JP6716923B2 - 位置調整装置、波長変換装置、拡散反射装置、光源装置及びプロジェクター - Google Patents
位置調整装置、波長変換装置、拡散反射装置、光源装置及びプロジェクター Download PDFInfo
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Description
具体的に、特許文献1に記載のプロジェクターは、アレイ光源、コリメーター光学系、アフォーカル光学系、第1の位相差板、ホモジナイザー光学系、プリズム、第1のピックアップ光学系、発光素子(波長変換装置)、第2の位相差板、第2のピックアップ光学系、拡散反射素子、インテグレーター光学系、偏光変換素子及び重畳光学系を有する照明装置を備えている。これらのうち、アレイ光源、コリメーター光学系、アフォーカル光学系、第1の位相差板、ホモジナイザー光学系、プリズム、第2の位相差板、第2のピックアップ光学系及び拡散反射素子は、第1の光軸上に位置し、プリズム、第1のピックアップ光学系、発光素子(波長変換素子)、インテグレーター光学系、偏光変換素子及び重畳光学系は、第1の光軸に直交する第2の光軸上に位置する。そして、プリズムは、第1の光軸と第2の光軸とが交差する部位に配置されている。
反射されたS偏光は、第1のピックアップ光学系を介して発光素子の蛍光体層に励起光として入射され、これにより、黄色の蛍光が生成される。この蛍光は、偏光方向が揃っていない非偏光光であり、非偏光状態のまま第1のピックアップ光学系及び偏光分離素子を透過し、インテグレーター光学系に入射される。
一方、偏光分離素子を透過した青色光のP偏光は、第2の位相差板を通過して円偏光に変換され、第2のピックアップ光学系を介して拡散反射素子(拡散反射装置)にて拡散反射される。この青色光は、第2のピックアップ光学系及び第2の位相差板に再度入射されてS偏光に変換され、上記偏光分離素子にて反射されて、インテグレーター光学系に入射される。
そして、各光変調装置によって変調された各色光(画像光)は、合成光学系によって合成された後、投射光学装置によってスクリーンに拡大投射される。
しかしながら、上記特許文献1に記載の照明装置では、上記波長変換装置及び拡散反射装置等に設けられた波長変換層及び拡散反射層等が設けられた回転ホイールが所望の位置にて接着剤等により固定されるので、当該波長変換装置及び拡散反射装置の位置が固定された後に、上記回転ホイールの位置を再調整できないという課題がある。
また、第1ねじが連結部材の端部に設けられた突出部を囲み、固定筒体に螺合し、当該第1ねじの先端が連結部材に当接しているので、当該第1ねじにより連結部材を付勢しつつ、当該連結部材及び固定筒体を強固に固定できる。更に、第2ねじが固定筒体を貫通して突出部に螺合しているので、連結部材を固定筒体側に付勢できる。
これによれば、第1ねじが連結部材を回転ホイール側に付勢し、第2ねじが連結部材を固定筒体側に付勢するので、連結部材及び固定筒体を強固に固定できる。従って、固定筒体及び連結部材間にて発生するがたつきを抑制できる。また、これら第1ねじ及び第2ねじにより固定筒体及び連結部材が固定されるので、位置調整部により連結部材の位置が調整された後に、当該連結部材及び固定筒体が接着剤等により固定される場合に比べて、リユース性及びリワーク性をより向上できる。
上記第1態様によれば、回転筒体が当該回転筒体を回転させるレバーを有しているので、ユーザーは当該レバーを操作することにより、容易に回転筒体を回転させることができる。従って、連結部材、ひいては、連結部材が連結される回転ホイールの位置を容易に調整できる。
上記第1態様によれば、固定筒体の径方向外側に広がる拡径部に形成された第1開口部にレバーの一部が挿通されているので、レバーの回動範囲が第1開口部の範囲に限定できる。従って、適切な範囲で回転ホイールの位置を調整できる。
上記第1態様によれば、レバーの移動を規制する規制部を備えているので、回転ホイールの位置調整が実行された後に、当該レバーの移動を規制できる。従って、回転ホイールの位置を良好に保つことができる。
上記第1態様によれば、第1ねじ及び第2ねじが同軸上に設けられているので、第1ねじ及び第2ねじが離れた位置に配置されている場合に比べて、連結部材及び固定筒体を確実に固定することができる。
また、第2ねじが第1ねじを覆う形状であることから、第1ねじが誤って回動させられる可能性を低減できる。更に、第1ねじに塵埃が付着する可能性を低減できる。
このように、ピンが突設された連結部材が回転ホイールに入射される光の入射方向に延びるガイド孔に沿って移動するので、当該連結部材に連結された駆動装置、ひいては、駆動装置が有する回転ホイールを上記入射方向に沿って移動させることができる。これにより、回転ホイールに入射される光の光束径を調整できる。
また、付勢部材が連結部材と側面部との間に配置され、当該連結部材をねじの挿入方向に付勢するので、連結部材に螺合するねじと、当該ねじが螺合する螺合部との隙間により生じるがたつきを当該付勢部材により抑制できる。
更に、当該ねじにより固定筒体及び連結部材が固定されるので、位置調整部により連結部材の位置が調整された後に、当該連結部材及び固定筒体が接着剤等により固定される場合に比べて、リユース性及びリワーク性をより向上できる。
上記第1態様によれば、コイルばねが上記ねじを囲むように配置されているので、当該ねじと上記螺合部との隙間により生じるがたつきを確実に当該コイルばねにより抑制できる。
なお、上記波長変換層としては、蛍光体を含む蛍光体層を例示できる。
上記第2態様では、上記第1態様に係る位置調整装置と同様の効果を奏することができる。また、波長変換層に入射される光の光束径を調整できるので、当該波長変換層(蛍光体層)に入射され、波長が変換されて出射される光の光束径を調整できる。
上記第3態様によれば、上記第1態様に係る位置調整装置と同様の効果を奏することができる。また、拡散反射層に入射され、拡散反射される光の光束径を調整できる。
上記第4態様に係る光源装置は、上記第2態様に係る波長変換装置及び上記第3態様に係る拡散反射装置の少なくとも一方と同様の効果を奏することができる。
上記第5態様によれば、光源から出射された光が波長変換装置及び拡散反射装置に入射され、当該波長変換装置及び拡散反射装置から出射された光の光束径を調整できるので、光合成装置から所望の光束径の光を出射できる。また、波長変換装置及び拡散反射装置のそれぞれに設けられた位置調整装置が筐体外に露出しているので、波長変換層及び拡散反射層の位置を容易に調整できる。従って、光源装置から出射される光の輝度及び当該光の光束径を容易に調整できる。
上記第6態様によれば、上記第4態様及び上記第5態様に係る光源装置と同様の効果を奏することができる。また、光源装置から光束径の調整された光が出射されるので、プロジェクターから出射される投射画像の輝度及び彩度を調整できる。従って、投射画像に色むらが発生することが抑制できる。
[プロジェクターの外観構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、後述する照明装置41から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射型画像表示装置である。このプロジェクター1は、当該照明装置41を構成する波長変換装置6及び拡散反射装置7が、それぞれの光軸直交方向に対する位置調整後の固定時のずれ(ガタ)を抑制する構成を有する点を、特徴の1つとしている。
このようなプロジェクター1は、図1に示すように、外観を構成し、後述する装置本体3(図2参照)を収容する外装筐体2を備える。この外装筐体2は、それぞれ合成樹脂により形成されたアッパーケース2A、ロアーケース2B、フロントケース2C及びリアケース2Dが組み合わされて、略直方体形状に構成されている。このような外装筐体2は、天面部21、底面部22、正面部23、背面部24、左側面部25及び右側面部26を有する。
正面部23の中央部分には、後述する投射光学装置46の端部461を露出させ、当該投射光学装置46により投射される画像が通過する開口部231が形成されている。
また、正面部23において左側面部25側の位置には、外装筐体2内の熱を帯びた冷却気体が排出される排気口232が形成され、当該排気口232には、複数のルーバー233が設けられている。
一方、正面部23において右側面部26側の位置には、プロジェクター1の動作状態を示す複数のインジケーター234が設けられている。
右側面部26には、外部の空気を冷却気体として内部に導入する導入口261が形成され、当該導入口261には、フィルター(図示省略)が設けられたカバー部材262が取り付けられている。
図2は、装置本体3の構成を示す模式図である。
装置本体3は、図2に示すように、画像投射装置4を備える。更に、図示を省略するが、装置本体3は、プロジェクター1の動作を制御する制御装置、プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置、及び、発熱体を冷却する冷却装置を備える。これらのうち、制御装置は、例えば、外部から入力される画像情報に応じた画像信号を画像投射装置4に出力する他、上記複数のインジケーター234の点灯を制御する。
画像投射装置4は、上記制御装置から入力される画像信号に応じた画像を形成して、上記被投射面PS上に投射する。この画像投射装置4は、照明装置41、色分離装置42、平行化レンズ43、光変調装置44、色合成装置45及び投射光学装置46を備える。
これらのうち、照明装置41は、光変調装置44を均一に照明する照明光WLを出射する。この照明装置41の構成については、後に詳述する。
ダイクロイックミラー421は、上記照明光WLに含まれる青色光LBを透過させ、緑色光LG及び赤色光LRを反射させる。このダイクロイックミラー421を透過した青色光LBは、反射ミラー423にて反射され、平行化レンズ43(43B)に導かれる。
ダイクロイックミラー422は、上記ダイクロイックミラー421にて反射された緑色光LG及び赤色光LRのうち、緑色光LGを反射させて平行化レンズ43(43G)に導き、赤色光LRを透過させる。この赤色光LRは、リレーレンズ426、反射ミラー424、リレーレンズ427及び反射ミラー425を介して、平行化レンズ43(43R)に導かれる。
平行化レンズ43(赤、緑及び青の各色光用の平行化レンズを、それぞれ43R,43G,43Bとする)は、入射される光を平行化する。
色合成装置45は、各光変調装置44R,44G,44Bから入射される色光LR,LG,LB毎の画像を合成する。この色合成装置45は、本実施形態では、クロスダイクロイックプリズムにより構成されているが、複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
投射光学装置46は、色合成装置45にて合成された画像を上記被投射面PSに拡大投射する。このような投射光学装置46として、例えば、鏡筒と、当該鏡筒内に配置される複数のレンズとにより構成される組レンズを採用できる。
図3は、照明装置41の構成を示す模式図である。
照明装置41は、上記のように、照明光WLを色分離装置42に向けて出射する。この照明装置41は、図3に示すように、光源装置5及び均一化装置9を有する。
光源装置5は、均一化装置9に光束を出射する。この光源装置5は、光源部51、アフォーカル光学素子52、第1位相差素子53、ホモジナイザー光学装置54、光合成装置55、第1ピックアップ光学装置56、波長変換装置6、第2位相差素子57、第2ピックアップ光学装置58及び拡散反射装置7を備える他、後述する光源装置用筐体8(図4参照)を備える。
これらのうち、光源部51、アフォーカル光学素子52、第1位相差素子53、ホモジナイザー光学装置54、光合成装置55、第2位相差素子57、第2ピックアップ光学装置58及び拡散反射装置7は、光源装置用筐体8に設定された第1照明光軸Ax1上に配置されている。一方、第1ピックアップ光学装置56及び波長変換装置6は、同じく光源装置用筐体8に設定され、かつ、第1照明光軸Ax1に直交する第2照明光軸Ax2上に配置される。そして、光合成装置55は、第1照明光軸Ax1と第2照明光軸Ax2との交差部分に配置され、第2位相差素子57、第2ピックアップ光学装置58及び拡散反射装置7は、光源部51、アフォーカル光学素子52、第1位相差素子53、ホモジナイザー光学装置54と、光合成装置55を挟んで反対側に位置する。
光源部51は、アフォーカル光学素子52に向けて青色光である励起光を出射する。この光源部51は、第1光源部511、第2光源部512及び光合成部材513を有する。
第1光源部511は、LD(Laser Diode)である固体光源SSがマトリクス状に複数配列された固体光源アレイ5111と、各固体光源SSに応じた複数の平行化レンズ(図示省略)と、を有する。また、第2光源部512も同様に、固体光源SSがマトリクス状に複数配列された固体光源アレイ5121と、各固体光源SSに応じた複数の平行化レンズ(図示省略)と、を有する。これら固体光源SSは、例えばピーク波長が440nmの励起光を射出するが、ピーク波長が446nmの励起光を出射してもよい。また、ピーク波長が440nm及び446nmの励起光をそれぞれ出射する固体光源を、各光源部511,512に混在させてもよい。これら固体光源SSから出射された励起光は、平行化レンズにより平行化されて光合成部材513に入射される。なお、本実施形態では、各固体光源SSから出射される励起光は、S偏光である。
なお、図3では、光合成部材513の機能を説明するために、第2光源部512を、光合成部材513に対して+X方向側に配置しているが、本実施形態においては、第2光源部512は、光合成部材513に対して+Y方向側に位置している。しかしながら、第2光源部512は、図3に示したように+X方向側に位置していてもよく、−Y方向側又は−X方向側に位置していてもよい。
アフォーカル光学素子52は、光源部51から入射される励起光の光束径を調整する。具体的に、アフォーカル光学素子52は、光源部51から平行光として入射される励起光を集光して光束径を縮小させるレンズ521と、当該レンズ521から入射される励起光を平行化して出射するレンズ522と、を有する。このアフォーカル光学素子52により、光源部51から出射された励起光は、集光されて第1位相差素子53に入射される。
第1位相差素子53は、1/2波長板である。この第1位相差素子53を透過することにより、アフォーカル光学素子52から入射されるS偏光の励起光は、一部がP偏光の励起光に変換され、S偏光とP偏光とが混在した励起光となる。このような第1位相差素子53を透過した励起光は、ホモジナイザー光学装置54に入射される。
なお、本実施形態では、第1位相差素子53は、当該第1位相差素子53の光軸(第1照明光軸Ax1と一致)を中心として回動可能に構成されている。この第1位相差素子53が回転されることにより、第1位相差素子53を透過した励起光のS偏光光とP偏光光との割合を調整でき、ひいては、光源装置5から出射される照明光のホワイトバランスを調整できる。
ホモジナイザー光学装置54は、後述する第1ピックアップ光学装置56とともに、後述する波長変換装置6における被照明領域である蛍光体層612に入射される励起光の照度分布を均一化する均一化装置であり、当該ホモジナイザー光学装置54を透過した励起光は、光合成装置55に入射される。このようなホモジナイザー光学装置54は、第1マルチレンズ541及び第2マルチレンズ542を備える。
第2マルチレンズ542は、第1照明光軸Ax1に対する直交面内に、上記複数の第1レンズ5411に応じた複数の第2レンズ5421がマトリクス状に配列された構成を有する。そして、第2マルチレンズ542は、各第1レンズ5411により分割された複数の部分光束を、各第2レンズ5421及び第1ピックアップ光学装置56と協同して、上記被照明領域である蛍光体層612に重畳させる。これにより、当該蛍光体層612に入射される励起光の中心軸に直交する面内(第2照明光軸Ax2に対する直交面内)の照度が均一化される。
なお、上記マルチレンズ541,542のうち、第2マルチレンズ542は、光源装置5の製造(組立)の際に、第1マルチレンズ541に対して第1照明光軸Ax1に対する直交面(+Z方向に対する直交面)に沿って移動可能に構成されている。
光合成装置55は、略直角二等辺三角柱状に形成されたプリズム551を有するPBS(Polarizing Beam Splitter)であり、斜辺に応じた面552が、第1照明光軸Ax1及び第2照明光軸Ax2のそれぞれに対して略45°傾斜し、各隣辺に応じた面553,554のうち、面553が、第2照明光軸Ax2に略直交し、面554が第1照明光軸Ax1に略直交する。そして、面552には、波長選択性を有する偏光分離層が形成されている。
このような光合成装置55により、ホモジナイザー光学装置54から入射された励起光のうち、P偏光は、第1照明光軸Ax1に沿って第2位相差素子57側に透過され、S偏光は、第2照明光軸Ax2に沿って第1ピックアップ光学装置56側に反射される。すなわち、光合成装置55は、ホモジナイザー光学装置54から入射される励起光のうち、P偏光の励起光を第2位相差素子57に向けて出射し、S偏光の励起光を第1ピックアップ光学装置56に向けて出射する。
また、詳しくは後述するが、光合成装置55は、第1ピックアップ光学装置56を介して入射される蛍光と、第2位相差素子57を介して入射される励起光(青色光)とを合成する。
第1ピックアップ光学装置56には、ホモジナイザー光学装置54を通過して上記偏光分離層にて反射されたS偏光の励起光が入射される。この第1ピックアップ光学装置56は、当該励起光を波長変換装置6の波長変換素子61(波長変換層)に集光(集束)させる他、当該波長変換素子61から出射された蛍光を平行化して、偏光分離層に向けて出射する。この第1ピックアップ光学装置56は、3つのピックアップレンズ561〜563により構成されているが、当該第1ピックアップ光学装置56が有するレンズは、3つに限らない。
波長変換装置6は、入射された励起光を蛍光に波長変換する。この波長変換装置6は、波長変換素子61、回転装置62及びこれら波長変換素子61及び回転装置62を第2照明光軸Ax2に沿って移動させる位置調整装置63を備える。
これらのうち、回転装置62は、本発明の駆動装置に相当し、平板状に形成された波長変換素子61を回転させるモーター等により構成されている。
基板611は、本発明の回転ホイールに相当し、励起光の入射側から見て略円形状に形成されている。この基板611は、金属やセラミックス等により構成できる。なお、基板611は、本発明の回転ホイールに相当する。
蛍光体層612は、入射された励起光により励起されて非偏光光である蛍光(例えば500〜700nmの波長域にピーク波長を有する蛍光)を出射する蛍光体を含む。この蛍光体層612にて生じる蛍光の一部は、第1ピックアップ光学装置56側に出射され、他の一部は、反射層613側に出射される。
なお、蛍光体層612は、本発明の波長変換層に相当する。
反射層613は、蛍光体層612と基板611との間に配置され、当該蛍光体層612から入射される蛍光を第1ピックアップ光学装置56側に反射させる。
このような波長変換素子61に励起光が照射されると、蛍光体層612及び反射層613によって、上記蛍光が第1ピックアップ光学装置56側に拡散出射される。そして、当該蛍光は、第1ピックアップ光学装置56を介して光合成装置55の偏光分離層に入射され、第2照明光軸Ax2に沿って当該偏光分離層を透過して、均一化装置9に入射される。すなわち、波長変換素子61にて生じた蛍光は、光合成装置55により、第2照明光軸Ax2方向(+X方向)に出射される。
なお、位置調整装置63の詳しい構成については、後述する。
第2位相差素子57は、1/4波長板であり、光合成装置55を透過して入射されるP偏光の励起光(直線偏光)の偏光状態を円偏光に変換する。
第2ピックアップ光学装置58は、第2位相差素子57を透過した励起光を拡散反射装置7に集光(集束)させる光学装置であり、本実施形態では、3つのピックアップレンズ581〜583を有する。しかしながら、第2ピックアップ光学装置58を構成するレンズの数は、上記第1ピックアップ光学装置56と同様に3つに限らない。
拡散反射装置7は、波長変換装置6から拡散して出射される蛍光と同様の拡散角で、入射される励起光(青色光)を拡散反射させる。この拡散反射装置7としては、入射光をランバート反射させる反射板71と、当該反射板71を回転させて冷却する回転装置72と、当該反射板71及び回転装置72を移動させる位置調整装置73を有する。
これらのうち位置調整装置73は、上記反射板71及び回転装置72を第1照明光軸Ax1に沿って移動可能に支持する。このように反射板71が移動されることにより、当該反射板71に入射される励起光の光束径を調整できるので、当該拡散反射装置7によって拡散される励起光の光束径、ひいては、上記偏光分離層にて反射されて均一化装置9に向かって進行する当該励起光の光束径を調整できる。すなわち、反射板71は、本発明の拡散反射層及び回転ホイールを構成する。
なお、位置調整装置73の詳しい構成については、後述する。
均一化装置9は、光源装置5から入射される照明光の中心軸に対する直交面(光軸直交面)における照度を均一化し、ひいては、上記光変調装置44(44R,44G,44B)における被照明領域である画像形成領域(変調領域)の照度分布を均一化する。この均一化装置9は、第1レンズアレイ91、第2レンズアレイ92、偏光変換素子93及び重畳レンズ94を備える。これら構成91〜94は、それぞれの光軸が第2照明光軸Ax2と一致するように配置される。
第2レンズアレイ92は、第1レンズアレイ91と同様に、複数の小レンズ921が光軸直交面にてマトリクス状に配列された構成を有し、各小レンズ921は、対応する小レンズ911と1対1の関係にある。すなわち、或る小レンズ921には、対応する小レンズ911から出射された部分光束が入射される。これら小レンズ921は、各小レンズ911により分割された複数の部分光束を、重畳レンズ94とともに各光変調装置44の上記画像形成領域に重畳させる。
偏光変換素子93は、第2レンズアレイ92と重畳レンズ94との間に配置され、入射される複数の部分光束の偏光方向を揃える機能を有する。
上記光源装置5においては、光学部品の位置ずれや公差等により、当該光源装置5から出射される蛍光の光路及び青色光の光路が、均一化装置9の光軸である第2照明光軸Ax2に対してずれる場合がある。これら蛍光及び青色光の光路にずれが生じると、対応する色光によって照明される光変調装置44にて照度むらが生じ、これにより、投射画像に色むらが発生する。このため、上記光源装置5においては、当該光源装置5から出射される蛍光光及び青色光の光路を調整する必要がある。
また、光源装置5から出射される蛍光及び青色光のそれぞれの光束径が異なる場合も、上記照度むらが生じ、ひいては、投射画像に色むらが発生する。
従って、以下のように、蛍光及び青色光の光路調整(光軸調整)を実施する必要がある他、それぞれの光束径調整を実施する必要がある。
まず、ホモジナイザー光学装置54の第2マルチレンズ542を第1照明光軸Ax1に対する直交面に沿って移動させて、当該波長変換装置6(蛍光体層612)に対する励起光の入射角を調整する。これにより、波長変換装置6から出射される蛍光の中心軸と第2照明光軸Ax2とが一致するように調整される。
そして、波長変換装置6を第2照明光軸Ax2に沿って移動させて、光源装置5から均一化装置9に出射される蛍光が、上記第1レンズアレイ91における小レンズ911の配置領域内に入射されるように、蛍光体層612の第2照明光軸Ax2上の位置を調整する。これにより、蛍光の光束径が調整される。
まず、第2ピックアップ光学装置58のピックアップレンズ581〜583を第1照明光軸Ax1に対する直交面に沿って移動させて、拡散反射装置7に入射される青色光の入射位置、ひいては、光合成装置55に入射される青色光の入射位置を調整する。これにより、光合成装置55から第1レンズアレイ91に向けて出射される青色光の光路が、当該第1レンズアレイ91に向かって進行する蛍光の光路と一致するように調整される。
そして、拡散反射装置7を第1照明光軸Ax1に沿って移動させて、上記青色光が上記第1レンズアレイ91における小レンズ911の配置領域内に入射され、かつ、蛍光の照射範囲と青色光の照射範囲とが一致するように、当該拡散反射装置7の位置を調整する。これにより、青色光の光束径が、蛍光の光束径と一致するように調整される。
なお、上記のように、第1位相差素子53は、第1照明光軸Ax1を中心として回転可能に構成されており、これにより、当該第1位相差素子53を通過する励起光にそれぞれ含まれるP偏光とS偏光との比率を調整できる。このため、光合成装置55から拡散反射装置7に向かう励起光の光量と、波長変換装置6に向かう励起光の光量との比率、換言すると、青色光と蛍光との比率を調整できる。従って、光源装置5から出射される照明光WLのホワイトバランスを調整できる。
図4は、光源装置用筐体8を+Z方向側から見た斜視図である。
光源装置用筐体8は、上記のように、内部に設定された第1照明光軸Ax1及び第2照明光軸Ax2における所定位置にて上記構成52〜58,6,7を収容する筐体であり、上記光源部51と接続される。この光源装置用筐体8は、図4に示すように、−Y方向側に位置し、各構成52〜58,6,7が固定される第1筐体8Aと、+Y方向側に位置し、当該第1筐体8Aを閉塞する第2筐体8Bとが組み合わされた構成を有する。
なお、光源装置用筐体8は、本発明の筐体に相当する。
第1筐体8Aは、図5に示すように、波長変換装置6が固定される第1切欠8A1と、拡散反射装置7が固定される第2切欠8A2と、を備える。これらのうち、第1切欠8A1は、第5面部85に形成された略半円形状の切欠である。この第1切欠8A1には、波長変換装置6の位置調整装置63が嵌め込まれ、上記第2筐体8Bが取り付けられることで、当該位置調整装置63、ひいては、波長変換装置6を固定する。
また、第2切欠8A2は、第2面部82に形成された略半円形状の切欠である。この第2切欠8A2には、拡散反射装置7の位置調整装置73が嵌め込まれ、上記第2筐体8Bが取り付けられることで、当該位置調整装置73、ひいては、拡散反射装置7を固定する。
なお、本実施形態では、図示を省略するが、波長変換装置6を冷却する冷却装置及び当該冷却装置からの冷却気体が循環するカバーが上記波長変換装置6の一部を覆うように設けられており、波長変換装置6がカバーにより覆われることにより、当該波長変換装置6が循環冷却される。
図6は、波長変換装置6を+X方向側から見た斜視図であり、図7は、波長変換装置6を−X方向側から見た斜視図であり、図8は、波長変換装置6の分解斜視図である。
波長変換素子61は、図8に示すように、上記構成の他、基板611の−X方向側の面に固定される流線形状のフィン614を備える。このフィン614を設けることにより、基板611に冷却気体が循環し、当該基板611、ひいては、蛍光体層612を冷却する。
回転装置62の−X方向側の面には、固定板621が設けられている。この固定板621は、後述する位置調整装置63(連結部材631)が固定される部位であり、当該固定板621の略中央には、開口部6211が形成されている。この開口部6211には、回転装置62が嵌め込まれている。
また、固定板621の開口部6211を挟んだ両端には、ねじ孔6212が形成されている。このねじ孔6212には、後述する連結部材631を介してねじS1が挿通され、当該固定板621に固定される。
位置調整装置63は、本発明の回転ホイールに相当する波長変換素子61及び回転装置62をX方向に沿って移動させ、波長変換素子61に入射される光の光束径を調整する。この位置調整装置63は、図6〜図8に示すように、連結部材631、固定筒体632、回転筒体633、ピン634、把持部635、固定ねじ636、第1ねじ637、第2ねじ638及びねじS1を備える。
なお、固定筒体632、回転筒体633、ピン634、把持部635、固定ねじ636、第1ねじ637、第2ねじ638及びねじS1は、本発明の位置調整部として機能する。
これらのうち、連結部材631は、波長変換素子61を回転駆動させる回転装置62の固定板621と連結される部材である。この連結部材631は、板状部6311、延出部6312及び突出部6313と、を備える。
板状部6311は、略円形状に形成され、上記固定板621に対向して配置される。この板状部6311の−X方向側の面の略中央部分には、−X方向に延出する延出部6312が接続される。また、板状部6311の+Z方向側及び−Z方向側のそれぞれには、貫通孔63111が形成されている。この貫通孔63111のそれぞれには、ねじS1が挿通され、連結部材631が固定板621に固定される。
突出部6313は、延出部6312の−X方向側の面63122(端部)から当該方向に突出する部位である。この突出部6313の略中央部分には、当該突出部6313を+X方向に貫通し、後述する第2ねじ638が螺合する螺合部63131が形成されている。
固定筒体632は、連結部材631の少なくとも一部である延出部6312をスライド可能に収容する部材である。この固定筒体632は、図6〜図8に示すように、筒状部6321、拡径部6322及び螺合部6323を備える。筒状部6321には、当該筒状部6321をX方向に沿う方向に貫通する貫通孔63211が形成されている。この貫通孔63211には、上記延出部6312が挿通される。
また、固定筒体632(筒状部6321)の側面には、3つの第1ガイド孔63212が形成されている。これら3つの第1ガイド孔63212は上記ピン634の移動をガイドする。これら第1ガイド孔63212は、波長変換素子61に入射される光の入射方向(−X方向に沿う方向)に延びる形状であり、当該第1ガイド孔63212には、上記ピン634が挿通される。なお、これら第1ガイド孔63212は、上記延出部6312の取付部63121に対応する位置に形成されている。
螺合部6323は、貫通孔63211の−X方向側の位置に形成される略ドーナツ状の部材である。この螺合部6323は、後述する第1ねじ637に螺合する。
また、第2開口部63222は、第1開口部63221の−Y方向に位置し、当該第1開口部63221と略同形状に形成された開口部である。この第2開口部63222には、固定ねじ636が挿通される。
更に、第3開口部63223は、第2開口部63222の−Y方向側に位置する開口部である。この第3開口部63223は、筒状部6321の貫通孔63211に対向する位置に形成され、当該貫通孔63211よりも大きい直径の円形状の開口部である。なお、後述する第1ねじ637は、第3開口部63223を介して上記貫通孔63211内に設けられた螺合部6323に螺合する。
回転筒体633は、固定筒体632の周囲に設けられ、当該固定筒体632の筒状部6321の側面に沿って回転する筒体である。この回転筒体633は、図6〜図8に示すように、筒状の本体部6331と、当該本体部6331から延出する延出部6332と、を備える。これらのうち、本体部6331は、X方向に沿って延びる筒状体であり、3つの第2ガイド孔63311を備える。
これら3つの第2ガイド孔63311は、上記ピン634の移動をガイドする。これら第2ガイド孔63311は、波長変換素子61に入射される光の入射方向(−X方向に沿う方向)に対して傾斜して延びる形状である。より具体的には、第2ガイド孔63311の−Z方向側の端部が当該第2ガイド孔63311の+Z方向側の端部よりも+X方向側に位置するように傾斜している。この第2ガイド孔63311には、上記ピン634が挿通される。なお、これら第2ガイド孔63311は、上記延出部6312の取付部63121に対応する位置に形成されている。
貫通孔63321は、拡径部6322の第1開口部63221に対応する位置に設けられた貫通孔である。この貫通孔63321には、第1開口部63221を介して把持部635が嵌合される。これにより、ユーザーが把持部635を把持し、当該把持部635を第1開口部63221に沿って移動させることで、回転筒体633が回転する。すなわち、把持部635及び延出部6332は、本発明のレバーを構成する。
螺合孔63322は、拡径部6322の第2開口部63222に対応する位置に設けられた螺合孔である。この螺合孔63322には、第2開口部63222を介して固定ねじ636が挿通され、当該固定ねじ636が螺合される。この固定ねじ636の頭部6361は、当該固定ねじ636を締め付ける方向に回動させることで、第2開口部63222の−X方向側の面と当接し、当該面を押圧する。これにより、上記把持部635の操作により移動された位置にて、回転筒体633が固定される。すなわち、固定ねじ636及び拡径部6322は、本発明のレバーとして機能する把持部635及び延出部6332の移動を規制する本発明の規制部として機能する。
図9は、波長変換装置6を+Y方向側から見た平面図である。
ピン634は、図6〜図9に示すように、上記延出部6312に突設され、上記第1ガイド孔63212及び第2ガイド孔63311にガイドされ、X方向に沿う方向に移動する部材である。すなわち、ピン634が延出部6312に突設されているので、延出部6312(連結部材631)が当該ピンの移動方向と同方向に移動する。
このようなピン634は、軸受部6341、当接部6342及びねじ6343を有する。この軸受部6341は、上記延出部6312の取付部63121に固定される部位である。この軸受部6341は、上記ねじ6343が螺合する螺合部が形成されている。
当接部6342は、軸受部6341とねじ6343との間に配設され、上記第1ガイド孔63212及び第2ガイド孔63311の縁部に当接する部位である。この当接部6342は、上記軸受部6341の螺合部の周囲を囲む筒状に形成される。
ねじ6343は、当接部6342を介して軸受部6341及び取付部63121に形成された螺合部に螺合する。これにより、ピン634が形成され、当該ピン634が第1ガイド孔63212及び第2ガイド孔63311にガイドされることにより、連結部材631、ひいては、波長変換素子61がX方向に沿って移動する。
図10は、波長変換装置6を図9のA1−A1線にて切断した断面を−Z方向から見た断面図である。
第1ねじ637は、後述する第2ねじ638と同軸(X軸)上に設けられるねじであり、連結部材631及び固定筒体632のがたつきを抑制する機能を有する。この第1ねじ637は、連結部材631の突出部6313を囲み、固定筒体632に螺合する。
このような第1ねじ637は、図8及び図10に示すように、本体部6371、螺合部6372、当接部6373及び切欠6374を備える。これらのうち、本体部6371は、筒状に形成されている。また、螺合部6372は、本体部6371の外周縁に形成されている。この螺合部6372は、固定筒体632の螺合部6323に螺合する部位である。
当接部6373は、本体部6371の+X方向側の面であり、延出部6312の−X方向側の面63122に当接する。また、切欠6374は、本体部6371の−X方向側の端部に形成され、当該切欠6374に所定の治具が装着される部位である。このような構成により、上記所定の治具が切欠6374に装着され、回動されると、第1ねじ637は、+X方向側に移動し、固定筒体632の螺合部6323に螺合し、当該第1ねじ637の当接部6373が上記面63122に当接する。これにより、第1ねじ637は、連結部材631を+X方向側に付勢しつつ、連結部材631及び固定筒体632を強固に固定できる。
第2ねじ638は、上記第1ねじ637と同軸上に設けられるねじであり、連結部材631及び固定筒体632のがたつきを抑制する機能を有する。この第2ねじ638は、固定筒体632(拡径部6322)を貫通して突出部6313の螺合部63131に螺合する。
このような第2ねじ638は、軸部6381及び頭部6382を備える。これらのうち、軸部6381は、+X方向に延びる螺合部であり、当該軸部6381は、突出部6313の螺合部63131に螺合する。また、頭部6382は、−X方向側から見て第1ねじ637を覆う形状である。具体的に、頭部6382は、径方向外側に延出し、+X方向側に延びる形状である。この頭部6382の縁部6383は、固定筒体632の筒状部6321の−X方向側の端部に当接する。
このような構成により、第2ねじ638は、連結部材631を−X方向に向けて付勢する。また、上述したように、第1ねじ637は、連結部材631を+X方向に向けて付勢していることから、第1ねじ637及び第2ねじ638が相互に作用し、連結部材631及び固定筒体632が強固に固定される。
図11は、波長変換装置6を−X方向側から見た平面図であり、図12は、波長変換装置6を−Z方向側から見た側面図である。
波長変換装置6の波長変換素子61に入射される光の光束径は、位置調整装置63の操作により調整される。まず、ユーザーは、位置調整装置63のレバーを構成する把持部635を+K1方向に移動させる。このように、把持部635が+K1方向に移動されると、回転筒体633が+K1方向に回動する。
ここで、回転筒体633が+K1方向に回動した場合であっても、ピン634は、固定筒体632の第1ガイド孔63212により、当該+K1方向への移動が規制されているので、ピン634は、+K1方向には移動しない。このため、ピン634は、第2ガイド孔63311により+X方向側に押圧され、図12に示すように、X方向に沿って延びる第1ガイド孔63212に沿って、+T1方向、すなわち、+X方向に移動する。
これにより、ピン634が突設された連結部材631が+X方向に移動するので、当該連結部材631が固定された固定板621、ひいては、波長変換素子61が+X方向に移動する。従って、把持部635を+K1方向に移動させることにより、波長変換素子61が第1ピックアップ光学装置56に近接し、当該波長変換素子61に入射される光の光束径が大きくなる。
ここで、回転筒体633が−K1方向に回動した場合であっても、上述したように、ピン634は、固定筒体632の第1ガイド孔63212により、当該−K1方向への移動が規制されているので、当該ピン634は、−K1方向には移動しない。このため、ピン634は、第2ガイド孔63311により−X方向側に押圧され、図12に示すように、X方向に沿って延びる第1ガイド孔63212に沿って、−T1方向、すなわち、−X方向に移動する。
これにより、ピン634が突設された連結部材631が−X方向に移動するので、当該連結部材631が固定された固定板621、ひいては、波長変換素子61が−X方向に移動する。従って、把持部635を−K1方向に移動させることにより、波長変換素子61が第1ピックアップ光学装置56から離間し、当該波長変換素子61に入射される光の光束径が小さくなる。
以上のように、ユーザーが把持部635を+K1方向若しくは−K1方向に移動させることにより、波長変換素子61に入射される光の光束径が調整される。そして、当該調整が実行された後、固定ねじ636を締結して上記光束径の調整を終了させる。
図13は、光源装置用筐体8に固定された拡散反射装置7を−Z方向側から見た斜視図であり、図14は、拡散反射装置7を+Z方向側から見た斜視図であり、図15は、拡散反射装置7の分解斜視図である。
反射板71は、拡散反射層が光入射側に設けられた基板により構成され、図13〜図15に示すように、上記構成の他、反射板71の+Z方向側の面に固定されるプロペラ状のフィン711を備える。このフィン711を設けることにより、反射板71に冷却気体が循環し、反射板71、ひいては、拡散反射層を冷却する。
回転装置72の+Z方向側の面には、固定板721が設けられている。この固定板721は、後述する位置調整装置73(連結部材731)が固定される部位であり、当該固定板721の略中央には、開口部7211が形成されている。この開口部7211には、回転装置72が嵌め込まれている。
また、固定板721の開口部7211の外縁近傍には、3つのねじ孔7212が形成されている。このねじ孔7212には、後述する連結部材731を介してねじS2が挿通され、当該固定板721に固定される。
位置調整装置73は、本発明の回転ホイールに相当する反射板71及び回転装置72をZ方向に沿って移動させ、反射板71に入射される光の光束径を調整する。この位置調整装置73は、図13〜図15に示すように、連結部材731、固定筒体732、ピン733、側面部734、調整ねじ735、付勢部材SP、枠体736、固定ねじ737及び規制ねじ738を備える。
なお、固定筒体732、ピン733、側面部734、調整ねじ735、付勢部材SP、枠体736、固定ねじ737及び規制ねじ738は、本発明の位置調整部として機能する。
これらのうち、連結部材731は、反射板71を回転駆動させる回転装置72の固定板721と連結される部材である。この連結部材731は、本体部7311、中央板部7312、突出部7313、複数の貫通孔7314及び取付部7315と、を備える。
本体部7311は、略筒状に形成され、上記固定板721に対向して配置される。この筒状の本体部7311内部には、当該筒状の本体部7311を閉塞する中央板部7312が設けられている。この中央板部7312の略中央には、+Z方向に突出する突出部7313が形成されている。
突出部7313の略中央には、後述する調整ねじ735が螺合する螺合部73131が形成されている。また、突出部7313の周囲には、3つの貫通孔7314が形成されている。この3つの貫通孔7314は、上記固定板721の3つのねじ孔7212に対応する位置に設けられ、当該3つの貫通孔7314をねじS2が挿通し、上記ねじ孔7212に螺合する。これにより、連結部材731が固定板721に固定される。
固定筒体732は、連結部材731をスライド可能に収容する部材である。この固定筒体732は、図13〜図15に示すように、筒状部7321及び枠部7322を備える。筒状部7321内には、上記連結部材731が挿通される。
また、固定筒体732(筒状部7321)の側面には、3つの第3ガイド孔73211が形成されている。これら3つの第3ガイド孔73211は、上記ピン733の移動をガイドする。これら第3ガイド孔73211は、反射板71に入射される光の入射方向(+Z方向に沿う方向)に延びる形状であり、当該第3ガイド孔73211には、上記ピン733が挿通される。なお、これら第3ガイド孔73211は、上記連結部材731の取付部7315に対応する位置に形成されている。
また、2つのねじ孔73222は、枠部7322を+Z方向側から見た場合に、3時及び9時の位置に設けられ、当該2つのねじ孔73222には、規制ねじ738が螺合される。
図16は、拡散反射装置7を+Y方向側から見た平面図である。
ピン733は、図13〜図16に示すように、上記連結部材731に突設され、上記第3ガイド孔73211にガイドされ、Z方向に沿う方向に移動する部材である。すなわち、ピン733の移動に合わせて連結部材731が、当該ピン733の移動方向と同方向に移動する。
このようなピン733は、軸受部7331、当接部7332及びねじ7333を有する。なお、これら軸受部7331、当接部7332及びねじ7333は、上記軸受部6341、当接部6342及びねじ6343と同形状であるため説明を省略する。このような構成によりピン733が第3ガイド孔73211にガイドされることにより、連結部材731、ひいては、反射板71がZ方向に沿って移動する。
図17は、拡散反射装置7を図16のB1−B1線にて切断した断面を−X方向から見た断面図である。
側面部734は、図13〜15及び図17に示すように、円形状に形成された板状部材であり、固定筒体732の+Z方向側に位置する部位である。具体的に、側面部734は、固定筒体732の枠部7322の+Z方向側の面に支持される。
この側面部734は、略中央部分に貫通孔7341を備える。この貫通孔7341には、後述する調整ねじ735が挿通され、上記連結部材731の突出部7313の螺合部73131に螺合する。
なお、側面部734の−Z方向側の面7342には、後述する調整ねじ735の軸部7352に取り付けられるナット735A及び付勢部材SPが当接する。
調整ねじ735は、上記側面部734の貫通孔7341を挿通し、連結部材731の突出部7313における螺合部73131に螺合する。すなわち、調整ねじ735は、当該調整ねじ735の回動により連結部材731をZ方向に沿って移動させる機能を有する。この調整ねじ735は、図13〜図17に示すように、頭部7351、軸部7352及びナット735Aを備える。
これらのうち、頭部7351は、側面部734の+Z方向側の面に当接する部位である。この頭部7351には、図15に示すように、切欠73511が形成され、当該切欠73511に所定の治具を装着し回動させると、調整ねじ735が回動する。
軸部7352は、頭部7351から−Z方向に延出し、かつ、ねじ溝が形成された部位であり、連結部材731の突出部7313の螺合部73131に螺合する。この軸部7352には、ナット735Aが嵌め込まれる。すなわち、図17に示すように、側面部734の+Z方向側に頭部7351が位置し、当該側面部734の−Z方向側にナット735Aが位置し、それぞれ側面部734の上記面に当接している。このような構成により、調整ねじ735のがたつきを抑制している。
付勢部材SPは、連結部材731と側面部734との間に配置され、連結部材731を調整ねじ735の挿入方向(−Z方向)に付勢する部材である。この付勢部材SPは、例えば、コイルばね等により構成され、図17に示すように、中央板部7312の+Z方向側の面と、側面部734の−Z方向側の面7342に当接し、側面部734を−Z方向に付勢する。
このような付勢部材SPは、突出部7313の周囲を囲むように上記中央板部7312に配置され、当該付勢部材SPの中央に調整ねじ735の軸部7352が挿通する。換言すると、付勢部材SPは、調整ねじ735の軸部7352を囲むように配置されている。これによれば、調整ねじ735の軸部7352に形成されたねじ溝と、突出部7313の螺合部73131との間に生じるわずかな隙間から生じる調整ねじ735のがたつきを抑制する。
枠体736は、側面部734の+Z方向側に位置する部材である。この枠体736は、略円形状に形成された金属板である。このような枠体736は、図13〜図17に示すように、開口部7360、3つの貫通孔7361及び2つの凹部7362を有する。
開口部7360は、枠体736の略中央に設けられた開口部であり、当該開口部7360を介して調整ねじ735の調整が可能となっている。
また、枠体736の開口部7360より外側には、3つの貫通孔7361が形成されている。この貫通孔7361には、固定ねじ737が挿通され、側面部734を挟持するように固定筒体732の枠部7322に形成されたねじ孔73221に螺合する。これにより、枠体736が固定筒体732に固定される。
図18は、拡散反射装置7を+Z方向側から見た平面図である。
規制ねじ738は、側面部734を固定筒体732の枠部7322に対して押下し、当該側面部734の回動を規制する部材である。この規制ねじ738の軸部には、ワッシャー7381が挿通される。この規制ねじ738は、図18に示すように、枠部7322のねじ孔73222に螺合する。この際、規制ねじ738に挿通されたワッシャー7381は、側面部734の縁部近傍に当接する。すなわち、側面部734の+X方向側の縁部及び−X方向側の縁部がワッシャー7381により枠部7322に対して押圧され、回動が規制される。これにより、調整ねじ735が+K2方向及び当該+K2方向とは反対方向(以下、−K2方向という。)に回動された場合であっても、当該調整ねじ735の回動に合わせて回動しない。
図19は、拡散反射装置7を−X方向側から見た側面図である。
拡散反射装置7の反射板71に入射される光の光束径は、位置調整装置73の操作により調整される。まず、ユーザーは、位置調整装置73の調整ねじ735を所定の治具を用いて、+K2方向に移動させる。このように、調整ねじ735が+K2方向に回動されると、調整ねじ735の軸部7352が+K2方向に回動する。
ここで、軸部7352が+K2方向に回動した場合であっても、ピン733は、固定筒体732の第3ガイド孔73211により、当該+K2方向への移動が規制されているので、ピン733は、+K2方向には移動しない。このため、ピン733が突設された連結部材731も+K2方向には移動しないので、上記調整ねじ735の軸部7352の回動により、突出部7313の螺合部73131への螺合量が増加する。
これにより、ピン733が突設された連結部材731が第3ガイド孔73211に沿って、図19に示す+T2方向、すなわち、+Z方向に移動するので、当該連結部材731が固定された固定板721、ひいては、反射板71が+Z方向に移動する。従って、調整ねじ735を+K2方向に回動させることにより、反射板71が第2ピックアップ光学装置58から離間し、当該反射板71に入射される光の光束径が小さくなる。
ここで、軸部7352が−K2方向に回動した場合であっても、ピン733は、固定筒体732の第3ガイド孔73211により、当該−K1方向への移動が規制されているので、ピン733は、−K2方向には移動しない。このため、ピン733が突設された連結部材731も−K2方向には移動しないので、上記調整ねじ735の軸部7352の回動により、突出部7313の螺合部73131への螺合量が減少する。
これにより、ピン733が突設された連結部材731が第3ガイド孔73211に沿って、図19に示す+T2方向とは反対方向(以下、−T2方向という。)、すなわち、−Z方向に移動するので、当該連結部材731が固定された固定板721、ひいては、反射板71が−Z方向に移動する。従って、調整ねじ735を−K2方向に回動させることにより、反射板71が第2ピックアップ光学装置58に近接し、当該反射板71に入射される光の光束径が大きくなる。そして、上記光束径の調整を終了させる。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を奏する。
波長変換素子61及び反射板71を有する回転装置62,72に連結される連結部材631,731の位置調整を行う位置調整装置63,73が、当該連結部材631,731の位置を再調整可能に構成されているので、例えば、上記位置調整装置により連結部材631,731の位置が調整された後に、接着剤等により固定される場合に比べて、リユース性及びリワーク性を向上できる。
これによれば、第1ねじ637が連結部材631を波長変換素子61側に付勢し、第2ねじ638が連結部材631を固定筒体632側に付勢するので、連結部材631及び固定筒体632を強固に固定できる。従って、固定筒体632及び連結部材631間にて発生するがたつきを抑制できる。また、これら第1ねじ637及び第2ねじ638により固定筒体632及び連結部材631が固定されるので、位置調整装置63により連結部材631の位置が調整された後に、当該連結部材631及び固定筒体632が接着剤等により固定される場合に比べて、リユース性及びリワーク性をより向上できる。
また、第2ねじ638が第1ねじ637を覆う形状であることから、第1ねじ637が誤って回動させられる可能性を低減できる。更に、第1ねじ637に塵埃が付着する可能性を低減できる。
このように、ピン733が突設された連結部材731が反射板71に入射される光の入射方向に延びる第3ガイド孔73211に沿って移動するので、当該連結部材731に連結された回転装置72及び反射板71を上記入射方向に沿って移動させることができる。これにより、反射板71に入射される光の光束径を調整できる。
更に、当該調整ねじ735により固定筒体732及び連結部材731が固定されるので、位置調整装置73により連結部材731の位置が調整された後に、当該連結部材731及び固定筒体732が接着剤等により固定される場合に比べて、リユース性及びリワーク性をより向上できる。
加えて、付勢部材SPがコイルばねにより構成され、当該付勢部材SPが上記調整ねじ735を囲むように配置されているので、当該調整ねじ735と上記螺合部73131との隙間により生じるがたつきを確実に当該付勢部材SPにより抑制できる。
また、反射板71の拡散反射層に入射され、拡散反射される光の光束径を調整できる。
また、光源装置5から光束径及びホワイトバランスの調整された光が出射されるので、プロジェクター1から出射される投射画像の輝度及び彩度を調整できる。従って、投射画像に色むらが発生することが抑制できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、回転筒体633は、レバーとして機能する延出部6332を備えることとした。しかしながら、これに限らず、例えば、回転筒体633は、延出部6332を備えなくてもよい。この場合、ユーザーは、回転筒体633を把持し、当該回転筒体633を回転させることで、連結部材631、ひいては、波長変換素子61の位置調整を実行できる。
また、第2ねじ638は、第1ねじ637を覆う形状であることとした。しかしながら、これに限らず、例えば、第2ねじ638は、第1ねじ637を覆う形状でなくてもよい。この場合であっても、第1ねじ637及び第2ねじ638が相互に作用するので、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
Claims (13)
- 光が入射される回転ホイールを有する駆動装置と連結される連結部材と、
前記連結部材の位置を前記光の入射方向に沿って調整する位置調整部と、を備え、
前記位置調整部は、
前記入射方向に延びる貫通孔を有し、当該貫通孔に前記連結部材の少なくとも一部を前記入射方向にスライド可能に収容する固定筒体と、
前記入射方向に沿う前記連結部材の移動を規制する固定部材と、を有し、
前記連結部材は、前記連結部材の移動に対する前記固定部材の規制が解除されることによって、前記入射方向における位置を再調整可能に構成されていることを特徴とする位置調整装置。 - 請求項1に記載の位置調整装置において、
前記位置調整部は、
前記固定筒体の周囲に設けられ、当該固定筒体の側面に沿って回転する回転筒体と、
前記連結部材の径方向外側に突設されたピンと、
前記固定筒体の側面に形成され、前記入射方向に沿う方向に延び、前記ピンが挿入され、当該ピンの移動をガイドする第1ガイド孔と、
前記回転筒体の側面に形成され、前記入射方向に対して傾斜する方向に延び、前記ピンが挿入され、当該ピンの移動をガイドする第2ガイド孔と、
前記連結部材の端部に設けられた突出部を囲み、前記固定筒体に螺合する第1ねじと、
前記固定筒体を貫通して前記突出部に螺合する第2ねじと、を備え、
前記第1ねじの先端は、前記連結部材に当接していることを特徴とする位置調整装置。 - 請求項2に記載の位置調整装置において、
前記回転筒体は、当該回転筒体を回転させるレバーを有することを特徴とする位置調整装置。 - 請求項3に記載の位置調整装置において、
前記固定筒体は、前記入射方向とは反対方向側に前記回転筒体の回転方向に沿う形状の第1開口部を有し、当該固定筒体の径方向外側に広がる拡径部を備え、
前記レバーの一部は、前記第1開口部に挿通することを特徴とする位置調整装置。 - 請求項4に記載の位置調整装置において、
前記レバーの移動を規制する規制部を有することを特徴とする位置調整装置。 - 請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の位置調整装置において、
前記第1ねじ及び前記第2ねじは、同軸上に設けられ、
前記第2ねじは、前記入射方向とは反対方向側から見て、前記第1ねじを覆う形状であることを特徴とする位置調整装置。 - 請求項1に記載の位置調整装置において、
前記位置調整部は、
前記連結部材の径方向外側に突設されたピンと、
前記固定筒体の側面に形成され、前記入射方向に沿う方向に延び、前記ピンが挿入され、当該ピンの移動をガイドするガイド孔と、
前記固定筒体の前記入射方向とは反対方向側に位置する側面部と、
前記側面部に当接する頭部及び前記連結部材の螺合部に螺合する軸部を有するねじと、
前記連結部材と前記側面部との間に配置され、前記連結部材を前記ねじの挿入方向に付勢する付勢部材と、を備えることを特徴とする位置調整装置。 - 請求項7に記載の位置調整装置において、
前記付勢部材は、コイルばねであり、
前記コイルばねは、前記ねじを囲むように配置されていることを特徴とする位置調整装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の位置調整装置と、
前記回転ホイールの光入射側に設けられ、入射された前記光の波長を変換する波長変換層と、を備えることを特徴とする波長変換装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の位置調整装置と、
前記回転ホイールの光入射側に設けられ、入射された前記光を拡散反射させる拡散反射層と、を備えることを特徴とする拡散反射装置。 - 光源と、
請求項9に記載の波長変換装置及び請求項10に記載の拡散反射装置の少なくとも一方と、を備えることを特徴とする光源装置。 - 光源と、
請求項9に記載の波長変換装置と、
請求項10に記載の拡散反射装置と、
前記波長変換装置及び前記拡散反射装置のそれぞれから出射された光を合成して出射させる光合成装置と、
前記光源、前記波長変換装置、前記拡散反射装置及び前記光合成装置を収容する筐体と、を備え、
前記波長変換装置及び前記拡散反射装置のそれぞれに設けられる前記位置調整装置の少なくとも一部は、前記筐体外に露出していることを特徴とする光源装置。 - 請求項11又は請求項12に記載の光源装置と、
前記光源装置から出射された光を変調させる光変調装置と、
前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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