以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、以下の説明において、「前方」とは、電動自転車の走行時の進行方向であり、「後方」とはその反対方向である。具体的には、電動自転車のサドルに対してハンドル側が「前方」である。「左右方向」は、前後方向に対して直交する方向である。
[構成]
まず、実施の形態に係る電動自転車1の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る電動自転車1を示す側面図である。
電動自転車1は、第一モードと、第二モードとを有する。第一モードは、例えばアシストモードであり、ペダル17へのユーザの踏力に基づく車体10の前進を補助する。第二モードには、例えば押し歩きモード又は自走モードが含まれる。押し歩きモードでは、ユーザが電動自転車1を押して歩くときに、ユーザによる車体10を前へ押す力に基づいて、車体10の前進が補助される。自走モードでは、電動自転車1を支えながら進むときの車体10の前進が補助される。
電動自転車1は、車体10と、車体10に取り付けられたモータ駆動ユニット20と、操作部40と、バッテリー50と、前照灯60と、クランク回転センサ31と、踏力センサ33と、電流センサ130と、車速センサ243と、変速段計測部70とを備える。
車体10は、フレーム11と、前輪12と、後輪13と、ハンドル14と、サドル15と、クランク16と、ペダル17と、スプロケット18と、チェーン19とを備える。
フレーム11は、ヘッドパイプ111と、メインフレーム112と、立パイプ113と、フォーク114と、チェーンステー115とを備える。ヘッドパイプ111は、前輪12を支持するフォーク114及びハンドル14を、ヘッドパイプ111の軸を中心に回転自在に支持する。ハンドル14を左右に回すことで、フォーク114に支持された前輪12の向きを左右に回転させることができる。
メインフレーム112は、ヘッドパイプ111と立パイプ113とを連結する部分である。メインフレーム112の下端部には、クランク16及びモータ駆動ユニット20が取り付けられている。本実施の形態に係る電動自転車1は、クランク16とモータ駆動ユニット20とが一体化された、いわゆるセンターユニット方式の電動自転車1である。
立パイプ113は、サドル15を着脱自在に支持する。具体的には、立パイプ113には、サドル15を支持するシートポスト151が挿入されて固定される。本実施の形態では、立パイプ113に、バッテリー50が着脱可能に取り付けられている。
フォーク114は、前輪12を回転自在に支持する。前輪12を支持するフォーク114には、前照灯60が取り付けられている。チェーンステー115は、後輪13を回転自在に支持する。
図2は、実施の形態に係る電動自転車1のハンドル14及び操作部40の斜視図である。図2に示すように、ハンドル14には、一対のグリップ141及びブレーキレバー142が左右に設けられている。一対のグリップ141は、ユーザが適切な姿勢で乗車した場合に、手で握られる部分である。また、一対のグリップ141は、ユーザが電動自転車1を押して又は支えて歩く際にも手で握られて、前方への押力を受ける。一対のグリップ141の少なくとも一方には、握る力又は押力を検知するグリップセンサが設けられていてもよい。
一対のブレーキレバー142は、前輪12及び後輪13の各々に取り付けられた、図示しないブレーキ装置の動作レバーである。ユーザが一方のブレーキレバー142を操作することで、前輪12に取り付けられたブレーキ装置が駆動され、前輪12に対して機械的な制動力を与える。ユーザが他方のブレーキレバー142を操作することで、後輪13に取り付けられたブレーキ装置が駆動され、後輪13に対して機械的な制動力を与える。
一対のブレーキレバー142の一方(本実施の形態では左側のブレーキレバー142)の近傍には、操作部40が設けられている。操作部40は、前照灯60を点灯させるライトスイッチ(図示省略)、電源スイッチ41(図8参照)等を備えた端末装置である。また、操作部40は、機械式の手動スイッチ42を備えている。なお、手動スイッチ42の設置箇所は適宜変更可能である。手動スイッチ42は、第二モードを実行するための押し歩き操作を受け付ける。手動スイッチ42は、例えばモーメンタリ型のスイッチである。具体的には、ユーザによって手動スイッチ42が押下されている期間には、操作部40は、手動スイッチ42から発せられた、第二モードを実行するための信号(第二モードオン信号)を受け付け、当該第二モードオン信号を制御装置22(後述)に出力し続ける。つまり、操作部40は、第二モードを実行するための信号を受け付ける受付部の一例である。
一方、手動スイッチ42が押下されていない期間には、操作部40は、第二モードオン信号を制御装置22に出力しない。
図1に示すように、サドル15は、切替部152によって支持されている。サドル15は、ユーザが適切な姿勢で乗車した場合に、人(ユーザ)が座る部分である。サドル15は、当該サドル15の座面が正規の位置にある正規姿勢と、当該サドル15の座面が正規の位置から離れた非正規姿勢とで切替可能となっている。具体的には、図1では、サドル15が正規姿勢である場合を図示している。図3では、サドル15が非正規姿勢である場合を図示している。サドル15が正規姿勢である場合は、サドル15の座面にユーザが着座して運転可能な第一状態の一例である。サドル15が非正規姿勢である場合は、第一状態とは異なる第二状態の一例である。換言すると、第二状態とは、運転中にユーザがサドル15の座面に着座して運転できない状態とも言える。
切替部152は、サドル15を正規姿勢及び非正規姿勢に切り替える部位である。以下、切替部152について図4〜図7に基づき詳細に説明する。
図4は、実施の形態に係る正規姿勢時の切替部152を示す斜視図である。図5は、実施の形態に係る正規姿勢時の切替部152を示す断面斜視図である。図6は、実施の形態に係る非正規姿勢時の切替部152を示す斜視図である。図7は、実施の形態に係る非正規姿勢時の切替部152を示す断面斜視図である。
図4〜図7に示すように、切替部152は、台座部153と、レバー部154と、付勢部155と、状態検出部156とを備えている。
台座部153は、サドル15を可動自在に支持する部位である。具体的には、台座部153は、基台部157と、可動台158とを備えている。
基台部157は、可動台158を回転自在に保持する本体部1571と、本体部1571の下部から突出した軸部1572とを一体的に備えた金属部材である。本体部1571の上面には、下方に向けて凹んだ収容凹部1573が形成されている。収容凹部1573内には、状態検出部156が収容され固定されている。本体部1571の前側の端部には、可動台158を回転自在に軸支するための貫通孔1575が形成されている。また、本体部1571の前側の端部には、上方に向けて立設した第一支柱1579が設けられている。第一支柱1579の先端部には、付勢部155の一端部が連結されている。
本体部1571の後側の端部には、後方に向けて張り出した張り出し部1574が設けられている。張り出し部1574には、レバー部154をガイドするスリット1578が前後方向に沿って形成されている。レバー部154は、このスリット1578内に配置された状態で、本体部1571に対して回転自在に軸支されている。
可動台158は、サドル15を支持する部位である。可動台158は、図示しない軸体が本体部1571の貫通孔1575に挿通されることで、本体部1571に対して、左右方向に平行な軸体を中心に回転自在に保持されている。可動台158は、本体部1571の一部を覆う金属製のカバー体である。また、可動台158には、サドル15が固定されている。つまり、可動台158の動作に追従してサドル15が動作するようになっている。
可動台158の前側の端部には、本体部1571の第一支柱1579が貫通するスリット1581が形成されている。レバー部154の爪部1542(後述)による規制が解除されて可動台158が回転すると、第一支柱1579がスリット1581内で相対的に移動し、最終的には、可動台158の前端部が本体部1571の前端部に当接することになって、可動台158の回転が規制される。以降、可動台158が爪部1542で規制された状態を閉状態と称す。閉状態では、サドル15が正規姿勢となっている。一方、可動台158の前端部が本体部1571の前端部に当接することで規制された状態を開状態と称す。開状態では、サドル15が非正規姿勢となっている。
可動台158の後側の端部には、上方に向けて立設した第二支柱1589が設けられている。第二支柱1589の先端部には、付勢部155の他端部が連結されている。付勢部155は、例えばコイルバネなどのバネである。付勢部155は、第一支柱1579と第二支柱1589とが近づく方向の付勢力を、第一支柱1579及び第二支柱1589に対して付与している。このように、付勢部155は、可動台158が開状態となる方向、つまりサドル15が非正規姿勢となる方向への付勢力を付与している。
可動台158には、閉状態で本体部1571の張り出し部1574の上面に重なって、当該張り出し部1574を隠す遮蔽部1582が設けられている。閉状態では、張り出し部1574と遮蔽部1582とがなす間隔は、ユーザの指が侵入できない程度となっている。
また、可動台158には、本体部1571の収容凹部1573内に延びるアーム部1583を有している。アーム部1583は、その先端部にマグネット1584が固定されている。マグネット1584は、状態検出部156に対して近接して配置されている。マグネット1584は、アーム部1583を介して可動台158の動作に連動するので、状態検出部156との相対的な位置関係が変動する。例えば、図5に示すように、閉状態である場合には、マグネット1584は、状態検出部156の下端部付近に位置している。このマグネット1584における閉状態での位置を基準位置とする。一方、図7に示すように、開状態である場合には、マグネット1584は、状態検出部156に対して基準位置よりも上方に位置している。このマグネット1584における開状態での位置を開放位置とする。
レバー部154は、例えば略L字状の金属製の板材である。レバー部154の角部が本体部1571に対して回転自在に軸支されている。レバー部154における一端部は、ユーザによる操作を受ける把握部1541である。把握部1541は、本体部1571のスリット1578から後方に向けて突出している。レバー部154における他端部は、上方に向けて延び出ており、その先端部には爪部1542が設けられている。爪部1542は、可動台158に引っかかることで、閉状態での可動台158の回転を規制する。つまり、サドル15が正規姿勢で維持される。
また、把握部1541がユーザによって操作されると、レバー部154が回転することで爪部1542が可動台158から離れる。これにより、可動台158に対する規制が解除されるので、付勢部155の付勢力によって可動台158が回転し開状態となる。つまり、サドル15が非正規姿勢となる。
状態検出部156は、例えば磁気型近接センサであり、マグネット1584が基準位置にある場合には検出信号を出力せずに、マグネット1584が開放位置にある場合には検出信号を出力する。マグネット1584が開放位置に移動するのは、レバー部154による規制が解除されて、可動台158が開状態となったときである。つまり、状態検出部156は、レバー部154による規制が解除されたことを検出するとも言える。このように、状態検出部156は、マグネット1584の位置を検出することで、開状態、つまりサドル15の非正規姿勢を検出するセンサである。
状態検出部156は、台座部153に覆われるように、台座部153内に収容されている。具体的には、状態検出部156は、台座部153の一部である基台部157の収容凹部1573内に配置された状態で、台座部153の一部である可動台158によって覆われている。図4及び図5に示すように、開状態、閉状態あるいはこれらの遷移状態においても、状態検出部156は、台座部153によって覆われている。このように、全体として金属からなる台座部153によって状態検出部156が覆われているので、状態検出部156を簡単に改造することが防止されている。なお、改造防止の観点からは、台座部153が状態検出部156を完全に覆っていればよいが、状態検出部156の一部が台座部153から露出していてもよい。具体的には、台座部153に設けられたスリットなどから状態検出部156の一部が露出していてもよい。この場合、工具が進入しにくい大きさのスリットにしておけば、改造を防止することが可能である。
図1及び図3に示すように、クランク16は、クランク軸161と、一対のクランクアーム162とを有する。クランクアーム162は、メインフレーム112の両側に1つずつ設けられており、左右方向に延びるクランク軸161の両端に固定されている。クランクアーム162の一方端がクランク軸161に固定され、他方端には、ペダル17が回転自在に固定されている。ペダル17に踏力が加えられた場合、クランクアーム162がクランク軸161を中心に回転し、当該回転による人力駆動力がスプロケット18及びチェーン19を介して後輪13に伝達される。第一モードで動作する場合には、踏力に基づく人力駆動力と、当該人力駆動力に付加された電動モータ21による第一補助駆動力とが後輪13に伝達される。
モータ駆動ユニット20は、電動モータ21及び制御装置22が、樹脂製又は金属製の筐体に収納されてユニット化されている。
電動モータ21は、制御装置22による制御に基づいて、バッテリー50からの電力を受けて駆動する。電動モータ21の回転トルクは後輪13のスプロケットに伝達されて、後輪13が回転する。回転トルクは、第一補助駆動力及び第二補助駆動力を意味する。また、電動モータ21は、モータ出力を出さない非駆動時に回生電力を発生させてバッテリー50を充電する回生動作を行うことができ、回生ブレーキとして作動することができる。
電動モータ21は、第一補助駆動力及び第二補助駆動力となるモータである。電動モータ21は、第一モードを実行中に、ペダル17への踏力に基づく人力駆動力に、第一補助駆動力を付加する。また、電動モータ21は、第二モードを実行中に、電動自転車1に対する押して又は支えて歩く力に、第二補助駆動力を付加する。
図8は、実施の形態に係る電動自転車1の構成を示すブロック図である。図8に示すように、制御装置22は、クランク回転センサ31、踏力センサ33、電流センサ130、車速センサ243、変速段計測部70などのセンサによるセンシング情報に基づいて、電動モータ21の動作を制御する。本実施の形態では、制御装置22は、モータ駆動ユニット20の筐体の内部に収納されているが、これに限らない。制御装置22は、モータ駆動ユニット20とは別体で設けられていてもよい。
制御装置22は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)などで実現され、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどで構成されている。あるいは、制御装置22は、専用の電子回路で実現されてもよい。
制御装置22には、電動モータ21、クランク回転センサ31、踏力センサ33、電流センサ130、車速センサ243、変速段計測部70、電源スイッチ41、操作部40、バッテリー50、状態検出部156及び前照灯60が接続されている。制御装置22には、各スイッチに対する操作信号、及び、各センサによる検出結果が入力される。
クランク回転センサ31及び踏力センサ33は、クランク軸161の近傍に配置されている。電流センサ130は、電動モータ21の回転軸の近傍に配置されている。
クランク回転センサ31は、単位時間当たりのクランク16の回転数を検出することができる。クランク回転センサ31は、歯車状の回転体と、回転体の歯を挟むように配置された光出射部と受光部とを有する光検出器とを有することで実現する。なお、クランク回転センサ31は、クランク16の回転数を検出することができればいかなる構成でもよい。
電流センサ130は、電動モータ21に流れる電流値を算出する回路であり、電流値を示す電流情報を出力する。電流センサ130は、モータ回転センサ32と、モータトルクセンサ131とを有する。電流センサ130は、モータ回転センサ32が検知した単位時間当たりの電動モータ21の回転数と、モータトルクセンサ131が検知した電動モータ21のトルクとを用いて電流値を算出する。なお、電流値の算出は、モータ回転センサ32、及びモータトルクセンサ131がそれぞれ単独でも行うことが可能である。このため、電流値の算出には、モータ回転センサ32、及びモータトルクセンサ131の両方を必ず用いる必要はない。
モータ回転センサ32は、電動モータ21の回転軸と一体的に回転する磁石と、ホールICとを有する。ホールICは、磁石の回転に応じて変化する磁界の変化を検出することで、単位時間当たりの磁石の回転数、すなわち、電動モータ21の回転数を検出する。なお、モータ回転センサ32は、電動モータ21の回転数を検出することができればいかなる構成でもよい。
モータトルクセンサ131は、電動モータ21のトルクを検出することができる。モータトルクセンサ131は、例えば磁歪式、歪みゲージ式、光学式等のトルクセンサであるが、これに限定されず、電動モータ21のトルクを検出することができればいかなる構成でもよい。
踏力センサ33は、磁歪式のトルクセンサであり、ペダル17への人力駆動力に基づいてクランク軸161が回転することにより発生する人力駆動力を検出する。踏力センサ33は、コイルと、磁歪発生部とを有する。例えば、ペダル17に踏力が加えられて人力駆動力が発生した場合に、磁歪発生部に歪みが発生する。磁歪発生部には、透磁率が増加する部位と減少する部位とが発生する。このコイルのインダクタンス差を検出することで、人力駆動力を検出する。なお、踏力センサ33の構成は特に限定されず、ペダル17への人力駆動力が検出できればいかなる構成でもよい。人力駆動力は、踏力と同義である。
車速センサ243は、例えば、フォーク114の下端部に設けられている。車速センサ243は、前輪12の回転から電動自転車1の走行速度を検出し、走行速度を示す速度情報を制御装置22に送信する。車速センサ243は、例えば、速度センサ等である。車速センサ243は、電動自転車1の走行速度に関する速度情報を制御装置22に出力する。速度センサは、例えば、ホイルセンサなどであってもよいが、対地速度により算出するサイクルコンピュータであってもよく、電動自転車1の速度を検知することができればいかなる構成でもよい。
変速段計測部70は、後輪13の変速段を計測し、変速段を示す情報を制御装置22へ送信する。変速段の計測は、例えば、変速段切替装置が出力する変速段を示す情報を制御部221に出力することで実現してもよい。
制御装置22は、クランク回転センサ31、踏力センサ33、電流センサ130、車速センサ243、変速段計測部70などのセンサによるセンシング情報に基づいて、電動モータ21の動作、つまり、適切な第一補助駆動力及び第二補助駆動力を付与するための電動モータ21の出力を制御する。本実施の形態では、制御装置22は、モータ駆動ユニット20の筐体の内部に収納されているが、これに限らない。制御装置22は、モータ駆動ユニット20とは別体で設けられていてもよい。
制御装置22は、バッテリー50から供給される電力を、電動モータ21及び前照灯60に供給する。
制御装置22は、制御部221を有する。制御部221は、電動自転車1の動作モードに応じて、電動モータ21を駆動する。具体的には、制御部221は、第一モードと第二モードとを有し、第一モードと第二モードとを切り替えて実行する。
第一モードの一例であるアシストモードは、ペダル17への踏力に基づく人力駆動力に、電動モータ21による第一補助駆動力を付加して走行するモードである。アシストモードは、電源スイッチ41が押下されて電源がオンされた後、ユーザが電動自転車1に乗車している場合に実行される。具体的には、アシストモードは、踏力センサ33で検知したペダル17への踏力が所定の閾値より大きい場合に実行される。
第二モードは、車体10への押力に、電動モータ21による第二補助駆動力を付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させるモード(押し歩きモード又は自走モード)を有する。つまり、押し歩きモードは、電源がオン状態で、ユーザが電動自転車1を押し歩く際に、電動モータ21による第二補助駆動力を車体10に付加するモードである。押し歩きモードは、ユーザが電動自転車1に乗車しておらず、電動自転車1の車体10を押しながら歩く場合に実行される。
自走モードは、電動自転車1をユーザが支えた状態で、電動モータ21による第二補助駆動力を車体10に付加して自走させるモードである。自走モードは、押し歩きモードと同様に、人が電動自転車1に乗車しておらず、電動自転車1の車体10を支えながら歩く場合に実行される。自走モードにおいて、ユーザは、車体10を前方に押す力を加えていない。
なお、押し歩きモードと自走モードとは、車体10に対する前方への押す力の有無によって判別可能である。制御部221は、例えば、グリップ141などに設けられたグリップセンサなどによって前方への押す力の有無を検知し、検知結果に応じて押し歩きモードと自走モードとを切り替えて実行してもよい。あるいは、制御部221は、押し歩きモードと自走モードと判別することなく、第二補助駆動力を付加する第二モードとして実行してもよい。
制御部221は、アシストモードを実行する場合、ペダル17への踏力と電動自転車1の走行速度とに基づいて、電動モータ21が生成する第一補助駆動力の大きさを決定する。ペダル17への踏力は、踏力センサ33による検出結果から得られる。電動自転車1の走行速度は、車速センサ243によって算出される。
なお、クランク16の回転数と電動自転車1の速度とを予め対応付けたテーブルが、制御装置22のメモリに記憶されていてもよい。制御部221は、当該テーブルを参照することで、クランク16の回転数から電動自転車1の走行速度を決定してもよい。
アシストモードにおける第一補助駆動力は、電動自転車1の走行速度に応じて異なるが、例えば、ペダル17への踏力の2倍以下の大きさである。例えば、制御部221は、電動自転車1の走行速度が時速10km未満の場合に、電動モータ21を駆動することで、ペダル17への踏力の2倍以下の第一補助駆動力を発生させる。制御部221は、速度が時速24km以上の場合は、電動モータ21に第一補助駆動力を発生させない。制御部221は、速度が時速10km以上24km未満の場合には、電動モータ21を駆動することで、速度に応じて定められた第一補助駆動力を発生させる。
制御部221は、サドル15が非正規姿勢であることを状態検出部156が検出した場合に、受付状態となったら前記第二モードを実行する。受付状態とは、第二モードを実行するための操作(押し歩き操作)を操作部40が受け付けている状態である。具体的には、受付状態は、ユーザによって手動スイッチ42が押下されることにより、操作部40から制御装置22に第二モードオン信号が出力されている状態である。
一方、制御部221は、サドル15が非正規姿勢であることを状態検出部156が検出していない場合には、第二モードの実行を禁止する。制御部221は、禁止中に受付状態になっても第二モードを実行しない。
制御部221は、第二モードの実行中に、受付状態が解除された場合には、第二モードを停止する。受付状態の解除とは、第二モードを実行するための操作を操作部40が受け付けていない状態である。具体的には、ユーザによる手動スイッチ42の押下がなくなり、操作部40から制御装置22に第二モードオン信号が出力されていない状態である。
なお、第二モードは、ペダル17への踏力が所定の閾値より大きい場合には実行されなくてもよい。つまり、第一モードと第二モードとは、排他的に実行される。
制御部221は、第二モードを実行する場合、電動自転車1の走行速度が予め定められた上限値を超えないように、電動モータ21に第二補助駆動力を生成させる。第二モードにおける第二補助駆動力は、例えば、電動自転車1の速度が時速6km未満になる大きさである。ここでは、電動自転車1の走行速度の上限値が時速6kmとしたが、3kmでもよく、特に限定されない。
バッテリー50は、電動モータ21の駆動用の電力を貯める蓄電池である。バッテリー50は、例えば、二次電池であるが、キャパシタなどであってもよい。バッテリー50は、電動モータ21に電気的に接続されている。具体的には、バッテリー50は電動モータ21に対して電力を供給するとともに、電動モータ21からの回生電力を充電する。
[電動自転車の制御方法]
図9は、実施の形態に係る電動自転車1の制御方法の流れを示すフローチャートである。
ここでは、予め電源スイッチ41がオンされている場合を想定し、電動自転車1に対して第二モードを実行させる処理について説明する。なお、第二モードの実行中に電源スイッチ41がオフになると、電動モータ21に対する電力供給が停止されるので、第二モードも停止する。
ステップS1では、制御部221は、サドル15が非正規姿勢であることを状態検出部156が検出したか否かを判断し、非正規姿勢が検出されていない場合にはステップS2に移行し、非正規姿勢が検出されている場合にはステップS3に移行する。
ステップS2では、制御部221は、第二モードの実行を禁止する。禁止中においては、受付状態になったとしても制御部221は第二モードを実行しない。
ステップS3では、制御部221は、受付状態を検出したか否かを判断し、受付状態を検出している場合にはステップS3に移行し、受付状態を検出していない場合にはステップS1に移行する。なお、制御部221は、ステップS3に移行する時点で、第二モードの実行が禁止されている場合には、その禁止を解除する。
ステップS4では、制御部221は第二モードを実行する。つまり、第二モードの実行時には、サドル15が非正規姿勢であるので、サドル15にユーザが着座していない状態となる。
ステップS5では、制御部221は、受付状態が解除されたか否かを判断し、解除された場合にはステップS6に移行し、解除されていない場合にはその状態を継続する。
ステップS6では、制御部221は、第二モードを停止する。制御部221は、第二モードの停止後においては、この処理を終了し最初に戻る。
[作用効果]
次に、本実施の形態における電動自転車1及び電動自転車1の制御方法の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態に係る電動自転車1は、電動モータ21を備え、ユーザが着座して運転可能な第一状態と、第一状態とは異なる第二状態とが切替可能な電動自転車1であって、ペダル17への踏力に基づく人力駆動力に、電動モータ21による第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、電動モータ21による第二補助駆動力を車体10への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部221と、第二モードを実行するための信号を受け付ける操作部40(受付部)と、電動自転車1が第二状態であることを検出する状態検出部156と、を備え、制御部221は、電動自転車1が第二状態であることを状態検出部156が検出した場合には、操作部40が前記信号を受け付けると第二モードを実行し、電動自転車1が第二状態であることを状態検出部156が検出していない場合には、第二モードの実行を禁止する。
これによれば、第二状態であることを状態検出部156が検出していない場合には第二モードの実行が禁止されるので、ユーザが着座して運転可能な第一状態では第二モードの実行が禁止される。したがって、ユーザが電動自転車に乗車した状態では押し歩き用の補助駆動力を発生させない電動自転車を提供することができる。
状態検出部156は、電動自転車1の第二状態を検出すればよいので、圧力センサよりも安定性の高いセンサ(例えば磁気型近接センサ)を状態検出部156として採用することができる。
また、電動自転車1は、ユーザが着座するサドル15であって、当該サドル15の座面が正規の位置にある正規姿勢と、サドル15の座面が正規の位置から離れた非正規姿勢とで切替可能なサドル15を備え、第一状態には、サドルが正規姿勢である場合が含まれ、第二状態には、サドル15が非正規姿勢である場合が含まれる。
これによれば、サドル15が非正規姿勢である場合が第二状態に含まれているので、実際にユーザが着座する可能性が高いサドル15の状態を起因として、第二モードの実行を禁止するか否かを決定することができる。
また、電動自転車1は、サドル15の正規姿勢を維持するため、サドル15の動作を規制するとともに、当該規制を解除するレバー部154と、サドル15に対して非正規姿勢となる方向への付勢力を付与する付勢部155とを備え、状態検出部156は、レバー部154による規制が解除されたことを検出することで、第二状態であることを検出する。
例えばユーザが工具などを用いてサドル15の姿勢調整を行うことも想定されるが、このような姿勢調整はあくまで運転時の体勢を調整するためのものである。人によっては、一見、非正規姿勢と判断される姿勢にサドル15が調整される場合もある。このような姿勢も、状態検出部156が非正規姿勢と誤判断してしまうと、ユーザが着座した状態でも第二モードは禁止されないおそれがある。このため、状態検出部156は、レバー部154による規制が解除されたことを検出することで、第二状態であることを検出するので、前述した誤判断の発生を防止することができる。
また、電動自転車1は、サドル15を支持する台座部153であって、サドル15の動作に連動する台座部153を備え、状態検出部156は、台座部153に覆われるように、台座部153内に収容されている。
ここで、人によっては、第二状態を検出できないように状態検出部156を改造することで、第二状態でも第二モードを実行させる場合も想定される。しかし、状態検出部156は、台座部153によって覆われているので、状態検出部156を簡単に改造することが防止されている。
[変形例1]
上記実施の形態では、第二状態として、サドル15が非正規姿勢である場合を例示した。この変形例2では、ペダル17aが折り畳まれている状態も第二状態に含まれる場合を例示する。なお、以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図10は、変形例1に係る電動自転車1Aを示す側面図である。図10では、ペダル17aが折り畳まれている状態を示している。具体的には、ペダル17aは、クランクアーム162に対して折り畳み自在に設けられている。ペダル17aが折り畳まれていない状態は図1に示す電動自転車1と同様である。ペダル17aが折り畳まれていると、ユーザは、サドル15に着座していてもペダル17aを踏めない。つまり運転できない状態である。このため、ペダル17aが折り畳まれている状態は第二状態に含めることができる。一方、ペダル17aが折り畳まれていない状態は第一状態に含めることができる。
また、ペダル17aに対しても第二の状態検出部(図示省略)が設けられている。この第二の状態検出部は、ペダル17aが折り畳まれた状態を検出することで、第二状態であることを検出する。
第二の状態検出部は、制御部221に対して通信自在に接続されている。なお、第二の状態検出部と、制御部221とを配線により電気的に接続することも可能であるが、配線はクランクアーム162を介することになるので、クランクアーム162の回転により劣化の進行が早まるおそれがある。このような劣化を防ぐべく、第二の状態検出部は無線によって制御部221と通信自在に接続されていればよい。
制御部221は、状態検出部156がサドル15の非正規姿勢を検出した場合及び第二の状態検出部がペダル17aの折り畳まれている状態を検出した場合の少なくとも一方があると、第二モードの実行を禁止する。
このように、状態検出部(状態検出部156及び第二の状態検出部)を複数備えている場合には、これらの状態検出部の検出結果を複合的に用いて制御部221が第二モードの実行の禁止を決定することができるので、ユーザが電動自転車に乗車した状態でも押し歩き用の補助駆動力をより確実に発生させないことができる。
なお、この変形例1では、状態検出部156と第二の状態検出部とが設けられた電動自転車1Aを例示した。しかしながら、第二の状態検出部のみを備えた電動自転車であってもよい。
[変形例2]
上記実施の形態では、第二モードを実行するための操作を受け付ける操作部40の手動スイッチ42がハンドル14に設けられている場合を例示した。この変形例2では、操作部の手動スイッチがサドルの切替部に設けられている場合を例示する。なお、以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図11は、変形例2に係る非正規姿勢時の切替部152bを示す斜視図である。図11に示すように、切替部152bの基台部157bには、張り出し部1574bの上面に手動スイッチ42bが配置されている。これにより、手動スイッチ42bは、レバー部154の把握部1541の近傍に配置されている。前述したように張り出し部1574bの上面は、正規姿勢時に可動台158の遮蔽部1582が重なることで隠された状態となっている(図4及び図5参照)。また、張り出し部1574の上面は、非正規姿勢時には、露出した状態となる(図11参照)。このように、手動スイッチ42bは、正規姿勢時には隠れており、非正規姿勢時には露出する箇所(張り出し部1574の上面)に配置されている。つまり、正規姿勢時には手動スイッチ42bも遮蔽部1582によって隠されている。このように手動スイッチ42bが隠れているため、正規姿勢時にはユーザは手動スイッチ42bを操作できず、結果的に第二モードも実行できない状態となる。一方、非正規姿勢時には、手動スイッチ42bが露出するため、ユーザは手動スイッチ42bを操作することが可能となる。露出した手動スイッチ42bを操作するには、ユーザは必然的にサドル15から降りていなければならない。つまり、運転中には、ユーザは手動スイッチ42bの操作を行えないので、運転中の第二モードの実行を確実に防止することができる。
また、電動自転車1は、サドル15を支持する可動台158と、可動台158を回転自在に保持することで、正規姿勢及び非正規姿勢が切り替わるように可動台158を保持する基台部157とを備え、手動スイッチ42bは、基台部157に対して設けられている。
これによれば、回転しない基台部157に手動スイッチ42bが設けられているので、簡素な構造とすることが可能となる。
また、サドル15の正規姿勢を維持するため、サドル15の動作を規制するとともに、当該規制を解除するレバー部154と、サドル15に対して非正規姿勢となる方向への付勢力を付与する付勢部155とを備え、手動スイッチ42bは、レバー部154における把握部1541の近傍に配置されている。
これによれば、レバー部154における把握部1541の近傍に手動スイッチ42bが配置されているので、把握部1541に対する解除操作から、手動スイッチ42bに対する操作へスムーズに移行することができる。
なお、サドル15が正規姿勢である場合には隠れており、サドル15が非正規姿勢である場合には露出する箇所に操作部40の手動スイッチ42bが配置されているのであれば、状態検出部156がなくても、運転中の第二モードの実行を防止することができる。つまり、電動モータ21を備える電動自転車1であって、ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に、電動モータ21による第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、電動モータ21による第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部221と、第二モードを実行するための操作を受け付ける手動スイッチ42b(操作部)と、ユーザが着座するサドル15であって、当該サドル15の座面が正規の位置にある正規姿勢と、サドル15の座面が正規の位置から離れた非正規姿勢とで切替可能なサドル15と、を備え、制御部221は、手動スイッチ42bが前記操作を受け付けると第二モードを実行し、手動スイッチ42bは、サドル15が正規姿勢である場合には隠れており、サドル15が非正規姿勢である場合には露出する箇所に配置されている、という構成であってもよい。
[その他]
以上、本発明に係る電動自転車について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、サドル15が左右方向に平行な軸体を中心にして回転することで、正規姿勢と非正規姿勢とが切り替わる場合を例示した。しかし、サドル15の回転方向は如何様でもよい。例えば、サドル15が前後方向に平行な軸体を中心にして回転することで正規姿勢と非正規姿勢とが切り替わってもよい。
また、上記実施の形態では、状態検出部156が、マグネット1584が基準位置にある場合に検出信号を出力せずに、マグネット1584が開放位置にある場合には検出信号を出力することで、サドル15が非正規姿勢であることを検出するものとした。しかしながら、検出信号の出力条件を反転させたとしても、サドル15が非正規姿勢であることを状態検出部156で検出することは可能である。つまり、サドル15の正規姿勢を検出するセンサであっても、正規姿勢を検出していない場合には非正規姿勢を検出しているとも言えるので、当該センサを状態検出部156として用いることもできる。
また、上記実施の形態では、状態検出部156は、マグネット1584の位置が開放位置である場合にサドル15が非正規姿勢であることを検出している。しかし、サドル15の座面の角度を検出する角度センサを状態検出部とすることも可能である。この場合、状態検出部は、検出した座面の角度が、水平面に対して45度以上、好ましくは60度以上であれば、サドル15が非正規姿勢であると判断すればよい。また、サドル15が非正規姿勢であると判断するための閾値は、30度〜270度の範囲で設定することも可能である。この場合、30度〜90度の範囲において10度刻みで段階的に設定可能とするのがよい。また、状態検出部は、サドル15の座面が正規姿勢から傾いたことを検知した場合に、サドル15が非正規姿勢であると判断してもよい。
角度センサは、水平面に対する座面の角度を直接検出してもよいし、可動台158の回転角度を検出することで間接的に座面の角度を検出してもよい。
また、上記実施の形態及び変形例1では、電動自転車1における、ユーザが着座して運転可能な第一状態として、サドル15の正規姿勢時及びペダル17が折り畳まれていない状態などを例示した。ところで、サドル15が非正規姿勢であっても、ユーザが無理な体勢をとってサドル15の座面に着座して運転することはやろうと思えば可能である。つまり、第一状態には、ユーザが無理な体勢であれば着座して運転可能な状態も含まれると、解釈することもできる。しかし、このような体勢では、運転の安定性を損なわせるために、メーカは推奨しないのが一般的である。このため、第一状態とは、メーカが推奨する体勢でユーザが着座して運転可能な状態と定義することもできる。
また、後輪上に荷台がある電動自転車においては、ユーザが荷台に着座して運転する場合も想定される。この場合にも、第二モードを禁止してもよい。具体的には、荷台を、当該荷台に荷物を載置可能な載置可能状態(ユーザが荷台に着座可能な状態)と、当該荷台に荷物を載置できない載置不可能状態とに切替自在とする。また、電動自転車には、状態検出部として、載置不可能状態を検出することで第二状態を検出するセンサを設ければよい。当該センサが第二状態を検出していない場合には、制御部が第二モードの実行を禁止するので、ユーザが荷台に着座して運転したとしても、第二モードの実行が禁止される。
また、折畳式のハンドルを搭載した電動自転車の場合には、ハンドルが折り畳まれた状態を第二状態とすることができる。この場合には、ハンドルが折り畳まれている状態を検出するセンサを状態検出部として電動自転車に設ければよい。
なお、電動自転車の第二状態としては、ユーザが着座して運転可能な第一状態とは異なる状態であれば、如何なる状態を適用することができる。
また、上記実施の形態では、状態検出部156として磁気型近接センサを例示した。しかしながら、電動自転車の第二状態を検出することができるのであれば、状態検出部として如何なるセンサを採用することができる。その他のセンサとしては、電気式センサ、光学式センサ、画像センサなどが挙げられる。
また、上記実施の形態では、受付部の一例として操作部40を例示した。しかしながら、第二モードを実行するための信号を受け付けるのであれば、受付部は如何様でもよい。例えば、ユーザからの押力を検出する押力センサが電動自転車に設けられている場合には、当該押力センサが押力を検出し出力した信号を、第二モードを実行するための信号とすることも可能である。この場合、押力センサからの信号を受ける制御部が受付部となる。
また、上記実施の形態において、制御装置の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、制御装置22の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。