JP6739656B2 - 羽根車、送風機、及び空気調和装置 - Google Patents

羽根車、送風機、及び空気調和装置 Download PDF

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Description

本発明は、騒音の抑制及び効率の向上を図った羽根車、該羽根車を備えた送風機、並びに、該羽根車を備えた空気調和装置に関する。
従来、軸流送風機は、ヒートポンプ式の空気調和装置及び有圧換気扇等の装置の内部に搭載されて使用されている。これらの装置は、設置環境及び運転条件等により、内部の通風抵抗が異なる。また、熱交換器への埃等の付着、及び装置内部への構成機器の高密度実装化等により、装置に搭載される軸流送風機には、高静圧への対応が要求される。すなわち、高静圧化を図るために、軸流送風機の羽根車の回転数を多くする必要がある。しかしながら、従来の軸流送風機の羽根車を高速で回転させると、翼の周縁部に発生する渦によって、騒音が増大してしまい、効率も低下してしまう。
そこで、従来の軸流送風機には、騒音の抑制及び効率の向上を図ったものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の軸流送風機の羽根車は、ボス部(ハブ)の外周壁に複数枚の翼が設けられている。そして、翼の回転方向に沿う断面形状は、翼の負圧面側に膨出する膨出部と、翼の正圧面側に膨出する膨出部とを交互に3箇所以上有している。また、負圧面側に膨出する膨出部と正圧面側に膨出する膨出部を等分する線を翼の中立線として、負圧面側に膨出する膨出部及び正圧面側に膨出する膨出部は、翼の中立線からの距離が翼の前縁部から翼の後縁部に向かうにしたがって大きくなるように形成されている。
特開2010−150945号公報
軸流送風機の羽根車は、回転軸を中心に回転するボス部と、このボス部の外周壁に設けられ、ボス部と共に回転軸を中心に回転する複数の翼と、を備えている。このため、例えば、ボス部周辺を流れる翼間に流入する前の気流には、空気がボス部の周辺を通過する際に発生した渦が含まれる。また例えば、ボス部周辺を流れる翼間に流入する前の気流には、ボス部及び上述の渦の存在によって狭くなった流路を流れる際に発生した、局所的な高速流れも含む。したがって、ボス部周辺を流れる翼間に流入する前の気流は、乱れたものとなる。
ここで、特許文献1に記載の軸流送風機を含め、従来の軸流送風機は、ボス部周辺を流れる気流に対しては、何ら考慮されていない。このため、従来の軸流送風機は、ボス部周辺の乱れた気流を各翼が押し出す際、騒音が増大してしまうという課題があった。また、従来の送風機においては、ボス部周辺の乱れた気流を各翼が吹出側へ押し出す際、各翼の正圧面では前縁部側に流れの剥離が生じてしまう。この剥離によっても、騒音が増大する。また、この剥離によって効率も低下する。また、従来の送風機においては、乱れた気流を押し出す翼の内周側部分と、乱れていない気流を押し出す翼の外周側部分とで、静圧差が大きくなる。このため、従来の送風機の各翼の正圧面には、この静圧差によって、意図する流れ方向とは別方向の流れである2次流れが発生しやすい。したがたって、従来の送風機は、ボス部周辺の乱れた気流によって、効率も低下してしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、従来よりも低騒音で高効率な羽根車を得ることを第1の目的とする。また、本発明は、このような羽根車を備えた送風機及び空気調和装置を得ることを第2の目的とする。
本発明に係る羽根車は、回転軸を中心に回転するボス部と、前記ボス部の外周壁に設けられ、前記ボス部と共に前記回転軸を中心に回転する複数の翼と、を備え、前記翼のそれぞれは、これら前記翼の回転方向の前側の縁部である前縁部と、前記回転方向の後ろ側の縁部である後縁部と、外周側の縁部である外周部と、内周側の縁部である内周部と、を有し、前記回転軸を中心とする半径Rの円を仮想円と定義し、前記回転軸と垂直な平面に前記ボス部及び前記翼を投影した形状において、前記前縁部と前記仮想円との交点を第1交点、前記後縁部と前記仮想円との交点を第2交点、同一の前記翼における前記第1交点から前記第2交点までの前記仮想円の円弧の長さを第1翼長L1、任意の前記翼の前記第1交点から該翼と隣接する前記翼の前記第1交点までの前記仮想円の円弧の長さを翼間距離t、投影距離比σをσ=L1/t、と定義した場合、前記投影距離比σは、前記内周部から前記半径Rが半径RAとなる位置まで減少し、前記半径Rが前記半径RAとなる位置で第1極小値を有し、前記半径Rが前記半径RAとなる位置から、前記半径Rが前記半径RAよりも大きな半径RMとなる位置まで増加し、前記半径Rが前記半径RMとなる位置で極大値を有し、前記半径Rが前記半径RMとなる位置から、前記半径Rが前記半径RMよりも大きな半径RBとなる位置まで減少し、前記半径Rが前記半径RBとなる位置で第2極小値を有し、前記半径Rが前記半径RBとなる位置から、前記外周部にかけて増加する構成であり、前記内周部と前記半径RAとの中間位置となる前記半径Rを半径RC、前記半径RAと前記半径RMとの中間位置となる前記半径Rを半径RD、前記半径RMと前記半径RBとの中間位置となる前記半径Rを半径RE、前記半径RBと前記外周部との中間位置となる前記半径Rを半径RF、前記半径RC以上で前記半径RD以下の値となる前記半径Rを半径RG、前記半径RE以上で前記半径RF以下の値となる前記半径Rを半径RH、前記翼の子午面形状において、前記半径Rの位置における前記前縁部から前記後縁部までの前記回転軸と平行な方向の距離を第2翼長L2、と定義した場合、前記半径Rに対する前記第2翼長L2の比であるL2/Rは、前記内周部から前記半径Rが前記半径RGとなる位置まで増加し、前記半径Rが前記半径RGとなる位置で極大値を有し、前記半径Rが前記半径RGとなる位置から、前記半径Rが前記半径RHとなる位置まで減少し、前記半径Rが前記半径RHとなる位置で極小値を有し、前記半径Rが前記半径RHとなる位置から前記外周部にかけて増加する構成となっている。
本発明に係る羽根車においては、各翼におけるボス部周辺の部分は、従来よりも仕事量が少なくなる形状になる。すなわち、本発明に係る羽根車においては、各翼におけるボス部周辺の部分は、従来よりも空気を押し出す量が少なくなる。このため、本発明に係る羽根車は、ボス部周辺の乱れた気流を各翼が押し出す際の騒音を、従来よりも抑制できる。また、本発明に係る羽根車においては、各翼におけるボス部周辺の部分の仕事量が従来よりも少ないので、正圧面に発生する流れの剥離に起因する騒音も、従来より抑制できる。また、本発明に係る羽根車においては、各翼におけるボス部周辺の部分の仕事量が従来よりも少ないので、正圧面に発生する流れの剥離に起因する効率の低下も、従来より抑制できる。また、本発明に係る羽根車においては、ボス部周辺の乱れた気流を外周側へ導き、この気流によって、乱れの少ない空気が外周側へ多く流れる構成となる。そして、本発明に係る羽根車の各翼は、この乱れの少ない空気が流れる領域の仕事量が多くなる形状となる。このため、本発明に係る羽根車は、効率を向上させることができる。また、本発明に係る羽根車の各翼の正圧面では、内周側と外周側との静圧差が、従来よりも小さくなる。このため、本発明に係る羽根車は、2次流れを従来よりも抑制できる。
したがって、本発明に係る羽根車は、従来よりも低騒音で高効率な羽根車となる。
本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の一例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の羽根車を、該羽根車の回転軸と垂直な平面に投影した図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の羽根車を、該羽根車の回転軸と垂直な平面に投影した図である。 本発明の実施の形態1に係る羽根車の翼の1つの子午面形状を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る翼における、投影距離比σと半径Rとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る翼における、半径Rに対する第2翼長L2の比であるL2/Rと、半径Rとの関係を示す図である。 従来の軸流送風機の羽根車を示す斜視図である。 従来の軸流送風機の羽根車の翼の、ボス部周辺部分の気流の流れを説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る羽根車を、回転軸に沿って負圧面側から観察した図である。 本発明の実施の形態1に係る羽根車を、回転軸に沿って負圧面側から観察した図である。 本発明の実施の形態1に係る翼における、投影距離比σと半径Rとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る翼における、半径Rに対する第2翼長L2の比であるL2/Rと、半径Rとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る翼における、投影距離比σと半径Rとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る羽根車の斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る羽根車を回転軸と直交する方向から観察した図である。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機の羽根車を、該羽根車の回転軸と垂直な平面に投影した図である。 本発明の実施の形態2に係る翼における、角度φと半径Rとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る翼における、角度φと半径Rとの関係を示す図である。 従来の軸流送風機の羽根車を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機の吹出側の風速分布を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の一例を示す縦断面図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の一例を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の羽根車を、該羽根車の回転軸と垂直な平面に投影した図である。なお、図1及び図2は、羽根車1を翼10の負圧面16側から観察した図となっている。また、図1に示す白抜き矢印は、羽根車1が回転した際の全体的な空気の流れ方向を示している。また、図1及び図2に示す太線の円弧状矢印は、羽根車1の回転方向を示している。つまり、図1及び図2に示す太線の円弧状矢印は、羽根車1を構成する後述のボス部2及び複数の翼10の回転方向を示している。
本実施の形態1に係る軸流送風機100は、ケーシング20及び羽根車1を備えている。ケーシング20には、略円筒状のベルマウス21が形成されている。羽根車1は、ベルマウス21の内周側に、回転自在に配置されている。なお、羽根車1は、後述のボス部2に取り付けられた図示せぬモーター等によって回転させられる。
羽根車1は、ボス部2及び複数の翼10を備えている。ボス部2は、略円筒形状をしており、回転軸3を中心に回転する。翼10のそれぞれは、ボス部2の外周壁に設けられている。詳しくは、翼10のそれぞれは、等角度間隔でボス部2の外周側に配置され、ボス部2の外周壁から放射状に突出している。より詳しくは、図2に示すように、翼10のそれぞれは、ボス部2の外周壁から、回転軸を中心とする仮想円の径方向よりも翼10の回転方向側に傾いて突出している。
翼10のそれぞれは、前縁部11、後縁部12、外周部13、内周部14、正圧面15及び負圧面16を有している。前縁部11は、翼10の周縁部のうち、回転方向の前側の縁部である。後縁部12は、翼10の周縁部のうち、回転方向の後ろ側の縁部である。外周部13は、翼10の周縁部のうち、外周側の縁部である。外周部13は、回転方向の前側の端部である前端部13aから回転方向の後ろ側の端部である後端部13bにかけて、外周側に凸となる略円弧状に形成されている。換言すると、外周部13は、回転方向の前側の端部である前端部13aから回転方向の後ろ側の端部である後端部13bにかけて、回転軸3と離れる方向に凸となる略円弧状に形成されている。
内周部14は、翼10の周縁部のうち、内周側の縁部である。すなわち、翼10は、内周部14においてボス部2の外周壁と接続されている。したがって、内周部14は、ボス部2の外周壁に対応した形状となっている。詳しくは、内周部14は、回転方向の前側の端部である前端部14aから回転方向の後ろ側の端部である後端部14bにかけて、外周側に凸となる略円弧状に形成されている。換言すると、内周部14は、回転方向の前側の端部である前端部14aから回転方向の後ろ側の端部である後端部14bにかけて、回転軸3と離れる方向に凸となる略円弧状に形成されている。
正圧面15は、翼10が有する2つの面のうち、回転方向前側の面である。すなわち、翼10が回転することにより、正圧面15によって空気が押されることとなる。なお、上述のように、図1及び図2は、羽根車1を翼10の負圧面16側から観察した図となっている。そして、正圧面15は、翼10において、負圧面16とは反対側の面である。このため、図1及び図2では、正圧面15は紙面裏側に配置されることとなるため、正圧面15が図示されていない。負圧面16は、翼10が有する2つの面のうち、回転方向後ろ側の面である。
翼10のそれぞれは、ボス部2と共に、回転軸3を中心に回転する。ボス部2及び複数の翼10が回転軸3を中心として回転することにより、軸流送風機100に流れる全体的な空気の流れは、図1に示す白抜き矢印のようになる。すなわち、図1の紙面手前側から、回転軸3に沿うように空気が軸流送風機100に吸い込まれる。そして、図1の紙面奥側へ、回転軸3に沿うように空気が軸流送風機100から吹き出される。なお、図1及び図2では、翼10が7枚である羽根車1を例示したが、羽根車1の翼10の枚数は7枚以外でも勿論よい。
続いて、翼10の詳細形状について説明する。まず、翼10の詳細形状を説明するに際し、翼10の形状を示す各パラメータを以下のように定義する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の羽根車を、該羽根車の回転軸と垂直な平面に投影した図である。すなわち、図3は、回転軸3と垂直な平面にボス部2及び翼10のそれぞれを投影した形状を示している。また、図4は、本発明の実施の形態1に係る羽根車の翼の1つの子午面形状を示す図である。なお、図4に示す翼10の子午面形状とは、回転軸3を通り且つ回転軸3と平行な平面に対して、回転軸3を中心として翼10の各位置を回転させていって投影した形状である。
図3に示すように、回転軸3を中心とする半径Rの円を、仮想円30と定義する。なお、半径Rは、値が変化するものである。翼10の前縁部11と仮想円30との交点を第1交点31と定義する。翼10の後縁部12と仮想円30との交点を第2交点32と定義する。同一の翼10おける第1交点31から第2交点32までの仮想円30の円弧の長さを、第1翼長L1と定義する。任意の翼10の第1交点31から該翼10と隣接する翼10の第1交点31までの仮想円30の円弧の長さを、翼間距離tと定義する。投影距離比σを、σ=L1/tと定義する。また、図4に示すように、翼10の子午面形状において、半径Rの位置における前縁部11から後縁部12までの回転軸3と平行な方向の距離を、第2翼長L2と定義する。
このように翼10の形状を示す各パラメータを定義した場合、翼10は、次の様な形状となる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る翼における、投影距離比σと半径Rとの関係を示す図である。また、図6は、本発明の実施の形態1に係る翼における、半径Rに対する第2翼長L2の比であるL2/Rと、半径Rとの関係を示す図である。なお、図5及び図6では、半径Rを、半径比と称する無次元数で表している。詳しくは、図5及び図6では、内周部14の位置の半径Rが、「0.0」となっている。また、図5及び図6では、外周部13の位置の半径Rが、「1.0」となっている。
図5に示すように、投影距離比σは、内周部14から半径Rが半径RAとなる位置まで減少する。そして、投影距離比σは、半径Rが半径RAとなる位置で第1極小値を有する。また、投影距離比σは、半径Rが半径RAとなる位置から、半径Rが半径RAよりも大きな半径RMとなる位置まで増加する。そして、投影距離比σは、半径Rが半径RMとなる位置で極大値を有する。また、投影距離比σは、半径Rが半径RMとなる位置から、半径Rが半径RMよりも大きな半径RBとなる位置まで減少する。そして、投影距離比σは、半径Rが半径RBとなる位置で第2極小値を有する。また、投影距離比σは、半径Rが半径RBとなる位置から外周部13にかけて増加する。
また、図6に示すように、半径Rに対する第2翼長L2の比であるL2/Rは、内周部14から半径Rが半径RGとなる位置まで増加する。そして、L2/Rは、半径Rが半径RGとなる位置で極大値を有する。また、L2/Rは、半径Rが半径RGとなる位置から、半径Rが半径RHとなる位置まで減少する。そして、L2/Rは、半径Rが半径RHとなる位置で極小値を有する。また、L2/Rは、半径Rが半径RHとなる位置から外周部13にかけて増加する。また、L2/Rは、半径Rが半径RGとなる位置で最大となり、半径Rが半径RHとなる位置で最小となる。
なお、図6では、半径RGが半径RAよりも小さな値となっている。しかしながら、半径RGの値は、これに限定されるものではなく、半径RA近傍の値であればよい。詳しくは、図6に示すように、内周部14と半径RAとの中間位置となる半径Rを、半径RCと定義する。半径RAと半径RMとの中間位置となる半径Rを、半径RDと定義する。この場合、半径RGは、半径RC以上で半径RD以下の値であればよい。また、図6では、半径RHが半径RBよりも小さな値となっている。しかしながら、半径RHの値は、これに限定されるものではなく、半径RB近傍の値であればよい。詳しくは、図6に示すように、半径RMと半径RBとの中間位置となる前記半径Rを、半径REと定義する。半径RBと外周部13との中間位置となる半径Rを、半径RFと定義する。この場合、半径RHは、半径RE以上で半径RF以下の値であればよい。
このため、翼10は、内周部14から外周部13にかけて、次のような形状となっている。
図5に示すように、投影距離比σが内周部14から半径RAまで減少している。すなわち、内周部14から半径RAにかけて、隣接する翼10間の距離は大きくなるが、半径Rに対する第1翼長L1の比はほぼ一定となる。すなわち、内周部14から半径RAにかけて、半径Rに対する翼弦長の比はほぼ一定となる。なお、翼弦長とは、翼弦線の長さである。また、翼弦線とは、回転軸3を中心とする円筒状の断面において翼10を切断した断面図を展開し、前縁部11と後縁部12とを結んだ直線である。
ここで、従来の軸流送風機の羽根車の翼においても、本実施の形態1に係る翼10においても、回転軸から遠ざかるにつれて、翼弦長が長くなる。すなわち、従来の軸流送風機の羽根車の翼においても、本実施の形態1に係る翼10においても、半径Rが大きくなるほど、翼弦長が長くなる。この際、従来の軸流送風機の羽根車の翼は、半径Rが大きくなるほど、半径Rに対する翼弦長の比も大きくなる。換言すると、従来の軸流送風機の羽根車の翼は、半径Rが大きくなるほど、半径Rに対する仕事量の比が大きくなる。一方、本実施の形態1に係る翼10は、内周部14から半径RAにかけて、半径Rに対する翼弦長の比はほぼ一定となる。すなわち、本実施の形態1に係る翼10においては、内周部14から半径RAまでの領域は、従来の軸流送風機の羽根車の翼と比べて、翼面積が小さくなっている。換言すると、本実施の形態1に係る翼10においては、内周部14から半径RAまでの領域は、従来の軸流送風機の羽根車の翼と比べて、仕事量が小さくなっている。なお、仕事量とは、翼10が空気を押し出す量である。
また、図6に示すように、L2/Rが内周部14から半径RAの近傍の半径RGとなる位置まで増加している。すなわち、翼10は、内周部14から半径RGとなる位置にかけて、徐々に立ち上がっていく。そして、隣接する翼10間の距離が長くなっていく。半径RG及び半径RA近傍の領域は、半径Rに対する翼10間の距離の比が最も長くなる領域である。換言すると、半径RG近傍の領域は、(t−L1)/Rが最も大きくなる領域である。なお、翼10が立ち上がっていくとは、翼10の翼弦線と回転軸3との角度が小さくなっていくことを示している。
図6に示すように、L2/Rが半径RGから半径RHまで減少している。すなわち、翼10は、半径RGから半径RHにかけて、徐々に寝ていく。このため、翼10は、半径RGから半径RB近傍の半径RHにかけて、半径Rに対する仕事量の比が低下していく。なお、翼10が寝ていくとは、翼10の翼弦線と回転軸3との角度が大きくなっていくことを示している。
一方、図5に示すように、半径RGと半径RHとの間となる半径RMの位置において、投影距離比σが最大となっている。すなわち、半径RMの位置において、半径Rに対する翼10間の距離の比が最小となるが、半径Rに対する第1翼長L1の比が最大となる。すなわち、半径RMの位置において、半径Rに対する翼弦長の比が最大となる。換言すると、半径RMの近傍の領域は、半径Rに対する翼面積の比が最大となる。さらに換言すると、半径RMの近傍の領域は、半径Rに対する有効面積の比が最大となる。すなわち、半径RMの近傍の領域は、仕事量が大きい領域となっている。なお、翼10のある領域における有効面積とは、翼10のある領域における正圧面15の翼面積のうち、流れの剥離が生じていない部分の面積を示す。
また、図5に示すように、半径RMから半径RH近傍となる半径RBにかけて、投影距離比σが低下している。すなわち、半径RMから半径RBにかけて、隣接する翼10間の距離は大きくなるが、半径Rに対する第1翼長L1の比はほぼ一定となる。すなわち、半径RMから半径RBにかけて、半径Rに対する翼弦長の比はほぼ一定となる。
上述のように、従来の軸流送風機の羽根車の翼は、半径Rが大きくなるほど、半径Rに対する翼弦長の比が大きくなる。一方、本実施の形態1に係る翼10は、半径RMから半径RBにかけて、半径Rに対する翼弦長の比はほぼ一定となる。換言すると、本実施の形態1に係る翼10は、半径RMから半径RBにかけて、従来よりも翼面積が小さくなる。このため、本実施の形態1に係る翼10は、半径RMから半径RBにかけて、半径Rに対する仕事量の比はほぼ一定となる。換言すると、本実施の形態1に係る翼10は、半径RMから半径RBの領域において、半径Rが大きくなった際、従来の軸流送風機の羽根車の翼と比べ、仕事量の増加量が小さい。
続いて、本実施の形態1に係る羽根車1の作用及び効果について説明する。なお、本実施の形態1に係る羽根車1の効果の理解を容易とするため、以下ではまず、従来の軸流送風機の羽根車の作用及び効果を説明する。そして、その後に、本実施の形態1に係る羽根車1の作用及び効果について説明する。
図7は、従来の軸流送風機の羽根車を示す斜視図である。なお、従来の軸流送風機の羽根車101を説明する際、従来の羽根車101の各構成には、これらの構成に対応する本実施の形態1に係る羽根車1の各構成の符号に、「100」を加えた符号を付すこととする。例えば、従来の羽根車101の翼には、符号「110」を付す。また、図7に示す白抜き矢印は、従来の羽根車101が回転した際の全体的な空気の流れ方向を示している。また、図7に示す太線の矢印は、従来の羽根車101の回転方向を示している。また、図7では、従来の羽根車101が有する複数の翼110のうち、一部の翼110の図示を省略している。
従来の羽根車101が回転軸103を中心に回転すると、図7の紙面上側から下側に向かって、羽根車101に空気が吸い込まれる。この空気は、翼110の前縁部111側から、隣接する翼110間に流入する。そして、翼110間に流入した空気は、翼110の正圧面115に沿って流れる際、翼110の傾き及び反りによって流れ方向が変えられ、運動量変化により静圧上昇する。この際、ボス部102周辺を流れる翼110間に流入する前の気流50は、図7に示すように乱れたものとなる。
詳しくは、翼110の内周側には、翼110間へ流入する気流の上流側となる位置に、ボス部102が存在する。このため、ボス部102周辺を流れる翼110間へ流入する前の気流50には、空気がボス部102の周辺を通過する際に発生した渦51が含まれる。また例えば、ボス部102周辺を流れる翼110間へ流入する前の気流50には、ボス部102及び上述の渦51の存在によって狭くなった流路を流れる際に発生した、局所的な高速流れ52も含む。したがって、ボス部102周辺を流れる翼110間へ流入する前の気流50は、乱れたものとなる。このため、従来の羽根車101は、ボス部102周辺の乱れた気流50を各翼110の正圧面115が押し出す際、騒音が増大してしまう。
また、従来の羽根車101は、ボス部102周辺の乱れた気流50を各翼110の内周側部分が押し出す際、以下のように効率も低下してしまう。
図8は、従来の軸流送風機の羽根車の翼の、ボス部周辺部分の気流の流れを説明するための図である。なお、図8(a)は、従来の羽根車101を回転軸103方向に観察した図である。また、図8(b)は、図8(a)のA−A断面図である。換言すると、図8(b)は、回転軸103を中心とする円筒断面のうち、A−A位置を展開した図である。なお、図8(a)に示す太線の矢印は、従来の羽根車101の回転方向を示している。
上述のように、ボス部102周辺を流れる翼110間へ流入する前の気流50は、乱れている。このため、気流50が翼110の前縁部111側から翼110間に流入する際、翼110の前縁部111の接線方向111aと、気流50の向きとが一致しない。このため、各翼110の内周側部分の正圧面115では前縁部111側に流れの剥離が生じてしまう。そして、この剥離した流れは、流れの剥離によって前縁部111側に発生した渦53の吸引力により、付着点54付近で正圧面115に再付着する。再付着後の気流は正圧面に添って流れ、静圧が上昇する。しかしながら、従来の羽根車101は、正圧面115の前縁部111側で生じた流れの剥離により、翼110の有効面積が減少してしまう。このため、従来の羽根車101は、翼110の仕事量が減少し、効率が低下してしまう。また、従来の羽根車101は、正圧面115の前縁部111側で生じた流れの剥離によっても、騒音が増大する。
また、従来の羽根車101の翼110の外周側部分を通過する気流においては、上流側に乱れを発生させる抵抗部がない。このため、翼110の外周側部分は、翼110の内周側部分と比べ、静圧が上昇しやすい。また、翼110の外周側は、翼110の内周側と比べ、モーメントが大きくなるため、静圧が高くなる。これらの点から、従来の羽根車101は、翼110の内周側部分と外周側部分とで静圧差が大きくなる。このため、従来の羽根車101の各翼110の正圧面115には、この静圧差によって、意図する流れ方向とは別方向の流れである2次流れが発生しやすい。したがたって、従来の羽根車101は、この2次流れによっても、効率が低下してしまう。
一方、本実施の形態1に係る羽根車1は、下記のように作用するため、気流50に起因する騒音を抑制でき、気流50に起因する効率の低下を抑制できる。
図9及び図10は、本発明の実施の形態1に係る羽根車を、回転軸に沿って負圧面側から観察した図である。なお、図9は、翼10の内周側部分の気流を説明するための図である。また、図10は、翼10の外周側部分の気流を説明するための図である。
本実施の形態1に係る羽根車1も、従来の羽根車101と同様にボス部2を有している。このため、本実施の形態1に係る羽根車1においても、ボス部2周辺を流れる翼10間へ流入する前の気流は、従来と同様に乱れた気流50となる。しかしながら、本実施の形態1に係る羽根車1の翼10においては、内周部14から半径RAまでの領域は、従来と比べて、翼面積が小さくなり、仕事量が小さくなっている。換言すると、本実施の形態1に係る羽根車1の翼10においては、ボス部2の周辺部分すなわち内周側部分は、従来と比べて、仕事量が小さくなっている。すなわち、本実施の形態1に係る羽根車1においては、各翼10におけるボス部2周辺の部分は、従来よりも空気を押し出す量が少なくなる。このため、本実施の形態1に係る羽根車1は、ボス部2周辺の乱れた気流50を各翼10が押し出す際の騒音を、従来よりも抑制できる。換言すると、本実施の形態1に係る羽根車1は、ボス部2周辺の乱れた気流50内を各翼10が通過する際の騒音を、従来よりも抑制できる。
また、本実施の形態1に係る羽根車1においては、各翼10におけるボス部2周辺の部分の仕事量が従来よりも少ないので、正圧面15に発生する流れの剥離に起因する騒音も、従来より抑制できる。また、本実施の形態1に係る羽根車1においては、各翼10におけるボス部2周辺の部分の仕事量が従来よりも少ないので、正圧面15に発生する流れの剥離に起因する効率の低下も、従来より抑制できる。
ここで、上述のように、翼10は、内周部14から半径RAの近傍の半径RGとなる位置にかけて、徐々に立ち上がっていく。すなわち、従来よりも仕事量が少ない翼10のボス部2周辺部分の領域内に限ってみると、外周側に行くにしたがって仕事量が増加する。したがって、ボス部2周辺の乱れた気流50は、外周側へ導かれる。また、上述のように、半径RG及び半径RA近傍の領域は、翼10間の距離が長い。このため、半径RG及び半径RAの領域では、翼10間に、乱れの少ない気流55が多く流れ込む。この気流55は、図9に示すように、気流50の影響により、半径RG及び半径RAよりも外周側へ導かれる。すなわち、この気流55は、翼10における半径RM付近の領域の方へ流れていく。上述のように、翼10における半径RM付近の領域は、半径Rに対する翼面積の比が大きい。このため、本実施の形態1に係る羽根車1は、仕事量が大きい半径RM付近の領域に、乱れの少ない気流55を多く通過させることができるので、効率が向上する。
一方、半径RMよりも外周側となる領域では、図10に示すように、翼10間に気流56が流れ込む。ここで、上述のように、本実施の形態1に係る翼10は、半径RMから半径RBの領域において、半径Rが大きくなった際、従来の軸流送風機の羽根車の翼と比べ、仕事量の増加量が小さい。例えば、本実施の形態1に係る翼10は、半径RMから半径RBにかけて、気流56への仕事量が略一定となる。このため、本実施の形態1に係る翼10の正圧面15では、内周側と外周側との静圧差が、従来よりも小さくなる。このため、本実施の形態1に係る羽根車1は、2次流れを従来よりも抑制でき、効率がさらに向上する。
したがって、本実施の形態1に係る羽根車1は、従来よりも低騒音で高効率な羽根車となる。
最後に、半径RA、半径RM、半径RB、半径RG、半径RH、半径RMにおける投影距離比σ、及び半径RBにおける投影距離比σの好適な範囲について説明する。
図11は、本発明の実施の形態1に係る翼における、投影距離比σと半径Rとの関係を示す図である。この図11は、半径RA、半径RM及び半径RBの好適な範囲を示した図である。図12は、本発明の実施の形態1に係る翼における、半径Rに対する第2翼長L2の比であるL2/Rと、半径Rとの関係を示す図である。この図12は、半径RG及び半径RHの好適な範囲を示した図である。図13は、本発明の実施の形態1に係る翼における、投影距離比σと半径Rとの関係を示す図である。この図13は、半径RMにおける投影距離比σ、及び半径RBにおける投影距離比σの好適な範囲を示した図である。なお、図11〜図13では、半径Rを、半径比と称する無次元数で表している。詳しくは、図11〜図13では、内周部14の位置の半径Rが、「0.0」となっている。また、図11〜図13では、外周部13の位置の半径Rが、「1.0」となっている。
羽根車1には、翼10の正圧面15と負圧面16との圧力差により、回転方向とは逆方向のトルクが働く。そして、このトルクにより、羽根車1を回転させる図示せぬモーターの消費電力が増大してしまう。この羽根車1に働くトルクは、モーメントアームである半径Rと、翼10の各部位における圧力差の面積分と、の積で評価することができる。このため、羽根車1に働くトルクを低減させるためには、モーメントアームである半径Rが大きくなる翼10の外周側部分において、翼面積を低減することが効果的である。ここで、本実施の形態1に係る軸流送風機100の翼10においては、半径RB近傍の領域の翼面積が、従来の羽根車よりも小さくなっている。このため、半径RBの位置を翼10の外周側となる位置にすれば、羽根車1に働くトルクを低減させることができる。したがって、図11に示すように、半径RBを、0.7以上で0.8以下の範囲内とすることが好ましい。
一方、翼10において外周側の面積を従来よりも単に小さくしただけでは、羽根車1の仕事量が従来よりも低下してしまう。このため、図11に示すように、半径RMを0.45以上で0.55以下の範囲内とするのが好ましい。換言すると、半径が0.45以上で0.55以下の範囲内となる位置に、仕事量が大きくなる半径RMの領域を配置するのが好ましい。半径RMの領域で仕事量を稼ぐことにより、一定の仕事量を確保しつつ羽根車1に働くトルクの低減を図ることができる。また、羽根車1は、内周部14から半径RAまでの領域の翼面積を従来よりも小さくすることにより、ボス部2周辺の乱れた気流50内を各翼10が通過する際の騒音を抑制している。図11に示すように、半径RAを0.2以上で0.3以下の範囲内とすることにより、ボス部2周辺の乱れた気流50内を各翼10が通過する際の騒音を、より抑制できる。
羽根車1の各翼10は、半径RAの位置から、該半径RAよりも外周側である半径RMにかけて、翼面積が増加していく。また、羽根車1の各翼10は、半径RGから半径RHにかけて、徐々に寝ていく。このため、図12に示すように、半径RGを0.15以上で0.25以下の範囲とし、半径RAの位置と半径RGの位置とを近くすることが好ましい。半径RGをこのような範囲内とすることにより、半径Rに対する仕事量の比を均一化できる。また、半径RHの位置は、翼10の各位置の中で、最も寝る位置である。すなわち、半径RH近傍の領域は、正圧面15と負圧面16との圧力差が小さくなる領域である。このため、図12に示すように、半径RHを0.7以上で0.8以下の範囲内とし、半径RBの位置と半径RHの位置とを近くすることが好ましい。半径RHをこのような範囲内とすることにより、羽根車1に働くトルクをより抑制することができる。
図13に示すように、半径RBにおける投影距離比σを、0.6以上とすることが好ましい。上述のように、半径RBの位置の翼面積を小さくすることにより、羽根車1に働くトルクを低減させることができる。ここで、投影距離比σの大きさは、翼面積の大きさとみることもできる。したがって、半径RBにおける投影距離比σを小さくすることにより、羽根車1に働くトルクを低減させることができる。しかしながら、半径RBにおける投影距離比σを小さくしすぎると、半径RB近傍の仕事量が小さくなりすぎてしまう。このため、半径RBにおける投影距離比σは、0.6以上であることが好ましい。
また、図13に示すように、半径RMにおける投影距離比σを、0.9以上で1.0未満とすることが好ましい。半径RM近傍の領域は、仕事量を稼ぐ領域である。このため、半径RM近傍の領域の翼面積が大きくなるように、半径RMにおける投影距離比σは、0.9以上であることが好ましい。しかしながら、投影距離比σを1.0以上にしてしまうと、第1翼長L1が翼間距離tよりも大きくなってしまう。すなわち、羽根車1を回転軸3方向に観察した際、隣接する翼10の後縁部12と前縁部11とが重なりあってしまう。隣接する翼10がこのような関係になっている場合、金型を用いて羽根車1を製造しようとすると、金型をアンダーカット構造としなければならない。このため、半径RMにおける投影距離比σは、1.0未満であることが好ましい。
以上、本実施の形態1に係る羽根車1は、回転軸3を中心に回転するボス部2と、回転軸3の外周壁に設けられ、回転軸3と共に回転軸3を中心に回転する複数の翼10と、を備えている。また、翼10のそれぞれは、前縁部11と、後縁部12と、外周部13と、内周部14とを有している。また、翼10のそれぞれにおいては、投影距離比σは次のようになる。詳しくは、投影距離比σは、内周部14から半径Rが半径RAとなる位置まで減少する。また、投影距離比σは、半径Rが半径RAとなる位置で第1極小値を有する。また、投影距離比σは、半径Rが半径RAとなる位置から、半径Rが半径RAよりも大きな半径RMとなる位置まで増加する。また、投影距離比σは、半径Rが半径RMとなる位置で極大値を有する。また、投影距離比σは、半径Rが半径RMとなる位置から、半径Rが半径RMよりも大きな半径RBとなる位置まで減少する。また、投影距離比σは、半径Rが半径RBとなる位置で第2極小値を有する。また、投影距離比σは、半径Rが半径RBとなる位置から、外周部13にかけて増加する。さらに、翼10のそれぞれにおいては、半径Rに対する第2翼長L2の比であるL2/Rは次のようになる。詳しくは、L2/Rは、内周部14から半径Rが半径RGとなる位置まで増加する。また、L2/Rは、半径Rが半径RGとなる位置で極大値を有する。また、L2/Rは、半径Rが半径RGとなる位置から、半径Rが半径RHとなる位置まで減少する。また、L2/Rは、半径Rが半径RHとなる位置で極小値を有する。また、L2/Rは、半径Rが半径RHとなる位置から外周部にかけて増加する。
本実施の形態1に係る羽根車1は、このように構成されているので、乱れた気流50に起因する騒音を抑制でき、乱れた気流50に起因する効率の低下を抑制できる。したがって、本実施の形態1に係る羽根車1は、従来よりも低騒音で高効率な羽根車となる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る羽根車1について説明する。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図14は、本発明の実施の形態2に係る羽根車の斜視図である。また、図15は、本発明の実施の形態2に係る羽根車を回転軸と直交する方向から観察した図である。なお、図14及び図15に示す白抜き矢印は、羽根車1が回転した際の全体的な空気の流れ方向を示している。また、図14に示す太線の矢印、及び図15において回転軸3近傍に示す円弧状の矢印は、羽根車1の回転方向を示している。また、図14及び図15では、羽根車1が有する複数の翼10のうち、一部の翼10の図示を省略している。また、図15には、羽根車1の他に、ケーシング20も図示している。すなわち、図15には、本実施の形態2に係る軸流送風機100が記載されている。
図14及び図15に示すように、本実施の形態2に係る羽根車1の各翼10は、位置によって正圧面15の向きを異ならせている。以下、翼10の各位置における正圧面15の向きについて詳細に説明していく。まず、翼10の各位置における正圧面15の向きを説明するため、正圧面15の向きを示すパラメータである角度φを、次のように定義する。
図16は、本発明の実施の形態2に係る軸流送風機の羽根車を、該羽根車の回転軸と垂直な平面に投影した図である。なお、図16は、羽根車1を翼10の負圧面16側から観察した図となっている。
翼10の任意の点Bにおいて、正圧面15の法線を引く。羽根車1の回転軸3と垂直な平面にこの法線を投影したものが、第1仮想直線41である。また、羽根車1の回転軸3と垂直な平面において、回転軸3と点Bとを通る第2仮想直線42を引く。これにより、第1仮想直線41と第2仮想直線とがなす角度が、4つできる。これらのうち、第1仮想直線41と第2仮想直線とがなす角度のうちの2つは、第2仮想直線42に対して回転方向前側にできる。第2仮想直線42に対して回転方向前側にできるこれら2つの角度のうち、回転軸3に近い側の角度を、換言すると内周側の角度を、角度φと定義する。
角度φが略90度よりも大きい場合、正圧面15の法線は、回転軸3から離れるように、正圧面15から回転方向に延びる状態となっている。換言すると、角度φが略90度よりも大きい場合、正圧面15の法線は、外周側へ向かうように、正圧面15から回転方向に延びる状態となっている。すなわち、角度φが略90度よりも大きい場合、正圧面15は、外周側を向いている状態となっている。また、角度φが略90度よりも小さい場合、正圧面15の法線は、回転軸3に近づくように、正圧面15から回転方向に延びる状態となっている。換言すると、角度φが略90度よりも小さい場合、正圧面15の法線は、内側へ向かうように、正圧面15から回転方向に延びる状態となっている。すなわち、角度φが略90度よりも小さい場合、正圧面15は、内側を向いている状態となっている。
図17は、本発明の実施の形態2に係る翼における、角度φと半径Rとの関係を示す図である。なお、図17では、半径Rを、半径比と称する無次元数で表している。詳しくは、図17では、内周部14の位置の半径Rが、「0.0」となっている。また、図17では、外周部13の位置の半径Rが、「1.0」となっている。また、図17では、実線が、前縁部11における角度φと半径Rとの関係を示している。破線が、後縁部12における角度φと半径Rとの関係を示している。
まず、前縁部11における角度φと半径Rとの関係を説明する。
図17に示すように、内周部14から半径Rが半径RAとなる範囲のうち、内周部14を含む一部の範囲においては、角度φが90度よりも大きくなっている。すなわち、内周部14から半径Rが半径RAとなる範囲のうち、内周部14を含む一部の範囲においては、回転軸3から離れるように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びている。換言すると、内周部14から半径Rが半径RAとなる範囲のうち、内周部14を含む一部の範囲においては、正圧面15が外周側を向いている。具体的には、半径Rが0.0以上0.15以下となる範囲において、回転軸3から離れるように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びている。
このように構成することにより、図15に示すように、内周部14を含む一部の範囲を流れる気流58は、外周側に向かって流れる。実施の形態1で説明したように、羽根車1は、ボス部2周辺の乱れた気流50を外周側へ導く。そして、仕事量が大きい半径RM付近の領域に、乱れの少ない気流55を多く通過させ、羽根車1の効率を向上させている。本実施の形態2のように、内周部14を含む一部の範囲の正圧面15が外周側を向くことにより、ボス部2周辺の乱れた気流50をより外周側へ導くことができる。すなわち、仕事量が大きい半径RM付近の領域に、乱れの少ない気流55をより多く通過させることができる。したがって、羽根車1の効率をより向上させることができる。
なお、本実施の形態2では、内周部14から半径Rが半径RAとなる範囲のうち、内周部14を含む一部の範囲において、正圧面15が外周側を向いていた。しかしながら、ボス部2周辺の乱れた気流50をより外周側へ導くことができれば、正圧面15が外周側を向いている範囲は、当該範囲に限定されない。例えば、内周部14から半径Rが半径RAとなる範囲のすべてにおいて、正圧面15が外周側を向いていてもよい。換言すると、内周部14から半径Rが半径RAとなる範囲のすべてにおいて、回転軸3から離れるように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びていてもよい。すなわち、内周部14から半径Rが半径RAとなる範囲のうち、内周部14を含む少なくとも一部の範囲において、回転軸3から離れるように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びていればよい。
また、図17に示すように、半径Rが半径RMとなる位置においては、角度φが90度よりも小さくなっている。すなわち、半径Rが半径RMとなる位置においては、回転軸3に近づくように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びている。換言すると、半径Rが半径RMとなる位置周辺は、正圧面15が内側を向いている。このように構成することにより、図15に示すように、半径Rが半径RMとなる位置周辺を流れる気流59は、内側に向かって流れる。
一般的に、軸流送風機の羽根車においては、翼間を流れる気流は、遠心力の影響によって外周側へ流れていく傾向がある。このため、半径Rが半径RMとなる位置周辺において正圧面15を内側へ向かせることにより、翼10における半径RMとなる位置周辺の仕事量を増大させることができる。換言すると、半径RMとなる位置周辺において、静圧上昇量を増大させることができる。ここで、実施の形態1で説明したように、羽根車1は、半径RMとなる位置周辺での仕事量を多くすることにより、羽根車1の効率を向上させている。このため、半径Rが半径RMとなる位置周辺において正圧面15を内側へ向かせることにより、羽根車1の効率をより向上させることができる。
また、図17に示すように、半径Rが半径RBとなる位置から外周部13までの範囲においては、角度φが90度よりも大きくなっている。すなわち、半径Rが半径RBとなる位置から外周部13までの範囲においては、回転軸3から離れるように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びている。換言すると、半径Rが半径RBとなる位置から外周部13までの範囲においては、正圧面15が外周側を向いている。具体的には、半径Rが0.75以上1.0以下となる範囲において、回転軸3から離れるように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びている。このように構成することにより、図15に示すように、半径Rが半径RBとなる位置から外周部13までの範囲を流れる気流60は、外周側に向かって流れる。このため、翼10の外周部13近傍において翼端渦57の発生を抑制できる。なお、翼端渦57の発生を抑制できる理由の詳細については、後述する。
なお、本実施の形態2では、半径Rが半径RBとなる位置から外周部13までの範囲のすべてにおいて、正圧面15が外周側を向いていた。しかしながら、半径Rが半径RBとなる位置から外周部13までの範囲のうち、外周部13を含む一部の範囲において正圧面15が外周側を向いていても、翼端渦57の発生を抑制できる。すなわち、半径Rが半径RBとなる位置から外周部13までの範囲のうち、外周部13を含む少なくとも一部の範囲において、正圧面15が外周側を向いていればよい。換言すると、半径Rが半径RBとなる位置から外周部13までの範囲のうち、外周部13を含む少なくとも一部の範囲において、回転軸3から離れるように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びていればよい。
次に、後縁部12における角度φと半径Rとの関係を説明する。
上述のように、一般的に、軸流送風機の羽根車においては、翼間を流れる気流は、遠心力の影響によって外周側へ流れていく傾向がある。このため、正圧面15において外周側を向いている範囲が多くなりすぎると、羽根車1の仕事量が低下してしまう。翼10によって空気を押し、該空気に力を加えようとした際、空気が羽根車1の外周側へ逃げてしまい、空気に加える力が低下するからである。ここで、図8を参照するとわかるように、ボス部2周辺の乱れた気流50によって発生する流れの剥離は、翼10の前縁部11側で発生する。すなわち、翼10の後縁部12側は、ボス部2周辺の乱れた気流50による影響が少ない。このため、本実施の形態2では、図17に示すように、各翼10の後縁部12は、内周部14から外周部13までの全域にわたって、角度φが90度よりも小さくなっている。すなわち、各翼10の後縁部12は、内周部14から外周部13までの全域にわたって、回転軸3に近づくように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びている。換言すると、各翼10の後縁部12は、内周部14から外周部13までの全域にわたって、正圧面15が内側を向いている。このように構成することにより、羽根車1の仕事量を増大させることができる。具体的には、翼10のそれぞれは、後縁部12から以下の図18に示す範囲において、内周部14から外周部13までの全域にわたって、正圧面15が内側を向いている。
図18は、本発明の実施の形態2に係る翼における、角度φと半径Rとの関係を示す図である。なお、図18では、半径Rを、半径比と称する無次元数で表している。詳しくは、図18では、内周部14の位置の半径Rが、「0.0」となっている。また、図18では、外周部13の位置の半径Rが、「1.0」となっている。また、図18に示す曲線C,D,Eは、翼10の翼弦線方向の異なる位置を示している。詳しくは、翼10の翼弦線方向の各位置を無次元数で表すとする。そして、後縁部12の位置を0.0とし、前縁部11の位置を1.0とする。このように定義した場合、曲線Cは、翼弦線方向の位置が0.7となる位置を示している。曲線Dは、翼弦線方向の位置が0.6となる位置を示している。曲線Eは、翼弦線方向の位置が0.5となる位置を示している。
図18からわかるように、曲線C、曲線D及び曲線Eと見ていくにつれて、角度φの値が小さくなっている。すなわち、翼弦線方向の位置の値が小さくなるにつれて、角度φが90度よりも小さくなっている。そして、翼弦線方向の位置が0.5となる位置を示す曲線Eは、内周部14から外周部13の全域において、角度φが90度よりも小さくなっている。すなわち、翼弦線方向の位置が0.5以下となっている範囲では、角度φが90度よりも小さくなっている。換言すると、翼弦線方向の位置が0.5以下となっている範囲では、回転軸3に近づくように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びている。すなわち、翼弦線方向の位置が0.5以下となっている範囲では、回転軸3に近づくように、正圧面15の法線が正圧面15から回転方向に延びている。換言すると、翼弦線方向の位置が0.5以下となっている範囲では、正圧面15が内側を向いている。すなわち、各翼10の正圧面15は、翼弦線方向の中心位置から後縁部12側において、内周部14から外周部13までの全域にわたって、正圧面15が内側を向いている。
続いて、本実施の形態2に係る羽根車1が、翼10の外周部13近傍において翼端渦57の発生を抑制できる理由について説明する。なお、以下ではまず、従来の軸流送風機の羽根車に発生する翼端渦57について説明する。そして、その後に、羽根車1に発生する翼端渦57について説明する。
図19は、従来の軸流送風機の羽根車を示す斜視図である。なお、図19に示す白抜き矢印は、従来の羽根車101が回転した際の全体的な空気の流れ方向を示している。また、図19に示す太線の矢印は、従来の羽根車101の回転方向を示している。また、図19では、従来の羽根車101が有する複数の翼110のうち、一部の翼110の図示を省略している。
上述のように、翼の正圧面が内側を向いている場合、翼の正圧面が外周側を向いている場合と比べ、静圧が上昇しやすい。すなわち、翼の正圧面が内側を向いている場合、翼の正圧面が外周側を向いている場合と比べ、正圧面と負圧面との圧力差が大きくなる。そして、翼の外周部において、正圧面と負圧面との圧力差が大きくなると、正圧面側から負圧面側へ空気が流れ込もうとし、翼端渦が発生する。
ここで、従来の羽根車101においては、各翼110の正圧面の外周部113は、前縁部111から後縁部112までの全域において、内側を向いている。すなわち、従来の羽根車101においては、各翼110の正圧面の外周部113は、前縁部111から後縁部112までの全域において、正圧面と負圧面との圧力差が大きくなっている。このため、従来の羽根車101の各翼110の外周部113では、前縁部111から翼端渦57が発生する。そして、この翼端渦57は、後縁部112に向かうにしたがって成長し、大きくなっていく。このため、従来の羽根車101は、この大きく成長した翼端渦57によって翼110間の流路が塞がれ、効率が低下してしまう。
一方、本実施の形態2に係る羽根車1の各翼10における正圧面15の外周部13は、前縁部11では、正圧面15が外周側を向いている。このため、図14に示すように、本実施の形態2に係る羽根車1の各翼10の外周部13では、正圧面15が外周側を向いている領域において翼端渦57が発生しない。そして、外周部13において正圧面15が内側を向く領域になると、翼端渦57が発生し始める。このため、本実施の形態2に係る羽根車1は、翼端渦57の発生を遅らせることができ、翼端渦57の成長を抑制できる。したがって、本実施の形態2に係る羽根車1は、翼端渦57によって塞がれる翼10間の流路の領域が減少する。このため、本実施の形態2に係る羽根車1は、従来の羽根車101と比べ、多くの空気が翼10間に流入することができ、効率が向上する。
また、外周部13において正圧面15が外周側を向く構成とすることにより、次のような効果を得ることもできる。
図20は、本発明の実施の形態2に係る軸流送風機の吹出側の風速分布を示す図である。詳しくは、図20の縦軸は、軸流送風機100の吹出側の風速を示している。また、図20の横軸は、羽根車1の回転軸3からの距離を示している。なお、図20の横軸では、羽根車1の回転軸3からの距離を、距離比と称する無次元数で表している。詳しくは、図20では、回転軸3から翼10の内周部14までの距離が、「0.3」となっている。また、図20では、回転軸3からケーシング20のベルマウス21の内周壁までの距離が、「1.0」となっている。
従来の軸流送風機では、翼の外周部とベルマウスの内周壁との間において、空気が逆流しようとし、漏れ渦が発生していた。このため、従来の軸流送風機では、翼の外周部とベルマウスの内周壁との間において、吹出側の風速が低下していた。一方、本実施の形態2に係る軸流送風機100においては、羽根車1の各翼10は、外周部13において正圧面15が外周側を向いている。このため、翼10の外周部13から吹き出される気流は、従来よりも外周側を向くこととなり、ベルマウス21の内周壁に衝突することとなる。これにより、本実施の形態2に係る軸流送風機100は、翼10の外周部13とベルマウス21の内周壁との間において漏れ渦が発生することを防止できる。このため、図20に示すように、本実施の形態2に係る軸流送風機100は、吹出側の風速分布を従来よりも均一にすることができる。
なお、実施の形態1及び本実施の形態2で示した羽根車1の翼10のそれぞれは、ボス部2の外周壁から、回転軸を中心とする仮想円の径方向よりも翼10の回転方向側に傾いて突出している。しかしながら、従来の軸流送風機の羽根車においては、翼のそれぞれが、ボス部の外周壁から回転軸を中心とする仮想円の径方向よりも翼の回転方向とは反対側に傾いて突出しているものも提案されている。実施の形態1及び本実施の形態で示した羽根車1の翼10のそれぞれをこのような構成としても、上述の効果を得ることができる。
また、実施の形態1及び本実施の形態2で示した羽根車1は、軸流送風機用の羽根車となっていた。これに限らず、羽根車1の翼10の構成を、斜流送風機用の羽根車の翼に採用してもよい。斜流送風機用の羽根車の翼に翼10の構成を採用しても、上述の効果を得ることができる。例えば、ボス部2を円錐台形状とし、該ボス部2の外周壁に各翼10を設けることにより、軸流送風機用の羽根車とすることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、実施の形態1又は実施の形態2で示した軸流送風機100が搭載された空気調和装置の一例について説明する。換言すると、本実施の形態3では、実施の形態1又は実施の形態2で示した羽根車1が搭載された空気調和装置の一例について説明する。詳しくは、以下では、軸流送風機100を空気調和装置の室内機200に搭載した例について説明する。なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図21は、本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の一例を示す縦断面図である。なお、図21では、図の左側を室内機200の前面側として示している。
室内機200は、筐体203を備えている。筐体203の上部には、室内空気を該筐体203の内部に吸込むための吸込口201が形成されている。また、筐体203の下部、より詳しくは筐体203の前面部下側には、空調空気を空調対象域に供給するための吹出口202が形成されている。吹出口202には、気流の吹出し方向を制御する機構、例えばベーン202a等が設けられている。
また、筐体203の内部には、吸込口201から吹出口202に至る風路内に、軸流送風機100及び熱交換器204が設けられている。軸流送風機100は、吸込口201の下流側でかつ、熱交換器204の上流側に配置されている。なお、軸流送風機100は、室内機200に要求される風量等に応じて、筐体203の長手方向(紙面直交方向)に複数個、並列配置される。熱交換器204は、室内空気と、熱交換器204の内部を流れる冷媒とを熱交換させ、空調空気を作り出すものである。
軸流送風機100の羽根車1が回転すると、室内空気は、吸込口201から筐体203内に取り込まれる。この室内空気は、熱交換器204を通過する際に冷媒と熱交換し、加熱又は冷却され、空調空気となる。この空調空気は、筐体203の下部の吹出口202から空調対象域に吹出される。
上述のように、実施の形態1及び実施の形態2で示した羽根車1は、従来よりも低騒音となっている。すなわち、実施の形態1及び実施の形態2で示した軸流送風機100は、従来よりも低騒音となっている。したがって、実施の形態1又は実施の形態2で示した軸流送風機100を備える室内機200は、従来よりも騒音を抑制することができる。
また、上述のように、実施の形態1及び実施の形態2で示した羽根車1は、従来よりも高効率となっている。すなわち、実施の形態1及び実施の形態2で示した軸流送風機100は、従来よりも高効率となっている。したがって、実施の形態1又は実施の形態2で示した軸流送風機100を備える室内機200は、従来よりも電力効率を向上させることができる。
また、実施の形態2で示した軸流送風機100は、吹出側の風速分布を従来よりも均一にすることができる。このため、実施の形態2で示した軸流送風機100は、熱交換器204等によって圧力損失が高くなる筐体203内に空気を流す場合においても、風速分布のばらつきに起因する送風性能の低下を抑制できる。したがって、実施の形態2で示した軸流送風機100を備える室内機200は、実施の形態1で示した軸流送風機100を備える室内機200と比べ、電力効率をさらに向上させることができる。
1 羽根車、2 ボス部、3 回転軸、10 翼、11 前縁部、12 後縁部、13 外周部、13a 前端部、13b 後端部、14 内周部、14a 前端部、14b 後端部、15 正圧面、16 負圧面、20 ケーシング、21 ベルマウス、30 仮想円、31 第1交点、32 第2交点、41 第1仮想直線、42 第2仮想直線、50 気流、51 渦、52 高速流れ、53 渦、54 付着点、55 気流、56 気流、57 翼端渦、58 気流、59 気流、60 気流、100 軸流送風機、101 羽根車(従来)、102 ボス部(従来)、103 回転軸(従来)、110 翼(従来)、111 前縁部(従来)、111a 接線方向(従来)、112 後縁部(従来)、113 外周部(従来)、115 正圧面(従来)、200、室内機、201 吸込口、202 吹出口、202a ベーン、203 筐体、204 熱交換器。

Claims (11)

  1. 回転軸を中心に回転するボス部と、
    前記ボス部の外周壁に設けられ、前記ボス部と共に前記回転軸を中心に回転する複数の翼と、
    を備え、
    前記翼のそれぞれは、
    これら前記翼の回転方向の前側の縁部である前縁部と、前記回転方向の後ろ側の縁部である後縁部と、外周側の縁部である外周部と、内周側の縁部である内周部と、
    を有し、
    前記回転軸を中心とする半径Rの円を仮想円と定義し、
    前記回転軸と垂直な平面に前記ボス部及び前記翼を投影した形状において、
    前記前縁部と前記仮想円との交点を第1交点、
    前記後縁部と前記仮想円との交点を第2交点、
    同一の前記翼における前記第1交点から前記第2交点までの前記仮想円の円弧の長さを第1翼長L1、
    任意の前記翼の前記第1交点から該翼と隣接する前記翼の前記第1交点までの前記仮想円の円弧の長さを翼間距離t、
    投影距離比σをσ=L1/t、
    と定義した場合、
    前記投影距離比σは、
    前記内周部から前記半径Rが半径RAとなる位置まで減少し、
    前記半径Rが前記半径RAとなる位置で第1極小値を有し、
    前記半径Rが前記半径RAとなる位置から、前記半径Rが前記半径RAよりも大きな半径RMとなる位置まで増加し、
    前記半径Rが前記半径RMとなる位置で極大値を有し、
    前記半径Rが前記半径RMとなる位置から、前記半径Rが前記半径RMよりも大きな半径RBとなる位置まで減少し、
    前記半径Rが前記半径RBとなる位置で第2極小値を有し、
    前記半径Rが前記半径RBとなる位置から、前記外周部にかけて増加する構成であり、
    前記内周部と前記半径RAとの中間位置となる前記半径Rを半径RC、
    前記半径RAと前記半径RMとの中間位置となる前記半径Rを半径RD、
    前記半径RMと前記半径RBとの中間位置となる前記半径Rを半径RE、
    前記半径RBと前記外周部との中間位置となる前記半径Rを半径RF、
    前記半径RC以上で前記半径RD以下の値となる前記半径Rを半径RG、
    前記半径RE以上で前記半径RF以下の値となる前記半径Rを半径RH、
    前記翼の子午面形状において、前記半径Rの位置における前記前縁部から前記後縁部までの前記回転軸と平行な方向の距離を第2翼長L2、
    と定義した場合、
    前記半径Rに対する前記第2翼長L2の比であるL2/Rは、
    前記内周部から前記半径Rが前記半径RGとなる位置まで増加し、
    前記半径Rが前記半径RGとなる位置で極大値を有し、
    前記半径Rが前記半径RGとなる位置から、前記半径Rが前記半径RHとなる位置まで減少し、
    前記半径Rが前記半径RHとなる位置で極小値を有し、
    前記半径Rが前記半径RHとなる位置から前記外周部にかけて増加する構成である羽根車。
  2. 前記半径Rを無次元数で表し、前記内周部の位置を0.0とし、前記外周部の位置を1.0とした場合、
    前記半径RAは、0.2以上で0.3以下の範囲内となり、
    前記半径RMは、0.45以上で0.55以下の範囲内となり、
    前記半径RBは、0.7以上で0.8以下の範囲内となる請求項1に記載の羽根車。
  3. 前記半径Rを無次元数で表し、前記内周部の位置を0.0とし、前記外周部の位置を1.0とした場合、
    前記半径RGは、0.15以上で0.25以下の範囲内となり、
    前記半径RHは、0.7以上で0.8以下の範囲内となる請求項1又は請求項2に記載の羽根車。
  4. 前記回転軸と垂直な平面に前記ボス部及び前記翼を投影した形状において、
    前記翼のそれぞれは、
    前記ボス部の外周壁から前記仮想円の径方向よりも前記回転方向側に傾いて突出している、あるいは、前記ボス部の外周壁から前記径方向よりも前記回転方向とは反対側に傾いて突出している請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の羽根車。
  5. 前記半径RMの位置における前記投影距離比σは、0.9以上で1.0未満となり、
    前記半径RBの位置における前記投影距離比σは、0.6以上となる請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の羽根車。
  6. 前記翼のそれぞれは、
    正圧面を有し、
    前記前縁部では、
    前記内周部から前記半径Rが前記半径RAとなる範囲のうち、前記内周部を含む少なくとも一部の範囲においては、前記回転軸から離れるように、前記正圧面の法線が前記正圧面から前記回転方向に延びており、
    前記半径Rが前記RMの位置においては、前記回転軸に近づくように、前記正圧面の法線が前記正圧面から前記回転方向に延びており、
    前記半径Rが前記半径RBとなる位置から前記外周部までの範囲のうち、前記外周部を含む少なくとも一部の範囲においては、前記回転軸から離れるように、前記正圧面の法線が前記正圧面から前記回転方向に延びており、
    前記後縁部では、
    前記回転軸に近づくように、前記正圧面の法線が前記正圧面から前記回転方向に延びている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の羽根車。
  7. 前記翼の翼弦線方向の各位置を無次元数で表し、前記後縁部の位置を0.0とし、前記前縁部の位置を1.0とした場合、
    前記翼のそれぞれは、前記翼弦線方向の位置が0.5以下となっている範囲では、前記回転軸に近づくように、前記正圧面の法線が前記正圧面から前記回転方向に延びている請求項6に記載の羽根車。
  8. 前記半径Rを無次元数で表し、前記内周部の位置を0.0とし、前記外周部の位置を1.0とした場合、
    前記翼のそれぞれの前記前縁部では、
    前記半径Rが0.0以上0.15以下となる範囲において、前記回転軸から離れるように、前記正圧面の法線が前記正圧面から前記回転方向に延びており、
    前記半径Rが0.75以上1.0以下となる範囲において、前記回転軸から離れるように、前記正圧面の法線が前記正圧面から前記回転方向に延びている請求項6又は請求項7に記載の羽根車。
  9. 請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載の羽根車と、
    ベルマウスが形成され、該ベルマウスの内周側に前記羽根車が配置されたケーシングと、
    を備えた送風機。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の羽根車と、
    前記羽根車の回転によって供給される空気と、内部を流れる冷媒とを熱交換させる熱交換器と、
    を備えた空気調和装置。
  11. 請求項9に記載の送風機と、
    前記送風機の前記羽根車の回転によって供給される空気と、内部を流れる冷媒とを熱交換させる熱交換器と、
    を備えた空気調和装置。
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