は1000nm以下であれば特に制限されず、好ましくは1〜800nmであり、より好ましくは10〜500nmであり、50〜300nmとしてもよい。本発明においては、高い圧力で液体を噴射することによってキャビテーション気泡を発生させる必要がないので、大きなエネルギーを消費することなく炭酸カルシウムなどの無機粒子を合成することが可能になる。
また、炭酸ガスを含むウルトラファインバブルは、ウルトラファインバブルを発生させてからウルトラファインバブルが消失するまで、系中に10秒以上存在しうるものであることが好ましく、60秒以上存在しうるものであることがより好ましい。中でも、本発明に係るウルトラファインバブルは、5分間以上、系中に存在しうるものがさらに好ましく、15分間以上存在しうるものが特に好ましく、60分以上存在しうるものであってもよい。長時間にわたって系中に存在しうるウルトラファインバブルであると、反応液に炭酸ガスを含む気泡が長時間滞留できることになるため、微細な無機炭酸塩粒子を効率的に製造することが可能になる。
ウルトラファインバブルは、公知の製造方法に従って発生させることができる。例えば、気液混合せん断式、スタティックミキサー式、ベンチュリ式、キャビテーション式、蒸気凝縮式、超音波式、旋回噴流式、加圧溶解式、微細孔式などの方法によって製造することができる。これらの中でも、気液混合せん断式や旋回噴流式によれば、ポンプなどを用いて簡便にウルトラファインバブルを発生させることができるため好ましい。好ましい態様において、二酸化炭素は吸気部より自然吸気により取り入れることができる(自吸式)。
なお、キャビテーションとは、流体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象であり、空洞現象とも言われる。キャビテーションによって生じる気泡(キャビテーション気泡)は、流体の中で圧力がごく短時間だけ飽和蒸気圧より低くなったとき、液体中に存在する100ミクロン以下のごく微小な「気泡核」を核として生じる。キャビテーション気泡は、公知の方法によって反応容器内に発生させることができるものの、従来の方法は大きなエネルギーを要するものであり、効率がよいとはいえなかった。例えば、流体を高圧で噴射することによってキャビテーション気泡を発生させること、流体内で高速で攪拌することによってキャビテーションを発生させること、流体内で爆発を生じさせることによってキャビテーションを発生させること、超音波振動子によってキャビテーションを発生させること(バイブトラリー・キャビテーション)などが考えられる。
本発明においては、原料などの反応溶液をそのまま噴射液体として用いてウルトラファインバブルを発生させることもできるし、反応容器内に何らかの流体を噴射してウルトラファインバブルを発生させることもできる。液体噴流が噴流をなす流体は、流動状態であれば液体、気体、粉体やパルプ等の固体の何れでもよく、またそれらの混合物であってもよい。更に必要であれば上記の流体に、新たな流体として、炭酸ガスなど、別の流体を加えることができる。上記流体と新たな流体は、均一に混合して噴射してもよいが、別個に噴射してもよい。
液体噴流とは、液体または液体の中に固体粒子や気体が分散あるいは混在する流体の噴流であり、パルプや無機物粒子のスラリーや気泡を含む液体噴流のことをいう。本発明においては、炭酸ガスを含む気泡を含んでいてもよい。
ウルトラファインバブルは公知の装置を用いて発生させることができるが、例えば、ノズルまたはオリフィス管を通じて噴射液を噴射して気泡を発生させる際には、ノズルから反応容器内に噴射する場所の圧力(P1、本明細書において上流側圧力ともいう)は特に制限されないが、例えば、0.05〜4.5MPaとすると好ましい。別の態様において、圧力P1を5MPa以上10MPa以下とすることもできる。上流側圧力が0.01MPa未満では反応容器出口の圧力(P2、本明細書において下流側圧力ともいう)との間で圧力差を生じ難く作用効果は小さい。また、30MPaより高い場合、特殊なポンプ及び圧力容器を必要とし、消費エネルギーが大きくなることからコスト的に不利である。一方、反応容器出口の圧力(P2)は静圧で0.005MPa以上0.9MPa以下が好ましい。また、容器内の圧力と噴射液の圧力との比(P2/P1)は0.001〜0.5の範囲が好ましい。なお、圧力(動圧)は、圧力計を用いて測定することができる。
炭酸ガスを含む気体と液体とをノズルから噴射する際の流速は、100〜640L/min・cmとすることが好ましく、100〜300L/min・cmとしてもよい。噴射液の噴流の速度は1m/秒以上200m/秒以下の範囲であることが望ましく、20m/秒以上100m/秒以下の範囲であることが好ましい。噴流の速度が1m/秒未満である場合、圧力低下が低く、ウルトラファインバブルが発生し難いため、その効果は弱い。一方、200m/秒より大きい場合、高圧を要し特別な装置が必要であり、コスト的に不利である。
本発明における気泡の発生場所は、炭酸ガス法による反応が生じる反応容器内に発生させればよい。また、ワンパスで処理することも可能であるが、必要回数だけ循環することもできる。さらに複数の発生手段を用いて並列で、あるいは順列で処理することができる。
液体の噴射は、大気開放の容器の中でなされても良いが、密閉された圧力容器の中でなされるのが好ましい。
液体噴射によってウルトラファインバブルを発生させる場合、反応溶液である消石灰の水性懸濁液の固形分濃度は30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下がより好ましい。このような濃度であると、気泡を反応系に均一に作用させやすくなるためである。また、反応溶液である消石灰の水性懸濁液は、反応効率の点から、固形分濃度が0.1重量%以上であることが好ましい。
本発明において、反応液のpHは、反応開始時は塩基性側であるが炭酸化反応が進行するにしたがって中性に変化する。したがって、反応液のpHをモニターすることによって反応を制御することができる。
本発明では、反応温度は0℃以上90℃以下であることが好ましく、特に10℃以上60℃以下であることが好ましい。一般には、融点と沸点の中間点で衝撃力が最大となると考えられることから、水性溶液の場合、50℃前後が好適であるが、それ以下の温度であっても、蒸気圧の影響を受けないため、上記の範囲であれば高い効果が得られる。
本発明においては、界面活性剤を添加することでウルトラファインバブルを発生させるために必要なエネルギーを低減することができる。使用する界面活性剤としては、公知または新規の界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらの単一成分からなるものでも、2種以上の成分の混合物でも良い。添加量は噴射液及び/または被噴射液の表面張力を低下させるために必要な量であればよい。
炭酸カルシウムの合成
本発明において、炭酸ガスを含む微細な気泡の存在下で炭酸カルシウム微粒子を合成する場合、炭酸カルシウムの合成方法は、公知の方法によることができる。例えば、炭酸ガス法、可溶性塩反応法、石灰・ソーダ法、ソーダ法などによって炭酸カルシウムを合成することができ、好ましい態様において、炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを合成する。
一般に、炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを製造する場合、カルシウム源として石灰(ライム)が使用され、生石灰CaOに水を加えて消石灰Ca(OH)を得る消和工程と、消石灰に炭酸ガスCOを吹き込んで炭酸カルシウムCaCOを得る炭酸化工程とによって炭酸カルシウムが合成される。この際、生石灰に水を加えて調製した消石灰の懸濁液をスクリーンに通して、懸濁液中に含まれる低溶解性の石灰粒を除去してもよい。また、消石灰を直接カルシウム源としてもよい。本発明において炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを合成する場合、炭酸ガスを含むウルトラファインバブルの存在下で炭酸化反応を行えばよい。
一般に、炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを製造する際の反応容器(炭酸化反応機:カーボネーター)として、ガス吹き込み型カーボネーターと機械攪拌型カーボネーターが知られている。ガス吹き込み型カーボネーターでは、消石灰懸濁液(石灰乳)を入れた炭酸化反応槽に炭酸ガスを吹き込み、消石灰と炭酸ガスとを反応させるが、単純に炭酸ガスを吹き込むだけでは気泡の大きさを均一かつ微細に制御することが難しく、反応効率の点からは制限がある。一方、機械攪拌型カーボネーターでは、カーボネーター内部に攪拌機を設け、その攪拌機の近くに炭酸ガスを導入することによって、炭酸ガスを細かな気泡とし、消石灰と炭酸ガスとの反応効率を向上させている(『セメント・セッコウ・石灰ハンドブック』技報堂出版、1995年、495頁)。
しかし、機械攪拌型カーボネーターのように、炭酸化反応槽内部に設けた攪拌機で攪拌を行う場合、反応液の濃度が高かったり炭酸化反応が進むと反応液の抵抗が大きく十分な攪拌が困難になるため炭酸化反応を的確に制御することが難しかったり、十分な攪拌を行うには攪拌機に相当な負荷がかかりエネルギー的に不利となることがあった。また、ガスの吹込口がカーボネーターの下部にあり、攪拌をよくするために攪拌機の羽根がカーボネーターの底部の近くに設置されている。溶解性が低いライムスクリーン残渣は沈降が速いために、常に底部に滞留しており、ガス吹込口を塞いだり、攪拌機のバランスを崩したりする。さらに、従来の方法では、カーボネーターに加えて、攪拌機や、カーボネーターに炭酸ガスを導入するための設備が必要であり、設備面でもコストがかかるものであった。そして、機械攪拌型カーボネーターでは、攪拌機の近くに供給した炭酸ガスを攪拌機によって細かくすることによって消石灰と炭酸ガスとの反応効率を向上させるものの、反応液の濃度が高い場合などは十分に炭酸ガスを微細化できず、炭酸化反応の面でも、生成する炭酸カルシウムの形態等を正確に制御することが難しいことがあった。本発明においては、炭酸ガスを含む気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成することによって、効率的に炭酸化反応を進行させ、均一な炭酸カルシウム微粒子を製造することが可能になる。特に噴流を用いることで、羽根などの機械的な攪拌機なしに、十分な攪拌を行うことができる。本発明においては、従来からの公知の反応容器を用いることができ、もちろん、上述したようなガス吹き込み型カーボネーターや機械攪拌型カーボネーターを問題なく使用することができ、これらの容器にノズルなどを用いた噴流を組合せても良い。
炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを合成する場合、消石灰の水性懸濁液の固形分濃度は、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%程度である。固形分濃度が低いと反応効率が低く、製造コストが高くなり、固形分濃度が高すぎると流動性が悪くなり、反応効率が落ちる。本発明においては、ウルトラファインバブルの存在下で炭酸カルシウムを合成するため、固形分濃度の高い懸濁液(スラリー)を用いても、反応液と炭酸ガスを好適に混合することができる。
消石灰を含む水性懸濁液としては、炭酸カルシウム合成に一般に用いられるものを使用でき、例えば、消石灰を水に混合して調製したり、生石灰(酸化カルシウム)を水で消和(消化)して調製することができる。消和する際の条件は特に制限されないが、例えば、CaOの濃度は0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、温度は20〜100℃、好ましくは30〜100℃とすることができる。また、消和反応槽(スレーカー)での平均滞留時間も特に制限されないが、例えば、5分〜5時間とすることができ、2時間以内とすることが好ましい。当然であるが、スレーカーはバッチ式であっても連続式であってもよい。なお、本発明においては炭酸化反応槽(カーボネーター)と消和反応槽(スレーカー)とを別々にしてもよく、また、1つの反応槽を炭酸化反応槽および消和反応槽として用いてもよい。
本発明においては、懸濁液の調製などに水を使用するが、この水としては、通常の水道水、工業用水、地下水、井戸水などを用いることができる他、イオン交換水や蒸留水、超純水、工業廃水、炭酸化工程で得られた炭酸カルシウムスラリーを分離・脱水する際に得られる水を好適に用いることできる。
また本発明においては、炭酸化反応槽の反応液を循環させて水酸化カルシウムを含む液体として使用することができる。このように反応液を循環させて、反応液と炭酸ガスとの接触を増やすことにより、反応効率を上げ、所望の炭酸カルシウムを得ることが容易になる。
本発明においては、二酸化炭素(炭酸ガス)を含むウルトラファインバブルが反応容器に吹き込まれ、反応液と混合される。本発明によれば、ファン、ブロワなどの気体供給装置がなくとも炭酸ガスを反応液に供給することができ、しかも、炭酸ガスのウルトラファインバブルが用いられるため炭酸化反応を効率よく行うことができる。
本発明において、二酸化炭素を含むウルトラファインバブルの二酸化炭素濃度に特に制限はないが、二酸化炭素濃度が高い方が好ましい。また、炭酸ガスの量に制限はなく適宜選択することができるが、例えば、消石灰1kgあたり100〜10000L/時の流量の炭酸ガスを用いると好ましい。
本発明の二酸化炭素を含む気体は、実質的に純粋な二酸化炭素ガスでもよく、他のガスとの混合物であってもよい。例えば、二酸化炭素ガスの他に、空気、窒素などの不活性ガスを含む気体を、二酸化炭素を含む気体として用いることができる。また、二酸化炭素を含む気体としては、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)の他、製紙工場の焼却炉、石炭ボイラー、重油ボイラーなどから排出される排ガスを二酸化炭素含有気体として好適に用いることができる。その他にも、石灰焼成工程から発生する二酸化炭素を用いて炭酸化反応を行うこともできる。
本発明において炭酸カルシウムを製造する場合、さらに公知の各種助剤を添加することができる。例えば、キレート剤を炭酸化反応に添加することができ、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などのポリヒドロキシカルボン酸、シュウ酸などのジカルボン酸、グルコン酸などの糖酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのアルカリ金属塩、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸などのポリリン酸のアルカリ金属塩、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸およびこれらのアルカリ金属塩、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸アリルなどのケトン類、ショ糖などの糖類、ソルビトールなどのポリオールが挙げられる。また、表面処理剤としてパルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、アビエチン酸等の樹脂酸、それらの塩やエステルおよびエーテル、アルコール系活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、アミド系やアミン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、長鎖アルキルアミノ酸、アミンオキサイド、アルキルアミン、第四級アンモニウム塩、アミノカルボン酸、ホスホン酸、多価カルボン酸、縮合リン酸などを添加することができる。また、必要に応じ分散剤を用いることもできる。この分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸−マレイン酸共重合体アンモニウム塩、メタクリル酸−ナフトキシポリエチレングリコールアクリレート共重合体、メタクリル酸−ポリエチレングリコールモノメタクリレート共重合体アンモニウム塩、ポリエチレングリコールモノアクリレートなどがある。これらを単独または複数組み合わせて使用することができる。また、添加のタイミングは炭酸化反応の前でも後でも良い。このような添加剤は、消石灰に対して、好ましくは0.001〜20%、より好ましくは0.1〜10%の量で添加することができる。
また、本発明においては、炭酸化反応には直接的に関与しないが、生成物である炭酸カルシウムに取り込まれて複合粒子を生成するような物質を用いることができる。このような物質としては、パルプ繊維を始めとする繊維状物質や無機粒子、有機粒子、ポリマーなどを挙げることができ、例えば、製紙工場の排水から回収された繊維状物質を本発明の炭酸化反応に供給してもよい。このような物質を反応槽に供給することにより、種々の複合粒子を合成することができ、また、形状的にも繊維状粒子などを合成することができる。
炭酸マグネシウム微粒子の合成
一つの態様において本発明では、炭酸ガスを含む気泡の存在下で炭酸マグネシウム微粒子を合成するが、炭酸マグネシウムの合成方法は、公知の方法によることができる。例えば、水酸化マグネシウムと炭酸ガスから重炭酸マグネシウムを合成し、重炭酸マグネシウムから正炭酸マグネシウムを経て塩基性炭酸マグネシウムを合成することができる。本発明においては、この炭酸マグネシウムの合成ルートのすべてにおいて気泡を存在させる必要はなく、少なくとも1つの段階で気泡を存在させればよい。
例えば、塩基性炭酸マグネシウムを製造する場合、マグネシウム源として酸化マグネシウムMgOを使用し、酸化マグネシウムから得られた水酸化マグネシウムMg(OH)に炭酸ガスCOを吹き込んで重炭酸マグネシウムMg(HCOを得て、重炭酸マグネシウムから正炭酸マグネシウムMgCO・3HOを経て塩基性炭酸マグネシウムが得られる。この際、すべての段階で気泡を存在させてもよいが、本発明においては、いずれかの段階で気泡を存在させて塩基性炭酸マグネシウムを合成することができる。好ましい態様においては、少なくとも、水酸化マグネシウムから重炭酸マグネシウムや正炭酸マグネシウムを合成する段階において気泡を存在させることができる。また別の態様においては、重炭酸マグネシウムや正炭酸マグネシウムから塩基性炭酸マグネシウムを合成する段階において気泡を存在させることができる。さらに別の態様においては、塩基性炭酸マグネシムを合成後、熟成させるときに存在させることができる。
一般に、炭酸マグネシウムを製造する際の反応容器として、ガス吹き込み型の装置と機械攪拌型の装置が知られている。ガス吹き込み型では、水酸化マグネシウムを入れた反応槽に炭酸ガスを吹き込み反応させるが、単純に炭酸ガスを吹き込むだけでは気泡の大きさを均一かつ微細に制御することが難しく、反応効率の点からは制限がある。一方、機械攪拌型の装置では、装置内部に攪拌機を設け、その攪拌機の近くに炭酸ガスを導入することによって、炭酸ガスを細かな気泡とし、炭酸ガスとの反応効率を向上させる。
しかし、機械攪拌型のように、反応槽内部に設けた攪拌機で攪拌を行う場合、反応液の濃度が高かったり炭酸化反応が進むと反応液の抵抗が大きく十分な攪拌が困難になるため炭酸化反応を的確に制御することが難しかったり、十分な攪拌を行うには攪拌機に相当な負荷がかかりエネルギー的に不利となることがあった。また、ガスの吹込口が反応槽の下部にあり、攪拌をよくするために攪拌機の羽根が反応槽底部の近くに設置されている場合、溶解性が低い成分が底部に滞留し、ガス吹込口を塞いだり、攪拌機のバランスを崩したりする。さらに、従来の方法では、反応槽に加えて、攪拌機や、炭酸ガスを反応槽に導入するための設備が必要であり、設備面でもコストがかかるものであった。そして、機械攪拌型の装置では、攪拌機の近くに供給した炭酸ガスを攪拌機によって細かくすることによって反応効率を向上させるものの、反応液の濃度が高い場合などは十分に炭酸ガスを微細化できず、炭酸化反応の面でも、生成する無機粒子の形態等を正確に制御することが難しいことがあった。本発明においては、ウルトラファインバブルの存在下で炭酸マグネシウムを合成することによって、効率的に炭酸化反応を進行させ、均一な炭酸マグネシウム微粒子を製造することが可能になる。本発明においては、従来からの公知の反応容器を用いることができ、もちろん、上述したようなガス吹き込み型や機械攪拌型の装置を問題なく使用することができ、これらの容器にノズルなどを用いた噴流を組合せても良い。
ここで、炭酸ガスを含むウルトラファインバブルを用いて製造することで、例えば、吸油量が600mL/100g以上の炭酸マグネシウムを得ることができる。さらには、気泡が存在する時間を長くすることによって900mL/100g以上の高吸油量の炭酸マグネシウムを得ることができる。ウルトラファインバブルを存在させる時間は、反応時間全体の好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上とすると良い。
本発明によって炭酸マグネシウムを合成する場合、水酸化マグネシウムの水性懸濁液の固形分濃度は、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%程度である。固形分濃度が低いと反応効率が低く、製造コストが高くなり、固形分濃度が高すぎると流動性が悪くなり、反応効率が落ちる。本発明においては、気泡の存在下で炭酸マグネシウムを合成するため、固形分濃度の高い懸濁液(スラリー)を用いても、反応液と炭酸ガスを好適に混合することができる。
水酸化マグネシウムを含む水性懸濁液としては、一般に用いられるものを使用でき、例えば、水酸化マグネシウムを水に混合して調製したり、酸化マグネシウムを水に添加して調製することができる。酸化マグネシウムから水酸化マグネシウムのスラリーを調製する際の条件は特に制限されないが、例えば、MgOの濃度は0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、温度は20〜100℃、好ましくは30〜100℃として、例えば、5分〜5時間(好ましくは2時間以内)の間、処理することが好ましい。装置はバッチ式であっても連続式であってもよい。なお、本発明においては水酸化マグネシウムスラリーの調製と炭酸化反応は、別々の装置を用いてもよく、また、1つの反応槽で行ってもよい。
本発明においては、懸濁液の調製などに水を使用するが、この水としては、通常の水道水、工業用水、地下水、井戸水などを用いることができる他、イオン交換水や蒸留水、超純水、工業廃水、さらには、本発明の反応工程で得られた炭酸マグネシウムスラリーを分離・脱水する際に得られる水を好適に用いることできる。
また本発明においては、反応液を循環させて水酸化マグネシウムを含む液体として使用することができる。このように反応液を循環させて、反応液と炭酸ガスとの接触を増やすことにより、反応効率を上げ、所望の炭酸マグネシウムを得ることが容易になる。
本発明においては、二酸化炭素(炭酸ガス)を含む気体が反応容器に吹き込まれ、反応液と混合される。本発明によれば、ファン、ブロワなどの気体供給装置がなくとも炭酸ガスを反応液に供給することができ、しかも、炭酸ガスのウルトラファインバブルを用いるため炭酸化反応を効率よく行うことができる。
本発明において、二酸化炭素を含む気体の二酸化炭素濃度に特に制限はないが、二酸化炭素濃度が高い方が好ましい。また、反応容器に導入する炭酸ガスの量に制限はなく適宜選択することができるが、例えば、水酸化マグネシウム1kgあたり100〜10000L/時の流量の炭酸ガスを用いると好ましい。
本発明の二酸化炭素を含む気体は、実質的に純粋な二酸化炭素ガスでもよく、他のガスとの混合物であってもよい。例えば、二酸化炭素ガスの他に、空気、窒素などの不活性ガスを含む気体を、二酸化炭素を含む気体として用いることができる。また、二酸化炭素を含む気体としては、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)の他、製紙工場の焼却炉、石炭ボイラー、重油ボイラーなどから排出される排ガスを二酸化炭素含有気体として好適に用いることができる。その他にも、石灰焼成工程から発生する二酸化炭素を用いて炭酸化反応を行うこともできる。
本発明の製法においては、さらに公知の各種助剤を添加することができる。例えば、キレート剤を炭酸化反応に添加することができ、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などのポリヒドロキシカルボン酸、シュウ酸などのジカルボン酸、グルコン酸などの糖酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのアルカリ金属塩、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸などのポリリン酸のアルカリ金属塩、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸およびこれらのアルカリ金属塩、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸アリルなどのケトン類、ショ糖などの糖類、ソルビトールなどのポリオールが挙げられる。また、表面処理剤としてパルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、アビエチン酸等の樹脂酸、それらの塩やエステルおよびエーテル、アルコール系活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、アミド系やアミン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、長鎖アルキルアミノ酸、アミンオキサイド、アルキルアミン、第四級アンモニウム塩、アミノカルボン酸、ホスホン酸、多価カルボン酸、縮合リン酸などを添加することができる。また、必要に応じ分散剤を用いることもできる。この分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸−マレイン酸共重合体アンモニウム塩、メタクリル酸−ナフトキシポリエチレングリコールアクリレート共重合体、メタクリル酸−ポリエチレングリコールモノメタクリレート共重合体アンモニウム塩、ポリエチレングリコールモノアクリレートなどがある。これらを単独または複数組み合わせて使用することができる。また、添加のタイミングは炭酸化反応の前でも後でも良い。このような添加剤は、水酸化マグネシウムに対して、好ましくは0.001〜20%、より好ましくは0.1〜10%の量で添加することができる。
繊維
本発明においては、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどの無機炭酸塩と繊維とを複合体化することも可能である。例えば、炭酸マグネシウムと繊維とを複合体化する場合、繊維を含む溶液において、炭酸ガスを含む気泡の存在下で炭酸マグネシウム微粒子を合成する。その際、水酸化マグネシウム等に代表される水酸化マグネシム前駆体から水酸化マグネシウムを得る時点で反応溶液中に繊維を分散させておくことができる。また、水酸化マグネシウムから炭酸マグネシウムを得る工程で繊維を分散させておくこともできる。いずれの場合においても、反応溶液がアルカリ性であるため、反応液に浸漬することで繊維を膨潤させ、効率よく炭酸マグネシウムと繊維の複合体を得ることができる。繊維を分散させた後、すぐに炭酸化反応を開始することもできるし、15分以上撹拌することでより繊維の膨潤を促してから炭酸化反応を開始することもできる。
複合体を構成する繊維は特に制限されないが、例えば、セルロースなどの天然繊維はもちろん、石油などの原料から人工的に合成される合成繊維、さらには、レーヨンやリヨセルなどの再生繊維(半合成繊維)、さらには無機繊維などを制限なく使用することができる。天然繊維としては上記の他にウールや絹糸やコラーゲン繊維等の蛋白系繊維、キチン・キトサン繊維やアルギン酸繊維等の複合糖鎖系繊維等が挙げられる。セルロース系の原料としては、パルプ繊維(木材パルプや非木材パルプ)、バクテリアセルロースが例示され、木材パルプは、木材原料をパルプ化して製造すればよい。木材原料としては、アカマツ、クロマツ、トドマツ、エゾマツ、ベニマツ、カラマツ、モミ、ツガ、スギ、ヒノキ、カラマツ、シラベ、トウヒ、ヒバ、ダグラスファー、ヘムロック、ホワイトファー、スプルース、バルサムファー、シーダ、パイン、メルクシマツ、ラジアータパイン等の針葉樹、及びこれらの混合材、ブナ、カバ、ハンノキ、ナラ、タブ、シイ、シラカバ、ハコヤナギ、ポプラ、タモ、ドロヤナギ、ユーカリ、マングローブ、ラワン、アカシア等の広葉樹及びこれらの混合材が例示される。
木材原料をパルプ化する方法は、特に限定されず、製紙業界で一般に用いられるパルプ化法が例示される。木材パルプはパルプ化法により分類でき、例えば、クラフト法、サルファイト法、ソーダ法、ポリサルファイド法等の方法により蒸解した化学パルプ;リファイナー、グラインダー等の機械力によってパルプ化して得られる機械パルプ;薬品による前処理の後、機械力によるパルプ化を行って得られるセミケミカルパルプ;古紙パルプ;脱墨パルプ等が挙げられる。木材パルプは、未晒(漂白前)の状態であってもよいし、晒(漂白後)の状態であってもよい。
非木材由来のパルプとしては、綿、ヘンプ、サイザル麻、マニラ麻、亜麻、藁、竹、バガス、ケナフ、サトウキビ、トウモロコシ、稲わら、楮(こうぞ)、みつまた等が例示される。
パルプ繊維は、未叩解及び叩解のいずれでもよく、複合体シートの物性に応じて選択すればよいが、叩解を行う方が好ましい。これにより、シート強度の向上並びに炭酸塩の定着促進が期待できる。
合成繊維としてはポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル繊維、半合繊維としてはレーヨン、アセテートなどが挙げられ、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、各種金属繊維などが挙げられる。
以上に示した繊維は単独で用いても良いし、複数を混合しても良い。中でも、木材パルプを含むか、若しくは、木材パルプと非木材パルプ及び/又は合成繊維との組み合わせを含むことが好ましく、木材パルプのみであることがより好ましい。
好ましい態様において、本発明の複合体を構成する繊維はパルプ繊維である。また、例えば、製紙工場の排水から回収された繊維状物質を本発明の炭酸化反応に供給してもよい。このような物質を反応槽に供給することにより、種々の複合粒子を合成することができ、また、形状的にも繊維状粒子などを合成することができる。
本発明において、パルプ繊維として粉末セルロースを使用してもよい。粉末セルロースとは、微結晶性セルロースから構成される棒軸状粒子である。粉末セルロースにおけるセルロースの重合度は好ましくは100〜1500程度であり、X線回折法による粉末セルロースの結晶化度は好ましくは70〜90%であり、レーザー回折式粒度分布測定装置による体積平均粒子径は好ましくは1μm〜100μmであり、より好ましくは2μm〜50μmである。体積平均粒子径が1μm〜100μmであると、濾過助剤に適用した場合に好適である。本発明で用いる粉末セルロースは、例えば、精選パルプ(パルプの非結晶部分)を酸加水分解した後に得られる未分解残渣を精製・乾燥し、粉砕・篩い分けする方法により製造することができ、また、KCフロック(日本製紙製)、セオラス(旭化成ケミカルズ製)、アビセル(FMC製)などの市販品を用いてもよい。
本発明においては、繊維の他にも、炭酸化反応には直接的に関与しないが、生成物である炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムに取り込まれて複合粒子を生成するような物質を用いることができる。本発明にいては、パルプ繊維を始めとする繊維を使用するが、それ以外にも無機粒子、有機粒子、ポリマーなどを含む溶液中で炭酸カルシウムを合成することによって、さらにこれらの物質が取り込まれた複合粒子を製造することが可能である。
反応条件
本発明において炭酸化反応の条件は、特に制限されず、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、炭酸化反応の温度は0〜90℃とすることができ、10〜70℃とすることが好ましい。反応温度は、反応液の温度を温度調節装置によって制御することができ、温度が低いと反応効率が低下しコストが高くなる一方、90℃を超えると粗大な粒子が多くなる傾向がある。
また、本発明において炭酸化反応はバッチ反応とすることもでき、連続反応とすることもできる。一般に、炭酸化反応後の残存物を排出する便利さから、バッチ反応工程を行うことが好ましい。反応のスケールは特に制限されないが、100L以下のスケールで反応させてもよいし、100L超のスケールで反応させてもよい。反応容器の大きさは、例えば、10L〜100L程度とすることもできるし、100L〜1000L程度としてもよい。
さらに、炭酸化反応は、反応懸濁液のpHをモニターすることにより制御することができ、反応液のpHプロファイルに応じて、例えばpH9未満、好ましくはpH8未満、より好ましくはpH7のあたりに到達するまで炭酸化反応を行うことができる。
一方、反応液の電導度をモニターすることにより炭酸化反応を制御することも出来る。電導度が1mS/cm以下に低下するまで炭酸化反応を行うことが好ましい。
さらにまた、炭酸化反応は、反応時間によって制御することができ、具体的には、反応物が反応槽に滞留する時間を調整して制御することができる。その他、本発明においては、炭酸化反応槽の反応液を攪拌したり、炭酸化反応を多段反応とすることによって反応を制御することもできる。
本発明において、反応生成物である無機粒子は懸濁液として得られるため、必要に応じて、貯蔵タンクに貯蔵したり、濃縮・脱水、粉砕、分級、熟成、分散などの処理を行うことができる。これらは公知の工程によることができ、用途やエネルギー効率などを考慮して適宜決定すればよい。例えば濃縮・脱水処理は、遠心脱水機、沈降濃縮機などを用いて行われる。この遠心脱水機の例としては、デカンター、スクリューデカンターなどが挙げられる。濾過機や脱水機を用いる場合についてもその種類に特に制限はなく、一般的なものを使用することができるが、例えば、フィルタープレス、ドラムフィルター、ベルトプレス、チューブプレス等の加圧型脱水機、オリバーフィルター等の真空ドラム脱水機などを好適に用いて炭酸カルシウムケーキとすることができる。分級の方法としては、メッシュ等の篩、アウトワード型もしくはインワード型のスリットもしくは丸穴スクリーン、振動スクリーン、重量異物クリーナー、軽量異物クリーナー、リバースクリーナー、篩分け試験機等が挙げられる。分散の方法としては、高速ディスパーザー、低速ニーダーなどが挙げられる。
本発明においては、反応液中の未反応成分と生成物である無機粒子とを分離するためふるい分けを行うことができ、例えば、湿式の振動ふるいを用いることができる
本発明によって得られた炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムは、完全に脱水せずに懸濁液の状態で填料や顔料に配合することもできるが、乾燥して粉体とすることもできる。この場合の乾燥機についても特に制限はないが、例えば、気流乾燥機、バンド乾燥機、噴霧乾燥機などを好適に使用することができる。
また、本発明によって得られる炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどの無機粒子は、微細な一次粒子が凝集した二次粒子の形態を取ることが多いが、熟成工程によって用途に応じた二次粒子を生成させることができるし、粉砕によって凝集塊を細かくすることもできる。粉砕の方法としては、粉砕の方法としては、ボールミル、サンドグラインダーミル、インパクトミル、高圧ホモジナイザー、低圧ホモジナイザー、ダイノーミル、超音波ミル、カンダグラインダ、アトライタ、石臼型ミル、振動ミル、カッターミル、ジェットミル、離解機、叩解機、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が挙げられる。
本発明によって得られる無機粒子は、公知の方法によって改質することが可能である。例えば、ある態様においては、その表面を疎水化し、樹脂などとの混和性を高めたりすることが可能である。
具体的な実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実験例に限定されるものではない。また、本明細書において特に記載しない限り、濃度や部などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:炭酸カルシウム微粒子の合成
(サンプル1−1〜サンプル1−7)
サンプル1−1〜サンプル1−4では、図1に示すような反応装置を用いて、消石灰(水酸化カルシウム:Ca(OH))の1〜2%水性懸濁液30Lに対し、ウルトラファインバブル発生装置(せん断式、エンバイロビジョン社YJ−9、図2)を用いてポンプ流量80L/minで反応液を循環させた(ノズルからの噴射速度:125L/min・cm)。ウルトラファインバブル発生装置の給気口から炭酸ガスを吹き込むことによって、炭酸ガスを含む大量のウルトラファインバブルを反応液中に発生させ、炭酸カルシウム粒子を炭酸ガス法によって合成した。反応温度は15℃、炭酸ガスの吹き込み量は3〜40L/minとして反応を行い、反応液のpHが7〜8になった段階で反応を停止した(反応前のpHは約13)。また、ウルトラファインバブルの平均粒子径は約137nm、ウルトラファインバブルを発生させてからウルトラファインバブルが消失するまでの平均時間(気泡の存在時間ともいう)は60分間以上だった。
また、別のウルトラファインバブル発生装置(旋回噴流式、YBM社FJP−6)を用いてウルトラファインバブルを発生させて、炭酸カルシウム粒子を炭酸ガス法により合成した(サンプル1−5〜サンプル1−7)。この実験例では、図3に示すように、水中ポンプをウルトラファインバブル発生装置に接続してウルトラファインバブルを発生させた。ウルトラファインバブルを発生させる際のノズルからの噴射速度は125L/min・cmであり、ウルトラファインバブルの平均粒子径は80nm、泡の存在時間は約60分間以上だった。
本発明にしたがって消石灰と炭酸ガスとを反応させる際に炭酸ガスを含むウルトラファインバブル(微細気泡)を存在させた場合、平均粒子径が200nm以下の極めて粒子径の小さな炭酸カルシウムを製造することができ、粒子の形状も極めて均一であった。また、炭酸ガスの吹き込み量の増加に伴い反応時間は最小で3分にまで短縮することができ(サンプル1−3)、出口圧力を増加させることよって粒径の小さい炭酸カルシウムを合成できた(サンプル1−4)。さらに、本発明の方法は、生産量当たりの電力量が小さく、低エネルギー条件で効率良く炭酸カルシウム微粒子を合成することができた。
なお、図1に係る態様では、反応槽に完全にウルトラファインバブル発生装置を入れてしまったが、図4に示すように、ウルトラファインバブル発生装置を循環しているラインに取り付けることも可能である。
(サンプル1−8〜サンプル1−10)
比較例として、平均粒子径が1μmを超えるような炭酸ガスを含む気泡の存在下で、炭酸カルシウム微粒子を合成した。
サンプル1−8では、図5に示したように、上部が開口している20Lの円筒状容器に消石灰懸濁液を入れ、中空ホースで炭酸ガスを吹き込んで、炭酸ガス法によって炭酸カルシウム粒子を合成した。中空ホースを用いてバブリングした気泡の平均粒子径は約8mmであり、気泡の平均存在時間は約3秒だった。サンプル1−8では、平均粒子径が50nmの炭酸カルシウムを製造することができたものの、炭酸ガスが空気へ分散してしまうためか、長時間の反応が必要となり、炭酸ガスとの反応効率が低いものだった。
サンプル1−9およびサンプル1−10では、図6に示すようなキャビテーション装置(小型装置:50L容、大型装置:200L容)に消石灰の2%水性懸濁液を入れ、キャビテーション気泡を反応容器内に発生させるとともに、反応容器内に炭酸ガスを12L/minで吹き込んで炭酸カルシウム粒子を合成した。サンプル1−9では小型装置(消石灰の水性懸濁液:9.5L)、サンプル1−10では大型装置(消石灰の水性懸濁液:100L)を用い、入口圧力(上流圧、P1)と出口圧力(下流圧、P2)をそれぞれ7MPaと0.3MPaとして消石灰と炭酸ガスとを反応させる際にキャビテーション気泡を存在させた。キャビテーション気泡の平均粒子径は約50μm、気泡の平均存在時間は約0.1秒であった。サンプル1−9およびサンプル1−10で得られた炭酸カルシウムの平均粒子径は約100nmであったが、単位時間当たりの電力量がサンプル1−1と比較して大きくなった。
本発明によれば、キャビテーション装置を用いた場合と比較して単位時間当たりの電力量が約1/14と少なく、極めて効率的に炭酸カルシウム微粒子を製造することができる。
実験2:炭酸マグネシウム微粒子の合成
(サンプル2−1)
実験1と同様の装置を用いて、炭酸マグネシウム微粒子を合成した。具体的には、図1に示す装置を用いて、水酸化マグネシウム(Mg(OH))の約1%水性懸濁液30Lに対し、ウルトラファインバブル発生装置(エンバイロビジョン社YJ−9)を用いてポンプ流量80L/minで反応液を循環させた(ノズルからの噴射速度:125L/min・cm)。ウルトラファインバブル発生装置の給気口から炭酸ガスを吹き込むことによって、炭酸ガスを含む大量のウルトラファインバブルを反応液中に発生させ、炭酸マグネシウム粒子を炭酸ガス法によって合成した。反応温度は約15℃、炭酸ガスの吹き込み量を20L/minとして反応を行い、反応液のpHが7〜8になった段階で反応を停止した(反応前のpHは約10.5)。この実験におけるウルトラファインバブルの平均粒子径は約137nm、ウルトラファインバブルを発生させてからウルトラファインバブルが消失するまでの平均時間(気泡の存在時間ともいう)は60分間以上だった。
本発明にしたがって炭酸ガスを含むウルトラファインバブル(微細気泡)を反応系に存在させた場合、平均粒子径が100nm以下の極めて粒子径の小さな炭酸マグネシウムを製造することができ、粒子の形状も極めて均一であった。また、本発明の方法は、生産量当たりの電力量が小さく、低エネルギー条件で効率良く炭酸マグネシウム微粒子を合成することができた。
(サンプル2−2)
比較例として、平均粒子径が1μmを超えるような炭酸ガスを含む気泡の存在下で、炭酸マグネシウム微粒子を合成した。
図5に示したように、上部が開口している20Lの円筒状容器に水酸化マグネシウム懸濁液を入れ、中空ホースで炭酸ガスを吹き込んで、炭酸ガス法によって炭酸マグネシウム粒子を合成した。中空ホースを用いてバブリングした気泡の平均粒子径は約8mmであり、気泡の平均存在時間は約3秒であった。得られた生成物は、炭酸マグネシウムの平均粒子径が約1μm(1000nm)と大きくなってしまい、また、炭酸ガスが空気へ分散してしまうためか、長時間の反応が必要となり、炭酸ガスとの反応効率も低いものだった。
(サンプル2−3)
図6に示すようなキャビテーション装置(小型装置:50L容)に炭酸マグネシウムの1%水性懸濁液9.5Lを入れ、キャビテーション気泡を反応容器内に発生させるとともに、反応容器内に炭酸ガスを12L/minで吹き込んで炭酸マグネシウム粒子を合成した。入口圧力(上流圧、P1)と出口圧力(下流圧、P2)をそれぞれ7MPaと0.3MPaとして消石灰と炭酸ガスとを反応させる際にキャビテーション気泡を存在させたが、キャビテーション気泡の平均粒子径は約50μm、気泡の平均存在時間は約0.1秒であった。サンプル2−3では、生産量(1トン)当たりの電力量がサンプル2−1と比較して約14倍も大きくなった。
実験3:炭酸カルシウム/繊維複合体の合成
各懸濁液に1%の濃度でパルプスラリーを存在させた以外は、実験1と同様にして炭酸カルシウムの合成反応を行った。使用したパルプは、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP、カナダ標準フリーネス:500ml)である。
反応開始温度は約15℃、炭酸ガスの吹き込み量を3、12、40L/minとして反応を行い、反応液のpHが7〜8になった段階で反応を停止した。実験1と同様に、炭酸ガスをウルトラファインバブル発生装置(せん断式または旋回噴流式)に給気し、炭酸ガスを含む大量のウルトラファインバブル(平均粒子径:137nm、気泡の存在時間:60分間以上)を反応液中に発生させ、炭酸カルシウム粒子を炭酸ガス法によって合成した。サンプル3−1〜サンプル3−4(せん断式、エンバイロビジョン社YJ−9)では、ウルトラファインバブルの平均粒子径は約137nm(気泡の存在時間:60分間以上)であり、サンプル3−5〜サンプル3−7(旋回噴流式、YBM社FJP−6)では、ウルトラファインバブルの平均粒子径は約80nm(泡の存在時間:60分間以上)だった。
結果を下表に示すが、本発明にしたがって消石灰と炭酸ガスとを反応させる際に炭酸ガスを含むウルトラファインバブル(微細気泡)を存在させた場合、パルプ繊維表面に300nm以下の無機粒子が析出し、無機粒子/パルプ繊維の複合体を合成することができた(サンプル3−1、サンプル3−2)。また、炭酸ガスの吹き込み量の増加に伴い、繊維表面上の粒子径は500nm程度まで大きくある傾向があった(サンプル3−3)。さらに、出口圧力を増加させることによって粒径の小さい炭酸カルシウムをパルプ繊維と複合化する事ができた(サンプル3−4)。
一方、図6に示すようなキャビテーション装置(大型装置)を用いて、実験1のサンプル1−10と同様にして、各種懸濁液と炭酸ガスとを反応させる際にキャビテーション気泡を発生させた(キャビテーション気泡の平均粒子径:約50μm、気泡の平均存在時間:約0.1秒)。この場合(サンプル3−8)、平均粒子径が100nmの炭酸カルシウムを製造することができたものの、生産量(1トン)当たりの電力量がサンプル3−1と比較して10倍以上も大きかった。
このように、本発明によれば、単位時間当たりの電力量が少なく、極めて効率的に炭酸カルシウム/繊維複合体を製造することができる。
実験4:炭酸マグネシウム/繊維複合体の合成
各懸濁液に1%の濃度でパルプスラリーを存在させた以外は、実験2と同様にして炭酸マグネシウムの合成反応を行った。使用したパルプは、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP、カナダ標準フリーネス:500ml)である。
反応開始温度は約15℃、炭酸ガスの吹き込み量を20L/minとして反応を行い、反応液のpHが7〜8になった段階で反応を停止した。実験2と同様に、炭酸ガスをウルトラファインバブル発生装置(せん断式、エンバイロビジョン社YJ−9)に給気し、炭酸ガスを含む大量のウルトラファインバブル(平均粒子径:137nm、気泡の存在時間:60分間以上)を反応液中に発生させ、炭酸マグネシウム粒子を炭酸ガス法によって合成した。
結果を下表に示すが、本発明にしたがって消石灰と炭酸ガスとを反応させる際に炭酸ガスを含むウルトラファインバブル(微細気泡)を存在させた場合、パルプ繊維表面に60nm以下の無機粒子が析出し、無機粒子/パルプ繊維の複合体を合成することができた(サンプル4−1)。
一方、図6に示すようなキャビテーション装置(大型装置)を用いて、懸濁液と炭酸ガスとを反応させる際にキャビテーション気泡を発生させた(キャビテーション気泡の平均粒子径:約50μm、気泡の平均存在時間:約0.1秒)。この場合でも平均粒子径が130nmの炭酸マグネシウムがパルプ繊維上に析出したが(サンプル4−2)、生産量(1トン)当たりの電力量がサンプル4−1と比較して45倍以上も大きかった。
このように、本発明によれば、単位時間当たりの電力量が少なく、極めて効率的に炭酸マグネシウム/繊維複合体を製造することができる。

Claims (7)

  1. 炭酸ガスを含む気体と液体とをノズルから反応容器内に噴射することによって炭酸ガスを含むウルトラファインバブルを発生させ、このウルトラファインバブルの存在下で平均一次粒子径が300nm以下の炭酸カルシウムおよび/または炭酸マグネシウムを析出させることを含む、炭酸カルシウムおよび/または炭酸マグネシウムの製造方法であって、
    ウルトラファインバブルの平均粒子径が1〜300nmである、上記方法。
  2. 炭酸カルシウムおよび/または炭酸マグネシウムの平均一次粒子径が200nm以下である、請求項1に記載の方法。
  3. ウルトラファインバブルを発生させてからウルトラファインバブルが消失するまでの平均時間が10秒以上である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 気液混合せん断式のウルトラファインバブル装置によってウルトラファインバブルを発生させる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 反応容器内の30Lの反応液に対する炭酸ガスの吹き込み量が3〜40L/minである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 繊維の存在下で繊維上に炭酸カルシウムおよび/または炭酸マグネシウムを析出させることを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記繊維がセルロース繊維である、請求項に記載の方法。
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