JP6733601B2 - イソシアネート基含有有機ケイ素化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
前者の手法は、ホスゲンの毒性の観点から取り扱いが困難であるうえ、発生する塩酸塩の捕捉、除去等で生産性という点でも課題がいまだ残されている。
後者の手法は、ホスゲン法に比べ毒性も少なく、副生物も少ないことから小中規模のイソシアネート製造として主流となっているが、高温で発生するアルコールを効率よく除去する製造装置を導入する必要があり、工業的な点から課題が残されている。
この方法をイソシアネートシランに適用することを考えた場合、ヒドロシランと重合性基含有イソシアネートによるヒドロシリル化が挙げられるが、重合性基含有イソシアネートの工業品として代表的なアリルイソシアネートは高い毒性を有するうえに、窒素含有化合物であってヒドロシリル化反応触媒である白金錯体の触媒毒となることから、この反応は現実的ではない。
同様のコンセプトで開発された有用なシランカップリング剤としては、アミノシラン(特許文献8)、エポキシシラン(特許文献9,10)、(メタ)アクリルシラン(特許文献11)等が知られている。
なお、上記特許文献10のシランカップリング剤は、加水分解シリル基とエポキシ基の連結鎖に硫黄原子を有する構造であるが、その製造時にジアザビシクロウンデカンといった強塩基性アミン化合物を使用しているため、イソシアネート構造基を導入しようとする際にはイソシアネートとメルカプトの反応が同時に進行してしまうため不適である。
また、特許文献14〜16では、初期接着力は低く、リワーク性に優れ、貼り付け後は高温多湿下で接着力が増強され、長期的に耐久性に優れる粘着剤として、ポリエーテル末端にアルコキシシリル基を有する有機ケイ素化合物を含むアクリル系粘着剤が提案されている。
1. 下記一般式(1)で示されることを特徴とするイソシアネート基含有有機ケイ素化合物、
2. 下記一般式(2)で示される1のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物、
3. 下記一般式(3)で示される1のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物、
4. 前記R1が、水素原子である2または3のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物、
5. Aが、下記一般式(4)〜(7)で表されるいずれかの基である1〜4のいずれかのイソシアネート基含有有機ケイ素化合物、
で示されるメルカプト基含有有機化合物と、下記一般式(9)
で示される不飽和二重結合含有イソシアネート化合物、および下記一般式(10)
で示される不飽和二重結合含有有機ケイ素化合物を、ラジカル発生剤の存在下でエン−チオール付加反応させる1のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物の製造方法、
7. 1〜5のいずれかのイソシアネート基含有有機ケイ素化合物を含む接着剤、
8. (A)アルコール性水酸基含有アクリル系ポリマー:100質量部
(B)1〜5のいずれかのイソシアネート基含有有機ケイ素化合物:0.001〜10質量部、および
(C)多官能架橋剤:0.01〜10質量部
を含有する粘着剤、
9. 1〜5のいずれかのイソシアネート基含有有機ケイ素化合物を含むコーティング剤、
10. 9のコーティング剤で被覆または表面処理されてなる物品、
11. 9のコーティング剤で、その表面が被覆または処理されたガラス繊維製品であって、ガラスクロス、ガラステープ、ガラスマットおよびガラスペーパーから選ばれるガラス繊維製品、
12. 9のコーティング剤で、その表面が被覆または処理された無機フィラー、
13. 9のコーティング剤で、その表面が被覆または処理されたセラミック、
14. 9のコーティング剤で、その表面が被覆または処理された金属、
15. 偏光フィルムと、この偏光フィルムの片面または両面に8の粘着剤から形成される粘着剤層とを有する粘着偏光板、
16. 一対のガラス基板間に液晶が封入された液晶セルと、この液晶セルの片面または両面に貼着された15の粘着偏光板とを有する液晶パネルを備える液晶表示装置
を提供する。
このような特性を有する本発明のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物を接着改質剤の必須成分として配合することにより、貼り付ける際に初期接着力が低くてリワーク性に優れ、貼り付けた後に高温または高温多湿処理を経た後は被接着体との接着力が増加し、長期的耐久性に優れた粘着剤層を与え、しかも、ITO等の易腐食性被接着体を腐食させることがないという利点を有している。
したがって、本発明のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物は、接着剤、粘着剤、無機フィラー,セラミック,金属,ガラス繊維等の表面処理に供されるコーティング剤等の一成分として有用であり、また、液晶表示装置に使用される粘着偏光板の粘着層として有用である。
また、本発明のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物の製造方法は、入手容易な既存の工業原料を使用しながら、これまで知られているイソシアネートシランの製法よりも簡便、かつ、生産性に優れたものである。
本発明に係るイソシアネート基含有有機ケイ素化合物は、下記一般式(1)で示される。
上記Rにおける炭素数1〜6の一価炭化水素基としては、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル基等のアルキル基やフェニル基などが挙げられるが、反応原料となる重合性基含有シランカップリング剤の入手性等を考慮すると、好ましくはメチル基である。
また、エステル基を介する炭素数2〜10の二価炭化水素基の具体例としては、3−オン−4−オキサ−ヘキサン−1,6−ジイル、2−メチル−3−オン−4−オキサ−ヘキサン−1,6−ジイル、3−オン−4−オキサ−オクタン−1,8−ジイル、2−メチル−3−オン−4−オキサ−オクタン−1,8−ジイル、3−オン−4−オキサ−デカン−1,10−ジイル、2−メチル−3−オン−4−オキサ−デカン−1,10−ジイル基等が挙げられる。
これらの中でも、後述する反応原料となる不飽和炭化水素二重結合構造基含有のイソシアネート化合物および有機ケイ素化合物の入手が容易性を考慮すると、エチレン、トリメチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、3−オン−4−オキサ−ヘキサン−1,6−ジイル、2−メチル−3−オン−4−オキサ−ヘキサン−1,6−ジイルが好ましく、エチレン、3−オン−4−オキサ−ヘキサン−1,6−ジイル、2−メチル−3−オン−4−オキサ−ヘキサン−1,6−ジイル基がより好ましい。
熱ラジカル発生剤の具体例としては、ジアルキルパーオキサイド類(ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等)、ジアシルパーオキサイド類[ジアルカノイルパーオキサイド(ラウロイルパーオキサイド等)、ジアロイルパーオキサイド(ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルトルイルパーオキサイド、トルイルパーオキサイド等)など]、過酸エステル類(過酢酸t−ブチル、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過カルボン酸アルキルエステルなど)、ケトンパーオキサイド類、パーオキシカーボネート類、パーオキシケタール類などの有機過酸化物;アゾニトリル化合物(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等)、アゾアミド化合物(2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等)、アゾアミジン化合物(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩等)、アゾアルカン化合物(2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等)、オキシム骨格を有するアゾ化合物(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)等)などのアゾ化合物などが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
反応時間は特に限定されるものではないが、通常10分〜24時間である。
そのような溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、ラクトン等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒などが挙げられるが、中でも工業的に入手が容易なトルエン、キシレンが好ましい。
この場合、イソシアネート基含有有機ケイ素化合物の含有量はコーティング剤またはプライマー全体の0.1〜90質量%が好ましく、特に1〜50質量%がより好ましい。なお、残部は上記任意成分としての溶剤である。
溶剤としては、上述した反応溶媒と同様のものが使用できる。
代表的な無機材質としては、例えば、シリカ等の無機フィラー;ガラスクロス、ガラステープ、ガラスマット、ガラスペーパー等のガラス繊維製品;セラミック;金属基材等が挙げられる。
また、代表的な有機樹脂としては、例えば、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、水酸基含有アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
(A)アルコール性水酸基含有アクリル系ポリマー((メタ)アクリル系共重合体):100質量部
(B)上記イソシアネート基含有有機ケイ素化合物:0.001〜10質量部、好ましくは、0.01〜1質量部
(C)多官能架橋剤:0.01〜10質量部、好ましくは、0.05〜5質量部
また、(A)成分100質量部に対して(C)多官能架橋剤を0.01〜10質量部配合することで、所望の接着性改質効果を付与しつつ、凝集を防止して、粘着剤シート等への成形が容易になる。
本発明の粘着剤は、連結鎖に硫黄原子を含むイソシアネート基を有するシランカップリング剤を含む(メタ)アクリル系粘着剤であって、ガラス、ITO等に貼り付け時に初期接着力は低いため、リワーク性に優れ、貼り付け後の湿熱処理後の接着力が十分に高いものとなり長期耐久性に優れる。
アルコール性水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとしては一般工業品として入手可能なものでよく、その具体例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルも同様に一般工業品として入手可能なものでよく、その具体例としては、アルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のものが挙げられる。
上記共重合体中の全モノマー単位に対するアルコール性水酸基含有(メタ)アクリルモノマー単位の含有割合は、所望の粘着性を付与するとともに、粘度上昇や凝集を抑制してシート等への成形性を良好にすることを考慮すると、0.1〜50モル%の範囲が好ましく、1〜20モル%がより好ましい。
多官能架橋剤は、イソシアネート系、エポキシ系、アジリジン系、金属キレート系架橋剤等を使用できるが、その中でもイソシアネート系架橋剤が使用に適している。
イソシアネート系架橋剤の具体例としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォルムジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、これらとトリメチロールプロパン等のポリオールとの反応物(トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート付加物等)などが挙げられる。
アジリジン系架橋剤の具体例としては、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、トリエチレンメラミン、ビスイソプロタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
金属キレート系架橋剤の具体例としては、アルミニウム、鉄、亜鉛、スズ、チタン、アンチモン、マグネシウム、バナジウム等の多価金属が、アセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルに配位した化合物などが挙げられる。
混合条件は、特に限定されるものではないが、10〜150℃で10分〜10時間が好ましい。
この場合、上記イソシアネート基含有有機ケイ素化合物は、(メタ)アクリル系共重合体の重合の後、配合工程で添加して使用することができ、(メタ)アクリル系共重合体の製造工程中に添加しても同一な効果を示す。
また、多官能架橋剤は、粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤層形成のために実施する配合過程において、架橋剤の官能基架橋反応が殆ど生じない場合に均一なコーティングが可能となる。コーティングした後に乾燥および熟成過程を経ると架橋構造が形成されて、弾性があり、凝集力の強い粘着剤層が得られる。
偏光板を構成する偏光フィルムまたは偏光素子については特に限定されない。偏光フィルムの例を挙げると、ポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムにヨウ素または異色性染料等の偏光成分を含有させて延伸することによって得られるフィルム等が挙げられる。
これらの偏光フィルム等の厚さは限定されず、通常の厚さに成形することができる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルフォルマール、ポリビニルアセタールおよびエチレン・酢酸ビニル共重合体の鹸化物等が使用される。
例えば、粘着剤層を有する偏光フィルムの両面に、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリエーテルスルホン系フィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合体のようなポリオレフィン系フィルムなどの保護フィルムが積層された多層フィルム等を形成することができる。
この際、これら保護フィルムの厚さも特に限定されず通常の厚さに成形することができる。
特に、本発明の粘着偏光板を、一対のガラス基板間に液晶が封入された液晶セルの片面または両面に貼合した液晶パネルを含めて液晶表示装置を構成することが好ましい。
また、多層構造のラミネート製品、つまり一般商業用粘着シート製品、医療用パッチ、加熱活性用等、作用概念が同一である応用分野にも適用することができる。
なお、実施例で使用した装置は以下のとおりである。また、比重、屈折率は、25℃において測定した値である。
IR:Thermo sientific製NICOLET6700
1H−NMR:Bruker製AVANCE400M
GPC:東ソー製HLC−8220GPC
粘度(25℃):毛細管式動粘度計
[合成例1]接着性試験用ポリウレタンエラストマーの合成
数平均分子量1,000のポリオキシテトラメチレングリコール150質量部、1,6−キシレングリコール100質量部、水0.5質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート200質量部およびジメチルホルムアミド800質量部を撹拌しつつ混合して90℃に加熱し、そのまま2時間撹拌して反応させた後、ジブチルアミンを3質量部添加して反応を停止させ、次いで過剰量のアミンを無水酢酸で中和してポリウレタンエラストマーを得た。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(BA)98.1g、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA)0.6g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)1.3gを納め、溶剤として酢酸エチル100gを仕込み、溶解させた。その後、酸素を除去するために窒素ガスバブリングを1時間行い、反応系中を窒素置換して62℃に保持した。この中に、撹拌しながら重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.03g投入し、62℃で8時間反応させてアクリル系ポリマー(ベースポリマー)である(メタ)アクリル系共重合体を得た。
ガラス板に対し、上記実施例1〜8で得られた有機ケイ素化合物、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(比較例1)および下式(23)の一分子中にイソシアネート基を1つ含有し、加水分解性シリル基との連結鎖に硫黄原子を含むシランカップリング剤(比較例2)を、それぞれ10質量%含むトルエン溶液をプライマーとして刷毛で塗布し、80℃で5分間乾燥した後、室温(23℃)まで冷却し、さらに合成例1で得られたポリウレタンエラストマーを刷毛で塗布して、100℃で10分間乾燥した。次いで、得られた塗膜に1mm間隔で縦横に切れ目を入れて100個の碁盤目を形成させた後、セロハンテープで圧着してから剥離させて、剥離した碁盤目の数からプライマーのウレタン樹脂および無機基材との接着性を評価した。結果を表1に示す。なお、表1には、プライマー未塗布の例も併せて示す。
[実施例9〜16,比較例3〜7]
合成例2で得られた(A)アクリル系ポリマー:(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して、(B)接着性改質剤:実施例1〜8で得られたシランカップリング剤または比較例1〜2の有機ケイ素化合物、(C)架橋剤としてトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート付加物(TDI)を、表2,3に示す配合組成でそれぞれ混合し、粘着剤組成物を調製した。
製造した偏光板のテストピースについては、以下に示す評価試験方法を通じて耐久信頼性、ガラス接着力、リワーク性、耐熱および耐湿熱条件での接着力の変化について評価した。結果を表4に示す。
粘着剤がコーティングされた偏光板(90mm×170mm)をガラス基板(110mm×190mm×0.7mm)に両面で光学吸収軸がクロスされた状態で貼り付けた。この際、加えた圧力は約5kgf/cm3であり、気泡や異物が生じないようにクリーンルームにて作業を行った。
この試験片の耐湿耐熱特性を評価するために、60℃/90%RHの条件下で1,000時間放置した後、気泡や剥離の生成の有無を確認した。耐熱特性は、80℃/30%RHで1,000時間放置した後、気泡や剥離の様子を観察した。なお、試験片の状態を評価する前に、室温(23℃/60%RH)で24時間静置している。
耐久性評価についての評価基準は以下の通りである。
○:気泡や剥離現象無し
△:気泡や剥離現象僅かにあり
×:気泡や剥離現象多数有り
(2)ガラス接着力
粘着剤がコーティングされた偏光板を、室温(23℃/60%RH)において7日間熟成させた後、該偏光板をそれぞれ1インチ×6インチサイズに切断し、2kgのゴムローラーを使用して0.7mm厚の無アルカリガラスに貼り付けた。室温で1時間保管後、初期接着力を測定し、次いで50℃で4時間エージングさせ、その後室温で1時間保管後、接着力を測定した。
(3)リワーク性
粘着剤がコーティングされた偏光板(90mm×170mm)をガラス基板(110mm×190mm×0.7mm)に貼り付けた後、室温(23℃/60%RH)で1時間放置後、50℃×4時間エージングし、更に室温で1時間放冷した後、偏光板をガラスから剥離した。
偏光板やガラス板を破壊せず、粘着材をガラス表面に残さずに剥離可能か否かを基準とし、以下の通り評価した。
○:容易に再剥離可能
△:再剥離は若干困難(粘着剤がガラス表面に残存)
×:剥離不能(ガラスまたは偏光板が破損)
これに対し、比較例3は接着性改質剤を含有しないため、熱キュア後に十分な接着性が発現しないことがわかる。
比較例4は既存技術であるイソシアネートプロピル基含有シランカップリング剤を使用しているが、この化合物のイソシアネート基−シリル連結鎖がプロピレン基であり、分子全体の疎水性が低いことから初期接着力のリワーク性が発現するものの、樹脂とのなじみが相対的に不十分であるためキュア後の最終密着強度が不十分であることがわかる。
比較例5はイソシアネート基−シリル基の連結鎖に硫黄原子を有する本発明の類似構造を持ったシランカップリング剤であるが、一分子中のイソシアネート基が一個であるため反応点が少なく、50℃4時間後の密着強度が不足する他、耐久信頼性も不十分であることがわかる。
比較例6は使用する(B)成分が少なすぎるため効果が不十分であり、一方、比較例6は(B)成分の使用量が多すぎるため初期から過剰な密着性が発現しリワーク性不十分となっていることがわかる。
Claims (16)
- 前記R1が、水素原子である請求項2または3記載のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物を含む接着剤。
- (A)アルコール性水酸基含有アクリル系ポリマー:100質量部
(B)請求項1〜5のいずれか1項記載のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物:0.001〜10質量部、および
(C)多官能架橋剤:0.01〜10質量部
を含有する粘着剤。 - 請求項1〜5のいずれか1項記載のイソシアネート基含有有機ケイ素化合物を含むコーティング剤。
- 請求項9記載のコーティング剤で被覆または表面処理されてなる物品。
- 請求項9記載のコーティング剤で、その表面が被覆または処理されたガラス繊維製品であって、ガラスクロス、ガラステープ、ガラスマットおよびガラスペーパーから選ばれるガラス繊維製品。
- 請求項9記載のコーティング剤で、その表面が被覆または処理された無機フィラー。
- 請求項9記載のコーティング剤で、その表面が被覆または処理されたセラミック。
- 請求項9記載のコーティング剤で、その表面が被覆または処理された金属。
- 偏光フィルムと、この偏光フィルムの片面または両面に請求項8記載の粘着剤から形成される粘着剤層とを有する粘着偏光板。
- 一対のガラス基板間に液晶が封入された液晶セルと、この液晶セルの片面または両面に貼着された請求項15記載の粘着偏光板とを有する液晶パネルを備える液晶表示装置。
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