JP6729134B2 - 回転力伝達機構、およびそれを備えた定着装置と画像形成装置 - Google Patents

回転力伝達機構、およびそれを備えた定着装置と画像形成装置 Download PDF

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本発明は画像形成装置に関し、特に定着ローラーに対する回転力伝達機構に関する。
プリンター、コピー機等の画像形成装置は、シート搬送機構、印刷エンジン等の機械的要素(「メカニカルコンポーネント」、略して「メカコン」という。)を含む。メカコン内では、搬送ローラー、ポリゴンミラー、感光体ドラム等に見られる(準)定常的な回転運動が典型的である。その他にも、ピックアップローラーによるシートの繰り出し、クラッチによる搬送ローラーに対する回転力の遮断等、間欠的な運動が多用される。
間欠的な運動の駆動系統では欠歯ギアが駆動力の伝達によく利用される。「欠歯ギア」とは、周の一部に歯がないギアをいう。駆動ギアが定常的に回転する場合、欠歯ギアは、歯のある周部分(「有歯部」という。)が駆動ギアと噛み合う姿勢(以下、「回転姿勢」と呼ぶ。)を取る間、駆動ギアから回転力を受けて回転する。有歯部が駆動ギアから離脱すると駆動ギアからの回転力が途絶えるので欠歯ギアは停止し、歯のない周部分(「欠歯部」という。)が駆動ギアに面する姿勢(以下、「停止姿勢」と呼ぶ。)を維持する。駆動ギアとは別の駆動力源(以下、「初動部材」と呼ぶ。)が欠歯ギアの有歯部を駆動ギアに再び噛み合わせると欠歯ギアは回転を再開する。このようにして欠歯ギアは、駆動ギアの定常的な回転から間欠的な回転を引き出すのに利用される。画像形成装置では欠歯ギアがたとえば、ピックアップローラーによるシートの繰り出し(特許文献1、2参照。)、搬送ローラーのクラッチ(特許文献3参照。)、定着ローラーからの均熱ローラー(特許文献4、5参照。)の離間に利用される。
欠歯ギアの有歯部では、回転方向の先頭に位置する歯の歯先が切り欠かれる場合がある(特許文献6、7参照)。この切り欠きにより、有歯部が駆動ギアと噛み合い始める際、歯先が設計上の咬合位置から外れても駆動ギアの歯先と衝突すること(以下、「歯先当たり」と呼ぶ。)が回避される。その結果、歯先当たりに起因する騒音が低減し、ギアのロック、共振等、駆動力伝達の不具合が抑えられ、歯面損傷によるギアの短寿命化が防止される。
1つの駆動ギアに対して欠歯ギアは、2枚が同軸に重ね合わされて利用される場合がある(特許文献1−3参照)。2枚の欠歯ギアが両方とも停止姿勢を維持するとき、初動部材はそれらの一方のみを回転姿勢に移行させる。他方の欠歯ギアは、先に回転姿勢を取った欠歯ギアから回転力を受けて回転姿勢に移行する。こうして、両方の欠歯ギアが駆動ギアの回転力を負荷へ伝達する。この場合、欠歯ギアが1枚だけである場合と比べ、初動部材が回転させるべき欠歯ギアの慣性モーメントは、負荷へ伝達すべき回転力を高く維持したまま軽減可能である。したがって、初動部材の負担が軽減される。さらに、駆動ギアが各欠歯ギアと噛み合い始める際にその欠歯ギアから受ける抗力が低く抑えられるので、歯先当たりに起因する騒音、ギアのロック、歯面損傷等が抑制される。
特開2008−002569号公報 特開2009−107826号公報 特開2012−076911号公報 特開2010−002691号公報 特開2014−052467号公報 特開平08−226517号公報 特開2014−010276号公報
2枚の欠歯ギアが同軸に重ね合わされて使用される場合、これらの欠歯ギア間には回転姿勢の位相(基準方向から特定の歯が位置する半径方向までの角度)に差が生じにくい。これは、2枚の欠歯ギアのうち先に回転姿勢を取った方が他方を停止姿勢から回転姿勢へ移行させ、その後、他方と一体的に回転することによる。したがって、前者が駆動ギアにうまく噛み合えさえすれば、後者は自動的に駆動ギアとうまく噛み合う。
しかし、欠歯ギアとシャフトとの間、または2枚の欠歯ギア間のガタ(遊び)が無視できない場合、2枚の欠歯ギアが一体的に回転する際における両ギア間の位相差が過大になりやすい。これは、ガタに伴う各欠歯ギアの回転の不安定性が無視できないことによる。この場合、1枚目の欠歯ギアが駆動ギアにうまく噛み合った状態でも、2枚目の欠歯ギアが駆動ギアに噛み合う際に歯先当たりが生じる危険性が高い。その結果、その歯先当たりに起因する騒音の低減が阻まれ、さらに、ギアのロック等の不具合と歯面損傷との防止が困難である。
特に、定着ローラーから均熱ローラー等の他のローラーを間欠的に離間させる機構(特許文献5参照。)には2枚重ねの欠歯ギアを適用することが難しい。これは次の理由に因る。定着部の動作温度の許容上限は一般に数百℃もの高温である。このような高温に定着ローラー等の可動部材が長時間曝される最悪の状態においても、シャフト、ギア等、回転力伝達機構の構成要素の間隔には各要素の熱膨張に起因する詰まりが生じないように、その間隔のガタは十分に大きな値に設計される。これにより、高温環境下での動作においてもギア等の熱膨張に起因する摩擦力が適度な強さに抑えられるので、過大な摩擦音、ギアのロック、摩擦熱による過熱等の不具合が防止される。しかし、その反面、たとえば、電源投入直後、もしくはリカバリー直後、定着ローラーの高熱が周辺の部材にまでは伝わっていない状態のように比較的低温の環境下では、無視できない大きさのガタが残る。このガタにより、2枚の欠歯ギアを安定に回転させてそれらの間の位相差を無視可能な程度に小さく抑えることが阻まれる。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、欠歯ギアとシャフトとの間、または2枚の欠歯ギア間のガタが無視できない場合でも、欠歯ギアが駆動ギアに噛み合う際に歯先当たりが生じる危険性を回避可能な回転力伝達機構を提供することにある。
本発明の1つの観点による回転力伝達機構は、定常的に回転する1枚の駆動ギアの回転力を利用して可動部材を間欠的に変位させる。この回転力伝達機構は、それぞれの有歯部が駆動ギアに噛み合う回転姿勢を取ることのできるように同軸に配置された1対の欠歯ギアであり、回転姿勢を維持する間は同方向へ回転し、有歯部が駆動ギアから離脱すると、欠歯部が駆動ギアに面する停止姿勢を維持する第1欠歯ギアおよび第2欠歯ギアと、第1欠歯ギアを停止姿勢から回転姿勢へ移行させる初動部材と、第1欠歯ギアと一体に形成され、回転姿勢の第1欠歯ギアから回転力を第2欠歯ギアへ伝達することにより、第2欠歯ギアを停止姿勢から回転姿勢へ移行させる伝達部材と、第2欠歯ギアの回転力で回転して外部の固定部材または可動部材との接触点を移動させることにより、固定部材に対して可動部材を変位させるカムとを備えている。初動部材は、第1欠歯ギアと第2欠歯ギアとの間に周方向の力を加える付勢部材としてのバネと、付勢部材の加える力に抗して第1欠歯ギアを停止姿勢に保持する保持部材と、保持部材を変位させて第1欠歯ギアの保持を解除させる駆動部と、を含む。第1欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先が切り欠かれた傾斜面を含み、当該傾斜面は、回転方向の端部が逆方向の端部よりも前記第1欠歯ギアの中心に近い。第2欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先が切り欠かれた傾斜面を含み、当該傾斜面は、回転方向の端部よりも逆方向の端部が前記第2欠歯ギアの中心に近い。
本発明の別の態様としての回転力伝達機構は、それぞれの有歯部が駆動ギアに噛み合う回転姿勢を取ることのできるように同軸に配置された1対の欠歯ギアであり、回転姿勢を維持する間は同方向へ回転し、有歯部が駆動ギアから離脱すると、欠歯部が駆動ギアに面する停止姿勢を維持する第1欠歯ギアおよび第2欠歯ギアと、第1欠歯ギアを停止姿勢から回転姿勢へ移行させる初動部材と、回転姿勢の第1欠歯ギアから回転力を第2欠歯ギアへ伝達することにより、第2欠歯ギアを停止姿勢から回転姿勢へ移行させる伝達部材と、第2欠歯ギアの回転力で回転して外部の固定部材または可動部材との接触点を移動させることにより、固定部材に対して可動部材を変位させるカムと、を備えている。第2欠歯ギアの有歯部は、回転方向の先頭に位置する歯の歯先が切り欠かれている。初動部材は、第1欠歯ギアと第2欠歯ギアとの間に周方向の力を加える付勢部材と、付勢部材の加える力に抗して第1欠歯ギアを停止姿勢に保持する保持部材と、保持部材を変位させて第1欠歯ギアの保持を解除させる駆動部と、を含む。第1欠歯ギアの表面には、第1欠歯ギアと同心で、半径が互いに異なる複数の弧状部分を含む溝が刻まれており、保持部材は、先端が溝の中に位置し、かつ第1欠歯ギアの半径方向に変位可能に支持された突起部を含む。突起部は先端を、溝のうち、いずれかの弧状部分の端に接触させることにより第1欠歯ギアを停止姿勢に保持し、駆動部は、突起部を第1欠歯ギアの半径方向に変位させて突起部の先端を溝の別の弧状部分へ移動させることにより、保持部材に第1欠歯ギアの保持を解除させる。
第2欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先が切り欠かれた傾斜面を含み、当該傾斜面は、回転方向の端部よりも逆方向の端部が前記第2欠歯ギアの中心に近くてもよい。この歯は、歯先の表面に、第2欠歯ギアの中心からの距離が第2欠歯ギアのピッチ円の半径よりも長い部分を含んでもよい。
第1欠歯ギアの有歯部は、回転方向の先頭に位置する歯の歯先が切り欠かれていてもよい。第1欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先が切り欠かれた傾斜面を含み、当該傾斜面は、回転方向の端部が逆方向の端部よりも前記第1欠歯ギアの中心に近くてもよい。この歯は、歯先の表面に、第1欠歯ギアの中心からの距離が第1欠歯ギアのピッチ円の半径よりも長い部分を含んでもよい。
勢部材は、一端が第1欠歯ギアに固定され、他端が第2欠歯ギアに固定されたバネを含んでもよい。このバネは、保持部材が第1欠歯ギアを停止姿勢に保持する間、第2欠歯ギアの回転により復元力を高め、駆動部が保持部材に第1欠歯ギアの保持を解除させるのに伴い、その復元力で第1欠歯ギアを第2欠歯ギアに対して回転させてもよい。第1欠歯ギアの表面には、第1欠歯ギアと同心で、半径が互いに異なる複数の弧状部分を含む溝が刻まれていてもよい。保持部材は、歯先がこの溝の中に位置し、かつ第1欠歯ギアの半径方向に変位可能に支持された突起部を含んでもよい。この突起部は歯先を、この溝のうち、いずれかの弧状部分の端に接触させることにより第1欠歯ギアを停止姿勢に保持してもよい。駆動部は、この突起部を第1欠歯ギアの半径方向に変位させてこの突起部の歯先を溝の別の弧状部分へ移動させることにより、保持部材に第1欠歯ギアの保持を解除させてもよい。
第1欠歯ギアに面した第2欠歯ギアの表面は、第2欠歯ギアと同心弧状の凹部を含んでもよい。伝達部材は、一端がこの凹部の中に位置し、他端が第1欠歯ギアに固定された柱状部を含んでもよい。この柱状部は、第1欠歯ギアの回転に伴い、一端で凹部の端を周方向に押すことにより、第2欠歯ギアを第1欠歯ギアの回転に連動して回転させてもよい。
第2欠歯ギアは、中心部から回転軸方向に突出するスリーブを同軸に含み、第1欠歯ギアは、このスリーブが挿入される穴を中心部に含んでもよい。第1欠歯ギアと第2欠歯ギアとの軸方向の間隔は、両欠歯ギアの温度が許容上限に達した場合でも実質的に詰まらない値に設計されていてもよい。
本発明の1つの観点による定着装置は、画像形成装置に搭載され、シートに画像を熱定着させる。この定着装置は、シートに接触して加熱する定着ローラーと、この定着ローラーを定常的に回転させるモーターと、定着ローラーに接触して従動回転する位置と定着ローラーから離間する位置との間で変位可能に支持された別ローラーと、モーターの回転力により定常的に回転する駆動ギアと、この駆動ギアの回転力を利用して別ローラーを定着ローラーから間欠的に離間させる上記の回転力伝達機構とを備えている。
本発明の1つの観点による画像形成装置は、シートを搬送する搬送装置と、シートに画像を作成する作像装置と、シートに画像を熱定着させる上記の定着装置とを備えている。
本発明の1つの観点による回転力伝達機構では、同軸に配置された1対の欠歯ギアのうち、第1欠歯ギアが初動部材により停止姿勢から回転姿勢へ移行し、回転姿勢の第1欠歯ギアが第2欠歯ギアを停止姿勢から回転姿勢へ移行させる。この構成において、第2欠歯ギアの有歯部は、回転方向の先頭に位置する歯の歯先が切り欠かれている。これによりこの回転力伝達機構は、各欠歯ギアとシャフトとの間、または1対の欠歯ギア間のガタが無視できない場合でも、少なくとも第2欠歯ギアが駆動ギアに噛み合う際に歯先当たりが生じる危険性を回避可能である。
(a)は、本発明の実施形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。(b)は、(a)の示す直線Ib−Ibに沿った模式的な断面図である。 (a)は、図1の(b)の示す定着ローラー、均熱ローラー、およびクリーニングローラーとそれらの駆動機構との模式的な斜視図である。(b)は、(a)が示す駆動機構の周辺の外観を示す拡大斜視図である。 (a)は、定着ローラーのフレームからギア列を除去したときの外観を示す拡大斜視図であり、(b)は、(a)の示す構成から更に初動部材の一部を除去したときの外観を示す斜視図である。 (a)は、図3の(b)の示す構成から初動部材を除去したときの外観を示す拡大斜視図である。(b)は、均熱ローラーと欠歯ギアとの接続部の分解斜視図である。(c)は、の(a)の示す直線c−cに沿ったその接続部の断面図である。 (a)は第1欠歯ギアの表面を示す平面図であり、(b)は第1欠歯ギアの裏面を示す平面図であり、(c)は第1欠歯ギアの側面図である。 (a)は、第2欠歯ギアの表面を示す平面図であり、(b)は、第1欠歯ギアと第2欠歯ギアとの分解斜視図である。 (a)は、軸方向から見たときの、定着ローラー、駆動ギア、および欠歯ギアの位置を示す側面図であり、(b)は、(a)から駆動ギアと第1欠歯ギアとを除去したときの側面図であり、(c)は、(b)からローラー以外の部材をすべて除去したときの側面図である。 (a)−(c)は、カムが1回転する期間の前半における第1欠歯ギアの姿勢の変化を回転角の順に示す模式的な平面図であり、(d)−(f)は、第1欠歯ギアが(a)−(c)の各姿勢を取るときにおける第2欠歯ギアの姿勢を示す模式的な平面図である。(g)は、欠歯ギアが(b)、(e)の示す停止姿勢を維持するときの定着ローラーと均熱ローラーとを模式的に示す側面図である。 (a)−(c)は、カムが1回転する期間の後半における第1欠歯ギアの姿勢の変化を回転角の順に示す模式的な平面図であり、(d)−(f)は、第1欠歯ギアが(a)−(c)の各姿勢を取るときにおける第2欠歯ギアの姿勢を示す模式的な平面図である。(g)は、欠歯ギアが(b)、(e)の示す停止姿勢を維持するときの定着ローラーと均熱ローラーとを模式的に示す側面図である。 (a)、(b)は、第1欠歯ギアがコイルバネの復元力を受けて回転し始めた際の第1欠歯ギアと駆動ギアとの咬合部分を示す模式的な拡大図である。(c)は、第1欠歯ギアの伝達部材が第2欠歯ギアを押すことにより2枚の欠歯ギアが一体的に回転する際の欠歯ギアと駆動ギアとの咬合部分を示す模式的な拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置の外観]
図1の(a)は、本発明の実施形態による画像形成装置100の外観を示す斜視図である。この画像形成装置100は電子写真方式のカラープリンター、すなわちカラーレーザープリンターである。プリンター100の筐体の上面には排紙トレイ41が設けられ、その奥に開いた排紙口42から排紙されたシートを収容する。排紙トレイ41の前方には操作パネル51が取り付けられている。操作パネル51には、各種の機械的な押しボタンに加え、タッチパネル内蔵のディスプレイが配置されている。ディスプレイは、操作画面、各種情報の入力画面等のグラフィックスユーザーインターフェース(GUI)画面を表示する。タッチパネルは、アイコン、仮想ボタン、メニュー、ツールバー等、GUI画面の含むガジェットを通してユーザーの入力操作を受け付ける。プリンター100の底部には給紙カセット11が引き出し可能に取り付けられ、その中にシートの束が収容される。「シート」とは、紙製もしくは樹脂製の薄膜状もしくは薄板状の材料、物品、または印刷物をいう。給紙カセット11に収容可能なシートの種類すなわち紙種は、普通紙、上質紙、カラー用紙、または塗工紙であり、サイズは、A3、A4、A5、またはB4である。さらに、シートの姿勢は縦置きと横置きとのいずれにも設定可能である。
[画像形成装置の内部構造]
図1の(b)は、図1の(a)の示す直線Ib−Ibに沿ったプリンター100の模式的な断面図である。この図が示すようにプリンター100は、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40を含む。
給送部10は、給紙ローラー12を利用して給紙カセット11からシートSH1を1枚ずつ繰り出す。このシートSH1が給紙カセット11から到達する時点ではタイミングローラー13は停止しているので、そのシートSH1はその先端をタイミングローラー13に接触させた状態で一旦停止する。その到着時点から所定時間が経過した時点で、給送部10はタイミングローラー13に回転を開始させる。これにより、停止していたシートSH1が作像部20へ送出される。
作像部20は、たとえばタンデム型の印刷エンジンであり、給送部10から送られたシートSH2にカラートナー像を形成する。具体的には、4つの感光体(PC)ユニット20Y、20M、20C、20Kのそれぞれがまず感光体(PC)ドラム21Y、21M、21C、21Kの表面を帯電させ、その帯電部分を露光部22からの光に曝す。これらの光は、画像データの示すイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の階調値分布に従って変調されているので、PCドラム21Y、…の各表面には、各色の階調値分布に対応する静電潜像が形成される。PCユニット20Y、…は次に静電潜像を、Y、M、C、Kのトナーで現像する。これら4色のトナー像は、1次転写ローラー23Y、23M、23C、23KとPCドラム21Y、…との間の電界により、PCドラム21Y、…の表面から順番に中間転写ベルト24の表面上の同じ位置へ転写される。こうしてその位置に1つのカラートナー像が構成される。このカラートナー像はその後、中間転写ベルト24の駆動プーリー24Rと2次転写ローラー25との間のニップを通過する際、両者24R、25の間の電界により、同じニップへ同時に通紙されたシートSH2の表面へ転写される。その後、このシートSH2は駆動プーリー24Rの回転により、定着部30へ送出される。
定着部30は、作像部20から送出されたシートSH3にトナー像を熱定着させる。具体的には、定着部30はこのシートSH3を定着ローラー31と加圧ローラー32との間のニップへ通紙させる。このとき、定着ローラー31はシートSH3の表面へ内蔵のヒーターの熱を加え、加圧ローラー32はシートSH3の加熱部分に対して圧力を加えて定着ローラー31へ押し付ける。定着ローラー31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とにより、トナーがシートSH3の表面上に溶着する。その後、定着ローラー31と加圧ローラー32とはこのシートSH3を排紙部40へ送出する。
排紙部40は、定着部30から送出されたシートSH3を排紙トレイ41へ搬送する。具体的には、そのシートSH3の先端が定着部30から排紙ローラー43の間のニップまで到達したとき、この先端を排紙ローラー43が排紙口42へ引き込む。これにより、そのシートSH3は先端から順に排紙口42を通過し、排紙トレイ41に積載される。
[定着ローラーの駆動機構]
図2の(a)は、定着ローラー31、均熱ローラー33、およびクリーニングローラー34とそれらの駆動機構300との模式的な斜視図である。図1の(b)と図2の(a)とが示すように、定着部30は更に、均熱ローラー33とクリーニングローラー34とを含む。これらのローラー33、34は定着ローラー31と回転軸が互いに平行に配置されている。定着ローラー31の回転軸はフレーム31Fにより直接、回転可能に支持され、他のローラー33、34の回転軸は、支持部材33A、34Aを通してフレーム31Fにより間接的に、回転可能に支持されている。フレーム31Fと支持部材33A、34Aとは硬質樹脂製または金属製である。フレーム31Fはその下面がプリンター100の筐体に固定される。
定着ローラー31は、芯金、弾性体層、および離型層を含む(図2の(a)は示していない)。芯金はたとえば直径数十mmの円筒部材であり、主に、アルミニウム、鉄等の金属から成る。弾性体層は、芯金の外側を覆う、主にシリコーンゴム等、高弾性の耐熱性樹脂から成る層である。離型層は、弾性体層の外側を覆うフッ素樹脂等の薄膜であり、定着ローラー31の外周面を形成している。離型層は、定着ローラー31による加熱で溶融したトナーがシートの表面から定着ローラー31の外周面へ転移する現象(オフセット現象)を防止する。
均熱ローラー33は、アルミニウム、銅等、熱伝導性の高い金属製の円筒部材であり、定着ローラー31の外周面に離間可能に接触し、定着ローラー31の回転に伴って従動回転する。定着対象のシートの幅、すなわち定着ローラー31の軸方向におけるそのシートの長さが定着ローラー31の加熱部分の長さよりも短い場合(たとえばA4サイズのプリンターでは、B5、2L版、ハガキ等。)、均熱ローラー33は定着ローラー31の外周面に押し付けられる。これにより均熱ローラー33は、シートによる局所的な熱の吸収にかかわらず、定着ローラー31の表面温度分布を、特に軸方向において実質的に均一に保つ。一方、定着対象のシートの幅が定着ローラー31の加熱部分の長さと実質的に等しい場合、均熱ローラー33は定着ローラー31の外周面から離される。これにより定着ローラー31から均熱ローラー33への熱の逃げが防止される。
クリーニングローラー34は、外周面が耐熱性の不織布で覆われた円筒部材であり、均熱ローラー33の外周面に接触している。クリーニングローラー34は駆動系統300から回転力を受けて、均熱ローラー33とは独立に回転する。この回転力を利用してクリーニングローラー34は、自身の外周面で均熱ローラー33の外周面から、紙粉、トナー等の異物を擦り取る。
図2の(b)は、(a)が示す駆動機構300の周辺の外観を示す拡大斜視図である。この図が示すように駆動機構300はギア列201、202、203、204、205、206、207を含む。各ギア201、…、207は硬質樹脂製または金属製の平歯車である。ギア列の先頭(図2の(b)の中では最も下)に位置するギア201は、プリンター100の筐体に固定された駆動モーター、たとえば直流ブラシレス(BLDC)モーター(図2の(b)は示していない。)のシャフトに同軸に固定され、そのシャフトと共に回転する。ギア列のうち2番目以降のギア202−207は、フレーム31Fに支持されたシャフトにより、そのまわりを回転可能に支持されている。2番目のギア202は、先頭のギア201と3番目のギア203とに噛み合い、先頭のギア201を通して駆動モーターから受けた回転力を3番目のギア203へ伝達する。3番目のギア203は、定着ローラー31のシャフト31Sに同軸に固定され、先頭のギア201と2番目のギア202とを通して駆動モーターから受けた回転力を定着ローラー31に伝える。4番目のギア204は3番目のギア203と噛み合い、5番目のギア205は4番目のギア204と噛み合う。6番目のギア206は5番目のギア205に同軸に固定され、そのギア205と同じ角速度で回転する。最後尾のギア207はクリーニングローラー34のシャフト34Sに同軸に固定され、6番目のギア206と噛み合っている。こうして、ギア列の後半の4枚204−207は、前半の3枚201−203を通して駆動モーターが定着ローラー31へ与える回転力の一部を、クリーニングローラー34へ分け与える。駆動モーターが回転を持続させる間、定着ローラー31とクリーニングローラー34とは定常的に回転し続ける。
[均熱ローラーの離間機構]
図2の(b)が示すように駆動機構300は更に、駆動ギア310、第1欠歯ギア321、第2欠歯ギア322、および初動部材331−334を含む。これらは協働して均熱ローラー33を定着ローラー31から離間させ、または再び定着ローラー31に接触させる。駆動ギア310は、クリーニングローラー34のシャフト34Sに同軸に固定された硬質樹脂製または金属製の平歯車であり、クリーニングローラー34と同じ角速度で回転する。第1欠歯ギア321と第2欠歯ギア322とは硬質樹脂製または金属製の平歯車であり、外周の一部から歯が除去されている。欠歯ギア321、322は歯先円が同じサイズであり、互いに同軸に重ね合わされ、均熱ローラー33のシャフトにより同軸に、そのまわりを均熱ローラー33とは独立に回転可能であるように支持されている。各欠歯ギア321、322は、有歯部が駆動ギア310と噛み合い可能である。2枚重ねの欠歯ギア321、322全体の歯幅が駆動ギア310の歯幅とほぼ等しい。初動部材331−334は定着ローラー31のフレーム31Fの上部に設置され、欠歯ギア321、322に覆い被さるように下方へ伸びている。
−初動部材−
図3の(a)は、定着ローラー31のフレーム31Fからギア列201−207を除去したときの外観を示す拡大斜視図であり、(b)は、(a)の示す構成から更に初動部材の一部331を除去したときの外観を示す斜視図である。これらの図が示すように、初動部材は、スライダー331、保持部材332、ソレノイド333、および緩衝部材334を含む。スライダー331は実質的に板状の部材であり、均熱ローラー33のシャフトに対して垂直に拡がるフレーム31Fの側面に板面を接触させた状態でその側面を上下方向に摺動可能である。保持部材332は棒状部材であり、フレーム31Fの側面の貫通穴31Hを通してその側面の法線方向に伸びている。保持部材332の基端はスライダー331の摺動面に固定され、先端は、均熱ローラー33のシャフトに支持された第1欠歯ギア321の表面に接している。保持部材332はスライダー331の摺動に伴い、フレーム31Fの側面に対して垂直な姿勢を保ったまま、上下方向に平行移動する。ソレノイド333はスライダー331の上端に固定され、プランジャー33Pの先端がフレーム31Fの上面を押すように設置されている。緩衝部材334は円柱形状のエラストマーであり、ソレノイド333の下方に位置するフレーム31Fの側面の上端から下へ伸びる切り込み31Cの中に配置されている。緩衝部材334の下端はその切り込み31Cの下面に固定され、上端はフレーム31Fの上面よりも高い位置まで伸びている。ソレノイド333のオフ時、ソレノイド333に内蔵のバネの弾性力によりプランジャー33Pはその先端でフレーム31Fの上面を押す。これにより、ソレノイド333とスライダー331との全体がフレーム31Fに対して持ち上がる。図3はこの状態を示す。ソレノイド333がオンするとプランジャー33Pがソレノイド333の内部に引き込まれるので、ソレノイド333とスライダー331との全体が自重で落下する。このとき、ソレノイド333の下面が緩衝部材334の上端に受け止められるので、緩衝部材334の弾性により、フレーム31Fの上面から受ける衝撃が緩和される。図3の(a)が示す一点鎖線はこの状態におけるスライダー331の位置を示す。こうして、ソレノイド333のオンオフに合わせてスライダー331が上下に変位する。
ソレノイド333のオンオフはプリンター100の制御部が、たとえば印刷対象のシートのサイズに応じて切り換える。具体的には、シートの幅に対する閾値が、定着ローラー31の加熱部分の長さ以下の値に予め設定される。ある印刷ジョブが対象とするシートの幅が閾値よりも短い場合、制御部はこのジョブ処理を開始する前にソレノイド333をオンまたはオフさせて、均熱ローラー33を定着ローラー31に接触させる。次の印刷ジョブでは対象のシートの幅が閾値以上である場合、制御部は次のジョブ処理を開始する前にソレノイド333のオンオフを切り換えて、均熱ローラー33を定着ローラー31から離間させる。
−欠歯ギア−
図4の(a)は、図3の(b)の示す構成から初動部材331−334を除去したときの外観を示す拡大斜視図である。定着ローラー31は、図2の示すギア列の前半201−203を通して駆動モーターから受けた回転力により、シャフト31Sのまわりを反時計方向CCWに回転する。クリーニングローラー34のシャフト34Sは支持部材34Aの貫通穴に回転可能に挿入され、その支持部材34Aは上端がコイルバネ34Bでフレーム31Fの上面(図4の(a)は示していない。)に接続されている。このシャフト34Sのまわりをクリーニングローラー34は、図2の示すギア列の後半204−207を通して定着ローラー31から分け与えられた回転力により、時計方向CWに回転する。この回転に合わせて駆動ギア310も時計方向CWに回転する。均熱ローラー33のシャフト33Sは支持部材33Aの貫通穴に回転可能に挿入され、その支持部材33Aは上端がコイルバネ33Bでフレーム31Fの上面(図4の(a)は示していない。)に接続されている。このシャフト33Sのまわりを欠歯ギア321、322は、駆動ギア310に対して回転姿勢にある間、駆動ギア310からの回転力により反時計方向CCWに回転する。
図4の(b)は、均熱ローラー33と欠歯ギア321、322との接続部の分解斜視図であり、図4の(c)は、図4の(a)の示す直線c−cに沿ったその接続部の断面図である。均熱ローラー33の端部では、円筒形状の軸受33Lにシャフト33Sが同軸に挿入され、この軸受33Lがシャフト33Sと支持部材33Aとの隙間を埋める。軸受33Lは、断熱性が高く、かつ熱膨張率が低い樹脂製である。均熱ローラー33の軸方向においてこの軸受33Lよりも外側には、まず第2欠歯ギア322が配置され、その外側に第1欠歯ギア321が配置される。第2欠歯ギア322の外側の表面には中心部からスリーブ32Vが突出している。スリーブ32Vの中に均熱ローラー33のシャフト33Sが挿入され、スリーブ32Vは第1欠歯ギア321の中心の穴に挿入される。これにより、シャフト33Sに直に接触するのは第2欠歯ギア322だけである。
図4の(c)が示すように、第1欠歯ギア321と第2欠歯ギア322との隙間GP1にも、均熱ローラー33のシャフト33Sと第2欠歯ギア322との隙間GP2にも、十分に大きなガタが設計されている。これによりいずれの隙間GP1、GP2にも、シャフト33Sと欠歯ギア321、322との熱膨張に起因する詰まりが生じない。実際、定着ローラー31の表面温度は一般に、200℃前後の高い値に維持される。したがって、定着ローラー31と直に接触する均熱ローラー33を始め、そのシャフト33S、および欠歯ギア321、322も、定着ローラー31からの熱を受けて同程度の高温になり得る。このような高温に長時間曝された結果、各部材33S、321、322の熱膨張が許容上限に達しても、上記のガタにより、それらの隙間GP1、GP2には詰まりが生じない。
−第1欠歯ギアの構造−
図5の(a)は、第1欠歯ギア321の表面(回転軸方向において均熱ローラー33とは反対側に位置する面)32Oを示す平面図であり、(b)は、第1欠歯ギア321の裏面(回転軸方向において均熱ローラー33と同じ側に位置する面)32Uを示す平面図であり、(c)は第1欠歯ギア321の側面図である。
第1欠歯ギア321は外周に有歯部41Tと欠歯部41Mとを2つずつ含む。第1欠歯ギア321の回転方向(図5の(a)では反時計方向CCW、(b)では時計方向CW)において有歯部41Tの先頭に位置する歯411は、第1欠歯ギア321の中心に対して互いに対称に位置する。
第1欠歯ギア321の表面32Oには半円形状の外溝41Gと内溝41Hとが刻まれている。各溝41G、41Hは第1欠歯ギア321と同心であり、その中心に対して互いに対称的に配置されている。外溝41Gが描く半円は、内溝41Hが描く半円よりも半径が大きい。各溝41G、41Hの周方向における端は第1欠歯ギア321の回転方向における有歯部41Tの後端とほぼ同じ半径方向に位置し、互いに接続されている。回転方向における各溝41G、41Hの後端は、半径方向に伸びる壁41W、41Xで仕切られている。これらの溝41G、41Hの中に保持部材332の先端32Tが挿入される。
第1欠歯ギア321の裏面32Uからは伝達部材350が突出している。伝達部材350は、第1欠歯ギア321の裏面32Uに対して平行な断面が実質的に「コ」の字形をした柱状部材であり、第1欠歯ギア321と一体に成形されている。
−第2欠歯ギアの構造−
図6の(a)は、第2欠歯ギア322の表面(回転軸方向において均熱ローラー33とは反対側に位置する面)を示す平面図であり、(b)は、第1欠歯ギア321と第2欠歯ギア332との分解斜視図である。
第2欠歯ギア322は外周に有歯部42Tと欠歯部42Mとを2つずつ含む。第2欠歯ギア322の回転方向(図6の(a)では反時計方向CCW)において有歯部42Tの先頭に位置する歯421は、第2欠歯ギア322の中心に対して互いに対称に位置する。
第2欠歯ギア322の表面は、第2欠歯ギア322と同心弧状の凹部42Gを含む。第2欠歯ギア322の回転方向において凹部42Gの後端は一方の有歯部42Tの後端とほぼ同じ半径方向に位置する。凹部42Gの周方向の各端は、半径方向に伸びる壁42W、42Xで仕切られている。凹部42Gの中には、第1欠歯ギア321の裏面32Uから突出した伝達部材350が挿入され、さらに、伝達部材350と凹部42Gの先端の壁42Xとの間にコイルバネ335が周方向に伸縮可能に挿入される。このバネ335は、後述のように、第1欠歯ギア321に対する初動部材の一部として機能する。
第2欠歯ギア322の裏面(回転軸方向において均熱ローラー33と同じ側に位置する面)にはカム360が一体的に成形されている。カム360は、第2欠歯ギア322の表面に対して平行な板状部材であり、外周が睡蓮の葉のように、切れ込み361を含む滑らかな閉曲線を描いている。カム360は第2欠歯ギア322に対して偏心している。カム360の外周と第2欠歯ギア321の中心との間の距離は、一方の有歯部42Tの先端とほぼ同じ半径方向(図6の(c)では切れ込み361の近傍)において最大であり、他方の有歯部42Tの先端とほぼ同じ半径方向(図では、切れ込み361の位置する方向に対してほぼ正反対の方向)において最小(切れ込み361を除く。)である。
−カム、均熱ローラー、定着ローラー間の位置関係−
図7の(a)は、軸方向から見たときの、定着ローラー31、駆動ギア310、および欠歯ギア321、322の位置を示す側面図であり、(b)は、(a)から駆動ギア310と第1欠歯ギア321とを除去したときの側面図であり、(c)は、(b)からローラー31、33以外の部材をすべて除去したときの側面図である。
支持部材33Aの下部は、図7の(b)の示す切り込み33Cを、図7の(a)の示すようにクリーニングローラー34のシャフト34Sに、定着ローラー31の位置する側から引っ掛けている。支持部材33Aの上端はコイルバネ33Bでフレーム31Fの上面(図7は示していない。)に接続されている。このバネ33Bの伸縮する範囲で支持部材33Aは、クリーニングローラー34のシャフト34Sのまわりを揺動可能である。
均熱ローラー33のシャフト33Sは支持部材33Aの中央部を貫通し、図4の(c)の示すように軸受33Lにより回転可能に支持されている。支持部材33Aは上記のような揺動が可能であるので、その揺動方向の力を均熱ローラー33のシャフト33Sがカム360から受けるとこのシャフト33Sは、図7の(c)の示すように、クリーニングローラー34のシャフト34Sのまわりを角度Δθの範囲で揺動する。これにより均熱ローラー33は、定着ローラー31に接触する位置と、それから距離ΔGだけ離れた位置との間を移動する。
カム360が均熱ローラー33のシャフト33Sに与える支持部材33Aの揺動方向の力は、駆動ギア310の回転力を利用して2枚の欠歯ギア321、322がカム360を回転させることにより生じる。まず、第1欠歯ギア321は、図7の(a)が示すような回転姿勢を取る間、駆動ギア310の回転力により回転する。この回転は、第1欠歯ギア321の裏面から突出した伝達部材350(たとえば図6の(b)参照。)により第2欠歯ギア322を回転させる。したがって、第2欠歯ギア322と一体であるカム360も回転する。カム360は、図7の(b)が示すように、板バネ341と爪370とにより両側(図では左右)から挟まれている。板バネ341は基端が支持部材33Aの上端に固定され、先端がカム360の外周のうち、カム360に対して定着ローラー31が位置する側とは反対側(図7の(a)、(b)では左側)の部分に接触している。この接触点が定着ローラー31から実質的に遠のかないように、板バネ341は復元力をカム360の外周に対して加える。爪370は、軟質樹脂等の弾性体から成る棒状部材であり、フレーム31Fのうち、その上面から下方へカム360と定着ローラー31のシャフト31Sとの間に伸びる部分(図7の(a)、(b)は二点鎖線で示す。)に固定された基端から均熱ローラー33のシャフト33Sに向かって(図では左向きに)伸び、先端を第2欠歯ギア322の歯底面に接触させている。これにより爪370は、第2欠歯ギア322の逆回転(図7の(a)、(b)では時計方向)を妨げると共に、第2欠歯ギア322との接触点が定着ローラー31に実質的に近づかないように、弾性力を第2欠歯ギア322に対して加える。このように板バネ341と爪370とにより両側から挟まれているので、カム360はその外周全体を、図7の(c)が二点鎖線で示すように、クリーニングローラー34のシャフト34Sに対して揺動させないまま回転する。一方、カム360の回転中心に対して均熱ローラー33のシャフト33Sは偏心しているので、カム360の回転に伴ってこのシャフト33Sはカム360から支持部材33Aの揺動方向の力を受ける。
図7の示す構造は、駆動ギア310と欠歯ギア321、322とを除き、均熱ローラー33のシャフト33Sの反対側の端部にも同様に設置されている。したがって、このシャフト33Sは両端部で、カム360から支持部材33Aの揺動方向の力を受けてクリーニングローラー34のシャフト34Sのまわりを揺動する。これにより均熱ローラー33は定着ローラー31に接触し、それから離間する。
−欠歯ギア間での回転力の伝達−
図8の(a)−(c)は、カム360が1回転する期間の前半における第1欠歯ギア321の姿勢の変化を、回転角の順に示す模式的な平面図であり、(d)−(f)は、第1欠歯ギア321が(a)−(c)の各姿勢を取るときにおける第2欠歯ギア322の姿勢を示す模式的な平面図である。
図8の(a)が示すように、有歯部41Tが駆動ギア310を離脱した直後、保持部材332の先端は第1欠歯ギア321の表面の内溝41Hの中に位置するので、第1欠歯ギア321の反時計方向CCWの回転に伴って内溝41Hの先端の壁41Xに衝突する。このとき、欠歯部41Mが駆動ギア310に面しているので第1欠歯ギア321の回転が止まり、第1欠歯ギア321は停止姿勢に移行する。一方、第2欠歯ギア322は、図8の(d)が示すように、有歯部42Tが駆動ギア310と噛み合う回転姿勢を取っているので、駆動ギア310からの回転力でカム360と共に反時計方向CCWへ回転する。第1欠歯ギア321の停止により伝達部材350が停止しているので、第2欠歯ギア322の凹部42Gの中ではコイルバネ335が凹部42Gの後端の壁42Xに押されて縮み始める。
図8の(b)が示すように第1欠歯ギア321が停止姿勢を維持している間に、図8の(e)が示すように有歯部42Tが駆動ギア310から離脱するので第2欠歯ギア322の回転が止まり、第2欠歯ギア322は、欠歯部42Mが駆動ギア310に面した停止姿勢を取る。このとき、第2欠歯ギア322の凹部42Gの中ではコイルバネ335が、伝達部材350と凹部42Gの後端の壁42Xとの両方により押し縮められているので、その反作用として伝達部材350に対して周方向の力Fpを加える。しかし、この時点ではまだ、第1欠歯ギア321の内溝41Hの先端の壁41Xに保持部材332の先端が接触しているので、第1欠歯ギア321は伝達部材350からの力Fpに抗して停止姿勢を維持し続ける。
図8の(g)は、欠歯ギア321、322が図8の(b)、(e)の示す停止姿勢を維持するときの定着ローラー31と均熱ローラー33とを模式的に示す側面図である。この図が二点鎖線で示すように、カム360はその外周のうち、第2欠歯ギア321の中心からの距離が最大の部分(図8の(b)、(e)、(g)では切れ込み361の近傍)を定着ローラー31の方へ向ける。これに伴い、均熱ローラー33のシャフト33Sはクリーニングローラー34のシャフト34Sのまわりを揺動し、定着ローラー31から最も離れた位置へ移動する。これにより、均熱ローラー33が定着ローラー31から離間する。欠歯ギア321、322が停止姿勢を維持する間、両ローラー31、33は離間状態を維持する。
図8の(b)が示すように保持部材332の先端が第1欠歯ギア321の内溝41Hの中に位置するので、初動部材のソレノイド333(図3参照。)はオン状態にある。したがって、離間している両ローラー31、33を接触させる場合、制御部はソレノイド333をオフさせる。これによりスライダー331が持ち上がるので保持部材332が上昇して第1欠歯ギア321の内溝41Hから外溝41Gへ移動し、壁41Xから離れる。したがって、伝達部材350がコイルバネ335から受ける周方向の力Fpにより第1欠歯ギア321は、図8の(c)が示すように反時計方向CCWへ回転し、有歯部41Tが駆動ギア310と噛み合う回転姿勢を再び取る。このようにコイルバネ335は、第1欠歯ギア321に対する初動部材の一部として機能する。
コイルバネ335が伸びきった後も第1欠歯ギア321はその回転姿勢により、駆動ギア310から回転力を受けて回転し続ける。これに伴い、伝達部材350は第2欠歯ギア322の凹部42Gの中を再び前進し、程なく、図8の(f)が示すように凹部42Gの先端の壁42Wに衝突してこの壁42Wを反時計方向CCWへ押す。したがって、第2欠歯ギア322が反時計方向CCWへの回転を再開し、停止姿勢から回転姿勢へ移行する。
図9の(a)−(c)は、カム360が1回転する期間の後半における第1欠歯ギア321の姿勢の変化を、回転角の順に示す模式的な平面図であり、(d)−(f)は、第1欠歯ギア321が(a)−(c)の各姿勢を取るときにおける第2欠歯ギア322の姿勢を示す模式的な平面図である。
第1欠歯ギア321の回転に伴って保持部材332の先端は、図9の(a)が示すように第1欠歯ギア321の外溝41Gの先端の壁41Wに衝突する。このとき、欠歯部41Mが駆動ギア310に面しているので第1欠歯ギア321の回転が止まり、第1欠歯ギア321は停止姿勢に移行する。一方、第2欠歯ギア322は、図9の(d)が示すように回転姿勢を維持しているので、駆動ギア310からの回転力でカム360と共に反時計方向CCWへ回転し続ける。第1欠歯ギア321の停止により伝達部材350が停止しているので、第2欠歯ギア322の凹部42Gの中ではコイルバネ335が凹部42Gの後端の壁42Xに押されて再び縮む。
図9の(b)が示すように第1欠歯ギア321が停止姿勢を維持している間に、図9の(e)が示すように有歯部42Tが駆動ギア310から離脱するので第2欠歯ギア322の回転が止まり、第2欠歯ギア322は停止姿勢を取る。このとき、第2欠歯ギア322の凹部42Gの中ではコイルバネ335が伝達部材350に対して周方向の力Fpを加える。しかし、この時点ではまだ、第1欠歯ギア321の外溝41Gの先端の壁41Wに保持部材332の先端が接触しているので、第1欠歯ギア321は伝達部材350からの力Fpに抗して停止姿勢を維持し続ける。
図9の(g)は、欠歯ギア321、322が図9の(b)、(e)の示す停止姿勢を維持するときの定着ローラー31と均熱ローラー33とを模式的に示す側面図である。この図が二点鎖線で示すように、カム360はその外周のうち、第2欠歯ギア321の中心からの距離が最小の部分(図9の(b)、(e)、(g)では切れ込み361とはカム360の中心に対して反対側の部分)を定着ローラー31の方へ向ける。これに伴い、均熱ローラー33のシャフト33Sはクリーニングローラー34のシャフト34Sのまわりを揺動し、定着ローラー31に最も近い位置へ移動する。これにより、均熱ローラー33が定着ローラー31に接触する。欠歯ギア321、322が停止姿勢を維持する間、両ローラー31、33は接触状態を維持する。
図9の(b)が示すように保持部材332の先端は第1欠歯ギア321の外溝41Gの中に位置するので、ソレノイド333はオフ状態にある。したがって、接触している両ローラー31、33を離間させる場合、制御部はソレノイド333をオンさせる。これによりスライダー331が落下するので保持部材332が下降して第1欠歯ギア321の外溝41Gから内溝41Hへ移動し、壁41Wから離れる。したがって、伝達部材350がコイルバネ335から受ける周方向の力Fpにより第1欠歯ギア321は、図9の(c)が示すように反時計方向CCWへ回転して回転姿勢を再び取る。
コイルバネ335が伸びきった後も第1欠歯ギア321はその回転姿勢により、駆動ギア310から回転力を受けて回転し続ける。これに伴い、伝達部材350は第2欠歯ギア322の凹部42Gの中を再び前進し、程なく、図9の(f)が示すように凹部42Gの先端の壁42Wに衝突してこの壁42Wを反時計方向CCWへ押す。したがって、第2欠歯ギア322が反時計方向CCWへの回転を再開し、停止姿勢から回転姿勢へ移行する。
以上のとおり、ソレノイド333のオンオフに応じて欠歯ギア321、322は停止姿勢から回転姿勢へ移行し、カム360を実質的に180°ずつ間欠的に回転させる。これにより均熱ローラー33は定着ローラー31に対する接触と離間とを間欠的に繰り返す。
[第1欠歯ギアの歯先の切り欠き]
図5の(a)、(b)が示すように、第1欠歯ギア321の有歯部41Tは、回転方向(図5の(a)では反時計方向CCW、(b)では時計方向CW)の先頭に位置する歯411の歯先が切り欠かれている。特にこの歯411は、歯先が切り欠かれていることにより、その歯先に傾斜面412を含む。この切り欠きにより、以下に述べるように、有歯部41Tが駆動ギア310と噛み合い始める際、先頭の歯411の歯先が駆動ギア310の歯先と衝突すること、すなわち歯先当たりが回避される。
この歯先当たりの危険性は、第1欠歯ギア321と第2欠歯ギア322との隙間GP1のガタ(図4の(c)参照。)が大きく設計されていることに起因する。実際、この設計では、各部材33S、321の熱膨張が許容上限に達した最悪の場合が想定されているので、通常は隙間GP1が大きく確保される。しかし、これは、欠歯ギア321、322が停止姿勢を取る度に両ギア間の相対位置、特に位相差がばらつくことを意味する。その結果、第1欠歯ギア321がコイルバネ335の復元力を受けて回転し始めた際、有歯部41Tの先頭の歯411が設計上の咬合位置に到達するタイミングが狂いやすい。
図10の(a)、(b)は、第1欠歯ギア321がコイルバネ335の復元力を受けて回転し始めた際における第1欠歯ギア321と駆動ギア310との咬合部分を示す模式的な拡大図である。図の太い破線は先頭の歯411の設計上の咬合位置を示す。この位置に正しいタイミングで到達すれば、先頭の歯411はその直後、駆動ギア310の歯312と滑らかに接触する。先頭の歯411の歯先は第1欠歯ギア321のピッチ円PTCよりも外側に位置するので、駆動ギア310のその歯312から回転方向(図では反時計方向CCW)に十分に大きな力を受ける。
図10の(a)では、有歯部41Tの先頭の歯411が設計上の咬合位置に到達するタイミングが遅い。図の太い実線は、この場合における先頭の歯411の実際の咬合位置を示す。図の細い実線は、仮に先頭の歯411が切り欠かれることなく、後続の歯と同じ形状であった場合を示す。この細い実線は、先頭の歯411の直後に位置する駆動ギア310の歯312と重なっている。これは、もし切り欠きがなければ有歯部41Tの先頭の歯411の歯先が駆動ギア310のこの歯312と衝突し、すなわち歯先当たりが生じることを表す。実際には、図の太い実線が示すように先頭の歯411は歯先が切り欠かれている。特に傾斜面412は、回転方向CCWにおける端部が逆方向の端部よりも第1欠歯ギア321の中心に近いので、駆動ギア310の歯先の軌跡とは交差しない。すなわち、その歯先には先頭の歯411は衝突しない。
図10の(b)では、有歯部41Tの先頭の歯411が設計上の咬合位置に到達するタイミングが早い。図の太い実線は、この場合における先頭の歯411の実際の咬合位置を示す。図の細い実線は、仮に先頭の歯411が切り欠かれることなく、後続の歯と同じ形状であった場合を示す。この細い実線は、先頭の歯411の直前に位置する駆動ギア310の歯311の歯先と重なっている。これは、もし切り欠きがなければ有歯部41Tの先頭の歯411が駆動ギア310のこの歯311の歯先と衝突し、すなわち歯先当たりが生じることを表す。実際には、図の太い実線が示すように先頭の歯411は歯先が切り欠かれているので、先頭の歯411は駆動ギア310の歯311の歯先とは衝突しない。または、衝突したとしてもその歯先に接触するのは傾斜面412である。回転方向CCWにおける傾斜面412の端部は逆方向の端部よりも第1欠歯ギア321の中心に近いので、駆動ギア310の歯311の歯先から傾斜面412が受ける衝撃力のうち、傾斜面412の法線方向の成分は傾斜面412の接線方向の成分よりも小さく抑えられる。したがって、第1欠歯ギア321は駆動ギア310から、回転方向CCWとは逆方向に弾く力を受けるものの、回転軸に向かう力を実質的には受けない。
[第2欠歯ギアの歯先の切り欠き]
図6の(a)が示すように、第2欠歯ギア322の有歯部42Tは、回転方向(図では反時計方向CCW)の先頭に位置する歯421の歯先が切り欠かれている。特にこの歯421は、歯先が切り欠かれていることにより、その歯先に傾斜面422を含む。この切り欠きにより、以下に述べるように、有歯部42Tが駆動ギア310と噛み合い始める際、先頭の歯421の歯先が駆動ギア310の歯先と衝突すること、すなわち歯先当たりが回避される。
この歯先当たりの危険性は主に、第2欠歯ギア322と均熱ローラー33のシャフト33Sとの隙間GP2のガタ(図4の(c)参照。)が大きく設計されていることに起因する。実際、この設計では、各部材33S、321の熱膨張が許容上限に達した最悪の場合が想定されているので、通常は隙間GP2が大きく確保される。しかし、これは、第1欠歯ギア321の伝達部材350が第2欠歯ギア322を押すことにより2枚の欠歯ギア321、322が一体的に回転する際、その回転軸が均熱ローラー33のシャフト33Sに対して傾斜しやすいことを意味する。この傾斜により、各欠歯ギア321、322の歯が駆動ギア310の同じ歯に接触するタイミングがずれるので、駆動ギア310に対する両欠歯ギア321、322間の実質的な位相差が過大になりやすい。この場合、第1欠歯ギア321が駆動ギア310にうまく噛み合った状態でも、第2欠歯ギア322が駆動ギア310に噛み合う際に歯先当たりが生じる危険性が生じる。
図10の(c)は、第1欠歯ギア321の伝達部材350が第2欠歯ギア322を押すことにより2枚の欠歯ギア321、322が一体的に回転する際の欠歯ギア321、322と駆動ギア310との咬合部分を示す模式的な拡大図である。図の細い破線は第1欠歯ギア321の有歯部41Tの咬合位置を示す。伝達部材350が第2欠歯ギア322を押し始める時点ではすでに第1欠歯ギア321は回転姿勢にあるので、有歯部41Tは正しい咬合位置にある。図の太い破線は第2欠歯ギア322の有歯部42Tの設計上の咬合位置を示す。この位置に正しいタイミングで到達すれば、有歯部42Tは第1欠歯ギア321の有歯部41Tと位相が一致する。特に第2欠歯ギア322の有歯部42Tの先頭の歯421は、直後に駆動ギア310の歯312と滑らかに接触する。先頭の歯421の歯先は第2欠歯ギア322のピッチ円PTCよりも外側に位置するので、駆動ギア310のその歯312から回転方向(図では反時計方向CCW)に十分に大きな力を受ける。
図10の(c)の太い実線は、第2欠歯ギア322の有歯部42Tの実際の咬合位置を示す。第2欠歯ギア322は第1欠歯ギア321の伝達部材350に押されることで回転し始めるので、第2欠歯ギア322の有歯部42Tが第1欠歯ギア321の有歯部41Tよりも位相が進むことはない。両有歯部41T、42T間に位相差が生じるのは、この太い実線が示すように、第2欠歯ギア322の有歯部42Tが第1欠歯ギア321の有歯部41Tよりも位相が遅れる場合である。図の細い実線は、仮に第2欠歯ギア322の有歯部42Tの先頭の歯421が切り欠かれることなく、後続の歯と同じ形状であった場合を示す。この細い実線は、先頭の歯421の直後に位置する駆動ギア310の歯312と重なっている。これは、もし切り欠きがなければ有歯部42Tの先頭の歯421の歯先が駆動ギア310のこの歯312と衝突し、すなわち歯先当たりが生じることを表す。実際には図の太い実線が示すように先頭の歯421は歯先が切り欠かれている。特に傾斜面422は、第1欠歯ギア321の傾斜面412とは逆に、回転方向CCWにおける端部よりも逆方向の端部が第2欠歯ギア322の中心に近いので、先頭の歯421は駆動ギア310の歯312とは衝突しない。または、衝突したとしても、その歯312に接触するのは傾斜面422である。回転方向CCWにおける傾斜面422の端部よりも逆方向の端部が第2欠歯ギア322の中心に近いので、駆動ギア310の歯312から傾斜面422が受ける衝撃力のうち、第2欠歯ギア322の中心方向の成分は回転方向CCWの成分よりも小さく抑えられる。したがって、第2欠歯ギア322は駆動ギア310から、回転方向CCWに加速する力を受けるものの、回転軸に向かう力を実質的には受けない。
[実施形態の利点]
本発明の上記の実施形態によるプリンター100では、定着ローラー31からの均熱ローラー33の離間機構に、第1欠歯ギア321と第2欠歯ギア322との組み合わせを利用する。第1欠歯ギア321が初動部材331−335により停止姿勢から回転姿勢へ移行し、回転姿勢の第1欠歯ギア321が第2欠歯ギア322を停止姿勢から回転姿勢へ移行させる。この構成において、第2欠歯ギア322の有歯部42Tは、回転方向CCWの先頭に位置する歯421の歯先が切り欠かれている。これにより、第1欠歯ギア321と第2欠歯ギア322との隙間GP1、および均熱ローラー33のシャフト33Sと第2欠歯ギア322との隙間GP2の両方においてガタが無視できない場合でも、少なくとも第2欠歯ギア322が駆動ギア310に噛み合う際に歯先当たりが生じる危険性を回避することができる。
特に、第2欠歯ギア322の傾斜面422は、第1欠歯ギア321の傾斜面412とは逆に、回転方向CCWにおける端部よりも逆方向の端部が第2欠歯ギア322の中心に近い。この場合、第2欠歯ギア322の有歯部42Tの先頭の歯421は駆動ギア310の歯312とは衝突しない。または、衝突したとしても傾斜面422がその歯312に接触するので、その歯312から傾斜面422が受ける衝撃力は実質上、第2欠歯ギア322を回転方向CCWに加速する成分しか含まない。したがって、第1欠歯ギア321が駆動ギア310にうまく噛み合えさえすれば、第2欠歯ギア322は自動的に駆動ギア310とうまく噛み合う。こうして、歯先当たりに起因する騒音が低減し、ギアのロック等の不具合と歯面損傷とが防止される。その結果、ギアの長寿命化が容易である。
[変形例]
(A)本発明の実施形態による画像形成装置はレーザープリンター100である。本発明の実施形態による画像形成装置はその他に、インクジェット等の他方式のプリンターであってもよく、ファクシミリ、コピー機等の単機能機であっても、または複合機であってもよい。
(B)欠歯ギア321、322の組み合わせを用いた回転力伝達機構は、定着ローラー31からの均熱ローラー33の離間機構に利用される。その他に、定着ローラー31からの加圧ローラー32の離間機構、給紙ローラー12またはタイミングローラー13のクラッチ等、定常的な回転から間欠的な運動を引き出す伝達機構には、欠歯ギア321、322の組み合わせが応用可能である。
本発明は画像形成装置における定着ローラーの駆動機構に関し、上記のとおり、定着ローラー31から均熱ローラー33を離間させる機構に2枚の欠歯ギア321、322の組み合わせを利用する際、第2欠歯ギア322の有歯部42Tの先頭に位置する歯421の歯先を切り欠いておく。このように、本発明は明らかに産業上利用可能である。
100 レーザープリンター
31 定着ローラー
31S 定着ローラーのシャフト
31F フレーム
31C フレームの側面上端の切り込み
31H フレームの側面の貫通穴
33 均熱ローラー
33S 均熱ローラーのシャフト
33L 均熱ローラーのシャフトの軸受
33A 均熱ローラーの支持部材
33B 支持部材上端のコイルバネ
33C 支持部材下部の切り込み
34 クリーニングローラー
34S クリーニングローラーのシャフト
34A クリーニングローラーの支持部材
34B 支持部材上端のコイルバネ
300 駆動機構
310 駆動ギア
311、312 駆動ギアの歯
321 第1欠歯ギア
32O 第1欠歯ギアの表面
32U 第1欠歯ギアの裏面
322 第2欠歯ギア
32V 第2欠歯ギアのスリーブ
331 スライダー
332 保持部材
32T 保持部材の先端
333 ソレノイド
33P ソレノイドのプランジャー
334 緩衝部材
335 コイルバネ
350 伝達部材
41M 第1欠歯ギアの欠歯部
41T 第1欠歯ギアの有歯部
411 有歯部の先頭の歯
412 歯先の傾斜部
42M 第2欠歯ギアの欠歯部
42T 第2欠歯ギアの有歯部
421 有歯部の先頭の歯
422 歯先の傾斜部
PTC 欠歯ギアのピッチ円

Claims (14)

  1. 定常的に回転する1枚の駆動ギアの回転力を利用して可動部材を間欠的に変位させる回転力伝達機構であって、
    それぞれの有歯部が前記駆動ギアに噛み合う回転姿勢を取ることのできるように同軸に配置された1対の欠歯ギアであり、回転姿勢を維持する間は同方向へ回転し、有歯部が前記駆動ギアから離脱すると、欠歯部が前記駆動ギアに面する停止姿勢を維持する第1欠歯ギアおよび第2欠歯ギアと、
    前記第1欠歯ギアを停止姿勢から回転姿勢へ移行させる初動部材と、
    前記第1欠歯ギアと一体に形成され、回転姿勢の前記第1欠歯ギアから回転力を前記第2欠歯ギアへ伝達することにより、前記第2欠歯ギアを停止姿勢から回転姿勢へ移行させる伝達部材と、
    前記第2欠歯ギアの回転力で回転して外部の固定部材または前記可動部材との接触点を移動させることにより、前記固定部材に対して前記可動部材を変位させるカムと、
    を備え、
    前記初動部材は、
    前記第1欠歯ギアと前記第2欠歯ギアとの間に周方向の力を加える付勢部材としてのバネと、
    前記付勢部材の加える力に抗して前記第1欠歯ギアを停止姿勢に保持する保持部材と、
    前記保持部材を変位させて前記第1欠歯ギアの保持を解除させる駆動部と、を含み、
    前記第1欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先が切り欠かれた傾斜面を含み、当該傾斜面は、回転方向の端部が逆方向の端部よりも前記第1欠歯ギアの中心に近く、
    前記第2欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先が切り欠かれた傾斜面を含み、当該傾斜面は、回転方向の端部よりも逆方向の端部が前記第2欠歯ギアの中心に近い
    ことを特徴とする回転力伝達機構。
  2. 定常的に回転する1枚の駆動ギアの回転力を利用して可動部材を間欠的に変位させる回転力伝達機構であって、
    それぞれの有歯部が前記駆動ギアに噛み合う回転姿勢を取ることのできるように同軸に配置された1対の欠歯ギアであり、回転姿勢を維持する間は同方向へ回転し、有歯部が前記駆動ギアから離脱すると、欠歯部が前記駆動ギアに面する停止姿勢を維持する第1欠歯ギアおよび第2欠歯ギアと、
    前記第1欠歯ギアを停止姿勢から回転姿勢へ移行させる初動部材と、
    回転姿勢の前記第1欠歯ギアから回転力を前記第2欠歯ギアへ伝達することにより、前記第2欠歯ギアを停止姿勢から回転姿勢へ移行させる伝達部材と、
    前記第2欠歯ギアの回転力で回転して外部の固定部材または前記可動部材との接触点を移動させることにより、前記固定部材に対して前記可動部材を変位させるカムと、
    を備え、
    前記第2欠歯ギアの有歯部は、回転方向の先頭に位置する歯の歯先が切り欠かれており、
    前記初動部材は、
    前記第1欠歯ギアと前記第2欠歯ギアとの間に周方向の力を加える付勢部材と、
    前記付勢部材の加える力に抗して前記第1欠歯ギアを停止姿勢に保持する保持部材と、
    前記保持部材を変位させて前記第1欠歯ギアの保持を解除させる駆動部と、を含み、
    前記第1欠歯ギアの表面には、前記第1欠歯ギアと同心で、半径が互いに異なる複数の弧状部分を含む溝が刻まれており、
    前記保持部材は、先端が前記溝の中に位置し、かつ前記第1欠歯ギアの半径方向に変位可能に支持された突起部を含み、
    前記突起部は先端を、前記溝のうち、いずれかの弧状部分の端に接触させることにより前記第1欠歯ギアを停止姿勢に保持し、
    前記駆動部は、前記突起部を前記第1欠歯ギアの半径方向に変位させて前記突起部の先端を前記溝の別の弧状部分へ移動させることにより、前記保持部材に前記第1欠歯ギアの保持を解除させる
    ことを特徴とする回転力伝達機構。
  3. 前記第2欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先が切り欠かれた傾斜面を含み、当該傾斜面は、回転方向の端部よりも逆方向の端部が前記第2欠歯ギアの中心に近いことを特徴とする請求項に記載の回転力伝達機構。
  4. 前記第2欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先の表面に、前記第2欠歯ギアの中心からの距離が前記第2欠歯ギアのピッチ円の半径よりも長い部分を含む請求項1から請求項3までのいずれかに記載の回転力伝達機構。
  5. 前記第1欠歯ギアの有歯部は、回転方向の先頭に位置する歯の歯先が切り欠かれていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の回転力伝達機構。
  6. 前記第1欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先が切り欠かれた傾斜面を含み、当該傾斜面は、回転方向の端部が逆方向の端部よりも前記第1欠歯ギアの中心に近いことを特徴とする請求項に記載の回転力伝達機構。
  7. 前記第1欠歯ギアの有歯部において回転方向の先頭に位置する歯は、歯先の表面に、前記第1欠歯ギアの中心からの距離が前記第1欠歯ギアのピッチ円の半径よりも長い部分を含む請求項5または請求項6に記載の回転力伝達機構。
  8. 前記付勢部材は、
    一端が前記第1欠歯ギアに固定され、他端が前記第2欠歯ギアに固定されたバネであって、前記保持部材が前記第1欠歯ギアを停止姿勢に保持する間、前記第2欠歯ギアの回転により復元力を高め、前記駆動部が前記保持部材に前記第1欠歯ギアの保持を解除させるのに伴い、当該復元力で前記第1欠歯ギアを前記第2欠歯ギアに対して回転させるバネを含む請求項1または請求項2に記載の回転力伝達機構。
  9. 前記第1欠歯ギアの表面には、前記第1欠歯ギアと同心で、半径が互いに異なる複数の弧状部分を含む溝が刻まれており、
    前記保持部材は、先端が前記溝の中に位置し、かつ前記第1欠歯ギアの半径方向に変位可能に支持された突起部を含み、
    前記突起部は先端を、前記溝のうち、いずれかの弧状部分の端に接触させることにより前記第1欠歯ギアを停止姿勢に保持し、
    前記駆動部は、前記突起部を前記第1欠歯ギアの半径方向に変位させて前記突起部の先端を前記溝の別の弧状部分へ移動させることにより、前記保持部材に前記第1欠歯ギアの保持を解除させる
    ことを特徴とする請求項に記載の回転力伝達機構。
  10. 前記第1欠歯ギアに面した前記第2欠歯ギアの表面は、前記第2欠歯ギアと同心弧状の凹部を含み、
    前記伝達部材は、一端が前記凹部の中に位置し、他端が前記第1欠歯ギアに固定された柱状部を含み、
    前記柱状部は、前記第1欠歯ギアの回転に伴い、前記一端で前記凹部の端を周方向に押すことにより、前記第2欠歯ギアを前記第1欠歯ギアの回転に連動して回転させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の回転力伝達機構。
  11. 前記第2欠歯ギアは、中心部から回転軸方向に突出するスリーブを同軸に含み、
    前記第1欠歯ギアは、前記スリーブが挿入される穴を中心部に含む
    請求項1から請求項10までのいずれかに記載の回転力伝達機構。
  12. 前記第1欠歯ギアと前記第2欠歯ギアとの軸方向の間隔は、両欠歯ギアの温度が許容上限に達した場合でも実質的に詰まらない値に設計されていることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかに記載の回転力伝達機構。
  13. 画像形成装置に搭載され、シートに画像を熱定着させる定着装置であって、
    シートに接触して加熱する定着ローラーと、
    前記定着ローラーを定常的に回転させるモーターと、
    前記定着ローラーに接触して従動回転する位置と、前記定着ローラーから離間する位置との間で変位可能に支持された別ローラーと、
    前記モーターの回転力により定常的に回転する駆動ギアと、
    前記駆動ギアの回転力を利用して前記別ローラーを前記定着ローラーから間欠的に離間させる請求項1から請求項12までのいずれかに記載の回転力伝達機構と、
    を備えた定着装置。
  14. シートを搬送する搬送装置と、
    前記シートに画像を作成する作像装置と、
    前記シートに前記画像を熱定着させる請求項13に記載の定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
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