JP6699943B2 - ヘッド交換治具及びヘッド交換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッド交換治具及びヘッド交換方法に関する。
従来、インクジェットプリンタにおいて、複数のインクジェットヘッドをスタガ配置で並べたスタガヘッドが用いられている。スタガヘッドにおいては、複数のインクジェットヘッドをあたかも1つのインクジェットヘッドのように制御することにより、大型のインクジェットヘッドを用いる場合と同様の動作を実現することができる。
また、スタガヘッドにおいては、複数のインクジェットヘッドについて、プラテン等に対する位置を合わせることが必要である。また、複数のインクジェットヘッドをあたかも1つのインクジェットヘッドのように動作させるためには、例えばインクジェットヘッド間のオーバーラップ量等を調整するために、プラテン等に対する関係以外に、インクジェットヘッド同士での位置関係の調整を行うことが必要である。
例えば、特許文献1のように、ヘッドを交換した後のヘッドの位置を高精度に再現するために、2方向にそれぞれ設けられた位置決め基準に対してヘッドを押し付けるため押し付け手段が、ヘッドの3辺を囲むように形成された1つの壁に設けられたヘッド交換治具がある。
特開2013−184468号公報
スタガヘッドにおいて、複数のインクジェットヘッドは、通常、互いに近接して高密度に配置される。また、インクジェットプリンタにおいて、インクジェットヘッドの周囲には、例えば、インクジェットヘッドの動作を制御するための信号線等や、インクジェットヘッドへインクを供給するインク供給路等が設けられる場合もある。そのため、スタガヘッドを用いる場合、複数のインクジェットヘッドについて、スペースに余裕のない中で高精度の位置決め(位置合わせ)を行うことが必要になる。
しかし、このような条件の中で高い精度の位置決めを行うことは、通常、容易ではない。例えば、特許文献1のようなヘッド交換治具を用いた場合には、ヘッドの3辺を1つの壁で囲うような構造であるために、ヘッド交換の際の作業性が悪く、容易にヘッドの交換を行うことが難しい。そのため、従来より簡易な方法でインクジェットヘッドの位置決めが可能な構成が望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できるヘッド交換治具及びヘッド交換方法を提供することを目的とする。
本願の発明者は、インクジェットプリンタにおいて複数のインクジェットヘッドを用いる場合のインクジェットヘッドの取り付け方法に関し、鋭意研究を行った。そして、この場合において、各々のインクジェットヘッドを個別にキャリッジに取り付けようとすると調整に多くの時間がかかることに着目し、複数のインクジェットヘッドを予め1つのプレート(ベース部材)に固定する方法を考えた。このように構成すれば、例えば、複数のインクジェットヘッドが固定されたプレートをキャリッジ等に取り付けることにより、相互の位置関係を保ったまま、複数のインクジェットヘッドをインクジェットプリンタに適切に設置することができる。また、これにより、複数のインクジェットヘッドの位置について、より効率的な調整を行うことができる。また、この場合、例えばインクジェットプリンタ又はスタガヘッド等の出荷前の段階では、例えば調整用の装置等を用いて、専門の技術者等により、高い精度で位置決めを行うことができる。
しかし、インクジェットプリンタにおいては、例えば工場出荷後において、一部のインクジェットヘッドに不具合が生じる場合もある。また、その結果、インクジェットヘッドの交換等を行うことが必要になる場合がある。
このような場合、例えば、プレートに取り付けられている複数のインクジェットヘッドを同時に交換すれば、不具合を適切に解消することができる。しかし、この場合、不具合の生じていないインクジェットヘッドも一緒に交換することとなり、ヘッド交換のコストが大きく上昇することになる。
一方、例えばプレートに取り付けられているインクジェットヘッドを個別に交換しようとする場合、他のインクジェットヘッドが取り付けられた状態でインクジェットヘッドを交換することが必要になる。また、インクジェットヘッドの周囲には、信号線やインク供給路等が存在している。そのため、インクジェットヘッドを個別に交換しようとする場合には、狭いスペースの中で高い精度の位置決めが可能な方法が望まれる。また、この場合、交換の作業について、例えば工場等ではなく、インクジェットプリンタを使用する現場において行い得ることが望ましい。そのため、個別のインクジェットヘッドを交換する場合には、より簡易な方法で交換を行い得ることが望まれる。
ここで、インクジェットヘッドを交換するために治具の例は、例えば上記の特許文献1にも開示されている。より具体的に、特許文献1には、高さ方向にスライドするスライダーが設けられた治具を用いて、インクジェットヘッドの交換を行いことが開示されている。しかし、1つのプレートに高密度に配置されている複数のインクジェットヘッドのうちの1つを交換しようとする場合、スペースに余裕がないため、このような治具を用いると、治具の取り付け時等において、例えばインクジェットヘッドの反対側に配置された他の部分(例えばインク供給路や信号線等)との干渉が生じやすくなる。また、特許文献1に開示されている構成のように、インクジェットヘッドの周囲を囲むような治具を用いる場合、十分な精度と強度を得るためには、例えば硬い材質で治具を形成することが必要になる。そして、この場合、硬い治具が他の部品と干渉した場合に、他の部品が損傷するおそれがある。
これに対し、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、インクジェットヘッドの周囲を囲む一の部材ではなく、各々独立した複数の部材で構成された治具を用いることで、スペースの余裕がない状態でもより適切にインクジェットヘッドの位置を調整し得ることを見出した。より具体的には、例えば、複数のインクジェットヘッドが共通のベース部材に搭載されたヘッドアレイを用いる場合において、各々独立した第1治具部材及び第2治具部材に別れたヘッド交換治具を用いることにより、高い精度でより適切にインクジェットヘッドの位置を調整し、インクジェットヘッドを適切に交換し得ることを見出した。上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)液滴を吐出する複数のノズルからなるノズル列を各々有する複数のインクジェットヘッドが共通のベース部材に搭載されたヘッドアレイにおけるインクジェットヘッドを交換する場合に用いる部材であるヘッド交換治具であって、交換により新たにベース部材に搭載されるインクジェットヘッドの位置決めに用いる部材であり、各々独立した部材である、第1治具部材と、第2治具部材とを備え、第1治具部材は、第1方向においてベース部材に対するインクジェットヘッドの位置を決めるための第1位置決め機構と、第1方向と交差する第2方向においてベース部材に対するインクジェットヘッドの位置を決めるための第2位置決め機構とを有し、第2治具部材は、第1方向において第1位置決め機構とは異なる位置でベース部材に対するインクジェットヘッドの第1方向における位置を決めるための第3位置決め機構を有し、第1治具部材と第2治具部材とは、インクジェットヘッドを挟んで対向するように配置されることにより、第1位置決め機構と第3位置決め機構とを協働させて、第1方向におけるインクジェットヘッドの位置を決める。
この構成において、ベース部材とは、例えば、お互いの相対位置を合わせた状態で複数のインクジェットヘッドを固定する固定部材である。ベース部材は、例えば、複数のインクジェットヘッドが取り付けられるプレート状の部材であってよい。また、ベース部材に対するインクジェットヘッドの位置を決めるとは、ベース部材に新たに取り付けるインクジェットヘッドについて、既にベース部材に取り付けられているインクジェットヘッドに対する相対位置を決めることであってよい。また、第1治具部材と第2治具部材とは、第1方向においてインクジェットヘッドを挟んで対向するように配置されることが好ましい。
このように構成した場合、例えば、ヘッド交換治具が第1治具部材及び第2治具部材に別れているため、例えば複数のインクジェットヘッドのうちの1つを交換する場合において、他のインクジェットヘッドがベース部材に取り付けられており、ベース部材上にスペースの余裕がない場合にも、ヘッド交換治具をより容易に設置することができる。また、これにより、例えば、交換により新たにベース部材に搭載されるインクジェットヘッドの位置について、ヘッド交換治具を用いて適切に調整することができる。そのため、このように構成すれば、例えば、複数のインクジェットヘッドが共通のベース部材に搭載されたヘッドアレイにおいて、インクジェットヘッドの位置決めをより容易かつ適切に行うことができる。
また、この場合、第1治具部材及び第2治具部材としては、例えば、インクジェットヘッドの周囲を囲む一の部材を位置決め用の治具として用いる場合と比べ、小型の部材を用いることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッドの周辺に配置された他の部材等と干渉させずにヘッド交換治具を設置することがより容易になる。
また、この場合、第1治具部材及び第2治具部材として小型の部材を用いることが可能であるため、必ずしも硬い材質で形成したり、厚みのある構成にしなくても、必要な剛性を適切に確保することができる。そのため、ヘッド交換治具の設置時において、仮に、インクジェットヘッドの周辺に配置された他の部材等に干渉したとしても、他の部品の損傷等を適切に防ぐことができる。
また、この場合、インクジェットヘッドを挟んで対向するように第1治具部材及び第2治具部材を配置し、第1治具部材の第1位置決め機構と第2治具部材の第3位置決め機構とを協働させて位置決めを行うことにより、第1方向におけるインクジェットヘッドの位置を高い精度で適切に調整することができる。第1位置決め機構と第3位置決め機構とを協働させて位置決めを行うとは、例えば、第1方向におけるインクジェットヘッドの一方側及び他方側の各々の位置に第1位置決め機構及び第3位置決め機構の各々を設置して、両機構の機能を利用して位置決めを行うことである。
また、第1治具部材の第2位置決め機構を用いることにより、第2方向においても、インクジェットヘッドの位置を適切に調整することができる。そのため、このように構成すれば、例えば、ベース部材上の周囲の部材等との干渉を防ぎつつ、インクジェットヘッドの位置決めをより確実に行うことができる。
尚、この構成において、第2方向は、例えば、第1方向と直交する方向である。また、このヘッドアレイは、例えば、複数のインクジェットヘッドがスタガ配置で並ぶスタガヘッドである。また、ヘッドアレイは、例えば、インクジェットプリンタ等に取り付けられた状態で使用される。また、このヘッド交換治具を用いて行うインクジェットヘッドの交換は、例えば、ヘッドアレイ又はインクジェットプリンタ等の工場出荷後に、不具合の生じたインクジェットヘッドを新たなインクジェットヘッドに取り換える交換である。より具体的に、この交換は、例えば、ベース部材に搭載された複数のインクジェットヘッドのうちの1個のインクジェットヘッドの交換であってよい。また、複数のインクジェットヘッドを交換する場合には、ヘッド交換治具を用いて、1個ずつ順番に交換することが好ましい。
また、インクジェットヘッドの交換前のヘッドアレイにおいて、複数のインクジェットヘッドは、例えば、工場の出荷時に調整された位置において、ベース部材に搭載されている。また、インクジェットヘッドの交換時には、ヘッド交換治具を用いて、交換前のインクジェットヘッドと同じ位置に、新たなインクジェットヘッドを取り付ける。
(構成2)第2治具部材は、第1方向において第2位置決め機構とは異なる位置で第2方向においてベース部材に対するインクジェットヘッドの位置を決めるための第4位置決め機構を更に有する。このように構成した場合、例えば、第2方向においても2箇所の機構(第2位置決め機構及び第4位置決め機構)で位置決めを行うことにより、位置決めの確実性をより適切に向上させることができる。
尚、この場合、例えば、第2位置決め機構と第4位置決め機構とを協働させて、第2方向におけるインクジェットヘッドの位置を調整することが好ましい。また、第2位置決め機構及び第4位置決め機構は、インクジェットヘッドのノズル列が第1方向に対して傾く角度(傾斜角度)を調整する機構であってよい。この場合、第2位置決め機構及び第4位置決め機構は、例えば、ノズル列において複数のノズルが並ぶノズル列方向が第1方向と平行になるように、インクジェットヘッドの傾斜角度を調整する。
(構成3)インクジェットヘッドにおいてノズル列が形成されている面であるノズル面は、四角形状の面であり、第1治具部材は、インクジェットヘッドのノズル面において隣接する2つの角を囲むように形成された3つの平面からなる壁を有し、第2治具部材は、インクジェットヘッドのノズル面において隣接する2つの角であり、第1治具部材が囲む角とは別の2つの角を囲むように形成された3つの平面からなる壁を有し、第1位置決め機構及び第3位置決め機構の各々は、第1治具部材及び第2治具部材の各々における3つの平面のうちの1つの平面に形成されており、第2位置決め機構及び第4位置決め機構の各々は、第1治具部材及び第2治具部材の各々における3つの平面のうちの2つの平面であり、インクジェットヘッドを挟んで対向する2つの平面に形成されている。
このように構成した場合、第1治具部材及び第2治具部材において3つの平面からなる壁は、例えば、コの字型の部材になる。この場合、例えば、2つの角をそれぞれ囲むコの字型の2つの治具部材によって位置決めを行うことで、インクジェットヘッドの角とコの字型の平面(例えば、平面のうちの2面)との位置関係を利用して、治具部材をインクジェットヘッドにより容易にはめ込むことができる。
そのため、このように構成すれば、例えば、第1治具部材及び第2治具部材をより容易かつ適切に設置することができる。また、これにより、例えば、ベース部材上にスペースの余裕がない場合にも、ヘッド交換治具をより適切に設置することができる。
(構成4)第2位置決め機構は、2つの平面のうちの一方の面に設けられた付勢部材と、2つの平面のうちの他方の面に設けられた、インクジェットヘッドの側面と接するための基準面とを有し、付勢部材によってインクジェットヘッドの少なくとも一部を基準面に押し付ける。
このように構成した場合、1つの治具部材(第1治具部材)の中で、2つの平面のうちの一方の面がインクジェットヘッドを押し付ける役目を果たし、他方の面が押し付けられる基準面の役割を果たすことになる。そのため、このように構成すれば、例えば、治具部材とインクジェットヘッドとをはめ合わせるだけで、第2方向の位置決めを容易かつ適切に行うことができる。
(構成5)第2位置決め機構における付勢部材は、第1方向と平行な複数の線を折り目にして複数箇所で折れ曲がる板バネであり、少なくともいずれかの折り目の位置でインクジェットヘッドと接することにより、インクジェットヘッドを第2位置決め機構における基準面に向けて付勢する。
第2位置決め機構における付勢部材としては、例えば板バネを好適に用いることができる。また、この場合において、単純な構造の板バネを用いるのであれば、例えば、板を1カ所で折り曲げた形状の板バネを用いることが考えられる。この場合、インクジェットヘッドと接していない状態において、板バネは、端の部分が最も突出した状態になる。しかし、この場合、治具部材(第1治具部材等)やインクジェットヘッドの具体的な形状等によっては、治具部材又はインクジェットヘッドの取り付け時において、板バネの端がインクジェットヘッドに引っかかりやすくなることも考えられる。また、その結果、インクジェットヘッドに破損が生じることや、治具部材又はインクジェットヘッドを高い精度で適切に取り付けることが難しくなるおそれもある。
これに対し、上記のような複数箇所で折れ曲がる板バネを用いる場合、例えば、インクジェットヘッドと接していない状態において、端の部分ではなく、いずれかの折り目の位置が最も突出した状態になる。そのため、このように構成すれば、例えば、治具部材やインクジェットヘッドの取り付け時において、板バネの端がインクジェットヘッドに引っかかることを適切に防ぐことができる。
また、この場合、このような引っかかりを防ぐことにより、例えば、インクジェットヘッドがベース部材に取り付けられた状態で治具部材を設置することや、治具部材が先に設置されている状態で新たなインクジェットヘッドを設置することについて、より容易かつ確実に行うことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッドの交換をより適切に行うことができる。また、このように構成した場合、板バネが折り目の位置でインクジェットヘッドと接することにより、板バネがインクジェットヘッドに力を加える位置について、より確実に設定することができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッドの位置をより適切に調整することができる。
尚、この構成において、板バネの折り目とは、板バネを構成する板状体を曲げる位置のことである。また、折り目の位置でインクジェットヘッドと接するとは、例えば、板バネにおける折り目の近傍がインクジェットヘッドと接する状態のことである。また、板バネにおける折り目の近傍がインクジェットヘッドと接する状態とは、例えば、板バネにおいて、折り目を縁にする面状の領域でインクジェットヘッドと接することである。また、折り目の付近がインクジェットヘッドと接する状態とは、例えば、折り目に沿った線状の領域でインクジェットヘッドと接する状態であってもよい。
(構成6)第2位置決め機構の板バネにおいてインクジェットヘッドと接する部分の第1方向における幅は、第1治具部材の第1方向における幅の1/2以下である。この板バネにおいてインクジェットヘッドと接する部分の第1方向における幅は、第1治具部材の第1方向における幅に対し、好ましくは1/3以下、更に好ましくは1/4以下である。
板バネの幅が大きい場合、例えば、他の部材との意図しない接触(干渉)が生じやすくなることも考えられる。また、板バネの幅が大きい場合、例えば、板バネからインクジェットヘッドへ力が加わる領域も広くなるため、インクジェットヘッドの位置の調整の仕方等によっては、インクジェットヘッドへ加わる力の向きが意図しない方向になり、調整を適切に行うことが難しくなること等も考えられる。
これに対し、構成6のように構成した場合、幅の狭い板バネを用いることにより、例えば、他の部材との意図しない接触をより確実に防ぐことができる。また、この場合、インクジェットヘッドへ加える力の向きについても、より確実に制御することができる。そのため、このように構成すれば、例えば、板バネの付勢力を利用したインクジェットヘッドの位置の調整をより適切に行うことができる。
(構成7)第2位置決め機構は、基準面として機能する偏心ピンを有し、第2位置決め機構における板バネは、第1方向における折り目の中央の位置を第2位置決め機構における偏心ピンに合わせて配設されることにより、インクジェットヘッドを挟んで当該偏心ピンと対向する位置において、当該偏心ピンへ向けてインクジェットヘッドを付勢する。
このように構成した場合、偏心ピンを回転させることで第2位置決め機構における基準面の位置を変化させると、その位置の変化に応じて、インクジェットヘッドの傾斜角度が変化することになる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッドの傾斜角度を適切に調整できる。
また、この場合、幅の狭い板バネと偏心ピンとが、第1方向における位置を揃えた状態で、インクジェットヘッドを挟んで対向することになる。そして、この場合、偏心ピンを回転させることで行うインクジェットヘッドの傾斜角度の調整について、より確実かつ適切に行うことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッドの位置の調整をより適切に行うことができる。
(構成8)第3位置決め機構は、インクジェットヘッドの側面と接するための基準面を有しており、第1位置決め機構は、付勢部材を有しており、付勢部材によってインクジェットヘッドの側面の少なくとも一部を基準面に押し付ける。
このように構成した場合、一方の治具部材(第1治具部材)が第1方向においてインクジェットヘッドを押し付ける役目を果たし、他方の治具部材(第2治具部材)が押し付けられる基準面の役割を果たすことになる。そのため、このように構成すれば、例えば、一方側の治具部材を他方側へ押し付けるだけで、第1位置決め機構及び第2位置決め機構とインクジェットヘッドとの位置関係を容易かつ適切に合わせることができる。
(構成9)第1位置決め機構における付勢部材は、第2方向と平行な複数の線を折り目にして複数箇所で折れ曲がる板バネであり、少なくともいずれかの折り目の位置でインクジェットヘッドと接することにより、インクジェットヘッドを第3位置決め機構における基準面に向けて付勢する。このように構成すれば、例えば、第1位置決め機構における板バネに関し、構成5と同様の効果を得ることができる。
(構成10)第1位置決め機構の板バネにおいてインクジェットヘッドと接する部分の第2方向における幅は、第1治具部材の第2方向における幅の1/2以下である。この板バネにおいてインクジェットヘッドと接する部分の第2方向における幅は、第1治具部材の第2方向における幅に対し、好ましくは1/3以下、更に好ましくは1/4以下である。このように構成すれば、例えば、第1位置決め機構における板バネに関し、構成6と同様の効果を得ることができる。
(構成11)構成1〜10のいずれかに記載のヘッド交換治具を使用してインクジェットヘッドの交換を行うヘッド交換方法であって、第1方向は、ノズル列において複数のノズルが並ぶノズル列方向と平行な方向であり、インクジェットヘッドの第1方向における長さは第2方向における長さよりも長く、ヘッドアレイは、第2方向へ並べて複数のインクジェットヘッドがベース部材に搭載されているものであり、第1治具部材を、第1方向におけるインクジェットヘッドの一端側に取り付ける工程と、第2治具部材を、第1方向におけるインクジェットヘッドの他端側に取り付ける工程とを備える。
このように構成すれば、例えば、構成1〜10と同様の効果を得ることができる。また、例えば、インクジェットヘッドの長手方向の両端に第1治具部材及び第2治具部材の各々を取り付けることにより、第2方向へインクジェットヘッドが並ぶようにインクジェットヘッドが集積されている場合にも、より容易かつ適切に治具部材を設置できる。
尚、ノズル列と第1方向とが平行であるとは、例えば、インクジェットヘッドが正しい位置に設置された状態でのノズル列方向と第1方向とが平行になることである。また、第2方向へ並べられた複数のインクジェットヘッドがベース部材に搭載されているとは、例えば、隣接するインクジェットヘッドの第2方向における位置がずれるように、複数のインクジェットヘッドがベース部材に搭載されることであってよい。この場合、隣接するインクジェットヘッドは、例えば、一部分の第1方向における位置が重なる状態で、第2方向へ並んでよい。また、より具体的に、第2方向へ並べて複数のインクジェットヘッドがベース部材に搭載されているとは、例えば、複数のインクジェットヘッドがスタガ配置でベース部材に搭載されることであってよい。
ここで、上記の各構成において、第1位置決め機構、第2位置決め機構、第3位置決め機構、及び第4位置決め機構3の厚さについては、例えば同程度にすることが考えられる。この場合、第1位置決め機構等の厚さとは、例えば、第1位置決め機構等の幅のことである。
また、第1位置決め機構、第2位置決め機構、第3位置決め機構、及び第4位置決め機構3の厚さ等については、同程度にする場合に限らず、ヘッドアレイの構成に合わせて互いに異ならせること等も考えられる。より具体的に、ベース部材においては、例えば、第2方向へ並ぶ複数のインクジェットヘッドを搭載すること等も考えられる。
そして、この場合、第2位置決め機構及び第4位置決め機構の厚さについて、第1位置決め機構及び第3位置決め機構の厚さよりも薄くすること等が考えられる。この場合、第2位置決め機構及び第4位置決め機構の厚さとは、これらの機構が設けられる2つの壁のそれぞれの幅(第2方向における幅)である。また、第1位置決め機構及び第3位置決め機構の厚さとは、これらの機構が設けられる1つの壁の幅(第1方向における幅)である。また、この場合、第2位置決め機構及び第4位置決め機構の各々が設けられる2つの平面を構成する壁の第1方向における長さについて、第1位置決め機構及び第3位置決め機構の各々が設けられる1つの平面を構成する壁の第2方向における長さよりも短くすることが好ましい。
このように構成すれば、例えば、スタガ配置で複数のインクジェットヘッドが配置されたヘッドアレイを用いる場合等において、特に、第2方向におけるインクジェットヘッド間の距離を詰めてキャリッジ長をコンパクトしたい場合に、コの字の対向する壁の厚みを薄く、短くすることができる。また、これにより、例えば、交換時に隣り合うインクジェットヘッドとの干渉をより適切に軽減することができる。また、この場合も、ヘッド交換治具を2個の部材(第1治具部材及び第2治具部材)で構成することや、壁の厚みを薄くしてもその長さを短くすること等により、第1方向での強度が問題になることを適切に防ぐことができる。
本発明によれば、例えば、複数のインクジェットヘッドが共通のベース部材に搭載されたヘッドアレイにおいて、インクジェットヘッドの位置決めをより容易かつ適切に行うことができる。
本発明の一実施形態に係るヘッド交換治具について説明をする図である。図1(a)、(b)は、第1治具部材202及び第2治具部材204の使用状態の一例をヘッドアレイ100と共に示す上面図及び斜視図である。 第1治具部材202及び第2治具部材204の使用状況の他の例を示す図である。図2(a)、(b)は、インクジェットヘッド102c交換する様子を示す上面図及び斜視図である。 第1治具部材202及び第2治具部材204の詳細な構成の一例を示す図である。図3(a)は、第1治具部材202の詳細な構成の一例を示す上面図である。 図3(b)は、第2治具部材204の詳細な構成の一例を示す上面図である。図3(c)は、第1治具部材202の詳細な構成の他の例を示す上面図である。 第1治具部材202及び第2治具部材204の詳細な構成の一例を示す図である。図4(a)は、第1治具部材202の詳細な構成の一例を示す斜視図である。図4(b)は、第2治具部材204の詳細な構成の一例を示す斜視図である。図4(c)は、第1治具部材202の詳細な構成の他の例を示す斜視図である。 第1治具部材202及び第2治具部材204を用いて行う位置決めの動作について説明をする図である。図5(a)は、第1治具部材202及び第2治具部材204の設置の仕方の一例を示す。図5(b)は、インクジェットヘッド102の位置の微調整について更に詳しく説明をする図である。 第1治具部材202及び第2治具部材204の構成の変形例を示す図である。図6(a)は、第1治具部材202の構成の変形例を示す上面図である。図6(b)は、第2治具部材204の構成の変形例を示す上面図である。図6(c)は、第1治具部材202の構成の更なる変形例を示す上面図である。 第1治具部材202及び第2治具部材204の構成の変形例を示す図である。図7(a)は、第1治具部材202の構成の変形例を示す斜視図である。図7(b)は、第2治具部材204の構成の変形例を示す斜視図である。図7(c)は、第1治具部材202の構成の更なる変形例を示す斜視図である。 図6及び図7を用いて説明をした第1治具部材202及び第2治具部材204の特徴について更に詳しく説明をする図である。図8(a)、(b)は、板バネの具体的な形状の特徴について説明をする図である。図8(c)は、付勢部材404を配設する位置の特徴について説明をする図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るヘッド交換治具について説明をする図である。図1(a)、(b)は、第1治具部材202及び第2治具部材204の使用状態の一例をヘッドアレイ100と共に示す上面図及び斜視図であり、ヘッドアレイ100に搭載される一のインクジェットヘッドを交換する様子を示す。また、この場合、図1(a)に示した上面図は、インクジェットヘッドにおいてノズル列が形成されているノズル面と反対の側から第1治具部材202及び第2治具部材204とヘッドアレイ100とを見た場合の図である。また、以下に説明をする点を除き、本例におけるヘッドアレイ100は、公知のヘッドアレイと同一又は同様の特徴を有してよい。
本例において、ヘッド交換治具は、各々独立した2個の部材である第1治具部材202及び第2治具部材204からなる治具であり、ヘッドアレイ100におけるインクジェットヘッドを交換する場合に用いられる。ヘッドアレイ100は、液滴(インク滴)を吐出する複数のノズルからなるノズル列を各々有する複数のインクジェットヘッド102a〜cが共通のベース部材104に搭載された集合ヘッドである。また、本例において、ヘッドアレイ100は、複数のインクジェットヘッド102a〜cがスタガ配置で並べて配設されたスタガヘッドであり、インクジェットプリンタ等に取り付けられた状態で使用される。複数のインクジェットヘッド102a〜cは、相互の位置が予め調整された状態で、ベース部材104に保持されている。
また、図中に示した場合において、インクジェットヘッド102a〜cのノズル列方向は、ヘッドアレイ100において予め設定されたX方向と平行な方向へ向けられる。この場合、ノズル列方向とは、ノズル列において複数のノズルが並ぶ方向である。また、本例において、X方向は、インクジェットヘッド102a〜cの長手方向である。また、X方向は、第1方向の一例である。また、ヘッドアレイ100がインクジェットプリンタに取り付けられた状態において、X方向は、例えば、インクジェットプリンタにおける副走査方向と平行になる。また、X方向と直交するY方向は、第1方向と交差する第2方向の一例である。また、ヘッドアレイ100がインクジェットプリンタに取り付けられた状態において、Y方向は、例えば、インクジェットプリンタにおける主走査方向(スキャン方向)と平行になる。
また、インクジェットヘッド102a〜cの各々において、ノズル列が形成されている面であるノズル面は、四角形状の面である。また、本例において、インクジェットヘッド102a〜cの各々のX方向における長さは、Y方向における長さよりも長い。そして、ヘッドアレイ100において、複数のインクジェットヘッド102a〜cは、図示のように、スタガ配置でベース部材104に搭載されている。
尚、この場合、スタガ配置とは、例えば、複数のインクジェットヘッドを仮想的に一のインクジェットヘッドとして機能させるための配置である。この場合、複数のインクジェットヘッドは、例えば、Y方向の位置をずらしつつ、X方向へ並べて配設される。また、このような配置は、例えば、隣接するインクジェットヘッドについて、一部分のX方向における位置が重なる状態で、Y方向における位置がずれるようにY方向へ並べた配置と考えることもできる。そのため、このような配置については、Y方向へ並べて複数のインクジェットヘッドがベース部材104に搭載されている構成と考えることもできる。
また、ベース部材104は、お互いの相対位置を合わせた状態で複数のインクジェットヘッド102a〜cを固定する固定部材である。ベース部材104は、複数のインクジェットヘッド102a〜cが取り付けられるプレート状の部材であってよい。この場合、ベース部材104がプレート状であるとは、例えば、図中に示すように、ベース部材104が略板状であることである。また、例えばヘッドアレイ100又はインクジェットプリンタ等の工場出荷時において、複数のインクジェットヘッド102a〜cは、相互の位置が予め調整された状態で、ベース部材104に対して固定される。
また、ヘッドアレイ100において、複数のインクジェットヘッド102a〜cの各々は、工場出荷後等にも必要に応じて交換可能な状態で、ベース部材104に搭載されている。そのため、例えばインクジェットヘッド102a〜cのいずれかに故障等の不具合が生じた場合等には、不具合の生じたインクジェットヘッドのみについて、新たなインクジェットヘッドへの交換を行う。また、この場合、第1治具部材202及び第2治具部材204は、交換により新たにベース部材104に搭載されるインクジェットヘッドの位置決めに用いられる。
また、インクジェットヘッドの位置決めを行う場合、第1治具部材202及び第2治具部材204は、X方向においてインクジェットヘッドを挟んで対向するように配置される。より具体的に、図1においては、複数のインクジェットヘッド102a〜cのうち、インクジェットヘッド102aを交換する場合における第1治具部材202及び第2治具部材204の使用状況の一例を示している。この場合、インクジェットヘッド102aを交換するとは、図示したヘッドアレイ100においてインクジェットヘッド102aの位置に搭載されているインクジェットヘッドを新たなインクジェットヘッドに交換することである。
また、本例において、第1治具部材202は、インクジェットヘッドのノズル面において隣接する2つの角を囲むように形成された3つの平面からなる壁を有する。第2治具部材204は、インクジェットヘッドのノズル面において隣接する2つの角であり、第1治具部材202が囲む角とは別の2つの角を囲むように形成された3つの平面からなる壁を有する。この場合、インクジェットヘッドのノズル面において隣接する2つの角を囲むとは、交換対象のインクジェットヘッド102aのノズル面において隣接する2つの角を囲むことである。また、第1治具部材202及び第2治具部材204がこのような3つの平面からなる壁を有するとは、例えば、第1治具部材202及び第2治具部材204においてインクジェットヘッドと接する部分がコの字型になっていることである。第1治具部材202及び第2治具部材204の具体的な構成や、第1治具部材202及び第2治具部材204を用いて位置決めの仕方等については、後に更に詳しく説明をする。
本例においては、ヘッド交換治具が第1治具部材202及び第2治具部材204に別れているため、例えば複数のインクジェットヘッド102a〜cのうちの1つを交換する場合において、他のインクジェットヘッドがベース部材104に取り付けられており、ベース部材104上にスペースの余裕がない場合にも、ヘッド交換治具をより容易に設置することができる。また、これにより、交換により新たにベース部材104に搭載されるインクジェットヘッドの位置について、ヘッド交換治具を用いて適切に調整することができる。そのため、本例によれば、例えば、複数のインクジェットヘッドが共通のベース部材104に搭載されたヘッドアレイ100において、インクジェットヘッドの位置決めをより容易かつ適切に行うことができる。また、これにより、インクジェットヘッドの交換をより適切に行うことができる。
また、この場合、第1治具部材202及び第2治具部材204としては、例えばインクジェットヘッドの周囲を囲む一の部材を位置決め用の治具として用いる場合と比べ、小型の部材を用いることができる。そのため、本例によれば、例えば、インクジェットヘッドの周辺に配置された他の部材等と干渉させずにヘッド交換治具を設置することがより容易になる。
また、この場合、第1治具部材202及び第2治具部材204として小型の部材を用いることが可能であるため、必ずしも硬い材質で形成したり、厚みのある構成にしなくても、必要な剛性を適切に確保することができる。そのため、ヘッド交換治具の設置時において、仮に、インクジェットヘッドの周辺に配置された他の部材等に干渉したとしても、他の部品の損傷等を適切に防ぐことができる。
このように、本例によれば、例えば、複数のインクジェットヘッド102a〜cがベース部材104に搭載されたヘッドアレイ100を用いる場合において、各々のインクジェットヘッドを容易かつ適切に交換することができる。また、これにより、例えば、いずれかのインクジェットヘッドの故障時にヘッドアレイ100全体の交換が必要な場合等と比べ、ヘッド交換のコストが適切に低減することができる。
ここで、インクジェットヘッド102aを交換する動作について、更に詳しく説明をする。インクジェットヘッド102aの交換時には、先ず、例えば、交換前のインクジェットヘッド102aに対して第1治具部材202及び第2治具部材204を設置する。また、これにより、他のインクジェットヘッド102b、cに対して位置が合わせられているインクジェットヘッド102aの位置に合わせて、第1治具部材202及び第2治具部材204を設置する。また、その後、インクジェットヘッド102aを取り外し、新たなインクジェットヘッドを取り付ける。このように構成すれば、新たなインクジェットヘッドの位置を、第1治具部材202及び第2治具部材204により適切に決定することができる。また、これにより、例えば、交換前のインクジェットヘッドと同じ位置に、新たなインクジェットヘッドを適切に設置することができる。
また、この場合、新たなインクジェットヘッドの設置後に、第1治具部材202及び第2治具部材204を用いて、位置の微調整を行うことが好ましい。このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッドの特性や設置位置に微小な誤差等が生じている場合にも、インクジェットヘッドの位置をより適切に調整することができる。また、このような微調整は、例えばテスト用の印刷(テストプリント)の結果に基づいて行うことが好ましい。また、必要に応じて、テストプリントと微調整とを繰り返すことが好ましい。このように構成すれば、実際にインク滴が吐出される状態に合わせて、インクジェットヘッドの位置をより適切に調整することができる。
また、この場合、テストプリントと微調整との繰り返しは、第1治具部材202及び第2治具部材204とを設置したままで行うことが好ましい。このように構成すれば、例えば、テストプリントの結果に基づく微調整等をより適切に行うことができる。また、この場合、例えば微調整の完了後に、第1治具部材202及び第2治具部材204を取り外す。
また、ヘッドアレイ100において、複数のインクジェットヘッドの交換を行う場合、交換対象の複数のインクジェットヘッドについて、1個ずつ順番に交換を行うことが好ましい。この場合、第1治具部材202及び第2治具部材204を設置する位置を順次変更することにより、各々のインクジェットヘッドを交換する。
図2は、第1治具部材202及び第2治具部材204の使用状況の他の例を示す。図2(a)、(b)は、インクジェットヘッド102cを交換する様子を示す上面図及び斜視図である。
図2から明らかなように、本例においては、第1治具部材202及び第2治具部材204を設置する位置を変更することにより、図1で説明したインクジェットヘッド102aに限らず、他のインクジェットヘッド102cに対しても、交換時の位置決めを適切に行うことができる。また、図示は省略したが、同様にして、インクジェットヘッド102bに対する交換時の位置決めも適切に行うことができる。従って、本例によれば、ヘッドアレイ100に搭載されるインクジェットヘッド102a〜cのいずれに対しても、位置決めを適切に行うことができる。また、これにより、インクジェットヘッド102a〜cのいずれについても、インクジェットヘッドの交換を適切に行うことができる。
続いて、第1治具部材202及び第2治具部材204の具体的な構成や、第1治具部材202及び第2治具部材204を用いて位置決めの仕方等について、更に詳しく説明をする。図3及び図4は、第1治具部材202及び第2治具部材204の詳細な構成の一例を示す。図3(a)及び図4(a)は、第1治具部材202の詳細な構成の一例を示す上面図及び斜視図である。また、以下においては、交換対象の位置にあるインクジェットヘッドについて、インクジェットヘッド102と記す。このインクジェットヘッド102は、図1又は図2に示したインクジェットヘッド102a〜cのいずれかである。
上記においても説明をしたように、本例において、第1治具部材202は、インクジェットヘッドと接する部分がコの字型になっており、インクジェットヘッドのノズル面において隣接する2つの角を囲むように形成された3つの平面からなる壁を有する。また、ここのような形状を有することにより、第1治具部材202は、機能的に、第1位置決め機構302及び第2位置決め機構304を有する。
第1位置決め機構302は、X方向においてベース部材104(図1参照)に対するインクジェットヘッド102の位置を決めるための機構であり、第1治具部材202における上記の3つの平面のうちの1つの平面に形成されている。この1つの平面は、より具体的に、コの字型(コの字形状)を構成する3つの平面のうちの中央の面である。また、この平面に第1位置決め機構302が形成されるとは、例えば、第1位置決め機構302を構成する部材がこの平面の位置に配設されることである。また、ベース部材104に対するインクジェットヘッド102の位置を決めるとは、ベース部材104に新たに取り付けるインクジェットヘッド102について、既にベース部材104に取り付けられているインクジェットヘッドに対する相対位置を決めることであってよい。
また、本例において、第1位置決め機構302は、付勢部材402を有する。付勢部材402は、例えば板バネであり、コの字型を構成する3つの平面のうちの中央の面の位置に配設されることにより、インクジェットヘッド102を第2治具部材204に向けて付勢する。また、付勢部材402は、この中央の面の位置において、Y方向に沿って延在する。
第2位置決め機構304は、Y方向においてベース部材104に対するインクジェットヘッド102の位置を決めるための機構である。また、第2位置決め機構304は、第1治具部材202における3つの平面のうちの2つの平面であり、インクジェットヘッド102を挟んで対向する2つの平面に形成されている。この2つの平面は、より具体的に、コの字型を構成する3つの平面のうちの中央以外の2面である。また、この2つの平面に第2位置決め機構304が形成されるとは、例えば、第2位置決め機構304を構成する部材がこれらの平面の位置に配設されることである。また、本例において、Y方向においてベース部材104に対するインクジェットヘッド102の位置を決めるとは、インクジェットヘッド102のノズル列がX方向に対して傾く角度(傾斜角度)を調整して決めることである。
また、本例において、第2位置決め機構304は、付勢部材404及び傾き調整用部材406を有する。付勢部材404は、例えば板バネであり、上記の2つの平面のうちの一方の位置に配設されることにより、インクジェットヘッド102を他方の面へ向けて付勢する。傾き調整用部材406は、この他方の面の位置に配設される偏心ピン(偏心コマ)であり、この他方の面の位置でインクジェットヘッド102の側面と接することにより、インクジェットヘッド102の位置を決める基準面として機能する。
このように構成した場合、インクジェットヘッド102は、付勢部材404により付勢されることにより、基準面に押し付けられる。また、これにより、1つの治具部材(第1治具部材202)の中で、2つの平面のうちの一方の面がインクジェットヘッド102を押し付ける役目を果たし、他方の面が押し付けられる基準面の役割を果たすことになる。そのため、本例によれば、例えば、第1治具部材202とインクジェットヘッド102とをはめ合わせるだけで、Y方向の位置決めを容易かつ適切に行うことができる。
また、より具体的に、本例において、傾き調整用部材406は、例えば、Y方向においてインクジェットヘッド102と接する位置が回転角度に応じて変化する偏心ピンである。傾き調整用部材406としては、例えば、90°の回転角度あたり0.4mm程度オフセットする偏心ピン等を好適に用いることができる。
また、図中に示すように、本例において、第1治具部材202は、複数のネジ穴310を更に有する。ネジ穴310は、ベース部材104に第1位置決め機構302を固定するためのネジを通すための穴であり、コの字型の3つの壁を構成する部材に形成される。
図3(b)及び図4(b)は、第2治具部材204の詳細な構成の一例を示す上面図及び斜視図である。上記においても説明をしたように、本例においては、第2治具部材204も、インクジェットヘッドと接する部分がコの字型になっており、インクジェットヘッドのノズル面において隣接する2つの角を囲むように形成された3つの平面からなる壁を有する。また、このような形状を有することにより、第2治具部材204は、機能的に、第3位置決め機構306及第4位置決め機構308を有する。
第3位置決め機構306は、X方向において第1位置決め機構302とは異なる位置でベース部材104に対するインクジェットヘッド102のX方向における位置を決めるための機構である。また、本例において、第3位置決め機構306は、X方向においてインクジェットヘッド102を挟んで第1位置決め機構302と対向するように配設されることにより、第1位置決め機構302と協働して、X方向におけるインクジェットヘッド102の位置を決める。第1位置決め機構302と第3位置決め機構306とを協働させて位置決めを行うとは、例えば、X方向におけるインクジェットヘッド102の一方側及び他方側の各々の位置に第1位置決め機構302及び第3位置決め機構306の各々を設置して、両機構の機能を利用して位置決めを行うことである。
また、本例において、第3位置決め機構306は、第2治具部材204における上記の3つの平面のうちの1つの平面に形成されている。この1つの平面は、より具体的に、コの字型を構成する3つの平面のうちの中央の面である。また、この平面に第3位置決め機構306が形成されるとは、例えば、第3位置決め機構306を構成する部材がこの面の位置に配設されることである。
また、本例において、第3位置決め機構306は、前後調整用部材408を有する。前後調整用部材408は、この平面の位置に配設される偏心ピンであり、この位置においてインクジェットヘッド102の側面と接することでインクジェットヘッド102の位置を決める基準面として機能する。また、より具体的に、本例において、前後調整用部材408は、例えば、X方向においてインクジェットヘッド102と接する位置が回転角度に応じて変化する部材である。前後調整用部材408としては、例えば、傾き調整用部材406と同一又は同様の偏心ピンを好適に用いることができる。
このように構成した場合、インクジェットヘッド102は、第1位置決め機構302における付勢部材402により付勢されることにより、基準面として機能する前後調整用部材408に押し付けられる。また、これにより、第1位置決め機構302及び第3位置決め機構306は、協働してインクジェットヘッド102の位置決めを行う。
第4位置決め機構308は、X方向において第2位置決め機構304とは異なる位置でY方向においてベース部材104に対するインクジェットヘッド102の位置を決めるための機構である。このように構成すれば、例えば、Y方向においても2箇所の機構(第2位置決め機構304及び第4位置決め機構308)で位置決めを行うことにより、位置決めの確実性をより適切に向上させることができる。
また、本例において、第4位置決め機構308は、第2治具部材204における3つの平面のうちの2つの平面であり、インクジェットヘッド102を挟んで対向する2つの平面に形成されている。この2つの平面は、より具体的に、コの字型を構成する3つの平面のうちの中央以外の2面である。また、この2つの平面に第4位置決め機構308が形成されるとは、例えば、第4位置決め機構308を構成する部材がこれらの平面の位置に配設されることである。
また、より具体的に、本例において、第4位置決め機構308は、付勢部材410及び当接部412を有する。付勢部材410は、例えば板バネであり、上記の2つの平面のうちの一方の位置に配設されることにより、インクジェットヘッド102を他方の面へ向けて付勢する。また、付勢部材410は、この位置において、X方向に沿って延在する。
当接部412は、この他方の面においてインクジェットヘッド102の側面と接する部分である。本例において、当接部412は、付勢部材410の側へ突出する凸状の部分である。この場合、インクジェットヘッド102は、付勢部材410により付勢されることにより、凸状の当接部412の先端部分に押し付けられる。
また、図中に示すように、本例において、第2治具部材204は、複数のネジ穴312を更に有する。ネジ穴312は、ベース部材104に第2位置決め機構304を固定するためのネジを通すための穴であり、コの字型の3つの壁を構成する部材に形成される。
また、第1治具部材202及び第2治具部材204の具体的な形状については、図3(a)、(b)及び図4(a)、(b)に図示した形状に限らず、様々に変形をさせてもよい。図3(c)及び図4(c)は、第1治具部材202の詳細な構成の他の例を示す上面図及び斜視図である。図3(c)及び図4(c)において、図3(a)及び図4(a)と同じ符号を付した構成は、図3(a)及び図4(a)に示した構成と同一又は同様の特徴を有してよい。
このように具体的な構成を変更した場合も、第1治具部材202において、図3(a)及び図4(a)を用いて説明をした場合と同一又は同様の機能を果たすことができる。また、具体的な図示は省略したが、第2治具部材204の具体的な構成についても、適宜変更が可能である。
続いて、第1治具部材202及び第2治具部材204を用いて行う位置決めの動作について、更に詳しく説明をする。図5は、第1治具部材202及び第2治具部材204を用いて行う位置決めの動作について説明をする図である。図5(a)は、第1治具部材202及び第2治具部材204の設置の仕方の一例を示す。
尚、図5(a)において、符号Aを付して図示している第1治具部材202及び第2治具部材204は、図3(a)及び図4(a)に示した第1治具部材202と、図3(b)及び図4(b)に示した第2治具部材204を用いた場合の例である。また、符号Bを付して図示している第1治具部材202及び第2治具部材204は、図3(c)及び図4(c)に示した第1治具部材202と、図3(b)及び図4(b)に示した第2治具部材204を用いた場合の例である。また、以下において説明する事項は、符号A、Bのいずれを付して示した場合にも、同一又は同様である。
上記においても説明をしたように、本例のヘッドアレイ100(図1参照)において、複数のインクジェットヘッド102a〜c(図1参照)は、例えば、工場の出荷時に調整された位置において、ベース部材104(図1参照)に搭載されている。また、インクジェットヘッド102(インクジェットヘッド102a〜cのいずれか)の交換時には、第1治具部材202及び第2治具部材204からなるヘッド交換治具を用いて、交換前のインクジェットヘッド102と同じ位置に、新たなインクジェットヘッド102を取り付ける。
また、インクジェットヘッド102の交換時には、より具体的に、先ず、交換前のインクジェットヘッド102をX方向において挟むように、第1治具部材202及び第2治具部材204を取り付ける。この場合、第1治具部材202及び第2治具部材204をインクジェットヘッド102にできるだけ密着させた状態で、第1治具部材202におけるネジ穴310及び第2治具部材204におけるネジ穴312にネジを通して、第1治具部材202及び第2治具部材204をベース部材104に固定する。これらの工程は、第1位置決め機構302をX方向におけるインクジェットヘッド102の一端側に取り付ける工程、及び第2位置決め機構304をX方向におけるインクジェットヘッド102の他端側に取り付ける工程の一例である。
また、本例において、第1治具部材202及び第2治具部材204は、上記においても説明をしたように、インクジェットヘッド102と接する部分がコの字になっている。そして、この場合、例えば、インクジェットヘッド102の2つの角をそれぞれ囲む第1治具部材202及び第2治具部材204により位置決めを行うことになるため、例えばインクジェットヘッド102の角とコの字型の平面(例えば平面のうちの2面)との位置関係を利用して、第1治具部材202及び第2治具部材204をインクジェットヘッド102により容易にはめ込むことができる。
また、この場合、付勢部材402が設けられた第1治具部材202がX方向においてインクジェットヘッド102を押し付ける役目を果たし、前後調整用部材408が設けられた第2位置決め機構304が基準面の役割を果たすことになる。そのため、本例によれば、例えば、第1位置決め機構302及び第2位置決め機構304の一方側を他方側へ押し付けるだけで、第1位置決め機構302及び第2位置決め機構304とインクジェットヘッド102との位置関係を容易かつ適切に合わせることができる。また、これにより、例えば、第1治具部材202及び第2治具部材204をより容易かつ適切に設置することができる。そのため、本例によれば、例えば、ベース部材104上にスペースの余裕がない場合にも、ヘッド交換治具をより適切に設置することができる。
また、この場合、例えば、第1治具部材202及び第2治具部材204の最上部からネジを差し込んでネジを締め(本締め)、第1治具部材202及び第2治具部材204を適切に固定することができる。また、第1治具部材202及び第2治具部材204としては、例えば高さ方向にスライドするスライダーが設けられた治具等を用いる場合等と比べ、高さの低い構成を用いることができる。また、本例の第1治具部材202及び第2治具部材204を用いる場合、例えば位置合わせ用の治具の内部に手を差し込んでネジ止め等を行うこと等も必要ない。そのため、本例によれば、例えば、第1治具部材202及び第2治具部材204の取り付け時の作業性を適切に高めることができる。
また、第1治具部材202及び第2治具部材204をネジで固定した後には、第1治具部材202における傾き調整用部材406及び第2治具部材204における前後調整用部材408を必要に応じて回転させて、第1治具部材202及び第2治具部材204をインクジェットヘッド102により確実に接触させる。このように構成すれば、例えば、X方向及びY方向における基準面をインクジェットヘッド102の位置により確実に合わせることができる。
また、その後、第1治具部材202及び第2治具部材204が取り付けられた位置のインクジェットヘッド102を取り外し、新たなインクジェットヘッド102を取り付ける。この場合、第1治具部材202及び第2治具部材204に挟まれる位置に新たなインクジェットヘッド102を取り付けることにより、交換前後のインクジェットヘッド102の位置を同じに設定することができる。
また、新たなインクジェットヘッド102の設置後には、必要に応じて、位置の微調整を行う。この微調整時には、例えば、第2位置決め機構304における傾き調整用部材406や第4位置決め機構308における前後調整用部材408の回転角度を微調整することで、第1治具部材202及び第2治具部材204自体の位置を変化させることなく、インクジェットヘッド102の位置の微調整を適切に行うことができる。
より具体的に、この場合、例えば、第4位置決め機構308における前後調整用部材408の回転角度を調整することにより、X方向(前後方向)におけるインクジェットヘッド102の位置を適切に調整することができる。また、本例においては、第1位置決め機構302における傾き調整用部材406の回転角度を調整することにより、Y方向においても、インクジェットヘッド102の位置を適切に調整することができる。また、この場合、例えば、第1治具部材202における第2位置決め機構304と第2位置決め機構304における第4位置決め機構308とを協働させて、Y方向におけるインクジェットヘッド102の位置を調整する。
このように構成すれば、インクジェットヘッド102の位置の微調整を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、交換の前後のインクジェットヘッド102の吐出特性に差がある場合や、交換後のインクジェットヘッド102の取り付け時に誤差が生じた場合等にも、誤差等に応じた調整を適切に行うことができる。
図5(b)は、インクジェットヘッド102の位置の微調整について更に詳しく説明をする図である。本例において、インクジェットヘッド102の位置の微調整は、上記のように、第1位置決め機構302における傾き調整用部材406と、第2位置決め機構304における前後調整用部材408とを用いて行う。また、これにより、構造的に極座標を想定した構成により、位置の微調整を行う。
より具体的に、この場合、インクジェットヘッド102の一端側に設置される第1位置決め機構302における傾き調整用部材406を用いて、インクジェットヘッド102の他端側を原点として、ノズル面と平行な面内でインクジェットヘッド102を回転させる。また、これにより、インクジェットヘッド102の傾斜角度θを調整して、Y方向におけるインクジェットヘッド102の位置を調整する。
尚、この場合、インクジェットヘッド102が回転するとは、インクジェットヘッド102のノズル列が回転することである。また、Y方向の位置の調整時において、インクジェットヘッド102の他端側のY方向における位置は、第2治具部材204における第4位置決め機構308により設定されている。そのため、この構成については、インクジェットヘッド102のノズル列がX方向に対して傾く角度(傾斜角度θ)を第2位置決め機構304及び第4位置決め機構308により調整する機構と考えることができる。また、この場合第2位置決め機構304及び第4位置決め機構308は、例えば、ノズル列方向がX方向と平行になるように、インクジェットヘッド102の傾斜角度θを調整する。このように構成すれば、例えば、X方向の位置をほぼ固定した状態で、Y方向における位置及び傾斜角度θの調整のみを行うことができる。
また、この場合、回転の原点となるインクジェットヘッド102の他端の位置については、第2治具部材204の前後調整用部材408を用いて、X方向の一軸方向において、位置の調整を行う。これにより、交換後のインクジェットヘッド102のノズル列について、X方向における位置を適切に調整することができる。
以上のように、本例によれば、例えば、別の部材に別れた第1治具部材202及び第2治具部材204を用い、インクジェットヘッド102の長手方向の両端に第1治具部材202及び第2治具部材204の各々を取り付けることにより、第1治具部材202及び第2治具部材204の設置をより容易かつ適切に行うことができる。より具体的には、例えば、Y方向等へ複数のインクジェットヘッドが並ぶようにインクジェットヘッドが集積されている場合にも、ベース部材104上の周囲の部材等との干渉を防ぎつつ、より容易かつ適切に第1治具部材202及び第2治具部材204を設置できる。
また、この場合、第1治具部材202及び第2治具部材204において、インクジェットヘッド102を押し当てたい面と対向する位置に付勢部材(例えば、付勢部材402、付勢部材404、及び付勢部材410)が配設された構成等を用いることにより、より容易かつ適切にインクジェットヘッド102の位置を決めることができる。そのため、本例によれば、例えば、インクジェットヘッド102の交換を行う場合等に、インクジェットヘッド102の位置決めをより確実に行うことができる。
ここで、上記において説明をした事項に対し、更なる補足説明や、変形例の説明等を行う。上記においては、インクジェットヘッド102の交換時に第1治具部材202及び第2治具部材204を設置するタイミングについて、主に、交換前のインクジェットヘッド102を取り外す前に第1治具部材202及び第2治具部材204を設置する場合について、説明をした。しかし、本例の第1治具部材202及び第2治具部材204は、上記のように、インクジェットヘッド102の位置を微調整する機能を有している。そのため、第1治具部材202及び第2治具部材204を設置するタイミングについては、例えば、交換前のインクジェットヘッド102を取り外した後にすること等も考えられる。この場合、例えば、交換前のインクジェットヘッド102を取り外した後、新たなインクジェットヘッド102を取り付ける前に、第1治具部材202及び第2治具部材204を設置することが考えられる。また、例えば、新たなインクジェットヘッド102を設置した後に第1治具部材202及び第2治具部材204を設置すること等も考えられる。これらの場合も、第1治具部材202及び第2治具部材204の取り付け後にインクジェットヘッド102の位置を適宜調整することにより、他のインクジェットヘッドとの位置関係が適正になる位置にインクジェットヘッド102を適切に取り付けることができる。
また、第1治具部材202及び第2治具部材204等の具体的な構成に関しては、例えば、ヘッドアレイ100の構成に合わせた構成を用いることが好ましい。より具体的には、例えば、第1位置決め機構302、第2位置決め機構304、第3位置決め機構306、及び第4位置決め機構308の厚さについて、ヘッドアレイ100の構成により適した厚さにすること等が考えられる。この場合、第1位置決め機構302及び第3位置決め機構306の厚さとは、例えば、これらの機構が設けられる1つの壁の幅(X方向における幅)である。より具体的に、第1位置決め機構302の厚さとは、例えば、図5(b)に示した幅t1のことである。また、壁の幅とは、例えば、壁において最も幅が大きくなっている部分の幅であってよい。また、第2位置決め機構304及び第4位置決め機構308の厚さとは、これらの機構が設けられる2つの壁のそれぞれの幅(Y方向における幅)である。より具体的に、第2位置決め機構304の厚さとは、例えば、図5(b)に示した幅t1のことである。
また、より具体的に、ベース部材104においては、例えばスタガ配置で複数のインクジェットヘッドを搭載する場合等に、Y方向へ並ぶ複数のインクジェットヘッドを搭載すること等が考えられる。そして、この場合、第2位置決め機構304及び第4位置決め機構308の厚さについて、第1位置決め機構302及び第3位置決め機構306の厚さよりも薄くすること等が考えられる。この場合、例えば、第1治具部材202においては、幅t1>幅t2になる。
また、この場合、第2位置決め機構304及び第4位置決め機構308の各々が設けられる2つの平面を構成する壁のX方向における長さについて、第1位置決め機構302及び第3位置決め機構306の各々が設けられる1つの平面を構成する壁のY方向における長さよりも短くすることが好ましい。この場合、より具体的に、第2位置決め機構304が設けられた壁のX方向における長さとは、例えば、図5(b)に示した距離L2のことである。また、第1位置決め機構302が設けられた壁のY方向における長さとは、例えば、図5(b)に示した距離L1のことである。そのため、これらの長さが上記の関係になるとは、例えば、第1治具部材202において、距離L1>距離L2になることである。
このように構成すれば、例えば、スタガ配置で複数のインクジェットヘッドが配置されたヘッドアレイ100を用いる場合等において、特に、Y方向(主走査方向)におけるインクジェットヘッド間の距離を詰めてキャリッジ長をコンパクトしたい場合に、コの字状に対向する壁の厚みを薄く、かつ短くすることができる。また、これにより、例えば、交換時に隣り合うインクジェットヘッドとの干渉を適切に軽減することができる。また、この場合も、ヘッド交換治具を2個の部材(第1治具部材202及び第2治具部材204)で構成することや、壁の厚みを薄くしてもその長さを短くすること等により、X方向での強度が問題になることを適切に防ぐことができる。
また、上記においては、ヘッドアレイ100について、主に、例えばインクジェットプリンタ等において使用することを説明した。この場合、インクジェットプリンタにおいては、例えば複数のヘッドアレイ100を使用してもよい。また、この場合、各々のヘッドアレイ100は、例えば、互いに異なる種類(例えば、異なる色や用途)のインク滴を吐出する。また、ヘッドアレイ100は、インクジェットプリンタ以外の装置において使用されてもよい。例えば、ヘッドアレイ100は、インクジェットヘッドを用いて立体物を造形する造形装置に取り付けられてもよい。
また、上記においては、インクジェットヘッド102を交換する動作について、主に、1回の一つのインクジェットヘッド102を交換する場合について、説明をした。この場合、ヘッドアレイ100における一つのインクジェットヘッド102の位置に対して、第1治具部材202及び第2治具部材204を設置する。しかし、インクジェットヘッド102の交換については、例えば、複数のインクジェットヘッド102を同時に交換すること等も考えられる。この場合、例えば複数組の第1治具部材202及び第2治具部材204を用いて、ヘッドアレイ100における複数のインクジェットヘッド102の位置のそれぞれに第1治具部材202及び第2治具部材204を設置することが考えられる。
続いて、第1治具部材202や第2治具部材204の具体的な構成の変形例について、更に詳しく説明をする。第1治具部材202や第2治具部材204の構成の変形例においては、付勢部材402、404、410等の具体的な形状等についても、様々に変更が可能である。図6及び図7は、第1治具部材202及び第2治具部材204の構成の変形例を示す。尚、以下に説明をする点を除き、図6及び図7において、図1〜5と同じ符号を付した構成は、図1〜5における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。
図6(a)及び図7(a)は、第1治具部材202の構成の変形例を示す上面図及び斜視図である。図6(b)及び図7(b)は、第2治具部材204の構成の変形例を示す上面図及び斜視図である。本変形例の第1治具部材202及び第2治具部材204においては、図3及び図4に図示した構成の第1治具部材202及び第2治具部材204と比べ、付勢部材402、404、410の具体的な形状等が異なっている。例えば、本変形例において、付勢部材402、404、410は、平行な複数の線を折り目にして複数箇所で折れ曲がる板バネである。この場合、板バネの折り目とは、板バネを構成する板状体を曲げる位置のことである。
また、より具体的に、第1治具部材202における付勢部材402は、Y方向と平行な複数の折り目502に沿って、複数箇所で折り曲げられている。また、第1治具部材202における付勢部材404及び第2治具部材204における付勢部材410は、X方向と平行な複数の折り目502に沿って、複数箇所で折り曲げられている。
また、インクジェットヘッド102(図1参照)の交換時において、インクジェットヘッド102と共にベース部材104上に設置された状態において、付勢部材402は、少なくともいずれかの折り目502の位置でインクジェットヘッド102と接することにより、第2治具部材204における前後調整用部材408へ向けてインクジェットヘッド102を付勢する。また、これにより、付勢部材402は、第2治具部材204の第3位置決め機構306における基準面に向けてインクジェットヘッド102を付勢する。また、この状態において、付勢部材404は、少なくともいずれかの折り目504の位置でインクジェットヘッド102と接することにより、傾き調整用部材406へ向けてインクジェットヘッド102を付勢する。また、これにより、付勢部材404は、第2位置決め機構304における基準面に向けてインクジェットヘッド102を付勢する。また、付勢部材410は、少なくともいずれかの折り目510の位置でインクジェットヘッド102と接することにより、当接部412へ向けてインクジェットヘッド102を付勢する。また、これにより、付勢部材410は、第4位置決め機構308における基準面に向けてインクジェットヘッド102を付勢する。
尚、付勢部材402、404、410のそれぞれにおいて、折り目の位置でインクジェットヘッド102と接するとは、例えば、板バネにおける折り目の近傍がインクジェットヘッド102と接する状態のことである。また、本変形例において、この状態は、例えば、板バネにおいて、折り目を縁にする面状の領域でインクジェットヘッド102と接することである。また、付勢部材402、404、410の具体的な形状を更に異ならせた場合等において、折り目の付近がインクジェットヘッド102と接する状態とは、例えば、折り目に沿った線状の領域でインクジェットヘッド102と接する状態であってもよい。また、このような形状の付勢部材402、404、410を用いることが好ましい理由については、後に更に詳しく説明をする。
また、本変形例において、付勢部材402、404、410の形状については、例えば、それぞれの幅の点でも、図3及び図4に図示した構成と異なっている。この場合、付勢部材402、404、410の幅とは、第1治具部材202又は第2治具部材204におけるコの字型の平面(壁)に沿った幅のことである。また、本変形例における付勢部材402、404、410の幅は、図中に示すように、図3及び図4に図示した構成と比べて狭くなっている。
より具体的に、例えば、第1治具部材202における付勢部材402の場合、付勢部材402の幅Y1について、第1治具部材202のY方向における幅W0の1/2以下(例えば、1/5〜1/2程度)にすることが好ましい。この場合、付勢部材402の幅Y1とは、例えば、付勢部材402において、インクジェットヘッド102と接する部分のY方向における幅である。また、付勢部材402においてインクジェットヘッド102と接する部分の幅とは、例えば、インクジェットヘッド102と共にベース部材104上に設置された状態において、インクジェットヘッド102と接する部分の幅のことである。また、第1治具部材202のY方向における幅W0とは、例えば、Y方向において最も広い部分における第1治具部材202の幅のことである。また、付勢部材402の幅Y1は、第1治具部材202のY方向における幅W0に対し、好ましくは1/3以下、更に好ましくは1/4以下である。
また、付勢部材402の幅Y1について、Y方向における第1治具部材202の内壁の幅W1と比較した場合、付勢部材402の幅Y1は、例えば幅W1の1/2以下(例えば、1/4〜1/2程度)、好ましくは1/3以下である。この場合、第1治具部材202の内壁の幅W1とは、図中に示すように、第1治具部材202においてインクジェットヘッド102と接するコの字型の部分のY方向における幅のことである。
また、第1治具部材202における付勢部材404の場合、付勢部材404の幅X1について、第1治具部材202のX方向における幅L0の1/2以下(例えば、1/5〜1/2程度)にすることが好ましい。この場合、付勢部材404の幅X1とは、例えば、付勢部材404において、インクジェットヘッド102と接する部分のX方向における幅である。また、第1治具部材202のX方向における幅L0とは、例えば、X方向において最も広い部分における第1治具部材202の幅のことである。また、付勢部材402の幅X1は、第1治具部材202のX方向における幅L0に対し、好ましくは1/3以下、更に好ましくは1/4以下である。
また、付勢部材404の幅X1について、X方向における第1治具部材202の内壁の幅L1と比較した場合、付勢部材404の幅X1は、例えば幅L1の1/2以下(例えば、1/4〜1/2程度)である。この場合、第1治具部材202の内壁の幅L1とは、図中に示すように、第1治具部材202においてインクジェットヘッド102と接するコの字型の部分のX方向における幅のことである。
また、第2治具部材204における付勢部材410の場合、付勢部材410の幅X2について、第2治具部材204のX方向における幅L2の1/2以下(例えば、1/5〜1/2程度)にすることが好ましい。この場合、付勢部材410の幅X2とは、例えば、付勢部材410において、インクジェットヘッド102と接する部分のX方向における幅である。また、第2治具部材204のX方向における幅L2とは、例えば、X方向において最も広い部分における第2治具部材204の幅のことである。また、付勢部材410の幅X1は、第2治具部材204のX方向における幅L2に対し、好ましくは1/3以下、更に好ましくは1/4以下である。
また、付勢部材410の幅X2について、X方向における第2治具部材204の内壁の幅L3と比較した場合、付勢部材410の幅X2は、例えば幅L3の1/2以下(例えば、1/4〜1/2程度)である。この場合、第2治具部材204の内壁の幅L3とは、図中に示すように、第2治具部材204においてインクジェットヘッド102と接するコの字型の部分のX方向における幅のことである。尚、このような幅の狭い付勢部材402、404、410を用いることが好ましい理由については、後に更に詳しく説明をする。
また、本変形例においては、例えば、第1治具部材202の第2位置決め機構304について、付勢部材404を配設する位置についても、特徴を有している。より具体的に、本変形例において、付勢部材404の幅は、例えば、インクジェットヘッド102を押しつける先の基準面として機能する調整用部材406の幅と同程度になっている。そして、このような場合、付勢部材404と傾き調整用部材406とについて、例えばX方向における位置を揃えて配設することにより、付勢部材404がインクジェットヘッド102を付勢する方向に沿って並べることが好ましい。
そのため、本変形例において、第2位置決め機構304における付勢部材404は、例えば図中に矢印602を用いて示すように、幅方向の中央の位置を傾き調整用部材406に合わせて配設される。また、これにより、付勢部材404は、インクジェットヘッド102を挟んで傾き調整用部材406と対向する位置において、傾き調整用部材406へ向けてインクジェットヘッド102を付勢する。
ここで、付勢部材404において、幅方向の中央の位置とは、例えば、インクジェットヘッド102と接する部分の折り目504のX方向における中央の位置である。また、本変形例において、傾き調整用部材406は、例えば、図中に示すように、偏心部506及びキャップ部508を有する。この場合、偏心部512は、インクジェットヘッド102と接する基準面として機能する偏心部材であり、キャップ部508の回転に合わせて回転することにより、回転角度に応じて基準面の位置を変化させる。また、キャップ部508は、インクジェットヘッド102の位置の調整時に作業者により回されるネジ部品であり、自身の回転に応じて偏心部506を回転させる。キャップ部508としては、例えば、公知の六角穴付ボルト等を好適に用いることができる。
また、この場合、付勢部材404における幅方向の中央の位置を傾き調整用部材406に合わせるとは、例えば、付勢部材404の中央の位置を傾き調整用部材406における偏心部506の位置に合わせることである。また、この場合、X方向及びY方向と直交する高さ方向の位置についても、付勢部材404においてインクジェットヘッド102と接触する部分の高さと、偏心部506の高さとを合わせることが好ましい。また、このような位置に付勢部材404を配設することが好ましい理由についても、後に更に詳しく説明をする。
ここで、本変形例において、付勢部材402、404、410としては、例えば、金属の板バネを好適に用いることができる。また、付勢部材402、404、410のそれぞれとしては、例えば、同一形状の板バネを用いることができる。また、その他の部材に関し、例えば第2治具部材204の第3位置決め機構306における前後調整用部材408としては、例えば、傾き調整用部材406と同じ偏心ピンを用いることができる。この場合、前後調整用部材408は、傾き調整用部材406における偏心部506及びキャップ部508と同一又は同様の偏心部512及びキャップ部514を有する。
また、第1治具部材202や第2治具部材204の具体的な形状については、図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)に示した構成に限らず、更なる様々な変更も可能である。この場合、例えば、第1治具部材202や第2治具部材204のX方向における幅L0、L2について、付勢部材404の幅X1や付勢部材410の幅X2に合わせて、より小さくすること等も考えられる。図6(c)及び図7(c)は、第1治具部材202の構成の更なる変形例を示す上面図及び斜視図であり、付勢部材402のX方向における幅L0を小さくした場合の第1治具部材202の構成の一例を示す。
尚、図6(c)及び図7(c)に示した第1治具部材202においては、図示の便宜上、第1治具部材202のX方向における幅L0以外の部分についても、図6(a)及び図7(a)に示した構成と適宜異ならせている。また、図示は省略したが、第2治具部材204についても、同様の更なる変形例を考えることができる。また、説明の便宜上、以下においては、図6(c)及び図7(c)に示した構成の第1治具部材202も含めて、図6及び図7に示した第1治具部材202及び第2治具部材204を用いる例について、本変形例という。
続いて、本変形例において上記において説明をした形状の付勢部材402、404、410等を用いることが好ましい理由や、付勢部材404を配設する位置の特徴等について、更に詳しく説明をする。先ず、幅の狭い付勢部材402、404、410を用いることが好ましい理由について、説明をする。
上記においても説明をしたように、第1治具部材202及び第2治具部材204としては、インクジェットヘッド102の周囲の狭い領域に設置できるように、小型の部材を用いることが好ましい。そして、この場合において、付勢部材402等として用いる板バネの幅が大きいと、例えば、他の部材との意図しない接触(干渉)が生じやすくなることも考えられる。より具体的に、例えば、第1治具部材202において、付勢部材402及び付勢部材404の幅が大きいと、付勢部材402と付勢部材404との間で無用な接触が生じ、付勢部材402及び付勢部材404の機能に支障が生じること等が考えられる。また、付勢部材402等として用いる板バネの幅が大きい場合、例えば、板バネからインクジェットヘッド102へ力が加わる領域も広くなるため、傾き調整用部材406を用いた調整の仕方等によっては、インクジェットヘッド102へ加わる力の向きが意図しない方向になり、調整を適切に行うことが難しくなる場合もある。
これに対し、本変形例においては、付勢部材402等として幅の狭い板バネを用いることにより、例えば、他の部材との意図しない接触をより確実に防ぐことができる。また、この場合、インクジェットヘッド102へ加える力の向きについても、より確実に制御することができる。そのため、本変形例によれば、例えば、板バネの付勢力を利用したインクジェットヘッド102の位置の調整をより適切に行うことができる。
続いて、付勢部材402等として用いる板バネの具体的な形状について、本変形例での形状が好ましい理由について、説明をする。図8は、図6及び図7を用いて説明をした第1治具部材202及び第2治具部材204の特徴について更に詳しく説明をする図である。図8(a)、(b)は、板バネの具体的な形状の特徴について説明をする図である。
付勢部材402等として板バネを用いる場合において、より単純な構造の板バネを用いることを考えた場合、例えば図8(a)に示す構成のように、板を1カ所の折り目612で折り曲げた形状の板バネを用いることが考えられる。この場合、インクジェットヘッド102(図1参照)と接していない状態において、板バネは、端614の部分が最も突出した状態になる。端614の部分が最も突出した状態とは、例えば図中に示すように、端614以外の部分の突出幅S2と比べて端614の突出幅S1が大きくなる状態である。また、この場合、突出幅とは、例えば、図中の左右方向における板バネの幅のことである。
そして、この場合、治具部材(第1治具部材及び第2治具部材)及びインクジェットヘッド102の具体的な形状や設置の仕方等によっては、治具部材又はインクジェットヘッド102の取り付け時において、板バネの端614がインクジェットヘッド102に引っかかりやすくなる場合がある。また、このような引っかかりが生じることで、インクジェットヘッド102に破損が生じることや、治具部材又はインクジェットヘッド102を高い精度で適切に取り付けることが難しくなるおそれもある。
そのため、付勢部材402等として用いる板バネについては、このようなひっかかりがより生じにくい形状にすることが好ましい場合がある。これに対し、本変形例においては、例えば図8(b)に示すように、複数の折り目612、616に対応して複数箇所で折れ曲がる板バネを用いる。図8(b)に示す板バネは、付勢部材402、404、410として用いる板バネを模式的に示したものである。
そして、この場合、インクジェットヘッド102と接していない状態での板バネにおいては、例えば、端614の部分ではなく、いずれかの折り目616の位置が最も突出した状態になる。例えば、図中に示した場合においては、端614から2番目の折り目616における突出幅S2が、端614での突出幅S1よりも大きくなっている。また、この場合、突出幅とは、例えば、端614から最も遠い折り目612の位置から図中の左右方向において離れる距離のことである。また、この場合、端614での突出幅S1については、0に近い幅や、マイナスの幅にすること等も考えられる。この場合、マイナスの幅とは、例えば、図中において折り目612よりも端614が左側になるような場合の幅のことである。
そして、このようにして折れ曲がる板バネを付勢部材402等として用いる場合、板バネにおいてインクジェットヘッド102と接触する位置から板バネの端614が離れた状態になるため、例えば、治具部材やインクジェットヘッド102の取り付け時において、板バネの端614がインクジェットヘッド102に引っかかることを適切に防ぐことができる。また、この場合、このような引っかかりを防ぐことにより、例えば、インクジェットヘッド102がベース部材104(図1参照)に取り付けられた状態で治具部材を設置することや、治具部材が先に設置されている状態で新たなインクジェットヘッド102を設置することについて、より容易かつ確実に行うことができる。そのため、本変形例によれば、例えば、インクジェットヘッド102の交換をより適切に行うことができる。
尚、例えば図3及び図4に図示した構成において、付勢部材402等として用いる板バネは、図8(a)に図示した板バネのように、最初の折り目612が上側になる状態で使用されている。この場合、上側とは、例えば、インクジェットヘッド102におけるノズル面から遠くなる側のことである。
これに対し、図6及び図7に示した構成において、付勢部材402等として用いる板バネは、図8(b)に図示した板バネのように、最初の折り目612が下側になる状態で使用されている。しかし、上記の説明等から明らかなように、図8(b)に示したような形状の板バネを用いる場合、上下の向きを反対にしたとしても、板バネの端がインクジェットヘッド102に引っかかることを適切に防ぐことができる。そのため、板バネの取り付け方については、図6及び図7に示した構成に対し、上下を反対にすること等も考えられる。
また、この場合、板バネの上下における向きについては、例えば、インクジェットヘッド102等の具体的な形状や、交換の手順等に合わせて決定することが好ましい。また、より具体的に、例えば図6及び図7に示した構成の向きで板バネを取り付ける場合、最初の折り目が下側に来るため、ベース部材104にインクジェットヘッド102が取り付けられている状態で治具部材を設置することがより容易になると考えられる。
また、例えば図8(b)に示した構成のように、複数の折り目616の位置で折れ曲がる板バネを付勢部材402等として用いる場合、折り目616の位置でインクジェットヘッド102と接する構成にすることで、例えば、板バネがインクジェットヘッド102に力を加える位置について、より確実に設定することができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッド102の位置をより適切に調整することができる。
しかし、板バネの端がインクジェットヘッド102に引っかかることを防ぐ構成は、必ずしも複数の折り目で折り曲げる構成に限らず、例えば滑らかに湾曲する形状の板バネを用いること等も考えられる。そのため、図6及び図7に示した第1治具部材202及び第2治具部材204の構成の更なる変形例においては、例えば、折り目がない状態で湾曲した板バネを付勢部材402等として用いること等も考えられる。
続いて、第1治具部材202の第2位置決め機構304における付勢部材404と傾き調整用部材406との位置関係について、本変形例の構成が好ましい理由について、説明をする。図8(c)は、付勢部材404を配設する位置の特徴について説明をする図である。
本変形例においても、図1〜5を用いて説明をした構成と同様に、偏心ピンである傾き調整用部材406を回転させることにより、インクジェットヘッド102の傾斜角度の調整を行う。この場合、例えば、傾き調整用部材406におけるキャップ部508を回転させることで、キャップ部508と共に偏心部506を回転させて、第2位置決め機構304における基準面の位置を変化させる。また、これにより、基準面の位置の変化に応じて、インクジェットヘッド102の傾斜角度を変化させる。
また、本変形例においては、図中に矢印602を用いて示すように、幅の狭い板バネである付勢部材404と、傾き調整用部材406における偏心部506とが、X方向における位置を揃えた状態で、インクジェットヘッド102を挟んで対向することになる。そして、この場合、偏心部506を回転させることで行うインクジェットヘッド102の傾斜角度の調整について、意図しない方向へのブレ等が生じ難い状態にして、より確実かつ適切に行うことができる。そのため、本変形例によれば、例えば、インクジェットヘッド102の位置の調整をより適切に行うことができる。
尚、この場合、インクジェットヘッド102の傾きの調整等をより適切に行うためには、傾き調整用部材406について、例えば、偏心部506のみにおいてインクジェットヘッド102と接触し、キャップ部508等の他の部分ではインクジェットヘッド102と接触しない状態にすることが好ましい。より具体的に、図8(c)において、破線622は、第1治具部材202において付勢部材404や傾き調整用部材406を取り付ける筐体部分を模式的に示している。そして、この場合において、傾き調整用部材406のキャップ部508については、少なくとも、インクジェットヘッド102の側(内側)において偏心部506よりもインクジェットヘッド102側へ突出しない形状の部材を用いることが好ましい。また、この場合、他の部材の余計な接触等を避ける観点から、インクジェットヘッド102とは反対の外側においては、キャップ部508の形状について、筐体部分からはみ出さない形状にすることが好ましい。また、この場合、偏心部506については、例えば、内側においては筐体部分から突出して、外側においては筐体部分からはみ出さない形状の部材を用いることが考えられる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えば、ヘッド交換治具に好適に使用できる。
100・・・ヘッドアレイ、102・・・インクジェットヘッド、104・・・ベース部材、202・・・第1治具部材、204・・・第2治具部材、302・・・第1位置決め機構、304・・・第2位置決め機構、306・・・第3位置決め機構、308・・・第4位置決め機構、310・・・ネジ穴、312・・・ネジ穴、402・・・付勢部材、404・・・付勢部材、406・・・傾き調整用部材、408・・・前後調整用部材、410・・・付勢部材、412・・・当接部、502・・・折り目、504・・・折り目、506・・・偏心部、508・・・キャップ部、510・・・折り目、512・・・偏心部、514・・・キャップ部、602・・・矢印、612・・・折り目、614・・・端、616・・・折り目、622・・・破線

Claims (11)

  1. 液滴を吐出する複数のノズルからなるノズル列を各々有する複数のインクジェットヘッドが共通のベース部材に搭載されたヘッドアレイにおける前記インクジェットヘッドを交換する場合に用いる部材であるヘッド交換治具であって、
    交換により新たに前記ベース部材に搭載される前記インクジェットヘッドの位置決めに用いる部材であり、各々独立した部材である、第1治具部材と、第2治具部材とを備え、
    前記第1治具部材は、
    第1方向において前記ベース部材に対する前記インクジェットヘッドの位置を決めるための第1位置決め機構と、
    前記第1方向と交差する第2方向において前記ベース部材に対する前記インクジェットヘッドの位置を決めるための第2位置決め機構と
    を有し、
    前記第2治具部材は、前記第1方向において前記第1位置決め機構とは異なる位置で前記ベース部材に対する前記インクジェットヘッドの前記第1方向における位置を決めるための第3位置決め機構を有し、
    前記第1治具部材と前記第2治具部材とは、前記インクジェットヘッドを挟んで前記第1方向において対向するように配置されることにより、前記第1位置決め機構と前記第3位置決め機構とを協働させて、前記第1方向における前記インクジェットヘッドの位置を決めることを特徴とするヘッド交換治具。
  2. 前記第2治具部材は、前記第1方向において前記第2位置決め機構とは異なる位置で前記第2方向において前記ベース部材に対する前記インクジェットヘッドの位置を決めるための第4位置決め機構を更に有することを特徴とする請求項1に記載のヘッド交換治具。
  3. 前記インクジェットヘッドにおいて前記ノズル列が形成されている面であるノズル面は、四角形状の面であり、
    前記第1治具部材は、前記インクジェットヘッドの前記ノズル面において隣接する2つの角を囲むように形成された3つの平面からなる壁を有し、
    前記第2治具部材は、前記インクジェットヘッドの前記ノズル面において隣接する2つの角であり、前記第1治具部材が囲む角とは別の2つの角を囲むように形成された3つの平面からなる壁を有し、
    前記第1位置決め機構及び前記第3位置決め機構の各々は、前記第1治具部材及び前記第2治具部材の各々における前記3つの平面のうちの1つの平面に形成されており、
    前記第2位置決め機構及び前記第4位置決め機構の各々は、前記第1治具部材及び前記第2治具部材の各々における前記3つの平面のうちの2つの平面であり、前記インクジェットヘッドを挟んで対向する2つの平面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のヘッド交換治具。
  4. 前記第2位置決め機構は、
    前記2つの平面のうちの一方の面に設けられた付勢部材と、
    前記2つの平面のうちの他方の面に設けられた、前記インクジェットヘッドの側面と接するための基準面と
    を有し、
    前記付勢部材によって前記インクジェットヘッドの少なくとも一部を前記基準面に押し付けることを特徴とする請求項3に記載のヘッド交換治具。
  5. 前記第2位置決め機構における前記付勢部材は、前記第1方向と平行な複数の線を折り目にして複数箇所で折れ曲がる板バネであり、少なくともいずれかの前記折り目の位置で前記インクジェットヘッドと接することにより、前記インクジェットヘッドを前記第2位置決め機構における前記基準面に向けて付勢することを特徴とする請求項4に記載のヘッド交換治具。
  6. 前記第2位置決め機構の前記板バネにおいて前記インクジェットヘッドと接する部分の前記第1方向における幅は、前記第1治具部材の前記第1方向における幅の1/2以下であることを特徴とする請求項5に記載のヘッド交換治具。
  7. 前記第2位置決め機構は、前記基準面として機能する偏心ピンを有し、
    前記第2位置決め機構における前記板バネは、前記第1方向における前記折り目の中央の位置を前記第2位置決め機構における前記偏心ピンに合わせて配設されることにより、前記インクジェットヘッドを挟んで当該偏心ピンと対向する位置において、当該偏心ピンへ向けて前記インクジェットヘッドを付勢することを特徴とする請求項6に記載のヘッド交換治具。
  8. 前記第3位置決め機構は、前記インクジェットヘッドの側面と接するための基準面を有しており、
    前記第1位置決め機構は、付勢部材を有しており、前記付勢部材によって前記インクジェットヘッドの側面の少なくとも一部を前記基準面に押し付けることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のヘッド交換治具。
  9. 前記第1位置決め機構における前記付勢部材は、前記第2方向と平行な複数の線を折り目にして複数箇所で折れ曲がる板バネであり、少なくともいずれかの前記折り目の位置で前記インクジェットヘッドと接することにより、前記インクジェットヘッドを前記第3位置決め機構における前記基準面に向けて付勢することを特徴とする請求項8に記載のヘッド交換治具。
  10. 前記第1位置決め機構の前記板バネにおいて前記インクジェットヘッドと接する部分の前記第2方向における幅は、前記第1治具部材の前記第2方向における幅の1/2以下であることを特徴とする請求項9に記載のヘッド交換治具。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のヘッド交換治具を使用して前記インクジェットヘッドの交換を行うヘッド交換方法であって、
    前記第1方向は、前記ノズル列において前記複数のノズルが並ぶノズル列方向と平行な方向であり、
    前記第2方向は、前記第1方向と直交する方向であり、
    前記インクジェットヘッドの前記第1方向における長さは前記第2方向における長さよりも長く、
    前記ヘッドアレイは、前記第2方向へ並べて複数の前記インクジェットヘッドが前記ベース部材に搭載されているものであり、
    前記第1治具部材を、前記第1方向における前記インクジェットヘッドの一端側に取り付ける工程と、
    前記第2治具部材を、前記第1方向における前記インクジェットヘッドの他端側に取り付ける工程と
    を備えることを特徴とするヘッド交換方法。
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