JP6735185B2 - 多層配線基板および電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノイズの影響が低減された多層配線基板および電子装置に関する。
無線通信装置、撮像装置および携帯端末装置などの多くの分野で信号処理速度が大きく向上しており、処理対象となる信号に与えるノイズの影響を低減する必要性も大きくなっている。
高速の信号処理を行う演算素子、撮像素子などを搭載する多層配線基板においてもノイズの影響を低減する手段として、例えば多層配線基板内の電源層および接地層の低抵抗化がある。低抵抗化する手段としては、電源層および接地層の構成材料を電気抵抗率が比較的低い材料とする手段、電源層および接地層の厚さを厚くする手段などがある。
多層配線基板には、絶縁層がセラミック材料からなるセラミック配線基板、絶縁層が有機材料からなる有機配線基板がある。セラミック配線基板では、電源層および接地層の厚さを厚くするには、特許文献1に記載されているように多数の開口が設けられた、いわゆるメッシュ状または格子状とすることがよいとされる。
特開2000−223614号公報
さらなる低抵抗化を目指した場合、電源層および接地層の厚さをさらに厚くすることが考えられる。しかしながら、電源層および接地層の厚さを厚くすることで、開口が貫通孔の如く深いものとなり、開口内に絶縁層が落ち込んで多層配線基板の表面に凹凸が生じるおそれがある。また、開口周辺での絶縁層間の接合不良、層間の剥離などが生じるおそれもある。
本発明の目的は、ノイズの影響が低減され、電気特性が向上した多層配線基板および電子装置を提供することである。
本発明の一つの態様の多層配線基板は、電気絶縁性材料で構成される平板状の絶縁性基体と、
前記絶縁性基体に埋設される、電気信号を伝送する信号伝送配線と、
前記絶縁性基体に埋設される、予め定められる電源電位が付与される電源層と、
前記絶縁性基体に埋設される、接地電位が付与される接地層と、を備え、
前記電源層および前記接地層のうち、少なくともいずれか一方には、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が設けられており、
前記複数の貫通孔を充填した充填部材であって、前記電源層および前記接地層の電気抵抗率よりも大きな電気抵抗率を有する充填部材をさらに備えることを特徴とする。
本発明の一つの態様の多層配線基板によれば、電源層および前記接地層のうち、少なくともいずれか一方に設けられた貫通孔に、高抵抗の充填部材を充填したことにより、電源層および前記接地層のうち、少なくともいずれか一方を低抵抗化することができ、多層配線基板の表面凹凸、絶縁層間の接合不良および絶縁層間の剥離を抑制した上で、ノイズの影響を低減して、電気特性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態である多層配線基板100を示す概略断面図である。 電源層2および接地層3を模式的に示す平面図である。 本発明の第2実施形態である多層配線基板101を示す概略断面図である。 電源層2Aおよび接地層3を模式的に示す平面図である。 本発明の第3実施形態である電子装置200を示す概略断面図である。 実施例における電源層2および接地層3のインピーダンスの周波数特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である多層配線基板100を示す概略断面図であり、図2は、電源層2および接地層3を模式的に示す平面図である。
多層配線基板100は、例えば矩形平板状の絶縁性基体1と、予め定められる電源電位が付与される電源層2と、接地電位が付与される接地層3と、電気信号を伝送する信号伝送配線4と、を備える。本実施形態では、電源層2と、接地層3と、信号伝送配線4とは、マイクロストリップ線路を構成し、例えば、マイクロ波帯またはミリ波帯等の高周波信号を伝送することができる。
絶縁性基体1は、複数の絶縁層1a,1b,1c,1dが積層されてなり、各絶縁層は、セラミック材料などの電気絶縁性材料で構成されている。本実施形態では、絶縁層1a,絶縁層1b,絶縁層1c,絶縁層1dが、上からこの順に積層されている。本実施形態では、絶縁性基体1は、4層が積層されて構成されているが、これに限らず、2層または3層であってもよく、5層以上であってもよい。
セラミック材料としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体または窒化珪素質焼結体などを用いることができる。
電源層2は、外部の電源回路などと電気的に接続することで、後述する半導体素子に給電するための電源電位が付与される。電源層2は、絶縁性基体1に埋設されており、本実施形態では、絶縁層1aと絶縁層1bとの層間に配設されている。また、電源層2は、絶縁層1aと絶縁層1bとの接合部分、すなわち互いに隣接する絶縁層同士を接合するための外周部分を除き、絶縁層の表面の全面にわたって設けられている、いわゆるベタパターン層である。なお、後述する半導体素子と信号伝送配線4とを電気的に接続するために、貫通導体を設ける場合、貫通導体と電源層2とが短絡しないように電源層2の一部に切欠きまたは貫通孔などを設けてもよい。
電源層2は、導電性材料である金属材料を含んで構成される。絶縁性基体1を構成する電気絶縁性材料が、上記のようなセラミック材料である場合、電源層2を構成する金属材料としては、セラミック材料と同時焼成が可能な高融点金属材料を用いることが好ましい。高融点金属材料として、例えば、タングステン、モリブデン、レニウムおよびタンタルのうちの少なくともいずれか1つを用いることができる。また、これらの高融点金属材料同士の合金または、これらの高融点金属材料と他の金属材料との合金などを用いることもできる。さらに、電源層2は、隣接する絶縁層1aおよび絶縁層1bとの接合強度を高くするために、金属材料を主成分とし、金属材料とガラス材料、セラミック材料とを混合したものであってもよい。
接地層3は、外部の電源回路などと電気的に接続することで、接地電位が付与される。接地層3は、絶縁性基体1に埋設されており、本実施形態では、絶縁性基体1の厚さ方向において、電源層2と異なる位置、具体的には、絶縁層1cと絶縁層1dとの層間に配設されている。また、接地層3は、絶縁層1cと絶縁層1dとの接合部分、すなわち互いに隣接する絶縁層同士を接合するための外周部分を除き、絶縁層の表面の全面にわたって設けられている、いわゆるベタパターン層である。なお、信号伝送配線4と後述する外部接続端子とを電気的に接続するために、貫通導体を設ける場合、貫通導体と接地層3とが短絡しないように接地層3の一部に切欠きまたは貫通孔などを設けてもよい。
接地層3は、電源層2と同様の導電性材料である金属材料を含んで構成される。すなわち、絶縁性基体1を構成する電気絶縁性材料が、上記のようなセラミック材料である場合、接地層3を構成する金属材料としては、セラミック材料と同時焼成が可能な高融点金属材料であって、例えば、タングステン、モリブデン、レニウムおよびタンタルのうちの少なくともいずれか一つを用いることができる。また、これらの高融点金属材料同士の合金または、これらの高融点金属材料と他の金属材料との合金などを用いることもできる。
信号伝送配線4は、外部の演算回路および後述する半導体素子などと接続し、外部と半導体素子との間で高周波信号を伝送させる。信号伝送配線4も電源層2と同様に、絶縁性基体1に埋設されており、本実施形態では、絶縁性基体1の厚さ方向において、電源層2および接地層3と異なる位置であって、電源層2と接地層3との間、具体的には、絶縁層1bと絶縁層1cとの層間に配設されている。
信号伝送配線4は、例えば、配線幅が10〜200μm、配線厚さが5〜30μm、隣接する配線との間隔が50μm以上の帯状導体によって構成される。信号伝送配線4を伝送する高周波信号は、多層配線基板100に搭載される半導体素子の種類に応じて異なるものであるが、例えば、信号伝送配線4が、互いに結合した状態で信号を伝送することができる一対のペア配線等であれば、それぞれの信号伝送配線4を伝送する信号を、互いに逆位相の信号である差動信号とすることもできる。信号伝送配線4を伝送する信号が差動信号であれば、より高周波の信号を伝送することができる。
信号伝送配線4は、電源層2と同様の導電性材料である金属材料を含んで構成される。すなわち、絶縁性基体1を構成する電気絶縁性材料が、上記のようなセラミック材料である場合、信号伝送配線4を構成する金属材料としては、セラミック材料と同時焼成が可能な高融点金属材料であって、例えば、タングステン、モリブデン、レニウムおよびタンタルのうちの少なくともいずれか一つを用いることができる。また、これらの高融点金属材料同士の合金または、これらの高融点金属材料と他の金属材料との合金などを用いることもできる。
本発明の多層配線基板は、電源層および接地層のうち、少なくともいずれか一方に、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が設けられている。すなわち、複数の貫通孔が設けられた電源層、接地層は、いわゆるメッシュ状またはネット状に形成されている。本実施形態の多層配線基板100では、図2(a)に示すように、電源層2には、貫通孔が設けられておらず、図2(b)に示すように、接地層3に複数の貫通孔30が設けられ、メッシュ状の接地層3となっている。
接地層3に設けられた複数の貫通孔30は、開口形状および断面形状が、円形状、楕円形状および長孔形状などであってもよく、三角形状、矩形状、正方形状および五角形以上の多角形状などであってもよく、各貫通孔30全てが同一の開口形状であってもよく、各貫通孔30がそれぞれ異なる開口形状であってもよい。
貫通孔30は、その断面形状が、接地層3の厚さ方向(貫通方向)に一様であってもよく、厚さ方向に異なっていてもよい。貫通孔30の開口の大きさは、例えば、開口形状が円形状である場合は、直径が50〜500μmであってもよく、開口形状が正方形状である場合は、一辺の長さが50〜500μmであってもよい。開口形状が、円形状でも正方形状でもない場合は、円相当径(面積相当径)が上記の範囲内であればよい。
接地層3の面方向における複数の貫通孔30の分布は、規則的であってもよく、不規則的であってもよい。規則的な分布とは、例えば、図2(b)に示すように、各貫通孔30が、格子点上に位置するような分布、言い換えればマトリクス状の分布である。貫通孔30を見ると、各貫通孔30はマトリクス状に分布しており、接地層3の貫通孔30以外の導体部分を見ると、帯状導体が縦方向と横方向に一定間隔で配置されたメッシュ状の接地層3である。また、貫通孔30の分布は、マトリクス状に限らず、千鳥格子状(市松状)などであってもよい。
ここで、本発明においては、ノイズ低減のために電源層、接地層の厚さを厚くして電気抵抗をより低くしている。例えば、本実施形態において、接地層3の厚さは、10〜30μmである。接地層3に設けられた貫通孔30の深さ(長さ)は、接地層3の厚みと同じで10〜30μmである。
セラミック材料で構成される絶縁性基体1の製法上、このような深い貫通孔30は、孔内の空間に焼成前の絶縁層が大きく落ち込んでしまう。孔内の空間では、接地層3を挟む絶縁層1cと絶縁層1dとが部分的に接合しないので、絶縁層の剥離などが生じるおそれもある。
本発明では、この貫通孔30は、充填部材5によって充填されており、不要な空間が形成されないようにしている。充填部材5は、電源層2および接地層3の電気抵抗率よりも大きな電気抵抗率を有している。充填部材5の電気抵抗率は、充填部材5が一種の材料から構成される場合は、その材料の電気抵抗率と同じであるものとする。充填部材5が複数種類の材料が混合して構成される場合は、混合して得られた状態の充填部材の電気抵抗率を、充填部材5の電気抵抗率とする。
充填部材5を構成する材料としては、セラミック材料からなる絶縁性基体1と同時焼成が可能なように、融点および電気抵抗率が比較的高い抵抗材料を用いることが好ましく、例えば、ルテニウム系複合酸化物および金属ホウ化物のうちの少なくともいずれか一方を含んでいてもよい。ルテニウム系複合酸化物としては、例えば、酸化ルテニウム−酸化カルシウム、酸化ルテニウム−酸化ストロンチウム、酸化ルテニウム−酸化バリウムおよび酸化ルテニウム−酸化ビスマスなどを用いることができる。金属ホウ化物としては、例えば、六ホウ化ランタンなどを用いることができる。また、接地層3などと同様に、これらの抵抗材料とガラス材料、セラミック材料とを混合することができる。これらの混合率の目安は、本実施形態であれば、メッシュ状の接地層3の電気抵抗率を基準としたときに、充填部材5の電気抵抗率が10〜100倍となるような混合率とすればよい。
充填部材5は、接地層3の貫通孔30を必ずしも満たさなくてもよく、貫通孔30からはみ出していてもよい。例えば、貫通孔30の孔内空間の体積を基準としたときに、充填部材5の体積が50〜110%であってもよい。
このように、充填部材5を設けることによって、厚さが厚く低抵抗化された接地層3であっても、多層配線基板100表面の凹凸の発生、貫通孔30周辺での絶縁層1c,1d間の剥離の発生などを抑制することができる。
平面透視において、信号伝送配線4が貫通孔30と重なる部分では、その他の部分と特性インピーダンスが異なるおそれがあり、信号伝送配線4において、そのような部分が存在すると、伝送する高周波信号の反射などにより、信号伝送特性が劣化してしまうので、信号伝送配線4は、平面透視において、接地層3に設けられている複数の貫通孔30と重ならないように設けることが好ましい。なお、信号伝送配線4の全長にわたって貫通孔30と重ならないように設けることが最も好ましいが、多層配線基板100に搭載される半導体素子のピン数(入出力端子数)が多い場合などは、信号伝送配線4を貫通孔30と全く重ならないように設けることは困難であるので、信号伝送特性の劣化が許容可能な範囲において、信号伝送配線4の一部が、平面透視において、貫通孔30と重なっていてもよい。例えば、信号伝送配線4は、平面透視において、接地層3に設けられている複数の貫通孔30と重ならない部分を全長の80%以上有している。言い換えれば、信号伝送配線4は、平面透視において、貫通孔30と重なる部分を、全長の20%未満であれば有していてもよい。
上記の第1実施形態では、電源層2と接地層3のうち、接地層3にのみ貫通孔30を設け、充填部材5で貫通孔30を充填しているが、電源層2と接地層3のうち、電源層2にのみ貫通孔を設け、この貫通孔を充填部材で充填してもよい。
図3は、本発明の第2実施形態である多層配線基板101を示す概略断面図であり、図4は、電源層2Aおよび接地層3を模式的に示す平面図である。
多層配線基板101は、第1実施形態の多層配線基板100と電源層2Aの構成が異なるだけで、他の構成は同様であるので、以下では、電源層2Aについて主に説明し、他の構成については、説明を省略する。
本実施形態の多層配線基板101では、図4(b)に示すように、接地層3に貫通孔30が設けられ、貫通孔30が充填部材5によって充填されているのに加えて、図4(a)に示すように、電源層2Aにも複数の貫通孔20が設けられており、貫通孔20は、充填部材6によって充填されている。本実施形態によれば、接地層3だけでなく、電源層2Aも厚さを厚くして電気抵抗をより低くしているので、さらにノイズが低減される。
例えば、本実施形態において、電源層2Aの厚さは、10〜30μmである。電源層2Aに設けられた貫通孔20の深さ(長さ)は、電源層2Aの厚みと同じで10〜30μmである。電源層2Aの厚さと接地層3の厚さとは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
電源層2Aに設けられた複数の貫通孔20は、接地層3に設けられた貫通孔30と同様に、開口形状および断面形状が、円形状、楕円形状および長孔形状などであってもよく、三角形状、矩形状、正方形状および五角形以上の多角形状などであってもよく、各貫通孔20全てが同一の開口形状であってもよく、各貫通孔20がそれぞれ異なる開口形状であってもよい。貫通孔20と貫通孔30とは、同一の開口形状であってもよく、異なる開口形状であってもよい。
貫通孔20は、その断面形状が、電源層2Aの厚さ方向(貫通方向)に一様であってもよく、厚さ方向に異なっていてもよい。貫通孔20の開口の大きさは、例えば、開口形状が円形状である場合は、直径が50〜200μmであってもよく、開口形状が正方形状である場合は、一辺の長さが50〜200μmであってもよい。開口形状が、円形状でも正方形状でもない場合は、円相当径(面積相当径)が上記の範囲内であればよい。
電源層2Aの面方向における複数の貫通孔20の分布は、規則的であってもよく、不規則的であってもよい。規則的な分布は、接地層3の複数の貫通孔30と同様に、例えば、図4(a)に示す各貫通孔20が、格子点上に位置するような分布、言い換えればマトリクス状の分布である。貫通孔20を見ると、各貫通孔20はマトリクス状に分布しており、電源層2Aの貫通孔20以外の導体部分を見ると、帯状導体が縦方向と横方向に一定間隔で配置されたメッシュ状の電源層2Aである。また、貫通孔20の分布は、マトリクス状に限らず、千鳥格子状(市松状)などであってもよい。
本実施形態のように、電源層2Aにも接地層3にも貫通孔が設けられている構成では、電源層2Aに設けられている複数の貫通孔20および接地層3に設けられている複数の貫通孔30は、平面透視において、一部または全部が重なるように設けられていてもよく、重ならないように設けられていてもよい。本実施形態では、図3および図4に示すように、電源層2Aに設けられている複数の貫通孔20および接地層3に設けられている複数の貫通孔30は、平面透視において、重ならないように設けられている。
電源層2Aの貫通孔20は、第1実施形態の接地層3の貫通孔30と同様に充填部材6によって充填されており、貫通孔内に不要な空間が形成されないようにしている。充填部材6は、電源層2および接地層3の電気抵抗率よりも大きな電気抵抗率を有している。充填部材6の電気抵抗率は、充填部材6が一種の材料から構成される場合は、その材料の電気抵抗率と同じであるものとする。充填部材6が複数種類の材料が混合して構成される場合は、混合して得られた状態の充填部材の電気抵抗率を、充填部材6の電気抵抗率とする。
充填部材6を構成する材料は、融点および電気抵抗率が比較的高い抵抗材料、具体的には、第1実施形態の充填部材5を構成する材料と同様の材料を用いることができる。充填部材5と充填部材6とで、構成する抵抗材料を同じ材料としてもよく、それぞれ異なる抵抗材料としてもよい。
充填部材6は、電源層2Aの貫通孔20を必ずしも満たさなくてもよく、貫通孔20からはみ出していてもよい。例えば、貫通孔20の孔内空間の体積を基準としたときに、充填部材6の体積が50〜110%であってもよい。
また、本実施形態でも第1実施形態と同様に、信号伝送配線4は、平面透視において、接地層3に設けられている複数の貫通孔30および電源層2Aの設けられている複数の貫通孔20と重ならないように設けることが好ましい。なお、信号伝送配線4の全長にわたって貫通孔20および貫通孔30と重ならないように設けることが最も好ましいが、信号伝送特性の劣化が許容可能な範囲において、信号伝送配線4の一部が、平面透視において、貫通孔20および貫通孔30と重なっていてもよい。例えば、信号伝送配線4は、平面透視において、電源層2Aに設けられている複数の貫通孔20および接地層3に設けられている複数の貫通孔30と重ならない部分を全長の80%以上有している。言い換えれば、信号伝送配線4は、平面透視において、貫通孔20または貫通孔30と重なる部分を、全長の20%未満であれば有していてもよい。
多層配線基板100の製造方法について一例を示す。例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体等のセラミック原料粉末に適当な有機溶剤・溶媒を添加混合して泥漿状になすとともにこれを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を採用してシート状となすことによって複数枚のセラミックグリーンシートを得る。しかる後、これらセラミックグリーンシートの各々に適当な打ち抜き加工を施してビアホールなどを形成するとともに、導体ペーストをビアホールへ充填し、信号伝送配線となる配線パターン、電源層および接地層となるベタパターンを印刷する。このとき、電源層および接地層の少なくとも一方は、貫通孔が形成された層を、複数回重ねて印刷するなどして、比較的厚い層を形成する。電源層および接地層の少なくとも一方に形成された貫通孔には、上記の導体ペーストよりも電気抵抗率が高い抵抗材ペーストを充填する。こうして得られたものを積層し、アルミナ質セラミックスの場合は1500〜1700℃、窒化アルミニウム質セラミックスの場合は1600〜1900℃の温度で焼成することによって製作される。
図5は、本発明の第3実施形態である電子装置200を示す概略断面図である。電子装置200は、多層配線基板100と、多層配線基板100に搭載される半導体素子40とを備える。多層配線基板100の各構成については、第1実施形態で説明した構成と同じであるので、第1実施形態と同じ参照符号を付して詳細な説明は省略する。
多層配線基板100において、半導体素子40を搭載する面には、半導体素子40と、絶縁性基体1内の信号伝送配線4とを電気的に接続させるための素子接続端子8が設けられており、半導体素子40が搭載される面と反対側の面には、外部回路などと電気的に接続するための外部接続端子9が設けられている。多層配線基板100の外部に露出する素子接続端子8および外部接続端子に9は、めっき層が設けられることが好ましい。めっき層を設けることによって、各端子の露出表面を保護して酸化を防止できる。また、めっき層を設けることによって、半導体素子40との電気的接続、外部回路との電気的接続を良好にできる。めっき層は、例えば、厚さ0.5〜10μmのNiめっき層を被着させればよい。または、このNiめっき層の上に、さらに、厚さ0.5〜3μmの金(Au)めっき層を被着させてもよい。
半導体素子40と素子接続端子8とは、例えば、はんだ等の金属材料や、異方性導電性膜等の樹脂材料が用いて電気的に接続される。多層配線基板100の内部には、素子接続端子8と信号伝送配線4とを電気的に接続する配線および信号伝送配線4と外部接続端子9とを接続する配線が設けられており、半導体素子40と外部回路とが、多層配線基板100を介して電気的に接続される。
本実施形態では、図5に示すように、素子接続端子8と信号伝送配線4とは、絶縁層1aおよび絶縁層1bを貫通する貫通導体7によって電気的に接続されており、信号伝送配線4と外部接続端子9とは、絶縁層1cおよび絶縁層1dを貫通する貫通導体7によって電気的に接続されている。上記のように、貫通導体7と電源層2とが短絡しないように、電源層2には、貫通導体7およびその周辺に相当する部分に切欠きまたは貫通孔、いわゆるクリアランスを設けている。また、上記のように、貫通導体7と接地層3とが短絡しないように、接地層3にも、貫通導体7およびその周辺に相当する部分にクリアランスを設けている。
上記の電子装置200では、素子接続端子8と信号伝送配線4とを貫通導体7のみで接続しているが、例えば、絶縁層1aを貫通する貫通導体と、絶縁層1bを貫通する貫通導体とが直接接続されておらず、絶縁層1aと絶縁層1bとの層間に、絶縁層1aを貫通する貫通導体と、絶縁層1bを貫通する貫通導体とを電気的に接続する配線などを設けてもよい。貫通導体7と同様に、このような配線が電源層2と短絡しないように電源層2にクリアランスを設けている。また、信号伝送配線4と外部接続端子9とを電気的に接続する貫通導体7も、直接接続されている必要はなく、絶縁層1cと絶縁層1dとの層間に、絶縁層1cを貫通する貫通導体と、絶縁層1bを貫通する貫通導体とを電気的に接続する配線などを設けてもよい。貫通導体7と同様に、このような配線が接地層3と短絡しないようにクリアランスを設けている。
上記の第3実施形態では、半導体素子40を搭載する多層配線基板を、第1実施形態の多層配線基板100としたが、これに限らず多層配線基板として多層配線基板100に代えて第2実施形態の多層配線基板101を用いてもよい。
上記の実施形態では、電源層、接地層および信号伝送配線が、絶縁性基体1内において、厚さ方向の位置がいずれも異なるように埋設されている構成、言い換えれば、異なる絶縁層間に埋設されている構成を示したが、このような埋設位置の構成は一例に過ぎず、互いに絶縁されていれば、厚さ方向に同じ位置、すなわち同じ絶縁層間に埋設されていてもよい。例えば、電源層と接地層とが、絶縁性基体1内において、厚さ方向の位置が同じ位置となるように埋設されている構成であってもよいし、電源層と信号伝送配線とが同じ位置であってもよいし、接地層と信号伝送配線とが同じ位置であってもよい。さらに、電源層、接地層および信号伝送配線が、絶縁性基体1内において、厚さ方向の位置が同じ位置に全て埋設されていてもよい。
また、電源層、接地層および信号伝送配線が、絶縁性基体1内において、厚さ方向の位置がいずれも異なるように埋設されている構成では、電源層、接地層および信号伝送配線の厚さ方向における配置の順序は、上記の実施形態のような電源層、信号伝送信号、接地層の順序に限定されず、順序が異なっていてもよい。例えば、電源層、接地層、信号伝送信号の順序であってもよく、接地層、電源層、信号伝送信号の順序であってもよい。
また、上記の実施形態では、電源層および接地層が1つの層のみ配置される構成を示したが、電源層が2層以上であってもよく、接地層が2層以上であってもよく、複数配置される電源層および接地層のうち、少なくともいずれか1つの層に、複数の貫通孔が設けられ、貫通孔内に充填部材が充填されていればよい。また、信号伝送配線も1つの層間にのみ配置される構成に限らず、複数の層間に配置される構成であってもよい。
(実施例)
下記に示すようなシミュレーション条件において、電源層2および接地層3の高周波抵抗を表すインピーダンスの周波数特性を算出した。
接地層3は、全体の外形を縦10mm×横10mm、厚さ15μmとし、接地層3の電気抵抗率を7.0×10−8Ω・mとした。貫通孔30は、外形を縦250μm×横250μmの正方形状とした。電源層2も同様の条件とした。
貫通孔20および貫通孔30の分布は、いずれも千鳥格子状であり、縦ピッチ1mm、横ピッチ0.5mmとし、平面透視にて、貫通孔20と貫通孔30とが重ならないように設けた。また、電源層2と接地層3の厚さは、0.015mmとした。電源層2の下面と接地層3の上面との距離は、0.185mmとし、電源層2の下面と接地層3の上面との間に比誘電率9.8の絶縁層を配置した。電源層2の上および接地層3の下には、それぞれ厚さ0.1mm、比誘電率9.8の絶縁層を配置した。
貫通孔20および貫通孔30に充填部材5を充填していない空洞のものを参考例(リファレンス)とし、充填部材5の電気抵抗率が、接地層3の電気抵抗率の10倍である7.0×10−7Ω・mとしたものを実施例1とし、電気抵抗率が、接地層3の電気抵抗率の100倍である7.0×10−6Ω・mとしたものを実施例2とした。
図6は、実施例における電源層2および接地層3のインピーダンスの周波数特性を示すグラフである。縦軸がインピーダンス(Ω)を示し、横軸が周波数(GHz)を示す。図5のグラフからわかるように、9GHz付近では、参考例のインピーダンスが183Ωであるのに対し、実施例1では151Ωと低下し、実施例2ではさらに81Ωに低下しており、低抵抗化できたことがわかる。
1 絶縁性基体
1a,1b,1c,1d 絶縁層
2,2A 電源層
3 接地層
4 信号伝送配線
5,6 充填部材
7 貫通導体
8 素子接続端子
9 外部接続端子
20,30 貫通孔
40 半導体素子
100,101 多層配線基板
200 電子装置

Claims (7)

  1. 電気絶縁性材料で構成される平板状の絶縁性基体と、
    前記絶縁性基体に埋設される、電気信号を伝送する信号伝送配線と、
    前記絶縁性基体に埋設される、予め定められる電源電位が付与される電源層と、
    前記絶縁性基体に埋設される、接地電位が付与される接地層と、を備え、
    前記電源層および前記接地層のうち、少なくともいずれか一方には、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が、面方向に一様に設けられており、
    前記複数の貫通孔を充填した充填部材であって、前記電源層および前記接地層の電気抵抗率よりも大きな電気抵抗率を有する充填部材をさらに備えることを特徴とする多層配線基板。
  2. 前記複数の貫通孔は、前記電源層および前記接地層に設けられていることを特徴とする請求項1記載の多層配線基板。
  3. 前記電源層と前記接地層とは、前記絶縁性基体の厚さ方向において、互いに異なる位置に埋設されており、
    前記電源層に設けられている複数の貫通孔および前記接地層に設けられている複数の貫通孔は、平面透視において、重ならないように設けられていることを特徴とする請求項2記載の多層配線基板。
  4. 前記信号伝送配線は、前記絶縁性基体の厚さ方向において、前記電源層および前記接地層と異なる位置に埋設されており、
    前記信号伝送配線は、平面透視において、前記電源層に設けられている複数の貫通孔および前記接地層に設けられている複数の貫通孔のいずれの貫通孔にも重ならない部分を、全長の80%以上有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の多層配線基板。
  5. 前記電源層および前記接地層は、タングステン、モリブデン、レニウムおよびタンタルのうちの少なくともいずれか一つを含んで構成され、
    前記充填部材は、ルテニウム系複合酸化物および金属ホウ化物のうちの少なくともいずれか一方を含んで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の多層配線基板。
  6. 前記複数の貫通孔の開口形状が、正方形状または矩形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の多層配線基板。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の多層配線基板と、
    前記多層配線基板に搭載される半導体素子であって、前記信号伝送配線と電気的に接続される半導体素子と、を備えることを特徴とする電子装置。
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