JP6716687B2 - 二次イオン質量分析計及び二次イオン質量分析方法 - Google Patents

二次イオン質量分析計及び二次イオン質量分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、二次イオン質量分析計、及び、試料の二次イオン質量分析方法に関する。
多数の二次イオン質量分析計が先行技術において知られている。本発明は、前記二次イオン質量分析計の中でも、特に飛行時間型二次イオン質量分析計(ToF−SIMS)に関連している。
バリアント(構成例)A
ToF−SIMSの第1のバリアント(本文以下、バリアントA)は、試料に対して短い一次イオンパルスを使用して、二次イオンを発生させる。
ToF−SIMSのこのバリアントにおいて、試料は、ナノ秒範囲内の非常に短い一次イオンパルスにより衝撃され、発生された二次イオンは、keV(キロ電子ボルト)の範囲のエネルギーまで加速される。そして、二次イオンの飛行時間が、数10cm〜数mの距離にわたり測定される。二次イオンの質量が、飛行時間から決定され得る。使用される飛行時間分析計は、二次イオンを検出器に効率的に輸送する為のイオン光学素子と、飛行時間中にエネルギーを集束する為の任意選択的な要素とを含む。引出(抽出)電圧が高い為、放出された二次イオンの検出率も高い。伝送率は一般的に50%以上である。イオンミラー(リフレクトロン)又は静電セクター電界によるエネルギー集束により、飛行時間は、二次イオンの開始エネルギーにほとんど依存しない。その結果、数1000m/dm〜10,000m/dmの高い質量分解能が達成され得る。
典型的な総飛行距離(1mの範囲)においては、加速電圧が高い為、二次イオンの飛行時間は、質量に応じて1μs(マイクロ秒)〜数100μsとなる。これは、一次エネルギーのパルス周波数が数kHz〜数十kHzであることを可能にする。この周波数で、試料に一次イオンパルスを衝突させ、放出された二次イオンの移動時間を測定する。一般的に、質量スペクトルを数サイクルにわたり積分する。試料の化学組成を、異なる二次イオンの強度から決定できる。
小さい試料領域の空間分解分析の為には、一次イオンビームを小さいビーム径に集束できる。適切な偏向装置を用いて、一次イオンビームを試料上でラスタライズでき、質量スペクトルを、試料上のより多数の点(画素)に関して決定できる。こうして、試料組成の横方向分布を決定できる(ToF−SIMSマッピング)。これらの飛行時間型分析計の高いパルス周波数が、ラスタリングの高画素周波数を可能にする。典型的な画素数である128×128及び256×256画素では、分布画像を数秒で測定できる。
一次イオンビームを用いて試料を除去すれば、試料の組成を、深さzの関数として測定できる(深さプロファイリング)。ToF−SIMSマッピングと試料除去との組合せにより、試料領域の3次元組成が提示され得る(3DToF−SIMS)。数十〜百個の画像のz方向の画像スタックを用いた3D測定を、数分〜数十分で実行できる。これは、画素周波数が高く、且つ、画像記録時間が短いことによる。
エネルギー集束型ToF−SIMSの質量分解能は、約10,000〜16,000である。これらの装置内での飛行時間は試料の高さに依存する為、粗い試料に関しては、質量分解能がかなり低減される。
適切な質量較正方法を用いれば、質量測定の精度は5ppm〜50ppmである。しかし、極端なトポグラフィを有する試料では、精度が大幅に低減する場合がある。従って、ToF−SIMSスペクトルの解釈は、極端な表面トポグラフィを有する試料に関して、質量分解能及び質量精度の低下により、かなり困難になり得る。
バリアントB
第2のバリアント(本文以下、バリアントBと称する)においては、二次イオンを発生させる為に、DCイオンビームを使用する。
一次イオンビームをパルス化する代わりに、二次イオンビームをパルス化してもよい。静的二次イオンビームが、DC一次ビームを用いて発生される。
この静的イオンビームのエネルギーは、パルス静電場を用いて、典型的に100eVの範囲内にあり、個々のイオンパケットが、この静的二次イオンビームから引き出されて加速される。これは、軸方向又は直交方向の加速により行われ得る。二次イオンは数keVまで加速され、その飛行時間が飛行時間分析器で測定される。このような飛行時間型分析計は、上記のバリアントAと類似の周波数で動作され得る。
低エネルギー(約100eV)の集束可能な二次イオンビームの形成には、エネルギー幅の低減が必要である。エネルギー幅は、脱離プロセスにより、また、絶縁体の場合には表面電位の変化により生じ得る。
このようなエネルギー幅の低減を、多重極移送とガス衝突冷却システムとの組合せにより達成できる。二次イオンは、適切なRF電圧が印加された多重極を用いて輸送され、高ガス圧を有する領域にてガス衝突により熱化され、そして、多重極の軸上に収集される。
ガス冷却後、二次イオンは、飛行時間型分析器のパルス化ユニットに注入され得る。
一般的に、DC二次イオンビームの約25%〜30%が飛行時間型分析に使用され得る。この割合は、低質量では減少する。
二次イオンが、試料からパルス抽出まで移動する時間は約5ミリ秒〜10ミリ秒である。従って、試料サイトにより放出された二次イオンの描記には少なくとも10ミリ秒かかる。これにより、このように動作するこのようなマッピングToF−SIMSの画素周波数の最大値が100Hzに制限される。
これらの装置の質量分解能は、設計及び総飛行距離に依存し、約5,000〜50,000である。適切な質量較正方法を使用すれば、1ppm〜5ppmの質量精度が達成可能である。これらの装置の質量分解能及び質量精度は、バリアントAとは対照的に、試料の粗さの影響を受けない。
これらの飛行時間型質量分析計の伝送率は質量に依存し、バリアントAの伝送率よりも10倍〜100倍低い。
その他の質量分析計
高い質量分解能を有するその他のタイプのSIMS装置も知られている。例えば、二重集束磁場セクターも、従来のSIMS装置にてDC一次イオンビームと共に使用されている。これらの装置の質量分解能は10,000を超え得る。しかし、全質量の平行検出は可能でなく、同時検出が可能な質量は最大で数個である。従って、これらの質量分析計は、複雑な有機固体の分析には適していない。
高分解能質量分析の為に、イオントラップ質量分析計もSIMSに使用できる。
フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FTICR)により、特に高い質量分解能(100,000を上回る)が達成される。この場合、二次イオンは、超伝導磁石を用いてペニングイオントラップに注入され、貯蔵される。イオンを励起させた後、磁場内でのイオンの軌道周期を高精度で測定でき、そこからイオンの質量を決定できる。
これらの装置の質量分解能は測定時間に大きく依存する。高分解能質量スペクトルの測定時間は0.5秒〜5秒である。質量精度は1ppm〜5ppmである。
高質量分解能を有するその他の質量分析装置計が質量分析において知られているが、SIMSではまだ使用されていない。例えば、ここで、アメリカ合衆国、サーモフィッシャーサイエンフィティック社(Thermo Fisher Scientific Inc.)製のオービトラップ(商標)(OrbitrapTM)について言及したい。この装置は、100,000を上回る質量分解能を達成できる。最も高い質量分解能を有するスペクトルの測定時間は約0.5秒〜1秒である。測定時間を0.05秒まで短縮することは可能であるが、同時に、質量分解能が約10倍低減される。
一次イオン源
飛行時間型二次イオン質量分析法の為の一次源として、様々なイオン源が知られている。
液体金属イオン源
高い横方向分解能でのToF−SIMSマッピングの為には、液体金属イオン源(LMIS)が主に使用される。例えば、ビスマス(Bismuth)LMISを用いて重金属クラスターが放出される。
Bi +は、特に有機試料に適している。約10keVのビームエネルギーにおいて、これらのイオン源のDC電流は約0.1nA(ナノアンペア)〜30nAであり、ビーム直径は、50nm(ナノメートル)〜約1μm(マイクロメートル)である。
これらの高電流の結果、ナノ秒範囲内の短いイオンパルスを生成する場合であっても、LMISは、なお、上述のバリアントAのTOF−SIMSの為の十分な一次イオン強度を提供する。
Bi +などの一次イオンに関しては、二次イオンの収率が非常に高い。しかし、高エネルギーの一次イオンが侵入すると、表面の分子のみが脱離されるだけでなく、その下の分子も破壊される。高い一次イオン線量は有機試料材料を完全に破壊させる。従って、このイオン源を用いると、有機試料の深さプロファイリング及び3D解析は不可能である。
ガスクラスターイオン源
数百〜数千の原子を有する数keV〜数10keVのエネルギーのガスクラスターを用いると、有機分子を、その下にある物質に損傷を与えずに脱離させることができる。一般的に、Arクラスター又はHOクラスターが、超音速ジェットから電子ビームを用いてイオン化され、その後加速される。ガスクラスターイオン源(GCIS)は、典型的に、数10μmのビーム直径を有する1nA〜10nAのDCビーム電流を達成する。数μmに絞るには、数pAの非常に低いDC電流のみが可能である。現在の技術水準では、1μm未満のビーム径は達成可能でない。数nsの短いパルスの生成は、GCISにより生成されるクラスターイオンの質量分布が広い為、困難である。最大では、約50μmのビーム径で10ナノ秒〜20ナノ秒の持続時間のパルスを達成できる。従って、GCISは、上述のバリアントAにおけるTOF−SIMSの一次イオン源としては適していない。
デュアルビームSIMS
上述の飛行時間型二次イオン質量分析法の別の変型例が、2つの異なる一次イオンビームの使用により達成される。
上述のバリアントAのTOF−SIMS装置において、深さプロファイリング及び3D解析の為に、デュアルビーム法がしばしば用いられる。このようなデュアルビーム法を実行する為の装置を図1に示す。
図2は、分析の時系列を示す。この場合、分析イオン源(2)のイオンビームを一次イオンビームとして用いて、試料(1)の表面を、分析の為に除去している。分析イオン源(2)は、放出された二次イオンの飛行時間分析の為の短いイオンパルスを、飛行時間分析器(5)により提供する。これらの一次イオンビームパルスにより発生された二次イオンを抽出器(4)にて引き出した後、抽出電圧をスイッチオフし、スパッタイオン源(3)からのイオンビームスパッタリングを用いて表面を除去する。除去は、二次イオンの移動時間測定中に行われても(インターレースモード、図2を参照)、或いは、分析サイクルの終了後に行われてもよい(非インターレースモード)。さらに、抽出電界をオフにして、試料(1)の表面に低エネルギーの電子を照射でき、これにより電気絶縁性の試料上の正電荷を補償できる。これは、通常、最大で20eVの電子エネルギーを用いて行われる。
LMISの一次イオンを用いた表面分析と、GCISのガスクラスターイオンによる除去とを組み合わせることにより、放射線損傷の蓄積を回避できる。LMISにより破壊された試料分子はGCISにより除去される。有機固体試料から、安定した信号が、2つのイオンビームの適切な相対除去率で得られる。GCISの除去速度のLMISに対する典型的な比は約10〜1000であり、試料材料に依存する。これは、試料材料の大部分が、抽出電圧がオフの状態でGCISにより除去され、従って分析に寄与しないことを意味する。LMISを用いた高横方向分解能によるToF−SIMS分析マッピングと、適切な寸法及びエネルギーのガスクラスターによる除去とを組み合わせることにより、有機固体の3D分析を迅速に行うことができる。
3D分析は、多種多様な有機固体の化学的特徴付けに使用され得る。これらの例は、有機LED(OLED)、ポリマー構造、及び、生体試料(組織及び単一細胞など)の3D分析を含む。
3次元ToF−SIMSの問題点
バリアントAのToF−SIMS装置を用いた有機固体の3D解析において、LMISを使用した解析により、サブμm及びμmの範囲で高い横方向分解能が得られる。同時に、画素周波数が非常に高い為、横方向分布を高画素数で且つ短時間で測定できる。例えば、典型的な10kHz周波数での256×256画素表面の分析に要する時間は約6.5秒である。z方向に100個の層を有する3Dデータセットの測定に要する時間は約11分である。しかし、データの解釈は、しばしば非常に困難である。飛行時間型分析計の質量分解能及び質量精度は、一般に、100u(原子質量単位)〜数100uの質量範囲の分子を確実に同定するには不十分である。表面の初期トポグラフィから、測定過程におけるトポグラフィへの変化(分析ボリュームにおける異なる材料の異なる除去率による)が、二次イオンの飛行に多大な影響を与える。質量スペクトルにおけるピーク位置のそれぞれのシフトが、分子の質量の決定における誤差を生じ得る。質量決定における不正確さは、容易に数百ppmになり得る。また、質量分解能が低下し、分子イオン及びフラグメントイオンの多数の干渉が、複雑な有機マトリックス中の分子の検出をかなり困難にする。
バリアントBのToF−SIMS装置を用いれば、トポグラフィが質量分解能及び質量精度に与える影響が回避される。このように、高質量分解能及び高質量精度を有するタイプの分析装置を使用すると、3Dデータの分析が著しく単純化される。しかし、このタイプの装置にはその他の問題がある。1つは、このタイプの装置は画素周波数が著しく低いことである。例えば、50Hzの画素周波数では、256×256画素の100層の3D解析に、通常、36時間よりも長い時間がかかる。質量分解能及び質量精度が非常に高い質量分析計(例えば、FTICR)を使用すると、測定時間が長くなる(1Hzの画素周波数で約76日にかかる)。
一方、高い横方向分解能を有するLMISを用いた分析は、有機試料に極端な損傷を生じる。DC LMISビームの線量は、高い横方向分解能を有する画像を記録する場合に、損傷限界よりも既に数桁大きい(一次イオン約1E13/cm)。この試料の損傷を回避するGCISを、LMISの代わりに使用することも可能である。しかし、これは、サブμmの範囲で横方向分解能を達成できないことを意味する。GCISのビーム電流は、数μmのビーム径には既に小さ過ぎ、数μmの深さまでの3D解析の為の十分な除去率が得られない。
本発明の目的は、バリアントAのToF−SIMS及びバリアントBのTOF−SIMSの両方にて生じる上述の課題を解決する質量分析計及び質量分析方法を提供することである。
この目的は、請求項1に記載の質量分析計及び請求項7に記載の方法により達成される。本発明による質量分析計及び本発明による前記方法の有利な展開を、それぞれの独立請求項にて提示する。
図1は、デュアルビーム法を実行するための装置を示す。 図2は、分析の時系列を示す。 図3は、2つの分析器及びパルス状二次イオンビームガイドを有するデュアルビームToF−SIMSを示している。 図4は、100μsのサイクルタイムでの10kHzのToF周波数のタイミング図である。 図5は、電荷補償を伴う抽出のための、10kHzの分析周波数における時間関係の図(タイミング図)である。 図6は、追加のMS/MS装置を備えた構成を示す。 図7は、デュアルビームToF−SIMSに、追加の分析器としてのオービトラップ(Orbitrap)質量分析計と、パルス状二次イオンビームガイドとを組み合せた構成を示す概略図である。 図8は、先行技術によるデュアルビームToF−SIMS法を用いた、OLED層構造の深さプロファイル分析の結果を示す。 図9は、OLED層構造の、図7に示したオービトラップ質量分析器を使用して生成され得る、さらなる深さプロファイルを示す。 図10は、第2のオービトラップ質量分析器を用いて測定した質量スペクトルの抜粋を示す。 図11は、本発明による、図7に示した装置を用いて測定及び決定されたNbphen親分子のMS/MS質量スペクトルを示す。 乃至 図12A乃至図12Dは、図7に示した本発明によるToF−SIMS分析器及び第2の質量分析器(オービトラップ)を用いて測定及び決定された質量スペクトルをフィルタ紙上に青色染料で示した図である。
本発明によれば、バリアントAのToF−SIMSの場合、試料(例えば、有機固体)のデュアルビーム分析において、飛行時間型質量分析計に加え、DCモードの分析に適した第2の質量分析器も使用する。有利には、この分析器は、複合混合物中の有機分子を確実に検出及び同定する為に、可能な限り高い質量分解能及び質量精度を有するべきである。従って、有利には、10,000を上回る質量分解能、及び、5ppmよりも高い質量精度を目指す。
このデュアルビーム法によれば、第1の一次イオン源(例えばLMIS)の第1の一次イオンビーム、及び、ToF−SIMS分析器(バリアントAに関して上述した方法による)を用いて、横方向分布が高空間分解能で達成される。そしてさらに、第2の一次イオン源(例えばGCIS)の第2のイオンビームを用いた試料の(Z方向の)除去中に形成された二次イオンが引き出され、第2の質量分析器に供給されてDCモードで分析される。
こうして、パルス状二次イオンの為の飛行時間型質量分析器と、このような第2の質量分析器との組合せが、高質量精度を有するさらなる高分解能質量スペクトルを生成し、この高質量精度は、試料トポグラフィにより、全く又はほとんど影響を受けない。
さらに、このスペクトルは、ToF−SIMSデータ(例えば、LMISにより生成される)の解釈の為に利用可能である。このように、3D分析において、各層に対し、第2の分析器装置を用いて高分解能質量スペクトルを追加的に生成できる。各層の為のz方向(除去方向)のこれらの追加的な高分解能質量スペクトルにより、3Dデータセットにおける分子の同定の促進が可能になる。
第2の質量分析器の最大画素周波数に依存して、分析領域を幾つかのフィールドに細分することもできる。こうして、質量精度の高い高分解能質量スペクトルを、これらの各フィールドの解釈に利用できる。
上述の本発明による解決方法を、以下に、幾つかの例を参照しつつ、より詳細に説明する。同一の又は類似の要素には、同一又は類似の符号を付し、説明を繰り返さない。
例1
この例を、図3及び図4を用いて説明する。図3は、2つの分析器及びパルス状二次イオンビームガイドを有するデュアルビームToF−SIMSの図を示している。図4は、100μsのサイクルタイムでの10kHzのToF周波数のタイミング図を示す。
分析されるべき試料(1)(図3を参照)に、一次イオンパルスをLMIS(2)から、ns範囲で分析ビームとして照射し、これにより生成された二次イオンを、抽出器電極(4)を用いてkeV範囲のエネルギーまで加速させる。パルスビームガイド(5)が、発生された二次イオンがバリアントAのToF−SIMS分析装置(6)に入ることを可能にする。これにより、TOF−SIMSスペクトルが生成される。試料における横方向分布が、集束されたLMIS一次イオンビームで試料を走査することにより測定される。
さらに、試料に、GCIS(3)からガスクラスタービームを照射する。このビームもまた、試料上に集束させて走査させることができる。しかし、このビームは、固有の異なる画素周波数を有するであろう。このビームもまたパルス化されるが、選択されたサイクルタイムに依存し、10μs〜数100μsの範囲の持続時間の非常に長いイオンパルスを有する。発生された二次イオンも引き出されるが、ビームガイド(5)を用いて移送光学素子(7)へと偏向される。この移送光学素子(7)が、二次イオンの速度を遅くして低エネルギーレベルにし、一般的に、これらの二次イオンをRF多重極(8)に注入する。衝突冷却(二次イオンがそれらの初期エネルギー分布を低減し、二次イオンが多重極(8)の軸上に集められる)が、多重極(8)の高ガス圧領域を介して生じる。次いで、二次イオンは、DC動作に適した高分解能質量分析計(9)に、適切な移送光学素子を用いて運ばれ、分析装置にて分析される。
TOF−SIMS(6)は、1kHz〜最大で数10kHzの周波数で動作される。両方のイオン源もこの周波数でパルス化されるが、上述のように、パルス持続時間がそれぞれ異なる。パルスビームガイドは、LMIS(2)により発生された二次イオンをToF分析装置(6)に向けさせ、また、GCIS(3)により発生された二次イオンを、高分解能質量分析器(9)に向けさせる。輸送エネルギーが低いこと、及び、ガス衝突冷却により、二次イオンの大きい時間的分散が、質量分析計(9)に達するまで生じる。従って、多数のサイクルから生じた二次イオンが結合されて、ほぼ連続した二次イオンビームになる。次いで、この二次イオンビームが、DC動作に適した質量分析計(9)を用いて分析され得る。そして、質量分析計(9)は、約1Hz〜100Hzの範囲の著しく低い反復周波数を有する質量スペクトルを提示する。
また、バリアントAのToF−SIMSを、遅延抽出を用いて動作させることもできる。この場合、分析イオン源(2)による二次イオンの脱離が、抽出器(4)の抽出がスイッチオフされた状態で行われる。
脱離から数ナノ秒経った後、抽出電界をオンにして、二次イオンを数keVまで加速させる。抽出を遅らせることにより、10,000までの高い質量分解能が、数ナノ秒よりも長い一次パルス持続時間にわたり得られる。
様々な高分解能質量分析計を質量分析器(9)として使用できる。好ましくは、可能な限り、この付加的な質量分析計(9)の質量分解能及び質量精度は、ToF分析器(6)の質量分解能及び質量精度よりも著しく高くなければならない。質量分析計(9)として、例えば、直交抽出ToF分析器(OTOF)、FTICR、又は、Orbitrap(商標)質量分析計を使用できる。
この構成において、試料(1)の、一次イオン源(3)の一次イオンによる照射中の電位は、二次イオンの加速、減速、ガス衝突冷却及び移送の後に、それらのエネルギーが高分解能質量分析計(9)のエネルギーウィンドウ内にあるように選択されるべきである。従って、以上に列挙した質量分析計において、二次イオンのエントランスにおけるエネルギーは、有利には、典型的に、数10eV〜100eVであるべきである。これは、試料(1)に、10V〜100Vの対応するバイアス電圧(地電位に対して)を印加することにより達成できる。次いで、二次イオンの、数keVのエネルギーまでの加速(ToF分析装置(6)における飛行時間分析に典型的)が、抽出器(4)により、それぞれの高電圧電位で行われる。従って、二次イオンガイド(5)及びToF分析器(6)を、この電位まで浮き上がらせなければならない。
例2
以下の例は、上述した質量分析計の様々な動作モードの例を示す。
1つの3D分析動作モードにおいて、ToF分析装置(6)と組み合わされたLMIS(2)は、試料(1)中の物質の横方向分布を、多数の画素を用いて高画素周波数で記録する。典型的な画素数は、256×256又は128×128である。スペクトル周波数又は画素周波数は、5kHz〜20kHzである。上述したように、試料(1)は分析領域にて、スパッタリングイオン源としてのGCIS(3)の一次イオンに追加的に衝突され、これにより、試料表面の除去及び再生が行われる。GCIS(3)の一次イオンによる衝突中に発生された二次イオンが、ビームガイド(5)を介して高分解能質量分析器(9)に供給される。測定の最後に、GCIS(3)の一次イオンにより発生された、第2分析器(9)の、質量(m/z比)に対する分解能が高い少なくとも1つのスペクトルを、上述の画素数を有する画像の各々に対して利用可能である。このスペクトルを、後続のデータ処理において、分析器(6)のTOF−SIMSマッピングデータと組み合わせることができる。
具体的には、分析器(9)のこのスペクトルの、高い質量分解能及び質量精度を、分析器(6)のTOF−SIMSデータの解釈に利用できる。このスペクトルは、試料表面の試料高さ及び/又はトポグラフィによる影響を受けず、又はほとんど受けない為、このスペクトルの情報を、例えば、分析器(6)のTOF−SIMSスペクトルの質量スケールの、後続の又は自動的な較正の為に使用できる。
別の3D分析動作モードにおいて、GCIS(3)の一次イオンビームをラスタライズして、試料表面の分析領域内の異なる領域から、複数の高分解能質量スペクトルを、GCIS(3)のイオンビームを用いて生成する。異なる領域の最大数は、2つの分析器の画素周波数の比により決定される。例えば、256×256画素で画素周波数10kHzの画像を、TOF−SIMS分析器(6)を用いて記録する場合、約6.5秒かかることになる。高分解能の第2分析器(9)の最大スペクトル周波数が10Hzである場合、65個の異なる領域のスペクトルを同時に記録できる。これらは、分析領域の8×8のフィールドに分割され得る。しかし、異なるサブ領域へのその他の分割も、もちろん可能である。
例えば、事前に手動で又は自動的に作成された分析領域内の選択された領域も、領域を分割する為に使用できる。また、この領域を、ToF−SIMSデータから得られた横方向分布から導出することもできる。
後続のデータ処理が、分析装置(6)のToF−SIMSデータを分析装置(9)で記録された様々なサブ領域の高分解能スペクトルとリンクさせる様々な可能性を提供する。例えば、詳細には、統計的評価法(例えば、主成分分析(PCA)など)が高分解能スペクトルの分子ピークをToF−SIMSの分布画像に割り当てる為に用いられる。
例3
以下の例は、本発明による質量分析計のさらなる有利な改良及び有利な追加物を説明したものである。これらを、個々に又は組み合わせて使用できる。
絶縁体の分析の為には、正の一次イオンから生じた試料の電荷を補償できることが有利である。これは、低エネルギー(典型的に、20eVよりも低いエネルギー範囲)の電子を用いて行われ得る。表面電位は、低エネルギーにより、自動的に安定化する。低エネルギーの電子が試料に到達する為には、二次イオンの抽出電界をオフにしなければならない。これは、抽出器のパルス化を必要とする。同時に、試料電位も接地電位に切り替えられなければならない。低エネルギー電子は、常に、一次イオンとの衝突後のサイクル中に導入される。
図5は、電荷補償を伴うこのような抽出の為の、10kHzの分析周波数における時間関係の図(タイミング図)を示す。遅延抽出を用いて、タイミングスキームをわずかに修正できる。この場合、分析イオンパルスが試料に到達したわずか数ナノ秒後に抽出が開始される。
電荷を低減する為に、様々なラスタ方法、例えば、ラインラスタ、ミアンダ(meander)ラスタ又はランダムラスタを使用できる。ランダムラスタが特に有利であることが分かっている。
例4
以下の例は、本発明による質量分析計のさらなる有利な改良の様々な変型例、及び、本発明による質量分析方法を説明したものである。これらを、個々に又は組み合わせて使用できる。
分子を同定する為に、追加の質量分析計もMS/MSに装備できる。図6は、追加のMS/MS装置を備えたそのような構成を示す。この構成において、単一の質量が、上流の質量フィルタ(9)を介して伝達される。これらのいわゆる親分子を、後続の衝突セル(10)でのガス衝突により解離するように刺激する(CID衝突誘起解離)。こうして得られたフラグメントイオン(娘イオン)の質量を、質量分析計(11)にて検査する。
高分解能質量分析計(11)として、OTOF又はOrbitrap(商標)を使用する場合、一般的に、四重極質量フィルタを、MS/MS動作モードの為の質量フィルタ(9)として任意選択的にスイッチインする。
高分解能質量分析計(11)として、FTICRなどのイオントラップを使用する場合、イオントラップ自体もMS/MS分析に使用できる。
その他の例
図7は、このような組合せを示す概略図であり、デュアルビームToF−SIMS(6)に、追加の分析器(11)としてのオービトラップ(Orbitrap)質量分析計(11)と、パルス状二次イオンビームガイド(5)とを組み合せた構成を示す。オービトラップ質量分析計(11)は、サーモフィッシャーサイエンフィティック(Thermo Fisher Scientific)社製の「QエグザクティヴHF型」(“Q Exactive HF”)である。
図7に示したこの例示的変形において、質量分析計(6)に質量分析計(11)を、上述の方法で組み合わせて使用した。質量分析計(6)は、ドイツ国ミュンスター(Muenster, Germany)のイオン−トフ社(ION−TOF GmbH)製の「TOF−SIMS5」であり、質量分析計(11)は、アメリカ合衆国、サーモフィッシャーサイエンフィティック(Thermo Fisher Scientific)社製の「オービトラップ」(商標)質量分析計(11)(「QエグザクティヴHF」(“Q Exactive HF”)(商標))である。
分析ビームの一次イオン源(2)はBi−LMISであり、試料の除去に使用される一次イオン源(3)は、アルゴンGCISである。この組合せにおいて、オービトラップ質量分析計(11)が特に有利であることが分かる。なぜなら、ToF−SIMSを使用するよりも著しく高い質量分解能及び質量精度が得られるからである。sub−ns(サブナノ秒)一次イオンパルスを用いるToF−SIMS(6)により得られる最大質量分解能は16,000であるが、オービトラップ(11)により得られる最大質量分解能は240,000である。オービトラップ(11)の質量精度は約1ppmであり、これも、ToF−SIMS(6)の質量精度よりも著しく優れている。従って、オービトラップ(11)は、空間的に高分解能のSIMSスペクトルにおける多数の質量ピークを積極的に特定するのに必要な情報を提供する。
図7の概略図に示されているユニットには、パルス状の液体金属イオン源(LMIG)(2)、及び、ガスクラスターイオン源(GCIS)(3)が装備されている。オービトラップ質量分析計(11)の手前に四重極質量フィルタ(9)が配置されている。四重極質量フィルタ(9)は、MS/MS動作モードの為の親分子の選択の為に任意選択的に活性化され得る。ガス衝突セル(HCD(高エネルギー衝突解離)セル)(10)が、フラグメンテーション(断片化)の為に組み込まれている。選択された親分子は、ここでMS/MSモードでフラグメンテーションされ、次いで、質量分析の為にパルス状インジェクタ(注入器)(12)を介してオービトラップ(11)に移送される。
図8は、先行技術によるデュアルビームToF−SIMS法を用いた、OLED層構造の深さプロファイル分析の結果を示す。
この例において、表面分析は、パルス状BiクラスターLMISを用いて行われた。表面除去の為に、デュアルビーム法で5keVのアルゴンGCISが使用された。深さプロファイルは、OLED構造中の異なる分子の深さ分布を示す。
TOF−SIMSの質量分解能は、異なる質量の分離には十分でない。例えば、最初の90nmの領域において、質量774u、655u、589uの分子の他にも、質量の重なりがかなり存在する。その結果、これらの分子の濃度が正確に反映されない。
図9は、OLED層構造の、図7に示したオービトラップ質量分析器を使用して生成され得る、さらなる深さプロファイルを示す。
本発明によるこの実施形態において、Ar−GCISによりスパッタリングされた二次イオンがここで抽出されて、オービトラップ質量分析器に、パルス状ビームガイドを用いて移動される。
この追加の質量分析器の質量分解能は、質量に依存して、100,000〜300,000である(図10を参照、以下に説明する)。質量分解能が高い為、質量干渉が排除され得る。その結果、例えば質量774u、655u、589uに関し、90nmの範囲まで、はるかに高いダイナミクス及び低いベースが得られる。従って、これらの分子の濃度をより良好に測定できる。
図10は、第2のオービトラップ質量分析器を用いて測定した質量スペクトルの抜粋を示す。
図10に示されている分析された異なる分子イオンに関し、非常に高い質量分解能及び質量精度が、この第2の質量分析計を用いて達成されている。質量分解能が高い為、これらの質量による質量干渉はもはや存在しない。例えば、a−NPD分子イオン付近のピークを、質量588.25uで分離できる。0.2ppm〜2.6ppmの高い質量精度が、それぞれの分子の確実な同定を可能にする。その結果、本発明によれば、TOF−SIMSデータの解釈も、著しく改善される。
図11は、本発明による、図7に示した装置を用いて測定及び決定されたNbphen親分子のMS/MS質量スペクトルを示す。
この例において、Ar−GCIS3により生成された親分子を、四重極質量フィルタ9を透過させてHCDセル10にてフラグメント化し、次いでオービトラップ質量分析器11に注入し、それらの質量を測定した。
図12は、図7に示した本発明によるToF−SIMS分析器及び第2の質量分析器(オービトラップ)を用いて測定及び決定された質量スペクトルをフィルタ紙上に青色染料で示した図である。
図12Aは、フィルタ紙上にブルーインクスポットで示された試料位置の写真である。写真の視野は3mm×3mmである。図12C〜図12に示すスペクトルの解析領域が点線により示されている。
図12Bは、図12Aのマーキング領域による75u〜700uの質量範囲における正のToF−SIMS質量スペクトルを示す。Bi液体金属イオン源からのBi++一次イオンビーム(60keVの一次イオンエネルギーを有する)を、パルス状一次イオンビームとして使用した。試料の粗さが大きいことにより、ToF−SIMSスペクトルの質量分解能及び質量精度が著しく損なわれている。
図12Cは、図12Aのマーキング領域による75u〜700uの質量範囲における正のオービトラップ質量スペクトルを示す。Arガスクラスターイオン源からのArガスクラスター(nの平均値は約1500であった)を一次イオンビームとして使用した(一次イオンエネルギーは5keV)。オービトラップ質量分析器の質量分解能及び質量精度は、試料の粗さにより減少していない。このようして、オービトラップスペクトルからの正確な質量を、ToF−SIMSスペクトルのその後の質量較正に利用できる。
図12Dは、質量範囲261.05u〜261.23uにおける、図12BのToF−SIMSスペクトルによるスペクトルと、図12Cのオービトラップスペクトルによるスペクトルとを重ね合わせて示している。質量分解能の大きな違いが明確に認識される。オービトラップスペクトルにおいては、質量261.113uにおけるピークが、質量261.13uにおけるメインピークから分離されている。一方、ToF−SIMSスペクトルにおいては、両方のピークが重なっている。
〔付記1〕
二次イオン質量分析計であって、パルス持続時間が短い、有利には≦10ナノ秒の第1のパルス状一次イオンビームを発生させる為の第1の一次イオン源と、
第2のパルス状一次イオンビーム(例えば、パルス持続時間が50ナノ秒〜最大で5秒、有利には最大で500ミリ秒、有利には最大で500マイクロ秒)を発生させる為の第2の一次イオン源と、
前記第1一次イオン源の前記一次イオンパルスにより試料から発生された二次イオンを質量分析する為の第1のTOF−SIMS分析ユニットと、
前記第2一次イオン源の前記一次イオンパルスにより試料から発生された二次イオンを質量分析する為の第2の分析ユニットとを備えた、二次イオン質量分析計。
〔付記2〕
前記第1一次イオン源が液体金属イオン源(LMIS)を有し、
且つ/又は、
前記第2一次イオン源がガスクラスターイオン源(GCIS)を有することを特徴とする、付記1に記載の質量分析計。
〔付記3〕
前記第2分析ユニットが、高い最大質量分解、有利には、≧10,000、及び/若しくは、高い最大質量精度、有利には≦5ppm、並びに/又は、低い最大画素周波数、詳細には、≦100Hzを有する分析器であり、例えば、イオントラップ分析器、具体的には、FTICR分析装置、直交ToF−SIMS分析器、又は、オービトラップ分析器であることを特徴とする、付記1又は2に記載の質量分析計。
〔付記4〕
前記第1の分析ユニットが、前記第2分析ユニットと比較して、より低い最大質量分解能、及び/若しくは、より低い最大質量精度、並びに/又は、より高い最大画素周波数、有利には≧1000Hzを有することを特徴とする、付記1〜3のいずれか一項に記載の質量分析計。
〔付記5〕
前記第2分析ユニットが、高い最大質量分解能、有利には≧10,000、及び/若しくは、高い最大質量精度、有利には≦5ppmを有する分析器であり、正確な質量が、ToF−SIMS質量分析の手動の又は自動的な較正の為に用いられることを特徴とする、付記1〜4のいずれか一項に記載の質量分析計。
〔付記6〕
前記第1一次イオンビームの為の偏向ユニットが、試料の表面上で前記一次イオンビームをラスタ走査させる為に設けられていることを特徴とする、付記1〜5のいずれか一項に記載の質量分析計。
〔付記7〕
試料を分析する為の質量分析方法であって、前記試料に、パルス持続時間が短い、具体的には≦10ナノ秒の第1のパルス状一次イオンビーム衝突させ、そして、当該一次イオンパルスにより発生された二次イオンを、ToF−SIMS法を用いて高い横方向分解能で分析するステップと、前記試料に、50ナノ秒〜最大で5秒、有利には最大で500ミリ秒、有利には最大で500マイクロ秒のパルス持続時間を有する第2の一次イオンビームを衝突させ、当該第2一次イオンビームにより発生された二次イオンを、高い質量分解能で分析するステップとを特徴とする、質量分析方法。
〔付記8〕
前記試料表面の画像を、高い横方向分解能を有するが質量分解能はより低い前記第1一次イオンビームを用いて測定し、且つ、前記試料表面の画像を、横方向分解能はより低いが質量分解能はより高い前記第2の一次イオンビームを用いて測定し、これらの両方の画像から、前記横方向分解能及び前記質量分解能の両方に関する結合画像を生成するステップとを特徴とする、付記7に記載の質量分析方法。
〔付記9〕
前記第2一次イオンビームが、前記試料の深さプロファイルを測定する為に前記試料の表面を除去する為に使用されるステップを特徴とする、付記7又は8に記載の質量分析方法。
〔付記10〕
異なる深さに関し、前記第1一次イオンビームを使用した第1の高い横方向分解能による第1の分析と、前記第2一次イオンビームを使用した、低い第2の横方向分解能による、すなわち、前記表面の第2の領域に対する第2の分析とを行い、これらの両方の分析から、前記それぞれの深さにおける前記試料表面の画像を生成するステップを特徴とする、付記7〜9のいずれか一項に記載の質量分析方法。
〔付記11〕
抽出磁界が電荷補償の為にスイッチオフされたときに、>1kHzの周波数を有する低エネルギー電子のパルスが前記イオンパルスの間に前記試料に照射されるステップを特徴とする、付記7〜10のいずれか一項に記載の質量分析方法。
1 試料
2 LMIS(液体金属イオン源)
3 GCIS(ガスクラスターイオン源)
4 抽出器
5 二次イオンガイド
6 ToF分析器
7 移送光学素子
8 ガス衝突冷却ユニット
9 高分解能質量分析計

Claims (19)

  1. 二次イオン質量分析計であって、第2のパルス状一次イオンビームのパルス持続時間よりも短い第1のパルス持続時間を有する第1のパルス状一次イオンビームを発生させる為の第1の一次イオン源と、
    50ナノ秒〜最大で5秒までの第2のパルス持続時間を有する前記第2のパルス状一次イオンビームを発生させる為の第2の一次イオン源と、
    前記第1の一次イオン源の一次イオンパルスにより試料から発生された二次イオンを質量分析する為の第1のTOF−SIMS分析ユニットと、
    前記第2の一次イオン源の一次イオンパルスにより試料から発生された二次イオンを質量分析する為の第2の分析ユニットと、
    前記第2の分析ユニットが、最大質量分解能≧10000を有し、及び/又は、最大質量精度≦5ppmを有し、
    前記第1のTOF−SIMS分析ユニットは、前記第2の分析ユニットと比較して、より低い最大質量分解能を有し、及び/又は、より低い最大質量精度を有する、
    二次イオン質量分析計。
  2. 前記第1のパルス持続時間が、≦10ナノ秒であることを特徴とする、請求項1に記載の質量分析計。
  3. 前記第2のパルス持続時間が、最大で500ミリ秒であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の質量分析計。
  4. 前記第2のパルス持続時間が、最大で500マイクロ秒であることを特徴とする、請求項3に記載の質量分析計。
  5. 前記第1の一次イオン源が液体金属イオン源(LMIS)を有し、
    且つ/又は、
    前記第2の一次イオン源がガスクラスターイオン源(GCIS)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の質量分析計。
  6. 前記第2の分析ユニットが、低い最大画素周波数が≦100Hzである分析器であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の質量分析計。
  7. 前記第2の分析ユニットが、FTICR分析装置、直交ToF−SIMS分析器、又は、オービトラップ分析器であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の質量分析計。
  8. 前記第1のTOF−SIMS分析ユニットは、前記第2の分析ユニットと比較して、より高い最大画素周波数を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の質量分析計。
  9. 前記第1のTOF−SIMS分析ユニットは、最大画素周波数≧1000Hzを有することを特徴とする、請求項8に記載の質量分析計。
  10. 前記第2の分析ユニットによって決定された質量は、ToF−SIMS質量分析の手動の又は自動的な較正の為に用いられることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の質量分析計。
  11. 前記第1のパルス状一次イオンビームの為の偏向ユニットが、試料の表面上で前記第1のパルス状一次イオンビームをラスタ走査させる為に設けられていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の質量分析計。
  12. 試料を分析する為の質量分析方法であって、前記試料の表面に、第2のパルス状一次イオンビームのパルス持続時間よりも短い第1のパルス持続時間を有する第1のパルス状一次イオンビームを衝突させ、そして、前記第1のパルス状一次イオンビームの一次イオンパルスにより発生された二次イオンを、TOF−SIMS法を用いて分析するステップと、前記試料の表面に、50ナノ秒〜最大で5秒までの第2のパルス持続時間を有する前記第2のパルス状一次イオンビームを衝突させ、そして、前記第2のパルス状一次イオンビームの一次イオンパルスにより発生された二次イオンを、10000以上の最大質量分解能及び/又は5ppm以下の最大質量精度で分析するステップと、を特徴とし、前記第1のパルス状一次イオンビームの一次イオンパルスにより発生された二次イオンは、前記第2のパルス状一次イオンビームの前記一次イオンパルスにより発生される二次イオンよりも低い最大質量分解能及び/又は低い最大質量精度で分析される、質量分析方法。
  13. 前記第1のパルス持続時間が、≦10ナノ秒であることを特徴とする、請求項12に記載の質量分析方法。
  14. 前記第2のパルス持続時間が、最大で500ミリ秒であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の質量分析方法。
  15. 前記第2のパルス持続時間が、最大で500マイクロ秒であることを特徴とする、請求項14に記載の質量分析方法。
  16. 前記試料の表面の画像を、前記第1のパルス状一次イオンビームのビーム方向に直交する第1の横方向分解能と、第1の質量分解能とを有する前記第1のパルス状一次イオンビームを用いて測定し、且つ、前記試料の表面の画像を、前記第1の横方向分解能よりも低い第2の横方向分解能であって前記第2のパルス状一次イオンビームのビーム方向に直交する第2の横方向分解能を有するが、前記第1の質量分解能よりも高い第2の質量分解能であって前記第2のパルス状一次イオンビームのビーム方向に直交する第2の質量分解能を有する前記第2のパルス状一次イオンビームを用いて測定し、これらの両方の画像から、前記横方向分解能及び前記質量分解能の両方に関する結合画像を生成するステップとを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の質量分析方法。
  17. 前記第2のパルス状一次イオンビームが、前記試料の深さプロファイルを測定する為に前記試料の表面を除去する為に使用されるステップを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一項に記載の質量分析方法。
  18. 異なる深さに関し、前記第1のパルス状一次イオンビームを使用した前記第1の横方向分解能による第1の分析と、前記第2のパルス状一次イオンビームを使用した、前記第1の横方向分解能よりも低い前記第2の横方向分解能による、すなわち、前記試料の表面の第2の領域に対する第2の分析とを行い、これらの両方の分析から、前記それぞれの深さにおける前記試料の表面の画像を生成するステップを特徴とする、請求項16に記載の質量分析方法。
  19. 抽出電界が電荷補償の為にスイッチオフされたときに、>1kHzの周波数を有する低エネルギー電子のパルスが前記イオンパルスの間に前記試料に照射されるステップを特徴とする、請求項12〜18のいずれか一項に記載の質量分析方法。
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