JP6710708B2 - ポリマーポリオール - Google Patents

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Description

本発明はポリマーポリオールに関する。詳しくは、軟質ポリウレタンフォームの製造に用いるポリマーポリオール組成物に関する。
近年、揮発性有機化合物(VOC)としてのホルムアルデヒド等のアルデヒド類はシックハウス症候群等の原因になることから、住宅分野においてこれらの化合物が極力拡散しないように求められている。このような状況は自動車等の車両室内においても同様であり、VOC対策が必要になってきている。
例えば、車両座席シート用パッドにはクッション性の高い軟質ウレタンフォームが用いられているが、これらのウレタンフォーム成形後にポリウレタンフォーム用原料に含有するホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等がパッドから拡散してしまうため、これらアルデヒド類の発生を低減することが求められている。
従来より、アルデヒド類の揮発を防止するには、シート用パッドの表面にアルデヒド捕捉剤を塗布する方法(特許文献1参照)が知られている。
また、アルデヒド類を分解する作用を持つヒドラジン化合物をポリオール化合物に混合する方法(特許文献2参照)も知られている。
特開2005−124743号公報 特開2006−182825号公報
しかしながら、特許文献1と2の方法ではポリオール化合物のアルデヒドが経過時間で増量した後では、このポリオール化合物を使用して成型したポリウレタンフォームはアルデヒド類が多く拡散するため、VOC低減が不十分となるといった問題がある。
本発明は、アルデヒドの発生量が経時的に増加するのを抑制できる軟質ポリウレタンフォーム製造用のポリマーポリオール を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、エチレン性不飽和モノマー(e)を構成単量体とする重合体粒子(A)とポリオール(B)と酸化防止剤(C)とを含有するポリマーポリオールの製造方法であって、モノマー(e)中の40〜100重量%がアクリロニトリルであり、ポリマーポリオールの製造工程においてストリッピング工程の後に、ポリマーポリオールの重量に基づいて酸化防止剤(C)の含有量が0.03〜3重量%となるように前記酸化防止剤(C)を後添加する工程を有するポリマーポリオール(D)の製造方法である。




本発明の軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリマーポリオールは、経時でのアルデヒドの増加を抑制することができる。
従って、本発明の軟質ポリウレタンフォーム製造用のポリマーポリオール を用いて製造された軟質ポリウレタンフォームはアルデヒドの拡散を少なくすることができるという効果を奏する。
本発明のポリマーポリオール(D)は、エチレン性不飽和モノマー(e)を構成単量体とする重合体粒子(A)と酸化防止剤(C)とポリオール(B)とを含有するポリマーポリオールであって、モノマー(e)中の40〜100重量%がアクリロニトリルであり、ポリマーポリオールの重量に基づいて酸化防止剤(C)の含有量が0.03〜3重量%である。
本発明におけるポリマーポリオールとは、アクリロニトリル(以下、ACNと略記することがある。)を必須成分とするエチレン性不飽和モノマー(e)を重合させて得られる重合体粒子(A)がポリオール(B)中に含有されてなり、ポリマーポリオール中に酸化防止剤(C)が含有されてなるものである。
エチレン性不飽和モノマー(e)としては、ACN以外に、スチレン(以下、Stと略記することがある。)、その他のエチレン性不飽和モノマー等が使用できる。
エチレン性不飽和化合物(e)としては、St及びACNを必須成分として含むことが好ましい。
エチレン性不飽和モノマー(e)の重量に基づくACNの含有量は、粗大粒子の含有量低減の観点から、40〜100重量%であり、好ましくは55〜90重量%、さらに好ましくは60〜80重量%である。
その他のエチレン性不飽和モノマー としては、炭素数(以下Cと略記)2以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]1,000未満のもので、ACNと共重合可能であれば特に制限はない。具体的には、下記に示す単官能の不飽和ニトリル(e1)、芳香環含有モノマー(e2)、(メタ)アクリレート(e3)、α−アルケニル基含有化合物の(ポリ)オキシアルキレンエーテル(e4)、水酸基を有する不飽和エステルのアルキレンオキサイド付加物(e5)、その他の単官能エチレン性不飽和モノマー(e6)、及び多官能エチレン性不飽和モノマー(e7)等が使用できる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
不飽和ニトリル(e1)としては、C4〜10、例えばメタクリロニトリルが挙げられる。
芳香環含有モノマー(e2)としては、C8〜14、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレンが挙げられる。
(メタ)アクリレート(e3)としては、C4〜27、例えばメチル、ブチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル及びドコシル(メタ)アクリレート等のアルキル(アルキル基がC1〜24)(メタ)アクリレート;ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタアクリレートを意味し、以下における(メタ)アクリル酸、(メタ)アリル等も同様であり、以下同様の表記法を用いる。
α−アルケニル基含有化合物の(ポリ)オキシアルキレンエーテル(e4)としては、C3〜24の末端不飽和アルコールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記)付加物等が挙げられ、末端不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オール、1−ヘキセン−3−オール等が挙げられる。
水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物(e5)としては、C3〜24の水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物が挙げられる。
水酸基を有する不飽和化合物としては、ヒドロキシアルキル(C2〜12)(メタ)アクリレートが含まれ、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
エチレン性不飽和化合物との反応性及びポリマーポリオールの粘度の観点から、これらのうち好ましいのはアリルアルコールのAO付加物、ヒドロキシアルキル(C2〜12)(メタ)アクリレートのAO付加物である。ポリマーポリオールの粘度の観点から、AOの付加モル数は、好ましくは1〜9、特に好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜3である。
上記AOとしては、C2〜12又はそれ以上のものが含まれ、例えばエチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン及び3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THFおよびMTHFと略記 )、1,3−プロピレンオキサイド、イソBO、C5〜12のα−オレフィンオキサイド、置換AO(スチレンオキサイド、エピハロヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加および/またはブロック付加)が挙げられる。
AOとしては、ポリマーポリオールの粘度及び軟質ポリウレタンフォームの物性の観点から、C2〜8が好ましく、さらに好ましくはC2〜4、特に好ましくはC2〜3,最も好ましくはPOおよび/またはEOである。
また、AOとしては、軟質ポリウレタンフォームの物性の観点から、単独の使用および2種以上のAOの併用が好ましく、さらに好ましくはPOまたはEOの単独並びにPOおよびEOの併用である。
(e4)と(e5)のMnは、110〜490が好ましく、下限は、さらに好ましくは120、次にさらに好ましくは160、特に好ましくは170、最も好ましくは180であり、上限は、さらに好ましくは480、次にさらに好ましくは450、特に好ましくは420、最も好ましくは300である。Mnが110以上であると、ポリマーポリオールが低粘度となり取り扱い性の面で好ましく、それから得られるポリウレタンの硬度も良好となり、Mnが490以下であると、それを用いて得られるポリウレタンの硬度が良好である。
(e4)のα−アルケニル基、または(e5)の不飽和エステル基の数は、平均1個以上、ポリマーポリオールの粘度低減及び後述するポリウレタンの物性の観点から1〜10個が好ましく、さらに好ましくは1〜2個、特に好ましくは1個である。
また、(e4)と(e5)の溶解度パラメーター(以下SP値と略記)は、ポリマーポリオールの粘度低減及び後述するポリウレタンの圧縮硬さの観点から9.5〜13が好ましく、さらに好ましくは9.8〜12.5、特に好ましくは10〜12.2である。
なお、SP値とは、下記に示すとおり凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP値=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度、Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
その他の単官能エチレン性不飽和モノマー(e6) としては、C2〜24、例えば(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;エチレン、プロピレンなどの脂肪族炭化水素モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリレート;ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート等の不飽和ニトリル以外の窒素含有モノマー;ビニル変性シリコーン;が挙げられる。
多官能エチレン性不飽和モノマー(e7)としては、C10〜40、例えば、2官能[ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート等]、3官能[ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等]および4官能[ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等]モノマー;ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状−オレフィン又はジエン化合物が挙げられる。
重合体粒子(A)の形状は特に限定なく、球状、回転楕円体状、平板状等いずれの形状でもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から、球状が好ましい。
重合体粒子(A)のメジアン径(μm)は、ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタン物性の観点から0.05〜2.0が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.8、特に好ましくは0.2〜1.5である。なお、メジアン径の測定は、以下の方法にて行う。
<メジアン径の測定方法>
50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリマーポリオールを2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間撹拌、混合して均一液とする。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準によるメジアン径を測定する。
ポリオール(B)中でエチレン性不飽和モノマー(e)を重合させて本発明のポリマーポリオールを製造する際のポリオール(B)としては、ポリマーポリオールの製造に用いられる公知のポリオール(例えば特開2005−162791号公報、特開2004−018543号公報、特開2006−016611号公報等に記載のもの)等が使用できる。
ポリオール(B)の具体例としては、例えば、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の活性水素含有化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等)のAO付加物およびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちポリウレタンの機械物性の観点から好ましいのは多価アルコールのAO付加物である。
上記のAOには前記と同様のものが含まれる。これらのAOのうちポリウレタンの機械物性の観点からC2〜8が好ましく、さらに好ましくはEO、PO、1,2−、2,3−及び1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用(ブロック付加及び/又はランダム付加)、特に好ましくは、PO又はPOとEOとの併用[EO含量が(B)の重量に基づいて30%以下、好ましくは25%以下]である。
上記のAO付加物の具体例としては、公知の活性水素含有化合物(特開2005−162791号公報等)のPO付加物およびPOと他のAO(好ましくはEO)を下記の様式で付加したもの、およびこれらの付加物とポリカルボン酸もしくはリン酸とのエステル化物等が挙げられる。
(1)(POブロック)−(他のAOブロック)の順序でブロック付加したもの
(2)[(POブロック)−(他のAOブロック)]2の順序でブロック付加したもの
(3)(他のAOブロック)−(POブロック)−(他のAOブロック)の順序でブロック付加したもの
(4)(POブロック)−(他のAOブロック)−(POブロック)の順序でブロック付加したもの
(5)POおよび他のAOをランダム付加したもの
(6)米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダムおよびブロック付加したもの。
ポリオール(B)の水酸基当量(測定はJIS K−1557−1970に準じる)は、ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタンの機械物性の観点から好ましくは500〜4,000、さらに好ましくは1000〜3,000である。
(B)のMnは、ポリウレタンの機械物性およびポリマーポリオールの粘度、取り扱い性の観点から1,500〜20,000が好ましく、 さらに好ましくは3,000〜12,000である。
ポリオール(B)中のオキシエチレン単量体の含有量は、反応性及び得られるポリウレタンの機械物性の観点から(B)の重量に基づいて0.1重量%以上であることが好ましく、 ポリウレタンの成形性の観点から30重量%以下が好ましく、 0.1〜25重量%がさらに好ましい。
本発明のポリマーポリオール(D)中に0.03〜3重量%を含有している酸化防止剤(C)としては、公知のフェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤等が使用できる。
フェノール系酸化防止剤としては2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの縮合体、3,9−ビス{2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン及びオクタデシル−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、下記一般式(1)で表される化合物等が挙げられる:
−(Ar)(1−m)−NH−Ph−(NH)−R (1)
式中、Phはフェニレン基、Arはアリーレン基、mは1又は0である。R及びR はH又は炭素数3以上のハイドロカルビル基である。mが0の場合はRとRとがSを介して結合してNHと共にフェノチアジン環を形成してもよい。
及びRのハイドロカルビル基には、炭素数3〜14(好ましくは3〜8)のアルキル基、例えばi−プロピル基、n−,i−及びt−ブチル基、i−ヘキシル基及びn−及びsec−オクチル基;炭素数6〜30のアリール基、例えばフェニル基、(ジ)アルキルフェニル基(トリル基等)及びナフチル基(β−ナフチル基等);並びに炭素数7〜30のアラルキル基、例えばベンジル基及び(ジ)アルキルベンジル基(α,α−ジメチルベンジル基等)が含まれる。
アリーレン基(Ar)にはフェニレン基及びナフチレン基が含まれる。Ar及びPhのフェニレン基にはp−フェニレン基が含まれる。
具体例としては、以下のものが挙げられる。
(1)mが1の場合:R−NH−Ph−NH−R
N,N´−ビスハイドロカルビルフェニレンジアミン、例えばN,N´−ビスC3〜14アルキルフェニレンジアミン[N,N´−ビス(t−ブチル)−p−フェニレンジアミン、N,N´−ビス(sec−オクチル)−p−フェニレンジアミン等]及びN,N´−ビス(β−ナフチル)フェニレンジアミン。
(2)mが0の場合:R−Ar−NH−Ph−R
ジアリールアミン、例えばジフェニルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、及びジハイドロカルビルジフェニルアミン〔ジC3〜14アルキルジフェニルアミン(例えばジオクチルジフェニルアミン)、ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等]、並びにフェノチアジン。
本発明のポリマーポリオール(D)中の酸化防止剤(C)の含有量は0.03〜3重量%である。経時でのアルデヒド増加を抑制できる観点から、好ましくは0.04重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上である。
本発明のポリマーポリオール(D)の具体的な製造法は後に詳述するが、製造時に用いるポリオール(B)が予め全く酸化防止剤(C)を含有していないものを使用する場合は、酸化防止剤(C)の含有量が0.03〜3重量%の範囲になるように、酸化防止剤(C)を添加する必要がある。
一方、製造時に用いるポリオール(B)が予め酸化防止剤(C)を含有している場合であっても、ポリマーポリオール(D)中の酸化防止剤(C)の含有量が0.03重量%未満のときは、この範囲となるように必要量の酸化防止剤(C)を後添加する必要がある。また0.03重量部以上のときでも3重量%以下の範囲で後添加しても差し支えない。
反対にポリマーポリオール(D)中の酸化防止剤(C)の含有量が3重量%を超えるときは、この範囲となるようにポリオール(B)で希釈して調整する。
ポリマーポリオール(D)中の重合体粒子(A)の含有量は(D)の重量に基づいて、ポリウレタンの機械物性及び(A)の凝集防止の観点から、10〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは15〜58重量%、特に好ましくは30〜55重量%である。
なお、(D)中の(A)の含有量は、下記の方法で測定される。
<重合体粒子(A)の含有量>
遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール50gを加えて希釈する。
冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。
遠沈管内の残留沈降物を、3〜4kPaで80℃×3時間減圧乾燥し、乾燥した沈降物の重量(W2)を測定する。
次式で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とする。
重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
(D)の粘度(mPa・s)は、成形性の観点から、1,250〜12,000が好ましく、さらに好ましくは1,500〜10,000、最も好ましくは2,500〜8,000である。
本発明のポリマーポリオール(D)の製造方法としては下記(1)、(2)の製造方法が含まれる。
(1)(B)中でエチレン性不飽和化合物(e)を重合させて製造する方法。
(2)エチレン性不飽和モノマー(e)を重合させて(A)を製造した後に、(A)を(B)中に分散させて製造する方法。
上記(1)の製造方法は、ポリオール(B)からなる分散媒中で、エチレン性不飽和モノマー(e)を重合させる方法である。
重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合およびディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点から好ましいのはラジカル重合である。
ラジカル重合は、種々の方法、例えば分散剤(F)を含むポリオール(B)中で、エチレン性不飽和モノマー(e)をラジカル重合開始剤(K)の存在下に重合させる方法(米国特許第3383351号等に記載の方法)等が使用できる。
ラジカル重合開始剤(K)としては、遊離基を生成して重合を開始させる化合物が使用
でき、アゾ化合物及び過酸化物等{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの}が使用できる。また、(K)の10時間半減期温度は、(e)の重合率及び重合時間とポリマーポリオールの生産性の観点から、30〜150℃が好ましく、さらに好ましくは40〜140℃、特に好ましくは50〜130℃である。
(K)の使用量(重量%)は、(e)の合計重量に基づいて、(e)の重合度及び得られる軟質ポリウレタンフォームの物性(フォーム硬さ)の観点から好ましくは0.05〜20、さらに好ましくは0.1〜15、特に好ましくは0.2〜10である。
ラジカル重合開始剤(K)はそのまま使用してもよいし、希釈溶剤(G)、分散剤(F)及び/又はポリオール(B)に溶解(又は分散)したものを使用してもよい。
分散剤(F)としては、Mnが1,000以上(好ましくは1,000〜10,000)の種々のもの、例えばポリマーポリオールの製造で使用されている公知の分散剤{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの}等を使用することができ、(F)には、St又はACNと共重合し得るエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤、及びSt又はACNとは共重合しない非反応性分散剤が含まれる。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を含有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満のエチレン性不飽和モノマー(e)とは区別される。
分散剤(F)の具体例としては、〔1〕ポリオール(B)の水酸基の少なくとも一部を、メチレンジハライド及び/又はエチレンジハライドと反応させて高分子量化し、該反応物にさらにエチレン性不飽和基含有化合物を反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオール{特開平08−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの}等のマクロマータイプの分散剤;〔2〕ポリオール(B)との溶解度パラメーターの差が1.0以下の(B)親和性セグメント2個以上を側鎖とし、エチレン性不飽和化合物の重合体との溶解度パラメーターの差が2.0以下の重合体粒子(A)親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(特開平05−059134号公報等に記載のもの)等の、ポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの分散剤;〔3〕ポリオール(B)の水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライド及び/又はエチレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(特開平07−196749号公報等に記載のもの)等の高分子量ポリオールタイプの分散剤;〔4〕その少なくとも一部がポリオール(B)に可溶性である重量平均分子量(以下Mwと略記)[測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。]が1,000〜30,000のビニル系オリゴマー及びこのオリゴマーと前記〔3〕の高分子量化した変性ポリオールを反応させてなるエチレン性不飽和基含有変性ポリオールを併用する分散剤(特開平09−77968号公報等に記載のもの)等のオリゴマータイプの分散剤;〔5〕ポリオール(B)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤(特開2002−308920号公報(対応米国特許第6756414号)等に記載のもの)等の反応性分散剤等が挙げられる。
これらの中で重合体粒子(A)のメジアン径の観点から、〔5〕が好ましい。
分散剤(F)の使用量(重量%)は、ポリオール(B)の重量に基づいて、重合体粒子(A)の粒子径及びポリマーポリオール(D)の粘度の観点から、2〜15が好ましく、さらに好ましくは5〜10である。この範囲であると本発明のポリマーポリオールが得られやすい。
ラジカル重合においては、必要により希釈溶剤(G)を使用してもよい。(G)としては、芳香族炭化水素(C6〜10、例えばトルエン、キシレン);飽和脂肪族炭化水素(C5〜15、例えばヘキサン、ヘプタン、n−デカン);不飽和脂肪族炭化水素(C5〜30、例えばオクテン、ノネン、デセン);及びその他公知の溶剤(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)等が使用できる。これらのうちポリマーポリオールの粘度の観点から好ましいのは芳香族炭化水素溶剤である。
希釈溶剤(G)の使用量(重量%)は、エチレン性不飽和化合物(e)の合計重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度及びフォーム硬さの観点から、5〜50が好ましく、さらに好ましくは10〜40である。(G)は重合反応終了後にポリマーポリオール中に残存してもよいが、フォーム硬さの観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
また、ラジカル重合においては必要により連鎖移動剤(H)を使用してもよい。(H)としては脂肪族チオール(C1〜20、例えばn−ドデカンチオール、メルカプトエタノール)等種々の連鎖移動剤{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの}が使用できる。
連鎖移動剤(H)の使用量(重量%)は、エチレン性不飽和化合物(e)の合計重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度及び得られるフォーム硬さの観点から好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
重合工程としては、バッチ式及び連続式等といったポリマーポリオールを製造するための公知{特開2005−162791号公報、特開平8−333508号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの}の工程からなる製造方法で製造できる。
本発明のポリマーポリオールを得る工程として、バッチ式重合法及び連続重合法が好ましく、(D)の粘度の観点から、好ましくは多段連続重合法である。
多段連続重合法について、さらに詳しく説明する。
多段連続重合法は、下記の工程(1)及び工程(n)を含んでなる。
工程(1):ポリオール(B)中で、ラジカル重合開始剤(K)の存在下、必要により分散剤(F)、希釈溶剤(G)及び/又は連鎖移動剤(H)の存在下、エチレン性不飽和化合物(e)を重合させてポリマーポリオール中間体(E−1)を得る工程
工程(n):ポリマーポリオール中間体(E−[n−1])中で、(K)の存在下、必要により(F)、(G)及び/又は(H)の存在下、(e)を重合させて、ポリマーポリオール中間体(E−n)又はポリマーポリオール(A)を得る工程(nは2〜6の整数を表す。)
多段連続重合法では、上記工程(1)〜(n)のうち、連続する工程であって、少なくとも2つの工程を連続重合法で行う。
連続重合法とは、重合反応液の一部又は全部を次工程に連続的に送る形式の重合方法であり、管型反応装置を用いる連続重合法や、回分式反応装置を用いて反応液の一部を次の回分式反応装置に連続的に送る連続重合法が含まれる。
工程(1)において、(B)、(e)、(K)、(F)、(G)及び(H)の合計重量を基準とするエチレン性不飽和モノマー(e)の濃度(重量%)は、ポリマーポリオール中の(A)の粘度及びメジアン径の観点から、7〜40が好ましく、 さらに好ましくは8〜38、特に好ましくは9〜35である。(e)の濃度がこの範囲であると、フォーム物性とフォーム硬さが良好である。
工程(n)において、微粒子分散ポリオール中間体(E−[n−1])、(e)、(K)、(F)、(G)及び(H)の合計重量を基準とするエチレン性不飽和モノマー(e)の濃度(重量%)は、ポリマーポリオールの粘度及びメジアン径の観点から7〜40が好ましく、さらに好ましくは10〜38、特に好ましくは15〜35である。
なお、工程(n)の(e)の濃度は、(E−[n−1])に(E)が含まれる場合には、(E−[n−1])に含まれる(e)も合わせて濃度を算出するものとする。
また、工程(n)において、さらにポリオール(B)を添加してもよく、その場合には、添加した(B)も合わせて濃度を算出するものとする。
重合温度(℃)は、生産性及びポリオールの分解防止の観点から、100〜180が好ましく、さらに好ましくは110〜160、特に好ましくは120〜140である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1[ポリマーポリオール中間体(I−1)の製造]
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、ポリオール(B−1)[グリセリンにPOを付加した後、EOを付加して得られた、水酸基価=33、末端EO含量=14重量%のポリオール、酸化防止剤のBHTを含む]60部投入し、撹拌下130℃に昇温した。
ついで、別途、スチレンモノマー(St)3.0部、アクリロニトリル(ACN)7.0部、ポリオール(B−1)24部、ポリオール(B−2)[ペンタエリスリトールにPOを付加した後、EOを付加して得られた、水酸基価=32、末端EO含量=12重量%のポリオール、酸化防止剤のBHTを含む]6部及びラジカル重合開始剤(K−1)[和光純薬工業(株)製「V−59」(1,1’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)]1.0部で予め混合したモノマー含有混合液を、滴下ポンプを用いて1.0部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた。その後、25℃に冷却し、ポリマーポリオール中間体(E1−0)を得た。
連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し直列に配置する。1槽目及び2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(B−1)1600部、(B−2)400部を充液し、130℃に昇温した。ポリオール(B−1)361部、(B−2)90部、ポリマーポリオール中間体(E1−0)75部、St53部、ACN125部、及びラジカル重合開始剤(K−1)1.8部を混合した原料混合液を、90部/分の送液速度でスタティックミキサーを用いてラインブレンドさせながら1槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽から反応液(E1−1)をオーバーフローさせた。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた反応液(E1−1)は90部/分の送液速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。
1槽目から90部/分の送液速度でオーバーフローさせた反応液(E1−1)とポリオール(B−1)52部、(B−2)13部、ポリマーポリオール中間体(E1−0)75部、St53部、ACN125部、及びラジカル重合開始剤(K−1)1.8部を混合した原料混合液を、40部/分の送液速度でスタティックミキサーを用いてラインブレンドさせながら2槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせた反応液(E1−2)をSUS製の受け槽にストックした。SUS製の受け槽にストックした反応液(E1−2)から未反応モノマーを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール中間体(I−1)を得た。
製造例2[ポリマーポリオール中間体(I−2)の製造]
連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し直列に配置する。1槽目及び2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(B−1)2000部を充液し、130℃に昇温した。ポリオール(B−1)685部、ACN81部、及びラジカル重合開始剤(K−1)2.0部を混合した原料混合液を、90部/分の送液速度でスタティックミキサーを用いてラインブレンドさせながら1槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽から反応液(E2−1)をオーバーフローさせた。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた反応液(E2−1)は90部/分の送液速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。
1槽目から90部/分の送液速度でオーバーフローさせた反応液(E2−1)とポリオール(B−1)131部、ACN122部、及びラジカル重合開始剤(K−1)3.0部を混合した原料混合液を、30部/分の送液速度でスタティックミキサーを用いてラインブレンドさせながら2槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせた反応液(E2−2)をSUS製の受け槽にストックした。SUS製の受け槽にストックした反応液(E2−2)から未反応モノマーを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール中間体(I−2)を得た。
比較製造例1[ポリマーポリオール中間体(I’−1)の製造]
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、ポリオール(B−1)60部投入し、撹拌下130℃に昇温した。ついでSt7.0部、ACN3.0部、ポリオール(B−1)3024部、ポリオール(B−2)6部及びラジカル重合開始剤(K−1)1.0部で予め混合したモノマー含有混合液を、滴下ポンプを用いて1.0部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた。その後、25℃に冷却し、ポリマーポリオール中間体(E’1−0)を得た。
連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し直列に配置する。1槽目及び2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(B−1)1600部、(B−2)400部を充液し、130℃に昇温した。ポリオール(B−1)361部、(B−2)90部、ポリマーポリオール中間体(E’1−0)75部、St125部、ACN53部、及びラジカル重合開始剤(K−1)1.8部を混合した原料混合液を、90部/分の送液速度でスタティックミキサーを用いてラインブレンドさせながら1槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽から反応液(E’1−1)をオーバーフローさせた。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた反応液(E’1−1)は90部/分の送液速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。
1槽目から90部/分の送液速度でオーバーフローさせた反応液(E’1−1)とポリオール(B−1)52部、(B−2)13部、ポリマーポリオール中間体(E’1−0)75部、St125部、ACN53部、及びラジカル重合開始剤(K−1)1.8部を混合した原料混合液を、40部/分の送液速度でスタティックミキサーを用いてラインブレンドさせながら2槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせた反応液(E’1−2)をSUS製の受け槽にストックした。SUS製の受け槽にストックした反応液(E’1−2)から未反応モノマーを2,666〜3,999Pa(20〜30torr)で2時間、130〜140℃減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール中間体(I’−1)を得た。
使用したポリオール(B−1)と(B−2)には既に酸化防止剤のBHTが添加されているのでそれを原料として製造したポリマーポリオール中間体(I−1)、(I−2)、(I’−1)も酸化防止剤を含有している。
そこで(I−1)、(I−2)、(I’−1)中の酸化防止剤の含有量を、後述する液体クロマトグラフィーを使って分析した。その結果を表1に示す。
実施例1[ポリマーポリオール(D−1)の製造]
温度調節器、バキューム攪拌翼、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、ポリマーポリオール中間体(I−1)100部及び酸化防止剤(C−1)[本州化学工業(株)製「H−BHT」(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)]0.10部を仕込んだ後、温度90℃で1時間混合して、本発明のポリマーポリオール(D−1)を得た
実施例2[ポリマーポリオール(D−2)の製造]
実施例1において、(I−1)の代わりにポリマーポリオール中間体(I−2)を用い、酸化防止剤(C−1)の添加部数を0.05部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明のポリマーポリオール(D−2)を得た。
比較例1[ポリマーポリオール(D’−1)の製造]
実施例1において、酸化防止剤(C−1)を添加しない以外は、実施例1と同様な操作を行い、比較のためのポリマーポリオール(D’−1)を得た。
比較例2[ポリマーポリオール(D’−2)の製造]
実施例1において、酸化防止剤(C−1)の添加部数を0.02部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、比較のためのポリマーポリオール(D’−2)を得た。
比較例3[ポリマーポリオール(D’−3)の製造]
実施例1において、(I−1)の代わりにポリマーポリオール(I’−1)とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、比較のためのポリマーポリオール(D’−3)を得た。
実施例1〜2で作成した本発明のポリマーポリオール(D−1)〜(D−2)、および比較例1〜3で作成した比較のための(D’−1)〜(D’−3)について、(1)酸化防止剤の含有量、(2)アセトアルデヒド含有量、(3)異物の含有量を以下の方法で測定した。その結果を表2に示す。
<ポリマーポリオール中の酸化防止剤含有量>
UV検出器、データ処理装置付きの液体クロマトグラフィー測定器を使用し、溶離液にTHFを使用し流速0.7mL/分、サンプル注入量25μL、UV検出器波長275nm、カラム温度40℃およびGPCカラムで測定を行った。
検量線用溶液としては、THF溶液で酸化防止剤(C−1)をそれぞれ100、500、1,000および5,000ppmに調整した後、25mlメスフラスコにそれぞれ0.5g秤取りTHFでメスアップする。検量線溶液の液体クロマトグラフィー測定で得られたピーク面積と濃度から酸化防止剤の回帰式を求める。
サンプル溶液の調整は、遠沈管にサンプル約2.5g、メタノール約17.5gを採取し、分散させた後、遠心分離機にて遠心力3000Gで30分間遠心分離する。上澄み液を25mLメスフラスコに4.000g秤取りTHFでメスアップした後、調整したサンプル溶液を液体クロマトグラフィーで測定する
サンプル溶液の測定で得られたピーク面積と回帰式からサンプル溶液中の酸化防止剤量(μg)を求める。
サンプル溶液中の酸化防止剤量から以下の計算式でポリマーポリオール中の酸化防止剤量を求める。
ポリマーポリオール中の酸化防止剤量(重量%)
=[W×(X+Y)]/[X×Z]/10000
但し、W:回帰式から求めたサンプル溶液の酸化防止剤量(μg)、X:遠沈管へのサンプル採取量(g)、Y:遠沈管へのメタノール採取量(g)、Z:遠心分離後の上澄み液採取量(g)を表す。
<ポリマーポリオール中のアセトアルデヒド含有量>
UV検出器、データ処理装置付きの液体クロマトグラフィー測定器を使用し、溶離液にアセトニトリル/超純水=50/50(v/v)を使用し流速0.8mL/分、サンプル注入量20μL、UV検出器波長360nm、カラム温度40℃およびODSカラムで測定を行った。
検量線用溶液としては、和光純薬(株)製の2種アルデヒド−DNPH混合標準液(大気汚染物質測定(HPLC)用)(各0.1μgアルデヒド/μLアセトニトリル)をそれぞれ0.004、0.008、0.040、0.020および0.200ppmに調整した。 検量線溶液を液体クロマトグラフィー測定で得られたピーク面積と濃度からアセトアルデヒドの回帰式を求める。
サンプル溶液は、50mLメスフラスコにサンプル5.000gを秤取りアセトニトリルでメスアップし、分散させた後、遠心分離機にて遠心力3000Gで30分間遠心分離する。遠心分離後の上澄み液を5mLホールピペットで20mlメスフラスコに採取する。
次いで、50mLメスフラスコに、和光純薬(株)製 2、4-ジニトロフェニルヒドラジンを125mg採取し、関東化学(株)製 リン酸をメスピペットで1.5mL採取しアセトニトリルでメスアップした誘導体化試薬溶液を5mLホールピペットで採取し、上澄み液5mLを採取した20mLメスフラスコに加えて25±1℃で30分間静置する。30分後、アセトニトリルでメスアップした後、ろ過フィルター (PTFE w/GMFフィルター 0.2μm (WHATMAN製))でろ過した後、液体クロマトグラフィーで測定する。
サンプル溶液の測定で得られたピーク面積と回帰式からサンプル溶液中のアセトアルデヒド含量(μg)を求める。
サンプル溶液中のアセトアルデヒド濃度から以下の計算式でポリマーポリオール中のアセトアルデヒド含量を求める。
ポリマーポリオール中のアセトアルデヒド含量(ppm)=N×50×4÷M
但し、N:回帰式から求めたサンプル溶液のアセトアルデヒド濃度(ppm)、M:50mLメスフラスコへのサンプル採取量(g)を表す。
<ポリマーポリオール中の異物の含有量>
1000mLビーカーにサンプル約500gを採取し、メタノールを400mL加えて希釈溶解させる。事前に十分に乾燥させておいた106μm標準ふるいを精秤する。
希釈溶液全量を106μm標準ふるいでろ過する。ふるい上の残渣をメタノールで洗浄し、70℃の乾燥機で30分乾燥させた後、106μmふるいを精秤する。以下の計算式でポリマーポリオール中の異物量を求める。
ポリマーポリオール中の異物量(ppm)=(Q−P)×1,000,000÷O
但し、O:サンプル採取量(g)
P:ろ過前の106μm標準ふるいの重量(g)
Q:ろ過後の106μm標準ふるいの重量(g)を表す。
本発明の実施例1と2のポリマーポリオールは、ポリマーポリオール製造後に酸化防止剤を追加した結果0.03〜3重量%含有しているため、経時でのアセトアルデヒド含量の増加量が少なくなる。
一方、ポリマーポリオール製造後に酸化防止剤を後添加していない比較例1のポリマーポリオールは、実施例に比べて、アセトアルデヒド含量の経時での増加量が多くなる。さらに、少ししか追加添加していないため酸化防止剤の含有量が0.03重量%未満である比較例2のポリマーポリオールも、実施例に比べてアセトアルデヒド含量の経時での増加量が多くなる。一方、モノマー中のアクリロニトリル比率が40%未満である比較例3のポリマーポリオールは、実施例に比べて異物量が多かった。
本発明のポリマーポリオールは、経時でのアセトアルデヒド含量増加量の抑制が優れているため、ウレタンフォームの臭気低減として好適に使用できる。
さらに、自動車シートなどの用途として好適である。

Claims (3)

  1. エチレン性不飽和モノマー(e)を構成単量体とする重合体粒子(A)とポリオール(B)と酸化防止剤(C)とを含有するポリマーポリオールの製造方法であって、モノマー(e)中の40〜100重量%がアクリロニトリルであり、ポリマーポリオールの製造工程においてストリッピング工程の後に、ポリマーポリオールの重量に基づいて酸化防止剤(C)の含有量が0.03〜3重量%となるように前記酸化防止剤(C)を後添加する工程を有するポリマーポリオール(D)の製造方法
  2. 酸化防止剤(C)が、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を含んでなる請求項1に記載の製造方法。
  3. ポリオール(B)の水酸基当量が500〜4,000である請求項1又は2に記載の製造方法
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