JP6737051B2 - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブシャフトに関する。
振りやすさの観点から、重心の位置がバット寄りとされたシャフトが提案されている。特許第5824592号公報では、シャフト重心率が44.5%以下であり、シャフトの調子率が0.50以下であるウッド型ゴルフクラブが開示されている。
特許第5824592号公報
991mm以下のシャフトは、主としてアイアンクラブに用いられる。この長さのシャフトにおいては、より長いシャフトに比べて、高い方向安定性が求められる。この点に関して、従来の競技者用のシャフトは、重量が大きく且つシャフト重心もチップ寄りであるため、方向安定性は高いものの、振りにくく、飛距離性能が低いという問題があった。一方、先端部の剛性が小さいシャフトでは、打出し角度は大きいものの、方向安定性が低く、結果として飛距離をロスする傾向にあった。方向安定性に加えて、振りやすさと飛距離性能とを高い次元で達成しうるシャフトは、存在していない。
本発明の目的は、方向安定性及び飛距離性能に優れたゴルフクラブシャフトの提供にある。
本発明に係る好ましいシャフトは、チップ端及びバット端を有している。シャフト全長がLsとされ、シャフトのバット端からシャフト重心までの距離がLgとされ、シャフト全長Lsに対する前記距離Lgの割合がシャフト重心率とされるとき、このシャフト重心率が47%以下である。前記シャフト全長Lsは、991mm以下である。順式フレックスがF1(mm)であり、逆式フレックスがF2(mm)であるとき、下記式(1)によって算出されるシャフト調子率C1が39%以下である。
C1=[F2/(F1+F2)]×100 ・・・(1)
好ましくは、991mm換算でのシャフト重量が75g以下である。
好ましくは、前記チップ端の外径E1が9.5mm以下である。好ましくは、前記バット端の外径E2が15.3mm以上である。
好ましくは、前記シャフトは、複数の繊維強化層によって構成されている。好ましくは、前記複数の繊維強化層は、チップ部分層を含む。好ましくは、前記チップ部分層は、繊維弾性率が30(t/mm)以上である高弾性チップ部分層を含む。
好ましくは、前記シャフト全長Lsが、914mm以上991mm以下である。前記チップ端の外径がE1(mm)とされるとき、好ましくは、E1×F2が580mm以下である。
好ましくは、前記シャフト全長Lsが、914mm以上991mm以下である。前記バット端の外径がE2(mm)とされるとき、好ましくは、E2×F1が1300mm以上である。
方向安定性及び飛距離性能に優れたシャフトが得られうる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るシャフトを備えたゴルフクラブを示す。 図2は、第1実施形態に係るシャフトの展開図である。 図3(a)は順式フレックスの測定方法を示し、図3(b)は逆式フレックスの測定方法を示す。 図4は、曲げ剛性EIの測定方法を示す。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
なお本願では、「層」という文言と、「シート」という文言とが用いられる。「層」は、巻回された後における称呼であり、これに対して「シート」は、巻回される前における称呼である。「層」は、「シート」が巻回されることによって形成される。即ち、巻回された「シート」が、「層」を形成する。また、本願では、層とシートとで同じ符号が用いられる。例えば、シートs1によって形成された層は、層s1とされる。
本願において「内側」とは、シャフト半径方向における内側を意味する。本願において「外側」とは、シャフト半径方向における外側を意味する。
本願において、「軸方向」とは、シャフト軸方向を意味する。
軸方向に対する繊維の角度に関して、本願では、角度Af及び絶対角度θaが用いられる。角度Afは、プラス又はマイナスを伴う角度である。絶対角度θaは、角度Afの絶対値である。換言すれば、絶対角度θaとは、軸方向と繊維方向との成す角度の絶対値である。例えば、「絶対角度θaが10°以下」とは、「角度Afが−10度以上+10度以下」であることを意味する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブシャフト6を備えたゴルフクラブ2を示す。ゴルフクラブ2は、ヘッド4と、シャフト6と、グリップ8とを備えている。シャフト6の先端部に、ヘッド4が設けられている。シャフト6の後端部に、グリップ8が設けられている。なお、ヘッド4及びグリップ8は限定されない。ヘッド4として、ウッド型ゴルフクラブヘッド、ハイブリット型ゴルフクラブヘッド、ユーティリティ型ゴルフクラブヘッド、アイアン型ゴルフクラブヘッド、パターヘッド等が例示される。
本実施形態のヘッド4は、アイアン型ゴルフクラブヘッドである。本発明は、991mm以下のシャフトにおいて効果的である。この観点から、ヘッド4として、アイアン型ゴルフクラブヘッド及びハイブリット型ゴルフクラブヘッドが好ましく、アイアン型ゴルフクラブヘッドがより好ましい。
ヘッド4の材質は限定されない。ヘッド4の材質として、チタン、チタン合金、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、ステンレス鋼、マルエージング鋼、軟鉄等が挙げられる。複数の材質の組み合わせも可能である。アイアンヘッドの場合、軟鉄、ステンレス鋼及びチタン合金が好ましい。
シャフト6は、繊維強化樹脂層の積層体からなる。シャフト6は、管状体である。シャフト6は中空構造を有する。図1が示すように、シャフト6は、チップ端Tpとバット端Btとを有する。チップ端Tpは、ヘッド4の内部に位置している。バット端Btは、グリップ8の内部に位置している。
シャフト6は、いわゆるカーボンシャフトである。好ましくは、シャフト6は、プリプレグシートを硬化させてなる。このプリプレグシートでは、繊維は実質的に一方向に配向している。このように繊維が実質的に一方向に配向したプリプレグは、UDプリプレグとも称される。「UD」とは、ユニディレクションの略である。UDプリプレグ以外のプリプレグが用いられても良い。例えば、プリプレグシートに含まれる繊維が編まれていてもよい。
プリプレグシートは、繊維と樹脂とを有している。この樹脂は、マトリクス樹脂とも称される。典型的には、この繊維は炭素繊維であり、ガラス繊維も好ましく用いられる。典型的には、このマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂である。
シャフト6は、いわゆるシートワインディング製法により製造されている。プリプレグにおいて、マトリクス樹脂は、半硬化状態にある。シャフト6は、プリプレグシートが巻回され且つ硬化されてなる。この硬化とは、半硬化状態のマトリクス樹脂を硬化させることである。この硬化は、加熱により達成される。シャフト6の製造工程には、加熱工程が含まれる。この加熱工程により、プリプレグシートのマトリクス樹脂が硬化する。
図2は、シャフト6を構成するプリプレグシートの展開図(シート構成図)である。シャフト6は、複数枚のシートにより構成されている。図2の実施形態では、シャフト6は、s1からs12までの12枚のシートにより構成されている。本願において、図2等で示される展開図は、シャフトを構成するシートを、シャフトの半径方向内側から順に示している。展開図において上側に位置しているシートから順に巻回される。本願の展開図において、図面の左右方向は、シャフト軸方向と一致する。本願の展開図において、図面の右側は、シャフトのチップ端Tp側である。本願の展開図において、図面の左側は、シャフトのバット端Bt側である。
本願の展開図は、各シートの巻き付け順序のみならず、各シートのシャフト軸方向における配置をも示している。例えば図2において、シートs10から12の端はチップ端Tpに位置している。例えば図2において、シートs3及びシートs4の端はバット端Btに位置している。
シャフト6は、ストレート層とバイアス層と、フープ層とを有する。本願の展開図において、繊維の配向角度が記載されている。「0°」と記載されているシートが、ストレート層を構成している。ストレート層用のシートは、本願においてストレートシートとも称される。
ストレート層は、繊維の配向がシャフトの長手方向(シャフト軸方向)に対して実質的に0°とされた層である。巻き付けの際の誤差等に起因して、繊維の配向はシャフト軸線方向に対して完全に0°とはならない場合がある。通常、ストレート層では、上記絶対角度θaが10°以下である。
図2の実施形態において、ストレートシートは、シートs5、シートs6、シートs8、シートs9、シートs10、シートs11及びシートs12である。ストレート層は、シャフトの曲げ剛性及び曲げ強度との相関が高い。
一方、バイアス層は、シャフトの捻れ剛性及び捻れ強度との相関が高い。好ましくは、バイアス層は、繊維の配向が互いに逆方向に傾斜した2枚のシートペアから構成されている。捻れ剛性の観点から、バイアス層の絶対角度θaは、好ましくは15°以上であり、より好ましくは25°以上であり、更に好ましくは40°以上である。捻れ剛性及び曲げ剛性の観点から、バイアス層の絶対角度θaは、好ましくは60°以下であり、より好ましくは50°以下である。
シャフト6は、全長バイアス層と、部分バイアス層とを有している。全長バイアス層を構成するシートは、シートs1及びシートs2である。部分バイアス層を構成するシートは、シートs3及びシートs4である。部分バイアス層s3,s4は、バット部分バイアス層である。
図2には、シート毎に、上記角度Afが記載されている。角度Afにおけるプラス(+)及びマイナス(−)は、バイアスシートの繊維が互いに逆方向に傾斜していることを示している。本願において、バイアス層用のシートは、単にバイアスシートとも称される。
シャフト6において、フープ層を構成するシートは、シートs7である。好ましくは、フープ層における上記絶対角度θaは、シャフト軸線に対して実質的に90°とされる。ただし、巻き付けの際の誤差等に起因して、繊維の配向はシャフト軸線方向に対して完全に90°とはならない場合がある。通常、フープ層では、上記絶対角度θaが80°以上90°以下である。本願において、フープ層用のプリプレグシートは、フープシートとも称される。
フープ層は、シャフトのつぶし剛性及びつぶし強度を高めるのに寄与する。つぶし剛性とは、シャフトをその半径方向内側に向かって押し潰す力に対する剛性である。つぶし強度とは、シャフトをその半径方向内側に向かって押し潰す力に対する強度である。つぶし強度は、曲げ強度とも関連しうる。曲げ変形に連動してつぶし変形が生じうる。特に肉厚の薄い軽量シャフトにおいては、この連動性が大きい。つぶし強度の向上により、曲げ強度も向上しうる。
図示しないが、使用される前のプリプレグシートは、カバーシートにより挟まれている。通常、カバーシートは、離型紙及び樹脂フィルムである。即ち、使用される前のプリプレグシートは、離型紙と樹脂フィルムとで挟まれている。プリプレグシートの一方の面には離型紙が貼られており、プリプレグシートの他方の面には樹脂フィルムが貼られている。以下において、離型紙が貼り付けられている面が「離型紙側の面」とも称され、樹脂フィルムが貼り付けられている面が「フィルム側の面」とも称される。
本願の展開図は、フィルム側の面が表側とされた図である。即ち、本願の展開図において、図面の表側がフィルム側の面であり、図面の裏側が離型紙側の面である。例えば図2では、シートs1の繊維方向とシートs2の繊維方向とは同じであるが、後述される貼り合わせの際にシートs2が裏返される。この結果、シートs1の繊維方向とシートs2の繊維方向とは互いに逆となる。従って、巻回された後の状態では、シートs1の繊維方向とシートs2の繊維方向とが互いに逆となる。この点を考慮して、図2では、シートs1の繊維方向が「−45°」と表記され、シートs2の繊維方向が「+45°」と表記されている。シートs3及びシートs4についても同様である。
前述の通り、本願では、繊維の配向角度によって、シート及び層が分類される。更に、本願では、シャフト軸方向の長さによって、シート及び層が分類される。
本願において、シャフト軸方向の全体に配置される層が、全長層と称される。本願において、シャフト軸方向の全体に配置されるシートが、全長シートと称される。巻回された全長シートが、全長層を形成する。
一方、本願において、シャフト軸方向において部分的に配置される層が、部分層と称される。本願において、シャフト軸方向において部分的に配置されるシートが、部分シートと称される。巻回された部分シートが、部分層を形成する。
本願では、ストレート層である全長層が、全長ストレート層と称される。図2の実施形態において、全長ストレート層は、シートs6及びシートs8である。
本願では、フープ層である全長層が、全長フープ層と称される。図2の実施形態において、全長フープ層は存在しない。
本願では、ストレート層である部分層が、部分ストレート層と称される。図2の実施形態はバット部分ストレート層と、チップ部分ストレート層とを有する。バット部分ストレート層は、シートs5である。チップ部分ストレート層は、シートs9、シートs10、シートs11及びシートs12である。
本願では、フープ層である部分層が、部分フープ層と称される。図2の実施形態において、部分フープ層は、シートs7である。
シートs7は、中間部分層である。中間部分層はチップ端Tpから離れており、バット端Btからも離れている。好ましくは、中間部分層は、シャフト軸方向中央位置を含む位置に配置される。シートs7は、中間部分フープ層である。
図2に示されるシートを用いて、シートワインディング製法により、シャフト6が作製される。
以下に、このシャフト6の製造工程の概略が説明される。
[シャフト製造工程の概略]
(1)裁断工程
裁断工程では、プリプレグシートが所望の形状に裁断される。この工程により、図2に示された各シートが切り出される。
なお、裁断は、裁断機によりなされてもよいし、手作業でなされてもよい。手作業の場合、例えば、カッターナイフが用いられる。
(2)貼り合わせ工程
貼り合わせ工程では、複数のシートが貼り合わされて、合体シートが作製される。図2の実施形態では、3つの合体シートが作製される。第1の合体シートは、シートs1とシートs2とを貼り合わせた合体シートs12である。第2の合体シートは、シートs3とシートs4とを組み合わせた合体シートs34である。第3の合体シートは、シートs6とシートs7とを組み合わせた合体シートs67である。
貼り合わせ工程では、加熱又はプレスが用いられてもよい。より好ましくは、加熱とプレスとが併用される。後述する巻回工程において、合体シートの巻き付け作業中に、シートのズレが生じうる。このズレは、巻き付け精度を低下させる。加熱及びプレスは、シート間の接着力を向上させる。加熱及びプレスは、巻回工程におけるシート間のズレを抑制する。
(3)巻回工程
巻回工程では、マンドレルが用意される。典型的なマンドレルは、金属製である。このマンドレルに、離型剤が塗布される。更に、このマンドレルに、粘着性を有する樹脂が塗布される。この樹脂は、タッキングレジンとも称される。このマンドレルに、裁断されたシートが巻回される。このタッキングレジンにより、シート端部をマンドレルに貼り付けることが容易とされている。
貼り合せに係るシートは、合体シートの状態で巻回される。
この巻回工程により、巻回体が得られる。この巻回体は、マンドレルの外側にプリプレグシートが巻き付けられてなる。巻回は、例えば、平面上で巻回対象物を転がすことによりなされる。この巻回は、手作業によりなされてもよいし、機械によりなされてもよい。この機械は、ローリングマシンと称される。
(4)テープラッピング工程
テープラッピング工程では、上記巻回体の外周面にテープが巻き付けられる。このテープは、ラッピングテープとも称される。このラッピングテープは、張力を付与されつつ巻き付けられる。このラッピングテープにより、巻回体に圧力が加えられる。この圧力はボイドを低減させる。
(5)硬化工程
硬化工程では、テープラッピングがなされた後の巻回体が加熱される。この加熱により、マトリクス樹脂が硬化する。この硬化の課程で、マトリクス樹脂が一時的に流動化する。このマトリクス樹脂の流動化により、シート間又はシート内の空気が排出されうる。ラッピングテープの圧力(締め付け力)により、この空気の排出が促進されている。この硬化により、硬化積層体が得られる。
(6)マンドレルの引き抜き工程及びラッピングテープの除去工程
硬化工程の後、マンドレルの引き抜き工程とラッピングテープの除去工程とがなされる。両者の順序は限定されないが、ラッピングテープの除去工程の能率を向上させる観点から、マンドレルの引き抜き工程の後にラッピングテープの除去工程がなされるのが好ましい。
(7)両端カット工程
この工程では、硬化積層体の両端部がカットされる。このカットにより、チップ端Tpの端面及びバット端Btの端面が平坦とされる。
(8)研磨工程
この工程では、硬化積層体の表面が研磨される。硬化積層体の表面には、ラッピングテープの跡として残された螺旋状の凹凸が存在する。研磨により、このラッピングテープの跡としての凹凸が消滅し、表面が平滑とされる。
(9)塗装工程
研磨工程後の硬化積層体に塗装が施される。
以上の工程により、シャフト6が得られる。このように製造されたシャフト6に、ヘッド4及びグリップ8が装着されて、ゴルフクラブ2が得られる。
本願においては、シャフト重心率との文言が用いられる。図1が示すように、シャフト全長がLs(mm)とされ、バット端Btからシャフト重心Gまでの距離がLgとされる。シャフト重心率(%)は、[(Lg/Ls)×100]である。Ls及びLgは、軸方向に沿って測定される。
図1において符号Gで示されるのは、シャフト6の重心である。重心Gは、シャフト6単体の重心である。この重心Gは、シャフト内部に位置する。この重心Gは、シャフト軸線上に位置する。
図1において両矢印Lsで示されているのは、シャフト全長(単位はmm)である。本発明は、991mm以下のシャフトにおいて特に効果的である。なお、アイアンクラブに用いられる場合、本発明のシャフトは、アイアンの各番手に適した長さとされる。例えば、3番アイアンからウエッジまでのクラブ長さを考慮すると、シャフト全長Lsは、980mm以下が好ましく、870mm以上が好ましい。アイアンセットの中で、飛距離が要求されるのは、ミドルアイアン及びロングアイアンである。飛距離の増大に寄与する本発明は、ミドルアイアン及びロングアイアンに好適に用いられる。この観点からは、シャフト全長Lsは、900mm以上が好ましく、914mm以上がより好ましく、928mm以上がより好ましく、942mm以上がより好ましい。
距離Lgが短く、シャフト重心率が小さい場合、シャフト重心Gがバット端Btに近くなる。この重心位置は、スイングバランスを軽くし、振りやすさを向上させうる。この重心位置は、ヘッドスピードの向上に寄与しうる。
振りやすさ及びヘッドスピードの観点から、上記距離Lgは、450mm以下がこのましく、445mm以下がより好ましく、440mm以下がより好ましい。設計上の制約を考慮すると、距離Lgは、通常、300mm以上である。
振りやすさ及びヘッドスピードの観点から、シャフト重心率は、47%以下が好ましく、46%以下がより好ましく、45%以下が更に好ましい。設計上の制約を考慮すると、シャフト重心率は、通常、30%以上、更には33%以上である。
振りやすさの観点から、991mm換算でのシャフト重量は、75g以下が好ましく、70g以下がより好ましく、68g以下が更に好ましい。強度及び設計自由度を考慮すると、991mm換算でのシャフト重量は、40g以上が好ましく、45g以上がより好ましく、50g以上が更に好ましい。なお、シャフト重量がWs(g)とされ、シャフト全長がLs(mm)とされるとき、991mm換算でのシャフト重量は、[(Ws/Ls)×991]によって算出される。
本願において、シャフト調子率C1(%)は、次の式(1)によって定義される。
C1=[F2/(F1+F2)]×100 ・・・ (1)
ただし、F1は順式フレックス(mm)であり、F2は逆式フレックス(mm)である。
[順式フレックスF1]
図3(a)は、順式フレックスF1の測定方法を示す。図3(a)が示すように、チップ端TpからD1mmの位置に、荷重点m1が設定される。荷重点m1からの距離がD2mmの位置に、第二支持点SP2が設定される。更に、この第二支持点SP2からの距離がD3mmの位置に、第一支持点SP1が設定される。第一支持点SP1には、シャフト6を上方から支持する支持体J1が設けられる。第二支持点SP2には、シャフト6を下方から支持する支持体J2が設けられる。荷重のない状態において、シャフト6のシャフト軸線は略水平とされる。上記荷重点m1に、2.7kgの荷重を鉛直下向きに作用させる。荷重のない状態から、荷重をかけた状態までの荷重点m1の移動距離(mm)が、順式フレックスF1である。この移動距離は、鉛直方向に沿った移動距離である。
なお、D1は64mmであり、D3は140mmである。シャフト全長がLs(mm)であるとき、D2は、[Ls−255]mmである。
支持体J1の、シャフトと当接する部分(以下、当接部分という)の断面形状は、次の通りである。シャフト軸方向に対して平行な断面において、支持体J1の当接部分の断面形状は、凸状の丸みを有する。この丸みの曲率半径は、15mmである。シャフト軸方向に対して垂直な断面において、支持体J1の当接部分の断面形状は、凹状の丸みを有する。この凹状の丸みの曲率半径は、40mmである。シャフト軸方向に対して垂直な断面において、支持体J1の当接部分の水平方向長さ(図3(a)における奥行き方向長さ)は、15mmである。支持体J2の当接部分の断面形状は、支持体J1のそれと同一である。荷重点m1において2.7kgの荷重を与える荷重圧子(図示省略)の当接部分の断面形状は、シャフト軸方向に対して平行な断面において、凸状の丸みを有する。この丸みの曲率半径は、10mmである。荷重点m1において2.7kgの荷重を与える荷重圧子(図示省略)の当接部分の断面形状は、シャフト軸方向に対して垂直な断面において、直線である。この直線の長さは、18mmである。
[逆式フレックスF2]
逆式フレックスの測定方法が、図3(b)で示される。図3(b)が示すように、チップ端TpからD4mmの位置に、第一支持点SP1が設定される。更に、この第一支持点SP1からの距離がD5mmの位置に、第二支持点SP2が設定される。第一支持点SP1には、シャフト6を上方から支持する支持体J1が設けられる。第二支持点SP2には、シャフト6を下方から支持する支持体J2が設けられる。荷重のない状態において、シャフト6のシャフト軸線は略水平とされる。第二支持点SP2からD6mmである荷重点m2に、1.3kgの荷重を鉛直下向きに作用させる。荷重のない状態から、荷重をかけた状態までの荷重点m2の移動距離(mm)が、逆式フレックスF2である。この移動距離は、鉛直方向に沿った移動距離である。
なお、D4は12mmであり、D5は140mmである。シャフト全長がLs(mm)であるとき、D6は[Ls−344]mmである。
シャフト調子率C1が小さいシャフトでは、チップ部分の曲げ剛性が大きい。すなわち、チップ部分がしなりにくい。このため、スイング中におけるヘッドの挙動が安定し、打球の方向安定性が高まる。また、シャフト調子率C1が小さいシャフトでは、バット部分の曲げ剛性が小さい。すなわち、バット部分がしなりやすい。このため、ダウンスイングの初期段階において後端部がしなり、コックと同様の「溜め」が生じる。このしなり(溜め)がインパクト直前に一気に開放されることで、ヘッドスピードが高まる。ヘッドスピードの向上により、飛距離が増大する。
方向安定性及び飛距離の観点から、シャフト調子率C1は、39%以下が好ましく、38%以下がより好ましく、37%以下が更に好ましい。設計上の制約を考慮すると、シャフト調子率C1は、通常、30%以上である。
本願では、チップ端Tpの外径がE1(mm)とされ、バット端Btの外径がE2(mm)とされる。
シャフトのチップ部分は、ヘッドが装着される部分であり、打撃時に高い応力が作用する。強度及び剛性の低下を考慮して、チップ径E1を小さくすることは避けられる傾向にあった。
これに対して、シャフト6では、チップ径E1が小さくされている。加えて、バット径E2が大きくされている。この構成により、ヘッド重心Gをバット端Bt寄りとすることができ、距離Lgが小さくされうる。この結果、シャフト重心率を小さくすることができ、振りやすさが向上する。
チップ部分を軽くしてシャフト重心率を小さくする観点からは、チップ径E1が小さいほうがよい。この観点から、チップ径E1は、9.5mm以下が好ましく、9.3mm以下がより好ましく、9.2mm以下が更に好ましい。チップ部分の曲げ剛性を考慮すると、チップ径E1は、8.0mm以上が好ましく、8.5mm以上がより好ましい。
また、シャフト重心率を小さくする観点からは、バット径E2は大きいほうがよい。この観点から、バット径E2は、15.3mm以上が好ましく、15.4mm以上がより好ましく、15.5mm以上がより好ましく、15.6mm以上が更に好ましい。バット部分の曲げ剛性を考慮すると、バット径E2は、18.0mm以下が好ましく、17.5mm以下がより好ましい。
バット径E2が大きいことは、グリップの軽量化にも寄与する。グリップ外径が同一との条件の下では、シャフトの後端部の外形が大きいほど、グリップを薄くできるからである。グリップの軽量化により、クラブが軽量化され、振りやすさが向上する。この結果、飛距離が増大する。
一方、チップ径E1が小さく且つバット径E2が大きくされることで、シャフト調子率C1は大きくなりやすいという問題がある。断面二次モーメントを考慮すれば明らかなように、外径が太いほどシャフトの曲げ剛性は高く、逆に外径が細いほどシャフトの曲げ剛性は低い傾向にある。チップ径E1が小さいと、チップ部分の曲げ剛性が低下し、逆式フレックスF2が増大しやすい。また、バット径E2が大きいと、バット部分の曲げ剛性が高くなり、順式フレックスF1が減少しやすい。結果として、[F2/(F1+F2)]は大きくなる。そうすると、シャフト調子率C1を小さくすることが困難となり、前述した効果が得られない。
この問題に対して、本実施形態では、高弾性チップ部分層が用いられている。図2において、シートs9は、繊維弾性率が30(t/mm)以上の高弾性チップ部分層である。この高弾性チップ部分層s9により、チップ部分の曲げ剛性が向上し、逆式フレックスF2が減少する。この結果、シャフト調子率C1を小さくすることができる。
シャフト調子率C1を小さくする観点から、高弾性チップ部分層の繊維弾性率は、30(t/mm)以上が好ましく、33(t/mm)以上がより好ましい。強度の観点から、高弾性チップ部分層の繊維弾性率は、50(t/mm)以下が好ましく、40(t/mm)以下がより好ましい
チップ部分の剛性を高めることで、方向安定性が向上する。また、チップ部分の曲げ剛性を高めることで、逆式フレックスF2が減少し、シャフト調子率C1が小さくなる。これらの観点から、高弾性チップ部分層の軸方向長さFt(図2参照)は、250mm以上が好ましく、300mm以上がより好ましく、350mm以上が更に好ましい。高弾性チップ部分層が長すぎると、順式フレックスF1も減少し、シャフト調子率C1を小さくするという効果が減少する。この観点から、高弾性チップ部分層の軸方向長さFtは、600mm以下が好ましく、550mm以下がより好ましく、500mm以下が更に好ましい。
本実施形態では、バット部分バイアス層が用いられている。図2において、シートs3,s4が、バット部分バイアス層である。バット部分バイアス層は、シャフト重心Gをバット端Btに近づけ、シャフト重心率を下げるのに寄与している。加えて、バット部分バイアス層は、バット部分の曲げ剛性の増加を抑制し、シャフト調子率C1を下げるのに寄与している。更に、バット部分バイアス層は、グリップ部分における捻れ剛性を高め、打球の方向安定性を向上させる。
上述の通り、本実施形態のシャフト6は、チップ部分の曲げ剛性は高くされているため、方向安定性に優れる。しかし、より詳細には、シャフト6の最先端部分の曲げ剛性は比較的小さく、当該最先端部分に隣接する中央チップ寄り部分は、曲げ剛性が高い。この構成により、方向安定性を向上させつつ、高い打出し角が得られる。
なお、図2の実施形態では、チップ部分層として、ガラス繊維強化層s10が採用されている。ガラス繊維は弾性率が低い。このガラス繊維強化層s10は、シャフト6の最先端部分の曲げ剛性を小さくするのに寄与している。
シャフト6の最先端部分とは、チップ端Tpからの距離が200mm未満の部分である。また、上記中央チップ寄り部分とは、チップ端Tpからの距離が200mm以上500mm以下の部分である。
中央チップ寄りの部分が太くされることで、逆式フレックスF2が抑制され、方向安定性を高めることができる。この観点から、チップ端Tpから350mmの地点のシャフト外径は、10.0mm以上が好ましく、10.1mm以上がより好ましく、10.2mm以上がより好ましい。外径の急激な変化は、応力集中を招来し、強度を低下させうる。この観点から、チップ端Tpから350mmの地点のシャフト外径は、10.8mm以下が好ましく、10.7mm以下がより好ましい。
本願において、チップ端Tpから130mmの地点における曲げ剛性EIは、E130とも称される。このE130は、上記最先端部分の曲げ剛性の指標となる。本願において、チップ端Tpから430mmの地点における曲げ剛性EIは、E430とも称される。このE430は、上記中央チップ寄り部分の曲げ剛性の指標となる。方向安定性と高い打出し角とを両立する観点から、E430/E130は、0.69以上が好ましく、0.70以上がより好ましく、0.72以上がより好ましく、0.75以上がより好ましい。設計上の制約を考慮すると、E430/E130は、0.99以下が好ましく、0.98以下がより好ましい。方向安定性の観点から、E430は、1.8(kgf・m)以上が好ましく、2.0(kgf・m)以上がより好ましく、2.2(kgf・m)以上がより好ましい。設計上の制約を考慮すると、E430は、3.5(kgf・m)以下が好ましく、3.3(kgf・m)以下がより好ましい。
図4は、曲げ剛性EIの測定方法を概略的に示す。EIは、インテスコ製2020型(最大荷重500kg)の万能材料試験機を用いて測定される。第1支持点T1と第2支持点T2とにより、シャフト6が下方から支持される。この支持を維持しながら、測定点T3に上方から荷重Fzを加える。荷重Fzの向きは、鉛直方向下向きである。点T1と点T2との間の距離は200mmである。測定点T3の位置は、点T1と点T2の間を二等分する位置である。荷重Fzを加えたときのたわみ量Hが測定される。荷重Fzは、圧子R1により与えられる。圧子R1の先端は、曲率半径を5mmとする円筒面である。圧子R1の下方への移動速度は5mm/分である。荷重Fz1が20kgf(196N)に達した時点で圧子R1の移動を終了し、そのときのたわみ量Hが測定される。たわみ量Hは、鉛直方向における点T3の変位量である。EI値は、次式にて算出される。
EI(kgf・m)=Fz×L/(48×H)
ただし、Fzは最大荷重(kgf)であり、Lは支持点間距離(m)であり、Hはたわみ量(m)である。最大荷重Fzは20kgfであり、支持点間距離Lは0.2mである。
上述の通り、本実施形態では、チップ径E1が小さくされ、且つ、逆式フレックスF2が小さくされている。相反するこれらのスペックを同時に達成することで、シャフト重心率を小さくしつつ、シャフト調子率も小さくすることができる。この観点から、チップ径E1(mm)と逆式フレックスF2(mm)との積であるE1×F2は、600mm以下が好ましく、580mm以下がより好ましく、550mm以下が更に好ましい。設計上の制約を考慮すると、E1×F2は、350mm以上が好ましく、370mm以上がより好ましく、400mm以上が更に好ましい。この規定は、前記シャフト全長Lsが、914mm以上991mm以下であるときにより好ましく適用されうる。
上述の通り、本実施形態では、バット径E2が大きくされ、且つ、順式フレックスF1が大きくされている。相反するこれらのスペックを同時に達成することで、シャフト重心率を小さくしつつ、シャフト調子率も小さくすることができる。この観点から、バット径E2(mm)と順式フレックスF1(mm)との積であるE2×F1は、1250mm以上が好ましく、1270mm以上がより好ましく、1300mm以上がより好ましく、1350mm以上がより好ましく、1400mm以上がより好ましく、1450mm以上がより好ましい。設計上の制約を考慮すると、E2×F1は、1650mm以下が好ましく、1630mm以下がより好ましく、1600mm以下が更に好ましい。この規定は、前記シャフト全長Lsが、914mm以上991mm以下であるときにより好ましく適用されうる。
図2の実施形態は、バット部分層s5を有する。このバット部分層s5は、ガラス繊維強化層である。ガラス繊維の弾性率は低く、且つ、ガラス繊維の比重は大きい。このため、このガラス繊維強化バット部分層s5は、バット部分の曲げ剛性を抑制しつつ、シャフト重心率を下げるのに寄与している。
図2の実施形態は、中間部分フープ層s7を有する。図2のシャフトでは、シャフト重心率を下げるため、複数のバット部分補強層が用いられている。また、シャフト調子率C1を下げるため、複数のチップ部分補強層が用いられている。この結果、シャフトの中間部の強度が相対的に低下しやすい。しかしながら、図2のシャフトでは、中間部分フープ層s7により、シャフトの中間部の強度が効果的に高められている。中間部分フープ層s7の軸方向長さは、200mm以上500mm以下が好ましい。また、中間部分フープ層s7は、シャフト長さLsの中点を含む位置に配置されているのが好ましい。
図2が示すように、中間部分フープ層s7の軸方向範囲は、部分的に、バット部分層s3,s4の軸方向範囲に重複している。よって、中間部分フープ層s7は、バット部分の曲げ剛性を高めうる位置にある。しかし、中間部分フープ層s7はフープ層であるから、曲げ剛性にほとんど寄与しない。中間部分フープ層s7を用いることで、シャフトのバット部分に隣接する中間部分のしなりが確保され、シャフト調子率C1を低くしたことによるヘッドスピード向上効果が維持される。
図2の実施形態において、チップ部分層は、ガラス繊維強化層s10を含む。ガラス繊維は、衝撃吸収エネルギーを高め、実用強度の向上に寄与する。なお、チップ部分層であるガラス繊維強化層s10の重量は、バット部分層であるガラス繊維強化層s5の重量よりも小さい。よって、シャフト重心率は小さい。
なお、シャフト調子率C1及びシャフト重心率を調整する手段として、例えば、次の(a1)から(a10)が挙げられる。
(a1)バット部分層の巻回数の増減。
(a2)バット部分層の厚みの増減。
(a3)バット部分層の軸方向長さの増減。
(a4)バット部分層の軸方向長さの増減。
(a5)チップ部分層の巻回数の増減。
(a6)チップ部分層の厚みの増減。
(a7)チップ部分層の軸方向長さの増減。
(a8)シャフトのテーパー率の増減(マンドレルのテーパー率の増減)。
(a9)マンドレルの外径分布の変更
(a10)各層の繊維弾性率の増減
更に、各層におけるプリプレグを変更することで、シャフト調子率C1及びシャフト重心率が調整されうる。下記の表1及び表2は、本発明のシャフトに使用可能なプリプレグの例を示す。
Figure 0006737051
Figure 0006737051
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図2に示される積層構成に基づき、実施例1に係るシャフトを作製した。製造方法については、前述のシャフト6と同様とされた。また、各シートにおいて、巻回数、プリプレグの厚み、プリプレグの繊維含有率、繊維の引張弾性率等が適宜選択された。実施例1で用いたプリプレグは、以下の通りである。
・シートs1 :MRX350C−125S
・シートs2 :MRX350C−125S
・シートs3 :TR355C−100S
・シートs4 :TR355C−100S
・シートs5 :GE352H−160S
・シートs6 :TR350C−150S
・シートs7 :MRX350C−075R
・シートs8 :MRX350C−100S
・シートs9 :MRAG22C−100S
・シートs10 :GE352H−160S
・シートs11 :MRX350C−100S
・シートs12 :MRX350C−100S
この実施例1のシャフトにおいて、シートs5はガラス繊維で強化されたバット部分層であり、シートs9の「MRAG22C−100S」は高弾性チップ部分層(繊維弾性率33t/mm)であり、シートs10はガラス繊維で強化されたチップ部分層である。高弾性チップ部分層s9の軸方向長さは、450mmであった。
このシャフトに、5番アイアンのヘッド及びグリップを装着して、実施例1に係るゴルフクラブを得た。このヘッドとして、ダンロップスポーツ社製の商品名「ゼクシオナインアイアン」の5番アイアンが採用された。シャフトの長さは、943mmであった。
[実施例2から5及び比較例1から3]
上述した手段を用いて、下記の表3に示されるスペックとされた他は実施例1と同様にして、実施例2から5及び比較例1から3に係るシャフト及びクラブを得た。なお、実施例5及び比較例1から3では、高弾性チップ部分層が用いられず、代わりに、繊維弾性率が24t/mmのプリプレグを用いた。
実施例1から5及び比較例1から3の仕様及び評価結果が、下記の表3に示される。
Figure 0006737051
[評価方法]
[飛距離]
10名のゴルファーによる実打テストが行われた。各テスターがそれぞれ5回ずつ打撃し、飛距離が測定された。合計50回の打撃データの平均値が、下記の表3に示される。なお、この飛距離は、ランを含めたトータル飛距離である。
[左右ズレ量]
前述した実打テストにおいて、飛距離と共に左右ズレ量が計測された。左右ズレ量とは、目標方向からのズレである。打球地点と目標地点とを結ぶ直線と打球到達点との距離が、ズレ量である。右のずれても左にずれても、この左右ズレ量はプラスの値である。上記50のデータの平均値が、表3に示されている。左右ズレ量が少ないほど、方向安定性が高い。
これらの表が示すように、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたシャフトは、アイアン、ハイブリッド、ウッド等のあらゆるゴルフクラブに適用されうる。
2・・・ゴルフクラブ
4・・・ヘッド
6・・・シャフト
8・・・グリップ
s1〜s12・・・シート(層)
Tp・・・シャフトのチップ端
Bt・・・シャフトのバット端

Claims (8)

  1. チップ端及びバット端を有しており、
    シャフト全長がLsとされ、シャフトのバット端からシャフト重心までの距離がLgとされ、シャフト全長Lsに対する前記距離Lgの割合がシャフト重心率とされるとき、このシャフト重心率が47%以下であり、
    前記シャフト全長Lsが991mm以下であり、
    順式フレックスがF1(mm)であり、逆式フレックスがF2(mm)であるとき、下記式(1)によって算出されるシャフト調子率C1が39%以下であり、
    C1=[F2/(F1+F2)]×100 ・・・(1)
    前記チップ端の外径E1が9.5mm以下であり、前記バット端の外径E2が15.3mm以上であり、
    複数の繊維強化層によって構成されており、
    前記複数の繊維強化層が、チップ部分層を含み、
    前記チップ部分層が、繊維弾性率が30(t/mm )以上である高弾性チップ部分層を含むゴルフクラブシャフト。
  2. 991mm換算でのシャフト重量が75g以下である請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 前記シャフト全長Lsが、914mm以上991mm以下であり、
    前記チップ端の外径がE1(mm)とされるとき、E1×F2が580mm以下である請求項1又は2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 前記シャフト全長Lsが、914mm以上991mm以下であり、
    前記バット端の外径がE2(mm)とされるとき、E2×F1が1300mm以上である請求項1からのいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  5. 前記チップ端から130mmの地点における曲げ剛性がE130とされ、前記チップ端から430mmの地点における曲げ剛性がE430とされるとき、E430/E130が0.69以上0.99以下である請求項1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  6. 前記高弾性チップ部分層の軸方向長さが250mm以上600mm以下である請求項1から5のいずれか1項の記載のゴルフクラブシャフト。
  7. 前記チップ端から350mmの地点でのシャフト外径が10.0mm以上10.8mm以下である請求項1から6のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  8. 前記高弾性チップ部分層の繊維弾性率が33(t/mm )以上である請求項1から7のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
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