JP6700679B2 - 制御方法、物品の製造方法、ロボット装置、制御プログラム及び記録媒体 - Google Patents

制御方法、物品の製造方法、ロボット装置、制御プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、ロボットアームの関節の動作を制御する制御方法、品の製造方法、ロボット装置、制御プログラム及び記録媒体に関する。
現在、産業分野において、ロボットアームとエンドエフェクタとの間に設けられた力覚センサに基づく力制御により、製品の組立が行われている。精密部品の組立に用いられるロボットアームには、より高精度な力制御性が求められている。
ロボットアームは、関節位置指令値に基づき動作する位置制御方式が主流であり、力制御も位置制御を基に行うことが一般的である。即ち、各関節における駆動部(例えば電動のサーボモータ)を制御する駆動制御部に指令する関節位置指令値を、力検知結果に基づいて補正して、各駆動制御部に出力する。各駆動制御部は、各関節位置を各関節位置指令値に近づけるように位置制御する。これにより、力検知値を目標とする力指令値に近づけながら、エンドエフェクタの位置を制御することができる。
そのため、位置制御系に基づき力制御を行う制御方式では、力制御性を上げるためには位置制御性の向上が必要である。ロボットアームの位置制御性を向上させるために位置制御帯域を高くすればよいが、各関節軸に搭載された減速器の固有振動数が十数Hzと低いため、位置制御帯域を十分高くすることができず、位置制御系の応答性を上げることができない。よって、位置制御系において力制御を行う場合、位置制御系の制御遅れにより、力指令値に対し力検知値がオーバーシュートとアンダーシュートとを繰り返し振動的になる。
特に、精密な部品同士を一定の力で押し付けて組立を行うなど、ワーク同士を接触させる場合、位置制御系の制御遅れによる力制御時の振動がワークへの負荷となり、ワークの変形や破損へとつながるおそれがある。
そこで、力制御時のワークへの負荷を低減する手法として、特許文献1が提案されている。特許文献1では、位置制御系に基づいたロボットアームの力制御において、力指令値と力覚センサの力検知値との差が小さくなるような位置補正指令値を生成する。位置補正指令値は、慣性、粘性、剛性のパラメータからなる二次系のモデルで演算することができる。特許文献1では、製品組立を行う前に、慣性、粘性のパラメータをあるアルゴリズムに従い自動的に変更し、ロボットアームに所定の動作を自動的にさせるパラメータ探索動作をさせ、そのときの力検知値から、最適なパラメータを試行錯誤的に求めている。製品組立中は、予め設定されたパラメータに基づいて力制御する。
特許第4962551号公報
特許文献1のような慣性、粘性の各パラメータを変更する制御方法は、一種のローパスフィルタであるため、力指令値と力検知値との差とから生成される位置補正指令値の帯域を調整していることと同義である。つまり、力制御時のオーバーシュートが大きいときは、位置制御系の制御遅れが大きいことが原因であるので、生成される位置補正指令値の帯域が低くなるように、各パラメータが調整される。このようにすることで、位置補正指令値に対するロボットアームの制御遅れが小さくなるので、力制御時のオーバーシュートが小さくなり、ワークへの負荷を抑制することができる。
しかしながら、力制御時のオーバーシュートを抑えるようにすればするほど、生成される位置補正指令値は帯域が低い指令値となり、ロボットアームの動作速度は遅くなり、力検知値が力指令値に達するまでの時間が長くなる。
そこで、本発明は、力制御時の力のオーバーシュートを抑え、かつ、ロボットアームの動作を高速化することを目的とする。
本発明の制御方法は、ロボットが、関節と前記関節の関節位置を検出する位置検出部とを有するロボットアームと、前記ロボットアームの先端に取り付けられたエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタに作用する力を検出する力検出部と、を有し、制御部が、前記関節の関節位置指令値を取得して、前記関節の動作を制御する制御方法であって、前記制御部が、前記位置検出部の位置検出値に基づき前記エンドエフェクタの実位置を求める位置算出工程と、前記制御部が、前記力検出部の力検出値が力指令値に近づくように前記エンドエフェクタに対する第1位置補正指令値を求める第1補正指令算出工程と、前記制御部が、前記エンドエフェクタに対する位置指令値を取得し、前記位置指令値を、前記第1位置補正指令値で補正し、補正した当該位置指令値と前記実位置との差分値を用いて、前記エンドエフェクタに対する第2位置補正指令値を求める第2補正指令算出工程と、前記制御部が、前記第1位置補正指令値を前記第2位置補正指令値で補正し、当該補正結果に基づき前記関節位置指令値を補正する指令値補正工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明のロボット装置は、関節と前記関節の関節位置を検出する位置検出部とを有するロボットアームと、前記ロボットアームの先端に取り付けられたエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタに作用する力を検出する力検出部と、前記関節の関節位置指令値を取得して、前記関節の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記位置検出部の位置検出値に基づき前記エンドエフェクタの実位置を求める位置算出処理と、前記力検出部の力検出値が力指令値に近づくように前記エンドエフェクタに対する第1位置補正指令値を求める第1補正指令算出処理と、前記エンドエフェクタに対する位置指令値を取得し、前記位置指令値を、前記第1位置補正指令値で補正し、補正した当該位置指令値と前記実位置との差分値を用いて、前記エンドエフェクタに対する第2位置補正指令値を求める第2補正指令算出処理と、前記第1位置補正指令値を前記第2位置補正指令値で補正し、当該補正結果に基づき前記関節位置指令値を補正する指令値補正処理と、を実行することを特徴とする。
本発明によれば、位置指令値とエンドエフェクタの実位置との差分値を用いて、この差分値を抑制するような第2位置補正指令値を求め、第2位置補正指令値で力のフィードバック値である第1位置補正指令値を補正している。これにより、位置指令値とエンドエフェクタの実位置との差分値が小さくなるように補正されるため、力制御時の力のオーバーシュートを抑制することができる。また、第1位置補正指令値を第2位置補正指令値で補正することにより、制御帯域を高くすることができるので、ロボットアームの動作の高速化につながる。したがって、ロボットによる組立作業等の作業時に部品にかかる負荷を低減することができ、かつ作業時間を短縮化することができるので、生産性が向上する。
本発明の実施形態に係るロボット装置を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るロボットアームの関節を示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係るロボット装置の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るロボット装置の制御系の力制御時の制御ブロックを示す図である。 本発明の実施形態に係るロボット装置の位置制御部の制御ブロックを示す図である。 本発明の実施形態に係るロボット装置のローパスフィルタ部により帯域を設定するときの処理を示すフローチャートである。 (a)は、本発明の実施形態に係るロボット装置のロボットアームを位置制御モードで力制御開始位置に動作させている途中の状態を示す模式図である。(b)は、本発明の実施形態に係るロボット装置のロボットアームを位置制御モードで力制御開始位置に動作させた状態を示す模式図である。(c)は、本発明の実施形態に係るロボット装置のロボットアームを力制御モードで組立完了位置に動作させている途中の状態を示す模式図である。(d)は、組立品を構成するそれぞれの部品を示す模式図である。 ローパスフィルタの帯域を求める際に位置制御モードにてロボットアームを動作させた際の位置指令値と力検知値の結果を示すグラフである。 (a)は、本発明の実施形態のロボット装置における組立完了位置付近でのZ軸方向の力検知値の結果を示すグラフである。(b)は、比較例のロボット装置における組立完了位置付近でのZ軸方向の力検知値の結果を示すグラフである。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態に係るロボット装置の制御系におけるフィードフォワード指令算出部の変形例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るロボット装置を示す概略図である。ロボット装置500は、ロボット100と、ロボット100を制御する制御装置200と、を備えている。
ロボット100は、垂直多関節のロボットアーム101と、エンドエフェクタとしてのロボットハンド102と、力検知部である力覚センサ103と、を有している。ロボットハンド102は、力覚センサ103を介してロボットアーム101の先端に取り付けられている。即ち、力覚センサ103は、ロボットアーム101とロボットハンド102との間に配置されている。
ロボットアーム101は、架台の上面に固定されたベース部(基端リンク)110と、変位や力を伝達する複数のリンク111〜116とが複数の関節J1〜J6で屈曲(旋回)又は回転可能に連結されている。本実施形態では、ロボットアーム101は、6軸の関節J1〜J6を有している。ロボットアーム101の基端が固定端であり、ロボットアーム101の先端が自由端である。したがって、ロボットアーム101の複数の関節J1〜J6が旋回又は回転動作することにより、ロボットハンド102の位置及び姿勢を変更することができる。
ロボットハンド102は、複数のフィンガー(爪)と、複数のフィンガーを駆動させる不図示の駆動装置とを有している。駆動装置が複数のフィンガーを閉動作させることにより、部品W1を把持することができ、複数のフィンガーを開動作させることにより、部品W1を把持解放することができる。ロボットハンド102は、複数のフィンガーを用いて部品W1を把持することにより、部品W1を別の部品W2に嵌合する嵌合作業を行い、組み立てることにより、物品(組立品)を製造することができる。また、ロボットハンド102は、組立時に用いるツール等を把持することができる。
力覚センサ103は、互いに直交する3軸それぞれの方向の荷重Fx,Fy,Fzと、各軸まわりのモーメントMx,My,Mzと、を検知可能である。以下、荷重及びモーメントを「力」という。即ち、力覚センサ103は、ロボットハンド102に作用する力を検知する。力覚センサ103の力検知値(力計測値)は、制御装置200に、所定の周期で送信される。
ロボットアーム101は、各関節J1〜J6に配置され、各関節J1〜J6をそれぞれ駆動する複数(6つ)の駆動装置(駆動部)130を有している。
図2は、ロボットアーム101の関節J2を示す部分断面図である。以下、関節J2を例に代表して説明し、他の関節J1,J3〜J6については、同様の構成であるため、説明を省略する。
駆動装置130は、電動モータである回転モータ(以下、「モータ」という)131と、モータ131の回転軸132の回転を減速する減速機133と、を有している。関節J2には、当該関節J2の関節角度(関節位置)を検知する角度検知部(位置検知部)であるロータリーエンコーダ(以下、「エンコーダ」という)135が配置されている。ここで、「関節角度を検知する」とは、関節角度そのものの角度を検知する場合と、関節角度に対応するモータ角度を検知する場合とがあり、本実施形態では、関節角度に対応するモータ角度を検知することを意味する。
本実施形態のエンコーダ135は、モータ131の回転軸132(減速機133の入力軸)の回転角度を検知する。減速機133の減速比をN(例えば50)とすると、エンコーダ135は、関節角度に対応する角度、本実施形態では関節角度のN倍の角度を検知する。したがって、基準角度に対する関節J2の回転角度が1[°]であれば、エンコーダ135により検知されるモータ131の回転角度は50[°]となる。よって、モータ131の回転軸132の回転角度は、関節そのものの角度とは倍率が異なるだけで、関節そのものの角度と等価であり、以下、関節角度とは、モータ131の回転角度のことをいう。
なお、本実施形態のロボットアーム101の各関節は、旋回又は回転する関節であるため、関節位置とは、関節角度(旋回又は回転角度)のことであるが、直動する関節の場合は、関節位置(直動位置)ということになる。直動関節の場合も、位置検知部は、関節位置を検知することとなる。
モータ131は、サーボモータであり、例えばブラシレスDCサーボモータやACサーボモータである。エンコーダ135は、アブソリュート型のロータリーエンコーダが望ましく、1回転の絶対角度エンコーダ、絶対角度エンコーダの回転総数のカウンタ、及びカウンタに電力を供給するバックアップ電池を有して構成される。ロボットアーム101への電源の供給がオフになっても、このバックアップ電池が有効であれば、ロボットアーム101への電源供給のオン/オフに関係なく、カウンタにおいて回転総数が保持される。したがって、ロボットアーム101の姿勢が制御可能となる。なお、エンコーダ135は、回転軸132に取り付けられているが、減速機133の入力軸に取り付けてもよい。また、リンク111とリンク112とは、クロスローラベアリング137を介して回転自在に結合されている。
モータ131は、モータカバー138で覆われて保護されている。モータ131とエンコーダ135との間には、不図示のブレーキユニットが設けられている。ブレーキユニットの主な機能は、電源オフ時のロボットアーム101の姿勢の保持である。
減速機133は、本実施形態では、小型軽量で減速比の大きい波動歯車減速機である。減速機133は、モータ131の回転軸132に結合された、入力軸であるウェブジェネレータ141と、リンク112に固定された、出力軸であるサーキュラスプライン142と、を備えている。なお、サーキュラスプライン142は、リンク112に直結されているが、リンク112に一体に形成されていてもよい。
また、減速機133は、ウェブジェネレータ141とサーキュラスプライン142との間に配置され、リンク111に固定されたフレクスプライン143を備えている。フレクスプライン143は、ウェブジェネレータ141の回転に対して減速比Nで減速され、サーキュラスプライン142に対して相対的に回転する。従って、モータ131の回転軸132の回転は、減速機133で1/Nの減速比で減速されて、フレクスプライン143が固定されたリンク111に対してサーキュラスプライン142が固定されたリンク112を相対的に回転運動させ、関節J2を屈曲させる。
制御装置200は、6つのモータ131のそれぞれを選択的に駆動制御することで、ロボット100の先端(ロボットハンド102)の位置及び姿勢を任意に移動させることができる。
図3は、ロボット装置500の制御装置200の構成を示すブロック図である。制御装置200は、メイン制御装置230と、複数(関節の数に対応した数:本実施形態では6つ)の関節制御装置240と、を有する。各関節制御装置240は、フィードバック制御により各関節の位置制御を行う。また、メイン制御装置230は、力覚センサ103の力検知値から、力覚センサ103にかかる力が、予め設定された所望の値(力指令値)になるようにフィードバック制御を行う。
メイン制御装置230は、コンピュータで構成されており、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)201を備えている。また、メイン制御装置230は、記憶部として、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204を備えている。また、メイン制御装置230は、記録ディスクドライブ205、インタフェース213及び検知回路214を備えている。
CPU201には、ROM202、RAM203、HDD204、記録ディスクドライブ205、インタフェース213及び検知回路214が、バスを介して接続されている。ROM202には、BIOS等の基本プログラムが格納されている。RAM203は、CPU201の演算処理結果等、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
HDD204は、CPU201の演算処理結果や外部から取得した各種データ等を記憶する記憶装置であると共に、CPU201に、後述する演算処理を実行させるためのプログラム220を記録するものである。CPU201は、HDD204に記録(格納)されたプログラム220に基づいてロボット制御方法の各工程を実行する。
記録ディスクドライブ205は、記録ディスク221に記録された各種データやプログラム等を読み出すことができる。なお、メイン制御装置230には、書き換え可能な不揮発性メモリや外付けHDD等の不図示の外部記憶装置が接続されていてもよい。
力覚センサ103は、検知回路214に接続されている。検知回路214は、力覚センサ103により検知された力検知値を取得する。検知回路214は、力検知値を示す信号を、CPU201にて取得可能な信号に変換してCPU201に出力する。
インタフェース213には、関節制御装置240が接続されている。なお、本実施形態では、ロボットアーム101が6つの関節J1〜J6を有しているので、制御装置200は、6つの関節制御装置240を有するが、図3では、関節制御装置240を1つだけ図示し、残りの5つは図示を省略している。各関節制御装置240は、制御装置200の筐体内に配置されている。なお、各関節制御装置240の配置位置は、筐体内に限定するものではなく、例えばロボットアーム101に配置されていてもよい。
CPU201は、教示点のデータ及びロボットプログラムに基づきロボットアーム101の軌道(ロボット100の手先、即ちロボットハンド102の位置指令値)を計算する。
CPU201は、位置制御モードと、力制御モードとに切り替えられる。これら制御モードのうち、いずれの制御モードでロボットアーム101を動作させるかは、例えばロボットプログラムに記述されている。CPU201は、位置制御モード時は、HDD204等の記憶部に予め設定(記憶)されている軌道データに従ってロボットアーム101の動作を制御する。CPU201は、力制御モード時には、力覚センサ103の検知結果に基づき軌道データを補正して、ロボットアーム101の動作を制御する。CPU201は、これら制御モードのいずれかに設定された場合、軌道データ(位置指令値)から各関節J1〜J6の関節角度指令値(関節位置指令値)を計算し、各関節角度指令値の信号を、所定時間間隔で各関節制御装置240に出力する。これにより、CPU201は、ロボットアーム101の動作を制御する。
ここで、本実施形態ではエンコーダ135は、モータ131の回転軸132の回転角度(回転位置)を検知するので、関節角度指令値は、モータ131の回転軸132の回転角度に対する角度指令値ということになる。よって、以下、関節の関節角度指令値とは、モータ131の角度指令値のことをいう。
なお、本実施形態では、関節位置指令値を関節角度指令値と名称を変えているが、ロボットアーム101の各関節が旋回又は回転する関節であるためであり、関節角度指令値は、関節位置指令値のことである。なお、直動する関節の場合は、そのまま関節位置指令値ということになる。
また、図示は省略するが、ロボットハンド102の駆動装置に対してもハンド制御装置が設けられており、CPU201は、ハンド制御装置に指令することで、ロボットハンド102の動作を制御する。
関節制御装置240は、プリント回路板で構成されている。関節制御装置240は、CPU251、記憶部としてのEEPROM252及びRAM253、インタフェース261、検知回路262,263並びにPWM生成器265を備えており、これらがバスを介して接続されて構成されている。
CPU251は、プログラム270に従って演算処理を実行する。EEPROM252は、プログラム270を記憶する記憶装置である。RAM253は、CPU251の演算処理結果等、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
メイン制御装置230は、複数(6つ)のインタフェース213(図3では1つのみ図示)を有している。各インタフェース213と各関節制御装置240のインタフェース261とがケーブル等で接続されており、メイン制御装置230と各関節制御装置240との間で信号の送受信を行うことができる。
エンコーダ135は、検知回路262に接続されている。エンコーダ135からは、検知した角度検知値を示すパルス信号が出力される。検知回路262は、エンコーダ135からパルス信号を取得し、CPU251にて取得可能な信号に変換してCPU251に出力する。CPU251は、これらエンコーダ135の検知結果をCPU201に出力する。
電流センサ136は、検知回路263に接続され、モータ131に供給される電流を検知する。検知回路263は、電流センサ136により検知された電流の電流値を示す信号を取得し、CPU251にて取得可能な信号に変換してCPU251に出力する。
PWM生成器265は、例えば半導体スイッチング素子を有するモータドライバであり、入力した電流指令値に応じて、パルス幅変調された3相交流のPWM波形の電圧をモータ131に出力することで、モータ131に電流を供給する。
各関節制御装置240のCPU251は、メイン制御装置230のCPU201から入力を受けた関節角度指令値に関節角度が近づくように、モータ131への電流の出力量(電流指令)を演算し、電流指令をPWM生成器265に出力する。
PWM生成器265は、入力を受けた電流指令に対応する電流をモータ131に供給する。そして、モータ131は、PWM生成器265から電力供給を受けて駆動トルクを発生し、減速機133の入力軸であるウェブジェネレータ141にトルクを伝達する。減速機133において、出力軸であるサーキュラスプライン142は、ウェブジェネレータ141の回転に対して1/Nの回転数で回転する。これにより、リンク112がリンク111に対して相対的に回転する。
このように、各関節制御装置240は、関節角度がメイン制御装置230から入力を受けた関節角度指令値に近づくようにモータ131に電流を供給して、各関節J1〜J6の関節角度を制御する。
なお、本実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記録媒体がHDD204であり、HDD204にプログラム220が格納される場合について説明するが、これに限定するものではない。プログラム220は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、プログラム220を供給するための記録媒体としては、図3に示す記録ディスク221、不図示の外部記憶装置等を用いてもよい。具体例を挙げて説明すると、記録媒体として、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性メモリ、ROM等を用いることができる。
図4は、本発明の実施形態に係るロボット装置の制御系の力制御時の制御ブロックを示す図である。図5は、本発明の実施形態に係るロボット装置の位置制御部の制御ブロックを示す図である。
メイン制御装置230のCPU201は、プログラム220を読み出して実行することにより、図4に示すフィードフォワード指令算出部10,力制御量演算部20,逆キネマティクス演算部30,加算部40,キネマティクス演算部50として機能する。また、各関節制御装置240のCPU251は、プログラム270を読み出して実行することにより、図5に示す減算器61、位置制御器62、速度変換器63、減算器64、速度制御器65、減算器66及び電流制御器67として機能する。これら各器61〜67、PWM生成器265、電流センサ136、モータ131及びエンコーダ135で、位置制御部60が構成されている。
メイン制御装置230のCPU201は、各関節J1〜J6の関節角度の目標値である関節角度指令値θ (i=1〜6)を求め、各関節制御装置240のCPU251に、各関節角度指令値θ を出力する。位置制御部60は、関節角度指令値θ を入力し、ロボットアーム101の各関節J1〜J6の位置制御(角度制御)を行う。なお、位置制御部60は、関節が6つあるので、6つあるが、図4では、位置制御部60を代表して1つ図示だけ図示し、残りの5つは図示を省略している。
まず、図5に示す位置制御部60について詳細に説明する。位置制御部60は、一般にカスケード制御と呼ばれている制御方式をとっており、位置制御器62、速度制御器65、電流制御器67を直列に接続した構成となっている。カスケード制御方式の特徴として、各制御器の制御周期を個別の設定できるという特徴がある。本実施形態において、各制御器の制御周期は、電流制御器67<速度制御器65<位置制御器62となるように設定されている。
減算器61は、関節Jiの関節角度指令値(モータ131の角度指令値)θ とエンコーダ135により検知された角度検知値θとの差分値(θ −θ)、つまり角度偏差を求める。
位置制御器62は、差分値(θ −θ)に対し、比例や積分や微分演算を行うPID制御などの一般的なフィードバック制御系を構成している。本実施形態では、位置制御器62は、比例演算のみを行うP制御とし、速度指令値ω を出力する。
速度変換器63は、角度値θを時間で微分してモータ131の速度値ωを算出する。減算器64は、速度指令値ω と速度値ωとの差分値(ω −ω)、つまり速度偏差を求める。速度制御器65は、差分値(ω −ω)に対し、PID制御などを行う一般的なフィードバック制御系を構成している。本実施形態では、速度制御器65は、比例と積分演算を行うPI制御とし、電流指令値I を出力する。
電流センサ136は、モータ131に供給されている電流、即ちPWM生成器265の出力電流の電流値Iを検知する。減算器66は、電流指令値I と電流値Iとの差分値(I −I)、つまり電流偏差を求める。電流制御器67は、差分値(I −I)に対し、PID制御などを行う一般的なフィードバック制御系を構成している。本実施形態では、電流制御器67は、比例、積分、微分演算を行うPID制御を行う。
なお、位置制御器62、速度制御器65、電流制御器67のPID制御などの演算に用いられる各制御定数は、制御帯域や制御安定性、各軸のモータ131に接続される機械負荷の固有振動等を考慮した値に個別に設定される。
以上、各関節制御装置240のCPU251は、メイン制御装置230のCPU201から指令値θ 〜θ を入力し、モータ131の回転角度θ〜θが指令値θ 〜θ に近づくように各関節J1〜J6のモータ131の回転角度を制御する。このように、メイン制御装置230のCPU201は、各関節制御装置240のCPU251に関節角度指令値θ 〜θ を出力する(指令する)ことで、各関節J1〜J6の動作(関節角度)を制御することとなる。
次に、メイン制御装置230における制御動作について詳細に説明する。図4に示す力制御量演算部20は、減算部21、力制御部22、加算部23及びヤコビ行列演算部24からなる。フィードフォワード指令算出部10は、差分値演算部11、重み係数演算部12、乗算部13及びローパスフィルタ部14からなる。重み係数演算部12は、減算部15と、比例係数乗算部16とからなる。
ここで、本実施形態では、ロボットハンド102の位置に対する位置指令値(軌道データ)P0及びロボットハンド102に作用する力に対する力指令値F0は、HDD204等の記憶部に予め記憶(設定)されている。CPU201は、位置指令値P0及び力指令値F0をHDD204から読み出して取得する。図4の制御ブロックでは、差分値演算部11及び逆キネマティクス演算部30が位置指令値P0を取得し、減算部15及び減算部21が力指令値F0を取得することとなる。
キネマティクス演算部50は、各関節J1〜J6のエンコーダ135により検知された角度検知値θ〜θに基づき、ロボットハンド102の位置(実位置)P0を、順運動学計算により求める(位置算出工程、位置算出処理)。
力制御量演算部20は、力指令値F0と力覚センサ103により検知された力検知値F0との差(F0−F0)を低減するフィードバック制御によるロボットハンド102の位置に対する位置補正指令値P1を演算する。
フィードフォワード指令算出部10は、位置指令値P0を位置補正指令値P1で補正した位置指令値(P0+P1)と、実位置P0との差分値(P0+P1−P0)を用いて、フィードフォワード指令値P3を算出する。
力制御量演算部20は、位置補正指令値P1をフィードフォワード指令値P3で補正して、位置補正値(P1+P3)を求め、この補正結果(P1+P3)を、各関節J1〜J6の角度(位置)に変換した関節補正値θ1 を求める。
逆キネマティクス演算部30は、ロボットアーム101の位置指令値P0から逆運動学計算により、各関節の角度(位置)に対する関節指令値θ0 を求める。
加算部40は、各関節指令値θ0 を各関節補正値θ1 で補正、具体的には、関節指令値θ0 に関節補正値θ1 を加算する補正を行い、各関節角度指令値θ を求める(関節位置指令算出工程、関節位置指令算出処理)。位置制御部60は、各関節角度指令値θ に従って各関節の角度を制御する。
力制御量演算部20について詳細に説明する。まず、減算部21は、力指令値F0と力検知値F0との差分、具体的には、力指令値F0から力検知値F0を減算することで、差分(F0−F0)、つまり力偏差を求める。
力制御部22は、差分(F0−F0)が小さくなるように、即ち力検知値F0が力指令値F0に近づくように、フィードバック制御によりロボットハンド102の位置に対する位置補正指令値P1を求める(補正指令算出工程、補正指令算出処理)。この力制御部22は、ロボットハンド102に力が作用した際のロボットアーム101の位置の応答特性を決めるブロックである。力制御部22は、慣性(M)、粘性(C)、剛性(K)からなる二次系の伝達関数でモデル化することができる。慣性(M)、粘性(C)、剛性(K)のパラメータは、力検知値F0が所望の応答特性となるように調整される。力制御部22におけるパラメータの値は、ユーザが設定してもよいが、自動で適した値を探索して設定してもよい。
加算部23は、フィードフォワード指令算出部10にて算出されたフィードフォワード指令値P3で位置補正指令値(フィードバック指令値)P1を補正する。具体的には、加算部23は、位置補正指令値P1にフィードフォワード指令値P3を加算する補正を行う。
ヤコビ行列演算部24は、加算部23にて補正された補正結果(P1+P3)を各関節の角度に変換して、関節補正値θ1 を求める(関節補正値算出工程、関節補正値算出処理)。具体的には、ヤコビ行列演算部24は、ヤコビ行列を用いて、関節補正値θ1 を求める。
本実施形態では、位置補正指令値P1は、力指令値F0に対する力検知値F0のずれを解消するのに必要な位置指令値P0のフィードバック制御量に相当する。この位置補正指令値P1を、指令値(P0+P1)に対する実位置P0のずれ量に応じたフィードフォワード指令値P3で補正している。このように、位置補正指令値P1をフィードフォワード指令値P3で補正しているので、力制御を行っているときの力のオーバーシュートを抑制できる。更に、位置補正指令値P1をフィードフォワード指令値P3で補正することで、帯域が高くなり、ロボットアーム101の動作速度を高速化することができる。
以下、フィードフォワード指令算出部10におけるフィードフォワード指令算出処理(フィードフォワード指令算出工程)について詳細に説明する。
差分値演算部(位置偏差演算部)11は、位置指令値P0を位置補正指令値P1で補正した位置指令値(P0+P1)と実位置P0との差分値(P0+P1−P0)、つまり位置偏差を求める。本実施形態では(P0+P1)がロボット100への指令値になるため、差分値にP1分のオフセットが発生するのを抑制している。差分値演算部11の演算により、ロボット100の手先位置、即ちロボットハンド102の位置における指令値と実位置とのずれ量である差分値(P0+P1−P0)が求まる。
重み係数演算部12は、力指令値F0と力検知値F0との差分に比例する重み係数を演算する。詳細に説明すると、重み係数演算部12の減算部15は、力指令値F0と力検知値F0との差分として、力指令値F0から力検知値F0を減算した値(F0−F0)、つまり力偏差を求める。重み係数演算部12の比例係数乗算部16は、差分値(F0−F0)に比例係数Vを乗算することで、重み係数G=(F0−F0)×Vを求める。ここで、比例係数Vは正数の定数である。重み係数Gの値は、力差分値(F0−F0)が大きくなるほど大きくなる。逆に、重み係数Gの値は、力差分値(F0−F0)が小さくなるほど小さくなる。
乗算部13は、重み係数Gを差分値(P0+P1−P0)に乗算する。その乗算結果を位置補正量P2とする。
ローパスフィルタ部14は、ロボットアーム101の動作姿勢に応じて制御帯域を変える可変帯域ローパスフィルタである。このローパスフィルタは、デジタルローパスフィルタである。ローパスフィルタ部14は、ロボットアーム101の固有振動数以下をカットオフ周波数とするローパスフィルタで位置補正量P2を補正した値を、フィードフォワード指令値P3とする。本実施形態では、ローパスフィルタ部14は、位置指令値P0と力制御直前の力覚センサ103の力検知値F0とから、ロボットアーム101の固有振動数の演算を行い、ローパスフィルタの帯域(即ち、カットオフ周波数)を決定する。ローパスフィルタ部14は、位置補正量P2に対してフィルタ処理を行い、高域をカットしたフィードフォワード指令値P3を生成する。
ロボットアーム101の姿勢に応じて各関節J1〜J6にかかる負荷が変わるため、ロボットアーム101の姿勢に応じてロボットアーム101の固有振動数が変化する。ロボットアーム101の各関節J1〜J6に配置された減速機133の制御帯域は、十数[Hz]程度である。位置補正量P2によっては、ロボットアーム101が加振し、動作が振動的になる可能性がある。そのため、本実施形態では、ローパスフィルタを用いて、位置補正量P2に対してフィルタ処理を施し、フィードフォワード指令値P3を生成している。これにより、ロボットアーム101の振動を抑制することができる。
また、フィードフォワード指令値P3による補正効果を最大限得るためには、ローパスフィルタの帯域の上限値(カットオフ周波数)をできるだけ高く設定する必要がある。本実施形態では、カットオフ周波数を、ロボットアーム101の固有振動数に設定している。このカットオフ周波数は、ロボットアーム101の固有振動数に応じて、即ちロボットアーム101の姿勢に応じて設定される。
ローパスフィルタ部14の帯域設定手順について詳細に説明する。図6は、本発明の実施形態に係るロボット装置のローパスフィルタ部により帯域を設定するときの処理を示すフローチャートである。ローパスフィルタの帯域の設定は、力制御を開始する前に行う。例えば、力制御を開始する直前の位置である力制御開始位置にロボットアーム101を移動させた際に、ローパスフィルタの帯域の設定を行う。ロボットアーム101の力制御直前の姿勢は力制御時の姿勢と大きく変わらないため、適した帯域を設定することが可能となる。
ローパスフィルタ部14は、ロボットアーム101の姿勢が力制御を行う姿勢に近い状態での位置制御時の位置指令値P0から、ロボット100の手先、即ちロボットハンド102の加速度を算出し、加速度の周波数特性を求める(S1)。
また、ローパスフィルタ部14は、前記位置制御時に、力覚センサ103により検知された力検知値F0の加速度成分の周波数特性を求める(S2)。
次に、ローパスフィルタ部14は、ステップS1で求めた加速度の周波数成分とステップS2で求めた加速度の周波数成分との差分をとり、差分をとった周波数特性からロボットアーム101の固有振動数を算出する(S3)。
次に、ローパスフィルタ部14は、ステップS3で求めた固有振動数の値以下の値、本実施形態では、固有振動数の値をローパスフィルタの制御帯域の上限値(カットオフ周波数)として設定する(S4)。
なお、ロボットアーム101の姿勢(即ち、位置指令値)に対応付けたカットオフ周波数の値を予めHDD204等の記憶部に記憶させておいてもよい。そして、ローパスフィルタ部14は、ロボットアーム101の姿勢(即ち、位置指令値)に対するカットオフ周波数の値をHDD204から読み出すようにしてもよい。例えば、HDD204には、ロボットアーム101の姿勢とカットオフ周波数の値とを対応付けたテーブルデータを記憶させておけばよい。このようにすることで、力制御開始前のローパスフィルタの帯域を決定するための演算処理を省略することができる。
図7は、本発明の実施形態に係るロボット装置による組立品の製造方法を説明するための模式図である。図7(a)は、本発明の実施形態に係るロボット装置のロボットアームを位置制御モードで力制御開始位置に動作させている途中の状態を示す模式図である。図7(b)は、本発明の実施形態に係るロボット装置のロボットアームを位置制御モードで力制御開始位置に動作させた状態を示す模式図である。図7(c)は、本発明の実施形態に係るロボット装置のロボットアームを力制御モードで組立完了位置に動作させている途中の状態を示す模式図である。図7(d)は、組立品を構成するそれぞれの部品を示す模式図である。
ロボットハンド102により把持された組立ワーク(部品)W1を、架台520に固定された被組立ワーク(部品)W2に力制御を用いて組み付ける。図7(d)に示すように、組立ワークW1は円筒状の部材であり、被組立ワークW2は組立ワークW1と嵌合される凸形状部を有している。組立ワークW1を被組立ワークW2に嵌合した際、Z軸方向に5[N]で押し付けて組立完了となる。
まず、CPU201は、位置制御モードにて、図7(a)の状態から図7(b)の状態へ、ロボットアーム101を動作させる。次に、CPU201は、力制御モードにて、図7(b)の状態から図7(c)の状態へ、ロボットアーム101を動作させる。図7(c)において、組立完了位置付近で、組立ワークW1と被組立ワークW2とがZ軸方向に接触している。
本実施形態では、CPU201は、図7(a)の状態から図7(b)の状態へロボットアーム101を位置制御にて動作させている。このときに、CPU201は、力覚センサ103から力検知値F0を取得して、位置指令値P0と力検知値F0を用いて、図6のフローチャートに従ってローパスフィルタの制御帯域(カットオフ周波数)を求める。
図8は、ローパスフィルタの帯域を求める際に位置制御モードにてロボットアーム101を動作させた際の位置指令値P0と力検知値F0の結果を示すグラフである。図8に示す結果から、ロボットアーム101の固有振動数は18.5[Hz]と求まった。したがって、本実施形態では、ローパスフィルタの制御帯域を18.5[Hz]とした。このように、ロボットアーム101の姿勢により各関節にかかる負荷が変わり、ロボットアーム101の固有振動数が姿勢により変化するため、姿勢に応じてローパスフィルタの帯域を設定することは有効である。
図9(a)は、本発明の実施形態のロボット装置における組立完了位置付近でのZ軸方向の力検知値F0の結果を示すグラフである。本実施形態のロボット装置500では、比例係数Vを25とした。図9(b)は、比較例のロボット装置における組立完了位置付近でのZ軸方向の力検知値F0の結果を示すグラフである。比較例のロボット装置では、比例係数Vをゼロ、つまりフィードフォワード指令値P3をゼロとして力制御を行った。
本実施形態では、フィードフォワード指令値P3を力制御部22の演算結果P1に加算し、位置制御部60の制御遅れを補正している。このため、図9(a)に示すように、図9(b)と比較して、力指令値F0に対する力検知値F0のオーバーシュートが抑制されている。よって、力制御時の組立ワークW1に対する負荷を低減することができる。また、比例係数Vを大きくすると、補正効果が大きくなるので、力制御時の立ち上がりがよくなる。
また、組立ワークW1と被組立ワークW2とがZ軸方向に接触した直後は、力差分(F0−F0)が大きく、重み係数Gの値も合わせて大きくなるため、フィードフォワード指令値P3による補正結果(P1+P3)も大きくなる。したがって、組立ワークW1と被組立ワークW2とがZ軸方向に接触したときの力検知値F0の立ち上がりが急峻となる。以上より、組立時のワークへの負荷を低減し、かつ力指令値F0に達するまでの時間が短くなる。よって、力制御時の組立時間を短縮することができる。
したがって、ロボット100による組立作業等の作業時に部品にかかる負荷を低減することができ、かつ作業時間を短縮化することができるので、生産性が向上する。
なお、以上説明したフィードフォワード指令算出部10において、必要に応じて、重み係数演算部12やローパスフィルタ部14を省略できる。図10(a)〜図10(d)は、本発明の実施形態に係るロボット装置の制御系におけるフィードフォワード指令算出部の変形例を示す図である。
図4に示すフィードフォワード指令算出部10において、図10(a)に示すように、重み係数演算部12、乗算部13及びローパスフィルタ部14を省略してもよい。この場合、差分値(P0+P1−P0)が、フィードフォワード指令値P3ということになる。このような構成であっても、力制御時の力の収束時間を短縮することができ、力のオーバーシュートを抑制することができ、ロボットアーム101の動作速度を向上させることができる。
また、図4に示すフィードフォワード指令算出部10において、図10(b)に示すように、ローパスフィルタ部14を省略してもよい。この場合、差分値(P0+P1−P0)を重み係数Gで補正した値(P0+P1−P0)×G、即ち位置補正量P2が、フィードフォワード指令値P3ということになる。この場合、図10(a)に示す構成とした場合よりも、力の立ち上がりが速くなる。
また、図4に示すフィードフォワード指令算出部10において、図10(c)に示すように、重み係数演算部12及び乗算部13を省略してもよい。この場合、差分値(P0+P1−P0)にローパスフィルタのフィルタ処理を施した結果が、フィードフォワード指令値P3ということになる。この場合、図10(a)に示す構成とした場合よりも、ロボットアーム101の振動を抑制することができる。
また、図4、図10(a)、図10(b)及び図10(c)に示すフィードフォワード指令算出部10の差分値演算部11において、図10(d)に示すように、位置指令値P0と実位置P0との差分値(P0−P0)を演算するようにしてもよい。
本発明は、以上説明した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、上記実施形態では、ロボットアーム101が垂直多関節のロボットアームの場合について説明したが、これに限定するものではない。ハンドが取り付けられるアームが、例えば、水平多関節のロボットアーム、パラレルリンクのロボットアーム、直交ロボット等、種々のロボットアームであってもよい。
また、上記実施形態では、関節角度を、モータ131の回転軸の回転角度とし、関節角度指令値を、モータ131の回転軸の回転角度に対する角度指令値とした場合について説明したが、これに限定するものではない。
エンコーダ135が、減速機133の出力軸の回転角度を検知する場合には、関節角度は、減速機133の出力軸の回転角度であり、関節角度指令値は、モータ131の回転軸の回転角度に対する角度指令値ということになる。この場合、角度偏差を求める際には、エンコーダ135により検知された値に減速機133の減速比Nを乗算するなど、エンコーダ135の検知値と角度指令値との間で整合を図ればよい。エンコーダ135が一方のリンクに対する他方のリンクの相対角度を検知する場合であっても同様である。
100…ロボット、101…ロボットアーム、102…ロボットハンド(エンドエフェクタ)、103…力覚センサ(力検知部)、135…エンコーダ(位置検知部)、201…CPU(制御部)、500…ロボット装置

Claims (16)

  1. ロボットが、関節と前記関節の関節位置を検出する位置検出部とを有するロボットアームと、前記ロボットアームの先端に取り付けられたエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタに作用する力を検出する力検出部と、を有し、
    制御部が、前記関節の関節位置指令値を取得して、前記関節の動作を制御する制御方法であって、
    前記制御部が、前記位置検出部の位置検出値に基づき前記エンドエフェクタの実位置を求める位置算出工程と、
    前記制御部が、前記力検出部の力検出値が力指令値に近づくように前記エンドエフェクタに対する第1位置補正指令値を求める第1補正指令算出工程と、
    前記制御部が、前記エンドエフェクタに対する位置指令値を取得し、前記位置指令値を、前記第1位置補正指令値で補正し、補正した当該位置指令値と前記実位置との差分値を用いて、前記エンドエフェクタに対する第2位置補正指令値を求める第2補正指令算出工程と、
    前記制御部が、前記第1位置補正指令値を前記第2位置補正指令値で補正し、当該補正結果に基づき前記関節位置指令値を補正する指令値補正工程と、を備えたことを特徴とする制御方法。
  2. 前記指令値補正工程では、
    前記制御部が、
    前記位置指令値に基づき前記関節に対応する前記関節位置指令値を求め、
    前記第1位置補正指令値を前記第2位置補正指令値で補正した補正結果を、前記関節の位置に変換し、前記関節位置指令値を補正することを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
  3. 前記第2補正指令算出工程では、前記制御部が、前記ロボットアームの固有振動数以下をカットオフ周波数とするローパスフィルタで前記差分値を補正した値を、前記第2位置補正指令値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御方法。
  4. 前記第2補正指令算出工程では、前記制御部が、前記力指令値と前記力検出値との差分に比例する重み係数を、前記差分値に乗算して得られる補正量を用いて前記第2位置補正指令値を求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御方法。
  5. 前記第2補正指令算出工程では、前記制御部が、前記ロボットアームの固有振動数以下をカットオフ周波数とするローパスフィルタで前記補正量を補正した値を、前記第2位置補正指令値とすることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
  6. 前記第2補正指令算出工程では、前記制御部が、前記ロボットアームの固有振動数を、前記力検出値に基づいて算出することを特徴とする請求項3又は5に記載の制御方法。
  7. 前記ロボットアームの姿勢に対応付けた前記カットオフ周波数の値を予め記憶部に記憶させておき、
    前記第2補正指令算出工程では、前記制御部が、前記ロボットアームの姿勢に対する前記カットオフ周波数の値を前記記憶部から読み出すことを特徴とする請求項3又は5に記載の制御方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の制御方法により前記ロボットを動作させて物品を製造する物品の製造方法。
  9. 関節と前記関節の関節位置を検出する位置検出部とを有するロボットアームと、
    前記ロボットアームの先端に取り付けられたエンドエフェクタと
    前記エンドエフェクタに作用する力を検出する力検出部と、
    前記関節の関節位置指令値を取得して、前記関節の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記位置検出部の位置検出値に基づき前記エンドエフェクタの実位置を求める位置算出処理と、
    前記力検出部の力検出値が力指令値に近づくように前記エンドエフェクタに対する第1位置補正指令値を求める第1補正指令算出処理と、
    前記エンドエフェクタに対する位置指令値を取得し、前記位置指令値を、前記第1位置補正指令値で補正し、補正した当該位置指令値と前記実位置との差分値を用いて、前記エンドエフェクタに対する第2位置補正指令値を求める第2補正指令算出処理と、
    前記第1位置補正指令値を前記第2位置補正指令値で補正し、当該補正結果に基づき前記関節位置指令値を補正する指令値補正処理と、を実行することを特徴とするロボット装置。
  10. 前記制御部は、前記第2補正指令算出処理において、前記ロボットアームの固有振動数以下をカットオフ周波数とするローパスフィルタで前記差分値を補正した値を、前記第2位置補正指令値とすることを特徴とする請求項9に記載のロボット装置。
  11. 前記制御部は、前記第2補正指令算出処理において、前記力指令値と前記力検出値との差分に比例する重み係数を、前記差分値に乗算して得られる補正量を用いて前記第2位置補正指令値を求めることを特徴とする請求項9又は10に記載のロボット装置。
  12. 前記制御部は、前記第2補正指令算出処理において、前記ロボットアームの固有振動数以下をカットオフ周波数とするローパスフィルタで前記補正量を補正した値を、前記第2位置補正指令値とすることを特徴とする請求項11に記載のロボット装置。
  13. 前記制御部は、前記第2補正指令算出処理において、前記ロボットアームの固有振動数を、前記力検出値に基づいて算出することを特徴とする請求項10又は12に記載のロボット装置。
  14. 前記ロボットアームの姿勢に対応付けた前記カットオフ周波数の値を予め記憶する記憶部を更に備え、
    前記制御部は、前記第2補正指令算出処理において、前記ロボットアームの姿勢に対する前記カットオフ周波数の値を前記記憶部から読み出すことを特徴とする請求項10又は12に記載のロボット装置。
  15. コンピュータに、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の制御方法の各工程を実行させるための制御プログラム。
  16. 請求項15に記載のプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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