JP6726466B2 - ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステル混合物の製造方法、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステルを含有する混合物を含有する組成物および水系化粧料 - Google Patents

ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステル混合物の製造方法、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステルを含有する混合物を含有する組成物および水系化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステル混合物を含有する水系化粧料に関し、毛髪や皮膚に対する親和性がよく、良好な使用感、仕上り感を与え、かつ加齢臭やタバコの臭いなどの消臭効果を有する化粧料組成物に関するものである。
近年、人体に対する無害性、毛髪や皮膚に対する親和性及びその優れた特性から、天然物又はその誘導体が化粧品用基材として広く利用される傾向にある。その例としては、加水分解タンパク質、ラノリン、脂質、ビタミン類、セルロース、グアガム、澱粉などの多糖類およびこれらの誘導体が挙げられる。例えば、澱粉の第三級アミノアルキルエーテルであって、アミロースが25〜50重量%、アミロペクチンが75〜50重量%のアミノ化スターチを用いたヘアセット組成物が開示されている(特許文献1)。あるいは、シャンプーや毛髪化粧料に、水溶性カチオン性窒素含有ポリマーを用いることが記載されている(特許文献2)。また、デキストリンやトレハロースなど直鎖状の糖類を原料にした界面活性剤を用いた化粧類については、その刺激性の低さが特徴として記載されている。(特許文献3,4)
さらに、タバコ、汗や加齢による臭いの除去については、フレグランス(香水・コロン類)をつけて、臭いの強度によって感じさせなくする方法よりも、様々な臭い物質を包接・除去する技術によって臭いを軽減する方法の方が、近年の臭いエチケットの観点から重要視されている。
以上の観点で、臭いを除去するために従来から使用されてきた原料は、これまでも保護コロイド、シクロデキストリン類、カテキンに代表されるポリフェノールなどが使用されているが、近年化粧料の性能に対する要求が高度化しているため、これらの従来使用されてきた原料では、満足できる化粧料が得られない。例えば、通常の界面活性剤を配合した、シャンプーや洗顔料に代表される洗浄系化粧料は、体の部位を洗浄することにより臭い物質を除去することは出来るものの、臭いの元物質(ノネナール、アルデヒド、アンモニアなど)がバスルームなどの狭い雰囲気に放出されるために、「洗髪時の不快感」というものが出る場合がある。また、臭い物質が活性剤による洗浄だけでは除去できないために、シクロデキストリン類を添加することも併用されるが、泡立ちなどの感触が変化する場合もある。
米国特許第3186911号明細書 特公昭47−20635号公報 特許第3352722号公報 特許第5427033号公報
そこで本発明者等は、シクロデキストリン類に1,2−アルキレンオキサイド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンで反応させた後、アルケニル無水コハク酸を反応させて得られる、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステルを含有する混合物を化粧料に用いることにより、洗浄後の風合いや毛髪の感触が改善されるだけでなく、様々な生活において毛髪や頭皮に吸着した臭い物質の除去や包接を行い、洗浄時や化粧時の不快な臭いを軽減することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
以上のように、本発明は、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステルを含有する水系化粧料を使用することによって、洗浄後の風合いや毛髪の感触を改善し、さらには臭い物質の除去や包接を行い、洗浄時や化粧時の不快な臭いを軽減することができることを最も主要な特徴とする。
すなわち、本発明は、シクロデキストリン類に1,2−アルキレンオキサイド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンで反応させた後、アルケニル無水コハク酸を反応させて得られる、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステルを含有する混合物の製造方法、およびその混合物を含有する組成物や水系化粧料に関するものである。
本発明において出発原料として使用されるシクロデキストリン類は、結合したグルコースが環状構造を有するデキストリンであり、その結合数からα-(グルコースが6個)、β-(7個)、γ-(8個)シクロデキストリンが挙げられる。また、これ以外の環状構造を有するデキストリン(例、環状四糖、シクロアミロース、クラスターデキストリン、シクロデキストラン、マルトシルシクロデキストリンに代表される分岐シクロデキストリン類やメチル化シクロデキストリンなども出発原料として使用できる。シクロデキストリン類は、環状構造を有し、内部が疎水性、外部が親水性であるので、内部に臭い物質などを包接する機能を有している。
本発明において、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類の製造方法としては、上記のシクロデキストリン類に、1,2−アルキレンオキサイドド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンなどのエーテル化剤を反応させて得られるものである。1,2−アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド等を使用するのが好ましい。1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンとしては、エチレンクロルヒドリン、1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロパン、1−ハロゲノ−2−ヒドロキシブタン等を使用するのが好ましい。1,2−アルキレンオキサイド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンは、デンプンの水酸基から水素原子を引き抜いて、エーテル結合によってデキストリン類と結合するものであり、シクロデキストリン類の水溶性を向上させたり、エステル化した後の水溶液の安定性を向上させたりする目的がある。
本発明において、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類のMS値は、1以上であるのが好ましい。ここで、MS値とは、シクロデキストリン類1モルに結合した(付加した)ヒドロキシアルキル基のモル数のことを意味している。例えば、β-シクロデキストリン(以下β-CDとする)1モル当り2モルのヒドロキシアルキル基が結合しているものは、MS値は2である。しかしながら、β-CD当りに、ヒドロキシアルキル基が1個又は2個以上結合したものや、ヒドロキシアルキル基が結合していないものが混在しており、MS値はこれらの平均値として示される。
シクロデキストリン類は、種類によって溶解性が異なるので、例えばβ-CD(溶解度は25℃で約2%)のような難溶性のものに対しては、MS値が高くなるように反応することが好ましい。しかしながら、クラスターデキストリンのように、非常に溶解性が高いものについては、MS値はさほど高くなくてもよい。
MS値の測定方法は、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類が、ヒドロキシエチルシクロデキストリン類あるいはヒドロキシプロピルシクロデキストリン類の場合は、「医薬品添加物規格 2013」(厚生省業務局審査課監修、薬事日報社発行)の第533〜534頁に記載された「ヒドロキシプロピルスターチ ヒドロキシプロポキシル基定量法(ガスクロ法)」に準拠して行われる。また、ヒドロキシエチルシクロデキストリンあるいはヒドロキシプロピルシクロデキストリン以外のものの場合にも、これらの記載に準拠して行われる。
本発明においては、アルケニル無水コハク酸無水物をエステル化の反応試薬として、前記のヒドロキシアルキルシクロデキストリン類と反応させる。このアルケニル無水コハク酸無水物としては、C2−20アルケニル無水コハク酸、より好ましくはC8−18アルケニル無水コハク酸(例、オクテニル無水コハク酸、デセニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、テトラデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸、オクタデセニル無水コハク酸など)が挙げられる。
本発明において、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステルの製造方法としては、水に溶解したヒドロキシアルキルシクロデキストリン類に、アルケニル無水コハク酸をアルカリ触媒の存在下で反応させるが、シクロデキストリン類を1,2−アルキレンオキサイド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンなどのエーテル化剤を用いてヒドロキシアルキル化し、中和・精製・乾燥した後、再溶解してエステル化反応を行ってもよい。
エステル化反応は、pHを6〜9に維持しながら、10〜50℃にて撹拌することによって行うことができる。使用するアルカリ触媒としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキサイド(例、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、カリウムメトキサイドなど)、アンモニア、C1−6アルキル基を有するモノ、ジもしくはトリアルキルアミン(例、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、第2級ブチルアミン、第3級ブチルアミン、アミルアミン、第2級アミルアミン、第3級アミルアミン、ヘキシルアミンなど)、アルコール性水酸基を有するジもしくはトリアルコールアミン(例、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエタノールアミンなど)などが挙げられる。
本発明により製造されるヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステルは、前記の触媒によってアルケニル無水コハク酸が開環反応し、片エステルとしてエステル結合したものである。他方のカルボキシル基は用いた触媒により中和され、このエステルはアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアミンの塩の溶液として得られる。ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類に対するアルケニル無水コハク酸の添加量は適宜選択できる。
なお、上記の方法で製造される「ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類」には、ヒドロキシアルキル基を含有するものと、含有しないものとが一部混在している。そのため、ヒドロキシアルキルシクロデキストリンに無水アルケニルコハク酸を溶液中で反応させた場合、a)ヒドロキシアルキル化とアルケニルコハク酸エステル化の両方がなされた「ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステル」と、b)アルケニルコハク酸エステル化、あるいはヒドロキシアルキル化だけなされた、「ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類」または「アルケニルコハク酸化シクロデキストリン類」、c)何の置換基も持たない「シクロデキストリン類」の4種と、副産品であるアルケニルコハク酸無水物が開環したままの未反応のアルケニルコハク酸塩を含む混合物となる。以上のことより、本発明の製造方法で製造される混合物については、「ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステル混合物」と呼ぶこととする。
本発明により製造されるヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステル混合物は、例えばシャンプー、トリートメントなどのヘアケア製品、洗顔剤に代表されるスキンケア製品および歯磨きのような通常の形態の水系化粧料に常法により配合される。本発明の水系化粧料中の他の成分は特に限定されず、通常の水系化粧品用担体、希釈剤または添加物[例、各種の界面活性剤、油性物質(例、長鎖脂肪酸エステル、炭化水素など)、加水分解タンパク質、ラノリン、脂質、香料、色素、ハイドロトロープなど]が使用できる。また、ビタミン類や他の栄養学的または医薬的に有効な成分を添加してもよい。
本発明により製造されるヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステルをヘアケア製品に配合する場合、その配合量は化粧料の全量に対して0.1〜20質量%が好ましい。このエステルを洗顔料などのスキンケア製品に配合する場合、その配合量は化粧料の全量に対して0.5〜30重量%が好ましい。
以下、本発明を実施例にて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
冷却還流管のついた反応器で、水100質量部(以下、部とする)に、水酸化ナトリウムを2部加えて溶解させ、β-CD100部を分散させ、エーテル化剤としてプロピレンオキサイド(以下、POとする)を、表1に記載されている量添加して、40℃24時間エーテル化反応させたのち、オクテニルコハク酸無水物(以下、OSAとする)を60部添加して、40℃で撹拌混合しながら、水酸化ナトリウムの25%水溶液でpHを7.3に調整し、3時間反応した。反応後、最終濃度を50%として、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンオクテニルコハク酸エステル混合物(以下、HPCD-OSA混合物とする)1〜7を得た。PO添加量、OSA反応前のMS、水溶液の起泡性および安定性を表1に示す。なお、起泡性、安定性については、以下の方法で評価した。
起泡性:濃度0.5%に希釈した混合物を1/2量入れたガラス瓶を上下に50回振った後の泡の様子を評価した。(◎:泡立ちが良く、しっかりした泡を形成する。○:泡立ちはよいが、経時的に消滅する。×:泡立ちが悪く、すぐに消滅する。)
安定性:最終濃度50%の混合物を密栓したガラス瓶に入れ、50℃に加温したエアバスに1か月静置し、着色や沈殿が生じるかどうかで判断した。(○:着色は製造時とあまり変化なく、沈殿もない。 ×:製造時より着色が進む、あるいは沈殿が生じる。)
Figure 0006726466
<実施例2>
試験例1において、安定性の高かった混合物5、6、7の処方のうち、エステル化反応時のpH調整の触媒をトリエタノールアミンにした以外は試験例1と同様にして混合物8〜10を得た。PO添加量、OSA反応前のMS、水溶液の安定性を表2に示す。
Figure 0006726466
<実施例3>
冷却還流管のついた反応器で、水100部に、水酸化ナトリウムを2部加えて溶解させ、β-CD100部を分散させ、エーテル化剤としてPOを20部添加して、40℃24時間エーテル化反応させた(MS=4.4)。その後、OSAを表3に記載されている量添加して、40℃で撹拌混合しながら、水酸化ナトリウムの25%水溶液でpHを7.3に調整し、3時間反応した。反応後、最終濃度を50%として、HPCD-OSA混合物11〜14を得た。OSAの添加量、起泡性および水溶液の安定性を表3に示す。
Figure 0006726466
<実施例4>
水100部に、水酸化ナトリウムを2部加えて溶解させ、β-CD100部を分散させ、エーテル化剤としてブチレンオキサイドを、表4に記載されている量添加して、pHを11.5に調整しながら、40℃24時間エーテル化反応させたのち、OSAを60部添加して、40℃で撹拌混合しながら、水酸化ナトリウムの25%水溶液でpHを7.3に調整し、3時間反応した。反応後、最終濃度を50%として、ヒドロキシブチルシクロデキストリンオクテニルコハク酸エステル混合物(以下、HBCD-OSA混合物とする)15〜20を得た。ブチレンオキサイドの添加量、OSA反応前のMS、水溶液の起泡性および安定性を表4に示した。
Figure 0006726466
実施例1〜4の結果より、起泡性、安定性ともに優れているものは、シクロデキストリン類の溶解性が向上するもの、例えばβ-CDの場合、ヒドロキシアルキル基のMSが4以上であり、かつオクテニルコハク酸の添加量がβ−CD100部に対して40〜60部であり、アルカリで反応させたものであることが確認できた。
<実施例5>
実施例1〜4において、起泡性、安定性ともに優れていた混合物について、以下に示す方法でアルブミン未変性試験を行った。なお、比較例として、化粧品で一般的に用いられる陰イオン界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を用いて同様の試験を行った。結果を表5に示す。なお、この試験方法は、著者名:K.MIYAZAWA, M.OGAWA and T.MITSUI、文献名:「The physico−chemical properties and protein denaturation potential of surfactant mixtures.」、出典:International Journal of Cosmetic Science, Volume6, Issue1, Pages33−46(1984)に則ったものであり、皮膚刺激性の指標となる試験方法である。
<試験方法および測定条件>
各種サンプル溶液(固形分濃度10%):卵白アルブミン(濃度0.025%になるようにリン酸バッファー(pH7.0)に溶解する)=1:9で混合し、30℃20分間放置した後、脱イオン水で10倍希釈した液を検体とし、HPLCを用いて以下の式でアルブミン未変性率(%)を求めた。なお、サンプル溶液の代わりに脱イオン水を入れて行ったものをブランクとした。結果を表5に示す。
[HPLCの測定条件]
使用カラム:Asahipak GS−320HQ(昭和電工(株)製 サイズ 7.6mmID−300mmL)
カラム温度:50℃
移動相:リン酸バッファー(NaHPO 0.05mol/L、NaSO 0.15mol/Lをリン酸でpH7とする。)
流速:0.4mL/分 検出器:TOSOH UV−8020(東ソー(株)製 波長:215nm)
[アルブミン未変性率の計算式]
アルブミン未変性率(%)=(H/H)×100
:ブランクのアルブミンのピーク高さ H:界面活性剤処理したアルブミンのピーク高さ
Figure 0006726466
以上の結果より、起泡性、安定性ともに優れているヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステル混合物は卵白アルブミンの未変性率が非常に高く、皮膚刺激性が非常に低いことが確認できた。
<実施例6>
実施例1〜4において、起泡性、安定性ともに優れていた混合物について、以下に示す方法でヘッドスペース法による消臭試験を行った。なお、比較例として、未反応のβ−CDを用いて同様の試験を行った。なお、臭いの指標物質としては、イソ吉草酸(IVA、足裏の臭い)、アセトアルデヒド(タバコの臭い)を用い、表6に示す条件で試験を行った。なお、ブランクとして、混合物水溶液の代わりに脱イオン水10gを、比較例として、混合物水溶液の代わりに未反応のβ−CD1g/10mL懸濁液(一部溶解)を用いて、同様の試験を行った。結果を表7に示す。
Figure 0006726466
Figure 0006726466
以上の結果より、起泡性、安定性ともに優れているヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステル混合物は各種臭いの原因物質を包接して、ヘッドスペースへの揮発を軽減できる。また、β−CDよりも臭いの原因物質を包接できる量が優位に多いことが確認できた。
<実施例7>
実施例1〜4において、起泡性、安定性ともに優れていた混合物について、以下に示す方法で官能評価(男女7名)による消臭試験を行った。なお、比較例として、未反応のβ−CDを用いて同様の試験を行った。なお、臭いの指標物質としては、ノネナール(加齢臭)を用い、表8に示す条件で試験を行った。なお、ブランクとして、混合物水溶液の代わりに脱イオン水10gを、比較例として、混合物水溶液の代わりに未反応のβ−CD1g/10mL懸濁液(一部溶解)を用いて、同様の試験を行った。結果を表9に示す。
Figure 0006726466
Figure 0006726466
以上の結果より、起泡性、安定性ともに優れているヒドロキシアルキルシクロデキストリン類アルケニルコハク酸エステル混合物はノネナールを包接して、ノネナールのヘッドスペースへの揮発を軽減できる。また、β−CDよりもノネナールを包接できる量が優位に多いことが確認できた。
<実施例8>
試験例1で得られたHPCD−OSA混合物5を用いて表10に示す配合組成Aのシャンプーを調製した。比較のために混合物を含まない組成B、混合物の代わりにβ‐CDを添加した組成Cも調製した。このシャンプーを用いて、喫煙者を対象に使用してもらい、使用時および使用後の評価を以下の評価で行ってもらった。結果を表10に示す。
<使用時の評価>
○:滑らかな指通りを与え、残り感もスムーズになくなる。
×:指通りに抵抗があり、残り感がなくなるまで時間がかかる。
<使用後の評価>
○:洗浄時および使用後に不快な臭いが残らず、好適な感触を与える。
×:洗浄時および使用後に洗浄部位に不快な臭いが残り、泡からも発生している。
Figure 0006726466
以上の結果より、HPCD−OSA混合物5を用いたシャンプーは、使用時および使用後にも好適な感触を与えるが、混合物を配合していないシャンプーにおいては、使用時、使用後ともに評価がよくなかった。また一般的に消臭効果があるβ-CDを添加した場合、消臭効果はあるものの、感触までは改良出来なかった。
<実施例9>
試験例2で得られたHPCD−OSA混合物8を用いて表11に示す配合組成Dのリンスを調製した。比較のために混合物を含まない組成E、混合物の代わりにβ‐CDを添加した組成Fも調製した。このリンスを用いて、喫煙者を対象に使用してもらい、使用時および使用後の評価を実施例8と同様の評価で行ってもらった。結果を表10に示す。
Figure 0006726466
以上の結果より、HPCD−OSA混合物5を用いたリンスは、使用時および使用後にも好適な感触を与えるが、混合物を配合していないリンスにおいては、使用時、使用後ともに評価がよくなかった。また一般的に消臭効果があるβ-CDを添加した場合、消臭効果はあるものの、感触までは改良出来なかった。
<実施例10>
試験例1で得られたHPCD−OSA混合物5を用いて表12に示す配合組成Gのボディーシャンプーを調製した。比較のために混合物を含まない組成H、混合物の代わりにβ‐CDを添加した組成Iも調製した。このボディーシャンプーを用いて、中高年男性を対象に使用してもらい、使用時および使用後の評価を実施例8と同様の評価で行ってもらった。結果を表12に示す。
Figure 0006726466
以上の結果より、HPCD−OSA混合物5を用いたボディーシャンプーは、使用時および使用後にも好適な感触を与えるが、混合物を配合していないボディーシャンプーにおいては、使用時、使用後ともに評価がよくなかった。また一般的に消臭効果があるβ-CDを添加した場合、消臭効果はあるものの、感触までは改良出来なかった。
<実施例11>
試験例1で得られたHPCD−OSA混合物7を用いて表13に示す配合組成Jの洗顔フォームを調製した。比較のために混合物を含まない組成K、混合物の代わりにβ‐CDを添加した組成Lも調製した。この洗顔フォームを用いて、中高年男性を対象に使用してもらい、使用時および使用後の評価を実施例8と同様の評価で行ってもらった。結果を表12に示す。
Figure 0006726466
以上の結果より、HPCD−OSA混合物7を用いた洗顔フォームは、使用時および使用後にも好適な感触を与えるが、混合物を配合していない洗顔フォームにおいては、使用時、使用後ともに評価がよくなかった。また一般的に消臭効果があるβ-CDを添加した場合、消臭効果はあるものの、感触までは改良出来なかった。

Claims (2)

  1. アルカリ条件下で、シクロデキストリン類に1,2−アルキレンオキサイド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンを反応させた後、オクテニルコハク酸無水物をシクロデキストリン類100質量部に対して40〜60質量部反応させて得られる、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン類オクテニルコハク酸エステル混合物の製造方法。
  2. 1,2−アルキレンオキサイド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンが、エチレンクロロヒドリン、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドの中から選ばれる1種以上であり、シクロデキストリン類100質量部に対して20〜30質量部反応させることを特徴とする、請求項1記載のヒドロキシアルキルシクロデキストリン類オクテニルコハク酸エステル混合物の製造方法。
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