JP6740025B2 - ショベル - Google Patents

ショベル Download PDF

Info

Publication number
JP6740025B2
JP6740025B2 JP2016121176A JP2016121176A JP6740025B2 JP 6740025 B2 JP6740025 B2 JP 6740025B2 JP 2016121176 A JP2016121176 A JP 2016121176A JP 2016121176 A JP2016121176 A JP 2016121176A JP 6740025 B2 JP6740025 B2 JP 6740025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
excavation
boom
load
cylinder
bucket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016121176A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017223096A (ja
Inventor
春男 呉
春男 呉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2016121176A priority Critical patent/JP6740025B2/ja
Publication of JP2017223096A publication Critical patent/JP2017223096A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6740025B2 publication Critical patent/JP6740025B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Component Parts Of Construction Machinery (AREA)

Description

本発明は、掘削アタッチメントの姿勢を検出可能なショベルに関する。
ブーム、アーム、及びバケット等の作業要素に荷重検出器を取り付けることなく作業要素の位置及び姿勢から掘削反力を求めることで掘削動作における過負荷の発生の有無を判定し、作業要素の動作を制御できるショベルが知られている(特許文献1参照。)。
このショベルは、算出した掘削反力が予め設定した上限値より大きい場合、掘削動作の途中でブームを自動的に上昇させて掘削深さを浅くして掘削反力を低減させることで掘削動作が途中で停止してしまうのを防止している。
特開2011−252338号公報
しかしながら、深掘掘削を行っている場合にブームを上昇させて掘削深さを浅くすると却って掘削反力を増大させてしまうおそれがある。この点に関し、特許文献1のショベルは、算出した掘削反力が予め設定した上限値より大きければ、深掘掘削を行っているか通常掘削を行っているかにかかわらずブームを上昇させてしまう。そのため、深掘掘削の際に掘削反力を低減させようとして却って掘削反力を増大させてしまい、深掘掘削を継続できないようにして作業効率を低下させてしまうおそれがある。
上述に鑑み、深掘掘削の際に掘削アタッチメントをより適切に制御できるショベルを提供することが望まれる。
本発明の実施例に係るショベルは、下部走行体と、前記下部走行体に搭載される上部旋回体と、前記上部旋回体に取り付けられる掘削アタッチメントと、前記掘削アタッチメントの姿勢を検出する姿勢検出装置と、掘削負荷に関する情報を検出する掘削負荷情報検出装置と、前記掘削アタッチメントの姿勢を修正する制御装置と、を有するショベルであって、前記制御装置は、前記姿勢検出装置及び前記掘削負荷情報検出装置の出力に基づいて深掘掘削中の掘削負荷が所定値より大きいと判定した場合に、前記掘削アタッチメントを構成するアーム又はバケットを開くように構成されるとともに前記制御装置は、少なくとも前記掘削アタッチメントを構成するブームの姿勢に基づいて深掘掘削中であるか否かを判定する
上述の手段により、深掘掘削の際に掘削アタッチメントをより適切に制御できるショベルが提供される。
本発明の実施例に係るショベルの側面図である。 図1のショベルの掘削アタッチメントに関連する各種物理量を示すショベルの側面図である。 図1のショベルに搭載される基本システムの構成例を示す図である。 図1のショベルに搭載される掘削制御システムの構成例を示す図である。 掘削アタッチメントの姿勢の推移を示すショベルの側面図である。 姿勢修正要否判定処理のフローチャートである。 正味掘削負荷算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。 正味掘削負荷算出処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。 アーム閉じ操作及びブーム上げ操作の複合操作が行われているときのバケット角度及び掘削反力の時間的推移を示す図である。
最初に、図1を参照し、本発明の実施例に係る建設機械としてのショベル(掘削機)について説明する。図1は、本発明の実施例に係るショベルの側面図である。図1に示すショベルの下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載される。上部旋回体3にはブーム4が取り付けられる。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはバケット6が取り付けられる。作業要素としてのブーム4、アーム5、及びバケット6はアタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成する。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。上部旋回体3にはキャビン10が設けられ、エンジン11等の動力源が搭載される。
掘削アタッチメントには姿勢検出装置M1が取り付けられる。姿勢検出装置M1は掘削アタッチメントの姿勢を検出する装置である。本実施例では、姿勢検出装置M1は、ブーム角度センサM1a、アーム角度センサM1b、及びバケット角度センサM1cを含む。
ブーム角度センサM1aは、ブーム角度を取得するセンサであり、例えば、ブームフートピンの回転角度を検出する回転角度センサ、ブームシリンダ7のストローク量を検出するストロークセンサ、ブーム4の傾斜角度を検出する傾斜(加速度)センサ等を含む。アーム角度センサM1b及びバケット角度センサM1cについても同様である。
図2は、掘削アタッチメントに関連する各種物理量を示すショベルの側面図である。ブーム角度センサM1aは、例えば、ブーム角度(θ1)を取得する。ブーム角度(θ1)は、XZ平面において、ブームフートピン位置P1とアーム連結ピン位置P2とを結ぶ線分P1−P2の水平線に対する角度である。アーム角度センサM1bは、例えば、アーム角度(θ2)を取得する。アーム角度(θ2)は、XZ平面において、アーム連結ピン位置P2とバケット連結ピン位置P3とを結ぶ線分P2−P3の水平線に対する角度である。バケット角度センサM1cは、例えば、バケット角度(θ3)を取得する。バケット角度(θ3)は、XZ平面において、バケット連結ピン位置P3とバケット爪先位置P4とを結ぶ線分P3−P4の水平線に対する角度である。
次に、図3を参照してショベルの基本システムについて説明する。ショベルの基本システムは、主に、エンジン11、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブ17、操作装置26、コントローラ30、エンジン制御装置74等を含む。
エンジン11はショベルの駆動源であり、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸はメインポンプ14及びパイロットポンプ15の入力軸に接続される。
メインポンプ14は、高圧油圧ライン16を介して作動油をコントロールバルブ17に供給する油圧ポンプであり、例えば、斜板式可変容量型油圧ポンプである。斜板式可変容量型油圧ポンプは、斜板傾転角の変化に応じて押し退け容積を定めるピストンのストローク長が変化して1回転当たりの吐出流量が変化する。斜板傾転角はレギュレータ14aにより制御される。レギュレータ14aはコントローラ30からの制御電流の変化に応じて斜板傾転角を変化させる。例えば、レギュレータ14aは制御電流の増加に応じて斜板傾転角を大きくしてメインポンプ14の吐出流量を増大させる。或いは、レギュレータ14aは制御電流の減少に応じて斜板傾転角を小さくしてメインポンプ14の吐出流量を低減させる。吐出圧力センサ14bはメインポンプ14の吐出圧力を検出する。油温センサ14cはメインポンプ14が吸入する作動油の温度を検出する。
パイロットポンプ15は、パイロットライン25を介して操作装置26等の各種油圧制御機器に作動油を供給するための油圧ポンプであり、例えば、固定容量型油圧ポンプである。
コントロールバルブ17は油圧アクチュエータに関する作動油の流れを制御する流量制御弁のセットである。コントロールバルブ17は、操作装置26の操作方向及び操作量に対応する圧力の変化に応じ、メインポンプ14から高圧油圧ライン16を通じて受け入れた作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給する。油圧アクチュエータは、例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左走行用油圧モータ1A、右走行用油圧モータ1B、旋回用油圧モータ2A等を含む。
操作装置26は、操作者が油圧アクチュエータの操作のために用いる装置であり、レバー26A、レバー26B、ペダル26C等を含む。操作装置26はパイロットライン25を介してパイロットポンプ15から作動油の供給を受けてパイロット圧を生成する。そして、パイロットライン25aを通じ、対応する流量制御弁のパイロットポートにそのパイロット圧を作用させる。パイロット圧は操作装置26の操作方向及び操作量に応じて変化する。操作装置26は遠隔操作されてもよい。この場合、操作装置26は、無線通信を介して受信した操作方向及び操作量に関する情報に応じてパイロット圧を生成する。
コントローラ30は、ショベルを制御するための制御装置である。本実施例では、コントローラ30はCPU、RAM、ROM等を備えたコンピュータで構成される。コントローラ30のCPUは、各種機能に対応するプログラムをROMから読み出してRAMにロードして実行することで、それらプログラムのそれぞれに対応する機能を実現させる。
例えば、コントローラ30はメインポンプ14の吐出流量を制御する機能を実現させる。具体的には、コントローラ30はネガコン弁のネガコン圧に応じてレギュレータ14aに対する制御電流を変化させ、レギュレータ14aを介してメインポンプ14の吐出流量を制御する。
エンジン制御装置74はエンジン11を制御する装置である。エンジン制御装置74は、例えば、入力装置を介して設定されたエンジン回転数が実現されるように燃料噴射量等を制御する。
動作モード切替ダイヤル75は、ショベルの動作モードを切り替えるためのダイヤルであり、キャビン10内に設けられる。本実施例では、操作者はM(手動)モードとSA(半自動)モードとを切り換えることができる。コントローラ30は、例えば、動作モード切替ダイヤル75の出力に応じてショベルの動作モードを切り替える。図3は、動作モード切替ダイヤル75でSAモードが選択された状態を示す。
Mモードは、操作者による操作装置26に対する操作入力の内容に応じてショベルを動作させるモードである。例えば、操作者による操作装置26に対する操作入力の内容に応じてブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9を動作させるモードである。SAモードは、所定の条件が満たされた場合に、操作装置26に対する操作入力の内容にかかわらず、ショベルを自動的に動作させるモードである。例えば、所定の条件が満たされた場合に、操作装置26に対する操作入力の内容にかかわらず、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9を自動的に動作させるモードである。動作モード切替ダイヤル75は3つ以上の動作モードを切り替えできるように構成されてもよい。
表示装置40は、各種情報を表示する装置であり、キャビン10内の運転席の近傍に配置されている。本実施例では、表示装置40は画像表示部41及び入力部42を有する。操作者は入力部42を利用して情報や指令をコントローラ30に入力できる。また、画像表示部41を見てショベルの運転状況や制御情報を把握できる。表示装置40は、CAN等の通信ネットワークを介してコントローラ30に接続される。但し、表示装置40は専用線を介してコントローラ30に接続されてもよい。
表示装置40は蓄電池70から電力の供給を受けて動作する。蓄電池70はオルタネータ11aで発電した電力で充電される。蓄電池70の電力は、ショベルの電装品72等、コントローラ30及び表示装置40以外にも供給される。エンジン11のスタータ11bは蓄電池70からの電力で駆動されてエンジン11を始動させる。
エンジン11はエンジン制御装置74により制御される。エンジン制御装置74は、エンジン11の状態を示す各種データ(例えば、水温センサ11cで検出される冷却水温(物理量)を示すデータ)をコントローラ30に送信する。コントローラ30は一時記憶部(メモリ)30aにそれらデータを蓄積しておき、必要に応じて表示装置40に送信できる。レギュレータ14aが出力する斜板傾転角を示すデータ、吐出圧力センサ14bが出力するメインポンプ14の吐出圧力を示すデータ、油温センサ14cが出力する作動油温度を示すデータ、パイロット圧センサ15a、15bが出力するパイロット圧を示すデータ等についても同様である。
シリンダ圧センサS1は、掘削負荷に関する情報を検出する掘削負荷情報検出装置の一例であり、油圧シリンダのシリンダ圧を検出し、検出データをコントローラ30に対して出力する。本実施例では、シリンダ圧センサS1は、シリンダ圧センサS11〜S16を含む。具体的には、シリンダ圧センサS11は、ブームシリンダ7のボトム側油室における作動油の圧力であるブームボトム圧を検出する。また、シリンダ圧センサS12は、ブームシリンダ7のロッド側油室における作動油の圧力であるブームロッド圧を検出する。同様に、シリンダ圧センサS13はアームボトム圧を検出し、シリンダ圧センサS14はアームロッド圧を検出し、シリンダ圧センサS15はバケットボトム圧を検出し、シリンダ圧センサS16はバケットロッド圧を検出する。
制御弁E1は、コントローラ30からの指令に応じて動作する弁である。本実施例では、制御弁E1は、操作装置26に対する操作入力の内容にかかわらず、所定の油圧シリンダに関する流量制御弁を強制的に動作させるために用いられる。
図4は、図1のショベルに搭載される掘削制御システムの構成例を示す図である。掘削制御システムは、主に、姿勢検出装置M1、シリンダ圧センサS1、コントローラ30、及び制御弁E1で構成される。コントローラ30は姿勢修正要否判定部31を含む。
姿勢修正要否判定部31は、掘削中の掘削アタッチメントの姿勢を修正すべきか否かを判定する機能要素である。例えば、姿勢修正要否判定部31は、掘削負荷が過度に大きくなるおそれがあると判定した場合に、掘削中の掘削アタッチメントの姿勢を修正すべきと判定する。
本実施例では、姿勢修正要否判定部31はシリンダ圧センサS1の出力に基づいて掘削負荷を導き出し、記録する。また、姿勢検出装置M1が検出した掘削アタッチメントの姿勢に対応する空掘削負荷を導き出す。そして、姿勢修正要否判定部31は、掘削負荷から空掘削負荷を差し引いて正味掘削負荷を算出し、正味掘削負荷に基づいて掘削アタッチメントの姿勢を修正すべきか否かを判定する。姿勢修正要否判定部31は、空掘削負荷を導き出すときに、車体傾斜センサが検出した上部旋回体3の傾斜を考慮してもよい。車体傾斜センサは、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ等で構成される。
「掘削」は掘削アタッチメントを土砂等の掘削対象に接触させながら掘削アタッチメントを動かすことを意味し、「空掘削」は掘削アタッチメントを何れの地物にも接触させることなく掘削アタッチメントを動かすことを意味する。
「掘削負荷」は掘削対象に接触させながら掘削アタッチメントを動かす際の負荷を意味し、「空掘削負荷」は何れの地物にも接触させずに掘削アタッチメントを動かす際の負荷を意味する。「掘削負荷」は「掘削抵抗」とも称される。
「掘削負荷」、「空掘削負荷」、及び「正味掘削負荷」はそれぞれ、シリンダ圧、シリンダ推力、掘削トルク(掘削力のモーメント)、掘削反力等の任意の物理量で表される。例えば、正味掘削負荷としての正味シリンダ圧は、掘削負荷としてのシリンダ圧から、空掘削負荷としての空掘削シリンダ圧を差し引いた値として表される。シリンダ推力、掘削トルク(掘削力のモーメント)、掘削反力等を利用する場合についても同様である。
シリンダ圧としては、例えば、シリンダ圧センサS1の検出値が利用される。シリンダ圧センサS1の検出値は、例えば、シリンダ圧センサS11〜S16が検出するブームボトム圧(P11)、ブームロッド圧(P12)、アームボトム圧(P13)、アームロッド圧(P14)、バケットボトム圧(P15)、バケットロッド圧(P16)である。
シリンダ推力は、例えば、シリンダ圧とシリンダ内を摺動するピストンの受圧面積とに基づいて算出される。例えば、図2に示すように、ブームシリンダ推力(f1)は、ブームボトム圧(P11)とブームボトム側油室におけるピストンの受圧面積(A11)との積(P11×A11)であるシリンダ伸張力と、ブームロッド圧(P12)とブームロッド側油室におけるピストンの受圧面積(A12)との積(P12×A12)であるシリンダ収縮力との差(P11×A11−P12×A12)で表される。アームシリンダ推力(f2)、及び、バケットシリンダ推力(f3)についても同様である。
掘削トルクは、例えば、掘削アタッチメントの姿勢とシリンダ推力とに基づいて算出される。例えば、図2に示すように、バケット掘削トルク(τ3)の大きさは、バケットシリンダ推力(f3)の大きさに、そのバケットシリンダ推力(f3)の作用線とバケット連結ピン位置P3との距離G3を乗じた値で表される。距離G3は、バケット角度(θ3)の関数であり、リンクゲインの一例とされる。ブーム掘削トルク(τ1)及びアーム掘削トルク(τ2)についても同様である。
掘削反力は、例えば、掘削アタッチメントの姿勢と掘削負荷とに基づいて算出される。例えば、掘削反力Fは、掘削アタッチメントの姿勢を表す物理量を引数とする関数(機構関数)と、掘削負荷を表す物理量を引数とする関数とに基づいて算出される。具体的には、掘削反力Fは、図2に示すようにブーム角度(θ1)、アーム角度(θ2)、及びバケット角度(θ3)を引数とする機構関数と、ブーム掘削トルク(τ1)、アーム掘削トルク(τ2)、及びバケット掘削トルク(τ3)を引数とする関数との積として算出される。ブーム掘削トルク(τ1)、アーム掘削トルク(τ2)、及びバケット掘削トルク(τ3)を引数とする関数は、ブームシリンダ推力(f1)、アームシリンダ推力(f2)、及びバケットシリンダ推力(f3)を引数とする関数であってもよい。
ブーム角度(θ1)、アーム角度(θ2)、及びバケット角度(θ3)を引数とする関数は、力のつり合い式に基づくものであってもよく、ヤコビアンに基づくものであってもよく、仮想仕事の原理に基づくものであってもよい。
このように、掘削負荷は各種センサの現時点における検出値に基づいて導き出される。例えば、シリンダ圧センサS1の検出値がそのまま掘削負荷として利用されてもよい。或いは、シリンダ圧センサS1の検出値に基づいて算出されるシリンダ推力が掘削負荷として利用されてもよい。或いは、シリンダ圧センサS1の検出値に基づいて算出されるシリンダ推力と、姿勢検出装置M1の検出値に基づいて導き出される掘削アタッチメントの姿勢とから算出される掘削トルクが掘削負荷として利用されてもよい。掘削反力についても同様である。
一方、空掘削負荷は、掘削アタッチメントの姿勢に対応付けて予め記憶されていてもよい。例えば、ブーム角度(θ1)、アーム角度(θ2)、及びバケット角度(θ3)の組み合わせに対応付けて空掘削負荷としての空掘削シリンダ圧を参照可能に記憶する空掘削シリンダ圧テーブルが利用されてもよい。或いは、ブーム角度(θ1)、アーム角度(θ2)、及びバケット角度(θ3)の組み合わせに対応付けて空掘削負荷としての空掘削シリンダ推力を参照可能に記憶する空掘削シリンダ推力テーブルが利用されてもよい。空掘削トルクテーブル、空掘削反力テーブルについても同様である。空掘削シリンダ圧テーブル、空掘削シリンダ推力テーブル、空掘削トルクテーブル、空掘削反力テーブルは、例えば、実際のショベルで空掘削を行ったときに取得されたデータに基づいて生成され、コントローラ30のROM等に予め記憶されていてもよい。或いは、ショベルシミュレータ等のシミュレータ装置が導出したシミュレーション結果に基づいて生成されてもよい。また、参照テーブルの代わりに重回帰分析に基づく重回帰式等の計算式が用いられてもよい。重回帰式を用いる場合、空掘削負荷は、例えば、現時点におけるブーム角度(θ1)、アーム角度(θ2)、及びバケット角度(θ3)の組み合わせに基づいてリアルタイムに算出される。
また、空掘削シリンダ圧テーブル、空掘削シリンダ推力テーブル、空掘削トルクテーブル、及び空掘削反力テーブルは、高速、中速、低速といった掘削アタッチメントの動作速度毎に用意されてもよい。また、アーム閉じ時、アーム開き時、ブーム上げ時、ブーム下げ時といった掘削アタッチメントの動作内容毎に用意されてもよい。
現時点における正味掘削負荷が所定値以上となった場合、姿勢修正要否判定部31は、掘削負荷が過大になるおそれがあると判定する。例えば、姿勢修正要否判定部31は、正味掘削負荷としての正味シリンダ圧が所定のシリンダ圧以上となった場合に、掘削負荷としてのシリンダ圧が過大になるおそれがあると判定する。所定のシリンダ圧は、掘削アタッチメントの姿勢の変化に応じて変化する変動値であってもよく、掘削アタッチメントの姿勢の変化に応じて変化しない固定値であってもよい。
そして、動作モードがSA(半自動)モードのときに掘削負荷が過大になるおそれがあると判定した場合、姿勢修正要否判定部31は、掘削中の掘削アタッチメントの姿勢を修正すべきと判定し、制御弁E1に対して指令を出力する。
姿勢修正要否判定部31からの指令を受けた制御弁E1は、操作装置26に対する操作入力の内容にかかわらず、所定の油圧シリンダに関する流量制御弁を強制的に動作させて所定の油圧シリンダを強制的に伸縮させる。本実施例では、制御弁E1は、例えば、ブーム操作レバーが操作されていない場合であっても、ブームシリンダ7に関する流量制御弁を強制的に動かすことでブームシリンダ7を強制的に伸張させる。その結果、ブーム4を強制的に上昇させることで掘削深さを浅くすることができる。或いは、制御弁E1は、バケット操作レバーが操作されていない場合であっても、バケットシリンダ9に関する流量制御弁を強制的に動かすことでバケットシリンダ9を強制的に伸張させてもよい。この場合、バケット6を強制的に閉じることでバケット爪先角度を調整して掘削深さを浅くすることができる。バケット爪先角度は、例えば、水平面に対するバケット6の爪先の角度である。このように、制御弁E1はブームシリンダ7及びバケットシリンダ9のうちの少なくとも1つを強制的に伸縮させることで掘削深さを浅くすることができる。
しかしながら、深掘掘削を行っている場合に強制的にブーム4を上昇させ或いはバケット6を閉じて掘削深さを浅くすると却って掘削反力を増大させてしまうおそれがある。そこで、姿勢修正要否判定部31は、深掘掘削が行われている場合における掘削アタッチメントの姿勢の修正内容を、通常掘削が行われている場合における上述のような修正内容と異ならせる。
例えば、姿勢修正要否判定部31は、掘削アタッチメントの姿勢に基づいて深掘掘削中であるか通常掘削中であるかを判定する。姿勢修正要否判定部31は、ブーム4の姿勢に基づいて、或いは、ブーム4の姿勢とアーム5の姿勢とに基づいて深掘掘削中であるか通常掘削中であるかを判定してもよい。
ここで図5を参照し、通常掘削と深掘掘削の違いについて説明する。図5は掘削アタッチメントの姿勢の推移を示すショベルの側面図である。図5(A1)〜図5(A3)は通常掘削が行われたときの掘削アタッチメントの姿勢の推移を示し、図5(B1)〜図5(B3)は深掘掘削が行われたときの掘削アタッチメントの姿勢の推移を示す。
「通常掘削」は、ショベルを前転させようとする掘削反力のモーメントがショベルを前転させないようにするショベルの自重のモーメントを上回るおそれがない場合の掘削を意味する。典型的には図5(A1)〜図5(A3)に示すように、掘削深さD1が所定深さ(例えば2メートル)未満の掘削である。掘削深さは、例えば、下部走行体1の接地面を含む水平面に対する掘削反力の作用点の深さを意味する。なお、掘削反力の作用点が水平面より高い場合、掘削深さは負値となり、掘削高さを意味する。
「深掘掘削」は、ショベルを前転させようとする掘削反力のモーメントがショベルを前転させないようにするショベルの自重のモーメントを上回るおそれがある場合の掘削を意味する。典型的には図5(B1)〜図5(B3)に示すように、掘削深さD2が所定深さ(例えば2メートル)以上の掘削である。
姿勢修正要否判定部31は、例えば、パイロット圧センサ15a、15b、シリンダ圧センサS11〜S16等の出力に基づいてバケット6が地面に接触しているか否かを判定する。掘削中であるか否かを判定するためである。
そして、姿勢修正要否判定部31は、姿勢検出装置M1の検出値に基づいてバケット爪先位置P4を導き出し、バケット爪先位置P4のZ座標の値が負値の場合、その絶対値を掘削深さとする。そして、その掘削深さが所定深さ以上であれば深堀掘削であると判定し、所定深さ未満であれば通常掘削であると判定する。
その後、姿勢修正要否判定部31は、掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かを判定する。そして、通常掘削中に掘削負荷が過大になるおそれがあると判定した場合、姿勢修正要否判定部31は、上述のようにブームシリンダ7を強制的に伸張させてブーム4を強制的に上昇させる。
一方、深堀掘削中に掘削負荷が過大になるおそれがあると判定した場合、姿勢修正要否判定部31は、ブーム4を強制的に上昇させる代わりに、アームシリンダ8を強制的に収縮させてアーム5を強制的に開く。或いは、バケットシリンダ9を強制的に収縮させてバケット6を強制的に開く。アーム5とバケット6を同時に開いてもよい。掘削反力を低減させるためであり、深掘掘削を行っている場合に強制的にブーム4を上昇させて掘削深さを浅くすると却って掘削反力を増大させてしまうおそれがあるためである。
なお、姿勢修正要否判定部31は、上部旋回体3の後端に取り付けられた車体傾斜センサの出力に基づいて深堀掘削中に掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かを判定してもよい。姿勢修正要否判定部31は、上部旋回体3の傾斜に基づき、ショベルを前転させようとする掘削反力のモーメントがショベルを前転させないようにするショベルの自重のモーメントを上回るおそれがあるか否かを判定できるためである。
また、姿勢修正要否判定部31は、掘削負荷が過大になるおそれがあると判定した後で、通常掘削であるか深堀掘削であるかの判定を行うようにしてもよい。また、掘削中であるか否かの判定は省略されてもよい。或いは、掘削中であるか否かの判定、通常掘削であるか深堀掘削であるかの判定、及び、掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かの判定は同時に行われてもよい。
次に図6を参照し、アーム閉じ動作による掘削中に掘削アタッチメントの姿勢を修正する必要があるか否かをコントローラ30が判定する処理(以下、「姿勢修正要否判定処理」とする。)の流れについて説明する。図6は姿勢修正要否判定処理のフローチャートである。コントローラ30は、動作モードがSA(半自動)モードに設定されている場合にこの姿勢修正要否判定処理を所定の制御周期で繰り返し実行する。
最初に、コントローラ30の姿勢修正要否判定部31は、掘削アタッチメントに関するデータを取得する(ステップST1)。姿勢修正要否判定部31は、例えば、ブーム角度(θ1)、アーム角度(θ2)、バケット角度(θ3)、シリンダ圧(P11〜P16)等を取得する。
その後、姿勢修正要否判定部31は、正味掘削負荷算出処理を実行して正味掘削負荷を算出する(ステップST2)。正味掘削負荷算出処理の詳細については後述する。
その後、姿勢修正要否判定部31は、バケット6が地面に接触しているか否かを判定する(ステップST3)。掘削状態であるか否かを判定するためである。姿勢修正要否判定部31は、例えば、パイロット圧センサ15a、15b、シリンダ圧センサS11〜S16等の出力に基づいてバケット6が地面に接触しているか否かを判定する。例えば、アーム閉じ操作中の伸張側油室における作動油の圧力であるアームボトム圧(P13)が所定値以上となっている場合にバケット6が地面に接触していると判定する。アーム閉じ操作が行われているか否かはパイロット圧センサ15a、15bの出力に基づいて判定される。
バケット6が地面に接触していると判定した場合(ステップST3のYES)、姿勢修正要否判定部31は、掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かを判定する(ステップST4)。姿勢修正要否判定部31は、例えば、正味掘削負荷算出処理で算出した正味掘削負荷が所定値以上の場合に掘削負荷が過大になるおそれがあると判定する。
掘削負荷が過大になるおそれがあると判定した場合(ステップST4のYES)、姿勢修正要否判定部31は、通常掘削であるか深堀掘削であるかを判定する(ステップST5)。姿勢修正要否判定部31は、例えば、姿勢検出装置M1が検出した掘削アタッチメントの姿勢に基づいて通常掘削であるか深堀掘削であるかを判定する。具体的には、姿勢修正要否判定部31は、例えば、掘削深さが所定深さ以上の場合に深堀掘削であると判定し、所定深さ未満の場合に通常掘削であると判定する。
通常掘削であると判定した場合(ステップST5の通常掘削)、姿勢修正要否判定部31は、通常掘削中に掘削アタッチメントの姿勢を修正する必要があるとして通常掘削時の調整処理を実行する(ステップST6)。姿勢修正要否判定部31は、例えば、制御弁E1に対して指令を出力し、ブームシリンダ7に関する流量制御弁を強制的に動かすことでブームシリンダ7を強制的に伸張させる。その結果、ブーム操作レバーに対する操作入力の有無にかかわらず、ブーム4を強制的に上昇させることで掘削深さを浅くすることができる。或いは、姿勢修正要否判定部31は、バケットシリンダ9に関する流量制御弁を強制的に動かすことでバケットシリンダ9を強制的に伸張させてもよい。その結果、バケット操作レバーに対する操作入力の有無にかかわらず、バケット6を強制的に閉じることで掘削深さを浅くすることができる。
深堀掘削であると判定した場合(ステップST5の深堀掘削)、姿勢修正要否判定部31は、深掘掘削中に掘削アタッチメントの姿勢を修正する必要があるとして深掘掘削時の調整処理を実行する(ステップST7)。姿勢修正要否判定部31は、例えば、制御弁E1に対して指令を出力し、アームシリンダ8に関する流量制御弁を強制的に動かすことでアームシリンダ8を強制的に収縮させる。その結果、アーム操作レバーに対する操作入力の有無にかかわらず、アーム5を強制的に開くことで掘削負荷を低減させることができる。或いは、姿勢修正要否判定部31は、バケットシリンダ9に関する流量制御弁を強制的に動かすことでバケットシリンダ9を強制的に収縮させてもよい。その結果、バケット操作レバーに対する操作入力の有無にかかわらず、バケット6を強制的に開くことで掘削負荷を低減させることができる。
バケット6が地面に接触していないと判定した場合(ステップST3のNO)、或いは、掘削負荷が過大になるおそれがないと判定した場合(ステップST4のNO)、姿勢修正要否判定部31は、調整処理を実行することなく今回の姿勢修正要否判定処理を終了させる。
図6の例では、姿勢修正要否判定部31は、バケット6が地面に接触したと判定した後で掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かを判定し、更に、掘削負荷が過大になるおそれがあると判定した後で通常掘削か深堀掘削かを判定している。しかしながら、姿勢修正要否判定部31は、通常掘削か深堀掘削かを判定した後で掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かを判定してもよい。また、バケット6が地面に接触したか否かの判定を省略してもよい。
また、姿勢修正要否判定部31は、掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かを判定したが、掘削負荷が過小になるおそれがあるか否かを判定してもよい。
そして、掘削負荷が過小になるおそれがあると判定した場合にも、姿勢修正要否判定部31は、掘削アタッチメントの姿勢を修正する必要があるとして調整処理を実行してもよい。
例えば、通常掘削中に掘削負荷が過小になるおそれがあると判定した場合、姿勢修正要否判定部31は、制御弁E1に対して指令を出力し、ブームシリンダ7に関する流量制御弁を強制的に動かすことでブームシリンダ7を強制的に収縮させる。その結果、ブーム操作レバーに対する操作入力の有無にかかわらず、ブーム4を強制的に下降させることで掘削深さを深くすることができる。或いは、姿勢修正要否判定部31は、バケットシリンダ9に関する流量制御弁を強制的に動かすことでバケットシリンダ9を強制的に伸張させてもよい。その結果、バケット操作レバーに対する操作入力の有無にかかわらず、バケット6を強制的に開くことで掘削深さを深くすることができる。
次に図7を参照し、正味掘削負荷算出処理の流れについて説明する。図7は正味掘削負荷算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、姿勢修正要否判定部31は、現時点における掘削負荷としてのシリンダ圧を取得する(ステップST11)。現時点におけるシリンダ圧は、例えば、シリンダ圧センサS11が検出するブームボトム圧(P11)を含む。ブームロッド圧(P12)、アームボトム圧(P13)、アームロッド圧(P14)、バケットボトム圧(P15)、及びバケットロッド圧(P16)についても同様である。
その後、姿勢修正要否判定部31は、現時点における掘削アタッチメントの姿勢に対応する空掘削負荷としての空掘削シリンダ圧を取得する(ステップST12)。例えば、現時点におけるブーム角度(θ1)、アーム角度(θ2)、及びバケット角度(θ3)を検索キーとして空掘削シリンダ圧テーブルを参照することで、予め記憶されている空掘削シリンダ圧を導き出す。空掘削シリンダ圧は、例えば、空掘削ブームボトム圧、空掘削ブームロッド圧、空掘削アームボトム圧、空掘削アームロッド圧、空掘削バケットボトム圧、及び空掘削バケットロッド圧のうちの少なくとも1つを含む。
その後、姿勢修正要否判定部31は、現時点におけるシリンダ圧から現時点における掘削アタッチメントの姿勢に対応する空掘削シリンダ圧を差し引いて正味シリンダ圧を算出する(ステップST13)。正味シリンダ圧は、例えば、ブームボトム圧(P11)から空掘削ブームボトム圧を差し引いた正味ブームボトム圧を含む。正味ブームロッド圧、正味アームボトム圧、正味アームロッド圧、正味バケットボトム圧、及び正味バケットロッド圧についても同様である。
その後、姿勢修正要否判定部31は、算出した正味シリンダ圧を正味掘削負荷として出力する(ステップST14)。
姿勢修正要否判定部31は、6つの正味シリンダ圧を正味掘削負荷として導き出した場合、6つの正味シリンダ圧のうちの少なくとも1つに基づいて掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かを判定する。6つの正味シリンダ圧は、正味ブームボトム圧、正味ブームロッド圧、正味アームボトム圧、正味アームロッド圧、正味バケットボトム圧、及び正味バケットロッド圧である。例えば、姿勢修正要否判定部31は、アーム閉じ操作及びブーム上げ操作の複合操作が行われているときに正味アームボトム圧が第1所定圧力値以上で、且つ、正味ブームボトム圧が第2所定圧力値以上の場合に、掘削負荷が過大になるおそれがあると判定してもよい。或いは、姿勢修正要否判定部31は、アーム閉じ操作が行われているときに正味アームボトム圧が第1所定圧力値以上の場合に掘削負荷が過大になるおそれがあると判定してもよい。或いは、姿勢修正要否判定部31は、ブーム上げ操作が行われているときに正味ブームボトム圧が第2所定圧力値以上の場合に、掘削負荷が過大になるおそれがあると判定してもよい。
次に図8を参照し、正味掘削負荷算出処理の別の一例について説明する。図8は正味掘削負荷算出処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。図8の処理は、現時点における掘削負荷としてシリンダ推力を利用する点で、シリンダ圧を利用する図7の処理と相違する。
最初に、姿勢修正要否判定部31は、現時点におけるシリンダ圧から掘削負荷としてのシリンダ推力を算出する(ステップST21)。現時点におけるシリンダ推力は、例えば、ブームシリンダ推力(f1)である。ブームシリンダ推力(f1)は、ブームボトム圧(P11)とブームボトム側油室におけるピストンの受圧面積(A11)との積(P11×A11)であるシリンダ伸張力と、ブームロッド圧(P12)とブームロッド側油室におけるピストンの受圧面積(A12)との積(P12×A12)であるシリンダ収縮力との差(P11×A11−P12×A12)である。アームシリンダ推力(f2)及びバケットシリンダ推力(f3)についても同様である。
その後、姿勢修正要否判定部31は、現時点における掘削アタッチメントの姿勢に対応する空掘削負荷としての空掘削シリンダ推力を取得する(ステップST22)。例えば、現時点におけるブーム角度(θ1)、アーム角度(θ2)、及びバケット角度(θ3)を検索キーとして空掘削シリンダ推力テーブルを参照することで、予め記憶されている空掘削シリンダ推力を導き出す。空掘削シリンダ推力は、例えば、空掘削ブームシリンダ推力、空掘削アームシリンダ推力、及び空掘削バケットシリンダ推力のうちの少なくとも1つを含む。
その後、姿勢修正要否判定部31は、現時点におけるシリンダ推力から空掘削シリンダ推力を差し引いて正味シリンダ推力を算出する(ステップST23)。正味シリンダ推力は、例えば、現時点におけるブームシリンダ推力(f1)から空掘削ブームシリンダ推力を差し引いた正味ブームシリンダ推力を含む。正味アームシリンダ推力及び正味バケットシリンダ推力についても同様である。
その後、姿勢修正要否判定部31は、算出した正味シリンダ推力を正味掘削負荷として出力する(ステップST24)。
姿勢修正要否判定部31は、3つの正味シリンダ推力を正味掘削負荷として導き出した場合、3つの正味シリンダ推力のうちの少なくとも1つに基づいて掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かを判定する。3つの正味シリンダ推力は、正味ブームシリンダ推力、正味アームシリンダ推力、及び正味バケットシリンダ推力である。例えば、姿勢修正要否判定部31は、正味アームシリンダ推力が第1所定推力値以上で、且つ、正味ブームシリンダ推力が第2所定推力値以上の場合に、掘削負荷が過大になるおそれがあると判定してもよい。或いは、姿勢修正要否判定部31は、正味アームシリンダ推力が第1所定推力値以上の場合に掘削負荷が過大になるおそれがあると判定してもよい。
或いは、姿勢修正要否判定部31は、3つの正味掘削トルクを正味掘削負荷として導き出した場合、3つの正味掘削トルクのうちの少なくとも1つに基づいて掘削負荷が過大になるおそれがあるか否かを判定してもよい。3つの正味掘削トルクは、正味ブーム掘削トルク、正味アーム掘削トルク、及び正味バケット掘削トルクである。例えば、姿勢修正要否判定部31は、正味アーム掘削トルクが第1所定トルク値以上で、且つ、正味ブーム掘削トルクが第2所定トルク値以上の場合に、掘削負荷が過大になるおそれがあると判定してもよい。或いは、姿勢修正要否判定部31は、正味アーム掘削トルクが第1所定トルク値以上の場合に掘削負荷が過大になるおそれがあると判定してもよい。
次に図9を参照し、アーム閉じ操作及びブーム上げ操作の複合操作が行われているときのバケット角度(θ3)及び掘削反力Fの時間的推移について説明する。図9(A)はバケット角度(θ3)の時間的推移を示し、図9(B)は掘削反力Fの時間的推移を示す。図9(A)及び図9(B)の実線は深堀掘削中の推移を示し、破線は通常掘削中の推移を示す。
ショベルの操作者は、時刻t0においてバケット6の爪先を地面に接触させ、アーム5及びバケットを閉じながら時刻t0から時刻t3にかけて掘削を行う。
バケット角度(θ3)は、通常掘削であるか深堀掘削であるかにかかわらず、時刻t0から時刻t1にかけて増大する。同様に、掘削反力Fは、通常掘削であるか深堀掘削であるかにかかわらず、時刻t0から時刻t1にかけて増大して値F1に至る。
姿勢修正要否判定部31は、時刻t0においてバケット6が地面に接触したと判定し、且つ、時刻t1において掘削負荷が過大になるおそれがあると判定すると、通常掘削か深堀掘削かを判定する。
そして、時刻t1において通常掘削と判定した場合、姿勢修正要否判定部31は、操作装置26に対する操作入力の内容にかかわらず、ブームシリンダ7を強制的に伸張させてブーム4を強制的に上昇させる。
ブーム4を強制的に上昇させると、バケット角度(θ3)は、図9(A)の破線で示すように時刻t1から時刻t2にかけて減少する。また、掘削反力Fは、図9(B)の破線で示すように時刻t1から時刻t2にかけて減少する。掘削深さが浅くなるためである。
一方、時刻t1において深堀掘削と判定した場合、姿勢修正要否判定部31は、操作装置26に対する操作入力の内容にかかわらず、アームシリンダ8を強制的に収縮させてアーム5を強制的に開く。仮に通常掘削の場合と同様にブーム4を強制的に上昇させた場合、掘削反力Fが却って増大してしまうためである。図9(B)の一点鎖線は、深堀掘削と判定した場合にブーム4を強制的に上昇させたときの掘削反力Fの推移を示す。この場合、掘削反力Fは、時刻t1から時刻t11にかけて増大して値F2に至る。値F2は、例えば、ショベルの後端が浮き上がるときの掘削反力Fの値である。
アーム5を強制的に開くと、バケット角度(θ3)は、図9(A)の実線で示すように時刻t1から時刻t2にかけて減少する。また、掘削反力Fは、図9(B)の実線で示すように時刻t1から時刻t2にかけて減少する。
姿勢修正要否判定部31は、通常掘削中にブーム4を所定のブーム角度だけ上昇させると、その上昇動作を停止させる。同様に、姿勢修正要否判定部31は、深堀掘削中にアーム5を所定のアーム角度だけ開くと、その開き動作を停止させる。
その後、操作者の複合操作に応じた掘削の継続に伴い、バケット角度(θ3)は、通常掘削であるか深堀掘削であるかにかかわらず、時刻t2から時刻t3にかけて増大する。同様に、掘削反力Fは、通常掘削であるか深堀掘削であるかにかかわらず、時刻t2から時刻t3にかけて増大する。
上述の構成により、コントローラ30は、現時点における正味掘削負荷を高い精度で導き出すことで、掘削負荷が過度に大きくなるおそれがあるか否かを高い精度で判定できる。そして、掘削負荷が過度に大きくなるおそれがあると判定した場合には掘削負荷が小さくなるよう掘削アタッチメントの姿勢を自動的に修正できる。その結果、掘削動作中の過負荷により掘削アタッチメントの動きが止まってしまうのを防止でき、効率の良い掘削動作を実現できる。
また、コントローラ30は、現時点における正味掘削負荷を高い精度で導き出すことで、掘削負荷が過度に小さくなるおそれがあるか否かを高い精度で判定できる。そして、掘削負荷が過度に小さくなるおそれがあると判定した場合には掘削負荷が大きくなるよう掘削アタッチメントの姿勢を自動的に修正できる。その結果、1回の掘削動作による掘削量が過度に小さくなってしまうのを防止でき、効率の良い掘削動作を実現できる。
このように、コントローラ30は、掘削反力が適切な大きさとなるよう、掘削動作中に掘削アタッチメントの姿勢を自動的に修正できる。そのため、バケット6の爪先の正確な位置決め制御を実現できる。
また、コントローラ30は、通常掘削のときと深堀掘削のときとで掘削アタッチメントの姿勢の修正内容を異ならせることができる。そのため、深堀掘削のときにブーム4を強制的に上昇させることで却って掘削反力を増大させてしまうのを防止できる。
また、コントローラ30は、バケット掘削トルクばかりでなく、ブーム掘削トルク及びアーム掘削トルクを考慮して掘削反力を算出できる。そのため、掘削反力をより高精度に導き出すことができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、掘削負荷情報検出装置の一例としてシリンダ圧センサが採用されているが、トルクセンサ等の他のセンサが掘削負荷情報検出装置として採用されてもよい。
1・・・下部走行体 1A・・・左走行用油圧モータ 1B・・・右走行用油圧モータ 2・・・旋回機構 2A・・・旋回用油圧モータ 3・・・上部旋回体 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10・・・キャビン 11・・・エンジン 11a・・・オルタネータ 11b・・・スタータ 11c・・・水温センサ 14・・・メインポンプ 14a・・・レギュレータ 14b・・・吐出圧力センサ 14c・・・油温センサ 15・・・パイロットポンプ 15a、15b・・・パイロット圧センサ 16・・・高圧油圧ライン 17・・・コントロールバルブ 25、25a・・・パイロットライン 26・・・操作装置 26A、26B・・・レバー 26C・・・ペダル 30・・・コントローラ 30a・・・一時記憶部 31・・・姿勢修正要否判定部 40・・・表示装置 41・・・画像表示部 42・・・入力部 70・・・蓄電池 72・・・電装品 74・・・エンジン制御装置 75・・・動作モード切替ダイヤル E1・・・制御弁 M1・・・姿勢検出装置 M1a・・・ブーム角度センサ M1b・・・アーム角度センサ M1c・・・バケット角度センサ S1、S11〜S16・・・シリンダ圧センサ

Claims (5)

  1. 下部走行体と、
    前記下部走行体に搭載される上部旋回体と、
    前記上部旋回体に取り付けられる掘削アタッチメントと、
    前記掘削アタッチメントの姿勢を検出する姿勢検出装置と、
    掘削負荷に関する情報を検出する掘削負荷情報検出装置と、
    前記掘削アタッチメントの姿勢を修正する制御装置と、を有するショベルであって、
    前記制御装置は、前記姿勢検出装置及び前記掘削負荷情報検出装置の出力に基づいて深掘掘削中の掘削負荷が所定値より大きいと判定した場合に、前記掘削アタッチメントを構成するアーム又はバケットを開くように構成されるとともに
    前記制御装置は、少なくとも前記掘削アタッチメントを構成するブームの姿勢に基づいて深掘掘削中であるか否かを判定する、
    ショベル。
  2. 下部走行体と、
    前記下部走行体に搭載される上部旋回体と、
    前記上部旋回体に取り付けられる掘削アタッチメントと、
    前記掘削アタッチメントの姿勢を検出する姿勢検出装置と、
    掘削負荷に関する情報を検出する掘削負荷情報検出装置と、
    前記掘削アタッチメントの姿勢を修正する制御装置と、を有するショベルであって、
    前記制御装置は、前記姿勢検出装置及び前記掘削負荷情報検出装置の出力に基づいて深掘掘削中の掘削負荷が所定値より大きいと判定した場合に、前記掘削アタッチメントを構成するアーム又はバケットを開くように構成されるとともに、
    前記制御装置は、前記掘削アタッチメントの姿勢と掘削負荷とに基づいて掘削反力を算出し、算出した掘削反力に基づいて掘削負荷が所定値より大きいか否かを判定する、
    ショベル。
  3. 前記制御装置は、ブームシリンダ圧に基づいて掘削負荷が所定値より大きいか否かを判定する、
    請求項1に記載のショベル。
  4. 前記制御装置は、アームシリンダ圧に基づいて掘削負荷が所定値より大きいか否かを判定する、
    請求項1に記載のショベル。
  5. 前記制御装置は、前記上部旋回体の傾斜に基づいて掘削負荷が所定値より大きいか否かを判定する、
    請求項1に記載のショベル。
JP2016121176A 2016-06-17 2016-06-17 ショベル Active JP6740025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016121176A JP6740025B2 (ja) 2016-06-17 2016-06-17 ショベル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016121176A JP6740025B2 (ja) 2016-06-17 2016-06-17 ショベル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017223096A JP2017223096A (ja) 2017-12-21
JP6740025B2 true JP6740025B2 (ja) 2020-08-12

Family

ID=60687879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016121176A Active JP6740025B2 (ja) 2016-06-17 2016-06-17 ショベル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6740025B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7073151B2 (ja) * 2018-03-19 2022-05-23 住友重機械工業株式会社 ショベル、ショベルの制御方法及びプログラム
JP7120825B2 (ja) * 2018-06-25 2022-08-17 東亜建設工業株式会社 地盤強度の推定方法およびシステム
JP7198957B2 (ja) * 2018-06-25 2023-01-04 東亜建設工業株式会社 地盤強度の推定方法およびシステム
JP6872666B2 (ja) * 2018-09-03 2021-05-19 日立建機株式会社 作業機械
WO2020248137A1 (zh) * 2019-06-11 2020-12-17 海安县石油科研仪器有限公司 一种石油探测掘坑装置
CN114026296B (zh) * 2019-08-05 2023-09-08 住友重机械工业株式会社 施工机械、施工机械的显示装置及施工机械的管理装置
JP7382255B2 (ja) * 2020-02-27 2023-11-16 国立大学法人広島大学 作業機械の外力推定装置、当該外力推定装置を備える作業機械、作業装置のパラメータ推定装置、並びに作業機械の外力推定方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5843538B2 (ja) * 1975-01-29 1983-09-27 ヒタチケンキ カブシキガイシヤ プレイバツクセイギヨホウシキノジドウクツサクキ
JPS61146929A (ja) * 1984-12-20 1986-07-04 Kubota Ltd バツクホウ作業車
JPS6311722A (ja) * 1986-06-28 1988-01-19 Kubota Ltd バツクホウ
JP2916957B2 (ja) * 1991-05-28 1999-07-05 株式会社小松製作所 掘削作業機の自動制御方法
JP3147479B2 (ja) * 1992-03-18 2001-03-19 コベルコ建機株式会社 建設機械の自動制御装置
JP3790033B2 (ja) * 1998-01-21 2006-06-28 日立建機株式会社 2ピースブーム型作業機の操作駆動装置
WO2011162561A2 (ko) * 2010-06-23 2011-12-29 두산인프라코어 주식회사 건설기계의 작업궤적 제어 장치 및 그 방법
JP5653844B2 (ja) * 2011-06-07 2015-01-14 住友建機株式会社 ショベル
JP6003229B2 (ja) * 2012-05-24 2016-10-05 コベルコ建機株式会社 建設機械のブーム駆動装置
JP5969380B2 (ja) * 2012-12-21 2016-08-17 住友建機株式会社 ショベル及びショベル制御方法
EP3418455B1 (en) * 2014-06-20 2020-04-08 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Shovel and control method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017223096A (ja) 2017-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6740025B2 (ja) ショベル
JP7387795B2 (ja) ショベル及びショベル用のシステム
KR102309862B1 (ko) 건설 기계의 유압 시스템
US8612102B2 (en) Hydraulic excavator and hydraulic excavator control method
US20160258128A1 (en) Trace Generation Device and Working Machine
JP6866070B2 (ja) ショベル
CN112513380B (zh) 挖掘工程机械的液压驱动装置
CN109983182A (zh) 作业机械
JPWO2016111205A1 (ja) 建設機械
US11572676B2 (en) Shovel
CN108603359A (zh) 挖土机
JP2020029717A (ja) 掘削作業機械の油圧駆動装置
KR102378264B1 (ko) 작업 기계
JP6710442B2 (ja) ショベル
JP7181128B2 (ja) 建設機械
CN111315936B (zh) 用于建筑设备的能量回收***和方法
JP6707053B2 (ja) 作業機械
JP6878073B2 (ja) ショベル
CN109689982A (zh) 工程机械
US12049744B2 (en) Work machine
KR20220090023A (ko) 건설 기계
JP2023151687A (ja) ショベル
JP2021059855A (ja) 建設機械

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190813

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200610

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200721

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6740025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150