以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例について詳細に説明する。まず、図1を参照して、本発明が適用された省エネルギー促進システム10の構成を説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る省エネルギー促進システム10は、建物50の管理室56に設けられ、当該システム10の中心的な役割を担う省エネルギー促進装置20を有している。本実施の形態に係る省エネルギー促進システム10では、省エネルギー促進装置20として従来既知の汎用のサーバが適用されているが、これに限るものでないことは言うまでもない。
なお、本実施の形態では、建物50の一例として、複数の住戸52を有する居住用のマンションを適用しているが、これに限るものではない。例えば、オフィスビル等の人が内部に存在する他の建物を建物50として適用する形態としてもよい。また、本実施の形態では、建物50として各住戸52に窓52Aを有する建物を適用しているが、これに限るものではなく、後述する窓開け推奨度を適用しない場合には、窓52Aは必ずしも設けられていなくてもよい。さらに、本実施の形態に係る省エネルギー促進システム10では、省エネルギー促進装置20を建物50の管理室56に設けているが、これに限定されるものではなく、例えば、建物50内の他の部屋に設けてもよく、建物50とは異なる建物内に設けてもよい。
一方、省エネルギー促進システム10は、建物50の外である屋外70の予め定められた測定点(本実施の形態では、測定点72A〜72Cの3箇所の測定点)に設けられた環境要素測定装置40を有している。
なお、本実施の形態に係る各測定点のうち、測定点72Aは、建物50の屋上に設けられたスカイデッキ50Aの一端部側に設けられており、測定点72Bは、スカイデッキ50Aの他端部側で、かつ、測定点72Aより高い位置に設けられている。一方、測定点72Cは、建物50の正面側(図1の右側)に設けられた庭園50Bのほぼ中央部に設けられている。
本実施の形態に係る環境要素測定装置40は、温度(以下、「外気温」という。)、湿度、風速、降水量、自然湿球温度、および黒球温度の各環境要素を測定することができる。また、環境要素測定装置40は、これらの環境要素に加えて、紫外線量、花粉量、およびPM2.5(粒径2.5μm以下の微小粒子状物質)の量の各環境要素を測定することができる。しかしながら、環境要素測定装置40の測定対象はこれらに限らない。例えば、これらの環境要素に加えて、日射量、照度、表面温度、音量等の他の環境要素のうちの少なくとも1つや複数の組み合わせを測定対象としてもよい。
また、本実施の形態に係る各測定点72A〜72Cのうち、測定点72Aおよび測定点72Cには、撮影装置42が設けられている。測定点72Aに設けられた撮影装置42はスカイデッキ50Aを撮影するためのものであり、測定点72Cに設けられた撮影装置42は庭園50Bを撮影するためのものである。
本実施の形態に係る撮影装置42は、カラーの動画撮影を行うことができる所謂ビデオカメラとして構成されており、測定対象とする領域(スカイデッキ50Aまたは庭園50B)が画角内に収まるように、撮影倍率や設置位置等が調整されている。ただし、本システム10で適用可能な撮影装置42は、カラーの動画撮影ができるものには限らない。モノクロの動画撮影を行うことができるビデオカメラや、カラーまたはモノクロの静止画撮影のみを行うことのできる所謂デジタル電子スチルカメラ等の他の撮影装置を、本実施の形態に係る撮影装置42として適用してもよい。
本実施の形態に係る省エネルギー促進システム10では、各測定点に設けられた環境要素測定装置40や撮影装置42が、LAN(Local Area Network)ケーブル16で省エネルギー促進装置20に有線にて接続されている。なお、本実施の形態に係る環境要素測定装置40は、予め定められた第1期間(本実施の形態では、1分)毎に各環境要素を測定し、LANケーブル16を介して省エネルギー促進装置20に送信するものとされているが、これに限らない。例えば、省エネルギー促進装置20から測定要求を示す情報を受信した場合に各環境要素を測定し、省エネルギー促進装置20に送信する形態としてもよい。
一方、本実施の形態に係る建物50の各住戸52には、インターホン30が設けられており、各住戸52のインターホン30は、LANケーブル18を介して、建物50の管理室56に設けられたインターホン制御装置34に接続されている。従って、各住戸52のインターホン30は、インターホン制御装置34によって集中管理されている。また、本実施の形態に係る建物50のエントランス54には、PC(Personal Computer)32が設けられている。
そして、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20、PC32、およびインターホン制御装置34は、インターネット、LAN等のネットワーク14に接続されている。従って、省エネルギー促進装置20は、ネットワーク14を介して、PC32およびインターホン制御装置34との間で各種情報を授受することができる。
次に、図2を参照して、省エネルギー促進システム10において特に重要な役割を有する省エネルギー促進装置20の電気系の要部構成を説明する。
図2に示すように、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20は、システムバスBUSに接続され、当該省エネルギー促進装置20の全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)20Aが備えられている。
システムバスBUSには、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)20Bおよび各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)20Cが接続されている。また、システムバスBUSには、各種情報を記憶するために用いられる記憶手段としての二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)20Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード20Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ20Fと、が接続されている。さらに、システムバスBUSには、直接的に接続された外部装置(本実施の形態では、環境要素測定装置40および撮影装置42)やネットワーク14を介して接続された外部装置(本実施の形態では、PC32、インターホン制御装置34等)との間での通信動作を制御するI/F(Interface)20Gが接続されている。
従って、CPU20Aは、RAM20B、ROM20C、および二次記憶部20Dに対するアクセス、キーボード20Eを介した各種入力情報の取得、およびディスプレイ20Fに対する各種情報の表示を各々行うことができる。また、CPU20Aは、I/F20Gを介して、PC32、インターホン制御装置34、環境要素測定装置40、および撮影装置42等との間の各種情報の授受を行うことができる。なお、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20には、その時点の日時(年/月/日および時刻)を計時する時計機能が備えられている。
一方、図3には、省エネルギー促進装置20に備えられた二次記憶部20Dの主な記憶内容が模式的に示されている。
同図に示すように、二次記憶部20Dには、各種データベースを記憶するためのデータベース領域DBと、各種アプリケーション・プログラム等を記憶するためのプログラム領域PGと、が設けられている。また、データベース領域DBには、検出記録データベースDB1、および窓開け推奨度情報データベースDB2が含まれる。以下、各データベースの構成について詳細に説明する。
本実施の形態に係る検出記録データベースDB1は、一例として図4に模式的に示すように、検出日時および検出結果の各情報が各測定点別に記憶されるように構成されている。
なお、上記検出日時は、環境要素測定装置40により測定対象とされる環境要素が測定された日時を示す情報である。また、上記検出結果は、対応する検出日時に環境要素測定装置40によって測定された環境要素(本実施の形態では、外気温、湿度、風速、降水量、自然湿球温度、黒球温度、紫外線量、花粉量、PM2.5の量)の各測定値を示す情報(以下、「環境状態情報」という。)である。図4に示す例では、2016年3月10日の10時1分に測定点72Aで測定された外気温が13.2度、湿度が32.0%、風速が20.2m/s等であることを示している。
ところで、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、環境要素測定装置40によって得られた環境状態情報に基づいて、建物50の各住戸52における窓52Aの開放を推奨する度合いを示す窓開け推奨度を導出する。なお、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、現時点から所定期間遡った時点から現時点までの外気温の平均値によって規定される快適域の中心温度に、現時点の外気温が近いほど高くなるように窓開け推奨度を導出する。
以下、本実施の形態に係る窓開け推奨度について詳細に説明する。
図5には、無風の状態下における、窓を開放してから1分後および10分後の各時点における室内での温度分布の変化の一例が示されている。なお、図5では、各温度領域を濃度別に表している。また、図5では、窓を開放する直前の室内の温度が30℃で、屋外の温度が28℃であり、室内としてリビング・ダイニングを採用した場合の一例について示している。
図5に示すように、無風の状態であっても、窓を開放してから10分経過後には、室内の温度が30℃から屋外の温度である28℃に近づいていることがわかる。なお、図5の下図(「窓開放10分後」の図)における右端側の30℃を示す領域は、上記リビング・ダイニングのクローゼットの領域である。
一方、ASHRAE(American Society of Heating,Refrigerating and Air-Conditioning Engineers;アメリカ暖房冷凍空調学会)は、Standard 55−2004において、図6に示される自然換気時の室内の快適温度範囲を示すグラフ(アダプティブ・モデル)を規定している。なお、このグラフにおける横軸は月平均外気温を表し、縦軸は室内作用温度を表す。図6に示すように、このモデルでは、直近の過去の平均外気温によって室内の快適温度帯が決まるものとされており、80%許容限度および90%許容限度の2段階で快適温度帯が規定されている。
本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、図5を参照して説明した無風状態であっても窓を開放することで比較的短時間で室温が外気温とほぼ同等となる点を踏まえ、図6に示すアダプティブ・モデルのグラフにおける縦軸の「室内作用温度」を「外気温」と読み替えて、窓開け推奨度の導出に利用している。
具体的には、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、図7に示すように、図6に示すアダプティブ・モデルの各快適温度帯を示すラインを窓開け推奨度の閾値として利用し、快適域の中心に近いほど、度合いが高くなるように窓開け推奨度を導出する。なお、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、窓開け推奨度として‘1’から‘5’までの5段階の値を採用し、アダプティブ・モデルの80%許容限度の外側の領域を‘2’として、快適域の中心に近づく毎に窓開け推奨度を‘1’ずつ増加させて、快適域の中央部の領域の窓開け推奨度を‘5’とする。
なお、図7に示すように、上記アダプティブ・モデルに過去の実際の年間気温データ(図7に示す例では、横浜市の2014年の年間気温データ)をプロットすると、以上のように規定した窓開け推奨度の‘2’から‘5’までの範囲内に分布することが確認された。このため、以上のアダプティブ・モデルを利用した窓開け推奨度の導出方法を採用することとした。
本実施の形態に係る窓開け推奨度情報データベースDB2は、本実施の形態に係る窓開け推奨度を導出する際に用いられるものであり、一例として図8に模式的に示すように、外気温および窓開け推奨度の各情報が記憶されるように構成されている。
なお、上記外気温は、平均外気温および現状外気温の2種類の情報を含む。上記平均外気温は、上記アダプティブ・モデル(図7も参照。)における横軸の「平均外気温度」を示す情報であり、上記現状外気温は、上記アダプティブ・モデルにおける縦軸の「外気温」を示す情報である。図8に示す例では、平均外気温が25℃で、現状外気温が26℃の場合、窓開け推奨度として‘5’が導出される。また、図8に示す例では、平均外気温が25℃で、現状外気温が27℃の場合、窓開け推奨度として‘4’が導出される。
なお、詳細は後述するが、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、窓開け推奨度の導出対象とする住戸52の窓52Aに作用する風圧が低いほど高くなるように窓開け推奨度を導出する。また、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、屋外での降水量が少ないほど高くなるように窓開け推奨度を導出する。
一方、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、環境要素測定装置40によって得られた環境状態情報に基づいて、建物50の各住戸52に居住する人への外出を推奨する度合いを示す外出推奨度を導出する。
詳細は後述するが、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、自然湿球温度および黒球温度に基づいて湿球黒球温度を導出し、該湿球黒球温度が低いほど高くなるように外出推奨度を導出する。また、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、降水量が少ないほど高くなるように外出推奨度を導出し、浮遊粒子状物質(本実施の形態では、PM2.5)の量が少ないほど高くなるように外出推奨度を導出する。
次に、本実施の形態に係る省エネルギー促進システム10の作用として、図9を参照して、省エネルギー促進処理を実行する際の省エネルギー促進装置20の作用を説明する。なお、図9は、キーボード20Eを介して実行する旨の指示入力が行われた際に省エネルギー促進装置20のCPU20Aによって実行される省エネルギー促進処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。
図9のステップ100において、CPU20Aは、各測定点の環境要素測定装置40および撮影装置42の作動を開始させるように、これらの装置を制御する。これにより、環境要素測定装置40は各環境要素(本実施の形態では、外気温、湿度、風速、降水量、自然湿球温度、黒球温度、紫外線量、花粉量、PM2.5の量)の測定を開始する一方、撮影装置42は撮影動作を開始する。
次のステップ102において、CPU20Aは、各測定点に設けられた環境要素測定装置40から上記環境状態情報を受信することにより取得する。次のステップ104において、CPU20Aは、受信した環境状態情報を測定点別に検出記録データベースDB1に記憶する。なお、この際、CPU20Aは、前述した時計機能により得られる、環境状態情報を受信した日時を検出日時として検出記録データベースDB1に記憶する。
次のステップ106において、CPU20Aは、予め定められた最低記憶期間(本実施の形態では、2週間)が経過したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ102に戻る一方、肯定判定となった時点でステップ108に移行する。以上のステップ102からステップ106までの繰り返し処理によって、検出記録データベースDB1には、上記最低記憶期間分の環境状態情報が記憶されることになる。
次のステップ108において、CPU20Aは、ステップ102の処理と同様に、各測定点に設けられた環境要素測定装置40から環境状態情報を受信することにより取得する。次のステップ110において、CPU20Aは、ステップ104の処理と同様に、受信した環境状態情報を測定点別に検出記録データベースDB1に記憶する。
ところで、本実施の形態に係る建物50の各住戸52に設けられたインターホン30には、前述した窓開け推奨度および外出推奨度の各情報を表示させる機能(以下、「環境情報表示機能」という。)が設けられている。このため、本実施の形態に係るインターホン30の表示部には環境情報表示ボタン(図示省略。)が設けられており、住戸52の居住者は、環境情報表示機能を働かせる際には、環境情報表示ボタンを押圧操作する。環境情報表示ボタンが押圧操作されると、インターホン30は、窓開け推奨度および外出推奨度の各情報の表示を指示する指示情報(以下、「環境情報表示指示情報」という。)を、インターホン制御装置34、ネットワーク14を介して、省エネルギー促進装置20に送信する。
そこで、ステップ112において、CPU20Aは、建物50の何れかの住戸52に設けられているインターホン30から環境情報表示指示情報が受信されたか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ126に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ114に移行する。
ステップ114において、CPU20Aは、測定点72Aおよび測定点72Bに設けられている環境要素測定装置40から直前のステップ108の処理によって取得された風速を検出記録データベースDB1から読み出すことにより取得する。そして、CPU20Aは、取得した2つの観測点における風速に基づいて、環境情報表示指示情報の送信元の住戸52(以下、「処理対象住戸」という。)の窓52Aに対する風圧を推定する。なお、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、上記風圧の推定を次のように行う。
すなわち、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、一例として図10に示すように、建物50の各住戸52を、北面、東面、南面、および西面の4方向の各方向別で、かつ、高層、中層、および低層の高さ方向の各層別に合計12の区分領域に分類する。そして、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、処理対象住戸が含まれる区分領域に対する風圧を、処理対象住戸の窓52Aに対する風圧であるものとして推定する。
本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、上記風圧の推定を、建物50のスカイデッキ50Aにおいて異なる高さとされた2箇所の測定点72Aおよび測定点72Bの各々で測定された2つの風速に基づき、従来既知の推定技術によって行っている。なお、処理対象住戸の窓52Aに対する風圧の取得方法は、この形態に限らず、例えば、各住戸52のベランダ等に風圧計を設けておき、この風圧計によって測定することにより取得する形態等としてもよい。
次のステップ116において、CPU20Aは、窓開け推奨度導出処理を実行する。以下、図11を参照して、本実施の形態に係る窓開け推奨度導出処理について説明する。なお、図11は、窓開け推奨度導出処理を実行する際にCPU20Aによって実行される窓開け推奨度導出処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムも二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。
図11のステップ200において、CPU20Aは、ステップ114の処理によって推定した風圧(以下、「推定風圧」という。)が予め定められた第1閾値未満であるか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ204に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ202に移行する。なお、本実施の形態では、第1閾値として、推定風圧が当該第1閾値以上である場合は、風圧が強すぎて窓52Aを開けない方がよいと判断される値として予め定められた値(本実施の形態では、50Pa)を固定値として用いているが、これに限るものではない。例えば、第1閾値を、インターホン30や、省エネルギー促進装置20のキーボード20E等を介して住戸52毎に適宜設定(変更)可能とする形態としてもよい。
ステップ202において、CPU20Aは、測定点72Bに設けられている環境要素測定装置40から直前のステップ108の処理によって取得された降水量を検出記録データベースDB1から読み出すことにより取得する。そして、CPU20Aは、取得した降水量が予め定められた第2閾値未満であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ204に移行する。なお、本実施の形態では、第2閾値として、降水量が当該第2閾値以上である場合は、降水量が多すぎて窓52Aを開けない方がよいと判断される値として予め定められた値(本実施の形態では、2mm/h)を固定値として用いているが、これに限るものではない。例えば、第2閾値を、インターホン30や、省エネルギー促進装置20のキーボード20E等を介して住戸52毎に適宜設定(変更)可能とする形態としてもよい。
ステップ204において、CPU20Aは、窓開け推奨度Mとして‘1’を設定した後、本窓開け推奨度導出処理プログラムを終了する。
一方、ステップ202において肯定判定となった場合はステップ206に移行し、CPU20Aは、窓開け推奨度Mを次のように仮決定する。
すなわち、CPU20Aは、まず、検出記録データベースDB1から、直近から当該直近より遡って上記最低記憶期間(本実施の形態では、2週間)までの期間に記憶された外気温を読み出すことにより取得する。次いで、CPU20Aは、読み出した外気温の平均値を平均外気温として算出する。そして、CPU20Aは、算出した平均外気温および検出記録データベースDB1から読み出した直近の外気温(「現状外気温」)に対応する窓開け推奨度を窓開け推奨度情報データベースDB2から読み出し、読み出した窓開け推奨度を窓開け推奨度Mとして仮決定する。
次のステップ208において、CPU20Aは、次に示すように不快指数DIを導出する。
すなわち、CPU20Aは、検出記録データベースDB1から直近の外気温および湿度を読み出すことにより取得する。次いで、CPU20Aは、読み出した外気温taおよび湿度rhを次の式(1)に代入することによって不快指数DIを算出することにより導出する。
次のステップ210において、CPU20Aは、導出した不快指数DIが予め定められた第3閾値未満であるか否かを判定し、肯定判定となった場合は後述するステップ222に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ212に移行する。
ステップ212において、CPU20Aは、不快指数DIが予め定められた第4閾値未満であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ214に移行して、窓開け推奨度Mの値から予め定められた第1値(本実施の形態では1)を減算した後、ステップ222に移行する。
一方、ステップ212において否定判定となった場合にはステップ216に移行し、CPU20Aは、不快指数DIが予め定められた第5閾値未満であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ218に移行して、窓開け推奨度Mの値から予め定められた第2値(本実施の形態では2)を減算した後、ステップ222に移行する。
一方、ステップ216において否定判定となった場合にはステップ220に移行し、CPU20Aは、窓開け推奨度Mの値から予め定められた第3値(本実施の形態では3)を減算した後、ステップ222に移行する。
ここで、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、上記第3閾値、第4閾値、および第5閾値を、第3閾値<第4閾値<第5閾値となるように設定し、上記第1値、第2値、および第3値を、第1値<第2値<第3値となるように設定する。これにより、不快指数DIが小さくなるほど、窓開け推奨度Mの値が大きくなり、より積極的に窓52Aの開放を促すこととなる。
また、不快指数DIが75以上80未満の場合は「やや暑い」とされ、不快指数DIが80以上85未満の場合は「暑くて汗が出る」とされ、不快指数DIが85以上の場合は「暑くてたまらない」とされている。そこで、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、上記第3閾値を‘75’とし、上記第4閾値を‘80’とし、上記第5閾値を‘85’としている。これにより、窓開け推奨度Mを、より実態に即した値とすることができる。
このように、本実施の形態では、上記第3閾値〜第5閾値および上記第1値〜第3値を予め定められた値で固定値として用いているが、これに限るものではない。例えば、これらの値を、インターホン30や、省エネルギー促進装置20のキーボード20E等を介して住戸52毎に適宜設定(変更)可能とする形態としてもよい。
ステップ222において、CPU20Aは、窓開け推奨度Mが1以上であるか否かを判定し、肯定判定となった場合は本窓開け推奨度導出処理プログラムを終了する一方、否定判定となった場合にはステップ224に移行する。
ステップ224において、CPU20Aは、窓開け推奨度Mの値として‘1’を設定した後、本窓開け推奨度導出処理プログラムを終了する。窓開け推奨度導出処理プログラムが終了すると、省エネルギー促進処理(図9参照。)のステップ118に移行する。
ステップ118において、CPU20Aは、外出推奨度導出処理を実行する。以下、図12を参照して、本実施の形態に係る外出推奨度導出処理について説明する。なお、図12は、外出推奨度導出処理を実行する際にCPU20Aによって実行される外出推奨度導出処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムも二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。また、ここでは、錯綜を回避するため、各測定点のうちの1箇所の測定点(以下、「処理対象測定点」という。)のみに関する外出推奨度を導出する場合について説明する。
図12のステップ300において、CPU20Aは、ステップ114の処理によって推定した風圧(推定風圧)が予め定められた第6閾値未満であるか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ308に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ302に移行する。なお、本実施の形態では、第6閾値として、推定風圧が当該第6閾値以上である場合は、風圧が強すぎて外出しない方がよいと判断される値として予め定められた値(本実施の形態では、50Pa)を固定値として用いているが、これに限るものではない。例えば、第6閾値を、インターホン30や、省エネルギー促進装置20のキーボード20E等を介して住戸52毎に適宜設定(変更)可能とする形態としてもよい。
ステップ302において、CPU20Aは、処理対象測定点に設けられている環境要素測定装置40から直近に得られたPM2.5の量を検出記録データベースDB1から読み出すことにより取得する。そして、CPU20Aは、取得したPM2.5の量が予め定められた第7閾値未満であるか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ308に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ304に移行する。なお、本実施の形態では、第7閾値として、PM2.5の量が当該第7閾値以上である場合は、PM2.5が多過ぎて外出しない方がよいと判断される値として予め定められた値(本実施の形態では、80μg/m3)を固定値として用いているが、これに限るものではない。例えば、第7閾値を、インターホン30や、省エネルギー促進装置20のキーボード20E等を介して住戸52毎に適宜設定(変更)可能とする形態としてもよい。
ステップ304において、CPU20Aは、処理対象測定点に設けられている環境要素測定装置40から直近に得られた降水量を検出記録データベースDB1から読み出すことにより取得する。そして、CPU20Aは、取得した降水量が予め定められた第8閾値未満であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ306に移行する。
ステップ306において、CPU20Aは、ステップ304の処理によって取得した降水量が予め定められた第9閾値未満であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ308に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ310に移行する。
なお、本実施の形態では、第8閾値および第9閾値を第8閾値<第9閾値となるように設定する。そして、本実施の形態では、降水量が、これらの2つの閾値の間である場合は、降水量がやや多く、できれば外出を控えたほうがよいと判断され、かつ、降水量が第9閾値以上である場合は、降水量が非常に多く、外出しないほうがよいと判断される値として予め定められた値(本実施の形態では、第8閾値が0.1mm/h、第9閾値が2.0mm/h)を固定値として用いている。しかしながら、これに限るものではなく、例えば、第8閾値および第9閾値を、インターホン30や、省エネルギー促進装置20のキーボード20E等を介して住戸52毎に適宜設定(変更)可能とする形態としてもよい。
ステップ308において、CPU20Aは、外出推奨度Gとして‘1’を設定した後、本外出推奨度導出処理プログラムを終了する。また、ステップ310において、CPU20Aは、外出推奨度Gとして‘2’を設定した後、本外出推奨度導出処理プログラムを終了する。
一方、ステップ304において肯定判定となった場合はステップ312に移行し、CPU20Aは、外出推奨度Gを次のように仮決定する。
すなわち、CPU20Aは、まず、処理対象測定点に設けられている環境要素測定装置40から直近に得られた外気温を検出記録データベースDB1から読み出すことにより取得する。次いで、CPU20Aは、読み出した外気温が予め定められた温度(本実施の形態では、0℃)以上であれば外出推奨度Gの値を‘5’に仮決定し、読み出した外気温が上記予め定められた温度未満であれば外出推奨度Gの値を‘3’に仮決定する。
次のステップ314において、CPU20Aは、この時点が夏季の期間であるか否かを、時計機能により得られる日時に基づいて判定し、否定判定となった場合は本外出推奨度導出処理プログラムを終了する一方、肯定判定となった場合にはステップ316に移行する。
ステップ316において、CPU20Aは、次に示すように暑さ指数Wを導出する。
すなわち、CPU20Aは、まず、処理対象測定点が日陰となっているか日向となっているかを時計機能により得られる日時に基づいて判定する。ここで、日陰となっていると判定された場合は、処理対象測定点に設けられている環境要素測定装置40から直近に得られた自然湿球温度および黒球温度を検出記録データベースDB1から読み出すことにより取得する。これに対し、日向となっていると判定された場合は、処理対象測定点に設けられている環境要素測定装置40から直近に得られた自然湿球温度、黒球温度、および外気温を検出記録データベースDB1から読み出すことにより取得する。
次いで、CPU20Aは、日陰となっていると判定された場合は、読み出した自然湿球温度ntおよび黒球温度gtを次の式(2)に代入することによって暑さ指数Wを算出することにより導出する。また、CPU20Aは、日向となっていると判定された場合は、読み出した自然湿球温度nt、黒球温度gt、および外気温dtを次の式(3)に代入することによって暑さ指数Wを算出することにより導出する。すなわち、本実施の形態では、暑さ指数Wとして、WBGT(Wet Bulb Globe Temperature;湿球黒球温度)を適用している。
次のステップ318において、CPU20Aは、暑さ指数Wが予め定められた第10閾値未満であるか否かを判定し、肯定判定となった場合は後述するステップ334に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ320に移行する。
ステップ320において、CPU20Aは、暑さ指数Wが予め定められた第11閾値未満であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ322に移行して、外出推奨度Gの値から予め定められた第4値(本実施の形態では1)を減算した後、ステップ334に移行する。
一方、ステップ320において否定判定となった場合にはステップ324に移行し、CPU20Aは、暑さ指数Wが予め定められた第12閾値未満であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ326に移行して、外出推奨度Gの値から予め定められた第5値(本実施の形態では2)を減算した後、ステップ334に移行する。
一方、ステップ324において否定判定となった場合にはステップ328に移行し、CPU20Aは、暑さ指数Wが予め定められた第13閾値未満であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ330に移行して、外出推奨度Gの値から予め定められた第6値(本実施の形態では3)を減算した後、ステップ334に移行する。
一方、ステップ328において否定判定となった場合にはステップ332に移行し、CPU20Aは、外出推奨度Gの値から予め定められた第7値(本実施の形態では4)を減算した後、ステップ334に移行する。
ここで、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、上記第10閾値、第11閾値、第12閾値、および第13閾値を、第10閾値<第11閾値<第12閾値<第13閾値となるように設定し、上記第4値、第5値、第6値、および第7値を、第4値<第5値<第6値<第7値となるように設定する。これにより、暑さ指数Wが小さくなるほど、外出推奨度Gの値が大きくなり、より積極的に外出を促すこととなる。
また、暑さ指数Wが31℃以上の場合は「危険」とされ、暑さ指数Wが28℃以上31℃未満の場合は「厳重警戒」とされ、暑さ指数Wが25℃以上28℃未満の場合は「警戒」とされ、暑さ指数Wが24℃以上25℃未満の場合は「注意」とされている。そこで、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、第10閾値を24℃とし、第11閾値を25℃とし、第12閾値を28℃とし、第13閾値を31℃としている。これにより、外出推奨度Gを、より実態に即した値とすることができる。
なお、本実施の形態では、第10閾値〜第13閾値および第4値〜第7値を予め定められた値で固定値として用いているが、これに限るものではない。例えば、これらの値を、インターホン30や、省エネルギー促進装置20のキーボード20E等を介して住戸52毎に適宜設定(変更)可能とする形態としてもよい。
ステップ334において、CPU20Aは、外出推奨度Gが1以上であるか否かを判定し、肯定判定となった場合は本外出推奨度導出処理プログラムを終了する一方、否定判定となった場合にはステップ336に移行する。
ステップ336において、CPU20Aは、外出推奨度Gの値として‘1’を設定した後、本外出推奨度導出処理プログラムを終了する。外出推奨度導出処理プログラムが終了すると、省エネルギー促進処理(図9参照。)のステップ120に移行する。
ステップ120において、CPU20Aは、以上の処理によって得られた窓開け推奨度Mおよび外出推奨度Gや、検出記録データベースDB1に記憶された環境状態情報、各撮影装置42から得られる映像を用いて、予め定められたフォーマットとされた推奨度提示画面を構成する。そして、CPU20Aは、構成した推奨度提示画面が処理対象住戸のインターホン30で表示されるように、当該インターホン30を、ネットワーク14、インターホン制御装置34を介して制御する。
図13には、上記ステップ120の処理により、処理対象住戸に設けられたインターホン30の表示部30Aにより表示される推奨度提示画面の一例が示されている。なお、図13では、外出推奨度Gを、スカイデッキ50Aおよび庭園50Bの2箇所の測定点を処理対象測定点として導出した場合について例示している。
図13に示すように、本実施の形態に係る推奨度提示画面では、当該画面の中央部に窓開け推奨度Mが表示されると共に、建物50のスカイデッキ50Aおよび庭園50Bにおける外出推奨度Gが対応する位置に表示される。なお、図13に示す例では、窓開け推奨度Mとして、「窓開け推奨度5」のみが表示されている。これに対し、外出推奨度Gは、その程度に応じた人の顔の表情が模式的に外出推奨度Gと共に表示されている。
従って、処理対象住戸の居住者は、推奨度提示画面を参照することにより、自身の居住する住戸52の窓52Aに対する窓開け推奨度M、および各測定点(ここでは、スカイデッキ50Aおよび庭園50B)の外出推奨度Gを容易に把握することができる。そして、当該居住者は、把握した窓開け推奨度Mおよび外出推奨度Gを考慮して、窓52Aを開放するか否かの判断や、屋外に外出するか否かの判断を行うことができ、窓52Aの開放や外出の頻度が高まる結果、省エネルギー化を促進することができる。
なお、図13に示すように、本実施の形態に係る推奨度提示画面では、紫外線、花粉、およびPM2.5の各々の量がインジケータ形式で表示される。また、図13に示すように、本実施の形態に係る推奨度提示画面では、風の強さ、および降水量が、「強い」、「小雨」といったように、程度を端的に表す表現で表示される。さらに、図13に示すように、本実施の形態に係る推奨度提示画面では、各測定点の映像が表示される。従って、処理対象住戸の居住者は、推奨度提示画面を参照することにより、屋外70における環境状態を容易に把握することができ、窓52Aを開放するか否かの判断や、外出するか否かの判断を、より的確に行うことができる。
さらに、図13に示すように、本実施の形態に係る推奨度提示画面では、インターホンTOPボタン30Bが表示される。
すなわち、図13に示す推奨度提示画面がインターホン30の表示部30Aに表示されると、処理対象住戸の居住者は、推奨度提示画面の表示を終了し、通常時におけるインターホン30の表示画面に復帰させたい場合にはインターホンTOPボタン30Bを押圧操作する。インターホンTOPボタン30Bが押圧操作されると、インターホン30は、インターホン30による表示画面を通常時の表示画面に復帰させることを指示する復帰指示情報を、インターホン制御装置34等を介して省エネルギー促進装置20に送信する。
そこで、次のステップ122において、CPU20Aは、処理対象住戸のインターホン30からの復帰指示情報の受信待ちを行い、当該復帰指示情報が受信されると肯定判定となってステップ124に移行する。
ステップ124において、CPU20Aは、処理対象住戸のインターホン30の表示部30Aによる表示画面を通常時の表示画面に復帰させるようにインターホン制御装置34を介して制御する。これに応じて、処理対象住戸のインターホン30の表示部30Aには、通常時の表示画面が表示される。
次のステップ126において、CPU20Aは、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ108に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ128に移行する。
なお、本実施の形態に係る省エネルギー促進装置20では、上記ステップ126の処理において適用する終了タイミングとして、キーボード20Eを介して本省エネルギー促進処理プログラムの終了を指示する指示入力が行われたタイミングを適用しているが、これに限らない。例えば、二次記憶部20Dの残記憶容量が所定量以下となったタイミングや、省エネルギー促進装置20の電源スイッチがオフ状態とされたタイミング等、他のタイミングを適用することもできることは言うまでもない。
ステップ128において、CPU20Aは、環境要素測定装置40および撮影装置42の作動を停止させるように、これらの装置を制御し、その後に本省エネルギー促進処理プログラムを終了する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、窓を有する建物の周囲における温度を含む環境状態を検出し、検出した環境状態を示す環境状態情報に基づいて、窓開け推奨度および外出推奨度を導出している。これにより、人による屋外の利用の度合いを示す利用状況を検出して用いる場合に比較して、処理の複雑化を抑制しつつ、効果的に省エネルギー化を促すことができる。
また、本実施の形態では、現時点から所定期間遡った時点から現時点までの温度(本実施の形態では、外気温)の平均値によって規定される快適域の中心温度に、現時点の温度が近いほど高くなるように窓開け推奨度を導出している。これにより、季節や状況に応じた窓開け推奨度を導出することができる結果、より効果的な窓開け推奨度を導出することができる。
また、本実施の形態では、環境状態として、建物の周囲における風圧および降水量を検出し、風圧が低いほど高くなるように窓開け推奨度を導出し、降水量が少ないほど高くなるように窓開け推奨度を導出している。これにより、風圧および降水量を用いない場合に比較して、より効果的な窓開け推奨度を導出することができる。
また、本実施の形態では、環境状態として、建物の周囲における自然湿球温度および黒球温度を検出し、自然湿球温度および黒球温度に基づいて湿球黒球温度(WBGT)を導出し、該湿球黒球温度が低いほど高くなるように外出推奨度を導出している。これにより、湿球黒球温度を用いない場合に比較して、より効果的な外出推奨度を導出することができる。
さらに、本実施の形態では、環境状態として、建物の周囲における降水量および浮遊粒子状物質の量を検出し、降水量が少ないほど高くなるように外出推奨度を導出し、浮遊粒子状物質の量が少ないほど高くなるように外出推奨度を導出している。これにより、降水量および浮遊粒子状物質の量を用いない場合に比較して、より効果的な外出推奨度を導出することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記実施の形態では、測定点が3箇所の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、測定点を1〜2箇所とする形態としてもよく、4箇所以上とする形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、庭園50Bが建物50に隣接する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、庭園50Bが建物50より離れた位置にある形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、推奨度提示画面をインターホン30によって表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、省エネルギー促進装置20のディスプレイ20Fや、エントランス54に設けられたPC32によって推奨度提示画面を表示する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、風圧に応じて窓開け推奨度を2段階で設定し、降水量に応じて窓開け推奨度を2段階で設定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの段階数は2段階に限るものではないことは言うまでもない。
同様に、上記実施の形態では、風圧に応じて外出推奨度を2段階で設定し、PM2.5の量に応じて外出推奨度を2段階で設定し、降水量に応じて外出推奨度を3段階で設定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの段階数も2段階や3段階に限るものではないことは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、環境状態情報の全てを最低記憶期間分以上記憶する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、最低記憶期間分の記憶を必要とするのは外気温のみであり、他の情報は記憶しない形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、単一の建物50に本発明の省エネルギー促進装置を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数の建物に省エネルギー促進装置20に代えてサーバを設け、各サーバをクラウド・システムに接続し、当該クラウド・システムに省エネルギー促進装置20を適用することにより、当該クラウド・システムによって各建物に設けられたインターホン30を統括的に制御する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、窓開け推奨度を、現時点から所定期間遡った時点から現時点までの温度の平均値によって規定される快適域の中心温度に、現時点の温度が近いほど高くなるように導出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、外気温が室温より低い場合に、風速が予め定められた上限値以内で高くなるほど大きくなるように窓開け推奨度を導出する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、窓開け推奨度および外出推奨度の双方を導出して提示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、窓開け推奨度および外出推奨度の何れか一方のみ導出して提示する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、窓開け推奨度の導出に、一例として図8に示す窓開け推奨度情報データベースDB2を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図7に示す「y=0.31t+21.5」等の数式により閾値を規定して窓開け推奨度を導出する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、外出推奨度を導出する場合に用いる風圧として、処理対象住戸の窓52Aに対する推定風圧を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各測定点の風速を測定点別に風圧に換算し、当該風圧を用いて測定点毎に外出推奨度を導出する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、最低記憶期間を2週間とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、導出した各推奨度をインターホン30の表示部30Aにより表示することによって可視表示した場合について説明したが、これに代えて、画像形成装置等による永久可視表示や、音声発生装置等による可聴表示を行ってもよい。
また、上記実施の形態では、環境要素測定装置40および撮影装置42と、省エネルギー促進装置20との間で有線通信により各種情報の授受を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、無線通信によって各種情報の授受を行う形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、インターホン30と、省エネルギー促進装置20との間を、ネットワーク14を介して接続した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インターホン30と、省エネルギー促進装置20との間を、LANケーブル等を介して直接有線接続したり、無線通信によって各種情報の授受を行ったりする形態としてもよい。
その他、上記実施の形態で説明した省エネルギー促進システム10の構成(図1〜図3参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な構成要素を削除したり、新たな構成要素を追加したりすることができることは言うまでもない。
また、上記実施の形態で示した省エネルギー促進処理プログラム、窓開け推奨度導出処理プログラム、および外出推奨度導出処理プログラムの各プログラムの処理の流れ(図9、図11、図12参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な処理ステップを削除したり、新たな処理ステップを追加したり、処理ステップの順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
また、上記実施の形態で示した推奨度提示画面の構成(図13参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、一部の情報を削除したり、新たな情報を追加したり、表示位置を変えたりすることができることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態では、推奨度提示画面に窓開け推奨度Mそのものを表示しているが、当該推奨度Mに代えて、推奨度を間接的に示す図、記号、マーク等を表示してもよい。
また、上記実施の形態で示した各種演算式(式(1)〜式(3)参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において変更することができることは言うまでもない。
さらに、上記実施の形態で示した各種データベースの構成(図4、図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、一部の情報を削除したり、新たな情報を追加したり、記憶位置を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。