JP6733246B2 - 電子部品冷却装置、及び冷却装置を備えた電子部品 - Google Patents
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Description
この特許文献1に示されるラジエータでは、隣接する放熱フィンのいずれか一方に、温度変化により変形される形状記憶合金からなる遮蔽板の一端を支持した構成とされる。
この遮蔽板は、設定温度よりも高いときに、支持された放熱フィンに沿った真直状態とされることで放熱を促進する一方で、設定温度よりも低いときに、その先端を隣接するフィンの表面に近接ないし接触させて該隣接するフィンとの間隙を密閉する。
そして、このような遮蔽板によるフィンの間隙封鎖により、対象部品が動作を開始してから所定の使用環境温度に上昇するまで冷却を抑止する。
また、特許文献1では、隣接するフィンの間という開放された空間に遮蔽板が設置されているので、ヒートパイプのような閉空間に収容される低沸点の作動液を冷却媒体として流通させることはできず、この点において改善が期待されていた。
本発明は、動作に伴って熱を発生する発熱部品に設けられ、該発熱部品から熱を受ける冷却媒体が収容された冷却媒体タンクと、この冷却媒体タンクの冷媒収容部に接続されて前記発熱部品から熱を受け取った冷却媒体を受け入れて放熱させる放熱部と、これら冷却媒体タンクと放熱部との間で冷却媒体を流通させる通路と、この通路を開閉する弁と、該弁を前記冷却媒体が所定温度以上となることにより開放させる弁機構とを具備することを特徴とする。
図1に符号1で示すものは動作に伴って熱を発生する発熱部品であって、例えばCPUなどの電子部品で構成されている。
この冷却媒体タンク2は、発熱部品1から熱を受ける冷却媒体Sが収容された冷媒収容部3を有するものであって、該冷媒収容部3は閉空間となるように形成されている。また、この冷却冷媒タンク2の冷媒収容部3には、発熱部品1から熱を受け取った冷却媒体Sを受け入れて放熱させる放熱部4が接続されている。
この弁機構6は、冷却媒体Sが所定温度以上となることにより開放させる開閉弁7を有している。なお所定温度とは、例えば、前記発熱部品1が実際に動作することができる、あるいは、製造者が所定の性能を保証することができる温度領域の最低温度をいう。
また、冷却媒体タンク2と放熱部4との間で冷却媒体Sを流通させる通路5の途中には弁機構6の開閉弁7が設けられており、この開閉弁7が、冷却媒体Sが所定温度以上となることにより開放されるように設定されている。
すなわち、本発明の電子部品冷却装置100では、冷却媒体タンク2の閉空間となる冷媒収容部3内に熱伝達効率の高い冷却媒体Sを使用でき、かつ通路5の途中に、該冷却媒体Sが所定温度以上となることにより開放される弁機構6を設けることで、発熱部品1が使用環境温度に上昇した後、発熱部品1を適切に冷却して使用環境温度の上限を越えないようにすることが可能となる。
図1をさらに具体化した本発明の第1実施形態に係る電子部品冷却装置101について、図2及び図3を参照して説明する。
図2に符号11で示されるのはCPUなどの電子部品で構成される発熱部品であって、キャリア21を介して台座22上に固定されている。
冷却媒体タンク12は、発熱部品11から熱を受ける冷却媒体Sが収容された冷媒収容部13を内部に有するものであって、該冷媒収容部13は閉空間となるように形成されている。また、この冷却冷媒タンク12の上部には、発熱部品11から熱を受け取った冷却媒体Sを受け入れて放熱させる放熱部14が接続されている。
この放熱部14は、ヒートシンク23と、該ヒートシンク23の上部に設けられた放熱フィン24とから構成されたものであって、これらヒートシンク23及び放熱フィン24を介して冷媒収容部13内の冷却媒体Sの熱が放出される。
これら通路15は、下方に位置する冷却媒体タンク12と上方に位置する放熱部14とを接続するように上下方向に配置されたものであって、互いが並列するように配置されている。また、これら通路15内には、冷却媒体タンク12から放熱部14に至る閉空間の冷媒収容部13が形成されている。
この弁機構16は各通路15の下部でかつ冷却媒体タンク12側の開口部に位置する開閉弁17を有するものである。
また、各開閉弁17は、図3に示されるように、冷却媒体Sが所定温度以上となることにより開放させる構造、例えば、形状記憶合金又はバイメタルが温度変化にともなって変形することにより弁体を機械的に開閉するアクチュエータが内蔵されている。なお開閉弁に設けられて流路を開閉する弁体自体をバイメタルあるいは形状記憶合金により構成して流路を開く形状または閉じる形状に機械的に変形させることにより、流路を開閉するようにしても良い。
また、上記開閉弁17では、図3(B)に示されるように、冷却媒体Sの温度が上昇した定常運転時において通路15を開状態として、冷却媒体Sの循環及び熱移動を行わせ、放熱部14を介して発熱部品11の放熱(冷却)を行わせる。
このとき、冷媒収容部13では、内部にて冷却溶媒Sの気化及び液化が繰り返されることで、発熱部品11で生じた熱が、冷却媒体タンク12、通路15及び放熱部14の放熱フィン24を経由して外部に放出される。
また、冷却媒体タンク12と放熱部14との間で冷却媒体Sを流通させる通路15の途中には、弁機構16の開閉弁17が設けられており、この開閉弁17が、冷却媒体Sが所定温度以上となることにより開放されるように設定されている。
すなわち、本発明の電子部品冷却装置101では、冷却媒体タンク12の冷媒収容部13内に、相変化を伴う高い熱伝達効率を有する冷却媒体Sを使用することができ、かつ通路15の途中に、該冷却媒体Sが所定温度以上となることにより開放される弁機構16を設けたことで、発熱部品11が動作を開始してから所定の使用環境温度に上昇した際に迅速に弁を開放することが可能となる。
また、この起動制御部25では、温度センサの検出値に基づき開閉弁17の開閉動作を行っても良いが、これに限定されず、電源ONから所定時間経過した場合に、開閉弁17を開動作させるとともに、発熱部品11へ起動信号(例えば、リセット信号、イネーブル信号)を出力しても良い。
図1を具体化した本発明の第2実施形態に係る電子部品冷却装置102について、図5を参照して説明する。
第2実施形態に係る電子部品冷却装置102が、第1実施形態に係る電子部品冷却装置101と構成を異にする点は、発熱部品、冷却媒体タンク、放熱部が配置される向きである。すなわち、第2実施形態に係る電子部品冷却装置102では、発熱部品、冷却媒体タンク、放熱部が全体として縦向きに配置されている。
この放熱部34は、ヒートシンク43と、該ヒートシンク43の上部位置に設けられた放熱フィン44とから構成されたものであって、これらヒートシンク43及び放熱フィン44を介して冷却媒体Sの熱が放出される。
これら通路35A,35Bは、冷却媒体タンク32と放熱部34とを接続するように水平方向に配置されたものであって、上下に並列するように配置されている。また、これら通路35A,35B内には、冷却媒体タンク32から放熱部34に至る閉空間の冷媒収容部33が形成されており、この冷媒収容部33にて冷却溶媒Sの気化及び液化が繰り返される。
また、これら通路35A,35Bの中で、上側に位置する通路35Aは、冷却媒体タンク32と放熱部34との間で気体を流通させる第1の通路を形成し、また、下側に位置する通路35Bは、冷却媒体タンク32と放熱部34との間で液体を流通させる第2の通路を形成している。
この弁機構36は、通路35Aの開口部に位置する開閉弁37を有するものであって、該通路35Aを開放した場合に、気体又は液体状態の冷却媒体Sを内部空間内で循環させることができる。
また、この開閉弁37は、冷却媒体Sが所定温度以上となることにより機械的に変形して開放させる構造、例えば、形状記憶合金又はバイメタルを用いて開閉する機構が採用されている。
また、上記開閉弁37では、冷却媒体Sの温度が上昇した定常運転時において通路35Aを開状態として、冷却媒体Sの循環及び熱移動を行わせ、放熱部34を介した発熱部品31の発熱を行わせる。
このとき、冷媒収容部33では、冷媒収容部33内で気化した冷却溶媒Sが上側の通路35Aを通じて放熱部34に移動し、放熱部34にて放熱されることにより該冷却冷媒Sの液化がなされる。その後、液化した冷却溶媒Sは下側の通路35Bを通じて冷却媒体タンク32に戻る。
すなわち、通路35Aに設けられた開閉弁37が開状態となった場合に、冷却媒体タンク32、通路35A,35B及び放熱部34を経由して冷却溶媒Sを循環させつつ、該冷却溶媒Sの気化及び液化を繰り返すことにより、発熱部品31の強制的な放熱を行わせる。
また、冷却媒体タンク32と放熱部34との間で冷却媒体Sを流通させる通路35Aの途中には弁機構36の開閉弁37が設けられており、この開閉弁37が、冷却媒体Sが所定温度以上となることにより開放されるように設定されている。
すなわち、本発明の電子部品冷却装置102では、冷却媒体タンク32の冷媒収容部33内に熱伝達効率の高い冷却媒体Sを使用でき、かつ通路35Aの途中に、該冷却媒体Sが所定温度以上となることにより開放される弁機構36を設けたことで、発熱部品31が動作を開始してから所定の使用環境温度に上昇した際の弁開放のレスポンス性能を高めことが可能となる。
この第3実施形態は、第2実施形態における冷却媒体タンク32の冷媒収容部33が上方に延長されて、ほぼ、発熱部品31と接触する範囲の全体に冷却媒体Sが収容されている。
これら第2、第3実施形態の電子部品冷却装置102では、放熱部34が冷却媒体タンク32の上方に設けられることにより、発熱部品31から熱を受けて気化した冷却媒体Sが、放熱部34側に移動し、これによって該放熱部34を介した発熱部品31の効率的な放熱が可能となる。
なお、第2、第3実施形態では、通路35A,35Bの中で、上側に位置する通路35Aに弁機構36を設けたが、これに限定されず、下側に位置する通路35B又は上側、下側の通路35A,35Bの双方に設けても良い。
また、各実施形態における部材間の接触部、例えば発熱部品と冷却媒体タンクとの間、あるいは冷却フィンと冷却媒体タンクとを別部材で構成した場合、これらの接触面の間には、熱伝導グリース(オイル)、熱伝導コンパウンド、部材間変形可能な熱伝導シートなど、接触面において変形して隙間を埋めることにより熱抵抗を低減して熱伝導効率を高める物質を介在させることが望ましい。
2 冷却媒体タンク
3 冷媒収容部
4 放熱部
5 通路
6 弁機構
7 開閉弁
11 発熱部品
12 冷却媒体タンク
13 冷媒収容部
14 放熱部
15 通路
16 弁機構
17 開閉弁
26 温度センサ
31 発熱部品
32 冷却媒体タンク
33 冷媒収容部
34 放熱部
35(35A,35B) 通路
36 弁機構
37 開閉弁
100 電子部品冷却装置
101 電子部品冷却装置
102 電子部品冷却装置
S 冷却溶媒
Claims (4)
- 動作に伴って熱を発生する発熱部品に設けられ、該発熱部品から熱を受け取ることにより液体から気体となる冷却媒体が所定の液面高さで収容された第一の冷却媒体タンクと、
この第一の冷却媒体タンクの前記液面より下の位置と、前記液面より上の位置との両方で接続されていて、所定の液面高さで冷却媒体を収容し、前記発熱部品から熱を受け取った冷却媒体を受け入れて放熱させる放熱部を有する第二の冷却媒体タンクと、
これら第一および第二の冷却媒体タンクの間で冷却媒体を流通させるものであって、前記液面より上に設けられた第一の通路、および、前記液面より下に設けられた第二の通路と、
前記第一の通路を開閉する弁と、
該弁を前記冷却媒体が所定温度以上となることにより開放させる弁機構と、
を具備することを特徴とする電子部品冷却装置。 - 前記弁機構は、前記冷却媒体が所定温度以上となることにより変形して前記弁の開閉動作をさせるバイメタルが内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品冷却装置。
- 前記弁機構は、前記冷却媒体が所定温度以上となることにより変形して前記弁の開閉動作をさせる形状記憶合金が内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品冷却装置。
- 動作に伴って熱を発生する発熱部品と、
この発熱部品が取り付けられ、該発熱部品から熱を受け取る冷却媒体が所定の液面高さで収容された第一の冷却媒体タンクと、
この第一の冷却媒体タンクの冷媒収容部に前記液面より下の位置と、前記液面より上の位置との両方で接続されていて、所定の液面高さで冷却媒体を収容し、前記発熱部品から熱を受け取った冷却媒体を受け入れて放熱させる放熱部を有する第二の冷却媒体タンクと、
これら第一および第二の冷却媒体タンクの間で冷却媒体を流通させるものであって、前記液面より上に設けられた第一の通路、および、前記液面より下に設けられた第二の通路と、
前記第一の通路を開閉する弁と、
該弁を前記冷却媒体が所定温度以上となることにより開放させる弁機構と、
を具備することを特徴とする冷却装置を備えた電子部品。
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