JP6710053B2 - フレキシブルプリント基板およびフレキシブルプリント基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブルプリント基板およびフレキシブルプリント基板の製造方法に関する。
近年、多彩な動きをするロボットが登場する等、ロボットの発展が著しくなっている。また、人体や衣服に装着可能なウエアラブル電子機器も、様々な機器で開発、実用化が進んできている。これらのロボットやウエアラブル電子機器には、電力供給用や電気信号伝送用の電線が多数使用されているが、一般的に電線は銅線を芯とし、その外周を絶縁体で被覆した構造になっているため、電線自体に伸縮性はほとんどない。このため、たとえばロボット等においては、その関節の動き等を妨げないように、電線長に余裕を持たせる必要があり、このことが小型、軽量化等に向けた設計上、実用上の支障となる。
特に、最先端のヒューマノイド型ロボットや、人体に装着して筋力を補助するパワーアシスト装置等の用途においては、多自由度関節を経由して末端のモーターを動かすための電線や、末端に配置された各種センサーからの電気信号を伝送するための電線が多数配線されている。そして、多自由度関節におけるこれらの配線の自由度を高めるために、伸縮可能に構成された電線に対する要求が高まっている。
一方、近年、産業用ロボットとしてアームロボットが多く使用されている。この種のアームロボットでは、ロボットアームの先端側に取り付けられているエンドエフェクタ(人体で言うところの手に相当)やロボットアームの関節部の駆動方式によっては、ロボットアームの根本側から先端側へかけて、電気ケーブル以外に、空圧印加用のエアホースや油圧ホースを配線する必要が生じることがある。かかるケーブルやホース類を関節部に配線した場合、ケーブルの折れ曲がりや断線を生じるおそれがある。そのため、ケーブルやホース類をロボットアーム類の関節部よりも基端寄りの位置で一旦外側に出し、関節部の外側空間にケーブルを配置し、関節部よりも先端寄りとなる位置で再びアーム内に導入するといった配線手法が採用されている。しかしながら、ロボットアームの外側空間にケーブルを配置する手法では、ロボットアームの関節部周囲にケーブルを弛ませるための空間が必要になる。
また、たとえば特許文献1には、ロボットアームの関節部における関節回転中心位置に支持棒を設け、その支持棒にケーブルを巻回し、そのケーブルが予め巻かれた支持棒をロボットアームの内部に収納することで、ケーブルの折れ曲がりや断線を防止する構造が開示されている。しかしながら、支持棒を別途設けることによる重量増加による機能低下(動作速度・精度等)が生じるおそれがある。その機能低下を補うためにスペックの高いモーター等を用いたり、必要部材が増える場合もあるが、その場合には、製造コストが増加してしまう。さらにはケーブルの収納部の構造が複雑になるため、ロボットアーム組み立て時のケーブルの配線、メンテナンス等で分解し、ケーブルを取り出し、交換する際に非常に煩雑になるという問題がある。このことから、ロボットアームにおいても、このような問題を回避できる伸縮可能な電気伝送部材に対する要求が高まっている。
そのような電気伝送部材に対する要求に対応するものとしては、たとえば特許文献2や特許文献3に開示されているようなものがある。特許文献2および特許文献3では、右曲りと左曲りに湾曲した形状部分が交互に配置された、いわゆるプリーツ形状に成形加工された伸縮可能なフレキシブルプリント基板および成形方法が開示されている。上述の特許文献2、3で開示されているフレキシブルプリント基板は、基材フィルムとしてLCP(Liquid Crystal Polymer)等の熱可塑性樹脂を用いている。そして、この樹脂の軟化温度よりも数十℃〜100℃程度低い温度で、30分から60分加熱することで、成形型と略同形状となるように成形される。
なお、特許文献2および特許文献3の開示内容について述べると、特許文献2においては、先端に所望のRが形成された板状の複数の金型が設けられていて、フレキシブルプリント基板に一定のテンションを加えつつ、金型を移動させてフレキシブルプリント基板に押し当てることで、複数の湾曲部分がフレキシブル基板に形成された状態となる。その状態で、フレキシブルプリント基板を加熱することで、複数の湾曲部分を有するフレキシブルプリント基板を成形することができる。
また、特許文献3には、治具が備える複数のガイドピンには、所望のRが形成されていて、これらのガイドピンは、フレキシブルプリント基板が通せる間隔で配置されている。そして、フレキシブルプリント基板をガイドピンの間へ通し、さらに一定のテンションをフレキシブルプリント基板へ加え、フレキシブルプリント基板を加熱することで、複数の湾曲部分を有するフレキシブルプリント基板を成形することができる。
特開平8−57792号公報 特開2011−134884号公報 特開2011−233822号公報
ところで、特許文献2や特許文献3に開示されている構成では、LCPを材質とするプリーツ形状のフレキシブルプリント基板は、立体的に形成されている。したがって、成形後の実装は難しいので、フレキシブルプリント基板の先端が差し込み式の端子部になるケースが多い。このような差し込み式の端子部を先端に形成するためには、受け側のコネクタの開口部分の大きさに合わせて、一般に200〜300μmの厚みが必要となっている。そのため、補強フィルムをLCPの基材フィルムに貼り付ける必要がある。なお、補強フィルムは、接着材にポリイミドフィルムやPET(Polyethylene Terephthalate)フィルムを貼り合わせた材料となっている。
また、伸縮特性を保持した状態で電気的なノイズ対策を行うために、LCPを材質とする基材(絶縁層)や、LCPを材質とするカバーレイに対して、フレキシブルプリント基板用のシールドフィルムを貼り合わせるケースもある。ここで、LCPを材質とする基材やカバーレイの表面は、光沢性を有しているが、そのような表面に補強フィルムやシールドフィルムを貼り付ける場合、密着性が悪いという問題がある。そのため、光沢性を有するLCPの基材やカバーレイの表面に対しても、接着性を有する材料を接着材として用いることも考えられるが、そのような材料は、高周波用の特殊な材料であるので高価となっている。また、一般に各種の材料は、代替材料を有することが種々の面で好ましいが、シールドフィルムの等方性導電性接着材は代替材料がない、という問題もある。
また、LCPを材質とする基材と、その基材の片面に銅箔層が設けられている片面基材に、同じくLCPを材質とするカバーレイをラミネートする場合、片面基材を構成する基材の表面は非常に平滑であることから、下熱盤への貼り付きが生じ易い。したがって、貼り付いた基材を剥がす等の手間を要し、効率良く生産することが困難となっている。これとは対照的に、ポリイミドフィルムを基材とする片面基材では、その表面に滑材と呼ばれるシリカフィラー等で、微小な凹凸が形成されているので、そのような貼り付きが生じ難い。したがって、上述のような下熱盤への貼り付きは、LCPを材質とする基材に、特有の現象となっている。
このような下熱盤への貼り付きを防止するために、下熱盤の表面に別のシート材料を配置することも考えられる。しかし、ラミネートは、温度と圧力を加える工程であることから、フレキシブルプリント基板の表面に、シート材料の表面形状が転写されてしまう虞がある。したがって、シート材料の表面も十分な平滑性を有している必要があり、その分だけ、コストが増加してしまう。また、上述のようなシート材料が介在すると、その分だけ、熱伝導性が低下してしまう。したがって、ラミネートにおける工程時間が長くなってしまう、という問題もある。
以上のように、補強フィルムやシールドフィルムに対しては、LCPを材質とする基材の接着性が良好でありながらも、平滑面を有する熱盤に対しては貼り付きを防止できるという、相反する課題を解決することが求められている。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、平滑面を有する熱盤に対して、液晶ポリマーを材質とする基材の貼り付きを防止することと、補強フィルムとシールドフィルムのうちの少なくとも一方に対しては、特殊な接着剤を用いなくても液晶ポリマーを材質とする基材の接着性が良好とすることのうち、少なくとも1つを達成することが可能なフレキシブルプリント基板、およびフレキシブルプリント基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、可撓性を備えるフレキシブルプリント基板であって、フィルム状の片面基材に設けられ、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第1絶縁層と、フィルム状の片面基材に設けられ、第1絶縁層の表面に形成されると共に、複数の配線を備える配線層と、カバーレイに設けられ、第1絶縁層とは反対側で配線層を覆うように配置されると共に、熱可塑性樹脂から形成された第2絶縁層と、配線層と第2絶縁層の間に介在して両者を接着し、配線の間に充填されて当該配線層を覆う第1接着層と、第1絶縁層のうち配線層とは反対側の面に設けられ、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第1粗面部と、を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板が提供される。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、第1絶縁層の端部側には、端子部が設けられていて、端子部は、配線層とは反対側で第1絶縁層と配線層の厚みを補完すると共に樹脂を材質とする補強層と、第1粗面部に密着して当該第1粗面部に対して補強層を接着する第2接着層と、を備える、ことが好ましい。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、第2絶縁層は、液晶ポリマーを材質として形成されていて、第2絶縁層のうち配線層とは反対側の面には、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第2粗面部が設けられていると共に、第2粗面部には、電磁波の遮蔽性を備える金属薄膜層を備えるシールド層が接着されている、ことが好ましい。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、端子部に連続する基板本体部には、少なくとも1箇所に湾曲している湾曲部が設けられている、ことが好ましい。
また、本発明の第2の観点によると、可撓性を備えるフレキシブルプリント基板であって、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第1絶縁層と、第1絶縁層の表面に形成されると共に、複数の配線を備える配線層と、第1絶縁層とは反対側で配線層を覆うように配置されると共に、液晶ポリマーを材質として形成される第2絶縁層と、配線層と第2絶縁層の間に介在して両者を接着し、配線の間に充填されて当該配線層を覆う第1接着層と、第2絶縁層のうち配線層とは反対側の面に設けられ、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第2粗面部と、第2粗面部を介して第2絶縁層と接着されると共に、電磁波の遮蔽性を備える金属薄膜層を備えるシールド層と、を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板が提供される。
また、本発明の第3の観点によると、可撓性を備えるフレキシブルプリント基板の製造方法であって、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第1絶縁層の表側に金属箔層が形成されている片面基材のうち、金属箔層とは反対側の第1絶縁層の裏面側に、粗面化処理を施して、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第1粗面部を形成する第1工程と、第1工程に前後して、金属箔層に対してパターニングを行うことで、複数の配線を備えると共に所望のパターン形状を有する配線層を形成する第2工程と、熱可塑性樹脂から形成された第2絶縁層と、その第2絶縁層に積層された第1接着層とを備えるカバーレイを配線層上に位置させて、当該カバーレイを加熱および加圧することで、第1接着層を配線の間に充填させつつ配線層と第1接着層とを接着する第3工程と、を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法が提供される。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、樹脂を材質とすると共に配線層の厚みを補完する補強層と、その補強層に積層された第2接着層とを備える補強フィルムを、第1絶縁層の第1粗面部のうち端部側に密着させて補強フィルムを加熱および加圧することで、第2接着層を第1粗面部に接着する第4工程を備える、ことが好ましい。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、第2絶縁層は、液晶ポリマーを材質として形成されていて、第1工程では、第2絶縁層のうち配線層とは反対側の表面側に、粗面化処理を施して、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第2粗面部を形成すると共に、電磁波の遮蔽性を備える金属薄膜層を備えるシールドフィルムを、第2粗面部に密着させて、当該シールドフィルムを加熱および加圧して、当該シールドフィルムを第2粗面部に接着することでシールド層を形成する第5工程を備える、ことが好ましい。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、少なくとも第3工程を経て形成された加熱成形前のフレキシブルプリント基板に対し、少なくとも1つの部位を湾曲させた状態で加熱成形を行い、その加熱成形の後に、湾曲部を形成する第6工程を備える、ことが好ましい。
また、本発明の第4の観点によると、可撓性を備えるフレキシブルプリント基板の製造方法であって、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第2絶縁層と、その第2絶縁層に積層された第1接着層とを備えるカバーレイのうち、第1接着層とは反対側の第2絶縁層の表面側に、粗面化処理を施して、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第2粗面部を形成する第1工程と、第1工程に前後して、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第1絶縁層の表側に金属箔層が形成されている片面基材のうち、金属箔層に対してパターニングを行うことで、複数の配線を備えると共に所望のパターン形状を有する配線層を形成する第2工程と、カバーレイを配線層上に位置させて、当該カバーレイを加熱および加圧することで、第1接着層を配線の間に充填させつつ配線層と第1接着層とを接着する第3工程と、電磁波の遮蔽性を備える金属薄膜層を備えるシールドフィルムを、第2粗面部に密着させて、当該シールドフィルムを加熱および加圧して、当該シールドフィルムを第2粗面部に接着することでシールド層を形成する第5工程と、を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法が提供される。
本発明によると、平滑面を有する熱盤に対して、液晶ポリマーを材質とする基材の貼り付きを防止することと、補強フィルムとシールドフィルムのうちの少なくとも一方に対しては、特殊な接着剤を用いなくても液晶ポリマーを材質とする基材の接着性が良好とすることのうち、少なくとも1つを達成可能となる。
本発明の一実施の形態に係り、成形後のフレキシブルプリント基板の構成の一例を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係り、成形後または成形前のフレキシブルプリント基板の構成の一例を示す部分的な側断面図である。 成形後のフレキシブルプリント基板または成形前のフレキシブルプリント基板の構成の一例を示す正面断面図であり、図1のA−A線に沿って切断した状態を示す図である。 成形後のフレキシブルプリント基板または成形前のフレキシブルプリント基板の構成の一例を示す正面断面図であり、図1のB−B線に沿って切断した状態を示す図である。 第1工程に係り、エンボス加工のイメージを示す図である。 第2工程に係り、配線層を有する片面基材を形成した状態を示す側断面図である。 第3工程に係り、カバーレイを片面基材にラミネートするイメージを示す図であり、(a)は、ラミネート前の片面基材とカバーレイの構成を示し、(b)は、ラミネート装置を用いてラミネートする様子を示す図である。 第4工程および第5工程に係り、中間生成物に対して補強フィルムおよびシールドフィルムを貼り合わせるイメージを示す斜視図である。 第4工程および第5工程に係り、中間生成物に対して補強フィルムおよびシールドフィルムを貼り合わせるイメージを示す正面断面図である。 第4工程および第5工程に係り、中間生成物に対して補強フィルムおよびシールドフィルムを貼り合わせた後のイメージを示す正面断面図である。 第6工程に係り、治具に成形前のフレキシブルプリント基板をセットした状態を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態に係るフレキシブルプリント基板10A,10Bについて、以下に説明する。以下の説明においては、XYZ直交座標系を用いて説明することがある。そのうち、X方向はフレキシブルプリント基板10A,10Bの長手方向とし、X1側は図1の右側、X2側は左側とする。また、Y方向はフレキシブルプリント基板10A,10Bの幅方向とし、Y1側は図1における紙面左手前側、Y2側は紙面右奥側とする。また、Z方向はフレキシブルプリント基板10A,10Bの厚み方向とし、Z1は図2における紙面奥側、Z2は紙面手前側とする。
<フレキシブルプリント基板の構成について>
図1は、成形後のフレキシブルプリント基板10Aの構成の一例を示す斜視図である。図2は、成形後または成形前のフレキシブルプリント基板10A,10Bの構成の一例を示す側断面図であり、途中を省略して示している。図3は、成形後のフレキシブルプリント基板10Aまたは成形前のフレキシブルプリント基板10Bの構成の一例を示す正面断面図であり、図1のA−A線に沿って切断した状態を示す図である。また、図4は、成形後のフレキシブルプリント基板10Aまたは成形前のフレキシブルプリント基板10Bの構成の一例を示す正面断面図であり、図1のB−B線に沿って切断した状態を示す図である。
図1に示すように、成形後のフレキシブルプリント基板10Aには、基板本体部11と、端子部12とが設けられている。基板本体部11には、複数の湾曲部13が設けられていて、その湾曲部13が描くカーブの向きが交互に切り替わるように設けられている。したがって、成形後のフレキシブルプリント基板10Aは、プリーツ状(蛇腹状)に形成されている。また、フレキシブルプリント基板10Aには、端子部12も設けられている。端子部12は、導電部分が表面に露出していると共に、外部のコネクタの開口部分に差し込まれる部分である。以下、フレキシブルプリント基板10Aの構成の詳細について説明する。
図2から図4に示すように、フレキシブルプリント基板10Aは、絶縁層21と、配線層22と、接着層31と、カバー層32と、接着層41と、補強層42と、シールド層51とを備えている。これらのうち、基板本体部11は、絶縁層21と、配線層22と、接着層31と、カバー層32とを備えている。また、端子部12は、絶縁層21と、配線層22と、シールド層51とを備えている。
上述の各構成のうち、絶縁層21と配線層22とは、後述する片面基材20を構成する部分であり、基板本体部11と端子部12の両方に存在する部分である。絶縁層21は、たとえば厚さが50μmのフィルム状の液晶ポリマー(LCP;Liquid Crystal Polymer)を材質とする部分である。なお、絶縁層21は、第1絶縁層に対応する。このLCPには、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体から構成されるタイプ、フェノールおよびフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体から構成されるタイプ、および2,6−ヒドロキシナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体から構成されるタイプがあるが、いずれのタイプであっても良い。
また、配線層22は、絶縁層21の表面側(Z1側の面側)に設けられているが、この配線層22は、たとえば12μmといった所定の厚みの銅箔層を所望のパターン形状にパターニングして、複数の銅配線221(配線に対応)を有するように形成されている。
ここで、絶縁層21の裏面側(Z2側の面側)には、粗面部211(第1粗面部に対応)が設けられている。粗面部211は、絶縁層21の裏面側に対して、所定の加工または処理を施すことで、絶縁層21の表面側よりも粗面化された部分である。かかる粗面部211は、後述する下熱盤160(図7(b)参照)への貼り付きの防止を図るものであり、また上述した補強フィルム40を貼り付ける際に、その密着性を高めるための部分である。
このような粗面部211の粗面度としては、下熱盤160への貼り付きの防止、および補強フィルム40の密着性の向上のうちの少なくとも1つを達成することが求められ、これらの1つを達成できるものであれば、どのような粗面度であっても良い。なお、下熱盤160への貼り付きの防止と、補強フィルム40の密着性の向上の両方を達成する場合、粗面部211の粗面度は、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内であることが好適である。その中でも、十点平均粗さRzが1.8μmから3.2μmの範囲内であれば、剥離強度が一層高められることが確認されている(後述)。
また、接着層31とカバー層32とは、後述するカバーレイ30から形成されている部分であり、端子部12には存在しないものの、基板本体部11に存在する部分である。これらのうち、接着層31は、配線層22を覆うように設けられていて、この接着層31を介してカバー層32が接着されている。なお、接着層31は、第1接着層に対応する。この接着層31は、たとえばエポキシ系の接着材が挙げられるが、接着性が良好であれば、その他の材質から構成される接着材を用いても良い。また、接着層31の厚みは、たとえば15μmに設けられているが、どのような厚みであっても良い。
また、接着層31は、後に成形する際の妨げとならないように、低弾性のものが好ましい。具体的には、液晶ポリマー(LCP)フィルムの弾性係数が、3〜4GPaであるので、この弾性係数の半分以下(弾性係数が最大値の4GPaの場合には2GPa以下)の弾性係数の接着材を接着層31に適用することで、成形性への影響が及ぼされない状態で、貼り合わせることが可能である。また、後述するように、成形前のフレキシブルプリント基板10Bを成形する場合には、温度が200℃程度で30分程度加熱する。そのため、上記のような熱履歴で、接着性や電気絶縁特性が著しく劣化しないものが好適である。
また、カバー層32は、第2絶縁層に対応している。このカバー層32は、絶縁層21と同様に、たとえば厚さが50μmのフィルム状のLCP(Liquid Crystal Polymer)を材質とする部分である。なお、カバー層32は、絶縁層21と同じタイプのLCPから構成されていても良く、異なるタイプのLCPから構成されていても良い。
ここで、カバー層32の表面側(Z1側の面側)にも、粗面部211と同様の粗面部321が設けられている。粗面部321は、カバー層32の表面側に対して、絶縁層21と同様に所定の加工または処理を施すことで、粗面化された部分である。かかる粗面部321は、シールド層51との密着性を高めるための部分である。かかる粗面部321の粗面度としては、上述した粗面部211の粗面度と同様である。すなわち、シールド層51の密着性の向上を達成できるものであれば、どのような粗面度であっても良い。なお、粗面部321の粗面度は、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内であることが好適である。その中でも、十点平均粗さRzが1.8μmから3.2μmの範囲内であれば、剥離強度が一層高められることが確認されている(後述)。
また、接着層41と補強層42とは、後述する補強フィルム40から形成されている部分であり、フレキシブルプリント基板10Aの端子部12に存在する部分である。これらのうち、接着層41は、絶縁層21の粗面部211に接着される部分であり、この接着層41を介して補強層42が接着されている。なお、接着層41は、第2接着層に対応する。この接着層41の材質は、上述した接着層31と同様の材質であっても良いが、別途の材質であっても良い。また、補強層42は、ポリイミドやPET(Polyethylene Terephthalate)を材質とする、所定の厚みのフィルム状の部材から形成されている。
ここで、端子部12は、上述のように、外部のコネクタの開口部分に差し込まれる部分であるので、一般的には、200μm〜300μmといった所定の厚みが必要である。したがって、接着層41と補強層42(これらの中で、特に補強層42)は、絶縁層21と配線層22の厚みを補完するような大きな厚みを有している。
なお、接着層41の厚みは、上述の接着層31と同様に、たとえば15μmとするものがある。また、図3に示すように、端子部12における、それぞれの銅配線221の表面には、めっき処理等によって、導電被膜61が形成されているのが通常である。この導電被膜61の厚みは、たとえば12μmとするものがあるが、いかなる厚みであっても良い。したがって、補強層42の厚みは、上述の200μm〜300μmから、絶縁層21、配線層22、導電被膜61および接着層41の厚みを減じた程度となっており、端子部12において最も厚みの大きな部分となっている。
また、シールド層51は、基板本体部11に存在する部分である。シールド層51は、外部からのノイズが、内部の信号ラインに侵入するのを防いだり、内部の信号ラインにおけるノイズが外部に放出されるのを防止する部分である。このシールド層51を構成するためのシールドフィルム50としては、薄膜導電性フィルムを用いることができる。かかる薄膜導電性フィルムは、金属薄膜層の一方の面側を、たとえばPETやポリイミド等の電気的な絶縁性を有する保護層等で覆いつつ、他方の面側を導電性接着剤層で覆ったものが挙げられる。なお、金属薄膜層は、金属が薄膜状に形成された部分であり、その厚みは、たとえば0.1μm等のように非常に薄く設けられている。なお、金属薄膜層の厚みは、0.1μmに限られるものではなく、電磁波のシールド性を維持しつつも、可撓性を損なわない範囲で、種々の厚みのものを用いることができるが、実用的には、たとえば0.05μm〜2μmの範囲で適宜選択することができる。
このような薄さの金属薄膜層は、一般的には、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法のような物理的気相成長法(PVD)、または化学的気相成長法(CVD)等のような蒸着によって形成される。なお、導電性フィルムの全体的な厚みは、たとえば5〜20μm等のような厚みに設けられている。金属薄膜層を構成する金属材質としては、たとえば銀、アルミニウム、銅、金、ニッケル、クロム、亜鉛等の各種の金属材質を用いることができる。その中でも、安価であるアルミニウムや、信頼性の高い銀を用いて金属薄膜層を形成することが好ましい。
また、薄膜導電性フィルムの導電性接着剤層としては、等方導電性接着剤層を用いることができるが、異方導電性接着剤層を用いても良い。異方導電性接着剤層は、上述したような導電性を備える導電性フィラーが樹脂を材質とする接着剤の内部に分散され、加圧することで導電性フィラー同士が接触することで、加圧方向への導電性を発現させるものである。しかしながら、加圧せずに、導電性フィラー同士が自己凝縮する等によって、異方導電性を備える構成であっても良い。また、異方導電性接着剤層の接着剤としては、上述したような導電性ペーストと同様の材質から形成される接着剤層であっても良い。
このような薄膜導電性フィルムとしては、たとえば、タツタ電線株式会社製のSF−PCシリーズが挙げられるが、電磁的なノイズをシールド可能であれば、その他の構成を有するものを用いても良い。
<フレキシブルプリント基板10Aの製造方法について>
続いて、上述したような構成のフレキシブルプリント基板10Aの製造方法について、以下に説明する。なお、以下の説明においては、第1工程から第6工程について順次記載するが、これら以外の種々の工程が存在していても良いのは勿論である。
(1)第1工程:粗面部211および粗面部321の形成
図5は、第1工程に係り、エンボス加工のイメージを示す図である。粗面部211および粗面部321を形成する場合、一般的には、図5に示すようなエンボス加工装置100を用いることができる。このエンボス加工装置100は、加熱ヒータ110と、エンボスロール120と、従動ロール130とを備えている。加熱ヒータ110は、たとえば遠赤ヒータ、近赤ヒータ、セラミックヒータ等のヒータを用いて、凹凸のない片面銅張積層板20Sや、凹凸のないカバーレイフィルム30Sを加熱する部分である。そして、片面銅張積層板20Sやカバーレイフィルム30Sを軟化点温度以上に上昇させる。
加熱ヒータ110にて加熱された後に、片面銅張積層板20Sやカバーレイフィルム30Sは、エンボスロール120と従動ロール130の間に送られる。エンボスロール120は、表面に微小な凹凸を有するエンボス面121が設けられているローラである。エンボス面121における凹凸は、片面銅張積層板20Sやカバーレイフィルム30Sの表面に転写されるものである。また、従動ロール130は、エンボスロール120と近接対向するローラであり、エンボスロール120との間に送られてきた片面銅張積層板20Sやカバーレイフィルム30Sを所定の加圧力で加圧可能としている。
このような構成のエンボス加工装置100により、軟化点以上に加熱された片面銅張積層板20Sの絶縁層21やカバーレイフィルム30Sのカバー層32が、エンボスロール120と従動ロール130との間で加圧されることで、絶縁層21やカバー層32には、所望の粗面度となる粗面部211または粗面部321が形成される。
なお、粗面部211および粗面部321を形成する手法は、エンボス加工に限られるものではない。たとえば、絶縁層21やカバー層32の裏面側に、上述した粗面度に対応する粗面度を有する銅箔をラミネートし、その銅箔をエッチング等で除去することで、絶縁層21やカバー層32の裏面側に銅箔のレプリカ(銅箔の表面粗さが絶縁層に転写された凹凸)を転写しても良い。また、エンボス加工装置100は、上述した構成に限られるものではなく、たとえばローラを用いずに、上述したエンボス面121と同様のエンボス面を有する平板状の金型を用いて、加圧および加熱する構成としても良い。
(2)第2工程:回路パターン形状を有する配線層22の形成
図6は、配線層22を有する片面基材20を形成した状態を示す側断面図である。図6に示すように、上述した第1の工程の後に、所望の回路パターン形状を有する配線層22を形成する。かかる配線層22を形成する場合、エッチング等の通常のフォトファブリケーション手法を用いて形成する。それにより、図6に示すような複数の銅配線221を有する配線層22が存在する、片面基材20が形成される。
なお、本実施の形態におけるフレキシブルプリント基板10Aは、片面基材20が所定の長さにカットされた状態で、エッチングされるものとしても良く、エッチングを行った後に、所定の長さにカットするものとしても良い。なお、第2工程は、第1工程の後に行っても良いが、第1工程の先に行っても良い。
(3)第3工程:カバーレイ30のラミネート
図7は、カバーレイ30を片面基材20にラミネートするイメージを示す図である。なお、図7(a)は、ラミネート前の片面基材20とカバーレイ30の構成を示し、図7(b)は、ラミネート装置150を用いてラミネートする様子を示す図である。図7(a)に示すように、片面基材20の表面側(Z1側の面側)にカバーレイ30を位置させる。そして、所定の位置合わせを行った後に、ラミネート装置150を用いて、片面基材20にカバーレイ30を貼り合わせる。
ここで、ラミネート装置150は、下熱盤160と、上熱盤170とを備え、また不図示のプレス機構および加熱機構も備えている。そのため、下熱盤160に片面基材20の裏面側(Z2側の面側;粗面部211側)を載置し、配線層22を覆うようにカバーレイ30の接着層31を位置させて、ラミネート後に配線層22の銅配線221の間に、接着層31の接着材成分が充填されるようにする。さらに、カバーレイ30の上部に、高融点ポリオレフィンやフッ素樹脂等のような樹脂系のクッション材180等を配置する。
その状態で、下熱盤160と上熱盤170の間で、片面基材20とカバーレイ30とを加圧および加熱することで、ラミネートを行う。この加圧の圧力は、たとえば1〜4MPaとするものがあり、また加熱温度は、たとえば、130〜180℃とするものがある。この加圧および加熱では、粗面部211が下熱盤160に直接接触するが、これらの間では、貼り付きが生じるのが防止可能となり、それによって生産性の高いラミネート工程を実現可能となっている。なお、貼り付け後の生成物を、中間生成物C1とする。
なお、ラミネート後には、必要に応じて、片面基材20のうちカバーレイ30で覆われていない箇所(たとえば端子部12等)に、無電解金めっき等の表面処理を行う。この処理では、端子部12のそれぞれの銅配線221に導電被膜61が形成される。
(4)第4工程および第5工程:補強フィルム40およびシールドフィルム50の貼り合わせ
図8は、第4工程および第5工程に係り、中間生成物C1に対して補強フィルム40およびシールドフィルム50を貼り合わせるイメージを示す斜視図である。図9は、第4工程および第5工程に係り、中間生成物C1に対して補強フィルム40およびシールドフィルム50を貼り合わせるイメージを示す正面断面図である。図10は、第4工程および第5工程に係り、中間生成物C1に対して補強フィルム40およびシールドフィルム50を貼り合わせた後のイメージを示す正面断面図である。
なお、図9および図10における左側と右側では、異なる部位における断面形状を示しており、左側は端子部12側、右側は基板本体部11側での断面形状を示している。また、説明の便宜上、第4工程を補強フィルム40の貼り合わせとし、第5工程をシールドフィルム50の貼り合わせとするが、第4工程を第5工程よりも先に行っても良く、第5工程を第4工程よりも先に行っても良い。
図8および図9に示すように、中間生成物C1に対し、補強フィルム40およびシールドフィルム50を貼り合わせる。補強フィルム40は、端子部12に貼り付けられるが、この貼付部位(端子部12の位置)は、後に蛇腹状に成形する際の妨げとならない部分となっている。また、シールドフィルム50は、カバー層32の上部に位置させて貼り合わせを行う。
これら補強フィルム40とシールドフィルム50の貼り合わせを行う場合、第3工程で用いたのと同様のラミネート装置150が、それぞれの貼り合わせにおいて用いられる。この貼り合わせにおいては、絶縁層21の裏面側(Z2側の面側)に粗面部211が設けられているので、補強フィルム40の接着層41との間の密着性を向上させることが可能となる。また、粗面部211が存在することにより、補強フィルム40が位置しない部位において、下熱盤160に絶縁層21が貼り付くのを防止可能となる。また、カバー層32の表面側(Z1側の面側)に、粗面部321が設けられているので、シールドフィルム50との間の密着性を向上させることが可能となる。
以上のような貼り合わせを行う場合、補強フィルム40からは接着層41と補強層42が形成され、またシールドフィルム50からはシールド層51が形成されることになる。
なお、かかる貼り付けを行った後に、必要に応じて、所望の外形形状となるように、金型等を用いて加工する。このような外形の加工を行う場合でも、接着層41やシールド層51の密着性が向上したことにより、これらの端部が絶縁層21やカバー層32から剥離するのを防止しつつ、後の工程を実行することが可能となる。なお、上述した貼り付けを行うと、成形前の状態のフレキシブルプリント基板10Bが形成される。
(5)第6工程:フレキシブルプリント基板10Bの加熱成形
図11は、第6工程に係り、治具400に成形前のフレキシブルプリント基板10Bをセットした状態を示す図である。図11に示すように、治具400には、成形前のフレキシブルプリント基板10Bが位置合わせされた状態でセットされる。この治具400は、たとえばSUS304等のような金属から形成されている。治具400には、先端固定部材410が設けられている。先端固定部材410には、フレキシブルプリント基板10Bの先端側を載置する先端受部411が設けられていると共に、図示を省略するフレキシブルプリント基板10Bの先端側の孔部に差し込まれる掛止ピン412が設けられている。
かかる掛止ピン412に、フレキシブルプリント基板10Bの先端側の孔部を差し込み、その状態で、治具400の所定位置に配置された治具ピン420に沿うようにフレキシブルプリント基板10Bを蛇行させつつ、治具400へのフレキシブルプリント基板10Bのセットを完了する。そのセットの後に、フレキシブルプリント基板10Bの後端側に一定のテンションを加える。その状態で、熱可塑性であるLCP材料を含むフレキシブルプリント基板10Bを、オーブン等で加熱することにより、図1に示すような複数の湾曲部13を有することでプリーツ状(蛇腹状)となるフレキシブルプリント基板10Aが形成される。
ここで、オーブン等での加熱成形は、たとえば200℃で、30分加熱することにより行う。このようにして加熱成形する場合、フレキシブルプリント基板10Bのセット位置、治具400へのセット時のテンションが安定している状態で加熱成形される。そのため、成形後のフレキシブルプリント基板10Aにおいては、製品形状が安定しており、狙い通りの位置に、湾曲部13が存在する状態となる。
なお、図1に示すように、フレキシブルプリント基板10Aは、細長い形状に設けられている。本実施の形態では、成形前のフレキシブルプリント基板10Bは、その長さ(X方向の寸法)が、たとえば300mmとなっている。一方、成形後のフレキシブルプリント基板10Aにおいて、湾曲部13の半径が4mmとなるようにプリーツ状(蛇腹状)に成形すると、長さがたとえば約150mmとなっている。しかしながら、寸法例は、これに限られるものではなく、種々の寸法に設定することが可能である(その他の寸法例においても同様)。
また、この成形の後に、必要に応じて、成形後のフレキシブルプリント基板10Aのうち、先端固定部材410等で位置決めされる先端側等の不要な部分をカットして、最終製品が完成する。かかる不要部分をカットする方法としては、フレキシブルプリント基板10Aのうち、掛止ピン412が差し込まれる孔部を流用し、始点側の位置決めを行い、反対側は突き当て等で位置決めする。そして、ピナクルや金型等のカット治具を用いてカットすることが可能である。しかしながら、不要部分のカットは、上述した手法以外の手法を用いても良い。そのような手法としては、たとえばレーザを用いたレーザカットや、ルータビットを用いたルータカット等が挙げられる。
なお、カバーレイ30側にシールド層51等を貼り合わせずに、片面基材20の絶縁層21の裏面側(Z2側の面側)に補強フィルム40を貼り付ける場合、粗面部321は形成せずに粗面部211のみを形成するようにしても良い。この場合、粗面部211が存在することで、補強フィルム40との間の密着性は確保できると共に、ラミネート装置150でカバーレイ30をラミネートしたり補強フィルム40を貼り合わせる際に、ラミネート装置150の下熱盤160に、絶縁層21が貼り付くのを防止可能となる。
以上のようにして、図1に示すようなフレキシブルプリント基板10Aが形成される。
<実験結果について>
次に、本実施の形態に関する実験結果について説明する。まず、LCPフィルムの表面の粗面度と、補強フィルムの貼り付きの関係について行った実験結果を表1に示す。この実験におけるLCPフィルムとしては、クラレ社製のLCPフィルムCT−Zを用い、その厚みは、50μmである。また、補強フィルムとしては、接着層としてニッカン工業社製ニカフレックスSAFWを用い、その厚みは、40μmであり、絶縁層としてポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製 カプトン200H/V)を用い、その厚みは50μmである。また、ラミネート装置150と同様の装置を用いて、LCPフィルムと補強フィルムの熱プレスを行った。また、LCPフィルムおよび補強フィルムに対する加圧力は2MPaとし、加熱温度は140℃として、2分間加熱および加圧した。
また、LCPフィルムの表面の凹凸の形成については、既に十点平均粗さRzが既知となっている面を有する銅箔を、LCPフィルムに熱プレスし、その後に銅箔をエッチングで除去することによって形成した。そのため、本実験では、銅箔の転写面の十点平均粗さRzが、LCPフィルムの表面の十点平均粗さRzとなっている。また、ISO29862(粘着テープの剥離90°剥離試験)に準拠してピール強度を測定することで、LCPフィルムの貼り付き具合を測定することとし、そのピール強度の測定は、島津製作所社製の万能試験機AGS−Xという測定装置を用いた。
表1の結果から分かるように、十点平均粗さRzが1μm以上の場合に、ピール強度が0.8kN/m以上となり、基準となるピール強度の0.8kN/mをクリアしている。なお、十点平均粗さRzが5μmを超える場合でも、ピール強度は基準となるピール強度を十分にクリアした高い値を得られるが、粗面度を原因としてLCPフィルムの厚みにバラつき(膜厚バラつき)が生じたり、そのような粗面度への接着材の充填についての考慮も必要となる。したがって、十点平均粗さRzは、1μm〜5μmの範囲であることが好ましい。
なお、表1の結果から、十点平均粗さRzが、1.8μm〜3.2μmの範囲となる場合には、ピール強度が1.0kN/mを超え、より剥がれ難い状態となるので、一層好ましい。
続いて、LCPフィルムの表面の粗面度と、熱盤(下熱盤)への貼り付きの関係について行った実験結果について表2に示す。この実験におけるLCPフィルムとしては、クラレ社製のLCPフィルムCT−Zを用い、その厚みは、50μmである。また、ラミネート装置150のLCPフィルムが貼り付く部位(下熱盤160)の表面の粗面度Rzは2μmである。また、LCPフィルムの表面の凹凸の形成については、表1における実験と同様の手法を用いた。また、LCPフィルムに対する加圧力は2MPaとし、加熱温度は160℃として、2分間加熱および加圧した。
上述の実験結果から、十点平均粗さRzが1μm〜3μmの場合には、下熱盤160への貼り付きが生じないことが確認された。なお、十点平均粗さRzが5μmを超える場合には、表1において説明したように、ピール強度は基準となるピール強度を十分にクリアした高い値を得られるが、粗面度を原因としてLCPフィルムの厚みにバラつき(膜厚バラつき)が生じたり、そのような粗面度への接着材の充填についての考慮も必要となる。したがって、十点平均粗さRzは、1μm〜5μmの範囲であることが好ましい。
なお、表1と表2の両方の結果を踏まえると、十点平均粗さRzが、1.8μm〜3.2μmの範囲となる場合には、ピール強度が1.0kN/mを超えて一層剥がれ難い状態となり、しかも、下熱盤160への貼り付きも生じないので、一層好ましい。
<効果について>
以上のような構成のフレキシブルプリント基板10Aおよびフレキシブルプリント基板10Aの製造方法によると、次のような効果が生じる。
すなわち、フレキシブルプリント基板10Aは、熱可塑性樹脂であるLCP(液晶ポリマー)を材質として形成された絶縁層21と、この絶縁層21の表面に形成されると共に、複数の銅配線221を備える配線層22とを備えている。また、絶縁層21とは反対側(Z1側)で配線層22を覆うように配置されると共に、熱可塑性樹脂から形成されたカバー層32と、配線層22とカバー層32の間に介在して両者を接着し、複数の銅配線221の間に充填されて、配線層22を覆う接着層31とを備えている。さらに、絶縁層21のうち配線層22とは反対側(Z2側)の面には、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する粗面部211が設けられている。
したがって、たとえばカバーレイ30を片面基材20に対してラミネートする際に、絶縁層21の粗面部211がラミネート装置150の下熱盤160に直接接触する。しかしながら、粗面部211と下熱盤160の間では、貼り付きが生じるのを防止可能となる。そのため、生産性の高いラミネート工程を実現することができる。
また、本実施の形態では、絶縁層21の端部側には端子部12が設けられているが、その端子部12には、配線層22とは反対側(Z2側)で絶縁層21と配線層22の厚みを補完すると共に樹脂を材質とする補強層42と、粗面部211に密着して、この粗面部211に対して補強層42を接着する接着層41とを備えている。
このため、粗面部211の存在により、アンカー効果を生じる等によって絶縁層21に対する接着層41の密着性(接着性)を向上させることが可能となる。したがって、接着層41(補強層42)を絶縁層21から剥がれ難くすることが可能となる。そのため、光沢を有するLCPフィルムに対して接着性を有する高価な(特殊な)接着材を用いる必要がなく、接着材の汎用性を高めることが可能となる。また、接着材の汎用性を高めることにより、代替材料も確保可能となる。
さらに、本実施の形態では、カバー層32は液晶ポリマーを材質として形成されていて、カバー層32のうち配線層22とは反対側(Z1側)の面には、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する粗面部321が設けられている。加えて、粗面部321には、電磁波の遮蔽性を備える金属薄膜層を備えるシールド層51が接着されている。このため、粗面部321の存在により、アンカー効果を生じる等によってカバー層32に対するシールド層51の密着性(接着性)を向上させることが可能となる。したがって、シールド層51をカバー層32から剥がれ難くすることが可能となる。そのため、光沢を有する液晶ポリマーフィルムに対して接着性を有する高価な接着材を用いる必要がなく、接着材の汎用性を高めることが可能となる。また、接着材の汎用性を高めることにより、代替材料も確保可能となる。
また、本実施の形態では、基板本体部11には、少なくとも1箇所に湾曲している湾曲部13が設けられている。このため、フレキシブルプリント基板10Aは、プリーツ形状に設けられるので、伸縮性を持たせることが可能となる。また、成形時に、治具400の各部位への貼り付きを防止しつつ、プリーツ形状に成形することができるので、生産性を高めることが可能となる。
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態においては、フレキシブルプリント基板10Aは、プリーツ形状に設けられている。しかしながら、フレキシブルプリント基板は、プリーツ形状に設けられている構成には限られず、その他の形状(たとえばストレート形状や湾曲部が1つしか存在しないもの)に対して、本発明を適用することは勿論可能である。
また、上述の実施の形態では、粗面部211は、絶縁層21の裏面側(Z2側の面側)の全面に亘って形成されると共に、粗面部321はカバー層32の表面側(Z1側の面側)の全体に亘って形成されている。しかしながら、粗面部211は、絶縁層21の裏面側(Z2側の面側)の少なくとも一部(たとえば縁部等)に形成されていても良く、同様に、粗面部321は、カバー層32の表面側(Z1側の面側)の少なくとも一部(たとえば縁部等)に形成されていれば良い。
また、上述の実施の形態では、フレキシブルプリント基板10Aは、接着層41と補強層42とを備えている。しかしながら、フレキシブルプリント基板は、接着層41と補強層42のうちの少なくとも1つを備えない構成としても良い。なお、フレキシブルプリント基板が接着層41と補強層42を備えない場合には、絶縁層21の裏面側(Z2側の面側)に粗面部211を設けるのを省略しても良い。
また、上述の実施の形態では、フレキシブルプリント基板10Aは、シールド層51を備えている。しかしながら、フレキシブルプリント基板は、シールド層51を備えない構成としても良い。なお、フレキシブルプリント基板がシールド層51を備えない場合には、カバー層32の表面側(Z1側の面側)に粗面部321を設けるのを省略しても良い。
また、上述の実施の形態におけるフレキシブルプリント基板10Aは、その他の金属薄膜層、樹脂層、接着材層等を有しても良い。
また、上述の実施の形態においては、フレキシブルプリント基板10Aにおける湾曲部13は、同一のピッチで同一の大きさであっても良く、異なるピッチまたは一部が異なるピッチで形成されていても良い。また、ある湾曲部の大きさ(半径等)が、他の湾曲部の大きさ(半径等)に対して、異なっていても良い。また、あるピッチや大きさで複数の湾曲部が配置されているものに対して、別のピッチや大きさで複数の湾曲部が配置されているものを組み合わせても良い。
また、上述の実施の形態では、粗面部211および粗面部321を形成するための粗面化処理としては、エンボス加工や、銅箔のレプリカを転写したものとしている。しかしながら、粗面化処理は、これらに限られるものではなく、他の手法としても良い。他の手法としては、物理的または化学的なブラスト処理、プラズマ処理等が挙げられる。
10A,10B…フレキシブルプリント基板、11…基板本体部、12…端子部、13…湾曲部、20…片面基材、20S…片面銅張積層板、21…絶縁層(第1絶縁層に対応)、22…配線層、30…カバーレイ、30S…カバーレイフィルム、31…接着層(第1接着層に対応)、32…カバー層(第2絶縁層に対応)、40…補強フィルム、41…接着層(第2接着層に対応)、42…補強層、50…シールドフィルム、51…シールド層、61…導電被膜、100…エンボス加工装置、110…加熱ヒータ、120…エンボスロール、121…エンボス面、130…従動ロール、150…ラミネート装置、160…下熱盤、170…上熱盤、180…クッション材、211…粗面部(第1粗面部に対応)、221…銅配線(配線に対応)、321…粗面部(第2粗面部に対応)、400…治具、410…先端固定部材、411…先端受部、412…掛止ピン、420…治具ピン、C1…中間生成物

Claims (10)

  1. 可撓性を備えるフレキシブルプリント基板であって、
    フィルム状の片面基材に設けられ、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第1絶縁層と、
    前記フィルム状の片面基材に設けられ、前記第1絶縁層の表面に形成されると共に、複数の配線を備える配線層と、
    カバーレイに設けられ、前記第1絶縁層とは反対側で前記配線層を覆うように配置されると共に、熱可塑性樹脂から形成された第2絶縁層と、
    前記配線層と前記第2絶縁層の間に介在して両者を接着し、前記配線の間に充填されて当該配線層を覆う第1接着層と、
    前記第1絶縁層のうち前記配線層とは反対側の面に設けられ、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第1粗面部と、
    を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  2. 請求項1記載のフレキシブルプリント基板であって、
    前記第1絶縁層の端部側には、端子部が設けられていて、
    前記端子部は、
    前記配線層とは反対側で前記第1絶縁層と前記配線層の厚みを補完すると共に樹脂を材質とする補強層と、
    前記第1粗面部に密着して当該第1粗面部に対して前記補強層を接着する第2接着層と、
    を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  3. 請求項記載のフレキシブルプリント基板であって、
    前記端子部に連続する基板本体部には、少なくとも1箇所に湾曲している湾曲部が設けられている、
    ことを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板であって、
    前記第2絶縁層は、液晶ポリマーを材質として形成されていて、
    前記第2絶縁層のうち前記配線層とは反対側の面には、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第2粗面部が設けられていると共に、
    前記第2粗面部には、電磁波の遮蔽性を備える金属薄膜層を備えるシールド層が接着されている、
    ことを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  5. 可撓性を備えるフレキシブルプリント基板であって、
    熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層の表面に形成されると共に、複数の配線を備える配線層と、
    前記第1絶縁層とは反対側で前記配線層を覆うように配置されると共に、液晶ポリマーを材質として形成される第2絶縁層と、
    前記配線層と前記第2絶縁層の間に介在して両者を接着し、前記配線の間に充填されて当該配線層を覆う第1接着層と、
    前記第2絶縁層のうち前記配線層とは反対側の面に設けられ、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第2粗面部と、
    前記第2粗面部を介して前記第2絶縁層と接着されると共に、電磁波の遮蔽性を備える金属薄膜層を備えるシールド層と、
    を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  6. 可撓性を備えるフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
    熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第1絶縁層の表側に金属箔層が形成されている片面基材のうち、前記金属箔層とは反対側の前記第1絶縁層の裏面側に、粗面化処理を施して、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第1粗面部を形成する第1工程と、
    前記第1工程に前後して、前記金属箔層に対してパターニングを行うことで、複数の配線を備えると共に所望のパターン形状を有する配線層を形成する第2工程と、
    熱可塑性樹脂から形成された第2絶縁層と、その第2絶縁層に積層された第1接着層とを備えるカバーレイを前記配線層上に位置させて、当該カバーレイを加熱および加圧することで、前記第1接着層を前記配線の間に充填させつつ前記配線層と前記第1接着層とを接着する第3工程と、
    を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
  7. 請求項6記載のフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
    樹脂を材質とすると共に前記配線層の厚みを補完する補強層と、その補強層に積層された第2接着層とを備える補強フィルムを、前記第1絶縁層の前記第1粗面部のうち端部側に密着させて前記補強フィルムを加熱および加圧することで、前記第2接着層を前記第1粗面部に接着する第4工程を備える、
    ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
  8. 請求項6または7記載のフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
    前記第2絶縁層は、液晶ポリマーを材質として形成されていて、
    前記第1工程では、前記第2絶縁層のうち前記配線層とは反対側の表面側に、粗面化処理を施して、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第2粗面部を形成すると共に、
    電磁波の遮蔽性を備える金属薄膜層を備えるシールドフィルムを、前記第2粗面部に密着させて、当該シールドフィルムを加熱および加圧して、当該シールドフィルムを前記第2粗面部に接着することでシールド層を形成する第5工程を備える、
    ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
    少なくとも前記第3工程を経て形成された加熱成形前のフレキシブルプリント基板に対し、少なくとも1つの部位を湾曲させた状態で加熱成形を行い、その加熱成形の後に、湾曲部を形成する第6工程を備える、
    ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
  10. 可撓性を備えるフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
    熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第2絶縁層と、その第2絶縁層に積層された第1接着層とを備えるカバーレイのうち、前記第1接着層とは反対側の前記第2絶縁層の表面側に、粗面化処理を施して、十点平均粗さRzが1μmから5μmの範囲内の粗面度を有する第2粗面部を形成する第1工程と、
    前記第1工程に前後して、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーを材質として形成された第1絶縁層の表側に金属箔層が形成されている片面基材のうち、前記金属箔層に対してパターニングを行うことで、複数の配線を備えると共に所望のパターン形状を有する配線層を形成する第2工程と、
    前記カバーレイを前記配線層上に位置させて、当該カバーレイを加熱および加圧することで、前記第1接着層を前記配線の間に充填させつつ前記配線層と前記第1接着層とを接着する第3工程と、
    電磁波の遮蔽性を備える金属薄膜層を備えるシールドフィルムを、前記第2粗面部に密着させて、当該シールドフィルムを加熱および加圧して、当該シールドフィルムを前記第2粗面部に接着することでシールド層を形成する第5工程と、
    を備えることを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
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