JP6724687B2 - ナノロッドの形成方法及び半導体素子の製造方法 - Google Patents

ナノロッドの形成方法及び半導体素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノロッドの形成方法及び半導体素子の製造方法に関する。
電子デバイスや光デバイス等の半導体素子の分野では、窒化物半導体等の半導体材料の開発及び製造技術の進歩により、優れた素子が実現されてきた。近年では、例えば、100nm以下の径又は幅のナノロッドを利用して量子閉じ込め効果及び歪緩和効果により内部量子効率を向上させて、さらなる小型化、高効率化を図る努力がされている。
このナノロッドを形成する方法として、大別すると、結晶成長によるボトムアップ型と、エッチングによるトップダウン型がある。特許文献1には、GaNからなるナノロッドを形成するボトムアップ型のナノロッド形成方法が開示されている。この特許文献1のナノロッド形成方法は、温度、圧力及びGaとNの前駆体の流量等の結晶成長条件を調整することにより横方向の成長を抑えてGaNを上方向に成長させるものである。また、特許文献2には、窒化物半導体からなるナノロッドを形成するトップダウン型のナノロッド形成方法が開示されている。特許文献2のナノロッド形成方法は、窒化物半導体層の上にマスクを島状に形成して、そのマスクの間の窒化物半導体を除去することにより、窒化物半導体からなるナノロッドを形成する方法である。特許文献2のナノロッド形成方法において、窒化物半導体のマスクは、ニッケルと酸化ケイ素の2層構造となっている。
特表2008−544567 特表2014−509075
しかしながら、結晶成長によるボトムアップ型の方法は、結晶成長条件の設定の変動又はバラツキにより形成されるナノロッドの形状が安定しないという問題がある。
また、結晶成長によるボトムアップ型の方法は、形状の制御が困難であるため、量産化が困難である。
また、エッチングによるトップダウン型の方法としては、例えば特許文献2に記載されているように、ナノロッド形状に対応するマスクパターンを例えば2層に形成する方法がある。この方法では、第1マスクを微小サイズにパターニングするために、アニーリングによって微小サイズに自動形成される金属層を第2マスクとして用いている。しかし、このような方法では、アニール、エッチング、マスク除去などの工程数が多くなり安価に製造することができないという問題がある。
また、特許文献2に記載されているナノロッドの大きさは直径100〜1000nmであり、直径の小さいナノロッドの形成が容易ではないという問題がある。
そこで、本発明は、簡単な工程で形状制御してナノロッドを形成することができるナノロッドの形成方法とそのナノロッドの形成方法を用いた半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るナノロッドの形成方法は、反応ガスを用いたドライエッチングにより半導体のナノロッドを形成する方法であって、チャンバー内において、ドライエッチング時における前記反応ガスとの化学反応によるエッチングレートが前記半導体より低い材料からなるマスク用材料と、前記半導体を含む基体とをチャンバー内にセットする準備ステップと、エッチングにより飛散したマスク用材料が所定のドット密度及び所定のドット寸法で前記半導体の表面に付着するようにチャンバー内の圧力を所定の範囲に設定することにより、それぞれ前記マスク用材料を含む複数のドットマスクを前記半導体の表面に形成し、前記ドットマスクから露出した半導体をドライエッチングにより除去するドライエッチングステップと、を含む。
本発明に係るナノロッドの形成方法によれば、簡単な工程で形状制御してナノロッドを形成することができる。
本発明に係る実施形態1の半導体ナノロッド形成方法を実施するドライエッチング装置の構成を示す模式図である。 本発明に係る実施形態3の半導体素子の模式的な断面図である。 図2の一部を拡大して示す模式的な断面図である。 実施形態3の半導体素子において、ナノロッドを含む活性層を形成する工程を示す断面図である。 本発明に係る実施形態4の半導体素子の模式的な断面図である。 実施形態3の半導体素子において、n側半導体ロッド部、活性層ロッド部及びp側半導体ロッド部を含むナノロッドを備えた活性層を形成する工程を示す断面図である。 本発明に係る実施形態4の半導体素子の模式的な断面図である。 ドライエッチング時の圧力を4Paに設定して形成した実施例1のナノロッドの写真である。 ドライエッチング時の圧力を8Paに設定して形成した実施例3のナノロッドの写真である。 ドライエッチング時の圧力を1Paに設定して形成した実施例4のナノロッドの写真である。 GaN基板の−C面上に形成した実施例5のナノロッドの写真である。 半導体ウェハを石英からなるウエハテーブル上にセットしてナノロッドの形成を試みた比較例1の写真である。 実施例2のナノロッドについて、硝酸洗浄前後のPL強度を示すグラフである。
本願発明者は、所定のドライエッチング条件により、一連のドライエッチング工程のなかで半導体の上にマスクを形成してそのマスクを用いて半導体をエッチングすることが可能であることを見いだした。そしてさらに本願発明者は、鋭意検討した結果、ドライエッチング時の条件、特に圧力を変更すると、その圧力値に応じてナノロッドの形状が変更でき、さらにはナノロッドの形成密度が変化することを見いだした。
以上のような現象が生じる理由は、以下のように考えられる。
まず、ある特定の条件下において、ドライエッチングの初期の段階では、半導体表面の温度が低い等により反応ガスと半導体との化学反応が抑えられている。これにより、ドライエッチングの初期の段階では、化学反応に基づくエッチングレートが低くなっており、反応ガスと半導体との化学反応による反応生成物が少なくなっている。他方、ドライエッチングの初期の段階では、反応生成物等の飛散物が少なくなっていることにより、プラズマ中の反応ガスの粒子と飛散物との衝突回数が少なくなり、反応ガスの粒子の平均自由行程が長くなる。これにより、プラズマ中の反応ガスが高い運動エネルギーを保持した状態で半導体及びマスク用材料に照射され、物理的なエッチングが進行する。したがって、ドライエッチングの初期の段階では、物理的なエッチングが比較的活発になり、物理的なエッチングにより飛散したマスク用材料が半導体表面に付着してマスクが形成される。
エッチングが進むにしたがって、反応ガスと半導体との化学反応に伴う発熱等により半導体の温度が上昇して、反応ガスと半導体との化学反応によるエッチングレートが高くなるとともに化学反応に伴う反応生成物等の飛散物が増加する。一方、反応生成物等の飛散物が増加すると、反応ガスの粒子と飛散物との衝突回数が増加して反応ガスの粒子の平均自由行程が短くなり、物理的なエッチングレートが低くなる。したがって、この段階では、反応ガスと半導体との化学反応によるエッチングが支配的になり、半導体表面に付着したマスク用材料がマスクとなって、マスクの下を除く半導体が除去されてナノロッドが形成される。
以上の考察によれば、半導体表面にマスク用材料をナノサイズのマスクとしてドット状に付着させるために、マスク用材料としては、物理的なエッチングにより、例えば、10nm〜200nmの大きさで粒として飛散する材料であると良い。その一方で、半導体が反応ガスにより化学反応に基づいてドライエッチングされる際に、マスクとして機能する必要がある。そのために、マスク用材料としては、反応ガスとの化学反応に基づくエッチングレートが半導体よりも低いことが必要である。例えばエッチング完了後にマスクが半導体表面に残存しているような、反応ガスによる化学反応が実質的に起きない材料がより適している。
本発明は、以上のような本発明者が独自に得た知見に基づいてなされたものであり、以下の形態を含む。
実施形態1.
本発明に係る実施形態1の半導体ナノロッド形成方法は、初期設定されたドライエッチング条件を途中で変更することなく、ドライエッチング工程中でドット状のマスク(ドットマスク)を形成し、そのマスクを用いて半導体層をエッチングして、ナノロッドを形成する方法である。本実施形態1の半導体ナノロッド形成方法は、図1に模式的に示す一般的なドライエッチング装置を用いて実施することができ、しかもマスクを別途形成する必要もないので、半導体のナノロッドを安価かつ容易に形成することができる。
尚、図1のドライエッチング装置10は、内部に上部電極13,下部電極15及びウエハテーブル17が設けられたチャンバー12と、高周波電源19とを備えており、ウエハテーブル17の上に基体11が載置される。
以下、実施形態1の半導体ナノロッド形成方法について詳細に説明する。
実施形態1の半導体ナノロッド形成方法は、以下のステップを含む。
準備ステップ
ここでは、マスク用材料と、エッチング後にナノロッドとなる半導体(半導体層)を含む基体とをチャンバー内にセットする。ここで、マスク用材料としては、物理的なエッチングが可能で、ドライエッチング時における反応ガスとの化学反応によるエッチングレートが前記半導体より低い材料が選択される。好ましくは、マスク用材料として、半導体材料のドライエッチングに一般的に使用される反応ガスとほとんど化学反応しない材料が選択される。半導体材料のドライエッチングに使用される反応ガスとほとんど化学反応しない材料としては、イットリア及びジルコニアが挙げられる。マスク用材料は、基体を載置するウエハテーブル17上の基体の周りに載置しても良いし、ウエハテーブル17そのものをマスク用材料により構成してもよい。すなわち、ウエハテーブル17のようなトレイをマスク用材料の供給源としてもよい。これにより、ドライエッチング装置のチャンバー内に別途マスク用材料を配置する必要がなくなる。
半導体層の材料としては、Si、GeなどのIV族半導体、窒化物半導体、ガリウムヒ素系半導体及びガリウムリン系半導体などのIII−V族半導体等、種々の半導体を使用することができる。例えば、半導体層として、GaN、AlGaN、又は、InGaNのいずれか1以上の半導体層を用いる。このような半導体層は、例えば反応ガスとしてClガスやSiClガスのような塩素系ガスを用いることで、イットリア及びジルコニアよりもドライエッチングのエッチングレートを増大させることができる。
ドライエッチングステップ
マスク用材料と半導体層を含む基体とがセットされたチャンバー内において、半導体層を構成する半導体のドライエッチング(反応性イオンエッチング)に適した反応ガスを用いてドライエッチングを行う。また、エッチング条件は、エッチングの初期段階で、エッチングにより飛散したマスク用材料が所定のドット密度及び所定のドット寸法で半導体層の表面に付着するように設定する。マスク用材料を所定のドット密度及び所定のドット寸法で半導体層の表面に付着させるためには、チャンバー内の圧力が特に重要なパラメータである。例えば、圧力以外のパラメータをある範囲内の値に設定し、チャンバー内の圧力を調整することにより、マスク用材料を所望のドット密度及び所望のドット寸法で半導体層の表面に付着させることができる。
例えば、チャンバー12内の圧力を低くすると飛散するマスク材料粒子の寸法が大きくなる傾向にある。したがって、比較的大きい径のマスクを形成、すなわち形成するナノロッドの径を大きくしたい場合には、チャンバー12内の圧力を低くする。逆に、比較的小さい径のマスクを形成、すなわち形成するナノロッドの径を小さくしたい場合には、チャンバー12内の圧力を高くすればよい。また、チャンバー12内の圧力を低くすると飛散するマスク材料粒子の数が減少し、半導体層上に形成されるマスクの密度が低くなる傾向にある。このようなチャンバー12内の圧力と、飛散するマスク材料粒子の寸法及び飛散するマスク材料粒子の数との関係を考慮して、マスク用材料を所望のドット密度及び所望のドット寸法で半導体層の表面に付着させるようにチャンバー12内の圧力を設定する。
尚、チャンバー12内の圧力は、例えば、0.5〜20Paの範囲、好ましくは、1Paより大きく且つ10Pa以下の範囲に設定する。
また、チャンバー12内の圧力の設定だけでは、マスク用材料を所望のドット密度及び所望のドット寸法で半導体層の表面に付着させることが比較的難しい場合がある。この場合には、圧力に加え、例えば、出力、反応ガスの流量などの他のパラメータを変更することにより、マスク用材料を所望のドット密度及び所望のドット寸法で半導体層の表面に付着させることができる。
例えば、出力を増大させると、飛散するマスク材料粒子の寸法を小さくすることができる。これは、出力を増大させることにより反応ガスの粒子の運動エネルギーが高められ、そしてこのような反応ガスの粒子がマスク材料粒子と衝突するためである。
例えば、反応ガスの流量を低下させると、半導体層の表面に堆積マスク材料粒子の数を増加させることができる。これは、反応ガスの流量を低下させることにより半導体層の周囲におけるマスク材料粒子の流れが遅くなり、半導体層の表面に堆積しやすくなるためである。
ドライエッチング条件は、例えば、
出力:10〜1000W、
圧力:0.5〜20Pa、
反応ガス流量:1〜200sccm、
の範囲に設定し、
好ましくは、
出力:50〜500W、
圧力:3〜5Pa、
反応ガス流量:5〜120sccm
の範囲に設定する。
また、反応ガスとして、Cl及びSiClの混合ガスを用いて窒化物半導体のナノロッドを形成する場合、例えば、
Cl流量:1〜50sccm、
SiCl流量:10〜140sccm、
の範囲に設定し、
好ましくは、
Cl流量:5〜20sccm、
SiCl流量:30〜100sccm
の範囲に設定する。
エッチング時間については、ナノロッドが所望の高さになるように設定する。
反応ガスとして、Cl及びSiClの混合ガスを用いて窒化物半導体のナノロッドを形成する場合、例えば、出力:230W、圧力:4Pa、Cl流量:10sccm、SiCl流量:70sccmとするとエッチングレート:43nm/minとなる。反応ガスとしてCl及びSiClの混合ガスを用いることにより、Clを用いる場合と比較して、窒化物半導体のエッチングレートを増大させることができる。これにより、小さなバイアス電力によってエッチングが可能となるため、窒化物半導体へのプラズマダメージを小さくすることができる。
また、例えば、径が50nm〜300nmのナノロッドを形成したい場合には、例えば、チャンバー12内の圧力を、2Pa〜4Paに設定する。
マスク除去ステップ
ドライエッチング終了後、マスクを除去する。ここでは、例えば、硝酸等の無機強酸液によりマスクを除去する。例えば、マスク材料としてイットリアを用いた場合には、硝酸によりマスクを除去することができ、マスク材料としてジルコニアを用いた場合には、硫酸によりマスクを除去することができる。
実施形態1のナノロッド形成方法では、エッチング条件を変更することなくドライエッチングを継続すると、前述したように、物理的なエッチングが活発であった初期段階から、化学反応に基づくエッチングが支配的な段階に自律的に移行する。移行後は、マスクが形成された半導体層のドライエッチングが進行する。この段階では、主として、エッチングにより形成されるナノロッドの立体的形状がエッチング条件により決定される。例えば、高圧力、すなわち低真空であると、サイドエッチングが進み、柱形状になる。圧力が低くなると、すなわち高真空であると、サイドエッチングが抑制されて錐形状のナノロッドが形成される。
実施形態1のナノロッド形成方法において、ドライエッチング条件は、例えば、選択した半導体材料、マスク用材料及び反応ガスについて、予め作成された、チャンバー12内の圧力と最終的に形成されるナノロッドの形状及び密度とを関係付けたデータベースに基づいて設定することができる。このデータベースは、例えば、チャンバー12内の圧力以外の条件を固定して、チャンバー12内の圧力を順次変化させてそれぞれ圧力でドライエッチングしたときのナノロッドの形状及び密度を評価して作成する。このデータベースは、チャンバー12内の圧力以外の条件を順次変更して、それぞれの条件ごとに、チャンバー12内の圧力を順次変化させてそれぞれ圧力におけるナノロッドの形状及び密度を評価して作成してもよい。
以上の実施形態1のナノロッド形成方法は、半導体層を含む基体とマスク用材料をチャンバー内にセットして、所望の形状と密度になるようにドライエッチング条件を初期設定して、主としてマスクが形成される初期段階から主として半導体がドライエッチングされる段階に自律的に変化させることにより、ナノロッドを形成している。
したがって、実施形態1のナノロッド形成方法によれば、簡単な工程で形状制御してナノロッドを形成することができる。
実施形態2.
上述した実施形態1のナノロッド形成方法では、初期設定されたドライエッチング条件を途中で変更することなく、ドライエッチング工程中でマスク形成し、そのマスクを用いて半導体層をエッチングして、ナノロッドを形成することを述べた。
これに対して、実施形態2のナノロッド形成方法では、マスクが形成される初期段階と、マスクが形成された後の半導体層をドライエッチングされる段階とでドライエッチング条件を変更する点が実施形態1とは異なっている。この点を除いて実施形態2のナノロッド形成方法は実施形態1のナノロッド形成方法と同様に構成される。
以上のように構成された実施形態2のナノロッド形成方法によれば、より多様な要求に応えて所望のナノロッドを形成することが可能になる。
例えば、上述したように、比較的大きい径のマスクを形成、すなわち形成するナノロッドの径を大きくしたい場合には、チャンバー12内の圧力を低くする必要がある。一方、低圧力、すなわち高真空であると、サイドエッチングが抑制され、錐形状になる傾向がある。したがって、実施形態1のナノロッド形成方法により、径の大きい柱形状のナノロッドを形成することは必ずしも容易ではない。しかしながら、実施形態2のナノロッド形成方法によれば、マスクが形成される初期段階とマスクが形成された後の半導体層をドライエッチングされる段階とのドライエッチング条件を変更する。これにより、例えば、径の大きい柱形状のナノロッドを容易に形成することができる。例えば、チャンバー12内の圧力を低くして大きい径のマスクを形成し、その後、チャンバー12内の圧力を高くして、半導体層を柱形状にエッチングすればよい。
実施形態2のナノロッド形成方法では、マスクが形成される初期段階のエッチング条件は、例えば、選択した半導体材料、マスク用材料及び反応ガスについて、予め作成された、チャンバー12内の圧力と飛散したマスク用材料が半導体表面に形成するマスクの大きさと分布密度とを関係付けたデータベースに基づいて設定することができる。このデータベースは、例えば、チャンバー12内の圧力以外の条件を固定して、チャンバー12内の圧力を順次変化させてそれぞれ圧力でエッチングしたときの飛散したマスク用材料が半導体表面に形成するマスクの大きさと分布密度とを評価して作成する。このデータベースは、チャンバー12内の圧力以外の条件を順次変更して、それぞれの条件ごとに、チャンバー12内の圧力を順次変化させてそれぞれ圧力におけるマスク用材料が半導体表面に形成するマスクの大きさと分布密度とを評価して作成してもよい。
また、マスクが形成された後、半導体層をドライエッチングされる段階でドライエッチング条件は、選択した半導体材料、マスク用材料及び反応ガスについて、予め作成された、チャンバー12内の圧力と、異方性エッチング度(深さ方向のエッチングとサイドエッチングの比)とを関係付けたデータベースに基づいて設定することができる。このデータベースは、例えば、チャンバー12内の圧力以外の条件を固定して、チャンバー12内の圧力を順次変化させてそれぞれ圧力で異方性エッチング度を評価して作成する。このデータベースについても、チャンバー12内の圧力以外の条件を順次変更して、それぞれの条件ごとに、チャンバー12内の圧力を順次変化させてそれぞれ圧力における異方性エッチング度を評価して作成してもよい。
以上説明した実施形態2のナノロッド形成方法は、マスクが形成されるエッチングの初期段階におけるチャンバー内の圧力と、そのマスクを用いて半導体層をエッチングするときのチャンバー内の圧力とを変更しているので、より容易に所望の形状のナノロッドを所望の密度に形成することができる。
以上の実施形態2のナノロッド形成方法では、マスクが形成される初期段階におけるチャンバー内の圧力とそのマスクを用いて半導体層をエッチングするときのチャンバー内の圧力とを変更するとともにまたはチャンバー内の圧力を変更することなく、マスクが形成される初期段階におけるチャンバー内の圧力以外のエッチング条件と、そのマスクを用いて半導体層をエッチングするときのチャンバー内の圧力以外のドライエッチング条件を、変更してもよい。
実施形態3.
図2は、本発明に係る実施形態3の方法を用いて製造される半導体素子20の模式的な断面図である。図3は、図2の一部を拡大して示す模式的な断面図である。半導体素子20は、例えば、レーザ素子であり、下面にn電極24が形成されたn側半導体層21と、上面にp電極25が形成されたp側半導体層23と、n側半導体層21とp側半導体層23の間に設けられた活性層22とを含む。ここで特に、活性層22は、図3に示すように、それぞれバリア層22bと井戸層22wとが交互に積層されてなる複数のナノロッド22nと、ナノロッド22n間の隙間に埋め込まれた絶縁部材22iとを含む。そして、ナノロッド22nは、実施形態1又は2のナノロッドの形成方法により形成されている。なお、n側半導体層21はn型半導体層(第1導電型半導体層)を含み、p側半導体層23はp型半導体層(第2導電型半導体層)を含む。
活性層22において、ナノロッド22nは例えば、厚さが250nmのn側障壁層と、3nmの第1井戸層と、2nmの中間障壁層と、3nmの第2井戸層と、250nmのp側障壁層とを含む。ナノロッド22nの下端はn側障壁層中に位置していてもよく、ナノロッド22nの高さは例えば260〜510nm程度とすることができる。また、活性層22において、絶縁部材22iは、例えば、SiOなどの酸化物、AlNなどの窒化物により構成することができる。
以上のように、複数のナノロッド22nを含む活性層22を備えた半導体素子は、例えば、発光素子に適用した場合、量子閉じ込めにより発光効率を向上させることができる。
以下、半導体素子20の製造方法について説明する。
まず、成長基板上に、n側半導体層21と活性層とをエピタキシャル成長させる。例えば、半導体素子30として窒化物半導体発光素子を作製する場合には、成長基板として、サファイア基板やn型GaN基板を用いることができる。また、n側半導体層21及び活性層は、例えば、一般式、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表される窒化物半導体を用いて形成する。
次に、実施形態1又は実施形態2のナノロッド形成方法により活性層にナノロッドを形成し、ナノロッド形成時に用いたマスク(ドライエッチングの初期段階で付着したマスク用材料)を、例えば、強酸洗浄により除去する。ナノロッドの高さは、活性層22の厚みと同程度とする。また、ナノロッドの下端が活性層22中のn側障壁層内に位置してもよい。
次に、ナノロッドの隙間を絶縁部材で埋める。
具体的には、まず、図4(a)に示すように、ナノロッド22nが完全に埋まるように絶縁部材22iを形成する。ナノロッド間に充填する絶縁部材としては、後工程であるp側半導体層をエピタキシャル成長させる際に高温に曝されることを考慮すると、高温での安定性に優れている、例えば、SiO、AlNなどの絶縁性の無機材料を用いることが好ましい。例えば、SiO、AlNなどの絶縁性の無機材料をナノロッド間の隙間に形成又は充填する方法としては、スパッタリング、CVD(化学気相成長法)、ECR(電子サイクロトロン共鳴)を挙げることができる。SiOを用いる場合には、例えば、スピン・オン・グラス(SOG)と呼ばれる液状SiO材料を用いてナノロッド間に充填するようにしてもよい。
次に、図4(b)に示すように、ナノロッド22nの頂上及びその付近が露出するように、絶縁部材22iの一部を除去する。この絶縁部材22iの一部を除去する工程は、ナノロッド22nの頂上及びその付近を露出させる工程であって、絶縁部材22iを除去する一方、ナノロッド22nの除去を可能な限り抑えることが好ましい。この絶縁部材22iは、例えば、ドライエッチング又はウェットエッチングにより除去することができるが、実質的に絶縁部材22iのみが除去されるようにドライエッチングにおける反応ガス、ウェットエッチングにおけるエッチング液は適宜選択される。例えば、SiOを絶縁部材として用いた場合には、CHF、CFなどの反応ガスを用いたドライエッチングにより絶縁部材を除去することができる。AlNを絶縁部材として用いた場合には、KOH、NaOHなどのエッチング液を用いてウェットエッチングにより絶縁部材を除去することができる。このように実質的に絶縁部材22iのみを除去する条件を用いることにより、図4(b)に示すようにナノロッドの上部が絶縁部材22iから露出する。尚、絶縁部材22iから露出させるナノロッドの上部の長さは、例えば5nm程度以下である。
そして、ナノロッド22n及び絶縁部材22iの上に、p側半導体層をエピタキシャル成長させる。窒化物半導体発光素子を作製する場合には、p側半導体層は、例えば、一般式、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表される窒化物半導体を用いて形成する。このp側半導体層の成長は、n側半導体層21と活性層とをエピタキシャル成長させた後、ナノロッド22n及び絶縁部材22iを形成するためにエピタキシャル成長を一時中断してエピタキシャル成長を再開するので再成長と称される。
最後に、p電極35及びn電極34を形成する。
以上のようにして、半導体素子20は製造される。
尚、半導体素子20をレーザ素子として作製する場合には、例えば、ナノロッドの高さ方向に直交する長手方向を有するリッジを形成し、そのリッジの両端に例えば誘電体多層膜からなる反射膜を形成する。
実施形態4.
図5は、本発明に係る実施形態4の方法を用いて製造される半導体素子30の模式的な断面図である。
実施形態4の半導体素子30は、例えば、レーザ素子であり、下面にn電極34が形成されたn側半導体層31と、上面にp電極35が形成されたp側半導体層33と、n側半導体層31とp側半導体層33の間に設けられた活性層32とを含む。ここで特に、実施形態4の半導体素子は、図6(a)に示すように、ナノロッド37nがn側半導体ロッド部31nと活性層ロッド部32nとp側半導体ロッド部33nを含んでいる点で、実施形態3の半導体素子20とは異なっており、以下のように作製される。
実施形態4の製造方法では、まず、成長基板(例えばn型GaN基板)上に、n側半導体層31、活性層32及びp側半導体層33とをエピタキシャル成長させる。
次に、実施形態1又は実施形態2のナノロッド形成方法により、p側半導体層33、活性層32及びn側半導体層31の一部を含むナノロッド37nを形成する。ナノロッド37nを形成した後、ナノロッド形成時に用いたマスク(ドライエッチングの初期段階で付着したマスク用材料)を、例えば、強酸洗浄により除去する。
次に、ナノロッド37nの隙間を絶縁部材で埋める。
具体的には、まず、図6(a)に示すように、ナノロッド37nが完全に埋まるように絶縁部材36iを形成する。ナノロッド37n間に充填する絶縁部材36iとしては、SiO、AlNなどの絶縁性の無機材料を用いることができる。また、実施形態4の製造方法では、実施形態3とは異なり既にp側半導体層がエピタキシャル成長されているので、高温に曝されることがなく、絶縁性の樹脂を用いることができる。実施形態4では、実施形態3とは異なりナノロッド37nが活性層32に加えp側半導体層33及びn側半導体層31を含んでおり、ナノロッド37nの長さが長くなる。したがって実施形態4では、無機材料に比較してナノロッド37n間への充填が容易な絶縁性の樹脂を用いることが好ましい。絶縁性の樹脂としては、例えば、パラキシリレン樹脂を用いることができる。
次に、図6(b)に示すように、ナノロッド37nの頂上及びその付近が露出するように、絶縁部材36iの一部を除去する。この絶縁部材36iの一部を除去する工程は、SiO、AlNなどの絶縁性の無機材料を用いた場合には、実施形態3と同様の方法により除去することができる。絶縁性の樹脂を用いた場合には、例えば、O等のガスを用いたドライエッチングにより除去することができる。尚、絶縁部材から露出させるナノロッド37nの上部の長さは、p電極との接触抵抗を低くするために実施形態3より長く露出させることが好ましく、例えば、30nm程度露出させる。
そして、図6(c)に示すように、ナノロッド37n及び絶縁部材36iと接して覆うようにp電極35を形成する。
最後に、n電極34を形成する。
以上のようにして、半導体素子30は製造される。
尚、半導体素子30をレーザ素子として作製する場合には、例えば、ナノロッドの高さ方向に直交する長手方向を有するp電極を形成して導波路領域を規定し、その導波路領域の両端に例えば誘電体多層膜からなる反射膜を形成する。
以上のようにして作製された半導体素子30は、図5に示すように、n側半導体層31は、n電極34側の第2n側半導体層31bと活性層32側の第1n側半導体層31aとを含む。そして、第1n側半導体層31a、活性層32及びp側半導体層33はそれぞれ、n側半導体ロッド部31nと絶縁部材36i、活性層ロッド部32nと絶縁部材36i、p側半導体ロッド部33nと絶縁部材36iとを含んでなる。
以上のように構成された実施形態4の半導体素子30は、活性層32がナノサイズの活性層ロッド部32nを含んでいるので、例えば、発光素子に適用した場合、量子閉じ込めにより発光効率を向上させることができる。
実施形態5.
図7は、本発明に係る実施形態5の方法を用いて製造される半導体素子40の模式的な断面図である。半導体素子40は、例えば、発光ダイオードであり、支持基板47と、支持基板47上に導電層48を介して設けられた半導体積層構造42を含む。半導体積層構造42は、例えば、支持基板47側から、p側半導体層42a、活性層42b及びn側半導体層42cを含む。半導体素子40において、n電極46は、半導体積層構造42の上面の一部に、n側半導体層42cと接するように設けられる。また、p電極43は、半導体積層構造42の支持基板47側の下面に、p側半導体層42aと接するように設けられる。
半導体素子40において、半導体積層構造42の下面が、導電層48、反射膜45及び保護膜44を介して支持基板47に接合される。具体的には、導電層48は、凸部48pを有しその凸部48pの上面がp電極43の下面に接合される。凸部48pを除く導電層48と半導体積層構造42の間には、導電層48側から反射膜45と保護膜44とが設けられる。反射膜45は省略してもよい。また、保護膜44を省略し、p側半導体層42aの下面のほぼ全面にp電極43を設けてもよい。
ここで特に、半導体素子40では、n電極46が形成される半導体積層構造42の上面(n側半導体層42cの表面)が複数のナノロッドを含む凹凸面となっている。
以上のように構成された実施形態5の半導体素子40では、主発光面であるn側半導体層42cの表面がナノロッドを含む凹凸面(粗面)となっているので、光の取り出し効率を高くすることができる。
実施形態5の半導体素子40において、n側半導体層42cの表面は、n電極46を形成する前に、実施形態1又は実施形態2のナノロッド形成方法により、n側半導体層42cの表面にナノロッドを形成することにより粗面化できる。
以下、本発明に係る実施例について説明する。
実施例1.
まず、GaN基板の+C面上に厚み約5μmのGaN層を形成した。
次に、半導体ウェハをイットリアからなるウエハテーブル上にセットし、RIE装置を用いてドライエッチングした。反応ガスとして、Cl及びSiClを用い、エッチング条件は、出力:230W、圧力:4Pa、Cl流量:10sccm、SiCl流量:70sccmとした。エッチング時間は16分とし、直径約70nm、高さ約700nmのナノロッドを形成した。
その後、ナノロッド上にマスクとして堆積しているイットリアの除去のため、ウェハを硝酸で5min浸け置き後、水洗し乾燥した。
得られたナノロッドを図8に示す。図8は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影したSEM画像である。
図8に示すように、実施例1では、実施形態3又は4に示した活性層を含むナノロッドの形成に適した柱形状のナノロッドが形成された。
実施例2.
実施例2として、半導体ウェハを、GaN基板の+C面上に、n型半導体層、活性層、p型半導体層を順に積層したものとした以外は、実施例1と同様にしてナノロッドを形成した。つまり、実施例2ではp型半導体層にナノロッドを形成した。p型半導体層は、MgドープしたGaN/AlGaN超格子クラッド層と、MgドープしたGaNコンタクト層とを含む。また、n型半導体層は、SiドープしたAlGaNクラッド層を含み、活性層は、厚さ約250nmのn側障壁層と、厚さ約3nmの第1井戸層と、厚さ約2nmの中間障壁層と、厚さ約3nmの第2井戸層と、厚さ約250nmのp側障壁層とを含む。第1井戸層および第2井戸層は、波長約455nmの青色光を発光可能な組成とした。
実施例2においても、実施例1と同様の形状のナノロッドが得られた。また、実施例2では、ナノロッドを形成したサンプルの硝酸洗浄前後におけるPL(フォトルミネッセンス)強度を評価した。その結果、図13に示すように、硝酸洗浄していない状態ではPL強度が低く、硝酸洗浄後では高くなることが確認された。これは、半導体層の表面に堆積したイットリアがナノロッド形成後で硝酸洗浄前には残っていることを示しており、半導体層の表面に堆積したイットリアがマスクとして機能したことを示している。
実施例3.
実施例3として、ドライエッチング時の圧力を8Paにした以外は、実施例1と同様にしてナノロッドを形成した。
得られたナノロッドを図9のSEM画像に示す。
図9に示すように、実施例3では、針状のナノロッドが形成され、このナノロッドは、例えば、実施形態5に示した光取り出し効率を向上させる凹凸面の形成に利用できる。
実施例4.
実施例4として、ドライエッチング時の圧力を1Paにした以外は、実施例1と同様にしてナノロッドを形成した。
得られたナノロッドを図10のSEM画像に示す。
実施例5.
実施例5として、GaN基板の−C面上にGaN層を形成して半導体ウェハを作製した以外は、実施例1と同様にしてナノロッドを形成した。
得られたナノロッドを図11のSEM画像に示す。
図11に示すように、実施例5では、錐形状のナノロッドが形成され、このナノロッドは、例えば、実施形態5に示した光取り出し効率を向上させる凹凸面の形成に利用できる。尚、図11に示すSEM画像ではナノロッドが斜めに傾斜しているように見えるが、これはSEM画像撮影条件に起因するものであり、実際は左右対称に近い錐形状であった。
比較例1.
比較例1では、半導体ウェハを石英からなるウエハテーブル上にセットしてドライエッチングした以外は、実施例1と同様にしてナノロッドの形成を試みた。
しかしながら、比較例1では、図12に示すようにナノロッドを形成することはできなかった。
実施例6.
実施例6として、実施例1と同様にして作製するナノロッドを含むレーザ素子を作製する。
具体的には、まず、GaN基板の+C面上にn型半導体層、活性層を順に形成して半導体ウェハを作製する。実施例6では、n型半導体層は、SiドープしたAlGaNクラッド層を含み、活性層は、厚さ約250nmのn側障壁層と、厚さ約3nmの第1井戸層と、厚さ約2nmの中間障壁層と、厚さ約3nmの第2井戸層と、厚さ約250nmのp側障壁層とを含む。
次に、半導体ウェハに実施例1と同様にしてナノロッドを形成する。このときのナノロッドの下端はn側障壁層中とする。
そしてナノロッドを形成した半導体ウェハに、p型半導体層とn型半導体層間の絶縁を目的として、絶縁体であるAlNを形成し、ナノロッド上部を露出させるように、KOHを用いてAlNをウェットエッチングする。すなわち活性層がすべて埋まり切らない程度にナノロッド間の隙間をAlNによって埋める。
その後、p型半導体層を結晶成長させ、ストライプ状のリッジ、電極などを形成することによりレーザ素子とする。p型半導体層は、MgドープしたGaN/AlGaN超格子クラッド層と、MgドープしたGaNコンタクト層とを含む。
実施例7.
実施例7として、実施例1と同様にして作製するナノロッドを含むレーザ素子を作製する。
具体的には、まず、GaN基板の+C面上にn型半導体層、活性層、p型半導体層を順に形成して半導体ウェハを作製する。n型半導体層、活性層、p型半導体層のそれぞれは実施例6と同様である。
次に、半導体ウェハに実施例1と同様にしてナノロッドを形成する。このときのナノロッドの下端はn型半導体層中とする。
そして、ナノロッドを形成した半導体ウェハに、p型半導体層とn型半導体層間の絶縁を目的として、絶縁体であるパラキシリレン樹脂をコーティングし、ナノロッド上部を露出させるように、すなわちp型半導体層がすべて埋まり切らない程度にナノロッド間の隙間を埋めて平坦化する。
その後、ストライプ状のリッジ、電極などを形成することによりレーザ素子とする。
実施例8.
実施例8のLED素子を以下のように作製する。
まず、サファイア(C面)よりなる成長基板上にバッファ層を介して、GaN層と、Siをドープしたn型のAlGaNよりなるn型コンタクト層とを成長させることにより、n側半導体層42cを形成する。
次に、アンドープAlGaNよりなる障壁層とアンドープInGaNよりなる井戸層とを交互に成長させて発光層である活性層42bを形成する。
次に、Mgをドープしたp型AlGaN層と、Mgをドープしたp型AlGaNよりなるp型コンタクト層とを成長させてp側半導体層42cを形成する。
以上のようにして、半導体積層構造42を形成する。
次に、半導体積層構造42のp型コンタクト層の表面の一部にp電極43を形成する。
p型コンタクト層の表面のp電極43が形成されていない部分に、保護膜44であるSiOを形成し、さらに保護膜44の上にAlからなる反射膜45を形成する。
そして、接合用金属層を、p電極43及び反射膜45を覆うように形成する。
別途、CuWから成り厚さが200μmの支持基板47を準備する。支持基板47の表面に接合用金属層を形成する。
次に、半導体積層構造42の接合用金属層と支持基板47の接合用金属層とを接合する。接合後、半導体積層構造42の接合用金属層と支持基板47の接合用金属層は一体化されてAuSnを含む導電層48となる。
その後、支持基板47の反対側にある成長基板とバッファ層とを除去し、p側半導体層42cの上方にn型のAlGaNよりなるn型コンタクト層の表面を露出させる。
その露出させたn型コンタクト層の表面をRIE装置を用いてCl及びSiClを反応ガスとしてドライエッチングする。エッチング条件は、出力:230W、圧力:4Pa、Cl流量:10sccm、SiCl流量:70sccmである。エッチング時間は16minとする。これにより、n型コンタクト層の表面に約700nmの高さのナノロッドを形成する。
その後、ナノロッド上にマスクとして堆積しているイットリアの除去のため、硝酸で5min浸け置き後、水洗し乾燥する。
次に、ナノロッドが形成されたn型コンタクト層の表面の一部にn電極46を形成する。
以上のように作製される実施例8のLED素子は、主発光面であるn型コンタクト層表面にナノロッドが形成されているので、ナノロッドを設けない場合よりも発光効率を高くすることができる。
10 ドライエッチング装置
11 基体
13 上部電極
15 下部電極
17 ウエハテーブル
12 チャンバー
19 高周波電源
20,30,40 半導体素子
21,31,42c n側半導体層
22,32,42b 活性層
22b バリア層
22w 井戸層
22n,37n ナノロッド
22i 絶縁部材
23,33,42a p側半導体層
24,34,46 n電極
25,35,43 p電極
31a 第1n側半導体層
31b 第2n側半導体層
31n n側半導体ロッド部
32n 活性層ロッド部
33n p側半導体ロッド部
42 半導体積層構造
44 保護膜
45 反射膜
47 支持基板
48 導電層

Claims (8)

  1. 反応ガスを用いたドライエッチングにより半導体のナノロッドを形成する方法であって、
    チャンバー内において、ドライエッチング時における前記反応ガスとの化学反応によるエッチングレートが前記半導体より低い材料からなるマスク用材料と、前記半導体を含む基体とをチャンバー内にセットする準備ステップと、
    エッチングにより飛散したマスク用材料が所定のドット密度及び所定のドット寸法で前記半導体の表面に付着するようにチャンバー内の圧力を所定の範囲に設定することにより、それぞれ前記マスク用材料を含む複数のドットマスクを前記半導体の表面に形成し、前記ドットマスクから露出した半導体をドライエッチングにより除去するドライエッチングステップと、
    前記ドットマスクを除去するマスク除去ステップと、を含み、
    前記マスク用材料は、イットリア又はジルコニアであるナノロッドの形成方法。
  2. 前記半導体は、窒化物半導体である請求項1記載のナノロッドの形成方法。
  3. 前記半導体のドットマスクが形成される表面は、+C面である請求項2に記載のナノロッドの形成方法。
  4. 前記ドライエッチングステップにおいて、チャンバー内の圧力を変更することを含む請求項1〜のいずれか1つに記載のナノロッドの形成方法。
  5. 前記マスク用材料を含んでなるトレイの上に前記基体を載置することを含み、該トレイが前記マスク用材料の供給源である請求項1〜のいずれか1つに記載のナノロッドの形成方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1つに記載のナノロッドの形成方法を含む半導体素子の製造方法。
  7. 前記半導体は、第1導電型半導体層と、活性層と、第1導電型とは異なる第2導電型半導体層とをこの順に含み、
    前記ドライエッチングステップにおいて、前記第1導電型半導体層上に前記ドットマスクを形成し、前記第1導電型半導体層の少なくとも一部を除去してナノロッドを形成する請求項に記載の半導体素子の製造方法。
  8. 前記ナノロッドが形成された表面に、前記第1導電型半導体層と接触する電極を形成することをさらに含む請求項に記載の半導体素子の製造方法。
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