JP6741337B2 - エネルギ吸収体 - Google Patents

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本発明は、自動車車体に搭載されて衝突エネルギを吸収するエネルギ吸収体に関する。
自動車車体には、衝突時における衝突エネルギを吸収するためのエネルギ吸収体が搭載される。この種のエネルギ吸収体は、閉断面中空体(換言すれば、中空筒状体)からなり、例えば、フロントバンパに配設される。そして、フロントバンパに衝突エネルギが加わったとき、圧縮力の作用を受けて逐次的に破壊されるに至る。この逐次的な破壊により、衝突エネルギが吸収される。
エネルギ吸収体が破壊し難いものであると、衝突エネルギが十分に吸収されなくなる。このような事態を回避するべく、多くのエネルギ吸収体には、衝突エネルギが加わる側の長手方向端部にトリガが設けられる。この場合、トリガが起点となって破壊が逐次的に進行する。要するに、エネルギ吸収体が容易に破壊されるので、衝突エネルギを吸収し易くなる。トリガは、例えば、特許文献1、2に記載されるように、長手方向一端部が先端に向かうにつれてテーパー状に縮径されたテーパー状縮径部として形成される。
エネルギ吸収体の中には、例えば、特許文献3、4に記載されるように、長手方向各端部にフランジ部がそれぞれ形成されたものがある。一方のフランジ部は、エネルギ吸収体をボディフレームに連結するためのものであり、他方のフランジ部は、バンパビームに連結するためのものである。すなわち、2個のフランジ部には挿通孔が貫通形成され、該挿通孔に通されたボルトがボディフレーム又はバンパビームに形成されたボルト孔にさらに通され、その後、ナットが螺合される。
特開2006−125531号公報(特に図1及び図2参照) 特開平8−177921号公報(特に図1参照) 特開平10−169683号公報(特に図1及び図2参照) 特開平11−351300号公報(特に図1及び図2参照)
特許文献3、4のそれぞれの図1及び図2から諒解されるように、フランジ部が形成されたエネルギ吸収体には、トリガを設けることができない。従って、この場合、トリガが設けられたエネルギ吸収体に比して衝突エネルギを吸収し難いものとなる懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、フランジ部が形成されているために自動車車体に搭載することが容易であるとともに、容易に逐次破壊を起こすエネルギ吸収体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、繊維強化樹脂からなり、閉断面中空体である本体部と、前記本体部の長手方向の各端部に一体的に形成された第1フランジ部、第2フランジ部とを備え、自動車車体に搭載されるエネルギ吸収体において、
前記第1フランジ部が、前記自動車車体の車幅方向に対して略平行に延在するように、前記自動車車体を構成する第1の部材に連結されて前記自動車車体の後方を臨み、
且つ前記第2フランジ部が、前記自動車車体の車幅方向に対して傾斜する方向に延在するように、前記自動車車体を構成する第2の部材に連結されて前記自動車車体の前方を臨むことを特徴とする。
すなわち、本発明に係るエネルギ吸収体は、第1フランジ部及び第2フランジ部を有する。このため、該エネルギ吸収体を所定の部材に対して連結することが容易である。
そして、このエネルギ吸収体は、車体前方に臨む第2フランジ部が車幅方向に対して傾斜するように取り付けられる。なお、このためには、第2フランジ部を、水平方向に対して傾斜するように本体部に設けるようにすればよい。また、第2フランジ部を、水平方向に平行となるように本体部に設けたときであっても、自動車車体への取り付け時に、第2フランジ部を車幅方向に対して傾斜させることが可能な構成であればよい。後者の場合、例えば、第1フランジ部を車幅方向に対して傾斜させればよい。
このように、第2フランジ部を車幅方向に対して傾斜させることにより、第2フランジ部の基端部がトリガとなって逐次破壊が容易に起こるようになる。その結果、吸収し得る衝突エネルギが大きくなる。
この構成において、自動車車体の車幅方向に対する第2フランジ部の傾斜角度は、3°〜30°の範囲内であることが好ましい。3°未満では、上記の効果が十分でなくなる。また、30°を超えると、第1の部材を大きく湾曲させる必要が生じるが、そのような過大な湾曲は容易ではない。
なお、本体部と第2フランジ部との間に、本体部から第2フランジ部に向かうに従って漸次的に拡開する形状の拡開部を設けることが好ましい。この場合、初期荷重を低減し得るとともに、吸収し得る衝突エネルギが一層大きくなる。
拡開部を設ける場合には、本体部と拡開部との交差角度を15°〜45°の範囲内とすることが好ましい。この範囲内では、初期荷重(最大荷重)と平均荷重との差が小さくなり、エネルギ吸収体として好適な特性を示す。
拡開部を設けた場合、第2フランジ部側の開口が、拡開部を設けない場合に比して幅広となる。従って、第2フランジ部にボルト孔等の貫通孔が形成されているときには、該貫通孔と開口との間の距離が小さくなる。このために第2フランジ部の強度低下が懸念されるようなときには、貫通孔の近傍に拡開部を設けないようにしてもよい。これにより貫通孔と開口との間に十分な距離が確保されるので、第2フランジ部の強度が低下することが回避される。
本体部は、典型的には、第1フランジ部(車体後方側)から第2フランジ部(車体前方側)に向かうにつれて漸次的に幅狭となる。換言すれば、集束した形状である。このような形状では、車体前方から加わった圧縮力が、車体後方に向かって伝達される際に拡散する。従って、車体後方側に圧縮力が到達することが困難となる。
本発明によれば、本体部の車体後方側端部(後端)に第1フランジ部を設けるとともに、車体前方側端部(前端)に第2フランジ部を設けるようにしてエネルギ吸収体を構成するようにしているので、該エネルギ吸収体を、自動車車体を構成する所定の部材に対して連結することが容易となる。
しかも、このエネルギ吸収体では、車体前方に臨む第2フランジ部が車幅方向に対して傾斜するように取り付けられる。この構造においては、第2フランジ部の基端部がトリガとなって逐次破壊が容易に起こるようになる。このため、衝突エネルギが十分に吸収される。
本発明の実施の形態に係るエネルギ吸収体が、第2の部材であるフロントバンパビームに組み付けられて構成された組立体の概略斜視図である。 本実施の形態に係るエネルギ吸収体の概略全体斜視図である。 本実施の形態に係るエネルギ吸収体の縦断面図である。 拡開部を設けていないエネルギ吸収体につき、第2フランジ部の前端を水平方向に平行としたときと、水平方向に対する第2フランジ部の前端の傾斜角度を3°としたときの荷重−変位曲線である。 拡開部及び第2フランジ部を設けたエネルギ吸収体につき、第2フランジ部の水平方向に対する傾斜角度を3°としたときの荷重−変位曲線である。 拡開部及び第2フランジ部を設けて構成したエネルギ吸収体につき、第2フランジ部を水平方向に対して1°、2°、3°又は4°傾斜させたときの荷重−変位曲線である。 拡開部及び第2フランジ部を設けて構成したエネルギ吸収体につき、拡開部の本体部に対する交差角度を10°、15°、45°、50°又は60°としたときの荷重−変位曲線である。 別の実施の形態に係るエネルギ吸収体の概略全体斜視図である。
以下、本発明に係るエネルギ吸収体につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以降の説明及び図面中の「前」は自動車車体の通常走行時の進行方向を表し、「後」はその反対方向を表す。また、「右」及び「左」は、それぞれ、運転席に着席した運転手の右手側、左手側を指す。さらに、自動車車体の長手方向は進行方向(前後方向)に一致し、車幅方向は長手方向に直交する方向である。
図1は、本実施の形態に係るエネルギ吸収体10がフロントバンパビーム12(第2の部材)に組み付けられて構成された組立体14の概略斜視図である。この組立体14は、例えば、図示しないサイドフレーム(第1の部材)に2個が連結され、自動車車体のフロントバンパを構成する。すなわち、エネルギ吸収体10、10の各々は、一端部がサイドフレームに連結される一方で他端部がフロントバンパビーム12に連結され、これにより、自動車車体の前方部に搭載されている。
図2及び図3は、それぞれ、本実施の形態に係るエネルギ吸収体10の概略全体斜視図、縦断面図である。このエネルギ吸収体10は、第1フランジ部20、本体部22、拡開部24及び第2フランジ部26を一体的に有する単一部材からなる。すなわち、第1フランジ部20、本体部22、拡開部24及び第2フランジ部26の各々は、エネルギ吸収体10の一部位である。また、エネルギ吸収体10は、第1フランジ部20から第2フランジ部26にわたる内孔27が貫通形成された中空体である。
第1フランジ部20及び第2フランジ部26は、本体部22の長手方向の各端部に形成される。第1フランジ部20は車体後方側のサイドフレームに臨み、第2フランジ部26は車体前方のフロントバンパビーム12に臨む。
図1及び図2に示すように、第1フランジ部20には、図示しないボルトを挿通するための複数個のボルト孔28が貫通形成される。ボルト孔28に通されたボルトが、サイドフレームに形成された別のボルト孔に通され、さらに、このボルト孔から露呈したネジ部に図示しないナットが螺合されることにより、エネルギ吸収体10がサイドフレームに連結される。
この場合、第1フランジ部20は、自動車車体の車幅方向に沿って延在するようにして、サイドフレームに連結される。すなわち、第1フランジ部20の延在方向(突出方向)は、自動車車体の車幅方向に略平行である。
自動車車体の長手方向に沿って延在する本体部22は、図3に示すように閉断面中空体である。本実施の形態では、本体部22は、八角錐の頂部を切断した截頭錐体に近似し得る形状をなす。従って、本体部22は、8個の平坦側壁30を有する。8個の平坦側壁30は、前方に向かうに従って幅狭となるとともに互いに接近しており、このため、本体部22は、後方に臨む第1フランジ部20から前方に臨む第2フランジ部26に向かうに従って漸次的に幅狭となる。換言すれば、本体部22は、前端に向かうにつれて集束した形状をなす。
本体部22には、拡開部24が連なる。この場合、拡開部24は、8個の平坦側壁30の各々に連なる8個の傾斜壁32からなる(図2参照)。各傾斜壁32は、本体部22に連なる下辺が短く、且つ第2フランジ部26に連なる上辺が長い台形形状をなす。このような形状の傾斜壁32が隣接し合うことにより、拡開部24が、本体部22から第2フランジ部26に向かうに従って漸次的に拡開するように形成される。
本体部22と拡開部24との交差角度、すなわち、1個の平坦側壁30と1個の傾斜壁32との交差角度θ1(図3参照)は、15°〜45°の範囲内であることが好ましい。この理由については後述する。
この拡開部24に対し、第2フランジ部26が連なる。第2フランジ部26には、第1フランジ部20と同様に複数個のボルト孔34(貫通孔)が貫通形成される。ボルト孔34に通された図示しないボルトは、フロントバンパビーム12(図1参照)に形成されたボルト孔36に通される。さらに、ボルト孔36から露呈したネジ部に図示しないナットが螺合されることにより、エネルギ吸収体10がフロントバンパビーム12に連結される。
フロントバンパビーム12に連結された第2フランジ部26は、図3から諒解されるように、自動車車体の車幅方向に対して傾斜する方向に延在する。このように、第2フランジ部26を車幅方向に対して傾斜させることにより、後述するように、該第2フランジ部26の基端部がトリガとして機能する。
なお、図3においては、エネルギ吸収体10を自動車車体の左側方に配設したときを示している。すなわち、第2フランジ部26は、車幅方向の内方から左側方に向かうに従って第2フランジ部26が後方側に向かうように傾斜している。これと同様に、右側方に配設されるエネルギ吸収体10における第2フランジ部26は、車幅方向の内方から右側方に向かうに従って第2フランジ部26が後方側に向かうように傾斜する。従って、フロントバンパビーム12は、車幅方向外方(左側方及び右側方)に比して車幅方向中腹部が前方に若干膨出するように湾曲する。すなわち、撓む。
車幅方向に対する第2フランジ部26の傾斜角度θ2(図3参照)の好適な範囲は、3°〜30°である。3°未満であると、トリガとして機能し易くなる。その一方で、30°を超えると、第2フランジ部26をフロントバンパビーム12に連結する際、フロントバンパビーム12を大きく撓ませる必要が生じるが、そのように大きく撓ませることは容易ではない。
以上のように構成されるエネルギ吸収体10は、マトリックス樹脂中に強化繊維を含む繊維強化樹脂からなる。前記マトリックス樹脂は、特に限定されるものではないが、その好適な具体例としては、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチロール樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アセタール樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
一方、強化繊維の好適な具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、セルロース繊維等の有機繊維等が挙げられる。強化繊維の長さは、例えば、10mm程度に設定される。すなわち、本実施の形態において、強化繊維は長強化繊維であり、マトリックス樹脂中に分散している。なお、長強化繊維に代替し、長さが1.0〜2.0mm程度の短強化繊維を分散させるようにしてもよい。
エネルギ吸収体10は、例えば、上記したような強化繊維を予め含有したマトリックス樹脂を用いて射出成形を行うことで作製することができる。この場合、金型を、エネルギ吸収体10の長手方向に対して直交する方向に移動させるようにして型開きを行うようにすればよい。
本実施の形態に係るエネルギ吸収体10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
エネルギ吸収体10は、上記したように第1フランジ部20がボルトを介してサイドフレームに連結されるとともに、第2フランジ部26がボルトを介してフロントバンパビーム12に連結されることで、自動車車体に搭載される。このように、エネルギ吸収体10に第1フランジ部20及び第2フランジ部26を設けたことにより、該エネルギ吸収体10を自動車車体に搭載することが容易となる。エネルギ吸収体10は、第1フランジ部20が車幅方向に対して略平行であり、且つ第2フランジ部26が車幅方向に対して傾斜しているので、エネルギ吸収体10がフロントバンパビーム12に取り付けられると、第2フランジ部26は、車幅方向に対して傾斜角度θ2で傾斜する。
例えば、ペンデュラム衝突試験を行うときには、打撃子が自動車車体の前方ないしは長手方向に対して30°傾斜した角度で衝突する。この際、フロントバンパに衝突エネルギが加わる。これに伴い、エネルギ吸収体10に対して圧縮力が作用する。
ここで、第2フランジ部26を設け且つ拡開部24を設けていないエネルギ吸収体につき、第2フランジ部26を水平方向に対して平行とした(車幅方向に対する傾斜角度θ2を0°とした)ときと、第2フランジ部26の水平方向(車幅方向)に対する傾斜角度θ2を3°としたときの荷重−変位曲線を図4に併せて示す。図4中の破線が傾斜角度θ2=0°であるときを表し、実線が傾斜角度θ2=3°であるときを表す。なお、荷重−変位曲線は、エネルギ吸収体単体に対して衝撃試験を行うことで求めたものであり、以降も同様である。
図4から、第2フランジ部26を水平方向(車幅方向)に対して傾斜させた場合、平行である場合に比して初期荷重が小さくなり、しかも、初期荷重の曲線内の面積として求められる初期吸収エネルギが略同等であることが分かる。このことは、自動車車体内に及ぶ圧縮力を低減しながら、初期吸収エネルギを維持し得ることを意味する。
なお、いずれの場合においても本体部22の前端に座屈が生じるのみで、破砕等の逐次的破壊は生じていなかった。
次に、拡開部24及び第2フランジ部26を設けたエネルギ吸収体10につき、第2フランジ部26の水平方向(車幅方向)に対する傾斜角度θ2を3°としたときの荷重−変位曲線を図5に示す。この場合、逐次破壊が起こることが認められるとともに、図5から、変位が比較的大きな値であるときの吸収エネルギが十分に大きいことが分かる。
さらに、拡開部24及び第2フランジ部26を設けて構成したエネルギ吸収体10につき、第2フランジ部26を水平方向(車幅方向)に対して1°、2°、3°又は4°傾斜させた(傾斜角度θ2を1°、2°、3°又は4°とした)ときの荷重−変位曲線を図6に併せて示す。なお、拡開部24の本体部22に対する交差角度θ1は45°である。
図4〜図6を併せて参照することにより、拡開部24及び第2フランジ部26を設けたエネルギ吸収体10を、第2フランジ部26を水平方向(車幅方向)に対して傾斜させることにより、初期荷重を小さくし得るとともに、変位が比較的大きな値であるときの吸収エネルギを十分に大きくし得ることが分かる。すなわち、この場合、第2フランジ部26の基端部を起点として逐次破壊が起こり易くなり、且つ衝突エネルギを十分に吸収することが可能なものとなる。
図6からは、傾斜角度θ2を3°以上としたときに、初期荷重(最大荷重)が平均荷重に近い値となることも分かる。一般的には、最大荷重と平均荷重の差が小さいものがエネルギ吸収体10として好適であると認識されており、このことから、傾斜角度θ2を3°以上とすることが一層好ましいと判断される。
ただし、傾斜角度θ2が過度に大きくなると、上記したようにフロントバンパビーム12を大きく撓ませる必要が生じる。これを回避するべく、傾斜角度θ2を30°以下とすることが好ましい。
さらに、図7に、拡開部24及び第2フランジ部26を設けて構成したエネルギ吸収体10につき、拡開部24の本体部22に対する交差角度θ1を10°、15°、45°、50°又は60°としたときの荷重−変位曲線を図7に併せて示す。なお、第2フランジ部26の水平方向に対する傾斜角度θ2は45°である。
図7から、交差角度θ1が15°又は45°であるときには、初期荷重(最大荷重)と平均荷重が略同等となる。すなわち、最大荷重と平均荷重の差が小さくなる。このことから、交差角度θ1を15°〜45°の範囲内とすることが一層好ましいと判断される。
以上から、本体部22の前端に第2フランジ部26を設けるとともに、該第2フランジ部26を車幅方向に対して傾斜させ、さらに、本体部22と第2フランジ部26の間に拡開部24を介在することにより、逐次破壊が起こり易く、このために初期荷重を低減し得るとともに、衝突エネルギを十分に吸収することが可能なエネルギ吸収体10が得られることが明らかである。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本体部22は、八角錐以外の多角錐や、円錐の頂部を切断した截頭錐体に近似し得る形状であってもよい。
また、拡開部24は、本体部22と第2フランジ部26の間の全域にわたって介在する必要は特にない。例えば、図8に示すように、第2フランジ部26のボルト孔34(貫通孔)の近傍には拡開部24を設けないようにしてエネルギ吸収体40を構成してもよい。この場合、内孔27の開口とボルト孔34との間の距離が大きくなるので、第2フランジ部26の強度を確保することができるという利点がある。
さらに、第1フランジ部20を本体部22の長手方向に対して直交する方向(幅方向)に傾斜するように設け、且つ第2フランジ部26を本体部22の幅方向に対して略平行に設けるとともに、第1フランジ部20が車幅方向に対して略平行となるようにサイドフレームに連結するようにしてもよい。この場合においても、第2フランジ部26が車幅方向に対して傾斜する。
10、40…エネルギ吸収体 12…フロントバンパビーム
14…組立体 20…第1フランジ部
22…本体部 24…拡開部
26…第2フランジ部 27…内孔
30…平坦側壁 32…傾斜壁

Claims (4)

  1. 繊維強化樹脂からなり、閉断面中空体である本体部と、前記本体部の長手方向の各端部に一体的に形成された第1フランジ部、第2フランジ部とを備え、自動車車体に搭載されるエネルギ吸収体において、
    前記第1フランジ部が、前記自動車車体の車幅方向に対して略平行に延在するように、前記自動車車体を構成する第1の部材に連結されて前記自動車車体の後方を臨み、
    且つ前記第2フランジ部が、前記自動車車体の車幅方向に対して傾斜する方向に延在するように、前記自動車車体を構成する第2の部材に連結されて前記自動車車体の前方を臨み、
    前記本体部と前記第2フランジ部との間に、前記本体部から前記第2フランジ部に向かうに従って漸次的に拡開する形状の拡開部が介在し、
    前記第2フランジ部に貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔の近傍に前記拡開部が設けられていないことを特徴とするエネルギ吸収体。
  2. 請求項1記載のエネルギ吸収体において、前記自動車車体の車幅方向に対する前記第2フランジ部の傾斜角度が3°〜30°の範囲内であることを特徴とするエネルギ吸収体。
  3. 請求項1又は2記載のエネルギ吸収体において、前記本体部と前記拡開部との交差角度が15°〜45°の範囲内であることを特徴とするエネルギ吸収体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエネルギ吸収体において、前記本体部は、前記第1フランジ部から前記第2フランジ部に向かうにつれて漸次的に幅狭となることを特徴とするエネルギ吸収体。
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